インテリア製品のアート加工技術に関する研究

技術資料
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トカUΞ〔手支市ドrCこ憾昌7すーる砧f、多宅
デザイン音"
専門研究員
坂井竹次
最近のインテリア製品の傾向として、消費者二ーズの多様化、高級化志向に伴ってあら
ゆる製品のグレードアップ化が要求されるようになって来ている、これら消費者二ーズに
対応した商品開発をしていくためには、新素材の開発や新技術の導入が必要になって来て
いる、特にインテリア製品業界においては、商品開発におけるデザインサイクルが短く企
業における商品開発競争は著しいものがある。
一方では地球瓊境の問題や世界情勢の諸問題から輸入木材の高騰、良質の木材不足等が
言われている。
そうした現状の中で各企業とも新商品開発のための新素材の開発や新技術の導入による
アート加工技術には色々な素材を用いた加工技術が導入されている。
その中でも最近特に多く取り入れられていると思われる木材加工技術にはNC加工機に
よるアート加工技術や合成樹脂による成型加工技術等が今日では最も多く取り入れられて
いると思われる。
そこで、本研究では最近のインテリア製品にはどんな材料が最も多く取り入れられてい
るか、また加工技術にはどのような加工技術が用いられているか等を鯛査研究すると共に
現在のインテリア製品に使用されていると思われる輸入木材、国産材のサンプル品の試作
研究と新製品開発のための新素材の開発研究として以下の調査、試験研究を行った。
言
1.緒
本研究では、県内企業で生産されているインテリ
ア製品のグレードアップ化と企業における新製品開
ト加工技術の試験研究等を行'つたので、以下はそれ
らの凋査結果と試作試験結果等について述ベる。
発のための新素材開拓等を主目的に本年度は、最近
のインテリア製品(ネ僻勿家具)の前面には、どんな
2.晨近のインテリア製品俳百物家具)の前面には
材料が最も多く取り入れられているか、またそのイ
どんな材料が最も多く取り入れられているかの
ンテリア製品のアート加工技術には、どのような加
稠査概要について
工技術が用いられているか、等を各種の展示会や盗
2.1 材料の調査についいて
料等から調査研究すると共に、現在のインテリア製
今回行った最近のインテリア製品(箱物家具)の
品に使用されていると思われる輸入木材、国産材の
箪笥・洋服箪笥・食器戸棚・書棚等の前面にはどん
調査研究及び指導の参考資料とするためのサンプル
な材料が最も多く取り入れられているか、ま九その
品として南洋材60種、北洋材60種、国産材60
材料の比率はどの程度の割合か等を今後の研究指導
種の木材標本の試作と企業における新製品開発のた
資料とするために、毎年大川家具産業会館で開催さ
めの新素材開拓研究として、インテリア製品に利用
れている展示会や九州家具展等においての展示品に
できる装飾盗材開発のために、ガラスを用いたアー
ついて調査を行った。
156 -
2.2 材料の稠査結果について
3.2 加工技術の調査結果について
今回行った材料の稠査結果では、箪笥・洋服箪笥
今回行った加工技術の稠査結果では、箪笥・洋服
等は櫓材・プナ材・樺材・等が最も多く使われてい
餓笥等の前面のアー"川工技術による加飾加工技術
九が、食器戸棚・害棚等の前面には松材・ブナ材よ
には、 NC加工による加飾加工技術の物が最も多く
りも種々の材料が用いられていた、特に最近の傾向
見受けられた。
としては、良質の木材が不足していることや材料の
食器戸棚・書棚等の前面のアート加工技術による
価格が高騰したことも要因のーつと思われるが、天
加飾加工技術には、 NC加工による加飾加工技術の
然のムク材(ソリッド材)を使用しナこものよりもス
物もかなり見受けられ九が、食器戸棚・書棚にはス
ターウッド(合成木材)をアート加工した物に天然
ターウッド(合成木材)の成型品や合威樹脂成型品
の突き板張りをした物や木目のシート張りをした物
による加飾加工技術のものがかなり多く見受けられ
が、食器戸棚・害棚等には多く見受けられた。
た。
表(D は今回調査を行った製品別使用材料の比
なお、今回のアート加工技術による加飾加工技術
率割合の調査結果である。
の調査では、箪笥・洋服箪笥・食器戸棚・書棚等の
引き出し部分の前板や扉の部分に殉磁器による加飾
表(1)
加工を施した物がかなり多く見受けられ九。
単位%
また、食器戸棚・害棚等の扉のガラス部分のアー
ト加工技術による加飾加工には、カットガラス加工
櫓
ブナ
樺
その他
合成木材
技術のものがかなり多く見受けられた。
表(2)は今回調査を行っ九製品別加工技術の比
箪
笥
30
20
20
20
10
率割合の稠査結果である。
洋服箪笥
30
20
20
20
10
表(2)
単位%
食器戸棚
10
20
20
30
30
NC加
合成木
合成樹
その他の
工によ
材をN
脂の成
加工によ
る加飾
C加工
型加工
つて加飾
なお、この表の数字の割合は箪笥・洋服箪笥・食
加工を
し九物
による
加工をし
器戸棚・書棚等の前面部分のみに使用されている材
した物
物
た物
書
棚
10
10
10
30
如
料の比率割合である。
箪
笥
50
W
10
30
洋服箪笥
50
W
10
30
食器戸棚
20
30
30
20
書
20
30
30
20
3.最近のインテリア製品(箱物家具)の前面のア
け扣工技術にはどんな加工技術が最も多く取
り入れられているかの調査概要について
3.1 加工技術の調査について
今回行'つた最近のインテリア製品俳百物家具)の
箪笥・洋服箪笥・食器戸棚・害棚等の前面にはどん
棚
なアート加工技術が最も多く取り入れられているか
また、その加工技術の比率はどの程度の割合か等を
なお、この表の数字の割合は箪笥・洋服箪笥・食
今機の研究指導資料とするために、前記材料調査と
器戸棚・書棚等の前面部分のみに取り入れられてい
同時に稠査をおこなった。
る加飾加工技術の比率割合である。
157
4.インテリア製品に利用できる装飾資材の開発試
4.5 試作試験結果および考察について
験研究について
今回試作試験を行った装飾模細エガラスの試作試
4.1 ガラスの加飾加工試験について
験は、本研究の主目的であるインテリア製品のアー
今回の加飾加工試験は、企業における新製品開発
ト加工技術の研究の一貫として、また企業における
のための新素材開拓研究として、インテリア製品に
新製品開発のための新素材開拓研究のーつとして行
利用できる装飾盗材開発のために、ガラスを用いナこ
つた結果、乾式エアーブラスト装置によるサンドブ
アート加工技術の試験研究等を行っ光ので、以下は
ラストと塗装加工技術の組み合わせによってガラス
その試験装置の概要および試験方法、試作試験結果
と塗料の付着性も良く、ブラスト加工と塗装技術に
等について述ベる。
よっては、かなり応用価値のあるスデンドガラス風
装飾模細工板ガラスを開発することが出来た。
4.2 試験に使用した加飾加工試験装置について
今回のアー"扣工技術の実験に使用した加飾加工
また、今回開発した試作品は、従来からよく装飾
用ガラスとして使用されているカットガラス・スリ
試験装置は乾式エアーブラスト装置(サンドブラス
ガラスに無い装飾模細工板ガラスを開発することが
ト装置)で、通常はスリガラスの加工や金属のブラ
出来たので、今後は開発したスデンドガラス風装飾
ス W青研・梨地加工・下地処理・バリの除去等に多
模細工板ガラスを使っ九インテリア製品の開発と試
く使用されている通称ショットブラストと言われて
作研究を行って行く計画である。
いる加工機を今回はガラスの表面アート加工加飾試
験用として使用した。
5.以下は今回調査研究を行っナこ現在インテリア製品
に使用されていると思われている外国産材や国産材
4.3 試作試験の概要につて
のサンプル標本材の樹種名一覧表とサンプル品の写
今回行った試験は、インテリア製品に利用できる
真です。
装飾資材開発のための研究として、普通の板ガラス
.日本国産材針葉樹材
にブラス"川工と塗装技術を組み合わせてステンド
ガラスの様な装飾用の模細エガラスの試作試験を行
イチイ
モミ
力ヤ
つた。
コウヤマキ
木曾檜
カラマツ
ヒムロ
ヒノキ
ヤクスギ
アスナロ
ヒメコマツ
イチョウ
サワラ
アカマツ
トウヒ
付けをするために、マスキングシートでマスキング
ヒノゞ
スギ
ネズコ
デザインを行い、前記のショットプラストで梨地加
ノ\リ Cそ、ミ
クロマツ
ツガ
工を行った後、装飾塗装を行った。
コウヤマキ
4.4 試作試験の方法について
今回行った試験は、普通の板ガラスを任意の模様
図(D は加工工程図である。
圏日本国産材広葉樹材
図(D
板ガラス
デザイン
マスキング
装飾塗装
ブラスト加工
薄利仕上げ
ヒロノ\ノキノ\ダ
エノキ
クヌキ
ノ\ノレJニレ
センダン
ミラカシ
クリ
ケンポナシ
アカガシ
ハリギリ
ケヤキ
シオジ
ヤマザクラ
ムクロジ
158 -
トチノキ
^
ズナラ
ブナ
イヌシデ
園日本国産材広葉樹材
臣外国産主要木材広葉樹材
チ市ンチン
ヤマグワ
ローズウッド
ジョンコン
イヌエンジュ
ツゲ
イヌマキ
ソノケリン
カポーノレ
イタヤカエデ
オニグノレミ
アズモナシ
カリン
アピトン
ナツツバキ
サカキ
タブノキ
J二、え,
ぺりコフ゜シス
ムクノキ
アサダ
クロガネモチ
カリン
アピトン
ゲンカンバ
マカンノゞ
ミウリザクラ
オオバアサガラ
フサザクラ
ミズメ
ナラ
イロコ
ヤチダモ
モッコク
キリ
チーク
モヴァンギ
ドロノキ
ホオノキ
アオハダ
ハックベリ
エヌテネ
ソフトエノレム
オクメ
モアビ
イゾンベ
マユレ
マホガニー
ノぐドウック
ゼブラウッド
ブビンガ
サペリ
レッドビーチ
ウエンゲ
シナノキ
ミズキ
ハイノキ
.外国産主要木材針葉樹材
.、
ハンノキ
トキワガキ
、、
カツラ
マ
タカノツメ
J1
サワグルミ
卜
クス
サンマノレタン
欧州アカマツ
ベイヒノぐ
ラワン
ロンギー
ストローブマツ
ベイヒ
ラミン
アフロモシア
シトカスプース
ベイマツ
メラピ
オノゞンコノレ
ノぐノレサノレモミ
ベイスギ
ホワイトファ
カリブマツ
ノーブノレファ
ビノレママツ
ベイツガ
ニュージーランドマツ
カラマツ
ベニヒ
アメリカンブラックチェリ
罰熱帯産主要木材広葉樹材
トドマツ
タイワンスギ
エボニー
マチャン
エゾマツ
タイワンヒノキ
シジギウム
セノレティス
J、C 二.「マ')ノ
リ厶
ミセリア
ホワイトシリス
アガチス
アレノレス
ケンノぐス
チーズウッド
ゲロンガ
ラング
サンテア
アグライヤ
カエア
ダング
翌外国産主要木材広葉樹材
コットンウッド
バーヲ・
タウン
ケドンドン
ハードメイプノレ
ウォーノレナット
メノレサワ
ノゞヨーノレ
ホワイトアッシュ
レッドオーク
メンピサン
ビンタングーノレバト
バスウッド
ホワイトオーク
プライ
シノレノゞーアッシ
イエローポフ゜ラ
ユーカリ
プライ
シノレノゞーアッシ
アノレダー
タガヤサン
バスウッド
テトラメリタス
シタン
ジェノレトン
イエローメランチ
シナモン
コクタン
ペノレポック
ホワイトメランチ
ピオレオデンドロン
]59
6.以下は、現在開発試作研究を行っているスデンド
匪熱帯産主要木材広葉樹材
ガラス風装飾模細工板ガラスのりンプル品の写真で
す。
レッドメランチ
カサイ
スカフィユーム
アンティアリス
テレンタン
アムーラ
メルタス
ぺりコフ゜シス
セランガン・バツ
ターミナリア
サンページロース
グアジェビラ
カランタス
グアリイタ
メンクラン
イペー
セフ゜タ
マンソニア
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