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ノバルティス ファーマ株式会社
〒105-6333
東京都港区虎ノ門1丁目23番1号
虎ノ門ヒルズ森タワー
http://www.novartis.co.jp
MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG
2016年6月9日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2016年6月4日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要
約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英
語版はhttp://www.novartis.comをご参照ください。
ノバルティス、「タシグナ®」治療中止後の
無治療寛解維持(TFR)データを発表
~50%以上のフィラデルフィア染色体陽性・慢性骨髄性白血病患者さんがTFRを達成~
•
ENESTfreedom 試験において、一次治療で「タシグナ®」を使用し、治療中止の規
準を満たした患者さんの 51.6%が、治療中止後 48 週間にわたり TFR を達成しま
した。しかしながら、95%信頼区間の下限 50%以上という統計的仮定において、
主要評価項目を達成しませんでした。1
•
ENESTop 試験では、「グリベック®」から「タシグナ」に切り替え、治療中止の規
準を満たした患者さんのうち、治療中止後 48 週間にわたり TFR を達成したのは
57.9%であり、主要評価項目を達成しました。2
•
この結果は TFR への理解を促し、フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病
患者さんにおける適切な治療中止規準の確立に貢献します。
•
ノバルティスは、これらの重要な臨床試験に参加された患者さんに、深い感謝の意
を表しています。
2016年6月4日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは、第52回米国臨床腫瘍学会(ASCO)
年次総会で、「タシグナ(ニロチニブ)」無治療寛解維持(TFR)臨床試験プログラムの
初めての結果を発表しました。これらの試験では、「タシグナ」治療で持続的な深い分子
遺伝学的効果を達成した、慢性期のフィラデルフィア染色体陽性(Ph+)慢性骨髄性白血
病(CML)成人患者さんを対象に、TFRと呼ばれる概念である、治療中止後の分子遺伝学
的効果(MR)を維持する可能性について評価しました 3 。2件の非盲検試験である
ENESTfreedom試験およびENESTop試験の結果により、事前に規定された厳格な試験基準
を満たしたPh+ CML患者さんの50%以上が、一次治療でタシグナを使用していた場合も、
「グリベック(イマチニブ)」*から切り替えた後でも、いずれの場合でも「タシグナ」
中止後にTFRを達成したことが明らかになりました1,2。
ENESTfreedom試験の結果では、一次治療で「タシグナ」での治療を3年以上行った後に、
持続的な深い分子遺伝学的効果を達成した190名のCML患者さんのうち、半数(51.6%)
以上(信頼区間[CI]95%:44.2%~58.9%)が治療を中止し、48週間にわたりTFRを達
成したことが分かりました1。ENESTfreedom試験は、95% CIの下限が50%またはそれ以
上になるという当初の統計的仮定に基づき、TFR期の48週時点で分子遺伝学的大寛解
(MMR; BCR-ABL1 International Scale [IS] ≤ 0.1%)よりも深い治療効果にある患者さん
の割合を主要評価項目としていましたが、これは達成しませんでした1。本試験における治
療期間の中央値は3.6年で、TFR開始前のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)への暴露は短期
*米国、カナダおよびイスラエルにおいて 「グリベック®(イマチニブメシル酸塩)」として知られています
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間でした。MMRの消失により「タシグナ」での治療を再開した86名の患者さんのうち、
98.8%がMMRを回復し(n=85)、88.4%がMR4.5(BCR-ABL1 IS ≤ 0.0032%; n=76)を
回復することができました1。再投与から7.9週、15週までに再投与患者さんの50%がMMR,
MR4.5をそれぞれ達成しました1。1名の患者さんは、「タシグナ」での治療再開後にMMR
を回復できず、7.1週間で試験を中止しました1。
ENESTfreedom試験で治験責任医師を務めた、ドイツのイエナ大学病院の血液・腫瘍内科
科長のアンドレアス・ホフハウス医師(Dr. Andreas Hochhaus, Head of the Department of
Hematology and Medical Oncology, Jena University Hospital)は次のように述べています。
「ENESTfreedom試験は、ニロチニブによる3.6年の短い治療期間後に、治療を中止した患
者さんの50パーセント以上が48週時点でTFRを達成することができたことを示す初めて
の試験です。ニロチニブのTFR試験の結果は、CMLにおけるチロシンキナーゼ阻害薬の治
療中止について検討する既存の研究を増強し、適格患者さんが治療を中止する際の安全か
つ適切な規準を確立するのに役立つ可能性があります1,2,3」
ASCOで発表された2件目のTFR試験であるENESTop試験では、一次治療である「グリベ
ック」での治療後に、「タシグナ」での治療で持続的な深い分子遺伝学的効果を達成する
ことができた126名の患者さんを評価しました2。本試験では、「タシグナ」で3年以上治
療を行った後に持続的な深い分子遺伝学的効果を達成したのは57.9%の患者さん(95%
CI: 48.8%-66.7%)で、治療中止から48週時点で分子遺伝学的効果を維持していました2。
本試験は、TFR期に「タシグナ」を中止して48週以内にMR4.0(BCR-ABL1 IS ≤ 0.01%)
の消失またはMMRの消失が確認されなかった患者さんの割合を主要評価項目としており、
これを達成しました2。本試験では、MR4.0の消失またはMMRの消失が確認された51名の
患者さんが「タシグナ」を再開しました2。これらの患者さんのうち、98.0%(n=50)が
少なくともMMRを回復し、94.1%(n=48)および92.2%(n=47)がそれぞれMR4.0およ
びMR4.5を回復しました2。再投与から12週、13.1週までに再投与患者さんの50%がMMR,
MR4.5をそれぞれ達成しました2。1名の患者さんは治療再開期に入りましたが、20週まで
にMMRを回復しなかったため、試験を中止しました。この患者さんのBCR-ABL1は、「タ
シグナ」による再治療の開始時で62.2%、試験終了時で9.8%でした2。
ノバルティス オンコロジー事業部グローバル開発およびメディカルアフェアーズ責任者
であるアレッサンドロ・リバ(Alessandro Riva, MD, Global Head, Novartis Oncology
Development and Medical Affairs)は次のように述べています。「ノバルティスは20年に
わたり、CMLの治療および理解の進歩において先頭に立ってきました。ノバルティスでは
8件のTFR試験をサポートしており、『タシグナ』で治療した患者さんにおけるTFRの研究
は、この疾患とともに生きる患者さんのために治療を前進させるという、当社のコミット
メントにおける次のステップです」
ENESTfreedom試験の結果は、シカゴで開催されたASCOのオーラルセッション(抄録
#7001、中央部夏時間午後3時12分)で発表されました。ENESTop試験のデータは、6月6
日のポスターセッションで発表されました(抄録#7054、中央部夏時間午前8時~11時)。
両試験とも継続中で、「タシグナ」の中止後長期間にわたり患者さんが寛解を維持するこ
とができるかを評価する、フォローアップが計画されています。これらは、ノバルティス
による「タシグナ」のTFR臨床試験プログラムから得られたデータが初めての発表となり
ます。
「タシグナ」でのTFR試験において重要なのは、定期的かつ頻繁な分子モニタリングによ
って、BCR-ABLの転写量をMR4.5まで測定することが可能だということです。TFR中に頻
回に患者さんのモニタリングを行うことで、MR4.0およびMMRの消失と、治療再開の必
要性を適時に判断することが可能になります1,2。
「タシグナ」の既知の安全性プロファイル以外に、「タシグナ」で治療した患者さんにお
い て こ れ ら の 試 験 で は 新 し い 主 要 な 安 全 性 所 見 は 観 察 さ れ ま せ ん で し た 1,2 。
ENESTfreedom試験では、24.7%の患者さんがTFR期の1年目に筋骨格痛を経験したのに対
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し、地固め療法期として1年間、「タシグナ」を服用していた際にこれを経験した患者さ
んは16.3%でした1。ENESTop試験では、TFR期の1年目における全グレードの筋骨格痛の
割合は42.1%だったのに対し、地固め療法期として「タシグナ」を服用中にこれを経験し
た患者さんは14.3%でした2。両試験において、移行期/急性転化期に進んだ患者さんはい
ませんでした1,2。
CML治療の中止は現在、推奨されていないため、臨床試験においてのみ実施可能です。
ENESTfreedom試験およびENESTop試験での治療の中止は、試験の条件下で事前に規定さ
れた厳格な基準を満たした患者さんで実施しました1,2。
CMLに対するノバルティスのコミットメント
ノ バ ル テ ィ ス は TFR 臨 床 試 験 プ ロ グ ラ ム の 一 環 と し て 、 ENESTfreedom 試 験 お よ び
ENESTop試験を含む8件の試験と、同社が依頼している他の2件の進行中のTFR試験および
4件の医師主導試験をサポートしており、これらは40カ国100カ所以上の世界の施設で現在
実施されています。ノバルティスは、過去数十年にわたるPh+ CMLの研究を通して、白血
病を命に係わる疾患から慢性状態を維持しながら日常生活を送ることができる疾患へと変
えるのに貢献し、世界のCMLコミュニティに対する長年のコミットメントを継続していま
す。ノバルティスは、これらのTFR試験ならびに治験薬を通じて、何がPh+ CMLの治療に
おいて次の大きな貢献となり得るかを探究するために、科学を追求し、既存のエビデンス
を確立していきます。
ENESTfreedomについて
ENESTfreedom(Evaluating Nilotinib Efficacy and Safety in Clinical Trials – Following
REsponsE in De novo CML-CP Patients)は、19カ国132施設で実施された、慢性期にある
215名のPh+ 慢性期CML患者さんを対象とした、非盲検の第II相試験です。ENESTfreedom
試験では、一次治療での「タシグナ」使用でMR4.5を達成し、その後1年間深い分子遺伝
学的効果を維持した190名のPh+ CML患者さんで、治療中止の効果を評価しました。
ENESTopについて
ENESTop(Evaluating Nilotinib Efficacy and Safety Trial)は、18カ国63施設で実施された、
163名のPh+ CML患者さんを対象とした、非盲検の第II相試験です。本試験では、126名の
慢性期のPh+ CML成人患者さんにおいて、「グリベック」の後に「タシグナ」による1年
間の治療で深い分子遺伝学的効果を患者さんが達成および持続した後、治療中止を評価し
ました。
「タシグナ®」(一般名:ニロチニブ塩酸塩水和物)について
「タシグナ」は、122カ国以上で、「グリベック」(一般名:イマチニブメシル酸塩)を
含む少なくとも一つの前治療に抵抗性か不耐容の慢性期または移行期のフィラデルフィア
染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)成人患者さんの治療薬として、また初発の慢性
期Ph+ CML成人患者さんの治療薬として120カ国以上で承認されています。日本では、慢
性期又は移行期の慢性骨髄性白血病を適応症として承認されています。
「タシグナ」の重要な安全性情報
コントロール不良または重大な心疾患のある患者さん、あるいはQT間隔延長のおそれまた
はその既往歴のある患者さんへの使用に当たっては注意が必要です。カリウムまたはマグ
ネシウムの血中レベルが低い場合は、「タシグナ」
の投与開始前に正常化させてください。
QT間隔延長への影響については患者さんの状態を十分に観察してください。治療開始に先
立ち、臨床的に示されているように、ベースラインでのECG測定が推奨されています。稀
ではあるものの(0.1~1%)、重要なリスクファクターのある患者さんについて、臨床試
験での突然死が報告されています。
肝機能障害、膵炎、胃の全摘手術の既往歴のある患者さんへの使用に当たっては注意が必
要です。ガラクトース不耐容性、重篤なラクターゼ欠損症、またはグルコース・ガラクト
ース吸収不良などの稀な遺伝性疾患のある患者さんは「タシグナ」を使用すべきではあり
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ません。妊娠中の「タシグナ」の服用は重大な悪影響を与える可能性があります。「タシ
グナ」を使用中の女性は授乳を避けてください。
最も多いグレード3または4の有害事象は血液学的有害事象(好中球減少症や血小板減少症
など)で、一般に可逆的であり、通常、「タシグナ」の一時中断や減薬で管理可能です。
血球数を定期的に観察してください。膵炎が報告されています。最も多い非血液学的有害
事象は、発疹、掻痒、悪心、疲労感、頭痛、脱毛、筋肉痛、便秘、下痢であり、大半は軽
等度から中等度でした。
処方にあたっては詳しい処方情報をご覧ください。
「グリベック®」(一般名:イマチニブメシル酸塩)について
「グリベック」は、110カ国以上で、全ての病期のPh+CML治療薬、また、切除不能また
は転移性のKIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍(GIST)の成人患者さんの治療薬、KIT陽
性GIST完全切除後の成人患者さんの治療薬としても承認されています。日本では、慢性骨
髄性白血病、KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍(GIST)、フィラデルフィア染色体陽性
急性リンパ性白血病、FIP1L-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群および慢性好酸球性白血病
を適応症として承認されています。
「グリベック」の重要な安全性情報
妊娠中の「グリベック」の服用は重大な悪影響を与える可能性があります。「グリベック」
は重篤な浮腫(腫脹)および重篤な体液貯留との関係が見られます。血球減少症(貧血、
好中球減少症、血小板減少症)がよく見られますが、一般に可逆的であり、通常、「グリ
ベック」の一時中断や減薬で管理可能です。血球数を定期的に観察してください。重篤な
うっ血性心不全や左心室機能不全、肝不全と肝損傷など肝移植を必要とする重篤な肝障害
が報告されています。心疾患や肝機能障害のある患者さんへの投与にあたっては注意深い
観察が必要です。
出血が起きる恐れがあります。KIT陽性GISTの患者さんで重篤な胃腸(GI)出血が報告さ
れています。皮膚反応、レボチロキシン置換薬を使用している患者さんにおける甲状腺機
能低下症、命に関わる胃腸穿孔、場合によっては致命的な腫瘍崩壊症候群なども「グリベ
ック」の副作用として報告されています。治療に先立って脱水症および高尿酸値を正常化
してください。長期的に使用すると、肝臓、腎臓、心臓などに毒性が生じる恐れ、また、
免疫系が抑制される恐れもあります。好酸球増加症候群と心合併のある患者さんにおいて
は、心疾患の症例が「グリベック」による治療の開始と関連付けられています。「グリベ
ック」を小児が服用した場合、成長の遅れが報告されています。「グリベック」による治
療が子供の成長に及ぼす長期的影響は未解明です。
最も多い副作用は、体液貯留、筋肉の痙攣や筋肉痛、骨の痛み、腹部痛、食欲不振、嘔吐、
下痢、ヘモグロビン減少、出血、悪心、疲労感、発疹などです。
処方にあたっては詳しい処方情報をご覧ください。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その
内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどに
より、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、
ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
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ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼
科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅
広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2015年の売上高は494
億米ドル、研究開発費は89億米ドル(減損・償却費用を除くと87億米ドル)でした。スイ
ス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約118,000人の社員を擁しており、世界180
カ国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧ください。
http://www.novartis.com
参考文献
1.
2.
3.
Hochhaus, A. et al. Treatment-free remission (TFR) in patients (pts) with chronic myeloid leukemia in
chronic phase (CML-CP) treated with frontline nilotinib: Results from the ENESTfreedom study. Abstract
#7001. 2016 American Society of Clinical Oncology (ASCO) Annual Meeting in Chicago, IL, USA.
Hughes, H.P. et al. Treatment-free remission (TFR) in patients (pts) with chronic myeloid leukemia in
chronic phase (CML-CP) treated with second-line nilotinib (NIL): First results from the ENESTop study.
Abstract #7054. 2016 American Society of Clinical Oncology (ASCO) Annual Meeting in Chicago, IL, USA.
Hughes, H.P. and Ross, R.M. Moving treatment-free remission into mainstream clinical practice in CML.
Blood. 2016. Advance online publication. doi# 10.1182/blood-2016-01-694265.
以上
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