第2学年1組 音楽科学習指導案

第2学年1組
音楽科学習指導案
日
時 平成 27 年 1 月 14 日(水)
場 所 桜木中学校
授業者 飯田
1
題材名 オーケストラの豊かな表現を味わおう
2
題材設定の意図(省略)
3
研究テーマと研究の手立て
光一郎
(1)音楽科研究テーマ「思いを伝え合い、共に高め合いながら音楽活動の喜びを実感できる活動の充実」
「学ぶ楽しさを味わわせ、学習意欲を高める授業の創造」~身に付けさせたい力を明確にした言語活
動の工夫~という各教科共通の研究主題に基づき、上記の音楽科研究テーマを設定した。各学校の音楽
科においての課題や児童生徒の実態は、音楽を聴いてその音楽の特徴である諸要素を感じ取ったり、言
葉で書いたりする能力は身に付いてきている。しかしながら、言葉で伝え合うことに対して難しいと感
じてしまうこと、その音楽のよさを分かち合うところまで深めることのできない児童生徒がいることも
大きな課題である。そこで、感じたことを言葉で伝え合うことを通してよさを判断し、言語活動での様々
な気付きを基により理解を深め、それぞれが価値判断しながら学習することを目標として本研究テーマ
を設定した。
(2)研究の手立て
手立て① 音楽を聴いて感じ取ったことを言葉や身体表現で表す。
(ねらい)聴き取れたこと書く活動や体を使った表現を取り入れて、一人ひとりの感じたことや考え
たことを明確にする。
○鑑賞する際、聴き取らせたいポイントをあらかじめ提示し、それについて感じたことや分かったこと
を板書してまとめ、クラス全体で考えを共有する。
○音楽を聴いて体の一部を動かすなど体験的な活動を取り入れて、言葉で表現することが苦手な生徒で
も感覚的に音楽を楽しみながら、音楽を形づくっている要素を手掛かりに、楽曲の特徴を捉えていく。
手立て② 小グループでの話合い活動を織り交ぜて、それぞれの価値判断を広げていく。
(ねらい)仲間の考えや意見を伝え合うことで、新たな良さに気付いたり、自らの考えをより深めた
りする。
○3~4人のグループ編成を基に、感じたことをグループで共有し、ワークシートにまとめていく。
○様々な考えや意見を基に、最終的にはその音楽のもつ魅力を自らが判断して、根拠をもって相手に伝
えることができるようにする。
4
題材の目標
音楽全体の諸要素を理解しながら、オーケストラの豊かな表現を味わう。
1
5
本題材と学習指導要領とのかかわり
学習指導要領の内容
「B鑑賞」ア
音楽を形づくっている要素や構造と曲想とのかかわりを理解して聴き、根拠をもって
批評するなどして、音楽のよさや美しさを味わうこと。
「共通事項」ア 音色、旋律、リズム、強弱
イ スタッカート 拍 フェルマータ
6
教材について
○組曲「展覧会の絵」より ≪卵の殻をつけたひなどりのバレエ≫
ムソルグスキー作曲/ラヴェル編曲
3部形式の楽曲。主部では木管楽器によるスタッカートの音符で鳥の鳴き声と軽快な動きを描いて
いる。中間部では、第1ヴァイオリンのトリルとチェレスタが活躍する。低音楽器の使用が控えられ
ていたり、フェルマータで突然動きを止めたりするなど、ひなどりのかわいらしさがあふれる曲とな
っている。
○組曲「展覧会の絵」より
≪カタコンベ≫
ムソルグスキー作曲/ラヴェル編曲
金管の低音を中心に、木管とコントラバスの和音が連続している。フェルマータが効果的に用いら
れており、終始緊張感の漂う雰囲気を醸し出している。オーケストラの重厚なサウンドとダイナミク
スの幅が楽しめる曲となっている。
〈音源:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン)〉
7
題材の評価規準
音楽への関心・意欲・態度
鑑賞の能力
・音楽を形づくっている要素や構造
・音楽を形づくっている要素(音色、旋律、リズム、強弱)を知
と曲想とのかかわりに関心をも
覚し、それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら、
ち、鑑賞する学習に主体的に取り
音楽を形づくっている要素や構造と曲想とのかかわりを理解し
組もうとしている。
て、解釈したり価値を考えたりし、根拠をもって批評するなど
して、音楽のよさや美しさを味わって聴いている。
8
題材の指導と評価の計画
時
○学習内容 ・学習活動
・指導上の留意点 ◆題材の評価規準【評価方法】
1
絵画と音楽の関わりを探しながら聴こう
○教科書のいくつかの絵を見ながら、曲の一部 ・
「グノーム」
「キエフの大門」を聴き、どの絵に
分を聴く。
当てはまるかを予想させる。
・どの絵と結び付けたかの理由を、音楽の諸要 ・共通事項を頼りにしながら、曲の特徴と絵画の
素と結び付けながら考え、ワークシートにメ
特徴を結び付け、自分の考えをもてるようにす
モする。
る。
2
○音楽の特徴と絵画の特徴を照らし合わせなが ・話し合いを通して、絵画と音楽の結び付きにつ
らもう一度音楽を聴く。
いて考えさせる。
・聴取した音楽の諸要素を3~4人のグループ ・絵画と音楽の特徴が一致する点に加えて、そう
で、意見交換する。
でない点も挙げさせる。
・グループでまとめた意見を発表させて、学級
◆関【観察、ワークシート】
全体で意見を共有し、理解を深める。
○数種類の編曲によるプロムナードを聴き比べ
て、曲想の変化を感じ取る。
・原曲のピアノから聴かせることで、オーケスト
・ピアノの原曲版、ラヴェル版、ストコフスキ
ラのもつ多彩な表現の幅に着目させる。
ー版を聴き比べて、表現の違いについて聴き ・グループ毎で音色や強弱等の違いからくる曲の
取る。
雰囲気を話し合わせる。
2
本
時
2つの絵にクローズアップして、それぞれの音楽の特徴を探ろう
○「卵の殻をつけたひなどりのバレエ」の豊か ・グループ毎に一枚スカーフを貸し出し、音楽に
な表現を味わう。
合わせてスカーフを動かしてみる。
・楽曲を聴きながらリトミックスカーフを動か ・グループでスカーフの動かし方と音楽の諸要素
し、音楽の特徴を感覚的に感じ取る。
の関わりを話し合わせる。
・動きによって音楽の具体的な特徴に気付き深 ・よい意見はクラス全体に発表し共有して、もう
める。グループで意見を交換しながら進める。
一度音楽を聴いて確認する。
○「カタコンベ」の豊かな表現を味わう。
・上記の活動と同様に動きを入れながら、感じ ・音楽を聴いて身体の動きで表現する活動を通し
取り、特徴に気付かせ、音楽の諸要素のかか
て、音楽の諸要素の働きを実感し、オーケスト
わりやよさを味わう。
ラの豊かな表現を味わう。
・じっくりと音楽を聴いて、音楽の諸要素のか
◆鑑【観察、ワークシート】
かわりやよさを味わう。
○2つの曲の音楽的な特徴を比較しながら、自
分の考えを発表する。
・ワークシートに2つの曲の特徴を書き込みな ・共通事項を手掛かりに2つの曲の特徴をまとめ
がら、よさを判断させる。
させる。
・グループ毎で発表し、よい意見を学級全体に
向けて発表させ、共有する。
3
・それぞれの考えを発表しやすい雰囲気を作る。
9
本時の学習指導(2/2時)
(1)目標
音楽全体の諸要素を理解しながら、オーケストラの豊かな表現を味わう。
(2)展開
学習内容 ・学習活動
1
・指導上の留意点 ◆題材の評価規準【評価方法】
学習の雰囲気づくりをする
・校歌を合唱する。
時間
5
・のびのびと歌い、授業の雰囲気をつくる。
・前回学習した内容の復習をする。 ・前回の授業で学習した内容を振り返り、意欲を高める。
2
本時の目標を知る
2つの絵にクローズアップして、それぞれの音楽の特徴を探ろう
3
オーケストラの豊かな表現を
味わう
(1)「卵の殻をつけたひなどりの
15
バレエ」がもつ表現を味わう。
・リトミックスカーフを渡して、音
楽を聴きながら感覚的に動かす。
・スカーフの動きに注目して特徴的
な動きがあった場合に、その部分
・動きが出にくい雰囲気になった場合、生徒が表現しやす
いように教員も一緒に動いて例を示す。
・グループでスカーフの動かし方と音楽の諸要素のかかわ
り合いについて話し合わせる。
で音楽にどのような変化があっ
たかを探る。
・その部分についてグループになっ
て気付いたことや意見を交換す
・よい意見はクラス全体に発表し共有して、もう一度音楽
を聴いて確認させる。
る。
(2)「カタコンベ」がもつ表現を
15
味わう。
・スカーフの動きに注目して特徴的
・直前の活動を基にグループ毎に活動を進めさせる。
な動きがあった場合に、その部分
・お互いの動きを観察しながら話し合わせる。
で音楽にどのような変化があっ
・巡回指導しながら音楽のどの要素に関わるのかを教員が
たかを探る。
・その部分についてグループになっ
て気付いたことや意見を交換し
ていく。
・じっくりと静止して聴き、音楽の
特徴やよさを味わう。
アドバイスする。
・グループでスカーフの動かし方と音楽の諸要素とのかか
わり合いについて話し合わせる。
・よい意見はクラス全体に発表し共有して、もう一度音楽
を聴いて確認させる。
◆鑑【観察、ワークシート】
4
(3)2つの曲を比較しながら、自
10
分の考えを発表する。
・ワークシートに2曲の特徴を書き
・共通事項を手掛かりに2つの曲の特徴をまとめさせる。
込みながら、よさを判断させる。
・グループ毎に発表し、よい意見を
学級全体に向けて発表させ、紹介
・発表が終わったら拍手を促す等、発表をしやすい雰囲気
をつくる。
する。
4
本時のまとめ
○振り返りを行う。
5
・感想記入の時間をしっかりと確保して活動を振り返り、
楽曲に対して自分なりの考えをもてるようにする。
・楽曲がもつ魅力やオーケストラの
豊かな表現について、ワークシー
・最後に本時の学習を振り返って、教師がまとめの話をす
る。
トに感想を記入する。
5