i. @WTech . Rep . Hokkai o@ Salmon@ Hatchery@(161) 世界のサケ・マス 類養殖の現状と 問題点 奈 良 和 俊, Current salmon aquaculture(n the world Kazutoshi@Nara* Total production in world salmonid aquaculture attained 541 thousand tons@in@1989.@ Yield@of@each@species@was@highest@in@rainbow@trout@(245@thousand toos) , followed@ by@ Atlantic@ salmon@ (169@ thousand@ tons);@ pink@ salmon@ (58 thousand@ tons),@ and@ coho@ salmon@ (34@ thousand@ tons)@ in@ order . Japanese salmon@aquaculture@produced@40@thousand@tons@in@total seawater・ , 51%@ of@which@was@in masu《almon , 163》ons・ , 20118》ons・ rainbow》rout, 18 tons) . 近年,世界各国で水産物の養殖が盛んに このような情勢の中で,本報では国内外の 行われ,漁業生産に 占めるその割合は14% サケ・マス類養殖の現状と問題点 は ついて サケ・マス類においても 内 水面ではニジマスを三体 に ,海面において は大西洋サケ,ギンザ ケ を主体に 養殖が行 l . 世界の養殖 われており,サケ・マス生産量に占める 養 Ⅲ 殖の割合は41% にも達している。 特にサケ・ 養殖概況 世界の養殖を含む漁業生産量は, 1970 年 マス類の海面養殖においては北欧,南米, ン 前後に過ぎなかったもの 北米,オセアニア,日本等で増産体制が 取 1980 年以降に著しく増加し, 1989 年に られ,養殖生産量が急激に増加している。 5倍の 1 億387 万トンに達し ・マス類の漁業, 養 ている。 養殖生産量も 増加傾向にあ @ 殖業を含めた全体の供給量が急増する 中で 1984 一 1988 年の年平均生産増加率は 9.5% 主要な養殖生産国においては,多くの在庫 を抱えたり,産地価格の暴落により倒産す と高く, 1989 年の生産量は 1,402 万トンに達 しており,漁業生産量に占める養殖の割合 る者が生じる等厳しい状況となっている。 は年々高まってきている。養殖対象種 の主 ふィヒ場 業績B 第 8 号 北海道さけ・ます ,水産庁振興課(円sheries Agency of Japan, l-2-l Kasumigaseki, Japan) 一 59 一 Ch け oda- ku, Tokyo I00 , 類 な 内訳は,魚類733 万トン,貝類303 万トン, 海藻類300 万トン,甲殻類61 万トン,その他 5 万トンとなっている (図 D)o 魚類においては,内水面養殖が84% を占 の生産量が大半を占める。海面養殖てはコヒ 刀刃 類 め, コイ類,ティラピア類を王体 に中国て 欧のサケ・マス類,東南アジアのミルク ブ イ ツシュ,日本のブ リ類が代表種 てあ る。 貝類においては,中国,スペイン , イタリ ア 等のイガイ類が35%, 日本,韓国, フラ 中国,韓国等のハ ンス等のカキ類が Qlo/jl@0, マグリ類が15%, 日本,中国等のホタテ類 が10% を占めている。海藻類においては , 中国,韓国, 日本等でコンブ, 褐藻類が64%, 図 1 1989 年度における 世界の養殖生産の 種 ワカメ等の で,主産地はノルウェコ 日本,フィリピン,韓国等 イギリス (スコ でノリ等の紅藻類が2 拷を占めている。 甲 ットランド), フェロー諸島,アイルランド 殻類においては,海産 ビ 類が 83% を占め, 及びカナダであ る。第 3 位はカラフトマス (5.8 万 東南アジアのブラックタイガコ 南米の ホ ト 幻でアメリカのみで 生産されて (3.4 万 ト、ノ ) で王 ワ イトエビ,中国の大工 エビが代表種 であ いる。第 4 位はギンザ ケ る。 産地は日本,チリ,アメリカ,カナダ 及び [2) サケ・マス類の養殖状況 び王産地は,その 他のニジマス属1.4 万トン フランスである。 その他の色種の生産量及 (日本,ポーランド, トルコ), マス / スケ 1989 年のサケ・マス 類の総生産量は 131.1 万トンで,その 三な内訳はカラアトマス36.3 0 . 6万トン (カナタ , 万トン,サケ24.3 万トン,ニジマス20 . 4万 ランド), ベニザケ0 . 6万トン (アメリカ), トン,大西洋サケ 17.5 万トン, ベニザケ 16.9 フラウントラウ 0 . 6万トン ( ドイツ,フラ ト ンス,チェコスロバキア), 万トン,その他のニジマス属 7.0 万トン,ギ @ ンザケ 6 山方トン,マス / スケ2.1 万トン, メリカ), サケ0 . 5万トン カワマス0 . 04 万トン (フラン ス,オーストラリア) 等であ る サクラマス0 . 2万トンとなっている (表Ⅱ。 そのうち,養殖生産量は54.1 万トンであ (表 9)2/0 玉要 な養殖生産国であるノルウェⅠチ り,総生産に占める養殖の割合は極めて 高 い 。 養殖生産量の第 1 位はニジマス アメリカ,ニュージー リ,イギリス,カナタ及びアメリカの養殖 (24.5 状況は次のとおりであ る。 万トン) で,主産地はイタリア,デンマー ノルウェー サケ,マス養殖生産量にお ク, フランス,アメリカ及びフィンランド いては第 1 位の国であ る。 魚類養殖の歴史 であ る。 第 2 位は大西洋サケ (16.9 万トン) は日本よりやや遅く,ニジマスの養殖が大 60 一 レ年 年 l 睡 車上 自重 産 生 類 ぺ称 サ名 表 大西洋サケ 78,292 118.368 179.228 196.106 204,034 70,199 74.624 69.824 ブラウントラウ ト 174,722 568 ニジマス 他の助肋り類 カラフトマス 218.121 164.374 363.092 サ 217,139 286.273 243,600 131,135 107.226 168.879 25.638 27,796 21.037 34.954 51.958 59.984 ケ サクラマス ベニザケ マスノサ ケ ギンザ ケ カワマス アルプスイワナ 1,454 レイクトラウト 他の田ル ビ l@nl4s 類 225 合計 960.458 規模に試みられたのは 1950 年以降で,大西 1,03oJo25 1,311,188 洋サケの養殖はそれより 10 年程遅れて開始 温度条件,施設設置に有利な島を有する地 形,汚染されていない海域等の自然条件が された (Ste@nsbo 整っていたこと, 1988) 。 1979 年の養殖生 産量は,ニジマス 2,691 トンと大西洋サケ 二ノの 高士 6,833 トンであったが, また数十年にわたる養殖 種苗の選抜育種と養魚飼料の技術開発の発 展によることがあ げられる。 115,000 トン及びアルプスイワナ 20 トンの計 養殖生産物の品質管理においては,業界 自身 (魚類養殖販売機構) の品質管理部局 118.749 トン (FAOl991) と法規に基づいた公的な管理機構の 2 つの 年にはニジマス 3,729 トン,大西洋サケ と 10 年間で17 倍 に増加している。この国でサケ・マスと言 えば養殖されたものであ り,天然で再生産 されているものがわずかl,nnn ∼ l,500 トン 管理制度により厳しく管理されており,品 質を高水準に保ったことも養殖が成功した 理由の 1 つとみなされている (Steinsbo のみ釣り人によって釣獲 されているにすぎ 1988) 。 生産量の約80% はフランス,アメリ ない。 この国で養殖がこのように発展した カ, デンマーク等の欧州経済共同体の構成 理由としては,メキシコ湾流による有利な 国に王に輸出されている。 表2 世界のサケ・マス類の養殖生産量 (FAO 種 68,125 フラウントラウ i 2,758 11,5 カラフトマス ど 168.290 111,575 ?1.72 4 a, 745 り 13,625 13,397 40,002 26.486 7,(13@l 9,5l7 5,75o マグ・ノス ケ ニンマス 5,g Ⅲ 19,124 26,245 33,670 223,181 240.037 244,898 442.664 541.436 カワマス アルプスイワナ 27 笠 9,644 チ リ この国にはもともとサケ・マス 類は生息してれなかったが,今世紀初め南 部にニジマスとブラウントラ ゥト が国外か の技術援助であ るサケ・マスふ化放流技術 の応用等も要因の 1 つと考えられる。 品質管理は,サケ ,マス養殖業者協会が ら導入され,それらが一部の河川に定着し 自主規制を行っており, その品質判定は検 た。近年,ギンザ ケ を主体にして,急激に は浅く,1975 年が商業的なニジマス養殖の 査会社が品質基準規制,生鮮冷凍サケ・マ スに関する実施基準便覧,加工施設の基準 及び規格付けの基準により行われ,養殖業 始まりであ り,ギンザケ 養殖は1979 年から 者の90% がこの協会に加入しているけ, alen. 養殖生産量を増加させているが,その歴史 開始されている (Valeenzuela1988)0 1981 zuela1988) 。 養殖されたサケ・マス類の国 年の養殖生産量はギンザ ケ 70 トンとニジマ 内消費は少なく,その大半はアメリカや 日 250 トンのわずか320 トンであったが, 1989 年にはギンザ ケ 6,930 トン,ニジマス2,871 本へ輸出されている。 イギリス この国の養殖の歴史は古く, トン,大西洋サケ 1,860 トン及びマス/ スケ 400 年程前からブラウントラウ が養殖され ス ト 11 トンの計11,672 トンに増大している (FAO ている。ニジマスが1880 年にアメリカから 19g1L。 この国でこのように養殖が発展した ヨーロッパに導入され,成長速度が早いこ 背景には,養殖に適したフィヨルド海岸 と とや耐病性が優れていること等から盛んに 低水温の海水等の 自然条件の他,日本から 養殖され,1989 年の生産量は17,362 トンに 達している (FA01991) 。 養殖 =- ジマスの うち, 85% は淡水で養殖されたものであ り, スカ州の王にサケ属からなる商業漁獲量が 世界のサケ・マス生産量の約30% を占めて 残り 15% が沿岸域で養殖されている。大西 いる。ニジマスは,王にアイタホ州で淡水 洋サケの養殖は, 養殖, ワシントン州で海刀く 養殖が行われ, スコットランドを中心に 1987 年までに養殖場350 ヵ所,就業者数 2, お0 ギンザケ 及び大西洋サケの養殖は王にワシ 人の規模で行われている (Jol@eVl988)。 大 ントン州とメイン州で行われている。 これ 西洋サケの養殖は成功を納めており,生産 ら 3 州における 1987 年の養殖生産量はニジ 量は1980 年は598 トンに過ぎなかったが , 1989 マス16,879 年にはハ , 6n3 トンに達し,ここ数年間で急 洋サケ㏄3 トンの計 18,5 ㊥トンである (Pe).t0n 激に増加している。 この他 フラウントラウ 198% 。 合衆国全体の 1989 年の養殖生産量 200 トンが養殖生産されている。 天然の大 は ,カラプトマス 57,765 トン,ニジマス 25,805 西洋サケの漁獲量は1, ㎝0 トン双後で一定し トン, ベニザケ5,745 トン, ザケ5,049 トン, ト トン,ギンザケ 1,523 トン,大西 ており,商業漁業が叩0/ を 占め,残りは河 ギンザケ 3,104 トン,大西洋サケ2,554 トン fl@ でスポーツ,フィッシンバとして釣獲 及びマス / スケ1,613 トンの計101,635 されている。 となっている @A0 カナタ トン 1991) 。 この国においてはサケ属を主体 (任 : カラフトマス とザケが養殖としては にした漁業の歴史は古いが,養殖は新しい 高い数値で記載されており,人工ふ化放流 産業であ り,生産が限定されているため, による資源量を養殖として算出している何 生産量はまだ少ない。養殖は,一部大西洋 台 岸 でも行われているが,王にギンザ ケとマ データに基づいた。 ) ぎ 珪もあるが,あ くまでもFAO (1ggU の ス / スケを対象にしてブ リティッシュ・コ ロンビア州 lが 中心となっている。 フリティ ッシュ・コロンビア州における公認サケ 養 1987 殖場は,1981 年には10 ヵ所であったが, 年には 118 ヵ所に増加している (Hunter 1988) 。 マスは各地の・ 淡水ふ化場で養殖さtt 2 . 我が国の養殖 Ⅲ 発展の経過と 現状 我が国における海面養殖の歴史は古く, 400 年程前から/ リやカキを対象にして行わ れてきたが,急速な発展がみられたのは フ 。 レクリエーションの釣り用として湖水放流 りを主体とした任類養殖 や フカメ,ホタテ されている。 ガイ等の養殖が本格的に行われ始めた1960 1989 年のカナダ全体の養殖生産量は,マ 年以降であ る。 海面養殖の生産量は1960 年 ス / スケ3,230 トン,ニジマス3,450 トン, において,ノリ 10 万トン, カキ18 万トンの 大西洋サケ2,800 トン,ギンザケ 2,500 トン わずか計28 万トンであ ったが,1970 年代に 及びその他のサケ属1f60 トンの計12,140 トン 養 はブリ,ホタテガイ,ワカメ,コンブの となっている (FAO 殖が盛んに行われ,その生産量は50-90 万 l991)o この国における1989 年 トンと急増した。1980 年代に入ると食生活 のサケ・マス生産量は38.5 万トンで, アラ の高度化・多様化に対応して中高級% 分類 アメリカ合衆国 の 養殖対象種か増加し,その 生産量は 1㎝万 菜全体に対して,生産量て 12%, 生産額て トンを越え, 1989 年には127 万トンに達して 050/ を 占めている。なお,生産額において は 1988 年以降,遠洋角業 のそれを上回って 一方,内水面養殖においては,その歴史 いる。 また,沿岸漁業全体に占める海面養 は海面よりも古く,中国からキンキョ か渡 殖の割合をみると,生産量ては38%, 来した比02 年か養殖の始まりて,コイも 1623 額て 年より養殖されたと 言われている (稲葉 1976) 。 その生産量は196(@年に 1 6万トンて あ 生産 海面養殖 か極めて重要 な産業として位置つけられていることかわ かる。 ったものか,養殖技術の進歩,配合飼料 の 普及,稲作転換者の 参入等により増加し, (2) サケ・マス類の養殖状況 我か国のサケ・マス 類は, 100 年程前から 1970 年には4 8万トン, ンに達している。養殖の対象種は ウナキ , 官民の協力の下に サケ を正体にして,人工 ニンマス,コイ, ア 二等の魚類か正体てあ ふ化放流事業により造成されているか,培 り, 伍類養殖としては長い間,海面より生 養殖の試みは, 1877 年にアメリカのカリフ 産尋か多かったか,l9f61 年に ブ リの生産量 ォ ルニア州から内務省勧農居 によってニ シ か増加したことにより逆転した。 養殖業の生産量の伸ひは,近年,鈍化し 流したのか始まりと 言われている (大島 てきたものの生産量,生産額ともに緩やか 1983) 。 養殖は1908 年の滋賀県水調によるニ な増加傾向にあ り, 1989 年には1曲万 トン, ンマスを含む 6 種のマス類の他中養殖試験 生産額 て 6, 乃 1億円となっている。これは角 か行われたのか最初 て (大島 1983), その l .i(l(l 度量 海藻類 0 1%0 年 図 2 我か国の養殖生産量の 推移 (農林水産省 檸業養殖業生産統計年報 1970 , 1q80 , 1989) 後 内水面でニジマスを三体 に 養殖が発展し された。その年の秋に,志津川町漁協と大 た。1989 年の内水面におけるサケ・マス類 手水産会社に の養殖生産量は19.888 よ るギンザ ケ の海面養殖が 2,000 尾の幼% を用いて試験的に行われ,翌 トンである。 その大 半はニジマスが 占め (15.596 トリ, 王産地 ケ が生産された。 年の 6 月に2.4 トンのギンザ の魚体が僅か 7 ヵ月間で1.14kg は長野,岐阜,岩手県等である。 ニジマス 平均 1OO9 以外にはギンザ ケ ,ヤマメ,アマゴ , ヒメ に成長し,生残率も高く,海水馴致もニジ マス,イワナ 等が4,292 トン生産されており , マスょり容易であ ったことから, ギンザケ がその半数を 占めている。ザケ ギンザ ケ の海面養殖は生産規模も実施地域 ・ マス類の養殖はm 間部や地下水等の冷水を その後, も拡大し,その 生産量は年タ 急増している。 利用するため,利用水面,水量で 生産能力 サケ・マス類の宙種別生産量は,水産庁 振興部振興課の調べでは,ギンザ ケ 20,118 が限られている。 そのため内力 く面養殖にお けるサケ・マス類の生産量は今後とも大き トン,サクラマス lfn3 トン,マス / スケ32 ト くは拡大しないと考えられ,限られた生産 ン,ニジマス11 トン及びドナルドソン7 ト 能力の中で魚種の多様化が進むと思われる。 ンの計20,335 海面におけるサケ・マス 類の養殖は,1960 トンとなっている (表 3) 。 海面養殖が産業的規模で成功しているの 年代後半に,ザケ,マス/ スケ,ニジマス, は,生産量の99% を占めるギンザケ だけで ラマス等が研究対象として取り上げら マス類は, まだ,試 供給状況等から ニジ れ,養殖適性,種苗の 強的な規模で養殖されているに過ぎない。 マスが適当と選定された。 ニジマスの海面 主要な色種の養殖状況は以下のとおりで 養殖は宮城県水試の指導の下に 1971 年から 民間会社と漁業者が提携した形で企業化試 ギンザケ ギ 験 が行われ,197,.@年 までの間に銀毛化した 生息 大型ニジマスが年間約300 トン生産されたが , 要 な種卵は一部民間企業や養殖業者で淡水 2nn 海里時代への突入に伴 う 情勢の変化や海 飼育した親 伍からも確保しているが,大半 産ニンマスの魚価安等から 19 円年には中止 は毎年11-12 表3 養殖にノ、 月にアメリカの ワ マス類の海面養殖生産量は 989 年) 一ン 岩手県 27.000 1,156,927 75,700 44,040 965,250 57,000 25.600 10.500 14,895 鳥取県 @ 一 十 。 Ⅰ 1( , 6(lo 1, 四 0, 967 17.658.777 6, 鎗 3 1,026.350 74,800 「 29,500 2,300 14,895 240.000 3,25 じ 240,000 20,118.212 162,833 31,800 11,000 20,335,382 や オレゴン州からの輸入は,0㎝万粒程度 ) ドナルドソン ドナルドソンはニジマス に頼っている。ギンザ ケは 1 年間内水面の の 1 品種であ り, ザケ ・マス類の中でも成 養殖業者に飼育された後,150 一200 区のサ 長が早 く , また,海中養殖開始時のサイズ イズで11 月に海中へ移され,水温が四 C 似 が選定できること,出荷サイズ及び出荷時 -になる翌年の 7 月までの i 年半の間に約 期が調整可能なこと等多くの利占 があ るた ト Ⅱ く R までに成長する。生産地は,北海道, め,北海道,青森,宮城,福井県等で 養殖 東北及び北陸地方などであ る。 養殖ギンザ 試験が行われてきた。 この色種は ついても ケ の用途別流通量をみると生産量の㎝ おな Ⅳ㎝年度からサクラマスと同様に目の委託 1986 年に生鮮が 事業であ る特定海域養殖業推進調査におい 占める宮城県においては, 95.6%, 冷凍が4.4% であ ったが,19 ㎝年に は 生鮮が4f.5 兆,冷凍が 20.0%, 塩蔵 が33 ヵ て,青森県で 1 歳缶と 2 歳% を用い 秋から ,翌年夏まで 養殖試験を実施している。 その他の角種 として,マス/ スケ とべニ % であ り,生産量の増加とともに 生鮮以外 での用途が増えてきている。 サクラマス サクラマスは美味なサケ・ ザ ケ の養殖試験が大手水産会社を 中心に行 われている。 また,大西洋サケは,青森県 マス類として商品価値が高いが,漁獲量は において沖合養殖試験が試みられたが, 減少し,ここ 数年2,000 トン双後となってい まだに産業化には至っていない。 い るため,増殖事業においても力が圧がれて いる白橿であ る。 北海道,岩手,宮城,秋3 . サケ・マス類養殖の問題点と課題 田,新潟, 刮 ll, 福井県等で養殖試験の 実 現在,サケ・マス類養殖における一番大 績 があ るが,成熟期に成長しない等の 生物 きな問題点は,漁獲と養殖を含めたサケ・ 的特性や冬期の養殖条件の厳しさ等から産 マス類全体の需給バランスに乱れが生じて 業化には至っていない。1990 年度から国の いることであ る。 近年,世界的にサケ・マ 委託事業として,養殖業が未発達な 日本海 ス類の漁獲量は増加しているが,養殖生産 全域及び北部太平洋海域において各海域特 量も急増しており, 1990 年の ザケ ・マス類 性に適合した養殖適種を見つけ出し ,その の海面養殖量はお. 1万トンレルウェー 16.1 養殖可能試験を行うことを目的とする特定 万 トン,フィンランド 1.9 万トン,スウェー 海域養殖業推進調査が,北海道と石川県に デン1.8 万トン, デンマーク0 . 6万トン, イ おいてサクラマスを対象として 3 年計画で ギリス4.4 万トン, カナダ2.4 万トン, アメ 実施されている。北海道では,夏期に低水 リカ 0 . 8万トン, チリ 1.8 万トン, オースト 温の太平洋海域で,冬期に高温維持の 日本 ラリア0 . 6万トン,ニュージーランド0 . 3万 海域で,養殖期間を延ばし, より成長を促 トン, 日本2 目方トン,その他2.3 万トン) 進させる試験を行っている。石川県では淡 に達していると推定される。 水で飼育した 2 歳魚の大型種苗を海水へ移 一方,サケ・マス類の需要はフランスを 行し lkg サイズまで養殖する試験を行って 中心とする ョ一ロッバ, いる。 量も伸びている。 しかし,供給量が需要量 日本等で高く消費 を上回っているため,生産過剰による産地 営体331 のうち10% は,休業または撤退し, 価格の低下等で, 1990 年に最大の養殖生産 残る経営体も赤字を抱え厳しい状況下に置 国であ る ツ ルウェ一のサケ 養殖業者協会 かれている。 (FO ⑧が解散し,大量の 在庫を抱える 等 我が国のサケ・マス類全体の供給状況を 時期別にみると国内生産においては, 3 一 D の事態が生じている。 我が国においてもサケ・マス類の供給量 月に日本海沿岸や沖合を中心にサクラマス は増加している。1990 年のサケ・マズ数の と 供給量は,海面漁獲量23.8 万トン,海面養 カラフトマスが漁獲され, 7 一 8 月に養 殖ギンザ ケ が生産され, 8-9 月にオホー 殖生産量2 フ方トン,輸入量1f3 万トンド ツク海沿岸でカラフトマスが漁獲され, 9 ち 養殖は2.6 万トン), それに期初在庫を含 月 めた合計の54.8 万トンに達していると推定 獲される。その合間を縫って輸入が行われ, -12 月に北日本の沿岸でサケが大量に漁 される。一方,需要量は41.5 万トンで期末 まず, 3 月 -4 在庫は13.3 万トンと推定される。 サケ・マ ギンザケ が輸入され, 8-10 月をピークにチリから養殖 月をピークに ス類の供給量が過剰傾向になると全体に価 カナダ,アメリカからべニザケ を主体に冷 格の低下をもたらすが,特にその傾向はギ 凍物が大量に輸入される。養殖した大西洋 ンザケ 養殖に大きく現れる。 1991 年のギン サケや ブラウントラウ ザ ケ 養殖の生産量は,過去最高値の 2.5 万ト きる体制にあるため,周年を通じノルウェ ンに達しており, 王産地であ る宮城県の産 スヴェーデン,ニュージーランドから ト はいつでも出荷で 地価格は,468 円 /kg で養殖開始以来の最低 少量づつ輸入されている。このようにサケ・ 価格となった (図 3) 。 採算限界と言われて マス類が切れ 目なく生鮮,冷蔵,冷凍で出 を大きく下回り,養殖経 回っているので,一時期に出荷が集中する いる6㎝-%0 円 /kR l " 1@ @00 15 0(10 格 額 11 l1@8(1 | @@ll @l 「11 一 | @ 1990 軍ザ 1q85 午 産 額 産 養 宮 図 体制しかとれないギンザ ケ 養殖等は価格維 持が難しい。 な発展を図るためには,世界的な視野から 対象 種毎の需給動向を的確に把握するとと もに生産コストの低減を図ることは無論の こと,量産に走らず品質の改善やブランド 化に重点をおいた余裕のあ る計画的な生産 体制を如何に確立するかが今後の重要な課 . 用 1989.@ FAO@ 文 yearbook@ . 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