身体組成分析装置MLT550N の使用経験 ○中村佳史1)大﨑章弘1)高橋稜1)加藤秀和1)田中紀光1) 三宅哲郎1)滝沢眞美1)牧山哉1)高橋貢3)祖父江文男2) 医療法人葵 美合クリニック 臨床工学部1) 同内科2) 葵セントラル病院 臨床工学部3) 目的 現在当院ではDWの設定をするにあたり 複数の指標を用いている。適正なDWを設 定するには様々な視点から評価すること が必要であるため、今回多周波数生体電 気インピーダンス法を用いた身体組成分 析装置MLTー550Nの結果と他の指標を 比較し有用性を検討したので報告する。 方法 透析終了後に測定したMLTー550Nの結果 より細胞外液率(ECW/FFM)をCTR、PWI、 WAB(週平均化血圧)、h-ANPと比較し検討 した。また、臨床で有用に活用できているかの 確認のためスタッフ19名(看護師11名臨床工 学技士8名)にアンケートを行った。 ※CTR ・・・透析前測定 WAB ・・・一週間の自宅血圧および透析前後血圧の平均値 対象 当院維持透析患者50名(男性34名 女性16名) 平均年齢71.3±10.1歳 平均透析歴6.5±6.3年 細胞外液率と他の指標の相関 250 Y=-0.143x+54.406 70 60 Y=-0.313x+151.948 200 50 C T 40 R ( 30 % ) 20 150 W A B 100 R=0.160 n=50 10 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 R=0.1 n=50 50 0 45 0 10 20 ECW/FFM[%] 6 5 4 3 P 2 W I 1 0 R=0.436 n=47 0 10 20 30 -3 ECW/FFM[%] 50 40 50 h A N P Y=4.706xー33.352 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 R=0.657 n=14 0 -2 40 ECW/FFM[%] Y=-0.132x+5.589 -1 30 5 10 15 20 25 ECW/FFM[%] 30 35 40 細胞外液率+5.0%以上上昇した患者における他の指標の推移 65 52.433±5.078 60 48.767±4.117 55 50 45 40 200 35 n=9 180 139.444±17.657 140.889±23.105 30 CTR(%)前 160 CTR(%)後 140 6 5 120 3.022±1.345 100 1.867±1.665 4 80 3 60 n=9 WAB前 2 1 0 PWI前 -1 PWI後 n=9 WAB後 細胞外液率-5.0%以上低下した患者における他の指標の推移 65 53.571±5.414 53.971±6.478 60 55 50 45 163.429±27.886 220 40 200 35 n=7 155±21.932 180 30 CTR(%)前 160 CTR(%)後 140 6 120 2.914±1.665 100 5 80 4 1.743±1.345 60 WAB前 3 2 1 n=7 0 PWI前 -1 n=7 PWI後 WAB後 アンケート結果 ・MLTー550 Nの測定結果は基礎体重の設定に 有用か はい 18名 いいえ 0名 どちらともいえない 1名 ・MLTー550N測定をすることで通常業務に支障 があるか はい 0名 いいえ 19名 スタッフが考える利点、欠点 利点 ・測定結果を客観的に判断できる。 ・無侵襲で迅速な測定が可能。 ・患者の状態を把握したいときにいつでも測定できる。 欠点 ・測定を重ねないと患者ごとの管理値の把握ができ ない。 ・対象外の患者が存在する。(逸脱した体型や四肢 切断の患者など) 考察 適正なDWだと思われる患者でも細胞外液率 (ECW/FFM)の値にはばらつきがみられたため、 患者ごとに他の指標と比較し適正値を設定するこ とが必要である。また、DW再検討の際は他の指 標が同様の傾向を示しているか確認し信頼性を高 めることが必要である。 いつでも無侵襲で迅速な測定ができる利点は大き くDW設定の指標として非常に有用だといえる。 日本透析医学会 CO I 開示 筆頭発表者名: 中村 佳史 演題発表に関連し、開示すべきCO I 関係にある 企業などはありません。
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