「建設材料学基礎」期末試験問題 注意事項: 【問1】コンクリート材料

2006 年 12 月 22 日
「建設材料学基礎」期末試験問題
注意事項:
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A4 用紙一枚の自筆のメモのみ参照してよい.このメモは答案と一緒に提出すること.
計算機は使用してよい.
問題ごとに指定された解答用紙を用いること.
【問1】コンクリート材料に関する問題
以下の文章について,記述内容が正しい場合には○,不適切である場合には×を記述しなさい.
(a) 川砂利を使用すると,砕石を使用した場合よりも単位水量が小さくなる.
(b) AE コンクリートに含まれる材料の中で,単価が最も高いのはセメントである.
(c) セメントの主要鉱物の一つであるアルミネートは,長期強度の増進に寄与する.
(d) 空気量の調整のために AE 減水剤や高性能 AE 減水剤の添加量を調整する.
(e) セメントに少量の石膏を添加するのは,初期強度を増進させるためである.
(f) 高炉スラグとは,火力発電所で石炭を燃焼した際に排出される副産物であり,水酸化カルシウ
ムとポゾラン反応を生じることで,コンクリートの長期強度の増進に寄与する.
(g) スランプフロー試験では,スランプコーンを引き上げた後に,コンクリート塊の沈下量を測定
する.
(h) コンクリートを製造する際には,砂を表乾状態に調整しなければならない.
(i) ブリージングの発生は材料の密度差に起因しているので,無重力状態下ではブリージングは生
じない.
(j) AE 減水剤はセメント粒子に作用して,フロックの形成を促進させることで,コンクリートの
流動性を向上させる.
【問2】コンクリートの配合設計に関する計算問題
問 2.1 表-1 の示方配合中の①∼③の値をそれぞれ求めよ.ただし,使用する材料の物性値は表-2
に従うものとする.
水セメント
細骨材率
比
W/C
(%)
(%)
55
45
表-1 示方配合 (kg/m3)
単位量
セメント
水
砂
砂利
W
C
S
G
(kg)
(kg)
(kg)
(kg)
①
320
②
③
AE 減水剤
AE 剤
空気量
A
(kg)
3.20
(g)
12.8
(%)
4
セメント
表-2 材料特性値
中庸熱ポルトランドセメント(密度 3.20 g/cm3)
細骨材
山砂(表乾密度 2.60g/cm3,吸水率 1.5%,粗粒率 2.80)
粗骨材
混和剤
砕石(表乾密度 2.65g/cm3,吸水率 0.7%,粗粒率 6.80,実積率 57.3%)
AE 剤(マイクロエア 303A)をセメントの質量の 0.004%使用する
AE 減水剤(ポゾリス No.78S)をセメント質量の 1.00%使用する
問 2.2 表-1 のコンクリートの,材齢 1 日(t=1.0)における断熱温度上昇を求めよ.断熱温度上昇の
特性値は,表-3 に従うものとする.また,コンクリートの打ち込み温度は 20 度とする.
表-3 断熱温度上昇特性の標準値
【問3】養生,強度に関する問題
問 3.1 一軸圧縮強度fc’が 30N/mm2であるコンクリートの引張強度ftはどのくらいであるか?
問 3.2 コンクリートの曲げ強度fbの力学的な意味と引張強度ftとの大小関係を簡潔に述べよ.
問 3.3 以下の養生方法について説明せよ.
(1)水中養生
(2)封緘養生
(3)標準養生
【問4】コンクリート構造物の耐久性に関する問題
以下の(1)(2)(3)の環境でコンクリート構造物を建設するとき,注意しなければならな
い劣化現象を(ア)∼(コ)から記号で選べ.また,それを防ぐ対策について(a)∼(j)か
ら記号で選べ.(正解は複数の場合があるが,どれかひとつ選べばよい)
[構造物を建設しようとする環境]
(1)海岸近くの飛沫帯
(2)冬季に氷点下 5 度以下になる寒冷地
(3)温泉地
[劣化現象]
(ア)疲労
(イ)温度ひび割れ
(ウ)塩害
(エ)化学的侵食
(オ)曲げひび割れ
(カ)中性化
(キ)凍害
(ク)収縮ひび割れ
(ケ)磨耗
(コ)アルカリ骨材反応
[対策]
(a)かぶりを大きくする
(b)コンクリートの水セメント比を小さくする
(c)コンクリートに表面保護工を施す
(d)耐硫酸塩セメントを使用する
(e)AE剤を使用する
(f)単位セメント量を少なくする
(g)エポキシ樹脂塗装鉄筋を使用する
(h)コンクリートに気泡(エントレインドエア)を混入する
(i)収縮低減剤を使用する
(j)電気防食を行う
【問5】コンクリート構造物の耐荷性状に関する問題
(1)下図の鉄筋コンクリートはりの載荷試験を行った.右のグラフは載荷荷重とはり中央のた
わみの関係の測定結果である. グラフの①②③の時点では,鉄筋コンクリートはりに何が生じた
のか.
荷重
③
②
荷重
鉄筋
①
せん断補強鉄筋は図
示を省略している
鉄筋コンクリートはり
断面
0
はり中央のたわみ
荷重−たわみ関係の測定結果
(2)コンクリート構造に関する以下の記述について,内容が正しい場合には○,不適切である
場合には×を記述しなさい.
(a) コンクリート中の鉄筋は,ひび割れが生じると考えられる方向と直交方向に配置するのがよい.
(b) 鉄筋コンクリート構造物は,曲げひび割れが生じてもただちに崩壊に至るわけではない.
(c) 鉄筋が降伏すると,ひび割れ幅が大きくなる.
(d) コンクリートの引張強度は,円柱供試体に圧縮荷重を加えて試験する.
(e) 鉄筋コンクリート部材の破壊形態として,曲げ破壊よりもせん断破壊が望ましい.
(f) 地震の際には構造物に交番荷重が作用する.
(g) コンクリート中の鉄筋には,表面に節と呼ばれる凹凸がある.
(h) ひずみは長さの次元をもつ物理量である.
(i) 鉄筋は降伏後にもさらに引張ると破断する.
(j) 鉄筋の降伏強度とコンクリートの圧縮強度は同じオーダーである.
【問6】
材料の力学的特性としての弾性と粘性,およびそれらの違いについて,応力σとひずみεの関
係に基づいて簡単に説明せよ.ただし,これらの関係を表わす式か図を必ず引用すること.
【問7】
アスファルトコンクリートの物理特性を5つ挙げよ.また,この中で最も重要なクリープおよ
び応力緩和性について説明を加えよ.
2006 年 12 月 22 日
2 年生「建設材料学基礎」期末試験解答用紙(1/3)
課程
【問1】
(a)
(b)
学籍番号
(c)
(d)
(e)
(f)
氏名
(g)
(h)
(i)
【問2】
問 2.1
①
問 2.2
【問3】
問 3.1
問 3.2
問 3.3
(1)
(2)
(3)
②
③
(j)
2 年生「建設材料学基礎」期末試験解答用紙(2/3)
課程
学籍番号
氏名
【問5】(15 点)
([名称][対策]完答で各 5 点)
[環境]
[名称] [対策]
a, b, c, g, j
ウ
のどれか
(1)
(2)
キ
b, c, e, h
のどれか
(3)
エ
a, c, d の
どれか
【問6】(15 点)
(1)(5 点)
①
曲げひび割れの発生
②
鉄筋の降伏
③
コンクリートの圧縮破壊
(2)(各 1 点)
(a)
(b)
○
○
(c)
(d)
(e)
(f)
(g)
(h)
(i)
(j)
○
○
×
○
○
×
○
×
2 年生「建設材料学基礎」期末試験解答用紙(3/3)
課程
【問7】
【問8】
学籍番号
氏名