MONTHLY JAPAN GOLF TOUR NEWS LETTER JGTO広報誌 2003 Sep/9月1日 vol. 40 TOUR NEWS インター ネット http://www.jgto.org/ 携帯 サイト http://mobile.jgto.org/ 発行●日本ゴルフツアー機構 東京都港区赤坂1-3-5 赤坂アビタシオンビル5F TEL.03-3585-7381 FAX.03-3585-7383 JGTO新体制が目指す ジャパンゴルフツアーの 国際化と5つの目標 今年3月に日本ゴルフツアー機構(JGTO)の年次総会が開催され、新しい体制が発足してからはや5ヶ月が 経過しました。その間、島田幸作理事長のもと、4人の副理事長と専務理事が新体制を構成し、実務に当たっ てきました。外部から新体制に招聘された渡辺一美専務理事に、この5ヶ月間を振り返っていただくとともに、 今後の展望について報告していただきました。 今年、イーヤマという 大きなスポンサーを失い、 財政基盤が一気に弱体化 したJGTOは、選手の 獲得賞金の5%をトップ オフするという形で、な んとか危機的状態を乗り 越えようと努力しており ます。ツアーメンバーの 皆様には大変ご迷惑をお かけしている現状ですが、 JGTOが今どのような 課題に取り組み、何を行 い、これから何をやろう としているのか、を率直 に皆様にご説明しようと 思います。 総会で発表された2003年度事業計画書で は、まず経費削減が大きな目標として掲げ られました。それに従って、まず役員報酬 を大幅にカットし、更にスタッフの人件費 のカット、各部門の経費節減を着実に実行 しております。定期的に開かれている運営 会議や理事会では、その都度予算と実際の 経費の対比が示され、調整が行われていま す。 経済不況の中、既存のトーナメントスポ ンサーの中には自分の会社で何千人という リストラを実行しながら、必死にトーナメ ントを支えてくださっているところもあり ます。そして、実際に来年の大会開催の見 直しを必要とするところもあったように承 っております。 にもかかわらず、今後のゴルフ界発展を 願うスポンサーの皆様は、ゴルフトーナメ ントに深い理解と愛情を抱いておられ、お 蔭様で来年も本年度と同数の28試合開催の 見とおしがつきました。この紙面を借りて、 深く感謝いたします。これから各トーナメ ントのスケジュール調整が必要となります が、JGTOとしては現状に甘んじること なく、更にもう一試合、二試合増やしてい きたいと考えております。 当然のことながら、今後の増収を図るた めには、新しいトーナメントスポンサーの 開拓が不可欠です。有識 者の皆様が選手会ととも に作り上げた「21プロジ ェクト」を参考にして、 トーナメント開催にメリ ットを感じていただける ような魅力的なセールス シートを早急に作成し、 ご協力いただける企業を 探したいと思っておりま す。この点について、一 部の選手の方々よりチャ レンジツアーを含めたト ーナメントスポンサー候 補の企業を幾つかご紹介 もいただいております。 新規トーナメントの実現 に向けて、努力してまいります。 アジアツアーとのより強固な連携 “世界に通用するプレーヤーの育成”とい う目標が2年前に掲げられ、昨年のワール ドカップ優勝という成果につながりました。 また沖縄オープンやダイナスティカップが 開催され、アジアツアーとの交流も始まり ました。 今年の全英オープンの週にはフェデレー ション会議に出席してアメリカPGAツア ー、ヨーロッパツアー、アジアツアーなど の役員の方々と交流を深めることができま した。その席上、2005年度の日本ツアー開 幕前の1∼3月に、東南アジアでアジアン PGAとの共同主管による大会を数試合開 催することについて具体的な話し合いを始 めました。 ご存知のように、アジアンPGAはすで プロアマ大会の重要性と選手の協力 にヨーロッパツアーとの共同主管の大会を 4つ開催しています。そこに日本のツアー が加わることに好意的で、協力を求められ ています。 また、実現するかどうかは未定ですが、 2006年にもう一度ワールドカップを日本に 誘致することも視野に入れております。 各団体と協力して、 ゴルフ業界の活性化に寄与する 今後の目標としては、早くJGTOの財 政を健全化させ、トップオフに頼らない体 制を作ることが第一です。 第二には他の競技団体、特に (社) 日本プ ロゴルフ協会 (JPGA) との連携を深め、 トーナメントの活性化と試合数の拡大、経 費の節減で協力できることをお互いに追及 して行かなければなりません。この目標に 向かって、すでに島田JGTO理事長と長 田力JPGA会長とが密接に連絡を取り合 い、事務レベルでも接触を始めております。 第三は、先にご説明した国際試合の増加 と、それに伴うワールドランキングのポイ ント確保です。日 本選手の活躍が正 しく国際的に評価 されるように、日 本の試合のフィー ルドをより一層強 くして行く必要が あります。 第四は、日本の ゴルフ普及に貢献 することです。選 手の方々には機会 あるごとにジュニ アレッスン会などを通じてご協力頂いてお りますが、今年は日本ゴルフツアー選手権 が行われた宍戸ヒルズCCで、 初めての「ス ナッグゴルフ全国大会」を開催し、全国か ら10校の小学校が参加しました。 限られたエリートジュニアではなく、普 通の子供が簡単にゴルフに親しめるように と考案されたスナッグゴルフ。これを広め ることによって、ゴルフを楽しむ人たちを 少しでも増やすことが出来れば、何年後か には必ずゴルフ産業全体の活性化につなが ります。 現在、 (財)日本ゴルフ協会、 (社)日本プ ロゴルフ協会、 (社)日本女子プロゴルフ協 会、(社) 全日本ゴルフ練習場連盟、 (社)日 本パブリックゴルフ場事業協会、 (社)日本 ゴルフ場事業協会、 (社)日本ゴルフ用品協 会などの各団体と定期的に会合を持ち、共 同でゴルフの底辺を広げる作業を行うこと を相談しています。 第五の目標はJGTOの公益法人化です。 2005年には中間法人または社団法人化を実 現し、組織としてより積極的に事業を展開 できる体制を整えたいと思います。 さて、今年もすでに半分の試合を消化し ました。皆様の活躍のお蔭で昨年以上に盛 り上がった試合、高い視聴率を挙げた試合 がありました。スポンサーにとって最も関 心が高いのは、説明するまでもなく見応え のある、感動がたくさん詰まった試合です。 この他にプロアマ大会も、スポンサーに とっては非常に重要なイベントとなってい ます。アマチュアとはケタ違いの球を打つ プロとのラウンドは、アマチュアの夢であ り憧れです。そこでプロと出会い、時には 教えを受けながらゴルフを楽しむことでス ポンサーに感謝し、来年もこの試合を支え て行こうという雰囲気が自然に生まれてく るものです。その意味で、スポンサーにと ってプロアマの表彰式はとても大切な行事 なのです。 私は今シーズンからプロアマ大会の表彰 式に列席させてもらい、嬉しい驚きを感じ ました。プロアマ大会に参加した殆どの選 手の方々が、必ず表彰式に出席していると いう事実を知ったからです。明日からの大 会を控えて1球でも球を打って調整したい、 1分でも多く身体の手入れをしたいと願う 選手たちが、プロとしての責任をわきまえ て出席して下さることは、当たり前なのか も知れませんが、とても大切なことで感心 させられました。 この点に関して、JGTOも主催者の皆 様の御理解をいただいて、表彰式での選手 の拘束はなるべく30分ぐらいにして、気持 ち良く練習に送り出すようにしております。 これからも選手の方々やスポンサー、運 営会社、開催コース、その他トーナメント に関わる全ての関係者の皆様と共に、日本 のプロゴルフ界を盛り上げて行きたいと心 より願うものです。JGTOの活動にご理 解をいただき、今後ともご協力をお願い申 し上げます。 (日本ゴルフツアー機構専務理事 渡辺一美) US PGA TOUR レポート 「丸山茂樹ジュニア基金」 を設立 みなさん、こんにちは! 丸山 茂樹です。久しぶりの日本といっ ても、年3回から4回は帰ってき ますが、今回はシーズン中にして は2週間半と少し長く滞在できま した。 やっぱり、日本はいいですね。食事 はどこに行っても困らないし、気心知 れた知り合いとか契約先の担当の人とか と話し始めたら、もう止まらない。僕はお酒 を飲みませんが、お茶だけで一晩中話し込ん でしまったりすることもあるんです。 もうひとつ、今回の帰国で楽しみだったの が僕が主催している『丸山茂樹ジュニアファ ンデーション』でした。7月28日、僕の父が 所有する栃木県のファイブエイトGCで、小 学生を対象にレッスン会を開きました。今年 で第7回目を迎えましたが、ジュニアゴルフ ァーを見ていると、僕の“原点”がここにあ ると思って、ついつい教え方にも熱が入りま すね。 僕もジュニアゴルフ出身なので、以前から ジュニアゴルファーの育成には関心を持って いました。これからの日本のゴルフ界を支え るジュニアたちに、少しでも貢献できないも のかと。そこでレッスン会のほかに、『丸山 茂樹ジュニア基金』を設立することを決めま した。基金の一環として、ファイブエイトG Cでは親権者同伴の高校生までのジュニアゴ ルファーは、食事代以外の費用は無料にする こととしました。コースは東北自動車道の矢 板インターチェンジからわずか5キロ弱とア クセスもいいので、ジュニアゴルファーのみ なさん、ファイブエイトGCでゴルフを楽し んでください。 今年は身体と相談しながらのプレー。 それでもランク125位以内には 絶対に入る。 僕のプレーのことを少しお話しましょう。 明日(8月8日)、アメリカに戻って全米プロ に備えます。今シーズンは春先から首、左手 首を痛めて思うような成績が残せず、ちょっ と悔しいですね。本格的に米ツアーに挑戦し 7月の全英オープン終了後、丸山茂樹 プロが一時帰国した際、日本ゴルフツア ー機構の事務所にも元気な姿を見せてく れました。そこで「ツアーニュース」へ のリポートを依頼したところ、あのスマ イルで快諾が得られました。 米国ツアーの厳しさ、アメリカでの生 活などを語ってもらいました。 て4年目。2年目の2001年にミルウォーキー に優勝し、昨年はバイロン・ネルソンで優勝。 そして12月には伊沢さんと組んでワールドカ ップにも勝っちゃって、「よし、今シーズン も」と思っていただけに残念です。 故障の原因はトレーニングのし過ぎ。180 センチ、190センチといった選手がゴロゴロ いる米ツアー。そんな選手に負けまいと一生 懸命トレーニングして筋肉をつけたのはいい けれど、逆に、これが首から肩に負担をかけ てしまったようです。 今でも、向こうの選手に紹介されたいろい ろなスポーツドクターに診てもらっていますし、 今回日本でも診てもらいました。状態はだい ぶ良くなっています。一番の治療は休養する ことですが、試合には出たいので、身体の様 子を見ながら頑張りたいと思っています。 幸い、昨年の優勝で来年までシード権はあ りますが、賞金シードが取れるランキング 125位までには絶対入るつもりでプレーします。 米ツアーでの賞金シード獲得は厳しいですよ。 トーナメントに156名出場したら、全員に勝 つ力があるんですから。この間の全英オープ ンで優勝したベン・カーティスが良い例です。 最終日、自信に満ちたプレーで攻めていた姿は、 とてもQTを通ったばかりの選手とは思えな いほどでした。 アメリカはでっかい! 肉体的、精神的負担を考えて、 チャーター機を利用して移動。 厳しいと言えば、試合から試合の移動も大変。 ご存知のとおりアメリカは広くて、遠い。何 しろ西海岸と東海岸で時差が4時間あるんで すから。しかもテロの影響でセキュリティチ ェックが物凄く厳しくなって、一般のフライ トだと最低3時間前とかに空港に行かなくち ゃならない。これだけで、もうヘトヘトですよ。 そこで便利なのがチャーター機。連 戦のときは移動時間を少なくするこ とを考えて、30パーセントぐらい はチャーター機を使っています。 アメリカ的でしょ! ? チャーター 機で思い出すのが、昨年のワール ドカップですね。3日目に首位に 立ったとき、「これで勝っちゃっ たら凄いね。でも、そうなると日曜 日の最終便に間に合わない…」という ので、伊沢さんと相談して、僕のマネ ージャーの山元崇範君にチャーター機を 頼んでもらったんです。みんな疲れていたけ れど、機内では興奮さめやらずって感じでした。 エッ、自家用ジェットですか? まさか! 選手で自家用ジェットを持っているのは少 ないんじゃないかなぁ。E・エルスさん、N・ プライスさん、G・ノーマンさんとかは持って いますが、あとは…。自家用ジェットのほと んどはタイムシェアといって、数名で共同所 有して、年間で自分の使える時間が決まって いるようです。僕には縁がない話です。 僕は4年目。 日本選手の仲間に、おいしいレスト ランを紹介しましょう! 日本の選手がアメリカにどんどん来てくれ ると、うれしいですね。僕はもう4年目だし、 言葉もバリバリ、ノープロブレム…なんてね。 まぁ、最近は一人で買い物をしたり、生活す るのにやっと不自由しなくなったかな! ? ということで、今年は米ツアーではルーキ ーの久保谷選手とよく食事したりしています。 特にコース近くのレストランならバッチリ! イタリアン、中華、韓国料理、もちろん日 本食も含めてバリエーション豊かな情報通な んですよ。 この記事がみなさんの目に留まる頃は、米 ツアーも終盤戦を迎えています。賞金ランキ ングでのシード確保を目指して、残り試合に 全力投球します。 (この取材はアメリカに出発する前日の8月7日に行いました) Spot Light 「自信とメジャーへの道を切り拓いてくれたツアー初優勝。 自分にとってはただの1勝ではなく、とても大きな1勝になりました!」 谷原 秀人 順風満帆とは、 まさにこのことを言うのだろう。昨年のQTを1位で通過して今年のツアー出場優先権 を得ると、出場9試合目の「マンダムルシードよみうりオープン」でツアー初優勝。さらに7月の全英オープ ンの切符も手にいれてメジャー初挑戦。今、 ツアー界で乗りに乗っている谷原秀人プロに、 ご登場を願った。 1978 年(昭和 53 年)11 月 16 日生まれ、24 歳。 広 島県出身。 177cm、78 ㎏。 12 歳でゴルフをはじめ、東北福祉大時代には中国アマ 3 連覇。 2001 年プロ転向。 昨年は 18 試合に出場し、最高順位は 7 位、賞金ランク 78 位(約 1002 万円)。 今季の出場優先 順位を決めるファイナルQT1 位でツアー出場し、よみうりオープンでツアー初優勝を飾る。 ―よみうりオープンでのツアー初優勝、おめでとうございます。 ありがとうございます。でも、優勝からもうだいぶ経ちましたよ (笑)。 あの時は最高に嬉しかったですね。自分でもあんなに良いプレーがで きるとは考えてもいませんでしたから…。ジャンボさんや直道さん、 佐藤さんというメンバーの中で優勝できたことが、自分にとってすご く自信になりました。(編集部:ジャンボと2打差5位でスタートし た最終日、上がり16、17、18番の3連続を含 む8バーディ、ノーボギーの64をマークして 逆転優勝を飾った) ―その自信を引っさげて、全英オープンにも 出場しました。 ハイッ。メジャーの全英オープンにこんな に早く出られるとは、正直考えていませんで した。 ―それも、 よみうりオープンの1勝があってこそ! そうですね。しかもミズノオープンでハミ ルトンさんが勝ってくれたので、ランク6位 の自分が繰り上がって、まさか、まさかの出場。 よみうりオープンでの優勝は、ただ単に1勝 というわけでなく、初めてのメジャー・全英オープンへの道を拓いて くれたわけですし、自分にとってはとっても大きな1勝になりました。 (編集部:全英オープンの日本予選は、5月の日本プロから6月のミ ズノオープンまでの6試合の獲得賞金でランク付け。ミズノオープン 最上位者とランク上位4人に出場権が与えられる。ただし、有資格者 はランクから除かれるため、ミズノオープン優勝でランク1位のT・ ハミルトンとランク2位の片山晋呉が対象外となって、ランク6位の 谷原が出場権を獲得) ―初めての全英オープンはいかがでしたか? ウワサに聞いていたリンクスコースに、ただ驚くばかり。かつて味 わったことがない凄い経験をさせてもらいました。いいショットを打 っても、跳ねてラフにいっちゃうんですよ。風は強いし、すごくラン はでるし…。ゴルフ場の観念が変わりましたね。結果は予選落ちでし たけれど、自分に足りない課題をたくさん見つけて帰ってきました。 星野先輩の優勝を見て、自分もという気持ちになりました ―昨年は賞金シードにあと一歩届かずにQTへ回って、そこで1位通過。 今年は火事に遭う不運に見舞われながらもツアー初優勝。逆境に強 いですね。 元々、あまり考えないタイプなんです(笑)。賞金シードがかかった 昨年のカシオオープンの時は、正直シードは諦めていましたので、Q Tは予定の行動でした。よみうりオープンの最終日だって、特に緊張 はしませんでしたね。普通に18ホール回ろうと思っていただけですか ら…。 ―プレッシャーを感じたことはない? そんなことはないですよ(笑)。今年は開幕からずっといい位置でプ レーしながらも崩れたりしていましたからね。フジサンケイでは、ト ップとは差がありましたけれど、いい位置まで追い上げたのに最後で ボギー、ボギー。一番いい経験になりました。こういう経験を何回か 積んだことが、優勝につながったのだと思います。 ―今年は大学の先輩である星野英正プロも中日クラウンズでツアー 初優勝を飾りました。刺激を受けたのでは? ハイッ、星野さんの優勝がすごく刺激になりました。東北福祉大学 の先輩ですが、自分だけではなく、若手の選手たちは星野さんの優勝 を見て刺激を受けていると思います。自分が東北福祉大学に進んだのは、 環境が良いということもありましたけれど、やっぱり星野さんがいた からなんです。星野さんには「すぐに追いついてこいよ」と言われて いましたので、 「よし、自分も!」 という気持ちになりましたね。 (宮里) 優作や(谷口)拓也も頑張っている。東北福祉大に限らず、 (矢野)東さ んとかも頑張っているので、お互いに刺激し合って頑張っていきたい ですね。 ―将来は、アメリカ志向ですか? ハイッ、やっぱりアメリカのPGAツア ーでやりたいですね。アメリカは大学時代 に日米対抗で行きましたし、大学卒業後に ミニツアーやPGAツアーのマンデーにチ ャレンジしたこともあるのですが、ツアー の試合にはまだ出場したことがないんです。 アメリカは世界のトップクラスの選手たち が出場しているツアーですし、自分もいつ か…という思いは持っています。 ―Qスクールを受けるんですか? 今年、全英オープンに出場して世界のト ッププロを間近に見て、改めて自分に足り ない課題を見つけました。日本のツアーで それを克服して、もっと実力をつけてから 挑戦すべきなのでしょうが、自分ではシー ドの目安がついたらQスクールを受験する 予定にしていましたので、PGAツアーの Qスクールは受験しに行こうと思っています。 今年はまず第一歩です。 ―谷原プロの課題は? フェアウェイキープ率です。昨年はこれ が悪かったから、それに伴ってパーオン率 やパーキープ率も悪かった。あともう一つ はグリーン周りですね。優勝争いの機会を 増やしていくためには、パーセーブ率を上 げないといけないですから…。自分ではハッキリ分かりませんが、今 年は数字的にはちょっと成長しているかなと思います。波が大きすぎ るのでミスを少なくして、今の状態が保てれば問題はないと思ってい ます。 (編集部: <2002年> <2003年> フェアウェイキープ率 49.73%(108位) 59.86%(33位) パーキープ率 82.08%( 69位) 85.73%( 8位) パーオン率 65.09%( 61位) 66.88%(22位) ※2003年のデータはサン・クロレラ クラッシック終了時まで) ―最後に、谷原プロの目標は? 自分は、これまで憧れや周りの選手に刺激されながらゴルフをやっ てきました。だから今度は他の人を刺激することができるようになり たいです。その意味でも、できるだけ早く2勝目をあげたいですね。 もっともっと優勝争いの機会を増やして、優勝争いのプレッシャーの かかる状況の中で、自分の課題を解決していきたいと思っています。 「ルールこぼれ 話」第12話 「ルールこぼれ話」 月。ツアーも半分を折り返し、いよいよ“秋の陣”へ突入です。高額賞金の大会、外国選 手の来日など楽しみがいっぱいです。と同時に、秋はプレーするにも最適なシーズン。エチ ケット&マナーはもちろんのこと、ルールも守ってゴルフを大いにエンジョイしてください。 今号は「知らないと損をする」ルール裁定を紹介しましょう。 9 ① 日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップ アッ、その球は私のです。なんで拾うの? 【状況】2日目、14 番ホール(パー4)のセカンド地点で、 フォアキャディ(ボールの行方を確認するために配 置された人)が、プレーヤーBの球を拾い上げてし まい競技委員要請となる。フォアキャディはOB 近くに打ち込んだプレーヤーAの球がセーフだっ たので、そのプレーヤーの暫定球を拾って渡そう としたところ、拾い上げた球は暫定球ではなく、 同伴競技者Bのインプレーの球であった。 【裁定】競技委員の裁定は、フォアキャディは局外者であ るので、規則 18 −1により、罰なしにその球をリ プレースさせました。 読者の皆さんが普段プレーしている時にも、い ろいろなことが原因して止まっている球が動かさ れることがあるでしょう。その場合罰が課される のは、自分や自分のキャディが規則で許されてい ないのに勝手に球を拾い上げたり、動かした時です。 また、拾い上げた球はリプレースしなければな りません。リプレースする箇所がはっきりしない 時は、その球があった箇所にできるだけ近い所に ドロップとなります。覚えておきましょう。 【適用規則】規則 18 − 1「局外者により、止まっている球 が動かされた場合」、用語の定義 18「フォアキャ ディ」 、36「局外者」 ② ウッドワンオープン広島ゴルフトーナメント 救済処置を取ると、 元の障害の所に戻るけれど… 【状況】1日目、2番ホール(パー5)のグリーン右手前に あるカート道路にカジュアルウォーターがかかっ ていた。カジュアルウォーター内にある球を救済 するにあたり、ニヤレスポイントを決めるとカー ト道路上になった。そのニヤレスポイントからホ ールに近づかず、1クラブレングス以内にドロッ プしたところ、球はカート道路上に止まったので、 今度は動かせない障害物からの救済処置をするこ とにした。 ニヤレスポイントを決めると、先程救済を受け たカジュアルウォーター内となり、そこにドロッ プして、再度救済処置を取ったが、ニヤレストポ イントがまたカート道路上になってしまい、その 後の処置がわからず競技委員要請となった。 【裁定】立ち会った競技委員は、再三同じ場所で救済処置 を繰り返していることから、公正の理念に従って、 そのカジュアルウォーターとカート道路を一つの 障害として認め、その両方から救済を受けられる ニヤレスポイントを決めてプレーを進めさせた。 ただし、最初からカジュアルウォーターとカート 道路を一つの障害と認め、1 回の処置で済ますこ とは認められません。同じ状況の裁定が裁定集1 − 4/8 にあります。参考にしてください。 【適用規則】規則 25 − 1b (i「 )異常なグラウンド状態からの 救済」 、24 − 2b (i) 「動かせない障害物からの救済」 ③ アイフルカップ 2003 バンカーの脇にドロップしたら、 球がバンカーに転がり込んだ 【状況】2日目、13 番ホール(パー4)で、バンカーの淵の 近くでショットした球がOB方向へ飛んで行った ので、暫定球をプレーすることにした。プレーヤ ーは暫定球をドロップしたが、球はバンカーに転 がり込んで止まり、そのままインプレーにするのか、 再ドロップするのか競技委員を要請した。 【裁定】競技委員は、スルーザグリーンにドロップした球 がハザード内に転がり込んで止まった場合は、規 則 20 −2c(i)により再ドロップしなければなら ない事を伝えた。 プレーヤーは、再ドロップした球がまたバンカ ー内に止まったので、再ドロップした際に球がコ ース上に最初に落ちた箇所にできるだけ近い所に、 その球をプレースした。規則 20 − 2 cには「再ド ロップしなければならない状況」が記載されてい ます。一読しましょう。 【適用規則】規則 20 − 2 c「再ドロップを要する場合」 ④ カニトップ杯チャレンジトーナメント 左打ちでの救済処置が取れますか? 【状況】2日目、16 番ホール(パー4)のセカンド地点で、 木の根元にある球に対し、 「左打ちが認められれば、 スタンスが修理地にかかる。その場合救済を受け られるか?」と、競技委員の要請があった。 【裁定】競技委員の裁定は、左打ちが唯一合理的な手段で あると認め、その修理地から左打ちでのニヤレス ポイントを取らせ、ホールに近づかず、1クラブ レングス以内にドロップさせて、インプレーとな りました。 その後、プレーヤーは右で打てるようになった ので、いつものように右で打つことにしました。 同じ状況の裁定が裁定集 24 −2b/ 17 に記載し てあります。 【適用規則】規則 25 − 1b(i) 「異常なグラウンド状態からの 救済」 「ルール章」より Information 『日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップ』の社会貢献活動 北海道知事が青木功に感謝状を贈呈 日本ゴルフツアー機構では、 7月3日∼6日に茨城県宍戸ヒル ズカントリークラブにて開催さ れた『日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズカップ』(主催:日 本ゴルフツアー機構 特別協賛: 森ビル株式会社)での収益金の うち、社会貢献活動の一環として、 開催コースの地元地域の諸団体 島田理事長(右)より友部ロータリークラブ に下記のとおり寄贈を行いました。郡司守会長へ目録が贈呈された 札幌ベイGCで行われた「サン・クロレラ クラシック」のプロア マ表彰式で、青木功に北海道より感謝状が贈られました。 青木は、1973年に北海道千歳空港CCで開催された第1回札幌と うきゅうオープンで優勝した際、優勝賞金のうち100万円を北海道共 同募金に寄付。以来、北 海道内でジュニアレッス ン会を開催したり福祉施 設への寄付などを行って きました。 こうした北海道のゴル フ振興や普及、社会福祉 に尽力した功績に対し、 高橋はるみ北海道知事が 青木に感謝状を贈呈。山 口博司北海道副知事がコ ースを訪れ、青木に感謝 山口博司北海道副知事(右)より青木功に感謝状が 状を手渡しました。 送られた 1.チャリティフォトの売上金121,000円を友部ロータリークラブを 通じて、「ポリオ(小児麻痺)撲滅基金」に寄贈 2.茨城県プロゴルフ会へジュニアスクール用練習ボール約1,000球 を寄贈 3.社会福祉法人「福祉工場」に飲料、インスタント食品を寄贈 なお、友部町、岩間市、笠間町の公立小学校計14校にスナッグゴ ルフ用具を寄贈(約322万円相当)する計画もあり、各役所との打ち合 わせを進めています。このように『日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒル ズカップ』は地元地域に密着し、社会貢献を通じてスポーツ文化の発 展に寄与するスポーツイベントを目指しています。 クォリファイングトーナメント開幕! サードクォリファイングトーナメントのエントリー受付けを開始 8月27日に福岡県のミッションバレーGCにて、2004年度のジャパ ンゴルフツアーの出場権をかけたクォリファイングトーナメント (QT) が開幕しました。既にファースト、セカンドQTのエントリー受付け は終了していますが、9月1日(月)より10日(水)までサードQTのエ ントリーを受付けます。 ★出場資格 ①セカンドクォリファイングトーナメントを通過した者。 ②2002年度ファイナルクォリファイングトーナメントに出場した者。 ③ツアートーナメント過去5年間のシード権獲得者(1998∼2002年)。 ④ツアートーナメント過去5年間の優勝者(1998∼2002年)。 ⑤2002/2003年オーストラレイジア、南アフリカの各PGAツアー賞 金ランキング上位30位以内で、ファイナルQTに出場できる上位3 名を除く、出場する意思のある上位7名。(エントリー受付け終了) ⑥本年度アジアンPGAツアーの賞金ランキング上位10位以内(2003 年6月29日現在)で、ファイナルQTに出場できる上位2名を除く、 出場する意思のある上位5名。(エントリー受付け終了) ⑦2002年度チャレンジトーナメント最終賞金ランキング上位者で、 2003年度の第1回リランキングまでの出場優先順位を獲得した者。 ⑧その他、上記以外で日本ゴルフツアー機構が承認した者。 ★開催日程および会場 【関東】 11月11日(火)∼11月14日(金)[指定練習日は10日(月)] ・オールドオーチャードゴルフクラブ(茨城県) TEL.029-292-7777 ・ワイルドダックカントリークラブ(茨城県)TEL.0299-93-1111 ・太平洋クラブ&アソシエイツ 益子コース (栃木県) TEL.0285-72-8231 【関西】 11月18日(火)∼11月21日(金)[指定練習日は17日(月)] ・下関ゴールデンゴルフクラブ(山口県)TEL.0832-82-2311 ・有馬ロイヤルゴルフクラブ ノーブルコース(兵庫県) TEL.078-958-0121 ・東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)TEL.059-448-5811 ※注:事前発表では山陽ゴルフ倶楽部吉井コース(岡山県)が会 場となっていましたが、東建多度カントリークラブ・名古屋(三 重県)に変更となりました。ご注意ください。 欧・米PGAツアーのQスクール、エントリー締切りが迫る 2004年のヨーロピアンツアー、米PGAツアーの出場権がかかるQ スクールのエントリー締切りが迫ってきた。ヨーロピアンツアーは9 月5日、米PGAツアーは9月12日(アメリカ東部時間17:00まで)がエ ントリー締切りのデッドラインとなっている。 両ツアーとも、今季のジャパンゴルフツアー賞金ランキング上位 者には、セカンドやファイナルから出場できる資格が与えられている。 なお、米PGAツアーのQスクール概要(和文)については、JGTOの ホームページ http://www.jgto.org の「海外トーナメント」の画面か ら「2003年PGAツアークォリファイングトーナメント要項」をクリ ックするとご覧になれます。 今季2度目、ツアー史上22回目、 細川和彦がアルバトロスを達成 アルバトロスを達成した細川和彦 「サトウ食品NST新潟 オープン」の最終日、16 番(536ヤード、パー5) で細川和彦がセカンドシ ョットを直接カップイン。 ツアー史上22回目(20人 目)のアルバトロスを達 成した。 今シーズン、アルバト ロスは5月に開催された 「フジサンケイクラシッ ク」で桑原克典が達成し ており、今季2度目の記録達成となった。 なお、細川には大会特別協賛社の佐藤食品工業株式会社より「サト ウのごはん」新潟産コシヒカリ100パックと、特別賞・イーグル賞を 併せて100万円が贈られた。 日本プロゴルフマッチプレー選手権にJGTOから藤崎競技委員を派遣 日本ゴルフツアー機構は、社団法人日本プロゴル フ協会(JPGA)が主催する「日本プロゴルフマッチ プレー選手権」 (9月4日∼7日、ニドムクラシックC) に、藤崎茂夫競技委員を派遣することになりました。 先に開催された「日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒ ルズカップ」では、JPGAから山本千秋氏が競技委 員として派遣されています。今後、両団体は相互交 流を積極的に行っていく予定です。 藤崎茂夫競技委員 連載コラム 田中 實(ゴルフライター) 大競技の最終戦・全米プロは、 この処分は翌年5月に解かれ実害 はなかったが、いまでは考えられな い措置だ。 じた。これで今季のメジャー勝者は 時間変更で同時に3人が消えた すべて新顔、近年では59、69年に こともある。84年6月、関東プロで 続く珍事。ついでに77年ニューヨ のこと。雨のため2日目が翌日順延 ーク大 停 電を上 回る暗 黒 劇の余 となり、選手の組み合わせとそれに 波も加わった。 伴うスタート時間変更があった。そ それに比べれば些細だが、大会 れを知らず寺沼猛、丸山貢、桜井 2日目に22歳のA・バデリーが遅刻 で2罰打を科せられた。インの第一組、 文男は変更前の時間で“出勤”し たため失格した。ちなみに、この日 7時30分の出発予定だったが「7 は誤所からのプレーやスコア誤記 時35分と思い込んでいた」とのこ もあり、計6人の大量失格者が出た。 とで、40秒遅れてしまった。これが 89年10月にプロ転向、怪物と呼 響いたか、初日(6位)より8打も悪 ばれた川岸良兼も米国で「あわや」 い77、最終的にも297で57位に終 という場面があった。90年5月のメ わった。 モリアル最終日、豪雨でスタート時 メジャーでの遅刻は80年のS・バ 間が再三変った。川岸は二度目の レステロスがいる。同年のマスター 変更を確認して食事に出たが、そ ズでは、 T・ウッズに破られるまで保 の間に三度目の変更がありスター 持した23歳4日の最年少V記録を トが繰り上がった。コースに着いた 樹立した。6月の全米オープンでも ときは時間ぎりぎり。そのままなら失 当然注目を浴びた。ところが、その 格もあったが、直後に中止が決定。 2日目「13日の金曜日」に、 スタート 時間の勘違いと交通渋滞が重なり、 前日までの成績で13位に落ち着いた。 この川岸、それより2カ月前の国 7分の遅刻で失格 。メジャー連覇 内開幕戦・第一不動産カップのプ の夢はあっさりと消えた。 故意で犯すはずもない遅刻が、 ロアマ戦でも寝坊して遅刻、スター トを遅らせてプレーした経験もある。 意外な展開をみせたこともある。 不可避ともいえるのは70年11月、 66年カナダカップ(現ワールドカ 日本シリーズでの謝永郁。当時は ップ)個人戦でG・ヌードソンとプレ ーオフの末2位となった杉本英世は、 日本、関東、関西の公式戦6競技 の勝者だけが出場、前半は大阪の 翌67年に日本選手初の米ツアー・ よみうりCC、後半は東京よみうりC プロテスト合格を果たした。 Cで行なわれた。その3日目、首位 同年終盤の11月、ハワイアンオ の杉原輝雄を2打差で追うはずの ープン初日のスタート時間が当初 謝は新宿から小田急線を利用したが、 のものから変更になった。そうと知 その日は運悪く事故で大幅な遅れ、 らず杉本は不本意な遅刻失格とな 手の施しようもなく失格となった。 った。それ以上の科罰は不要と思 同じ会場では尾崎将司も遅刻 われるが、翌月の日本プロゴルフ協 失格を経験している。73年11月3 会・役員会は「協会主催の競技に 日はブリヂストン・ トーナメント3日目、 1年間出場停止」の追い討ちをか と同時に文化の日。新宿のホテル けた。 に泊まっていた尾崎は、 1時間ほど 恐らく「国を代表する選手が外 国で不名誉なことを」との懲らしめだ。 の練習を見込んで出発したが、愛 車が故障 。タクシーに乗り換えた が行楽のため甲州街道は大渋滞、 仕方なく電車に乗り換えたものの、 時すでに遅く、コース到着は出発 時間を8分超過していた。 「いつも なら50分で着くのに2時間も掛か 四S・ミキールの優勝で幕を閉 「遅刻」 るなんて」とぼやいたが後の祭りだ った。 話しは飛ぶが、 もし遅れていなか ったら優勝…かも、 というのは82年 マスターズ勝者のC・スタドラー。 95年1月、米ツアー開幕戦・メルセ デス選手権は初日が雨で中止。翌 日36ホールとなったその日、スタド ラーは1分半ほどの遅刻で、第1ラ ウンド1番はダブルボギー「6」。そ して72ホールを終えてみると、プレ ーオフとなったS・エルキントンとB・ リツキーにきっちり2打及ばない4 位だった。 遅刻の罰といえば以前は失格し かなかった。それが84年の規則大 改正で、 「出発時刻から5分以内 にスタート地点にプレーの用意を 整えて到着した場合は、マッチプレ ーでは第1ホールの負け、ストロー クプレーでは2打の罰とすることが できる」との救済が加わった。 遅刻選手が失格とならず、それ で損をした選手もいる。91年11月 のカシオワールド初日。アルゼンチ ンからのE・ロメロが時間に遅れ、 欠場者待ちの塩田昌宏が補充さ れた。10番からのスタートで塩田の 第1打はナイスショット。ところが2 打目の前にロメロが現れた。5分 以内のためロメロはセーフ、塩田は たった1発でお引き取りとなった。 最後に、 「みんなで遅れれば無罰」 の特例を…。 90年10月、16人ずつ計32人が 出場する女子の日米対抗戦・ニチ レイインターナショナルの初日。日 本の5選手以外は浅草のホテルに 宿泊、二台のバスに分乗して会場 の筑波CC入りの手筈だった。とこ ろが、その日は常磐自動車道で事 故があり大渋滞、 1時間の計算が 二倍もかかってしまった。失格とす るわけにもいかず、予定を1時間45 分繰り下げての開始となった。特 殊競技ならではことだ。 他にパトカー先導ですくわれた 選手など、遅刻やそれに近い例は 多いが、道中の心労を考えれば「転 ばぬ先の杖」も必要? メ モ 40 Starting New at Golf !! 『第1回スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ』 を振りかえって その② 日本ゴルフツアー機構 営業管理ディレクター●宮内 勝 前号に続き、日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップ開催中の 7月5日(土)に行われた『第1回スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ』 の模様を報告します。今号ではプレーを離れた子供たちの“素顔” について触れてみました。 ★中嶋プロとの触れ合いで、 子供たちに笑顔がはじけた! 競技は10校が2つのブロックに分かれて、 Aコースの9ホールとBコースの9ホールで 予選を行いました。その中から各ブロック上 位2校の4校が9ホールによる決勝戦に進み、 残る6校は6ホールによる親善試合を行いま した。 初めての競技会。運営する私たちスタッフ 以上にプレッシャーを感じていたのは、やは り多くの出場選手たちでした。小さな身体い っぱいにプレッシャーを受けながら、 チームのため自分のために真剣にプ レーする姿を見て、この大会を開催 して良かったと思ったのは私だけで はなかったでしょう。その緊張感が 随所に好プレーを生み出し、予想以 上の熱戦を繰り広げてくれたことは 言うまでもありません。 そんな子供たちが緊張感から解き 放され、まぶしいほどの笑顔で取り 囲んだのが中嶋常幸プロでした。背 中の故障でツアー選手権を欠場した 中嶋プロでしたが、子供たちを応援 するために、ツアー選手権に出場した全選手 からサインを集めたボードを持って駆けつけ てくれたのです。聞くところによれば、中嶋 プロも10歳からゴルフを始めたジュニアゴル ファーの大先輩。この大会にも惜しみないご 協力をいただきました。 その中嶋プロによるデモショットが行なわ れると、スナッ グゴルフにもか かわらず遠くに、 真っ直ぐ飛んで いくショットに 子供たちから大 歓声があがりま した。そのあと のサイン会では 子供たちが中嶋 プロを幾重にも 取り囲みました。 ゴルフ界におい て、子供たちが 模範ショットを披露した中嶋プロ 鈴なりになって プロゴルファーを取り囲んでいるシーンは、 そうお目にかかれるものではありません。ゴ ルフというゲームの普及もさることながら、 子供たちがヒーローと触れ合う場の提供も、 ジュニアゴルファーの拡大にはなくてはなら ない要素だと痛感しました。 ★「負けて悔しい」 「友達ができて嬉 しい」 「中嶋選手に会えて嬉しい」。 子供たちの思い出はいっぱい 夕方6時過ぎに表彰式が終了すると、ゴル フ場から宿泊先の土浦までは バスで移動し、すぐに食事会 が始められました。今大会の 参加総人数は選手74人、引率 者66人の総勢140人。盛大な 食事会はやがて各小学校の活 動報告会となり、 そして今回の対抗 戦に参加した出場 選手全員の感想の 場となりました。 立教小学校の優 勝に対しての各校 の対抗意識は思っていたよりも強く、 「東京ものに負けて悔しい」とか 「東京に向いて寝ない」というコ メントなどもあって、場内の笑い を誘いました。女の子の多くが「お 友達ができて嬉しかった」と言えば、「中嶋 常幸選手に会えたことが嬉しかった」と、中 嶋選手との触れ合いについてのコメントも多 く聞かれました。中には「中嶋選手にサイン を5つももらったことが良かった」と言って、 帽子、シャツにしてもらったサインを自慢げ に見せる子もいました。中嶋プロの存在がい かに大きかったかを示すひとときでした。 ★手作りの『お静かにボード』で、 ギャラリー整理のお手伝い 翌日の日曜日は9時にゴルフ場に集合して、 社会学習の一環としてギャラリー整理のお手 伝いをしてもらいました。 1番ティインググラウンドの横でお手伝い をした子供たちは、大勢のギャラリーに埋も れながらもティショットの音と、うなりを上 MONTHLY JAPAN GOLF TOUR NEWS LETTER JGTO広報誌 2003 TOUR NEWS インター ネット http://www.jgto.org/ 携帯 サイト 子供たちの「お静かにボード」が、トーナメントに花を添えた http://mobile.jgto.org/ 発行●日本ゴルフツアー機構 東京都港区赤坂1-3-5 赤坂アビタシオンビル5F TEL.03-3585-7381 FAX.03-3585-7383 げ遠くに飛んでいくボールに、「ウォー」と か「全然見えなーい」、「スゴーイ」という 感嘆の声を上げていました。 ギャラリー整理のお手伝いは、各児童が手 作りで作った『お静かにボード』を持参して 行なわれました。ボードの大きさと「お静か に」の文字はあらかじめ指定しましたが、そ れ以外は自由に作ってきてもらいました。そ の結果、色とりどりのボードがゴルフ場を彩 りました。沖縄の壺屋小学校では、沖縄独特 の柄をあしらったボードで地域の香りを醸し だしてくれました。 ★地元でも歓待された子供たち 2日間の貴重な体験を終えて地元に帰った 子供たちを待っていたのは、地元メディアの 取材です。JGTOカップの模様が写真入で大 きく新聞で扱われ、学校への問い 合わせもかなりあるとのことです。 優勝した東京の立教小学校では、 1学期の終業礼拝(終業式)で出場 メンバー6人の健闘が報告され、 改めて優勝カップとメダル、表彰 状の授与セレモニーが行われ、全 校児童から喝采を浴びました。 同じように2位となった島根県 安来市立赤江小学校と3位の兵庫 県の須磨浦小学校でも、終業式に 表彰セレモニーが行われました。 ★ゴルフは子供の教育にとって最適 なスポーツ。 スナッグゴルフの更なる普及を! ゴルフは自分で考え、自分で努力し、自分 でジャッジし、同伴プレーヤーへの配慮も必 要とするスポーツです。他人への気配り、そ して自己を管理する能力など人間教育に必要 な要素が凝縮され、子供の教育にとって、と ても良い効果を与えるものであると認識して います。 その意味で、今回の『スナッグゴルフ対抗 戦JGTOカップ』がきっかけとなって、全国 の小学校にスナッグゴルフが普及できればと 思います。日本ゴルフツアー機構では、今後 もゴルファーの底辺拡大を目標に、このよう な活動を続けていく考えです。 トーナメント情報、大会速報、ランキングなど インフォメーションは、オフィシャルホームページまで インター ネット 携帯 サイト http://www.jgto.org/ http://mobile.jgto.org/ 発行●日本ゴルフツアー機構 東京都港区赤坂1-3-5 赤坂アビタシオンビル5F TEL.03-3585-7381 FAX.03-3585-7383
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