花子: エストニアは北国ですから、冬が長くて寒いんでしょう? アンネ

花子: エストニアは北国ですから、冬が長くて寒いんでしょう?
アンネ: そうですね。寒い年はマイナス 20 度以下になるときもありますよ。
花子: え~!大変ですね。雪もたくさん降るんですか?
つ
アンネ: 雪は降りますけど、日本の雪国みたいに何メートルもは積もりませんね。エストニアの
きこう
気候は北海道に似ていると言われているんですよ。
さっぽろ
花子: そうですか。札幌には札幌雪祭りというフェスティバルがありますが、エストニアにも何
か冬のフェスティバルはありますか?
じ
き
アンネ: フェスティバルじゃありませんが、冬の寒い時期には「ヴァストラの日」という日があ
ります。
花子: え?なんですか?
かんけい
ねんちゅうぎょうじ
アンネ: 「ヴァストラの日」です。もともとキリスト教に関係のある年 中 行 事 なんですけど、今
まる
はそりあそびをして、小さい丸パンを食べる日になっています。
花子: そり?そりと丸パン?
アンネ: そうです。最近は雪があまりない年もあるので、そりは雪がないとできないんですけど
さか
すべ
お
だれ
ね。でも丸パンは雪があってもなくても食べます。そりで坂を滑り降りて、誰が一番遠くまで行
きそ
けたかを競うんです。
花子: へぇ~、楽しそうですね。でも子どもの冬の遊びですね。
おとな
アンネ: まあそうなんですけど、でも、この日は子どもだけじゃなくて大人も遊ぶんですよ。そ
り、持ってますか?
花子: もってないです。
だいじょうぶ
か
ふくろ
アンネ: うん、大丈夫です。そりがなければ、代わりに例えばスーパーの 袋 を使ったりもします。
花子: 大人もですか!どうしてそんなことをするんですか?
もともと
あさ
そだ
きがん
アンネ: 元々は、麻が大きく育つようにという祈願だったようです。
花子: 麻?
せんい
アンネ: そう。昔のエストニア人は服を作るのに麻の繊維を使っていて、その麻は自分で育てて
せ
いたんですよ。で、そりで遠くまでいけると、背の高い麻ができるって言われていたんです。
花子: ふ~ん
アンネ:
背が高いということは、長い繊維がとれるということですから、いいことだったんです。
花子: ああ、なるほど!
アンネ: この日はもともとキリスト教の大切な日なんですけれど… リオのカーニバルがありま
すよね?
花子: ええ、あの有名なサンバのカーニバルですよね。
アンネ: 「ヴァストラの日」もこのカーニバルと同じなんです。「ヴァストラの日」は毎年火曜
じゅんび
はじ
日で、次の水曜日からはイースターに向けた準備が始まるので、その前に楽しく遊ぶってことで
すね。
花子: ふ~ん。イースターですか。名前は知っているけど、実はあんまりよく知らないんですよ
ね…
でも、サンバをおどる国もあればそり遊びをする国もあって、いろいろ面白いですね。