第二話 お客様の「なるほど!」を増やしたいの巻 ぱくりん カンタロ どうしたの? ぱくりん、うれしぃことあった! うれしそうだね! なにがあったか おしえて♪ こんなお話を聞いたんだ・・・ お客様「食器棚の中の臭いが気になるんですけど、冷蔵庫用の脱臭剤を使ってもかまわないですか?」 応対者「冷蔵庫用の脱臭剤は低温用に作られていますので、食器棚や流しの下などにご使用いただく 場合には、キッチン用の脱臭剤をおすすめいたしております」 お客様「そうですか、わかりました。ありがとうございます」 応対者「お客様、食器棚の臭いの原因はいろいろ考えられますが、キッチン用の脱臭剤をご使用になる 前に、食器棚に付着している臭いをアルコールティッシュなどでふき取ってみてはいかがで しょうか。その方が、脱臭剤の効果も高まるかと存じます」 お客様「あっ、食器棚自体に臭いが付いているということですね。 なるほど! じゃぁ、まずアルコール消毒してみます。ありがとうございました」 (エステー株式会社 お客様相談センター 小林センター長インタビューより) 小林センター長 お客様のご要望は「冷蔵庫用の脱臭剤を使いたい」ということではなく、 「食器棚の臭いを解決したい」ということです。お客様の真のご相談内容を汲み取り、 単に自社の製品をご紹介するだけではなく「なるほど!」と思っていただけるような情報を、 少しでも多くお伝えしたいと思っています。 なるほど! お客様から「ありがとう」「よかった」「助かった」と言っていただけると、 “お役に立てて良かった”と思うものだよね。 でもね、ぱくりん、それでは“お客様の期待に応えただけ”なんだよ。 お客様の期待を超えるためには、お客様が気づいていない“プラスαの 情報”をお伝えすることなんだ。 そのために必要なのは、相手の話に出てくる“キーワード”を聞き逃さないこと。 僕達は、自分でも気づかないうちに、大切にしている人のことや気にしているこ と、譲れない価値感を口にしていることがあるからね。 例えば、こんな話しを聞いたとしよう おじいちゃんが一人で遊びに来る孫のことを話してる。 「夕べ大阪にいる娘から電話があってね、今年の夏休みは孫を一人で 東京に行かせたいって言うんだ。 どこに連れて行ってやろうかな ぁ」 ・・・・・・。 ばくりんだったら何と応える? 「ディズニーランドや東京スカイツリー、 浅草なんかもいいんじゃないか…?」 なぁんて言っちゃいそうだよね。 でもおじいちゃんは、2ヶ月も先の話をしているんだ。どこに連れて行けば いいか相談しているんじゃなくて、可愛い“孫”が一人で東京に来る ことを誰かに聞いてほしいんだよ。 今からとっても楽しみにしてワクワクしているんだ。 だから、連れて行ってあげる場所を提案するよりも、 おじいちゃんの大切にしている人を話題にしよう。 話題にしよう そうしよう 「お孫さんはおいくつですか? 一人で遊びにいらっしゃるなんて、 しっかりしていらっしゃいますね。 娘さんもおじいちゃんのところだったら安心なんでしょうね。 せっかくだから電話して直接“どこに行ってみたいか”って聞いてみては いかがですか? もしかしたらお孫さんもどこか行きたいところがある かもしれませんよ。」 自分の娘や孫を褒めてもらったら嬉しいよね。 それに、孫の声を聞く理由を作ってくれて きっと「なるほどね!」と思ってもらえるよ。 おじいちゃん よろこぶ! ぱくりん うれしい♪ 文中でご紹介しました エステー株式会社 お客様相談センター 小林センター長の詳しいインタビュー記事は 公益財団法人 日本電信電話ユーザー協会発行のテレコム・ホーラム 2015 年 8 月号でご覧いただけます。 http://www.jtua.or.jp/telecomforum/order.html
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