1999-4-15 Hokuriku PC Press 第75号 発行責任者 三菱電機株式会社 北陸支社 官公システム課 稲崎義明 緊急特集 K 6 - Ⅲ 前回はPentiumⅢを特集しましたが、今回は互換CPUであるK6―Ⅲ です。 K6-Ⅲを生産しているAMDは8086の時代からの互換CPUメーカで、 これまでもPentium対抗のK6、PentiumⅡ対抗のK6―2などの 互換CPUを発表し、安価な高性能CPUとしてK6―2を採用したパソコンも 10万円パソコンとして各社から発売されています。そういった意味では1つの 地位を確立したCPUメーカということができます。そのAMDがインテルのP entiumⅢの直前に発表したのがK6-Ⅲです。 K6-ⅢとPentiumⅢの最も大きな違いは、そのCPUの形状にありま す。PentiumⅢがPentiumⅡと同じSlot1に装着するタイプで あるのに対して、K6-ⅢはこれまでのPentiumと同じSoket7 (もっとも外部クロックは100MHzですが)に装着します。それだけこれま でのものに互換性があるということができます。 K6-ⅢはK6―2が採用したマルチメディア対応機能「3DNow!」を採 用しています。この機能は、PentiumのMMXに対応した機能で、MMX が画像や音声といったマルチメディアデータ処理を従来よりも効率的に処理を行 うことを目的として追加されたものであるのに対して、3DNowはMMXの搭 載を前提にMMXに不足していた浮動小数点演算機能を追加したものです。もち ろんアプリケーションも3DNowに対応していなければ十分に利用できるとは いえません。ここで重要なのは、これまでの互換CPUであれば互換性を持たせ ようとするCPUの機能を使えるようにしようとしたものでしたが、この3DN owによって、これまで後追いで作られてきた安いだけの互換CPUが、インテ ルよりも1歩先んじたものを発表したところにあります。つまり、単なる互換C PUからパソコンのこれからのCPUを引っ張っているメーカになりつつありま す。 また、これまで各社の互換CPUには内蔵されていなかった二次キャッシュメ モリも256kB内蔵し、PentiumのSlot1ではサポートされていな い外部3次キャッシュにも対応しています。 あとはほぼPentiumⅢと同じような技術で作られています。RISC風 命令への変換や、パイプライン処理、スーパースカラー処理などですが、これら の機能とキャッシュメモリによってK6―ⅢはPentiumⅢを超える性能を 発揮し、最速のCPUとなっています。 K6-Ⅲで互換CPUは価格、性能でインテルのものをしのぐばかりでなく、 インテルに対抗してこれからのパソコンの方向を左右する新しい機能を持ってき ています。マイクロソフトにLinuxがあるようにインテルにもAMDが相対 するようになってくるように思われます。 (情報誌トピックス) ○日経エレクトロニクス 4月5日号 特集 パソコンID宣言 →新CPUであるPentiumⅢには、個々のCPUを識別することの できる番号がついていることが話題となった。ネットワークが全世界で つながり、つながった相手をどのように識別するかが問題となりつつあ るが、個々のパソコンに番号をつけることによってインターネットから 流れ込む有料コンテンツの受信装置に生まれ変わる。 解説 Rambusで揺れる半導体メーカ、インテル依存体質を見直し →次世代のメモリといわれてきたRambus対応メモリ。しかし、コス トと拡張性に問題があり、この機にインテル主導のメモリ開発から互換 メーカ対応など付加価値の高い製品開発を目指すメーカの思惑が出てき ている ○日経パソコン 4月5日号 特集 トラブル解決の達人になる →パソコンを使って入れは誰でも遭遇するトラブル。誰かに聞けばいいの だが、自力脱出を目指す近道は。事例に学ぶ手順と勘所。 特集 200万画素で変わるデジタルカメラの選び方 →200万画素のカメラが登場し、高性能になったデジタルカメラ。これ までの130万画素のカメラとどちらを選ぶのが越すとパフォーマンス がいいか。 ○日経オープンシステム 4月号 特集 Linux、いよいよ企業システムへ →1社で100台以上のサーバにLinuxを導入した企業など、Lin uxを採用する企業が急増している。コスト削減や安定性の高さなどが 採用理由だが、技術者不足など課題も多い。 特集 WWWクライアントのトラブル回避 →イントラネットを構築してブラウザ特有のトラブルが発生している。ブ ラウザによって、バージョンによってその動きは微妙に異なる。決定的 な解決策はないが、工夫次第で回避することはできる。 解説 分離・分割に向かって変わるNTTの回線サービス →99年7月の組織再編成に向かってNTTのサービスが拡張されてい る。デジタルアクセスの距離制限の撤廃や、OCNビジネスパックVP Nなど、企業のWANコストの削減に役だつ可能性が高い。 ○日経マルチメディア 5月号 特集 米国の発想に学べ! →インターネット関連企業の好調さも手伝って米国は好景気に沸いてい る。EC市場を掘り起こそうという米国企業の事例の中に日本のECビ ジネスのヒントが詰まっている。 特集 「ネットオークション」の魔力 →インターネット上でオークションを開催する企業が増えている。ユーザ はゲーム感覚で参加し、「集客ツール」として利用するサイトも出てき ている。 ○PCWAVE PCWAVEは5月号の発行前に企業として問題が発生した模様で、発行の予定 が立っていません。 ○LANTIMES LANTIMEは提携先の米国LANTIME誌が休刊状態に入っているため、 休刊となり、5月に別の情報誌として発刊予定です。 ○PCWORLD 5月号 特集 最新互換CPUテクニカルガイド →インテルのCPUがほとんどの中でがんばっていた互換CPU。しか し、いつのまにか単なる安価なCPUからパソコンのアーキテクチャの 主導権争いができるまでになっている。その現状は。 企画 ガット・ア・電子メール →電子メールの基礎からOutlookExpressの便利な機能と便 利なソフトのいろいろ。 ○DOS/Vmagazine 5月1日号 特集 吉例!春の導入研修 →春になって新たな気持ちでパソコンを導入するための初心者中心の導入 情報。自作マシンからISDNによるインターネットチャレンジなど。 特集 WorkPadのすべて →世界的に最も普及している3COMのPalm Pilot。今度IB MがWorkPadとして日本語版を発売した。その全貌とPDAとして の実力は。
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