平成21年6月定例会 総務文教委員会 7月2日

平 成 21 年 6 月 定 例 会 総 務 文 教 委 員 会 07 月 02 日 ―01号
佐藤浩雄議員
◆ 佐 藤 浩 雄 委 員 先 ほ ども 、 直 轄 事 業 負 担 金 の 問 題 が 出 て い た の で す が 、 知 事 の 考 え 方 は 本 会
議 で何 回 か聞 きまして大 体 分 かりますが、地 方 分 権 改 革 を推 進 していく一 つの手 法 というか、象
徴 的 な一 つ の事 例 とい えばそういうことになると理 解 もするし、逆 に言 えば、大 阪 府 知 事 やほ かの
知 事 な ど と 連 携 をし て 、 闘 う 知 事 と いう イメ ー ジを 作 る 、 大 事 な 一 つ の 考 え な の かと い う 感 じが しま
す。したがって、この直 轄 事 業 負 担 金 問 題 は、しっかりとやっていかなければいけないことだと思 い
ます。そうだとすれば、県 の事 業 に対 する市 町 村 負 担 金 の問 題 も、やはりすっきりとさせた方 がよ
いのではないかと。答 弁 を頂 きましたけれども、どうも歯 切 れが悪 く、これからのいろいろな変 化 に
応 じ て 見 直 す と いう よ う な 話 で は い けな い の で は な いか と 。 国 に 直 轄 事 業 負 担 金 の 廃 止 を 求 め て
いくのであれば、同 じようにきちんと廃 止 をするということを明 確 に打 ち出 すべきではないかと思 う
のですが、これについて、皆 さんの中 での議 論 はどうなっているのでしょうか。
総括政策監
◎ 総 括 政 策 監 市 町 村 負 担 金 の 件 でござい ますけれど も、知 事 も 所 信 から始 まりまして、本 会 議 で
の御 質 問 も含 めて答 えさせていただいております。国 の補 助 事 業 における経 費 基 準 に照 らして、
事 業 に直 接 関 係 して地 域 に受 益 のある経 費 として、市 町 村 から負 担 を頂 いているということで、
法 的 根 拠 に 基 づ いて や っ て おり ま す 。 ま た 、 負 担 金 を 求 め る に 当 た っ て は 、 市 町 村 に 御 意 見 を頂
き、そして、県 議 会 にもお諮 りしながら決 まっていくという手 続 きをきちんとして、また、その中 身 も、
知 事 が答 弁 で申 し上 げているとおり、市 町 村 の求 めに応 じて、より一 層 内 容 の開 示 をしてまいり
た い と いう こ と で ご ざ い ま す 。 そ う し た 中 で 、 す で に 見 直 し の タ イ ミ ン グ と い う こ と を お答 え し て い る わ
けですけれども、この補 助 事 業 のありようと、あるいは直 轄 事 業 負 担 金 の問 題 は全 国 知 事 会 等
も含 めていろいろと運 動 をさせていただいておりますけれども、その中 で一 体 として見 直 しをしてい
き た い と 。 昨 日 の 連 合 委 員 会 の 中 で も 、 「 す っ き り と 」 と いう お 話 も ご ざ いま し た け れ ど も 、 や は り 行
財 政 制 度 といいますか、国 の制 度 と一 体 となって動 いているところもございますので、繰 り返 しに
なりますけれども、直 轄 事 業 負 担 金 の見 直 し、あるいは補 助 事 業 の見 直 しに応 じてやっていくも
のと思 っております。
佐藤浩雄議員
◆ 佐 藤 浩 雄 委 員 国 の 直 轄 事 業 負 担 金 は 地 方 財 政 法 第 12 条 、あるいは第 17 条 の2とか、法 的
根 拠 がき ち んとあって やってい る という ことは もちろんで すが、 法 的 根 拠 を 前 提 にして議 論 をして い
る わ けで は な い です よ ね 。 今 の 直 轄 事 業 負 担 金 問 題 は 、ま さ に 自 治 ・ 分 権 を 確 立 し て い か な けれ
ばならないということで、これをやめるべきだということで、逆 に地 方 財 政 法 第 1 7 条 の2の第 3項 を
使 って廃 止 を求 めて意 見 書 を出 し ているわけです。同 じように、この市 町 村 負 担 金 に対 しても、補
助 事 業 やいろいろなことで現 制 度 があるということは分 かりますけれども、この自 治 ・分 権 を確 立
して、特 に、広 域 的 な県 は道 州 制 の中 でいえば、本 来 は連 邦 国 家 だと思 うのです。だから、道 州
制 の中 ではステイツとして、県 は独 立 していく立 場 だと思 います。そのような考 えからして、きちん
とした基 礎 自 治 体 にすべての権 限 を与 えるということからしても、やはりまず、廃 止 するということ
を明 確 に出 すべきだと思 うのです。方 針 としては、廃 止 だと、やめるのだと、国 の直 轄 事 業 負 担 金
と同 じように、これもやめますということをはっきりと打 ち出 して、そのうえで、国 に対 して自 治 ・ 分 権
を求 めて、まさにこの象 徴 的 な直 轄 事 業 負 担 金 も廃 止 した方 が、よほどすっきりとして闘 いを進 め
られると思 います。その点 、内 の ことになると煮 え切 らな いというような態 度 は、どうもよろしくないと。
私 は、内 外 ともに、すっきりとした形 で、これからの自 治 ・分 権 、それから我 々のことは自 己 決 定 、
自 己 責 任 で す る の だと い う こ とを 、 はっ きり と 全 県 民 に 打 ち 出 し た 方 が 、あ る い は 全 国 民 に 打 ち 出
した方 が、知 事 の姿 勢 としても鮮 明 になるし、わが県 の姿 勢 としても鮮 明 になるし、県 民 も納 得 す
ると思 うのですが、その点 はどうですか。
総括政策監
◎ 総 括 政 策 監 な かな か 煮 え 切 ら な い 話 をさ せて い た だ く わ け です け れ ど も 、 直 轄 事 業 負 担 金 の 対
応 については、こういう提 言 をさせていただいております。地 方 に利 益 のあるインフラは地 方 自 治
の原 則 で、 まさにやるべきだと。そ して、直 轄 事 業 負 担 金 について ですけれど も、例 えば 高 速 道 路
や新 幹 線 は地 域 間 ごとに非 常 に受 益 が異 なります。そのようなこともあるので、国 の負 担 の中 で
やってくださいというような大 方 針 があるわけです。ただ、当 面 の対 応 としましては、負 担 金 という
制 度 がご ざ いま すの で 、 地 域 の 利 益 に 見 合 っ た 配 分 や、 ある いは 利 用 機 会 の 確 保 、あ る いは 、 こ
ちらから意 見 を申 し 上 げるような場 を設 定 し てくださいと いうような、少 し 長 期 的 な視 点 も含 めた対
応 を して い るわ け でご ざ いま す 。で すか ら、 そう いっ た 意 味 では 、 最 終 的 に は 委 員 が 御 指 摘 の 形 も
あるのかと思 いますけ れども、市 町 村 の 負 担 金 につい ても、同 様 に首 長 、あ るいは市 町 村 の御 担
当 の方 との意 見 をすり合 わせる中 で、知 事 も所 信 の中 でも御 説 明 しておりますが、退 職 金 とか、
庁 舎 の整 備 費 というものは、市 町 村 にお願 いしている経 費 の中 には入 っていないと思 っておりま
す け れ ども 、 そ の よ う な 経 費 に つ い て は き ち ん と 御 説 明 を し て 、 あ る 意 味 で は 、 県 と 市 町 村 が 一 緒
になっ て 、 こ こ まで 言 うと 口 幅 っ た い 言 い 方 に な るの かも し れま せ ん け れ ども 、 一 緒 にな って 事 業 を
進 めていくというところを、当 面 の 対 応 としていくのかなと思 っております。
佐藤浩雄議員
◆ 佐 藤 浩 雄 委 員 私 は 、権 限 と財 源 を明 確 にすれば、そのような意 味 での心 配 はないと思 います。
本 質 的 な 意 味 で 言 え ば 、 今 の よ う に 、 何 で も か でも 財 源 を 全 部 国 が 握 っ て い て 、 そ こ か ら ば らま き
のように落 としてくるやり方 をしているから、このような問 題 が発 生 しているのです。だから極 端 に
言 えば、私 は、すべての税 を地 方 税 にするべきだと。そのうえで、外 交 や防 衛 な どや、日 本 全 体 を
横 断 す る よ うな イン フラ 整 備 を する 分 につ い て は 逆 交 付 し ても い い と。 まずは 、 地 方 自 治 体 に すべ
て の 権 限 が あ る の だ と 。 そ の よ う な こ と か ら 発 想 し な け れ ば 、 何 の た め に 地 方 税 が あ る の か 分 から
ないじゃないですか。国 税 で国 の分 はやればいいのであるし、県 税 で県 の分 をやればいいのであ
るし、市 町 村 税 は市 町 村 で役 割 分 担 があるわけですから、そのような面 からすれば、逆 にこれか
ら地 方 分 権 の 改 革 を す れば 、す べ ての 税 を 地 方 税 に 、 少 なく ともド イ ツの ように 共 同 税 にす るべき
ですよ。それは、地 方 分 権 改 革 推 進 委 員 会 の中 でも具 体 的 に提 案 されているではないですか。
そのような展 望 があるのであれば、この直 轄 事 業 負 担 金 の問 題 も、地 方 自 治 体 がきちんと判 断
して実 行 して、そしてその税 もきちんと頂 くという格 好 に、県 の方 針 としてすっきりとするべきだと。
私 は、 今 す ぐこ うだ と い うこ とを 言 っ てい る ので はな くて 、 こ の 際 そう い う方 針 を 明 確 に して や った 方
が 、 市 町 村 の 人 た ち も 何 倍 も 頑 張 る だ ろ う し 、 地 域 の コ ミ ュ ニ テ ィ づ く りに も 大 き な 影 響 を 与 え て い
くと思 うのです。そういう点 で、ここまで知 事 が国 にかみついているのだから、闘 う知 事 として全 国
放 送 のテレビに出 るなり、素 晴 らしい評 価 をされているのだから、それにふさわしい体 制 を作 って
やったらどうですか。
総括政策監
◎ 総 括 政 策 監 直 轄 事 業 負 担 金 の こ と か ら 始 ま り ま し た 今 の 件 で ご ざ いま す け れ ど も 、 申 し 上 げ た
いことは、基 本 は委 員 の御 指 摘 のとおりだと思 います。やはり役 割 分 担 をきちんとして、それに見
合 っ た 税 財 源 が 移 譲 さ れる 。 こ れ が 基 本 中 の 基 本 だ と 思 いま す 。で すか ら、 そ う いっ た 意 味 では 、
先 ほ どから 申 し 上 げて いる全 体 の 中 での 議 論 と一 体 でな ければ いけないと 思 っ ております。では、
今 の段 階 で、具 体 的 な行 程 を市 町 村 といいますか、その前 に県 議 会 の皆 さんということになるの
でしょうけれ ども、お 示 し していける のかというと 、まだもう少 し見 極 めなければなら ないという 気 もし
ております。いずれにしても、財 政 をあずかるセクション、 あるいは直 接 公 共 事 業 を担 当 す るセクシ
ョンとどのように進 めていくかは、当 面 の対 応 も含 めて議 論 をしていかなければいけないと思 って
おります。
佐藤浩雄議員
◆ 佐 藤 浩 雄 委 員 ぜひ 将 来 展 望 を、9月 定 例 会 あたりまでに示 してください。期 待 しています。やは
り、その辺 はすっきりとしたほうがいいです。ぜひお願 い します。
それから、もう一 つは、先 ほども市 川 委 員 から話 があったのですが、基 金 事 業 の取 り扱 いの問
題 です。実 は、私 も連 合 委 員 会 で 何 回 も言 っているのですが、果 た して今 回 の 46 の基 金 は財 政
政 策 として 、本 来 的 に 許 されるのかどうかと。今 回 は 補 正 予 算 で、 少 なくとも緊 急 対 策 なわ けです。
3年 後 、4 年 後 の 財 政 を 縛 っ て いく ような や り方 は 、 本 来 は 、も し やると すれ ば、 当 初 予 算 で やって
いくということが基 本 的 な考 え方 だと思 うのです。それほど緊 急 時 なのだと言 えば、そうなのかもし
れま せ ん 。 し かし 、 実 際 に 、 こ れ を3 年 後 に 実 行 し て 効 果 が あ るの か ど うか と い う こ と 。 財 政 政 策 で
大 きな効 果 がない一 つの理 由 は、タイムラグの問 題 ですよね。予 算 を作 ってから実 行 までに半 年
も1年 もか かってしまう。それ 自 体 が大 きな 問 題 だと いう のに、3年 後 までやる なんて。 実 際 に 事 業
を担 当 した人 は、どうやればいいのか分 からないと言 っているのです。そうすると、国 は水 膨 れ的
に 15 兆 円 とか何 とかと言 っているけれども、こんなものは、何 も実 効 性 がなくて、ただ国 民 に見 せ
ているだけではないですか。基 本 的 に、そういうだましのようなやり方 は、財 政 政 策 としてやるべき
ではないです。そんなものは効 かないに決 まっているではないですか。緊 急 対 策 は、今 、困 ってい
る人 を 助 け なけれ ばい けな いので す。 こういう ことが 財 政 対 策 の 中 に 入 って くる こ と自 体 が 、 めちゃ
くちゃなのです。私 はその点 、本 当 に唯 々諾 々として、地 方 がそのようなことを認 めているというこ
と 自 体 が お か し い と 思 う ので す 。 む しろ 政 府 は し っ かり しろ と 。 こ ん な 緊 急 対 策 が あ る か と 、 私 は 言
いたいので す。本 当 に 、経 済 対 策 としては用 を成 さない補 正 予 算 で すよ。そこの ところをはっきりと
明 確 にするべきだと、私 は知 事 に何 回 も言 ったつもりなのですけれども、その点 について態 度 がは
っきり と し な い と い う 感 じ が す るの で す 。 財 政 と い う より も 全 体 の 政 策 の 問 題 だ と 思 うの で 、 総 括 政
策 監 に聞 くのですけれども、その点 はどうですか。
総括政策監
◎ 総 括 政 策 監 基 金 事 業 の御 質 問 でございますけれども、知 事 も本 会 議 で、今 回 の政 府 の経 済
対 策 について答 弁 させていただいております。一 つとしては、今 、本 県 も含 めて、雇 用 関 係 の状
況 が 非 常 に 厳 し く な っ て き て おり ま す 。 為 替 対 策 と か 、 有 効 需 要 の 創 出 を 、 も っ と 早 く 、 大 き く や っ
てほしいという意 味 では、さらに政 府 に要 望 しなければいけない部 分 があるのかもしれません。た
だ 、 そ う 言 い な が ら も 、 これ ま で に は な い 最 大 規 模 の 補 正 予 算 を 打 ち 出 し て い る と いう こ と も 、 ま た
事 実 かと思 いますし、知 事 も評 価 を申 し上 げたところです。そうした中 で、基 金 事 業 は使 いがって
の問 題 もありますし、あるいは各 省 庁 の縄 張 りなどという論 評 を知 事 がされたと思 いますけれども、
そのような面 も見 えるのかもしれません。ただ、私 どもからすれば、公 共 事 業 関 係 も含 めて、4兆
円 を超 えるような財 源 を見 せていただいているということも事 実 でございます。ですから、先 ほど市
川 委 員 からの御 質 問 でもありましたように、使 い方 は完 全 にフリーではないのですけれども、いろ
いろな情 報 を積 極 的 に取 りながら、あるいは部 局 横 断 の中 で、できるだけその財 源 を活 用 して、
本 県 の 経 済 の 活 性 化 に つ な が る よ うな 形 に 持 っ て い く と 。 そ し て 、 3 年 、 5 年 と 、 先 ほ ど 申 し 上 げ ま
したけれども、これも均 等 でやるという縛 りはないと思 いますので、できるだけ前 倒 しでやっていけ
るように、これは地 方 と して頑 張 っていかなければいけないと思 っております。
佐藤浩雄議員
◆ 佐 藤 浩 雄 委 員 本 当 に最 初 からタイムラグを実 行 しているような補 正 予 算 です。そのうえ、一 方
では消 費 税 率 12 パーセントの増 税 議 論 をしているわけです。膨 大 な累 積 赤 字 を持 っていて、さら
に 2008 年 度 の税 収 は 10 兆 円 減 ったでしょう。7年 ぶりの歳 入 欠 陥 が生 まれているわけです。そ
う い う と こ ろ に 赤 字 国 債 を 発 行 し て 、 そ し て 一 方 で は 増 税 議 論 を し て い る の で す 。 め ちゃ く ち ゃ だ か
ら 国 民 が 信 頼 で き る わ けは な い で し ょ う 。 景 気 が 回 復 し な いよ う に や っ て い る の で は な いか と 。 そ う
い う 意 味 か ら す れ ば 、 本 当 に 政 府 の 体 を 成 し て いな い 財 政 政 策 に 振 り 回 さ れ て いる 感 じ な の で す 。
これで効 果 を上 げろと。皆 さん方 が本 当 に気 の毒 です。本 当 に、県 や市 町 村 はお 気 の毒 としか言
いようがないくらいのダメージを与 えられながら仕 事 をせざるをえないということだと思 うのです。本
当 に政 策 的 な統 制 を執 る方 針 もなくなってきてしまっている。その象 徴 が、いわゆる「骨 太 の方
針 」 が あ の と おり の で た ら め な 中 身 に な っ て い る わ け で し ょ う 。 だ か ら 、 こ の 状 況 は 、 本 当 に 政 府 の
体 を成 していないのです。だから、逆 に言 うと、私 たち地 方 は、本 当 に、真 剣 に頑 張 らなければい
けないと思 うのです。私 から見 ると、大 変 な危 機 です。政 府 は、もう方 針 は出 せない。それほどの
危 機 に なっ て いる の で す 。や はり 、 こう い う 時 に しっ かり とし た 方 針 を 出 して 、 先 ほ ど の 直 轄 事 業 負
担 金 の 問 題 も そ う で す け れ ど も 、 そ う い う こ とに 一 つ 一 つし っ かり と 取 り 組 ん で い か な け れ ば い け な
い状 況 だと思 うのです。そういう面 で、今 回 の補 正 予 算 の中 身 についても、私 は今 からしっかりと
総 括 する必 要 があると思 うのです。特 に今 回 、本 県 で新 しく創 設 された基 金 は八 つですか。そう
いうものを一 つ一 つ今 から点 検 していただきたいと思 うのです。これからの財 政 政 策 はどうあるべ
き かと いう こ とにかか わ ると 思 う の で、 最 初 か ら 総 括 を す ると いう こと を お 願 いし ておき た い と思 う の
です け れ ど も、 どう です か。あ る い は、 費 用 対 効 果 のよ う なこ とを やる のであ れば 、 この 補 正 予 算 も
評 価 の対 象 として考 えたらどうですか。
知事政策局長
◎ 知 事 政 策 局 長 今 年 度 当 初 予 算 のときから、 佐 藤 浩 雄 委 員 とはいろいろと議 論 をさせていただ
いた と 記 憶 しておりま す 。 佐 藤 浩 雄 委 員 も 、GD Pギャッ プが 相 当 ある と いう ことは 、 知 事 と 御 認 識
は共 通 だと思 っていますし、私 どもとも共 通 だと思 っています。そのGDPギャップを埋 めるときに、
民 が逆 資 産 効 果 というような形 で売 れないという中 で、官 が財 政 出 動 せざるをえないということで、
今 回 、 政 府 で これ だ け の 規 模 の も の を 見 せ て いた だ いて いる と いう こ と で 、 知 事 も 、 一 定 の 評 価 を
させて いた だい ており ま す。 た だ、 その 執 行 の とき に 、 使 いがっ ての 部 分 であ る とか、 確 か に 知 事 も
答 弁 して おりますし、私 どもも 使 いがってがよ りよければ という 感 じ はいたしま す。ただ、見 せていた
だいた緊 急 経 済 対 策 を、どうやって新 潟 県 のために、県 民 のために、できるだけ有 効 な形 にして
い くの かと い うこ とで 、6 月 補 正 予 算 では 足 り ない のか も しれな い け れ ども 、 十 分 に 議 論 さ せて い た
だい たと ころ であります。 また、 同 じ よ うな観 点 で 、9月 補 正 予 算 に 向 か って、 今 の 経 済 対 策 を きち
んと議 論 させていただきたいと思 っています。昨 日 、6月 の日 本 銀 行 の企 業 短 期 経 済 観 測 調 査
が発 表 され て、 連 続 悪 化 が 収 まっ たみ た いな 形 で す けれ ども 、 有 効 求 人 倍 率 は依 然 とし て厳 し い
状 況 なので、引 き続 き、切 れ目 のない対 策 をやっていく必 要 があると考 えております。
佐藤浩雄議員
◆ 佐 藤 浩 雄 委 員 私 は、有 効 需 要 の創 出 そのものを否 定 しているわけではありません。しかも今
回 の政 策 の中 に、将 来 的 な産 業 育 成 やそのようなことにつながるプランが入 っているわけですか
ら、全 部 を否 定 するわけではないのです。問 題 は、財 政 政 策 として、タイムラグが明 確 に出 てくる
ようなことを平 気 でやっている。あるいは、膨 大 な借 金 があって、そのうえで消 費 を抑 制 していくよ
うな議 論 を平 気 でやって、そしてそれを同 時 並 行 的 にするというめちゃくちゃなやり方 をしている。
そ の よう な 一 貫 し た 方 針 で はな い こ とを 、 財 政 政 策 と し てや る べき では な い こ とを 幾 つ も やっ て い る 。
そういうことを、問 題 として残 していくために、今 からはっきりとしておくべきだということを問 題 提 起
しているのです。今 の局 長 の有 効 需 要 を作 っていきたい、努 力 をしていきたいということを否 定 し
ているわけではありませんので、御 理 解 いた だきたいと思 います。
最 後 に し ますが 、 今 回 の 補 正 予 算 に、 国 際 課 から 北 東 ア ジア ビ ジネス 推 進 戦 略 事 業 と いうも の
が出 ていますが、ちょうど日 本 海 横 断 フェリー航 路 も始 ま りましたし、中 国 総 領 事 館 も設 置 が決 ま
ったと。わが県 の北 東 アジアに対 するゲートウエイの地 位 を、確 実 にしていかなければならないと
思 うのです。これからシベリア鉄 道 の改 革 も 50 兆 円 くらいかけるのですか。今 度 は、ヨーロッパに
3分 の1の時 間 で行 けるそうですから、そういう面 で、わが県 の港 も空 港 も、それから鉄 道 も対 岸
をにらんで、どの ような 対 応 をする べきかと いうこと を 、 今 からしっかり と位 置 づ け なけれ ばい けな い
と思 うのです。これに合 わせて、私 は以 前 から問 題 提 起 していますが、新 潟 空 港 の滑 走 路 の
3,000 メートル化 とか新 幹 線 の 空 港 乗 り入 れとかという戦 略 的 な、北 東 アジアをにらんで、わが県
が浮 上 していくために必 要 なインフラ整 備 もきちんと位 置 づけてやる時 期 に来 ていると。しかも図
們 江 開 発 を 見 ても、わずか 30 キ ロメートルで中 国 に行 く わけです。この前 、黒 龍 江 省 に行 っ て、
黒 龍 江 省 の 人 た ち と も シ ベリ ア 鉄 道 に つ い て の 議 論 を し て き ま し た 。 そ う いっ た 面 で 、 非 常 に 重 要
な部 分 だと思 いますので、そのようなことをきちんと位 置 づけていただきたいということが一 つ。
もう一 つは、新 発 田 市 の業 者 もロシアへ行 っていますが、ロシアの南 空 港 か何 かがつぶれまし
たね。大 損 害 を受 けているのです。この空 港 に行 けなくて、一 日 中 、自 動 車 に乗 って工 場 のある
所 まで 行 か なければ い けないと 。 向 こうの 情 報 を 的 確 に 取 ってい くと いう意 味 で も、やはりロ シアや
中 国 の 沿 岸 と いうか 、 北 東 ア ジア の 自 治 体 ど うしの 定 期 的 な 会 議 や その ような こ とをやっ て い く 必
要 が あ る の で はな い か と 。 昔 、 日 本 海 沿 岸 の 市 町 村 の 人 た ち が 集 まっ た 会 議 があ っ た と 思 う の で
す。財 団 法 人 環 日 本 海 経 済 研 究 所 (ERINA)の会 議 が7月 にあるようですが、本 当 は私 も行 き
た か っ た の で す 。 いろ いろ な 政 治 情 勢 で 行 け な い の で す け れ ど も 、 そ う いっ た 点 な ど も し っ か り と 位
置 づけて、 市 町 村 会 議 というか、自 治 体 会 議 のようなものを新 潟 県 が積 極 的 に作 っていく必 要 が
あるのではないかと。特 に、道 州 制 が入 ってくれば、当 然 、自 治 体 自 身 が連 邦 国 家 として、ヨーロ
ッパの自 治 憲 章 を見 ても分 かるとおり、私 たちが外 交 権 を持 つべきだと思 います。今 から、外 交
権 まで展 望 した議 論 をしていく必 要 があるのではないかと。その具 体 的 な例 が、そういう自 治 体
間 の会 議 、外 交 交 渉 といったようなことをやる必 要 が、今 の時 点 で出 てきているのではないかと
思 いますので、その点 について、どのようなお考 えか、お聞 きしたいと思 います。
国際課長
◎ 国 際 課 長 まず1点 めの、6月 補 正 予 算 で要 望 いたしました北 東 ア ジアビジネス推 進 戦 略 事 業 に
関 連 して、 北 東 アジア 戦 略 をどの ように進 めていくかということですが、まず、北 東 アジアの 表 玄 関
化 を目 指 した空 港 であるとか航 路 の整 備 等 については、交 通 政 策 局 の方 で担 当 しているもので
ございますが、政 策 プラン等 にも位 置 づけて 、そういった整 備 につい ても進 めていると考 え ておりま
す。
2 点 め の 北 東 ア ジ ア の 各 自 治 体 が 集 ま る 会 議 に つ い て と い う こ と でご ざ い ま す け れ ど も 、 委 員 の
御 指 摘 のとおり、ERINAにおきましては、古 くからこの地 域 の経 済 の発 展 のためにという会 議 を
毎 年 開 催 し て い ると こ ろ であり ま す 。 こ の 中 で は 、 イ ンフ ラ 整 備 や ビ ジネ ス 、 それ か ら 人 の 交 流 、 観
光 といったことまでを含 めていろいろな議 論 がされているところでございます。また、私 ども新 潟 県
におきましては、東 北 3省 、黒 龍 江 省 とは 25 年 の交 流 の歴 史 があるわけでございますが、他 の吉
林 省 、遼 寧 省 、それから最 近 の日 本 海 横 断 フェリー航 路 をきっかけとしまして延 辺 朝 鮮 族 自 治
州 とも 、 昨 年 あ たりか らお 互 い に 訪 問 し たり 、 それ から 、 ロ シア の ハ バロ フス ク 、 沿 海 地 方 と の 間 で
もそれぞれに、二 地 域 間 での会 議 は毎 年 定 期 的 に、また随 時 行 っているところでございます。こ
れらの地 域 全 体 の自 治 体 が参 加 するという会 議 につきましても、北 東 アジア地 域 自 治 体 連 合 と
いうものが ございまし て、韓 国 に 事 務 局 があるのですけ れども、 平 成 8年 に 設 立 されて 以 来 、 本 県
からも出 席 していろいろと議 論 を重 ねているところでございます。
佐藤浩雄議員
◆ 佐 藤 浩 雄 委 員 中 国 総 領 事 館 が設 置 され るというのは、ロシア、 中 国 、 韓 国 という近 隣 の、北 東
アジアの主 要 な外 交 機 能 がわが県 に集 まったと。冷 戦 時 代 には自 治 体 外 交 は非 常 に重 要 な意
味 を持 っていました。国 家 自 身 が対 立 していた中 での自 治 体 外 交 は、非 常 に有 効 化 したと思 い
ます。最 も象 徴 的 なものは、新 潟 市 が、たしかハバロフスク空 港 の管 制 塔 に保 証 しました。そうい
う 経 済 的 に 事 実 上 の 外 交 権 を 持 っ た 行 動 を や っ て き て いる わ けで す 。 そ う いう 歴 史 的 な 経 過 か ら
すれば、わが県 のゲートウエイとしての役 割 は 、非 常 に強 い歴 史 的 な ものに支 え られている と思 い
ま す。 そし て 、 今 回 、 そう いう 形 で 補 強 さ れ たと すれば 、や はりき ちん と 将 来 を 見 据 えて、 ヨー ロ ッ パ
の自 治 憲 章 みたいに、自 治 体 外 交 権 を確 立 して展 望 していったほうがいい。その具 体 的 な例 が
すでにあるとすれば、その会 議 をもっと内 容 的 にも充 実 してやっていくべきだろうと。私 は以 前 、こ
の総 務 文 教 委 員 会 でも話 したことがあるかもしれませんが、私 の大 学 の同 級 生 が内 モンゴルに
いるのです。新 潟 県 で地 震 が起 きたらすぐにメールを送 ってきて、大 丈 夫 ですかと。それから、仲
間 の皆 さんは大 丈 夫 だろうかと言 って、日 本 語 を教 えてもらった私 の地 域 の仲 間 の人 たちの安
否 を気 遣 ってくれたのです。自 治 体 外 交 をやった場 合 に、そういう親 密 な家 族 的 な関 係 も含 めて
作 り上 げることができれば、紛 争 は起 きないと思 います。だから、経 済 的 な、文 化 的 な交 流 をしっ
かりとやっていけば、私 たちがこの北 東 アジアを繁 栄 の地 域 として発 展 させられる。新 潟 県 は、そ
の リ ー ダ ー に な っ て い か な け れ ば い け な い と 思 う ので す 。 そ う いう 位 置 づ け が 、 今 回 の こ う い う 機 能
強 化 に よ っ て や れ る と ころ に ま で き た と 。 し た が っ て 、 そ う い う ビ ジ ョ ン を わ が 県 自 身 が 持 つ べ き と き
に来 たのではないですか。ぜひ、そういう検 討 を始 めていただきたいと思 うのですが、どうでしょう
か。
知事政策局長
◎ 知 事 政 策 局 長 若 干 、補 足 をさせていただきます。 佐 藤 浩 雄 委 員 とは、この総 務 文 教 委 員 会 で
自 治 体 外 交 について何 回 もやり取 りをさせていただいておりますけれども、私 どもは、自 治 体 外
交 というような旗 をどうこうと言 うのではなく、黒 龍 江 省 とも二 十 何 年 もおつきあいをさせていただ
いて、その結 果 として、この太 いパイプがあるわけでございますので、そうした積 み重 ねを、日 々重
ねていくこと によって、委 員 のおっ しゃるような形 が 十 分 に 実 現 できて いると 思 っ ていると ころでござ
います。
そ れ か ら 、 ビ ジ ョ ン の 関 係 で す け れ ど も 、 私 ど も は 、 先 ほ ど か ら 議 論 に な っ て いま す 政 策 プラ ン の
中 で、北 東 アジア交 流 圏 の表 玄 関 化 という形 で、中 国 、ロシアとの交 流 をこの間 ずっと深 めてき
ているところでございます。やっと中 国 東 北 部 とロシアとの関 係 に発 展 が出 てきて、より経 済 的 に
も、お互 いにウィン・ウィンの関 係 になるような形 で進 めていきたいと思 っていますし、交 通 インフラ
についても、北 東 アジアの表 玄 関 化 を目 指 す形 で、より一 層 充 実 してまいりたいと考 えておりま
す。
佐藤浩雄議員
◆ 佐 藤 浩 雄 委 員 私 は、今 までの努 力 は、本 当 にそれはそのとおりで、黒 龍 江 省 との関 係 も民 間
の亀 田 郷 土 地 改 良 区 のものからじみちに積 み重 ねてきて、ある意 味 ではいちばん素 晴 らしい典
型 的 な例 として皆 さんが自 信 を持 って示 されるのはよく分 かります。しかし、今 、いよいよすべての
領 事 館 が で きて 、 そ し て 日 本 海 横 断 フ ェリ ー 航 路 も で き て 、 い よ い よ こ の 地 域 、 昔 は 裏 日 本 な ど と
言 っ て い た 言 葉 が 今 は な くな っ た よ うに 、 私 は 、 環 日 本 海 人 と し て 、 一 緒 に こ の 北 東 ア ジ ア 全 体 を
ど う 繁 栄 さ せ て い く の か と いう こと を 考 え る と き に 来 た の だ と 思 う の で す 。 も う 一 つ 大 き く 目 を 見 開 く
時 代 が来 たと思 うのです。そういう意 味 で、新 潟 県 は、その中 でのリーダーをやるべきときに来 た
と 。 今 まで の 努 力 を 土 台 に して 、 そ こ に 新 し く 自 治 体 外 交 権 を 確 立 して 、 そ う い う 将 来 展 望 を 描 い
て 、 そ し て ロ シ ア 、 朝 鮮 半 島 、 中 国 な どと 共 同 で 繁 栄 す る 北 東 ア ジ ア 経 済 圏 を 作 り 上 げ て い く よ う
な壮 大 な構 想 を描 くときに来 たと思 うのです。私 は、今 までのことを否 定 するわけではないのだけ
れども、もう一 歩 目 を見 開 いて、大 きな飛 躍 をさせるときが来 たという感 じがします。例 えばヨーロ
ッパの自 治 憲 章 のように、それぞれの主 体 を大 事 にしながらきちんとした交 渉 ができるように整 え
る 時 期 が 来 た と 思 いま すの で 、 そう いう 芽 を 大 事 にし て い た だき た い と いう 意 味 で、 今 回 の 中 国 総
領 事 館 の設 置 ということを大 事 にして発 展 していただきたいということなのです。土 台 の上 に大 き
な構 想 を描 くときに来 た と思 いますが、その点 についてどうでしょうか。
知事政策局長
◎ 知 事 政 策 局 長 私 が話 していることと、委 員 が話 していることはそれほど変 わらないと思 っている
のですけれども、県 内 に総 領 事 館 がこれで三 つ、名 誉 領 事 館 を入 れると四 つになります。まさに
県 だけではなく、この地 域 の窓 口 となっているわけでございますので、そういった意 味 で、環 日 本
海 交 流 、 北 東 ア ジ ア 交 流 の リ ー ダ ー と し て いろ いろ な 局 面 で 、 実 質 が あ る よ う な 形 で 努 力 を し て ま
いりたいと思 っております。
佐藤浩雄議員
泉田県知事
佐藤浩雄議員
泉田県知事
佐藤浩雄議員
泉田県知事
佐藤浩雄議員
泉田県知事
佐藤浩雄議員
泉田県知事
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