FQA 知事賞受賞企業トップスピーチ 玉木 洋

FQA 知事賞受賞企業トップスピーチ
福井キヤノン事務機株式会社
社
長
玉木
洋
福井キヤノンの玉木です。
このたび福井県経営品質賞<知事賞>を受賞させていただきましたのは、お客様からの
ご支援とご評価によるものと社員一同心から喜び、お客様に対して感謝申し上げます。ま
た社員、パートナー、経営品質関係各位のご尽力、ご指導の賜物と重ねて御礼申し上げま
す。
本日は時間の制約もありますので、三つのステップでお話しさせていただきます。
その1、出会いから協議会・経営品質賞創立へ
JQA との出会い
創立 25 周年の 5 年前に社会経済生産性本部の特集号を見たときから、私と福井キヤノン
の JQA の「終わりなき旅路」が始まりました。その特集号は、アサヒビールさんと本日記
念講演のためにご来場の加藤支配人さんの千葉夷隅ゴルフクラブさんでした。
アマチュアとしてのシングル・プレイヤーから経営のプロフェッショナルへ
その頃私のゴルフの腕前は絶頂期で、シングル・プレイヤーになったばかりの頃でした。
しかし、ゴルフがうまくなってもだれも喜んでくれないわけでして、それより、経営の質
を高める方がお客様や社員の皆さんが幸福になっていただける訳ですから、こちらの方に
やりがいがあると感じました。
ゴルフのシングル・プレイヤーといってもたかだかアマチュア・レベルですが、論語で
は「50 歳にして天命を知る」と言いますから、自分の天職である経営についてプロフェッ
ショナルとしての品質を極めてゆきたいと考えたわけです。
それは、とりもなおさず、「キヤノン」という世界ブランドに甘えている依存型経営から
自立型経営をめざすことでした。
アセスメントコースで東京へ
そして、JQA を知るにはアセスメントコース受講が最短であることをアドバイスいただき、
受講のために東京へ通い、そこで、経営の何たるかを初めて知りました。
「売れる売れない」
が景気やキヤノンの商品力に左右されているようでは経営とは言えないわけでして、経営
における戦略概念の重要さを学びました。
宝さがし」から「経営品質」へ
アセスメントコースを受講して、「経営品質」の体系的な優れた手法を知り、これを福井
でも学べるようにしたいと考えました。福井キヤノンのお客様は県内の企業や官公庁なの
1
で、お客様や地域が繁栄しなければ福井キヤノンだけの繁栄はあり得ないはずです。
そこで、青年会議所や経済同友会が 1990 年代に継続してきた「宝さがし運動」と経営品
質活動が同じ根っこであることに気がつきました。「宝さがし運動」は、「宝みがき運動」
への展開段階でブレークスルーできないまま停滞しましたが、この精神を引き継ぐものが
「経営品質」であることに気がつきました。
「経営品質」は会社内の「宝さがし」であり、「宝みがき」活動です。そして、福井県経
営品質賞は、県内の宝さがし運動、宝みがき運動と位置付けました。
経営革新のための人材養成
セルフアセスメントコース
福井は「変革の時代」に活躍した多くの偉人を輩出してきました。今でもその遺伝子は
あるはずです。
「平成維新」の今日、「地方の時代」を創ってゆくためには、「まず企業内の経営革新の
担い手となる人材育成が必要」との考えで、その当時は、東京でしか開講されていなかっ
た「セルフアセスメントコース」を初めて地方の福井で開講することに奔走しました。
現在、「セルフアセスメントコース」は、第 7 期を終え、250 名以上の修了生、150 名以
上の認定セルフアセッサーを輩出しています。
FQA の創設
自分が学んだ経営の仕組みづくりの素晴らしさを、福井県内の企業の方々にも共有して
いただき、皆さんとともに素晴らしい会社づくりと地域づくりをしてゆきたいと考えて、
福井県経営品質協議会と福井県経営品質賞の創設を提案しました。
幸い、福井県行政のご支援もいただき、全国初の地方経営品質協議会と地方経営品質賞
が創立され、今日の隆盛に至っているのは、ひとえに協議会会員企業や関係機関のご支援
の賜物です。
今では、全国規模でこの経営品質の運動が広がり、民間企業はもとより三重県をはじめ
行政機関もこれを導入して経営革新の成果を上げています。その時、私の年令は 50 歳で、
「五十にして天命を知る」という言葉通り、これが私のライフワークになることを確信し
ました。
その2、 自社の経営品質向上への取り組み
もはや複写機は成熟商品です
もはや複写機は成熟商品です。どのメーカーの商品もそれほど違いはありません(売っ
ている本人が言うのだから、間違いありません(笑))。福井キヤノンがお客様に独自に提
供するものが何であるかが大切です。私たちは、それを「サービス対応力の品質」と「ソ
リューション提案力」と「お客様との関係性」に求めました。
JQAは、多くの本質的な気づきを導いてくれて、なおかつ、体系的な経営の仕組みづ
くりには最適の手法です。たまたま、創立 25 周年の 5 年前にこのような素晴らしい手法に
出会ったことは、福井キヤノンにとって極めて幸運でした。
2
スタートはトップダウンで
そして、最初の導入にあたっては、トップダウンの極めて強いリーダーシップを発揮し
ました。まだまだ組織としての成熟度が低かった当時の福井キヤノンに変革を促すには、
そのような強引さも必要でした。
そして、まず、否応なく幹部・中堅幹部のセルフアセスメントコース受講を促しました。
当初は見よう見真似の取り組みでしたが、元々、CS 志向の活動や企業風土がありました
ので、これまでの取り組みをまとめて日本経営品質賞と第 1 回目の福井県経営品質賞に申
請しました。その、第 1 回目の福井県経営品質賞で「会長賞」を受賞しました。
その後、JQA、FQA のフィードバック・レポートから指摘された改善領域を経営戦略の重
要項目に掲げて、「宝みがき」という新たな取り組みを 3 年間継続しました。
そして本年知事賞を受賞させていただくことができました。申請を重ね、他社が真似を
できない、いわゆる「独自能力」を磨いてきました。
三度の申請での気づきの機会
三度の申請と取り組みのなかで、いくつもの「気づき」の機会を得ました。
1、申請書を作成する過程で
2、現地審査課題への回答を考える過程で
3、現地審査の質疑応答の過程で
4、フィードバック・レポートを読む過程で
福井キヤノンの詳しい取り組み内容は、今日受け付けで販売しています「経営品質向上プ
ログラム」という最近出版された本の第 4 章に書いてありますので、詳しくはそちらをお
読みいただければ幸いです。ただし、本が売れても私は全然儲からないのですが・・(笑)。
その3、終わり無きクオリティ・ジャーニー
トヨタビスタ高知との出会いに「マイリマシタ!」
経営品質向上プログラムの素晴らしいところは、いくらレベルが高くなっても、それで終
わり、ということがないことです。知れば知る程、やればやるほど足りないところや、新
しい目標が見えてきます。
今回、幸いにして知事賞を受賞させていただきしたが、次のレベルは日本経営品質賞の
レベルです。本年度、日本経営品質賞を受賞したトヨタビスタ高知さんと出会い、まこと
に「目からウロコ」でした。JQA レベルへの道ははるかに遠く感じられます。
「知れば知るほど、やればやるほどゴールは遠くなる」これが経営品質です。トヨタビス
タ高知の横田社長の考え方を聴いていると、福井キヤノンも社長の私も、まだまだ謙虚に
精進しなければならない課題が多く浮かび上がってきました。
なお、横田社長には6月10日に福井へおいでいただきご講演を予定しています。事前
申し込み書が資料に同封されています。皆様のご出席をお勧めいたします。
3
社長の品格を高める
何がレベルの差か?これは、とりもなおさず社長の「品格」の差であることに気づきま
した。
経営品質の「品」は「品物」の「品」ではなく、「品格」の「品」だというお話経営品質
に洞察されている方から聴きました。まず、社長の品格を高めることが、会社の経営品質
向上には肝心なことであることを思い知りました。
1、奨励賞レベルは社長の気づきで
2、会長賞レベルは社長の牽引力で
3、知事賞レベルは経営幹部とともに
4、日本経営品質賞レベルは社員全員とともに
「社員が主役の経営」で「お客様との感動を共有する経営」を社員とともに実現してゆき
たいと存じています。
本年は福井キヤノンの創立 30 周年です。
福井キヤノンでは、お客様と「お客様のお客様」の繁栄をお客様とともに考える、なく
てはならないパートナーとして、新たなお役立ちに邁進してまいります。
モットーは「明るく
楽しく
役に立つ」です。
今後とも皆様のご指導、ご支援を宜しくお願い申し上げます。
本日は、誠に有難うございました。
4