X線ロッキングカーブ法 XRC X-Ray Rocking Curve 測定原理:XRCは、単色化された平行性のよいX線を、単結晶基板や基板上に成膜されたエピタキシャル薄 膜などに入射し、測定される回折強度曲線と理論的に計算される回折強度曲線を合わせることによって、結 晶性、歪み、組成、膜厚などを評価する方法です。理論計算では、エピタキシャル成長させた単結晶薄膜の 方位や結晶系に応じた弾性変形のほか、X線の発散角や偏光、試料湾曲などを考慮して、結晶格子面におけ る回折現象を動力学的回折理論によって計算します。(図1) また、回折条件を満たす入射・回折角度近傍をスキャンした逆格子マップで結晶格子歪等を評価できます。 応用例:Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体(GaAs系)やⅣ族半導体(SiGe系)のほか、GaNなどの六方晶系結晶の基板 やエピタキシャル薄膜について、結晶性や歪、組成、膜厚などが評価できます。サファイア基板上のGaNバ ッファ層にエピタキシャル成長したInGaN層/GaN層の組成比と膜厚を求めた例を図2に、Si基板上にエピタ キシャル成長したSiGe層の逆格子マップから格子定数とGe濃度を求めた例を図3に示します。 N (表面側) : 回折X線 n+1 n 入射X線 格子面 n-1 透過X線 回折X線 : 0(裏面側) 裏面側から表面側まで 各格子面における4つの X線を順に計算していく 図1 XRCの測定原理 X線回折強度 (相対値) 回折X線 入射X線 超格子0次ピーク Qy GaNバッファ層 超格子サテライトピーク ・・・ ・・・ 超格子周期 2θ角度 格子定数(Å) Ge濃度 緩和率 (%) (%) a, b c Qx サファイア基板上のGaNバッファ層に [GaN(15nm)/In0.08GaN0.92(3.5nm)]5周期をエ ピタキシャル成長させた超格子試料のGaN 0002 のロッキングカーブ (赤:測定データ,青:計算値) Si基板上にエピタキシャル成長させた Si0.953Ge0.047層のSi 224近傍の逆格子マップ 図2 化合物半導体(超格子)測定例 図3 単層 SiGe 逆格子マップ測定例 SiGe 5.438 Si Copyright: © 2010-2014 Tsukuba Society of Characterization and Analysis for Nanoelectronics. All rights reserved. 5.444 4.7 70 5.4307 杵渕 隆男 (株)リガク
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