3年 数学科 『三平方の定理』(ピタゴラスの定理) ―1― ピタゴラスの定理の発見 ピタゴラス(B.C.582 頃∼B.C.493 頃)は、最も有名な数学者のうちの1 人です。 ある雨の日です。 ピタゴラスは雨に ぬれる、 右のような敷石を敷き詰めた 歩道をぼんやりとながめていました。 そのときです。我々凡人と違って、ピ タゴラスにはある図形が見えてきま した。さて、皆さんには見えますか? ピタゴラスは、当時文明が進んでいたエジプトとバビロニアに、長いこと留学していたそうです。 エジプトにいたとき、ピタゴラスは次のようなエジプト人の知恵に感心していました。 エジプトの測量士(縄張り師)は、しばしば土地の上に互いに直角に交わる 2 本の直線を引く必 要に迫られていました。そのとき彼らは、まず 12 の長さの縄をとり、その一方から 3 の長さの ところに印を付ける。そしてその長さから 4 のところに印を付ける。そうすると残った部分の長 さは 5 である。 こうしておいて、両端をつないで縄を輪にする。そして、2 つの印とつなぎ目を持って縄をピ ンと張れば、ここに 3 辺の長さが 3,4,5 である三角形ができる。このとき、3 の長さの辺と 4 の 長さの辺に挟まれた角はいつも直角になる。(ピタゴラスの定理の逆の定理) これを、図にかいてみる と右のようになります。 3年 数学科 『三平方の定理』(ピタゴラスの定理) ―2― ピタゴラスの定理の証明 (その 1) c b a (その 2) b a c バスカラ(1114∼?)の証明 建部賢弘(1664∼1739)の証明 b ( い) a b−a (あ) b c a b (あ) ( い) a a 3年 数学科 『三平方の定理』(ピタゴラスの定理) ―3― 直角三角形の直角をはさむ 2 辺の長さを a , b 、斜辺の長さを c とします。下の図は a , b が、 問1 a = 1 b = 1 (ア) (イ) a = 2 b = 1 (ウ) a = 3 b = 1 (エ) a = 3 b = 2 の場合、斜辺を 1 辺とする正方形をかいたものです。 (ア) (1) (イ) ( ウ) ( エ) (ア),(イ),(ウ),(エ)の正方形の面積を、図から求めなさい。 (ア) (2) (イ) (ウ) それぞれの直角三角形について、 a 2 (エ) (ア) , b 2 , c 2 を求め、右の (イ) (ウ) (エ) a2 表を完成しなさい。 b2 c2 a 2 , b 2 , c 2 の間にはどんな関係がありますか。 (3) 問2 下の図の直角三角形で、残りの辺の長さを求めなさい。 ( ア) (イ) (ウ) 12㎝ 5㎝ 10㎝ 13㎝ 5㎝ 3㎝ 3年 数学科 『三平方の定理』(ピタゴラスの定理) ―4― ピタゴラスの定理(三平方の定理)の使い方 次のそれぞれの図の x の長さを求めてみましょう。 ( ア) (イ) (ウ) 9 χ χ 4 3 5 8 χ 4 ( オ) (カ) ( キ) χ 5 6 13 χ 5 12 8 χ (ケ) (ク) (コ) 8 7 χ χ 10 χ 7 8 6 1辺の長さが7㎝の正方形 の対角線の長さ ( ス) (シ) ( サ) 6 χ 6 χ 6 9 5 3 6 1辺の長さが6㎝の 正三角形の高さ 4 3 10 3年 問3 問4 数学科 『三平方の定理』(ピタゴラスの定理) ―5― 次の図のそれぞれの長さを求めなさい。 ( ア) 縦 3 ㎝、横 4 ㎝の 長方形の対角線 (エ) 対角線が 6 ㎝と 12 ㎝の ひし形の1辺の長さ (イ) 1辺が 4 ㎝の 正方形の対角線 ( オ) (ウ) 1辺が 6 ㎝の 正三角形の高さ 上底が 5 ㎝、下底が 11 ㎝、 高さが 7 ㎝の等脚台形の等辺の長さ 次の図の x の長さを求めなさい。 (ア) (イ) (ウ) χ 15 4 3 9 45° χ 4 χ (オ) (エ) (カ) 10 25 3 60° χ χ 30° χ 20 ( キ) (ク) (ケ) 6 6 χ 45° χ 60° χ 45° 6 3年 問5 数学科 『三平方の定理』(ピタゴラスの定理) 次の 2 点間の距離を求めなさい。 (ア) A(1 , 2 ) , B(4 , 6 ) (イ) A(2 , 1) , B(6 , 7 ) (ウ) A(− 3 , 1) , B (2 , 6 ) (エ) A(− 5 , − 6 ) , B (2 , − 3) 問6 次の問いに答えなさい。 (ア) 半径 10 ㎝、中心からの距離が 6 ㎝のところにある弦の長さ。 (イ) 半径 6 ㎝の円の中心から 16 ㎝離れた点から引いた接線の長 さ。 (ウ) 半径 3 ㎝の円と、半径 5 ㎝の円が外接していると きの共通接線の長さ。 (エ) 半径 10 ㎝の球を、中心から 8 ㎝のところを平面で切断したときの 切断面の面積。 ―6― 3年 問7 数学科 『三平方の定理』(ピタゴラスの定理) ―7― 次の x , y の長さを求めなさい。 (イ) ( ア) ( ウ) x 7 2 x y x 45° 3 5 (エ) 10 ( オ) (カ) y 30° x y 2 2 45° 6 x x 3 2 3 ( キ) (ク) (ケ) 75° 2 6 x x 3 7 60° 60° y 問8 x 2 3 5 7 y 次のそれぞれの長さを求めなさい。 (ア) 縦 1 ㎝,横 4 ㎝,高さ 2 ㎝の直方体の対角線の長さ。 2㎝ 4㎝ (イ) 1 辺が 5 1㎝ 3 ㎝の立方体の対角線の長さ。 5 3 3年 数学科 『三平方の定理』(ピタゴラスの定理) ―8― (ウ) 底面の半径が 4 ㎝,高さが 8 ㎝の三角すいの母線の長さと表面積。 8㎝ 4㎝ (エ) 底面が 1 辺 4 ㎝の正方形、母線の長さが 8 ㎝の正四角すいの高 さと表面積。 8㎝ 4㎝ (オ) 1 辺が 6 ㎝の正四面体の高さと体積。 6㎝ 問9 右の図は、AC=5 ㎝、CB=6 ㎝、∠ACB=90°の直角三 D 角形 ABC を底面とし、DC=8 ㎝を高さとする三角すいであ る。 2 辺 AD,BD の中点をそれぞれ P,Q とするとき、次の問いに 答えなさい。(1998 学力検査) (ア) 2 点 A,Q 間の距離を求めなさい。(三平方の応用) Q 8㎝ P 6㎝ (イ) 3 点 P,Q,C を通る平面でこの立体を切り、2 つの立体に 分けるとき、 頂点 A を含む方の立体の体積を求めなさい。 C B 5㎝ (三角すいの体積) A
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