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ルピナス通信5

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ルピナス通信
( Vol.5
〒174-0076 東京都板橋区上板橋 2-3-5 メゾンみや 1 階
TEL:03-3935-5050 FAX:03-3935-5058
2014 年 3 月号)
事業所番号:1362190207
2014 年 2 月 13 日(木)18:30~20:00 に「第 7 回
地域ケアをかんがえる会」を開催しました。今回
は症例検討と事例共有の 2 本立てです。症例検討では、在宅での終末期の事例 2 症例を取り上げ、事例共有
では「鍼灸
健美・大山」の草間健二院長より「在宅鍼灸」についてお話を頂きました。
(1) 症例1 利用者の負担軽減のため、変化を見越した計画策定をする。
■基本情報:【性別等】70代前半、女性、【疾患】子宮体癌末期、【生活】独居【サービス】訪問介護、福祉
用具貸与(ベッド)【その他】寝たきり度 C1
■訪問看護導入に至る背景
やり残した事があるので、どうしても自宅に帰りたいという本人の希望を汲み、訪問診療および訪問介護(3
回/日)を併用しながら在宅復帰
■介入時の状況
子宮体癌 StⅢにて手術。化学療法施行。その後麻痺性イレウスとなり絶食・補液管理。退院時は、M-T 挿入。
少量の飲水は可能だが食事摂取困難なため CV ポートより高カロリー輸液施行。退院後には、皮下注でサン
ドスタチン。疼痛コントロールは、フェントステープ貼付。ADL:数歩であれば歩行可能。その他はほぼ自
力で施行可
項目
■介入後の経過
退院時は、ADL も自立しており、入浴も自立
難となり、嘔気も増強していきました。ADL の
病状の経過
していましたが、2 週間目から起き上がりが困
備が出来るのか、②どのように利用者の QOL を
実施内容
めていくためにどのような支援が出来るのか、
退院後2週間
ADL
・入浴、室内歩行可能
・ベッド上で経過
・眩暈、全身浮腫、嘔気
・ベッド上で経過
・吐気、嘔吐
疼痛
・疼痛弱、頻度少
・疼痛増強
・疼痛増強
退院後3週間
・シリンジポンプアラーム
頻回に鳴り、ストレスあり
精神的
低下も早い中、①変化を見越してどのような準
保持するのか、③また、ご家族が変化を受け止
退院後1週間
・全身状態観察
・輸液、シリンジ交換
・足浴、フットケア
上半身清拭
シャワー浴介助
・座薬挿入(疼痛)
・ポンプ手技家族指導
・全身状態観察
・輸液、シリンジ交換
・陰洗、フットケア
・座薬挿入(疼痛)
・下肢マッサージ
爪切り、フットケア
がポイントでした。
・全身状態観察
・輸液、シリンジ交換
・背部、下肢マッサージ
・エンゼルケア
■状態変化を見越して、変化対応できる福祉器具を介入当初から導入する
この方の場合 1 週目は自立した入浴、室内歩行が可能でしたが 2 週目には、ベッド上から起き上がること
も困難になっています。こうなってからベッドを導入したり変更したりするのは、身体的負担が掛かりますし
それ以上に、器具を揃えている間に状態が更に変化してしまいます。ですから状態変化を見越して、器具導入
を進めておくことが必要になってきます。この方の場合、モルテン社の「オスカー」というマットレスを導入
しましたが、このマットレスは身体機能に合わせ、リハビリモードと耐圧分散モードという切替が出来るので、
座位保持が可能な間はベッドの縁で座位保持しながらリハビリに当たれますし、それが困難になった場合は褥
瘡予防の耐圧分散が可能になります。状態変化を見越し、このような変化対応できる福祉器具を当初から導入
しておくことも鍵になります。
■「
「こうして来
こうして来て貰えるのであれば、
えるのであれば、病院と
病院と変わらないのね」
わらないのね」
丁度 2 週間を経過した頃、シリンジポンプが度々エラーを起こし、警告音が頻回に鳴るといったことがあ
1
りました。利用者の方にとってもストレスとなり、また不安も増します。私達は 24 時間対応のステーション
なのですが、
「不安があったらいつでもご連絡を下さい」とお伝えしていました。ただ、この最初の 1 回目の
コールをかける時は、どなたも躊躇されるようです。だからこそ最初のコールを頂いた瞬間というのは、
「や
っと利用者さんとの信頼関係の第一歩が築けた」と、とても嬉しく思います。この事例の利用者様からも、コ
ールを何度も頂き丁寧に対応していきました。その中である日、「こうして来て貰えるのであれば、病院と変
わらないのね」という一言を頂きました。病院のナースコールと訪問看護のオンコールが同じ役割を果たせて
いる、これなら安心ということでした。例えばこ
この方のように 24 時間利用
時間利用す
利用する機器の
機器の管理が
管理がある場合は
場合は、
利用者の
利用者の方が安心してご
安心してご自宅
してご自宅で
自宅で生活して
生活して頂
して頂くために、
くために、24 時間いつでも
時間いつでも対応
いつでも対応できるという
対応できるという「
できるという「安心感」
安心感」を提供す
提供す
ることも重要です。
重要
■「私は母の娘で良かったと、
かったと、心から誇
から誇りに思
りに思います。
います。自宅で
自宅で看取れたことは
看取れたことは幸
れたことは幸せでした」
せでした」
医療者の役割として、ご家族がどのように死を受け止めていくかサポートしていく必要があると考えていま
す。今回の事例の利用者様は元々、独居で暮らしていらしたのですが、ご家族は当初「自宅で看取ること」に
迷っておられました。私たちは、その中で「今後の経過や、その段階ごとの対応方法」をご家族に説明し、ま
た訪問看護として出来るサポートについてお伝えしていきました。とても悩まれていましたが、最終的に娘さ
んが休職して介護にあたり、自宅で看取ることとなりました。亡くなられて 1 ヵ月後にお伺いした際、娘さ
んにお話を聞くと、「死んだことは確かに寂しいですが後悔しない最期を向かえられたと思います。やりきっ
たと思えます。」「私は母の娘で良かったと、
かったと、心から誇
から誇りに思
りに思います。
います。自宅で
自宅で看取れたことは
看取れたことは幸
れたことは幸せでした」
せでした」
「家で看取る」ことに戸惑っておられたご家族から、この様な言葉を頂けたことはとても嬉しく思います。
きっちりと死
きっちりと死を受け止められたご家族
められたご家族は
家族は、ご自身の
自身の生活の
生活の再スタートも
スタートも早いように思います。今まで私達が
関係したご家族で「家で看取らなければ良かった」と仰った方は 1 人もいらっしゃいません。終末期
終末期ケア
終末期ケアに
ケアに
は、ご本人だけではなく
本人だけではなく、
だけではなく、ご家族の
家族のケアも
ケアも重要な
重要な要素なのです
要素なのです。
なのです
(2) 症例 2 本人の希望を叶えるために、自費の訪問看護サービスを活用する
■基本情報:【性別等】40代前半
男性、【疾患】頸部食道癌末期、リンパ節転移、両側反回神経麻痺、【生
活】独居、近隣に両親在住。【サービス】在宅診療
項目
■介入時の状況
退院前カンファレンスを病院で行った時点で、今晩
病状の経過
息が止まってもおかしくない状況でした。母親はど
うしても病院で死なせたくない。本人も家に帰って、
ス翌日に退院し、即時介入することになりました。
看護内容
ADL は自立。食事は経管食で、栄養カテーテル固定
で挿入。デュロテップ MT パッチにて疼痛コントロ
ール。家族の希望で余命告知はしていませんでした。
退院後2~3週間
退院後4週間
ADL
・室内歩行可能
・外気吸うため外出
・不眠状態
・耳鳴り、血痰
・不眠状態
・耳鳴り、血痰
疼痛
・疼痛弱
・耳鳴り
・疼痛増強
(背部痛、耳痛)
・疼痛増強
(背部痛、耳痛)
・家に帰ってきて嬉しい
・治療に前向き
・余命について不安高
・外出の希望
・医師よりムンテラ受
け精神不安定
・外出について前向き
・全身状態観察
・内服薬セット
・排痰マッサージ
・M-T管理
・傾聴(家族対応)
・家族指導
(排痰マッサージ)
・吸引
・仙骨部保護
・全身状態観察
・内服薬セット
・排痰マッサージ
・MT管理
・傾聴(家族対応)
・トイレ介助
・口腔ケア
・外出介助
・エンゼルケア
精神的
自宅で療養したいという希望でした。カンファレン
退院後1週間
・全身状態観察
・内服薬セット
・フットマッサージ
・M-T管理
・傾聴(家族対応)
・家族指導
(栄養、酸素、投薬、
吸引等)
■家に帰るという希望
ご家族は「明日死ぬかも知れない」といわれて帰ってきているので、絶望と共に家に帰ってこられました。
しかし、実際に家に帰ってきて、家族と笑ったり、話したり、ご飯を食べたり・・・と何気ない日常を送って
いると、次第に心が落ち着いてきます。「家に帰って来られた」ということが、次の希望になるのです。
2
■「姪っ子の七五三詣でにいきたい」
「家に帰ってきたのですから、何かしたいことは無いですか。」とお話していました。介入当初は「秘密!」
と仰っていたのですが、ある日、
「出来るなら姪っ子の七五三詣でにいきたいんだ」というお話を頂きました。
「退院した当初、自分でも無理だと思っていたので、苦しくて言えなかった」そうなのですが、訪問看護で関
わっていく中で、「看護師さんに付いてきて貰えたら、もしかしたら行けるかも・・・」という希望が持てた
とのことでした。私達としては、何としてでもこの思いに応えたいという一心でしたが、ただ訪問看護は「ご
自宅に訪問すること」が大前提です。外出への付き添いをどうすれば実現できるか。当初は、ボランティアと
いう方法も考えましたが、「万が一のケース」が起きた場合の保証、また次に同じ希望を頂いた時に「同じよ
うに支援すること」が難しくなってしまいます。そこで自費訪問看護
自費訪問看護の
自費訪問看護の契約を
契約を別途締結することとしました
別途締結することとしました。
することとしました
主治医の在宅医もご理解頂いていましたので、移動中に急変した場合の対応についても綿密に打合せていま
した。結果、全く問題は起こらず、無事帰宅することができ本人もご家族も大変満足そうでした。その利用者
様は、外出の 2 日後に亡くなられました。
■
何気ない日常を穏やかに送ることができるように
健康な人からすれば、当たり前の生活、何気ない日常を穏やかに送ることができるようにお手伝いをするの
が私たちの役割だと思っています。1 事例目でも挙げましたが、そのためにご本人やご家族のフォローが重要
になってきます。ただ、まだまだ終末期に「自宅に帰る」という選択肢を選べる方は限られています。ひとつ
は在宅医療に関する理解が広まっていないことがありますが、サービスの供給量がそもそも不足していること
も原因です。ルピナスでは、こうした「自宅に帰りたい」と思った時に、それを望む誰もが自宅に帰れるよう
な世界を作っていきたいと考えています。
事例共有 在宅に鍼灸を活用する
■草間健二氏
プロフィール
鍼灸 健美・大山院長。看護師、鍼灸師。公益社団法人東京都鍼灸師会学術セミナ
ー委員。看護師としての活動に加え、鍼灸師として在宅医療・介護における鍼灸の活
用にむけ地域連携強化に取り組んでいる。
■鍼灸へのイメージ
皆さんは鍼灸にどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「怪しい?」
「本当に効く
の?」「痛そう」「高そう」「神秘的」など様々あると思いますが、今日は皆さんに具
体的なお話をして、こうした第一印象を変えていければと思っています。
■WHO も鍼灸の有効性を認めている
鍼灸とは、「鍼や灸を使って人体に刺激を与え、生体の反応を利用すること」を指
し、古くは中国に起源を持つものです。「鍼」とは、太さ 0.1 ㎜~0.3 ㎜程度・長さ
0.3 ㎜の物から 10cmの針を刺します。素材はステンレスが主で、滅菌済みの使い
捨てのものを利用するのがほとんどです。また「灸」とは、ヨモギの葉の裏の繊毛を
加工したもので、火をつけて熱で人体の反応を引き出すものです。
その有効性は WHO でも認められ、科学的にもエビデンスが立証されてきています。
近年では、多くの大学病院や総合病院で導入が進んできており、慶応大学では神経内
3
科の診療の一環として、鍼灸が用いられています。WHO では、「神経系疾患」「運動器系疾患」「循環器系疾
患」「呼吸系疾患」「消化器系疾患」などを始め、約 216 の症例について有用性が認められています。(※写
真は、鍼を試す中村所長です!)
■ 在宅での鍼灸活用の事例
実際に私の鍼灸院でも在宅で鍼灸を活用し、疼痛コントロールをしているケースがあります。例えば、78
歳男性で肺がん終末期の患者さんで、在宅酸素利用しベッドサイドは何とか動けるレベルでした。少しの動作
で呼吸苦を訴えられている患者さんが、呼吸苦の改善を目的に依頼を下さいました。実施内容は、胸鎖乳突筋、
斜角筋、肩甲骨周囲の筋硬結部への刺鍼、冷えに対する灸治療+便秘治療でした。なかなか服薬等での疼痛コ
ントロールが難しい方だったのですが、鍼灸での治療後は 2、3 日間、呼吸苦なく経過するようになりました。
最終的に、お見送りをする最期の時まで週 2 回の治療を継続することができました。
こうしたケースで鍼灸は、「療養費」といって介護保険の枠外での提供になりますから、介護保険と併用し
■ 在宅ケアの 1 拠点としての鍼灸の可能性
鍼灸の有用性としては、上記の事例のように、1)なかなか取れない愁訴に対し違う視点でのアプローチが
できること。2)また介護保険でないため限度額いっぱいの方も利用可能なこと。3)身体を動かさずに巡り(血
液・リンパ等)をよくできることなどが挙げられます。自費治療の場合、1回約 4,000~7,000 円くらいか
訪問看護をはじめ、訪問介護や訪問診療といったサービスをご利用されている方にも、是非鍼灸の有用性を
知って頂き、ご活用して頂ければと思います。
■ご用命・ご連絡先は・・・
・地域包括支援センターでご相談頂く。
東京都鍼灸師会
/
・業界団体
TEL03‐3935‐5050
ら、保険診療の場合でしたら、1 回 330 円前後(距離に応じて可変)が負担となります。
発行者 訪問看護ステーションルピナス
てご利用頂くこともできるのです。
03-3985-7501
03-3252-8811
・鍼灸 健美・大山 草間院長:03-6324-9381 [email protected]
ホームページをリニューアルしました
最近のルピナスニュース
平成 25 年 6 月、7 人でスタートしたルピナスですが、
多くの仲間との出会いがあり、今月時点で職員は 18 人
のバックナンバーやパンフレットもダウンロードできる
まで増えました。(うち看護師 15 名)
ので遊びに来てくださいね!
産休や介休、海外赴任!?になる仲間もいますが、こ
れからもルピナスの輪を更に広げ、「誰もが安心して自
宅で生活を送れる世界」を作っていきたいと思います!
写真は事務所に飾っている
3 月の壁紙です!
http://www.vns-lupinus.jp
定期購読をご希望の方は、[email protected] までご連絡いただくか、FAX で
付先住所をお送りください。
4
03-3935-5058 までご連絡先・送
東京都板橋区上板橋2‐3‐5メゾンみや1階
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FAX03‐3935‐5058
東京都はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師会
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