3-09 創造工学部ロボット・メカトロニクス学科 v605 石.indd

3.専門教育 専門基礎・専門
創造工学部ロボット・メカトロニクス学科
用について解説を行う。ロボットを作製するために必要
キャンパスライフ実践論
な技術の組み合わせ方を学び、簡単な計画・設計が行え
大学でどのようなことを行う場所なのだろうか?
るようにすることでユニットプログラムや卒業研究に活
学業の面では、高校までのように「教えてもらう」場所
かす。
ではなく、「知の探求」の場所であるため、
「自分から学
ぶ」という姿勢が大切である。また、大学を卒業した先
設計製図
には就職、すなわち社会に出てゆくわけだから、社会人
機械を設計・製作を行うためには、所定の要求を満た
としての準備を行う場所でもある。一方、多様化した変
す構造等を決定し、図面にあらわす必要がある。
化の早い時代を生きる諸君達に強く求められていること
設計製図では、製品を図面に表す際の約束事である製
は、「時代を生き抜くノウハウ」と言えるであろう。そ
図法の基礎を学習する。
のような背景を踏まえて、本講義では、これからのキャ
実際の品物を見て図面に描くことにより品物と図面と
ンパスライフの中で出会う出来事の中から毎回一つのテ
の関係を理解し、自らのアイデアを具体化し設計する方
ーマを提供し、
「教員と学生がともに考える」ことによ
法を学習する。
って、大学生活(キャンパスライフ)をおくる上で必要
なノウハウを体感してもらう。そのため、この講義は知
力学の基礎
識を得るのではないためテキストもない。一番重要なこ
スポーツ・健康科学、生活支援科学に関連する力学の
とは「出席し講義に参加すること」である。必ずしも正
基礎について学習する。具体的には、力の合成分解、力
解があるとは限らないテーマに対して
「自分の頭で考え、
のつりあい、作用反作用、力のモーメント、速度、加速
友人と語り合い、発表する」ことで、自分なりの答えを
度など力の働きや物体の運動を中心に、人体の力学およ
見つけていって欲しい。
び介護動作を例に講義する。スポーツ・健康生活科学コ
ースの講座を理解するための基礎学力を養成することを
プログラミング
目的としている。
コンピュータのプログラミング技術を十分に理解し、
基礎から身につけ、工学に結びつけることができるよう
健康福祉実習
にする。プログラミング言語は広く利用されている C
高齢者、障害者、あるいは介護にあたる人が日常生活
言語を中心に学習する。プログラムの作成、
コンパイル、
や社会生活を送る上で必要となる福祉機器類を実際に使
実行といった一連の流れを実習によって学ぶ。プログラ
用し、その長所や短所を理解し、さらに優れた支援を行
ムの書き方、言語構造などを豊富な例題と課題によって
う上で必要なことは何かを解明する。また、生活上の援
理解する。
助が必要な人の健康を維持、増進させる上で必要な身体
能力の計測や評価についても理解する。さらに、工学的
応用力学
な基礎としての機械加工・組立と機械量の測定について
ロボット・福祉機器の開発や、ロボットの制御・生体
の運動機能を理解する上での基礎となる力学についての
学習を行う。ロボット・福祉機器・生体の運動を例にと
も実習を通して学ぶ。
計測の基礎
計測に必要となる国際単位系と次元について学習す
り、静力学及び動力学を中心に講義、演習を行う。
る。測定精度と誤差の考え方について学習する。基本的
基礎電気回路
な機械・電気測定について学習する。
メカトロニクスに必要な電気工学の基礎知識を講義す
る。オームの法則、キルヒホッフの法則、直流回路網、
基礎プログラミング
電磁気に関する基本法則、交流波形、RLC 直列共振回
人間情報を科学的に測定したり、効率的に測定データ
路などについて学習する。電気回路計算に習熟するため
を解析するうえで、コンピュータは欠かせなくなってい
に演習問題を行う。
る。そこで、近年多くのウェブサイトで使用されている
Adobe Flash を用いてプログラミングの導入部分を学習
ロボット工学概論
する。まず、プログラミングとはどのようなものなのか
ロボット工学とその背景や開発動向、メカニズム・制
を直感的に理解する。次に、ビジュアライゼーション・
御・通信等のロボットの基本構成技術の解説、ヒューマ
ツールとしての使用法を学ぶ。最後に、基本的なスクリ
ンインターフェース技術の紹介、人間支援分野等への応
プト言語の使用法を学び、
表現の幅を拡げることを学ぶ。
─1─
3.専門教育 専門基礎・専門
創造工学部ロボット・メカトロニクス学科
同時にヒューマン・マシン・インタフェースの理解も深
める。授業は演習を中心に行い、数多くのプログラムを
現代福祉論
作成しながら、プログラミング技術の導入となる部分の
さまざまな課題を抱える現代社会に今求められている
習得を目指す。
ことは何かを考える。
この講義でのキーワードである「福
祉」を多角的に議論する。例えば、教育、社会、労働、
人間工学
医療などいずれの分野も、さまざまな問題が存在する。
我々はいろいろな人工物に囲まれて生活している。器
それを一つひとつ取り上げながら、受講者は自らがどの
具・機器の使い勝手や安全性、生活の快適さなどは、人
ようにこれらの問題を捉えてきたか、そしてこれからは
と物・環境との相互作用である。よって、人の身体・感
どう考えるべきか、さらにはどのように行動すべきかを
覚特性を理解した上で、いろいろな製品を開発・設計す
検討する。
る必要がある。このような観点から人と物・環境との接
点(インタフェース)を学習する。
障害者の機能と生活支援
障害者の身体機能、精神機能の特性を理解し、その上
人間計測実験
で、受動的な生活となるのではなく、主体的・積極的な
人間のからだの諸機能について生理計測、感性評価な
生活を保障するためのサポートはどのようになされるべ
どを行い、それらから得られたデータを処理する知識、
きかを考える。その際、福祉機器や環境というハード面
技術を具体的な実験課題を通して学ぶ。また、
福祉機器、
と、人的な援助というソフト面がどのように作用して、
自助具、ユニバーサルデザインと言われる製品などをユ
障害者の主体的な生活を実現できるか、その方策を理論
ーザーの視点から評価する方法を学ぶ。
的・実践的に学ぶ。
生体の構造と機能Ⅰ
高齢者の機能と生活支援
生体の組織および器官に関連して、その基本的な構造
65 歳以上の人口が 23 パーセントを超え、
いわゆる「超
(つくり)と機能(はたらき)について学習する。特に、
高齢社会」にある我が国では、社会そのものの活力を維
運動時の生理応答を理解するために必要な基本的な生体
持し、高齢者がいきいきと暮らせるようさまざまなしく
の構造と機能について学習する。具体的には、
筋骨格系、
みが必要である。そのためには、加齢に伴う身体的、精
呼吸器系、循環器系、神経系、感覚器系を中心とした構
神的な機能変化をとらえ、それに対する適切な対応が求
造と機能について、広く学習する。
められる。高齢者福祉の制度や介護保険制度など政策的
側面と、福祉機器の開発、普及が支えるハード面が有効
生体の構造と機能Ⅱ
に機能することが重要となる。これらを法書かって気に
生体の組織および器官に関連して、その基本的な構造
(つくり)と機能(はたらき)について学習する。特に、
ヒトの健康を理解するために必要な基本的な生体の構造
支援する方策を学ぶ。
ロボメカ基礎ユニットⅠ
と機能について学習する。具体的には、消化器系、内分
システム構築の課題を通じて開発プロセス(Plan-Do-
泌系、泌尿器系、生殖器系、体温調節、救急処置、健康
Check-Act)の基礎力を身に付ける。小人数グループに
と栄養の関係を中心とした構造と機能について、広く学
より、課題取組みへの意欲づけを図ると共に、工作機器、
習する。
工具などの取り扱いに関する安全教育を行う。さらに、
作業手順書作成、進行状況報告会、データのまとめ、報
運動の生理学
告書作成、成果発表会を通じてコミュニケーション能力
一般に、日常生活ではいろいろな活動や作業を行うこ
とが多く、体を動かさないことはほとんどない。また運
動やスポーツの場面においては、生体のあらゆる機能を
を高めることも意図している。
ロボメカ基礎ユニットⅡ
合理的に活用しなければならないこともある。主に活動
教員が用意した共通テーマに対してグループ毎に計
時には、筋骨格系、呼吸循環系、神経系などのはたらき
画・実行・評価のサイクルを実践する。基礎科目で学ぶ
が重要になってくる。細かな作業や激しい運動に対する
内容を実際の課題に適用する応用力を高める。さらに、
生体の反応には個人差がみられるが、この科目ではさま
一つの課題に対して、様々な問題解決手法があることを
ざまな“動き”に対する生体反応について学習する。
認識できるように展開される。
─2─
3.専門教育 専門基礎・専門
創造工学部ロボット・メカトロニクス学科
の電子部品の知識、データシートの読み方、ノイズ対策
機構学
について学習する。
ロボットやメカトロ機器を構成する機構の設計・製作
の基礎を学ぶために、様々な機構のからくりを運動学的
アナログ回路
及び力学的に解明する必要がある。機械の機構の概要と
メカトロニクスに必要なアナログ電子回路の基礎知識
その力学的解析法を学ぶ。リンク機構、カム機構、摩擦
を講義する。半導体の基礎、pn 接合ダイオード、トラ
伝導機構、歯車機構などを取り上げる。
ンジスタの増幅回路、
トランジスタのスイッチング回路、
オペアンプ回路、AD・DA 変換器について学習する。
材料力学
機械要素や構造物を設計する場合には、材料の強度に
ディジタル回路
関する知識が必要である。変形する固体の力学のうち基
一般的な論理演算に加え、リレー、トランジスタ、ダ
礎的な事項を学習する。
イオード、ディジタル IC などによる有・無接点シーケ
ンス回路の設計手法を習得する。シーケンス制御は自動
1.基礎的事項
力のつり合い、力の合成・分解、力のモーメント
化の基本であり、処理の流れを意識して設計するため、
ハードウェアだけでなくソフトウェアのアルゴリズム生
2.応力とひずみ、
変形、内力と外力、単純引張りと圧縮、材料試験、
垂直応力とせん断応力、
垂直ひずみとせん断ひずみ。
3.はり
はりに生じるせん断力と曲げモーメント、断面二
成などにも役立つ。電子部品の選定など、より実践的な
内容を絡めた回路設計も学習する。
センサ工学
人間の感覚機能を工学的に実現するセンサ技術の理論
次モーメントと断面係数
的説明を行い、さらに各種センサの実例を通して、メカ
機械力学
トロニクス分野のセンシング原理と実際のシステムを概
機械力学は、機械の要素や機械のシステムにおける動
説する。センシングの基礎、力覚センサ、視覚・聴覚セ
力学的な問題を取り扱う。簡単な機械振動系を通して機
ンサ、接触・触覚センサ、測定の誤差と精度、増幅回路、
械力学の基礎を理解する。力学モデル、運動方程式、振
信号処理などについて学習する。
動問題などを取りあげて学習する。
コンピュータアーキテクチャ
CAD
コンピュータを構成している要素やコンピュータシス
設計製図で学んだ製図法を基礎として、コンピュータ
テムにおける周辺機器などのハードウェア、および、コ
を利用した設計・製図に関する技術を習得する。CAD
ンピュータシステム内におけるデータ表現方法や管理、
ソフトによる作図法・コンピュータを利用した設計・性
制御方法などのソフトウェアに関して基礎的な事柄を学
能評価法について学習する。
(設計製図を履修している
習する。また、ネットワークシステムの基本的事柄につ
ことが望ましい)
いても説明する。
流れ学
ソフトウェア設計
機械を設計製造する場合に遭遇する流れの問題を理解
プログラムの設計図ともいうべき統一モデリング言語
するための力学を学習する。流れ学に必要な物理量と単
(UML)を用いた表記方法について学習し、また、簡易
位、圧力、流量、粘性流体と非粘性流体、圧縮性流体と
ロボットを用いて課題をクリアするための攻略アルゴリ
非圧縮性流体、ベルヌーイの定理、運動量の法則、管内
ズムを UML 上で検討し、C++ 言語でコーディングし
の流れ、流体機械などについて学習する。流体に関する
てロボットを動作させる実習を行うことによって、組み
基礎的な知識と設計への応用力を身につける。
(応用力
込みシステム開発の手順について体験的に学習する。
学、材料力学を履修していることが望ましい)
画像処理工学
回路設計入門
人間は外界の情報の約9割を視覚から取り入れて行動
電気・電子回路を設計・製作するために必要な基本知
しているように、ロボットにとっても視覚情報は重要で
識を講義する。電気の基礎的事項、アナログとデジタル
ある。本講義では、ロボットの視覚センサ(ビデオカメ
の基礎、回路図の見方・書き方、抵抗やコンデンサなど
ラなど)で得られた映像情報から行動決定や認識・理解
─3─
3.専門教育 専門基礎・専門
創造工学部ロボット・メカトロニクス学科
を行うための基本画像処理技法について学修する。具体
クを構成し、互いに情報を送受している。有線通信・無
的には、画像処理技術の適用事例を挙げ、その中で利用
線通信の基礎知識から設計、
プログラミングを講義する。
されている基本原理について講義する。
無 線、 有 線・ 無 線 LAN、 無 線 PAN(Bluetooth、ZigBee)
、シリアル通信、赤外線通信、IC タグについて学
知能情報処理
習する。
人は五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を使って
内外界の情報を取り入れ、学習・判断して様々な環境に
ロボット製品設計
適用し、柔軟に行動している。このような人の学習や判
今日ロボットは生産ラインのみならず災害救助、介護、
断機構をコンピュータで模擬し、電子計測器(センサな
エンタテイメント等の分野でも活躍をしている。本講義
ど)で得られた情報から機器を柔軟に制御する新情報処
では、ロボット産業の動向を解説説と共に、ロボットや
理技術がある。本授業では、人の判断・学習機構、およ
メカトロニクス製品を企業で開発する際に必要となる事
び従来の判断・制御技術と対比させ、新情報処理技術を
柄(特許、工程管理、コスト)に関する解説を行う。更
用いたコンピュータによる判断や制御法、コンピュータ
に制御系技術者に求められる資質等についても講義を行
の意志決定、学習技術について分かりやすく講義する。
う。
ロボットシミュレーション
ヒューマン・ロボットインタラクション
ロボットを制御するために必要な行列演算やベクトル
人とロボットのインタフェース関係をヒューマン・ロ
演算などの数学的知識をプログラミングⅡ、および、ソ
ボットインタラクションといい、日常生活支援ロボット
フトウェア設計で習得した C 言語や C++ 言語を利用し
や福祉ロボットに備えるべき重要な技術である。人が簡
てコンピュータグラフィックス(CG)やアニメーショ
単にロボットを操作できるようにするためには、画像処
ンを作成し、動作させることで体験しながら身に付けて
理や音声認識および各種センサ情報を応用する必要があ
いく。
る。これらの工学技術について学習するとともに人が感
じるロボットへの親和性についても学ぶ。
ロボット制御
ロボットの仕組みや制御の仕方を学ぶ。自律で知的な
ハードウェア記述言語
多リンク機構のロボットを制御する場合、関節角度や手
集積回路技術の進歩は大規模電子システムを小さな
先位置、動作時の全体の挙動をしっかりと制御できない
LSI 上に構成することを可能にした。ロボットや福祉機
と、周囲のものや人を傷つける可能性がある。以下の内
器を制御する機能も多くは LSI で実現されている。本
容を学修することは、人の環境に入り込むロボットを作
講義では LSI 上に大規模かつ複雑な電子システムを実
り上げるための基本である。
現するための設計技術を説明する。また実際にハードウ
1.ロボット機構を解析するための数学的準備
ェア記述言語を用いて FPGA 上に制御回路の構築を通
2.ロボット機構の運動学・逆運動学
じてハード/ソフト協調設計手法についても学ぶ。
3.ロボット機構における力/トルク
組み込み機器入門
4.ロボット機構の動力学
組み込み機器を設計する場合には、ハードウェアとソ
メカトロニクス
フトウェア関する知識が必要である。本講義では組み込
ロボットや福祉機器は、人のそばで働く機器であり、
み機器設計に必要な基礎的な事項を学習する。
より人に使い易い物にするには、人から様々なデータを
⑴ マイコンを使用した制御システムの設計、
計測し、それを処理して、システムが的確な動きをする
⑵ 制約条件を満たす部材の選定方法、
ようにコントロールする必要があります。
⑶ 組み込み機器用開発環境の構築、
メカトロニクスでは、
様々なデータを計測するセンサ、
⑷ 組み込み機器用の制御システムの製作.
情報を処理するコンピュータ、動力を生み出すアクチュ
エータ、そして実際に働く機構を“全体として上手く動
Android 開発入門
本講義では組み込み機器のユーザインターフェースと
く”ようにするため仕組みについての学修を行う。
しても注目されている Android 端末用のソフトウェア
通信技術
開発に必要な基礎的な事項を学習する。
ロボットに限らず様々な機器や電子素子はネットワー
─4─
⑴ Android 端末用の GUI の設計、
3.専門教育 専門基礎・専門
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⑵ Android 端末を使用した通信アプリケーションの
設計.
計測プログラミング
現在、計測分野で広く使用されている LabVIEW によ
⑶ バージョン間の互換性を考慮した設計
るプログラミングの基本を学習する。プログラミングに
組み込み機器設計
必要となる論理的な考え方を身につけるとともに、Lab-
本講義では、
「組み込み機器入門」で得られた技術を
VIEW 基本の基本要素(VI)について学習する。授業
応用して、より複雑な機器を制御するシステムを開発す
は演習を中心に行い、
多くのプログラムを作成しながら、
る際に必要な技術に関する学修を行う。
プログラミング技術の習得を目指す。
⑴ 複数のマイコンから構成されるシステムの設計.
⑵ モジュール間通信プロトコルの設計、
計測データ解析法
計測された種々のデータから、データの持つ意味を見
⑶ 複数のマイコンを用いた制御システムの製作
いだすために必要となる統計的手法を学習する。実際の
Android 開発実践
分析では、Microsoft Excel の分析ツールを利用する。
本講義では、
「Android 開発入門」で得られた技術を
データの構造に適した統計的手法(平均値の差の検定、
応用して、Android 端末と外部ハードウェアによって構
分散分析、回帰分析)の選択方法、分析結果の読み取り
成されるシステムを開発する際に必要な技術に関する学
方について学習する。また、取得されたデータから、統
修を行う。
計処理を行なう変数を導くための前処理、統計処理を行
⑴ Android 端末へ接続する外部機器の設計、
なうデータベースの作成方法を理解する。
⑵ Android 端末を用いた計測システムの設計.
⑶ Android 端末を用いた計測・制御システムの設計
コンピュータ計測技術
アナログ信号計測技術とデジタル信号処理技術につい
基礎設計
て学習する。計測するアナログ信号に対して、必要とな
設計は新しいものを創造する作業で、創造作業におい
る測定精度、入力電圧の範囲、AD 変換のビット数、サ
て最も重要なことはどのように設計するかである。基礎
ンプリング周波数などの選定方法を学習する。計測され
設計では設計のプロセスと設計を進めるために基礎とな
た信号から、そこに含まれる情報を読み取るために、信
る知識を学習する。具体的には、設計から見た機械の分
号の平滑化、フィルタ、フーリエ変換などのデジタル信
類と構成、設計における思考と設計プロセス、機械にお
号処理について学習する。
ける基本的機能と機能実現のための制約条件、機構と構
造、形状と寸法、材料と強度・剛性、機械要素と電気要
認知行動科学論
パソコンやケータイをはじめとする情報機器は現代人
素、加工と組立などについて学習する。
に欠かせない存在となっている。使いやすく「人に優し
ユニバーサルデザイン
い」情報機器を開発したり、うまくユーザに適合させる
誰にとっても使いやすく安全な製品・環境を設計する
ためには、人間の感覚・知覚・認知の諸特性に関する知
ユニバーサルデザインの考え方を学ぶ。
不便さとは何か、
識と、その科学的な測定方法について知っていることが
日常共用品の考え方、情報機器や社会設備の設計、さら
重要になる。本講義では、人間の視・聴覚などの感覚特
に、今後求められるロボットや機械との関わりについて
性や記憶や思考など大脳で行われる人間特有の認知情報
学習する。各分野の専門家を招いて特別講義を行い、現
処理の仕組みを小実験を通して学ぶ。
場の取り組みや先端の研究動向に触れる。学習内容を踏
まえて、身の回りの問題と、そのデザインによる解決に
生体機能計測評価法
身体の大きさや機能を評価するための人間計測の基本
ついて、検討を行いながら理解を深めていく。
理論、計測技術を学び、かつ「分析・評価」の方法を学
材料科学
ぶ。
特にロボットや福祉用具の製作において重要な材料に
ついてその物性を学ぶ。また、製造、加工法について解
動作計測評価法
説する。基礎的な材料力学に基づき、材料強度の計算、
筋収縮によって行われる関節運動は、ひとの動作とし
設計における材料選択の基礎を学習する。
て、日常の身体動作、スポーツの動作として現れる。こ
の授業では、ひとの基本動作やスポーツ動作を分析する
─5─
3.専門教育 専門基礎・専門
創造工学部ロボット・メカトロニクス学科
ために用いられるビデオ撮影法とその分析法を中心とし
た手法を学ぶとともに、動作に関連する生理計測の手法
人間と住まい
高齢者や障害者の身体特性、疾患と看護、福祉用具と
を理解する。
住環境、建築学などについて、相互の関連を重要視しな
運動機能の加齢学
がら学ぶ。住宅を中心とした生活環境を検討する演習問
ひとの運動機能は、加齢とともに低下する。運動機能
の低下は、自立能力を低下させ、ひいては、QOL を低
下させることとなり、
高齢化における社会問題でもある。
題なども加え、応用力、実践的な知識を身につける。
体の障害と疾患
この科目では、運動機能を、形態、基礎体力、筋力・パ
我々の身体に発生する障害や疾患について学習する。
ワー、呼吸・循環器能力、神経系、動作能力というカテ
とくに、介護、看護や福祉機器に関連する疾患(運動系
ゴリ-で加齢的変化を捉え理解する。
の異常、感覚系の異常、脳血管疾患、神経筋疾患、虚血
性心疾患、免疫系の疾患など)について、発生原因、症
身体の動作学
状、治療法および診断法について学習する。疾患につい
ひとの基本的な身体運動の仕組みやスポーツ動作の仕
て理解を深めることは、適切な介護・介助の方法や健康・
組みを学ぶとともに、身体動作を力学的に分析する際の
福祉機器を開発するための基礎として重要である。
考え方と動作計測の方法について解説する。
感覚障害者と生活支援
運動とコンディショニング
視覚ないし聴覚に障害がある場合には、情報処理に特
スポーツ支援あるいは健康支援のために必要な、
上肢・
別な工夫や配慮が必要となる。そのためには障害の特性
体幹・下肢における運動器(骨・筋・腱・靭帯・神経)
を知ることが第一に求められる。本講では、主に視覚障
の基本的な構造と機能について理解を深める。また、代
害の場合を取り上げ、点字でのコミュニケーション手段
表的なスポーツ傷害のメカニズムについても学習する。
を学ぶと共に、視覚障害者の特性が理解できるように体
験を通じて学習していく。さらには、視覚障害に配慮し
健康と運動処方
たユニバーサルデザインに関しても、既存の製品や環境
主として、生活習慣病を取り巻く諸問題について、健
を通して検討していく。なお、聴覚障害に関しては、手
康と現代のストレス社会との関連から明らかにする。ま
話を始めとする伝達手段について実践的な実技を含めな
た、健常者については健康を維持あるいは増進するため
がら理解を深めていく。
の、生活習慣病等の罹患者については健康的な身体を取
り戻すための運動処方の考え方について学習する。
福祉機器
福祉機器の役割、福祉機器の取扱いについての知識、
トレーニング科学論
個々の福祉機器の利用方法、正しい選定・適合をするた
トレーニングはその目的や競技種目によって方法が異
めに必要な知識などを学習する。例示する福祉機器は移
なり、その効果の出現も個人により異なる。本科目は、
動・運動機能に関連する機器、感覚機能に関連する機器、
基本的なトレーニングの考え方や方法、効果について学
生活環境に関連する機器、
バリアフリーを実現する機器、
習するとともに、各種スポーツにおける効果的で科学的
ネットワークを利用した機器、健康の維持・管理に関連
なトレーニングの方法について実例を紹介しながら理解
する機器などである。
する。
生活支援工学
健康スポーツ実践技術
生活支援に用いられる機器について、その原理、仕組
適度な運動の実施は、健康的でよりよい日常生活を送
み、使用法、安全性などについて、電子・機械・情報工
るための重要な要素の一つとされている。レクリエーシ
学などを基礎として学習する。対象となる機器は、医療
ョンや生涯スポーツなどの理解を深めるとともに、
「コ
機器、リハビリテーション機器、スポーツ・健康機器、
ミュニケーション・ワーク」を実際に体験し、現代社会
および脳機能測定装置などの身体測定装置である。
におけるレクリエーションや生涯スポーツなどの重要性
について考える。
福祉機器設計法
障害のある人、高齢の人などが重要な要素として介在
する福祉機器を企画、設計および評価する際に必要とな
─6─
3.専門教育 専門基礎・専門
創造工学部ロボット・メカトロニクス学科
る考え方および手法を学習する。具体的には、障害のあ
することに主眼を置いて学習を進める。また各種人間計
る人、高齢の人の要求を抽出及び分析する方法、人の心
測手法を用いて測定・評価を行い、人間特性を明らかに
身機能特性や生活状況に配慮した機器設計の論理と技
することで、現代のスポーツ・健康生活支援に関わる諸
法、工学的及び臨床的評価技法などを学習する。
問題を解決する方法を学習する。
ロボット開発設計ユニットⅠ
スポーツ・健康生活科学ユニットⅡ
ユニットプログラムにおいては、特徴の異なるいくつ
本ユニットプログラムではユニットⅠで養ったチーム
かのロボットのテーマの中からひとつを選択し、ものづ
ワークを発揮して解決する力を発展向上させる。本ユニ
くりの中で計画・実行・評価のサイクルを繰り返し、問
ットプログラムでは特に、スケジュールのみならずコス
題発見・解決能力を養う。専門的な技術力を養うと同時
トや効率をシステムとして管理することに主眼を置いて
に、知識として足りない部分を見つけ、講義科目を学ぶ
学習を進める。また各種の人間計測機器を用いて測定し
動機へとつなげる。また、報告会や報告書により説明能
たデータに対して推測統計学に基づいた科学的な評価を
力を養う。
行うことで、現代のスポーツ・健康生活支援に関わる諸
ユニットⅠでは、
各テーマの基礎的な学習が主となり、
問題を解決する方法を学習する。
初めの計画は各テーマに設定された基本的なものから始
める。
スポーツ・健康生活科学ユニットⅢ
本ユニットプログラムではプロジェクトマネジメント
ロボット開発設計ユニットⅡ
のプロセスとシステムを標準化し文書化する。それらの
ユニットⅠから継続して行われ、ものづくりの中で問
活用によりプロジェクトの成功を予測し、スケジュール
題発見・解決能力や説明能力を身に付け、講義科目を学
(コスト)効率を改善する。同時に、ISO9241-210 人間
ぶ動機付けとする。
中心設計の考え方に基づき、高度な電子計測機器を用い
ユニットⅡでは、ユニットⅠでの学習を基盤にオリジナ
た測定・評価を行い、人間特性を明らかにすることで、
ルの部分を追加して、内容・技術ともに発展させる。
スポーツ・健康生活支援に関わる諸問題を解決する方法
を学習する。
ロボット開発設計ユニットⅢ
ユニットⅡから継続して行われ、ものづくりの中で問
スポーツ・健康生活科学ユニットⅣ
題発見・解決能力や説明能力を身に付け、講義科目を学
本ユニットプログラムではユニットⅢで標準化し文書
ぶ動機付けとする。
化したプロジェクトマネジメントのプロセスとシステム
ユニットⅢでは、これまでに身に付けてきた開発プロ
を活用してプロジェクトの成功の予測とスケジュール
セスを確認し、各テーマの課題における問題を解決する
(コスト)効率の改善を向上・進展させる。また人間支
ための企画書作成、設計・製作、費用算出、作業計画な
援システム開発における周辺専門領域とのコラボレーシ
どを通して管理(行程、コスト)能力も高めるよう展開
ョンおよびシステムインテグレーションの重要性を学習
する。
する。これにより、スポーツ・健康生活科学分野におけ
る諸問題を広い視野で俯瞰する能力、プロジェクトマネ
ロボット開発設計ユニットⅣ
ジメント手法および科学的研究法を用いて問題発見・解
ユニットⅢから継続して行われ、ものづくりの中で問
題発見・解決能力や説明能力を身に付け、講義科目を学
ぶ動機付けとする。
ユニットⅣでは、ユニットプログラムの総まとめとし
決する能力、他者への説明力を実践力に深化させる。
輪講
[卒業研究着手者の全員が受講すること]
て、これまでに身に付けてきた諸能力を発揮して、より
輪講は卒業研究と平行して、卒業研究指導教員のもと
実践的な課題に取り組む。
で行われる。研究に関連する文献の調査や原著の講読、
それらの発表・討論を通して、より深い学習をめざす。
スポーツ・健康生活科学ユニットⅠ
設定したテーマ課題に対して、プロジェクトチームを
編成し、プロジェクトリーダ以下全員が役割を理解し、
卒業研究
[別途定める卒研着手条件による]
チームワークを発揮して解決する力を養う。本ユニット
卒業研究は専門教育科目の一つであり、卒業の必要条
プログラムでは特にスケジュールをシステムとして管理
件になっているとともに、それまで勉学した学問を結集
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3.専門教育 専門基礎・専門
創造工学部ロボット・メカトロニクス学科
するとともに人間形成をはかる最終の科目である。卒業
研究は指導教員のもとに研究テーマを選定し、学生自ら
MOS 検定(WORD)
(検定)
が装置の開発、実験、理論的検討、または調査研究など
MOS の Microsoft Office Word 2003, 2007, 2010 のエ
を実施する。これらを通して、実社会または大学院にお
キスパートの合格者は、申請することによって「MOS
いて未知の問題に直面したときに解決する力を養う。さ
検定 WORD(検定)
」1単位が認定される。
らに、研究、調査資料等のまとめ方、報告書や論文の作
成方法、発表や自己表現の技術を身につける。
MOS 検定(EXCEL)
(検定)
MOS の Microsoft Office Excel 2003, 2007, 2010 のエ
プロジェクト研究Ⅰ~Ⅵ(認定)
キスパートの合格者は、申請することによって「MOS
計画・実行・評価のサイクルを繰り返すことにより、
これらの能力を身につけることを目的とした認定科目で
あり、教員の指導を受けながら、機器やシステムの開発
検定 EXCLE(検定)
」1単位が認定される。
初級情報処理技術者試験(検定)
における計画立案、実施、評価を行うことにより、実社
IT パスポート試験(国家資格)の合格者は、申請す
会で要求される課題を把握し解決する能を育成する。半
ることによって「初級情報処理技術者試験」2単位が認
期ごとに成果発表会を行い、成果を評価して、単位の認
定される。
定を行う。
基本情報処理技術者試験(検定)
健康・運動支援実践Ⅰ・Ⅱ(認定)
基本情報技術者試験(国家資格)の合格者は、申請す
座学で行う知識・技術的講座と健康運動の活動とを連
ることによって「基本情報処理技術者試験」2単位が認
動させることで学修効果を高めることを目的としてい
定される。
る。基本的な身体運動に対する生理的反応を把握し、健
康運動実践施設における運動機能の評価実践を行なう。
LabVIEW 準開発者認定試験(検定)
LabVIEW 準開発者認定試験の合格者は、申請するこ
障害者支援実践Ⅰ・Ⅱ(認定)
とによって「LabVIEW 準開発者認定試験」2単位が認
座学で行う知識・技術的講座と地域での障害者支援実
践の活動とを連動させることで学修効果を高めることを
目的としている。地域での暮らしを理解し、その課題認
定される。
LabVIEW 開発者認定試験(検定)
LabVIEW 開発者認定試験の合格者は、申請すること
識を深め、成果を評価して、単位の認定を行う。
によって「LabVIEW 開発者認定試験」2単位が認定さ
生活支援機器開発実践Ⅰ・Ⅱ(認定)
れる。
座学で行う知識・技術的講座と企業での活動とを連動
させることで学修効果を高めることを目的としている。
生活支援機器を開発している企業に行き、生活支援機器
開発の実践を行い、成果を評価して、単位の認定を行う。
海外創造工学研修
国際感覚のある社会人の素養を身につけるため、学科
と交流のある海外の大学に滞在し、異文化の中でのコミ
ュニケーションを図りながら英語によるプログラム制御
などの知識や技術を習得する。また、日本製品の海外で
の製造、流通、販売などを見学考察しものづくりに大切
なセンスを身につける。
福祉住環境コーディネータ2級(検定)
福祉住環境コーディネータ2級検定試験の合格者は、
申請することによって
「福祉住環境コーディネータ2級」
2単位が認定される。
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