Pythagorean MP

€
ピタゴラスの定理の導入 マスタープラン
1.学習の題材
授業コンセプト 対象学年:中学校3年生
正方形の辺上の4点を頂点とする四角形
の面積を求めよう.
2.学習のねらい
与えられた正方形の内部の正方形の面積を求めることを通して,直角三
角形上の3つの正方形の関係(三平方の定理)を発見することができる.
このマスタープランは,「三平方の定理」の単元(中
学校3年生)の第1時間目の授業のためのプランで
ある.正方形の内部に作図した正方形の面積を求め
る問題を通して,直角三角形の3辺上の正方形の面
積の関係(三平方の定理)を発見させることがねら
い.正方形の面積を求める問題の解決過程で意義を
持つ定理として「三平方の定理」を印象的に導入し
たい.
b
a
3.学習活動の計画と意図
a
b
(1)正方形の各辺に4点をとり四角形 ABCD の面積を求める.
A
b
a
D
b
1辺 10c mの 正方形 (折り 紙の 場合は 15
a 2 + b2 = c 2
a
2
内部の正方形の面積は, ( a + b) − 4
cm)を与え,4つの直角三角形の各辺を実測さ
めることができる.したがって,内部の正方形の1辺を c
せ,四角形 ABCD の面積を求めさせる.
B
1
ab = a 2 + b 2 で求
2
c
2
2
2
とすると, c = a + b が成り立つ.
C
(2)内部の四角形を正方形にしてその面積を求める.
【発問1】:四角形 ABCD が正方形になることがありますか?
a
b
A
b
a
B
各辺を a,b に分割する点を取ると4つの直
正方形の各辺を同じ長さに分割する点をとっていけ
角三角形はすべて合同となり,
四角形 ABCD
ば,内側に正方形 ABCD ができることに気付かせ,
は正方形となる.
三角形の合同条件をもとに証明して確認させたい.
D
a
b
b
C
a
【発問2】:四角形 ABCD が正方形になるとき,その面積を求めなさい.! 簡単に求めることはできませんか?
7cm
3cm
内部に正方形を作図させ,面積を求めさせる.その後,
生徒に適当な数値で正方形を内部につくらせ,それ
もっと簡単に求めることはできないかを考えさせる.
ぞれ面積を求めさせる.左例のように数値式による
2
2
表現を通して,58= 3 + 7 になっていることに気
1
(内部の正方形)= 10 ⋅10 − 4 ⋅ 3⋅ 7 = 100 − 42 = 58
2
付かせたい.また,文字式 (a + b) 2 = a 2 + 2ab + b 2 を
使って一般的に説明もさせてもよい.
€
1
2
2
2
2
(内部の正方形)= (3+ 7)(3+ 7) − 4 ⋅ 3⋅ 7 = 3 + 2 ⋅ 3⋅ 7 + 7 − 2 ⋅ 3⋅ 7 = 3 + 7€ = 58
€
2
(3)内部の正方形の面積が b 2 + c 2 で求められる理由を考える.
①
10cm
€
③
10cm の枠を用意し,その
中で4つの直角三角形を並べ替える.
【三平方の定理】
その中で2つの正方形に注目させ,①
と④との比較を通して,3つの正方形
の面積の関係(三平方の定理)を発見
枠の中で並べ替える
させたい.
2つの正方形に気付く
切り離す
②
④
3つの正方形の面積
の関係を表現する
Designed by S. Yamamoto, 2004.12.19