「保護めがね」の種類とその適切な使用方法

建災防協進会 安全衛生保護具・機器コーナー
建設現場における
「保護めがね」の種類とその適切な使用方法
㈱トーアボージン
東京営業所所長
1.はじめに
2020年に開催される東京オリンピック、パラリン
ピックに向けて今後は空前の建設工事ラッシュが
予想されます。昭和39年のオリンピック開催時に建
設された施設の老朽化、交通量の増加に伴う高速
道路、幹線道路の補修、修理、更には新道路の建設、
各種競技場の新設増設、当然インフラ整備も大規
模に行われることが予想され、不況による経済の
地盤沈下が叫ばれてきた今、久し振りに経済の活
性化に繋がる明るいニュースとなりました。
しかし、建設業界の賑わいと同時に懸念される
のが、建設現場における労働災害ではないでしょ
うか?
奇しくも、建設業労働災害防止協会では、国が
策定した第12次「労働災害防止計画」に基づき、
平成25年度を初年度とする「建設業の労働災害防
止に関する中期計画と今後の展望(第7次建設業
労働災害防止5ヵ年計画)
」をスタートさせていま
す。建設業界の労働災害は、関係各位の長年に亘
る努力により減少してきましたが、残念ながらこ
こ数年は休業4日以上の死傷災害が増加の傾向に
あり、憂慮すべき状況にあります。
今回、建設現場で作業される人々の労働災害を
少しでも未然に防ぐため、数多くある保護具の中
から、眼、顔面をまもる「保護めがね」について
加島 静男
(1)形状は、めがね形、ゴーグル形、フロント形
があります。
(2)使用の対象は、飛来物、浮遊粉じん、薬液飛
沫が発生するおそれのあるあらゆる作業に従事
する作業者、ならびにそれらの作業現場へ立ち
入る人々。
(3)作業別では、眼に有害な光が発生する作業に
は遮光めがね、溶接面、顔全体を保護するもの
として「防災面、防熱面」があります。最近では、
衝撃エネルギーの大きい飛来物が多い現場での
使用が増え、顔全体を護る保護具として需要が
増加しております。
以下に、作業現場に適切な「保護めがね」の種
類、形状を掲げました。主たる作業現場と照らし
合わせて参考になればと考えます。
■めがね形(サイドシールド付き=左右上部にカ
バー板を取り付け異物混入を防止するもの)
アイカップ形(眼の周囲を覆うように加工され
ためがね)
、オーバーグラス形(度付き眼鏡の上
から掛ける大型のめがね。
)
「主たる用途①」
ハツリ、砕岩、打鋲、鉱山、トンネル、製材
重作業等の比較的衝撃エネルギーの大きい飛来
物を防ぐ(*防災面との併用を勧めます)
ご案内します。
2.保護めがね
「保護めがね」とは、作業中に発生する飛来物、
粉じん、熱、有害な光から眼を保護するために着
用する「めがね」のことです。
その特長としては、耐衝撃性(レンズ、フレー
ムともに破損しにくい)
、耐磨耗性(レンズ表面に
キズがつきにくい)
、耐熱性(熱による変形がしに
くい)等があげられます。
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「建設の安全」2014.4
めがね形(サイドシールド付き)