003 基準法上の階数 建 築 基 準 法 に お け る 建 物 の 階 数 は、 上下の床が何層重なっているかが基本 的な数え方になる。 階数に含まれるものとしては、一般 の居室、押入れや納戸などの収納、廊 部が地面と接している部分の平均の地 盤であるので、宅地が道路面より高い 場 合、 地 下 室 が 道 路 に 面 す る こ と で、 そこを車庫として利用することができ るなどの利点がある。 室などが該当する。また、建物内に設 めた建物全体の階数から規制する場合 基準法や施行令などは、地上階の階 数をもとに規制する場合と、地階も含 法律上の対応 ける自動車車庫は、容積率などの算定 に分かれるので注意が必要である。一 下や洗面所、便所などの設備室、階段 用 床 面 積 に は 緩 和 規 定 が あ る も の の、 般に、地上階のみを対象とする場合は、 ︵床面積にも含まれない︶ 。 地階の定義と地盤面 天井高の 分の 以上が地盤面に入 っており、かつ地上に突出した部分が 1m 以下の場合は地階となる。 このときの地盤面とは、建物の外周 基準法上の階数 建 築 基 準 法 に お け る 建 物 の 階 数 は、 上下の床が何層重なっているかが基本 的な数え方になる。 階数に含まれるものとしては、一般 の居室、押入れや納戸などの収納、廊 建物全体の階数を対象とする場合は ﹁階数が⋮⋮﹂と表現される。 階、 地階、 このほか﹁階﹂については、 地上階、最上階、各階、上階、直上階、 直下階、避難階、階数など、さまざま な用語が用いられる。このなかで、地 階、避難階、階数については定義がな さ れ て い る が、 ﹁階﹂そのものに定義 はない。一般には人が立ち入れる空間 で、原則として床や屋根があるものと されている。 部が地面と接している部分の平均の地 盤であるので、宅地が道路面より高い 場 合、 地 下 室 が 道 路 に 面 す る こ と で、 そこを車庫として利用することができ るなどの利点がある。 室などが該当する。また、建物内に設 めた建物全体の階数から規制する場合 基準法や施行令などは、地上階の階 数をもとに規制する場合と、地階も含 法律上の対応 ける自動車車庫は、容積率などの算定 1m 以下の場合は地階となる。 このときの地盤面とは、建物の外周 されている。 で、原則として床や屋根があるものと はない。一般には人が立ち入れる空間 さ れ て い る が、 ﹁階﹂そのものに定義 階、避難階、階数については定義がな な用語が用いられる。このなかで、地 直下階、避難階、階数など、さまざま 階、 地階、 このほか﹁階﹂については、 地上階、最上階、各階、上階、直上階、 ﹁階数が⋮⋮﹂と表現される。 建物全体の階数を対象とする場合は ﹁ 地 階 を 除 く 階 数 が ⋮⋮﹂ と 表 さ れ、 般に、地上階のみを対象とする場合は、 に分かれるので注意が必要である。一 分 以下であれば階数には含まれない 天井高の 分の 以上が地盤面に入 っており、かつ地上に突出した部分が 地階の定義と地盤面 ︵床面積にも含まれない︶ 。 の が m 以下かつ直下階の床面積の した中間階収納などは、最高天井高さ これに対し、小屋組空間を利用した 小屋裏収納や階間の天井裏空間を利用 階数には必ず含まれる。 用 床 面 積 に は 緩 和 規 定 が あ る も の の、 下や洗面所、便所などの設備室、階段 ﹁ 地 階 を 除 く 階 数 が ⋮⋮﹂ と 表 さ れ、 階数には必ず含まれる。 これに対し、小屋組空間を利用した 小屋裏収納や階間の天井裏空間を利用 分 した中間階収納などは、最高天井高さ が m 以下かつ直下階の床面積の 1.4 の 未満であれば階数には含まれない 2 8 003 1 1 12 3 3 ■ 地階を含めた規制と地階のみの規制がある ■ 地階を含めた規制と地階のみの規制がある 1 1.4 1 「3階」になる場合 「3階」になる場合 ■ 小屋組空間、天井裏空間は階数に含まない Point ■ 小屋組空間、天井裏空間は階数に含まない Point 階数の考え方 階数の考え方 Keyword 正 Keyword P.12 誤 P.67 誤 燃えしろ設計の考え方 図1 燃えしろ設計は長期荷重を支持する すべての柱と梁に対してチェックを実 施する ●燃えしろ寸法 防火設計 想定した断面から所定の燃えしろ寸法 を差し引く。基本は4面共に差し引く 燃えしろ設計は長期荷重を支持する すべての柱と梁に対してチェックを実 施する 集成材、LVL 製材 大規模木造建築物 (法21条、令129条の2の3、 昭62建告1901号、1902号) 燃えしろ 準耐火構造 (平12建告1358号) 1時間準耐火構造 (平12建告1308号) 25㎜ 30㎜ 35㎜ 45㎜ 45㎜ 60㎜ 想定した断面から所定の燃えしろ寸法 を差し引く。基本は4面共に差し引く 1時間準耐火構造 25㎜ 30㎜ 35㎜ 45㎜ 45㎜ 60㎜ ●不燃性の軒天材で覆う場合 準耐火構造の軒裏の仕様例 ●木材を露しとする場合 ●不燃性の軒天材で覆う場合 面戸板45㎜厚以上 野地板30㎜厚以上 垂木 垂木 構造設計 ︵許容応力度︶ 外壁:準耐火構造 硬質木片セメント 板厚12㎜以上など 外壁:準耐火構造 外壁:準耐火構造 鼻隠し:30㎜以上の木材でつくり不燃材料で覆う。 または葺くか、不燃材料でつくる 外壁表面に木材を張る場合 外壁:準耐火構造 鼻隠し:30㎜以上の木材でつくり不燃材料で覆う。 または葺くか、不燃材料でつくる 図3 外壁表面に木材を張る場合 建築計画 準耐火構造の外壁 準耐火構造の外壁 木材 木材 確認申請 準耐火構造の外壁表面に木材を張ることで、準耐火構造に 要求される性能(非損傷性、遮熱性、遮炎性)が低下する ことはない。しかし、運用上、告示の外壁の表面には張って よいが、大臣認定の外壁は木材を張った状態で認定を所得 していないと張ってはならないとされている 硬質木片セメント 板厚12㎜以上など 木材の燃え抜け防止性能を活用 構造設計 ︵仕様規定︶ 図2 野地板30㎜厚以上 67 準耐火構造 (平12建告1358号) (平12建告1380号) 面戸板45㎜厚以上 図3 集成材、LVL 製材 大規模木造建築物 この断面に長期荷重が生じたときの 応力度が短期許容応力度を超えなけ ればよい。超えた場合は、元の断面を 大きくする 準耐火構造の軒裏の仕様例 ●木材を露しとする場合 ●燃えしろ寸法 (法21条、令129条の2の3、 昭62建告1901号、1902号) 燃えしろ この断面に長期荷重が生じたときの 応力度が短期許容応力度を超えなけ ればよい。超えた場合は、元の断面を 大きくする 図2 木造準耐火建築物③ 燃えしろ設計の考え方 029 木造3階建てとは 図1 正 準耐火構造の外壁表面に木材を張ることで、準耐火構造に 要求される性能(非損傷性、遮熱性、遮炎性)が低下する ことはない。しかし、運用上、告示の外壁の表面には張って よいが、大臣認定の外壁は木材を張った状態で認定を所得 していないと張ってはならないとされている P.99 誤 木造3階建てとは 図 正 木造3階建ての構造安全性確認ルート 図 木造3階建ての構造安全性確認ルート 木造3階建て 木造3階建て 木造2階建て 高さ>13m 軒高> 9m 特定建築物 高さ>13m 軒高> 9m 木造2階建て 高さ>13m 軒高> 9m 特定建築物 木造平屋建て 高さ≦13m 軒高≦ 9m 防火設計 材料・仕様の確認 材料・仕様の確認 仕様規定 仕様規定 壁量計算(地震力・風圧力) 壁量計算(地震力・風圧力) 壁の片寄りの確認(地震力) 接合金物の選択 接合金物の選択 構造設計 ︵仕様規定︶ 壁の片寄りの確認(地震力) 荷重・外力の計算 荷重・外力の計算 1次設計 1次設計 構造設計 ︵許容応力度︶ 応力計算 (加重や外力の組み合わせによる、 長期・短期の応力) 部材に生じる応力度≦許容応力度 2次設計 2次設計 建築計画 偏心率の確認 偏心率≦0.15 剛性率の確認 各階剛性率≧0.6 確認申請 99 応力計算 (加重や外力の組み合わせによる、 長期・短期の応力) 部材に生じる応力度≦許容応力度 層間変形角の確認 層間変形角≦1/200 ルート2 END 木造平屋建て 層間変形角の確認 層間変形角≦1/120 偏心率の確認 偏心率≦0.15 剛性率の確認 各階剛性率≧0.6 ルート1 END 壁量計算 END ルート2 END ルート1 END 壁量計算 END P.123 誤 木造3階建てとは 図 正 計算ルートの確認 図 計算ルートの確認 スタート スタート 仕様規定の確認(令3章2節・3節) 仕様規定の確認(令3章2節・3節) 防火設計 加重、外力 (建基令82) 加重、外力 (建基令82) 応力計算 加重や外力の組み合わせによる 長期と短期の応力 加重や外力の組み合わせによる 長期と短期の応力 構造設計 ︵仕様規定︶ 許容応力度 1次設計 1次設計 応力計算 許容応力度 応力度の確認 応力度の確認 No 特定建築物* 特定建築物* 設計者の判断 Yes 構造設計 2次設計 2次設計 ︵許容応力度︶ No 高さ≦31m Yes 建築計画 剛性率、偏心率の確認(同令82の3) OK 剛性率≧6/10 偏心率≦15/100 ルート2 END NG ルート1 END 層間変形角の確認(同令82の2) 層間変形角≦1/200 (1/120) ルート1 END 設計者の判断 高さ≦31m Yes 設計者の判断 剛性率、偏心率の確認(同令82の6) OK 剛性率≧6/10 偏心率≦15/100 ルート2 END NG 確認申請 保有水平耐力の確認(同令82の4) ルート3 END * 特定建築物とは、 木造で高さ13m、軒の高さ9mを超えるものをいう 123 設計者の判断 Yes 層間変形角の確認(同令82の2) 層間変形角≦1/200(1/120) No No 保有水平耐力の確認(同令82の3) ルート3 END * 特定建築物とは、木造では高さ13m、軒の高さ9mを超えるものをいう P.125 誤 木造3階建てとは 図 正 壁倍率から許容耐力へ 図 ●壁倍率から許容耐力を求める 壁倍率から許容耐力へ ●壁倍率から許容耐力を求める 910 910 防火設計 施行令や告示に壁倍率が記載されている耐力壁は、 壁倍率から許容耐力を求めることができる 施行令や告示に壁倍率が記載されている耐力壁は、 壁倍率から許容耐力を求めることができる 壁倍率2.0の耐力壁(例) 壁倍率2.0の耐力壁(例) ● 壁量計算では、壁倍率による壁長さで耐力を確認 ● 壁量計算では、壁倍率による壁長さで耐力を確認 壁倍率 × 壁長さ = 存在壁量 (2.0倍) (0.91m) 壁倍率 × 壁長さ = 存在壁量 (1.82m) (2.0倍) 構造計算では、倍率ではなく許容せん断耐力で表す (許容せん断耐力の略算式) ● 構造設計 ︵仕様規定︶ 壁倍率 × 1.96kN × 壁長さ = 許容せん断耐力 (1.96kN) (0.91m) 壁倍率 ×1.96kN/m × 壁長さ = 許容せん断耐力 (3.56kN) 筋かい45×90 (倍率2.0) (1.82m) 構造計算では、倍率ではなく許容せん断耐力で表す (許容せん断耐力の略算式) ● (2.0倍) (0.91m) (2.0倍) (1.96kN) (0.91m) 筋かい45×90 (倍率2.0) 構造設計 ︵許容応力度︶ ●耐力壁 ●準耐力壁 ●準耐力壁 ●腰壁、垂れ壁 品確法の準耐力壁は 壁量計算では使えな いが、構造計算では その壁倍率から許容 耐力を求めることが できる 品確法の準耐力壁は 壁量計算では使えな いが、構造計算では その壁倍率から許容 耐力を求めることが できる 建築計画 確認申請 基準法 壁量計算 125 (3.56kN) × × 品確法 壁量計算 ○ △ 基準法 構造計算 ○ ○ (両側を耐力壁・準耐力壁で 挟まれている場合のみ) 基準法 壁量計算 × × 品確法 壁量計算 ○ △ 基準法 構造計算 ○ ○ (両側を耐力壁・準耐力壁で 挟まれている場合のみ)
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