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放射線科医の画像診断シリーズ

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(公財)東京都保健医療公社 多摩南部地域病院
平成 26年11月
第76号
連携室レター たまなん
発行:多摩南部地域病院 地域医療連携室
TEL:042-338-5111(代表) http:/www.tamanan-hp.com/
放射線科医の画像診断シリーズ
症
例:29 歳、女性
主
訴:腹痛、下痢
現病歴:2 年前より子宮筋腫を指摘されていたが、無治療であった女性。
2 日前からの腹痛で近医受診。WBC 39400、CRP 23 と炎症反応高値のため、当院内科を紹介受診。
CT で骨盤内巨大腫瘍を認めたため、婦人科コンサルトとなった。
骨盤MRI
骨盤内から再レベルまで至る長径約 19 ㎝の巨大な腫瘤を認
める。
腫瘤の大部分は T2 強調画像で低信号、造影でゆっくりと増
強される(図 1.3.4)
。
この腫瘤により子宮は背側に圧排されているが、連続性は確
認できない(図 1)
。
左卵巣は腫瘤のくびれの部分に存在しているが、左卵巣の内
側の辺縁が判然とせず(図 2 ○で囲んだ部分)この腫瘤に
連続しているようである。腫瘤の辺縁に卵胞と思われる嚢胞
構造物が確認できることより(図 2 →部分)
、腫瘤は左卵巣
由である可能性が高い(図 2)
。
なお、子宮および右卵巣は正常に描出されている。
図 1 T2 強調画像矢状断像(斜位)
副所見として、造影で腹膜の増強効果が認められ、少量の腹
水も見られる(図 5 →部分)
。
図 2 T2 強調画像 横断像
図 3 造影早期相
☞ 裏面に続きます
図 4 造影遅延相
図 5 造影遅延相
その後の経過
画像から、増強効果が乏しいが、形状と信号、年齢より硬化性間質性腫瘍を第一に考えた(腹膜炎合併)。
鑑別は、T2 強調画像で低信号を呈する線維腫、thecoma、Brenner 腫瘍を挙げ、手術が施行された。
診
断
解
説
硬 化 性 間 質 性 腫 瘍
硬化性間質性腫瘍(Sclerosing stromal tumor:以下 SST)は、1973 年に Chalcardjian と Scully により提唱された疾
患で、性索間質性腫瘍に分類される稀な良性腫瘍である。発生頻度は性索間質性腫瘍の 2~6%を占め、若年女性
(平均 27 歳)に発症する。血流が豊富で、病理学的には密な細胞集団と膠原繊維に富み浮腫を呈する部分が混在す
る丌均一な腫瘍であることが特徴と報告されている。
非機能性腫瘍と考えられてきたが、近年は内分泌的な変性が起こることも報告されてきている。
画像上、SST は充実成分と嚢胞成分が混在し、腹水が認められることより、悪性との鑑別が困難であったが、MRI 所
見には特徴があり、術前診断の一助となっている。
T2 強調画像では嚢胞成分は高信号で、充実成分は丌均一な低信号~高信号、Dynamic 造影では充実成分が強
く増強され、その効果は腫瘍辺縁から周囲に拡がっていくとされている。
本症例は造影早期濃染像が弱い点が典型例とは言い難いが、年齢、発育様式および腹水の存在を踏まえると、
SST が鑑別疾患に挙げられる。
なお、T2 強調画像で低信号を呈する骨盤内腫瘍を鑑別には、莢膜細胞腫と線維腫以外に漿膜下筋腫と消化管由
来の腫瘍(GIST)を忘れないように気を付ける必要がある。
医師の人事異動について(退職)
平成 26 年 12 月 1 日付 退職 内科 山口 純 (週 1 日 月曜日)
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