IDF栄養ホームページ/http://www.idfdairynutrition.org/ ファクトシートより あなたと乳製品 IDF 文書(ホームページ)を仮訳 乳製品と体重 過体重と肥満は、糖尿病、冠動脈疾患や癌を含む多くの慢性病の重要なリスク因子と なります。以前は、高所得者が多い国々にのみ見られる問題と考えられてきました。 しかし、いまや過体重と肥満は低所得もしくは中所得者の多い国々、特に都会という 環境で増加しています。運動不足と(不健康な)過食が相まって過体重と肥満のリス クを高めています。 バランスのとれた多様な食事 体重を減らすプログラムを始めて最初に行う課題の1つとして、乳および乳製品を含 む必要な食品群の喫食をやめる人がいますが、これは栄養不足のリスクを高める可能 性があります。健康的な体重と健康的なカラダをつくるには、健康運動指導員など専 門家のアドバイスをまず受け、その後はバランスのとれた多様な食事から始めること です。そうした食事のための健康的な食べ物に、乳および乳製品が含まれます。 健康に良い乳製品 カロリーのない清涼飲料類が気軽に入手できるようになり、若い人の選択行動が明ら かになりました。「何か飲むのであればエネルギーが増えない飲料にしよう」と。残 念ながら、今の科学はこのような筋書きを支持していません。 ダイエットを始めると、痩せはしても、骨量が平均で開始当初よりも少なくなったこ とが示されました。これはまさに問題です。スリムになったとされる人にとって、問 題はもっと複雑です。まず、牛乳(脱脂乳でさえも)は食べ物の機能にいわゆる飽満 価値もしくは満腹感を起させる機能を与えます。 カルシウムと体重の減少 それに加えて、適正な体重もしくは健康的な体重の人よりも肥満者は概して食事から 摂るカルシウムが少ないことを示す研究論文が1998年頃から出始めました。 1 IDF栄養ホームページ/http://www.idfdairynutrition.org/ ファクトシートより 体重を減らす食事の摂取カロリーは全く同じですが、含まれるカルシウム量が有意に 異なる食事を摂取した人を対象にした研究によれば、カルシウムを多く含む食事をと った人のほうが少ない食事をとった人よりも早く希望する体重に到達できたことが示 されました。 体重減少スピードの改善はエネルギーの摂取量が消費量よりも少ない場合に顕著とな りますが、その結果は決定的な印象を与えます。体重減少プログラムに取り組むには、 カルシウムを適切に1日1000mg程度摂取すると、成功する確率が高くなります。 異なる複数の研究によれば、カルシウムを主に乳製品から摂取すると最高の成績が得 られることが示されました。従って、乳および乳製品由来のカルシウムは、体重減少 プログラムに最も都合がよく信頼できる食材といえます。 10代の女性を対象とした研究によると、乳製品の摂取量の多寡にかかわらず、体重 増加に違いがないことが分かりました。これらの女性は体重減少を目指していた訳で はありませんでした。この研究が示したことは、これらの若い女性が、体重の増加と いうマイナスの影響なく、カルシウム摂取を増加させた食事からの恩恵だけを受ける ことができたということです。6か月後の追試験では、これらの若い女性の体脂肪レ ベルが有意に変化したこと、すなわち乳製品の有益な効果、つまり体脂肪蓄積の減少 に効果があったことが示されました。 考えられるメカニズム カルシウムと乳製品が体重と体組成(体脂肪の低下と筋肉中の赤色筋増加)に有益な 効果があるという指摘があります。これらの効果を説明する仮説のひとつは、カルシ ウム摂取の増加は、脂質生成(脂肪の合成)を減少させ、脂質分解(細胞内に貯蔵さ れた脂肪の分解)を促進することで、脂肪細胞内の貯蔵脂肪量を減少させる結果をも たらすというものです。 別の仮説は、カルシウム摂取の増加が脂肪排泄を増加させるというものです。小腸で カルシウムと脂肪が不溶性のカルシウム-脂肪「石鹸」を形成し、便とともに排泄さ れます。脂肪排泄量が増えると脂肪吸収とエネルギー取り込みの減少につながります。 しかし、カルシウム摂取の増加がたんぱく質摂取の増加と結ばれると後者の機能が編 2 IDF栄養ホームページ/http://www.idfdairynutrition.org/ ファクトシートより 者注:仮訳の全体は会員頁をご参照ください。仮訳の正確性、完全性、有用性等についてはい かなる保証をするものではありません。参考資料として扱い、内容に疑義が生じた場合は英文 の原文をご確認ください。 3
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