世界のサケ 〟 マス類養殖の現状と問題点

i. @WTech
. Rep . Hokkai
o@
Salmon@
Hatchery@(161)
世界のサケ・マス 類養殖の現状と 問題点
奈
良
和
俊,
Current salmon aquaculture(n the world
Kazutoshi@Nara*
Total production in world salmonid aquaculture attained 541 thousand
tons@in@1989.@ Yield@of@each@species@was@highest@in@rainbow@trout@(245@thousand
toos) , followed@ by@ Atlantic@ salmon@ (169@ thousand@ tons);@ pink@ salmon@ (58
thousand@ tons),@ and@ coho@ salmon@ (34@ thousand@ tons)@ in@ order . Japanese
salmon@aquaculture@produced@40@thousand@tons@in@total
seawater・
, 51%@ of@which@was@in
masu《almon
, 163》ons・
, 20118》ons・
rainbow》rout, 18
tons) .
近年,世界各国で水産物の養殖が盛んに
このような情勢の中で,本報では国内外の
行われ,漁業生産に 占めるその割合は14%
サケ・マス類養殖の現状と問題点 は ついて
サケ・マス類においても 内
水面ではニジマスを三体 に ,海面において
は大西洋サケ,ギンザ ケ を主体に 養殖が行
l . 世界の養殖
われており,サケ・マス生産量に占める 養
Ⅲ
殖の割合は41% にも達している。
特にサケ・
養殖概況
世界の養殖を含む漁業生産量は, 1970 年
マス類の海面養殖においては北欧,南米,
ン 前後に過ぎなかったもの
北米,オセアニア,日本等で増産体制が 取
1980 年以降に著しく増加し, 1989 年に
られ,養殖生産量が急激に増加している。
5倍の 1 億387 万トンに達し
・マス類の漁業,
養
ている。 養殖生産量も 増加傾向にあ @
殖業を含めた全体の供給量が急増する 中で
1984 一 1988 年の年平均生産増加率は 9.5%
主要な養殖生産国においては,多くの在庫
を抱えたり,産地価格の暴落により倒産す
と高く,
1989 年の生産量は 1,402 万トンに達
しており,漁業生産量に占める養殖の割合
る者が生じる等厳しい状況となっている。
は年々高まってきている。養殖対象種 の主
ふィヒ場 業績B 第 8 号
北海道さけ・ます
,水産庁振興課(円sheries Agency
of Japan,
l-2-l Kasumigaseki,
Japan)
一
59
一
Ch け oda- ku, Tokyo
I00 ,
類
な 内訳は,魚類733 万トン,貝類303 万トン,
海藻類300 万トン,甲殻類61 万トン,その他
5 万トンとなっている (図 D)o
魚類においては,内水面養殖が84% を占
の生産量が大半を占める。海面養殖てはコヒ
刀刃
類
め, コイ類,ティラピア類を王体 に中国て
欧のサケ・マス類,東南アジアのミルク ブ
イ
ツシュ,日本のブ リ類が代表種 てあ る。
貝類においては,中国,スペイン
, イタリ
ア 等のイガイ類が35%,
日本,韓国,
フラ
中国,韓国等のハ
ンス等のカキ類が Qlo/jl@0,
マグリ類が15%, 日本,中国等のホタテ類
が10% を占めている。海藻類においては ,
中国,韓国,
日本等でコンブ,
褐藻類が64%,
図 1
1989 年度における
世界の養殖生産の
種
ワカメ等の
で,主産地はノルウェコ
日本,フィリピン,韓国等
イギリス (スコ
でノリ等の紅藻類が2 拷を占めている。 甲
ットランド), フェロー諸島,アイルランド
殻類においては,海産 ビ 類が 83% を占め,
及びカナダであ る。第 3 位はカラフトマス
(5.8 万
東南アジアのブラックタイガコ 南米の ホ
ト
幻でアメリカのみで 生産されて
(3.4 万 ト、ノ ) で王
ワ イトエビ,中国の大工 エビが代表種 であ
いる。第 4 位はギンザ ケ
る。
産地は日本,チリ,アメリカ,カナダ
及び
[2) サケ・マス類の養殖状況
び王産地は,その
他のニジマス属1.4 万トン
フランスである。 その他の色種の生産量及
(日本,ポーランド, トルコ), マス / スケ
1989 年のサケ・マス
類の総生産量は 131.1
万トンで,その
三な内訳はカラアトマス36.3
0 . 6万トン (カナタ ,
万トン,サケ24.3 万トン,ニジマス20 . 4万
ランド), ベニザケ0 . 6万トン (アメリカ),
トン,大西洋サケ
17.5 万トン,
ベニザケ 16.9
フラウントラウ 0 . 6万トン ( ドイツ,フラ
ト
ンス,チェコスロバキア),
万トン,その他のニジマス属 7.0 万トン,ギ
@
ンザケ 6 山方トン,マス / スケ2.1 万トン,
メリカ),
サケ0 . 5万トン
カワマス0 . 04 万トン (フラン
ス,オーストラリア) 等であ る
サクラマス0 . 2万トンとなっている (表Ⅱ。
そのうち,養殖生産量は54.1 万トンであ
(表 9)2/0
玉要 な養殖生産国であるノルウェⅠチ
り,総生産に占める養殖の割合は極めて 高
い 。 養殖生産量の第 1 位はニジマス
アメリカ,ニュージー
リ,イギリス,カナタ及びアメリカの養殖
(24.5
状況は次のとおりであ る。
万トン) で,主産地はイタリア,デンマー
ノルウェー サケ,マス養殖生産量にお
ク, フランス,アメリカ及びフィンランド
いては第 1 位の国であ る。 魚類養殖の歴史
であ る。 第 2 位は大西洋サケ (16.9 万トン)
は日本よりやや遅く,ニジマスの養殖が大
60
一
レ年
年
l
睡
車上
自重
産
生
類
ぺ称
サ名
表
大西洋サケ
78,292
118.368
179.228
196.106
204,034
70,199
74.624
69.824
ブラウントラウ
ト
174,722
568
ニジマス
他の助肋り類
カラフトマス
218.121
164.374
363.092
サ
217,139
286.273
243,600
131,135
107.226
168.879
25.638
27,796
21.037
34.954
51.958
59.984
ケ
サクラマス
ベニザケ
マスノサ
ケ
ギンザ ケ
カワマス
アルプスイワナ
1,454
レイクトラウト
他の田ル
ビ
l@nl4s 類
225
合計
960.458
規模に試みられたのは 1950 年以降で,大西
1,03oJo25
1,311,188
洋サケの養殖はそれより 10 年程遅れて開始
温度条件,施設設置に有利な島を有する地
形,汚染されていない海域等の自然条件が
された (Ste@nsbo
整っていたこと,
1988) 。 1979 年の養殖生
産量は,ニジマス 2,691 トンと大西洋サケ
二ノの
高士
6,833 トンであったが,
また数十年にわたる養殖
種苗の選抜育種と養魚飼料の技術開発の発
展によることがあ げられる。
115,000 トン及びアルプスイワナ
20 トンの計
養殖生産物の品質管理においては,業界
自身 (魚類養殖販売機構) の品質管理部局
118.749 トン (FAOl991)
と法規に基づいた公的な管理機構の 2 つの
年にはニジマス 3,729 トン,大西洋サケ
と
10 年間で17 倍
に増加している。この国でサケ・マスと言
えば養殖されたものであ り,天然で再生産
されているものがわずかl,nnn
∼ l,500
トン
管理制度により厳しく管理されており,品
質を高水準に保ったことも養殖が成功した
理由の 1 つとみなされている
(Steinsbo
のみ釣り人によって釣獲 されているにすぎ
1988) 。 生産量の約80% はフランス,アメリ
ない。 この国で養殖がこのように発展した
カ, デンマーク等の欧州経済共同体の構成
理由としては,メキシコ湾流による有利な
国に王に輸出されている。
表2
世界のサケ・マス類の養殖生産量 (FAO
種
68,125
フラウントラウ
i
2,758
11,5
カラフトマス
ど
168.290
111,575
?1.72
4
a, 745
り
13,625
13,397
40,002
26.486
7,(13@l
9,5l7
5,75o
マグ・ノス
ケ
ニンマス
5,g Ⅲ
19,124
26,245
33,670
223,181
240.037
244,898
442.664
541.436
カワマス
アルプスイワナ
27
笠 9,644
チ
リ
この国にはもともとサケ・マス
類は生息してれなかったが,今世紀初め南
部にニジマスとブラウントラ ゥト が国外か
の技術援助であ るサケ・マスふ化放流技術
の応用等も要因の 1 つと考えられる。
品質管理は,サケ ,マス養殖業者協会が
ら導入され,それらが一部の河川に定着し
自主規制を行っており, その品質判定は検
た。近年,ギンザ ケ を主体にして,急激に
は浅く,1975 年が商業的なニジマス養殖の
査会社が品質基準規制,生鮮冷凍サケ・マ
スに関する実施基準便覧,加工施設の基準
及び規格付けの基準により行われ,養殖業
始まりであ り,ギンザケ 養殖は1979 年から
者の90% がこの協会に加入しているけ, alen.
養殖生産量を増加させているが,その歴史
開始されている (Valeenzuela1988)0 1981
zuela1988) 。 養殖されたサケ・マス類の国
年の養殖生産量はギンザ ケ 70 トンとニジマ
内消費は少なく,その大半はアメリカや 日
250 トンのわずか320 トンであったが,
1989
年にはギンザ ケ 6,930 トン,ニジマス2,871
本へ輸出されている。
イギリス この国の養殖の歴史は古く,
トン,大西洋サケ
1,860 トン及びマス/ スケ
400 年程前からブラウントラウ が養殖され
ス
ト
11 トンの計11,672 トンに増大している
(FAO
ている。ニジマスが1880 年にアメリカから
19g1L。 この国でこのように養殖が発展した
ヨーロッパに導入され,成長速度が早いこ
背景には,養殖に適したフィヨルド海岸 と
とや耐病性が優れていること等から盛んに
低水温の海水等の 自然条件の他,日本から
養殖され,1989 年の生産量は17,362 トンに
達している (FA01991)
。 養殖 =- ジマスの
うち,
85% は淡水で養殖されたものであ り,
スカ州の王にサケ属からなる商業漁獲量が
世界のサケ・マス生産量の約30% を占めて
残り 15% が沿岸域で養殖されている。大西
いる。ニジマスは,王にアイタホ州で淡水
洋サケの養殖は,
養殖, ワシントン州で海刀く 養殖が行われ,
スコットランドを中心に
1987 年までに養殖場350 ヵ所,就業者数
2, お0
ギンザケ 及び大西洋サケの養殖は王にワシ
人の規模で行われている (Jol@eVl988)。 大
ントン州とメイン州で行われている。 これ
西洋サケの養殖は成功を納めており,生産
ら 3 州における 1987 年の養殖生産量はニジ
量は1980 年は598 トンに過ぎなかったが
, 1989
マス16,879
年にはハ , 6n3 トンに達し,ここ数年間で急
洋サケ㏄3 トンの計 18,5 ㊥トンである (Pe).t0n
激に増加している。 この他 フラウントラウ
198% 。 合衆国全体の 1989 年の養殖生産量
200 トンが養殖生産されている。
天然の大
は ,カラプトマス
57,765 トン,ニジマス
25,805
西洋サケの漁獲量は1, ㎝0 トン双後で一定し
トン, ベニザケ5,745 トン, ザケ5,049 トン,
ト
トン,ギンザケ 1,523 トン,大西
ており,商業漁業が叩0/ を 占め,残りは河
ギンザケ 3,104 トン,大西洋サケ2,554 トン
fl@ でスポーツ,フィッシンバとして釣獲
及びマス / スケ1,613 トンの計101,635
されている。
となっている @A0
カナタ
トン
1991) 。
この国においてはサケ属を主体
(任 : カラフトマス とザケが養殖としては
にした漁業の歴史は古いが,養殖は新しい
高い数値で記載されており,人工ふ化放流
産業であ り,生産が限定されているため,
による資源量を養殖として算出している何
生産量はまだ少ない。養殖は,一部大西洋
台
岸 でも行われているが,王にギンザ ケとマ
データに基づいた。
)
ぎ
珪もあるが,あ くまでもFAO
(1ggU
の
ス / スケを対象にしてブ リティッシュ・コ
ロンビア州 lが 中心となっている。 フリティ
ッシュ・コロンビア州における公認サケ 養
1987
殖場は,1981 年には10 ヵ所であったが,
年には 118 ヵ所に増加している
(Hunter
1988) 。 マスは各地の・
淡水ふ化場で養殖さtt
2 . 我が国の養殖
Ⅲ
発展の経過と 現状
我が国における海面養殖の歴史は古く,
400 年程前から/ リやカキを対象にして行わ
れてきたが,急速な発展がみられたのは フ 。
レクリエーションの釣り用として湖水放流
りを主体とした任類養殖 や フカメ,ホタテ
されている。
ガイ等の養殖が本格的に行われ始めた1960
1989 年のカナダ全体の養殖生産量は,マ
年以降であ る。 海面養殖の生産量は1960 年
ス / スケ3,230 トン,ニジマス3,450 トン,
において,ノリ 10 万トン, カキ18 万トンの
大西洋サケ2,800 トン,ギンザケ 2,500 トン
わずか計28 万トンであ ったが,1970 年代に
及びその他のサケ属1f60 トンの計12,140 トン
養
はブリ,ホタテガイ,ワカメ,コンブの
となっている (FAO
殖が盛んに行われ,その生産量は50-90 万
l991)o
この国における1989 年
トンと急増した。1980 年代に入ると食生活
のサケ・マス生産量は38.5 万トンで, アラ
の高度化・多様化に対応して中高級% 分類
アメリカ合衆国
の 養殖対象種か増加し,その
生産量は 1㎝万
菜全体に対して,生産量て 12%, 生産額て
トンを越え,
1989 年には127 万トンに達して
050/ を 占めている。なお,生産額において
は 1988 年以降,遠洋角業 のそれを上回って
一方,内水面養殖においては,その歴史
いる。 また,沿岸漁業全体に占める海面養
は海面よりも古く,中国からキンキョ か渡
殖の割合をみると,生産量ては38%,
来した比02 年か養殖の始まりて,コイも
1623
額て
年より養殖されたと 言われている
(稲葉
1976) 。 その生産量は196(@年に 1 6万トンて
あ
生産
海面養殖 か極めて重要
な産業として位置つけられていることかわ
かる。
ったものか,養殖技術の進歩,配合飼料
の 普及,稲作転換者の
参入等により増加し,
(2) サケ・マス類の養殖状況
我か国のサケ・マス
類は, 100 年程前から
1970 年には4 8万トン,
ンに達している。養殖の対象種は ウナキ ,
官民の協力の下に サケ を正体にして,人工
ニンマス,コイ, ア 二等の魚類か正体てあ
ふ化放流事業により造成されているか,培
り, 伍類養殖としては長い間,海面より生
養殖の試みは, 1877 年にアメリカのカリフ
産尋か多かったか,l9f61 年に ブ リの生産量
ォ ルニア州から内務省勧農居 によってニ シ
か増加したことにより逆転した。
養殖業の生産量の伸ひは,近年,鈍化し 流したのか始まりと 言われている (大島
てきたものの生産量,生産額ともに緩やか
1983) 。 養殖は1908 年の滋賀県水調によるニ
な増加傾向にあ り, 1989 年には1曲万 トン,
ンマスを含む 6 種のマス類の他中養殖試験
生産額 て 6, 乃 1億円となっている。これは角
か行われたのか最初 て (大島 1983), その
l .i(l(l
度量
海藻類
0
1%0
年
図 2
我か国の養殖生産量の
推移
(農林水産省
檸業養殖業生産統計年報 1970 , 1q80 , 1989)
後 内水面でニジマスを三体 に 養殖が発展し
された。その年の秋に,志津川町漁協と大
た。1989 年の内水面におけるサケ・マス類
手水産会社に
の養殖生産量は19.888
よ
るギンザ ケ の海面養殖が
2,000 尾の幼% を用いて試験的に行われ,翌
トンである。 その大
半はニジマスが 占め (15.596 トリ, 王産地
ケ が生産された。
年の 6 月に2.4 トンのギンザ
の魚体が僅か 7 ヵ月間で1.14kg
は長野,岐阜,岩手県等である。 ニジマス
平均 1OO9
以外にはギンザ ケ ,ヤマメ,アマゴ
, ヒメ
に成長し,生残率も高く,海水馴致もニジ
マス,イワナ
等が4,292 トン生産されており
,
マスょり容易であ ったことから,
ギンザケ がその半数を 占めている。ザケ
ギンザ ケ の海面養殖は生産規模も実施地域
・
マス類の養殖はm 間部や地下水等の冷水を
その後,
も拡大し,その
生産量は年タ 急増している。
利用するため,利用水面,水量で
生産能力
サケ・マス類の宙種別生産量は,水産庁
振興部振興課の調べでは,ギンザ ケ 20,118
が限られている。 そのため内力
く面養殖にお
けるサケ・マス類の生産量は今後とも大き
トン,サクラマス
lfn3 トン,マス
/ スケ32
ト
くは拡大しないと考えられ,限られた生産
ン,ニジマス11 トン及びドナルドソン7
ト
能力の中で魚種の多様化が進むと思われる。
ンの計20,335
海面におけるサケ・マス
類の養殖は,1960
トンとなっている (表 3) 。
海面養殖が産業的規模で成功しているの
年代後半に,ザケ,マス/ スケ,ニジマス,
は,生産量の99% を占めるギンザケ だけで
ラマス等が研究対象として取り上げら
マス類は, まだ,試
供給状況等から ニジ
れ,養殖適性,種苗の
強的な規模で養殖されているに過ぎない。
マスが適当と選定された。 ニジマスの海面
主要な色種の養殖状況は以下のとおりで
養殖は宮城県水試の指導の下に 1971 年から
民間会社と漁業者が提携した形で企業化試
ギンザケ
ギ
験 が行われ,197,.@年 までの間に銀毛化した
生息
大型ニジマスが年間約300 トン生産されたが
,
要 な種卵は一部民間企業や養殖業者で淡水
2nn 海里時代への突入に伴 う 情勢の変化や海
飼育した親 伍からも確保しているが,大半
産ニンマスの魚価安等から 19 円年には中止
は毎年11-12
表3
養殖にノ、
月にアメリカの ワ
マス類の海面養殖生産量は 989 年)
一ン
岩手県
27.000
1,156,927
75,700
44,040
965,250
57,000
25.600
10.500
14,895
鳥取県
@
一 十
。
Ⅰ
1( , 6(lo
1, 四 0, 967
17.658.777
6, 鎗 3
1,026.350
74,800
「
29,500
2,300
14,895
240.000
3,25 じ
240,000
20,118.212
162,833
31,800
11,000
20,335,382
や オレゴン州からの輸入は,0㎝万粒程度 )
ドナルドソン
ドナルドソンはニジマス
に頼っている。ギンザ ケは 1 年間内水面の
の 1 品種であ り, ザケ ・マス類の中でも成
養殖業者に飼育された後,150 一200 区のサ
長が早
く
,
また,海中養殖開始時のサイズ
イズで11 月に海中へ移され,水温が四 C 似
が選定できること,出荷サイズ及び出荷時
-になる翌年の 7 月までの i 年半の間に約
期が調整可能なこと等多くの利占 があ るた
ト
Ⅱ
く
R までに成長する。生産地は,北海道,
め,北海道,青森,宮城,福井県等で
養殖
東北及び北陸地方などであ る。 養殖ギンザ
試験が行われてきた。 この色種は ついても
ケ の用途別流通量をみると生産量の㎝ おな
Ⅳ㎝年度からサクラマスと同様に目の委託
1986 年に生鮮が
事業であ る特定海域養殖業推進調査におい
占める宮城県においては,
95.6%,
冷凍が4.4% であ ったが,19 ㎝年に
は 生鮮が4f.5 兆,冷凍が
20.0%,
塩蔵 が33 ヵ
て,青森県で 1 歳缶と 2 歳% を用い 秋から
,翌年夏まで
養殖試験を実施している。
その他の角種 として,マス/ スケ とべニ
% であ り,生産量の増加とともに 生鮮以外
での用途が増えてきている。
サクラマス
サクラマスは美味なサケ・
ザ ケ の養殖試験が大手水産会社を 中心に行
われている。 また,大西洋サケは,青森県
マス類として商品価値が高いが,漁獲量は
において沖合養殖試験が試みられたが,
減少し,ここ
数年2,000 トン双後となってい
まだに産業化には至っていない。
い
るため,増殖事業においても力が圧がれて
いる白橿であ る。 北海道,岩手,宮城,秋3
. サケ・マス類養殖の問題点と課題
田,新潟,
刮 ll, 福井県等で養殖試験の 実
現在,サケ・マス類養殖における一番大
績 があ るが,成熟期に成長しない等の 生物
きな問題点は,漁獲と養殖を含めたサケ・
的特性や冬期の養殖条件の厳しさ等から産
マス類全体の需給バランスに乱れが生じて
業化には至っていない。1990 年度から国の
いることであ る。 近年,世界的にサケ・マ
委託事業として,養殖業が未発達な 日本海
ス類の漁獲量は増加しているが,養殖生産
全域及び北部太平洋海域において各海域特
量も急増しており, 1990 年の ザケ ・マス類
性に適合した養殖適種を見つけ出し ,その
の海面養殖量はお.
1万トンレルウェー 16.1
養殖可能試験を行うことを目的とする特定
万 トン,フィンランド
1.9 万トン,スウェー
海域養殖業推進調査が,北海道と石川県に
デン1.8 万トン, デンマーク0 . 6万トン, イ
おいてサクラマスを対象として 3 年計画で
ギリス4.4 万トン, カナダ2.4 万トン, アメ
実施されている。北海道では,夏期に低水
リカ 0 . 8万トン, チリ 1.8 万トン, オースト
温の太平洋海域で,冬期に高温維持の 日本
ラリア0 . 6万トン,ニュージーランド0 . 3万
海域で,養殖期間を延ばし, より成長を促
トン, 日本2 目方トン,その他2.3 万トン)
進させる試験を行っている。石川県では淡
に達していると推定される。
水で飼育した 2 歳魚の大型種苗を海水へ移
一方,サケ・マス類の需要はフランスを
行し lkg サイズまで養殖する試験を行って
中心とする ョ一ロッバ,
いる。
量も伸びている。 しかし,供給量が需要量
日本等で高く消費
を上回っているため,生産過剰による産地
営体331 のうち10% は,休業または撤退し,
価格の低下等で, 1990 年に最大の養殖生産
残る経営体も赤字を抱え厳しい状況下に置
国であ る
ツ
ルウェ一のサケ 養殖業者協会
かれている。
(FO ⑧が解散し,大量の 在庫を抱える 等
我が国のサケ・マス類全体の供給状況を
時期別にみると国内生産においては, 3 一 D
の事態が生じている。
我が国においてもサケ・マス類の供給量
月に日本海沿岸や沖合を中心にサクラマス
は増加している。1990 年のサケ・マズ数の
と
供給量は,海面漁獲量23.8 万トン,海面養
カラフトマスが漁獲され, 7 一 8 月に養
殖ギンザ ケ が生産され, 8-9
月にオホー
殖生産量2 フ方トン,輸入量1f3 万トンド
ツク海沿岸でカラフトマスが漁獲され, 9
ち 養殖は2.6 万トン), それに期初在庫を含
月
めた合計の54.8 万トンに達していると推定
獲される。その合間を縫って輸入が行われ,
-12 月に北日本の沿岸でサケが大量に漁
される。一方,需要量は41.5 万トンで期末
まず, 3 月 -4
在庫は13.3 万トンと推定される。 サケ・マ
ギンザケ が輸入され, 8-10
月をピークにチリから養殖
月をピークに
ス類の供給量が過剰傾向になると全体に価
カナダ,アメリカからべニザケ を主体に冷
格の低下をもたらすが,特にその傾向はギ
凍物が大量に輸入される。養殖した大西洋
ンザケ 養殖に大きく現れる。 1991 年のギン
サケや ブラウントラウ
ザ ケ 養殖の生産量は,過去最高値の
2.5 万ト
きる体制にあるため,周年を通じノルウェ
ンに達しており, 王産地であ る宮城県の産
スヴェーデン,ニュージーランドから
ト
はいつでも出荷で
地価格は,468 円 /kg で養殖開始以来の最低
少量づつ輸入されている。このようにサケ・
価格となった (図 3) 。 採算限界と言われて
マス類が切れ 目なく生鮮,冷蔵,冷凍で出
を大きく下回り,養殖経
回っているので,一時期に出荷が集中する
いる6㎝-%0
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産
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図
体制しかとれないギンザ ケ 養殖等は価格維
持が難しい。
な発展を図るためには,世界的な視野から
対象 種毎の需給動向を的確に把握するとと
もに生産コストの低減を図ることは無論の
こと,量産に走らず品質の改善やブランド
化に重点をおいた余裕のあ る計画的な生産
体制を如何に確立するかが今後の重要な課
.
用
1989.@ FAO@
文
yearbook@
.
FAO@
閣, p. 5,
Jolley,D.P.1988.
ジェトロ国際プオーラ
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(サケ・マス)基調報告ノルウェⅠ
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. 1991.@AquacMture@production@(1986
-1989)
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献
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題となっている。
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このようにサケ・マス類養殖業の安定的
引
(サケ・マス)基調報告カナダ,
.
No
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Hunter, M. 1988. ンェ トロ国際フ オーラム
Valenzuela, A. L. 1988. ジェトロ国際フォ
一 ラム(サケ・マス)基調報告チリ,日本
水産物輸入協会,PP. I-
10.