1.北京九華山庄(中国・北京市)の世界最大級GSHPについて 2.会議

2005.9.5
北海道大学大学院
長野克則
1.北京九華山庄(中国・北京市)の世界最大級GSHPについて
去る 2005 年8月2日∼6日に中国北京で行われた 2005 日中ヒートポンプ・蓄熱技術交流会議に
参加する機会を得た。この会議の中で小職は、日本の地中熱ヒートポンプ技術の概要を15分程度紹
介させていただいた。会議の3日目、世界最大級の GCHP が採用されている中国・北京市郊外に本
年新築された温泉リゾートのホテルである北京九華山庄を見学したのでその概要を報告する。
このホテルは 2005 年春開業の非常に新しい国際会議場を有する大規模温泉リゾートのホテルであ
る。建物規模は地上 13 階、地下1階で延べ床面積は 13.1 万 m2 である。最大冷暖房負荷はそれぞれ
約 13 万 kW, 11 万 kW である。このうち、地中熱利用としては5台のスクリュータイプヒートポン
プ(米国 Carrier 社の中国ライセンス生産品、冷暖房能力はそれぞれ 1,251kW/台, および 1,423kW/
台)で合計、6,255kW の冷熱と 7,115kW の温熱を供給する。残りの冷暖房負荷は、氷蓄熱(1,190kW
×3 台、氷蓄熱槽 28,000kWh)と蒸気供給による。これらの熱源配分計画は、地中熱単独と氷蓄熱
の複合式についてコスト試算により決められたが、複合式の場合、単独式に比べ3割程度のイニシャ
ルコストの低減が見込まれると試算が得られている。すなわち、ベース負荷は GSHP で、ピーク負
荷は氷蓄熱、および中央ボイラー室からの蒸気供給を受けるものである。夏期の冷房排熱の多くは地
中へ放熱されるが、一部は冷却塔からも大気に放熱される。なお、この GCHP の計画・設計は米国
企業の協力・支援を受けた模様である(未確認であるが)。
これらの5台の冷暖兼用ヒートポンプに繋がるのは、深さ 100m、間隔約6mピッチで埋設されて
いる 700 本の垂直ダブル U 字型熱交換器である。ダブル U チューブは FAFCO 社製とのことである。
また、掘削孔は井戸下部からグラウトで充填されている。自然地中温度は深さ 40mまでは約 13.3℃
であるが、それ以深では温泉水の影響であるのか、深さ 50m で 14.2℃、100mでは 16.5℃、110m
では 17.2℃と温度勾配が大きくなっている。
この規模のホテルで建築工期は1年に満たないで竣工させたこと、そして、これだけの大規模の
GCHP を大規模ホテルに採用することなどを考えると、北京オリンピックへ向けた経済発展著しい
中国企業の意気込みを感じる。
2.会議展示場で GSHP を扱っていた会社
本会議と並行して、展示会も行われた。日本から9社、中国から6社の参加があった。その中で、
GSHP を扱っていた会社を以下に示す。
(1) 中国武州金牛経済発展有限公司 (KINGBULL):プラスチック製パイプ全般製造(PP-R、PE、
複合 PE 等)www.wuhankb.com
(2)山東富爾達空調設備有限公司 (FUERDA):大型水熱源ヒートポンプユニット製造
www.fuerda.com.cn、会議終了後、日本側メンバーと意見交換会を行った。
(3)際高集団(HUNDRED): 日本でいうエンジニアリング、サブコン業、ボアホール型地中熱
利用の施工例(例えば、北京九華山庄など)、基礎杭利用 GSHP、地表水、地下水など
www.hundred.com.cn
写真1
写真3
北京九華山庄外観
ボアホールヘッダ用マンホール内部
写真2
写真4
北京九華山庄内部アトリウム
地階機械室内のスクリュー型 HP
(圧縮機4台が上部にあるのがわかる)
写真5
プレート式熱交換器
写真6
会議風景
写真7
際高集団基礎杭利用
GSHP のポスター
写真8
エコアイス・ミニの蓄熱槽と蒸発管、ディストリビューター
(地中熱利用型の直膨型 HP にも応用して欲しい。。)
写真9
金牛 U チューブのパンフレット