P-⑫-1 ハッピーキャス SV における穿刺針固定方法の再検討 P-⑫

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ハッピーキャス SV における穿刺針固定方法の再検討
医療法人社団スマイル 博愛クリニック
○三宅良尚、神野雄太、北 初美、細木貴司、玉置貴志、吉田賢治、
藤井恵子、山内崇宏、高杉敬久
当院では、針刺し事故に対する安全性確保の為、2012年より透析用穿刺針を翼状
針からハッピーキャスSVに変更している。その際、多くのテープ固定方法を試し、
抜針事故を最小限に抑えてきた。
しかし、V字固定やテープ枚数の多さに対する患者皮膚負担の声や、穿刺針自体の
形状や長さの改良により、2年の歳月の間にスタッフ毎の固定方法も若干変わってき
ている。
そこで、抜針事故防止と患者皮膚負担軽減を目的に、固定方法に対する調査を行い、
安全な固定方法の再統一を試みたので報告する。
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VA トラブルスコアシートの改良と効果
日立造船健康保険組合 因島総合病院 透析センター1)、
日立造船健康保険組合 因島総合病院 内科2)
○戸田 孝1)、山野雄貴1)、松重恭平1)、井上 透1)、熊谷有起1)、
佐貫健太郎1)、近藤隆司1)、西 宏行1)、氏家一尋2)、河本紀一2)
【背景】バスキュラーアクセス(以下VA)は極めて高流量の血液が静脈内を流れる
ことに加え、日常的な穿刺による侵襲が加わり、拡張、蛇行、狭窄といった様々な変
化が生じる。特に狭窄の発生頻度は高く、閉塞、再循環、穿刺困難といった問題に直
結する。当院でのトラブルスコアシートを用いたVA管理について報告する。
【方法】従来より当院で用いていたトラブルスコアシートを2011年版慢性血液透析用
バスキュラーアクセスの作製および修復に関するガイドラインに準じ、改良した。体
外循環中に事象発生(脱血不良、返血圧上昇)を認めた場合トラブルスコアシートに
状態を記入、点数化した。事象発生からVAIVTに至るまでの期間をトラブルスコア
シート改良前と後で比較した。
【結果】トラブルスコアシート改良前27.8±11.2日、改良後13.2±4.4日であり改良後有
意(対応のないt検定、P=0.009)に短期間でVAIVTとなっていた。
【考察】ガイドラインに準じたトラブルスコアシートの改良はVAの理学的所見を点
数化することで診断補助に有益であると考えられた。また誰が行っても結果に大きな
差が出ることなくVAトラブルに対応できると考えられた。
【まとめ】トラブルスコアシートを用いることで早期な対応ができ急な閉塞、透析効
率の低下を予防できた。新人から熟練スタッフまで大差ないVA評価が可能となった。
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ハッピーキャス V(AZ)の使用 ~穿刺痕の治りは良くな
るのか~
医療法人いきいき.クリニック
○錦織里奈、村松侑哉、富永明博、長妻慎也、廣永知世、船越裕行、
別府昌子、横木広幸
目的〉当院では平成25年4月から針刺し事故防止を目的としコヴィディエン社製の安
全針を使用し穿刺をおこなってきた。血液流量300ml/minまでは16G、300以上は15G
を使用している。しかし、穿刺痕の治りが悪い患者の存在をみとめた。今回、穿刺痕
の治りにくい患者を対象とし穿刺針をメディキット社製のハッピーキャスV(Back
Cut針)に変更し穿刺痕の治り具合を目視・聞き取り調査にて評価したので報告する。
方法と対象〉血液流量350ml/minで15G使用患者1名と300ml/minで16G使用患者1
名を対象とした。
穿刺針の変更前後で治り具合を比較する写真を撮影し、また患者に聞き取り調査を
行った。
結果〉15G使用患者では針痕の治りは以前と比較して改善していた。16G使用患者で
は以前と比較して針痕のサイズは小さくなった。15G使用患者からは「治りが早くなっ
た。針痕が気にならなくなった。」、16G使用患者からは「あまり変わらないかな」と
の意見をいただいた。
考察〉16G使用患者は1つ1つの針痕のサイズは以前と比較すると小さくはなってい
たが、あまり変化が見られなかったのは、年齢・透析歴・原疾患が関係していると考
えられる。
まとめ〉穿刺痕の治りが改善した患者とあまり変化のなかった患者がいたので、今後
は患者数を増やして調査をしていきたい。
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当院における VA 管理への取り組み
笠岡第一病院 血液透析部
○原 直史、俵 千紘、三宅由起、亀鷹孝行、松井宏子、安藤美紀、
原田和博、阿曽沼裕彦、宮島厚介
【目的】バスキュラーアクセス(以下VA)を長期的に維持するためにVAの機能評価
は重要である。また、良好なVAの維持は透析効率を左右する重要な因子である。当
院では透析前後のシャント音聴取を行っていたが、VA閉塞等のトラブルも散見され
た。そこで昨年よりポータブルエコー(以下エコー)の導入にあたりVA管理チーム
を立ち上げたので、その取り組みを報告する。
【対象】当院に通院中の維持透析患者(入院患者も含む)
【方法】エコー導入前後でのPTA件数、VA閉塞、シャント再建術の推移を比較検討
した。シャントトラブルスコアリング(以下STS)を使用し、2週間に1度同一スタッ
フにてスコアの算出を行った。
【結果】エコー導入後よりPTA件数は増加傾向、VA閉塞は減少傾向となった。また、
STSを使用することで予見的対処が可能となり、スタッフのVA管理に対する関心を
高めることができた。
【まとめ】エコー、STSでのVA管理は狭窄をはじめとするVAトラブルの早期発見、
早期治療に役立ち重要であると考えられる。VA管理チームを立ち上げ、取り組むこ
とにより適切な管理に繋がると思われる。今後の課題としてVAマップを作成し、ス
タッフ間での情報共有を目指す。
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VA( バスキュラーアクセス ) 管理における VA エコースク
リーニングのカットオフ値に関する検討
山陽腎クリニック1)、
山陽病院2)
○榊原祐也1)、野宮拓真1)、砂原崇志1)、矢野真悟1)、松岡幸則1)、
辰川自光2)、辰川匡史2)、森 雅弘1)
【目的】当院では2013年4月よりVAエコーを導入した。VAエコー導入に伴い、VA
修復術への紹介もスムーズになりスタッフ・患者様共にVAのアセスメントの向上に
も繋がっている。VAエコー検査においてRI(resistance index)の上昇や、FV(flow
volume)の低下はシャント不全を示唆する重要な所見であるが、施設によって感度
が異なるため当院におけるカットオフ値を検討した。
【対象・方法】対象は当院透析患者285名の内、VAエコー導入から現在(2013年4月
~2014年7月)の間に理学的所見(脱血不良・血液データ異常・修復術等)ありVA
エコー施行した症例130例。RI・FVの数値を独立変数、シャント修復術の実施を二
分変数としROC曲線を描画、カットオフ値を算定し感度・特異度を求めた。
【結果】カットオフ値はRI0.62、FV373ml/minであった。FV<373ml/minとすると、
感度91.4%、特異度79.2%であった。RI≧0.62とすると感度76.4%、特異度86.2%であっ
た。
【考察】VAエコーの結果によってRI・FVの変位が現れた症例はシャント修復術を要
したため、今回得られたカットオフ値はシャント不全の予測因子として有効である事
が示された。
【結語】今回得られたデータを今後AVF管理の指標としていき、アセスメントの向
上・VA長期管理に繋げたい。
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バスキュラーアクセスカテーテル管理における評価表の作成
について
松江赤十字病院 医療技術部 臨床工学課
○大峠咲弥香、松前ひとみ、福島大空、須山辰也、岩田敬治、村上純司、
日野厚志、福田勇司、原 敏郎
【はじめに】当院では、シャントトラブル時や緊急血液浄化療法時などの一時留置目
的、またはシャントの作成が困難な患者への長期留置目的にてバスキュラーアクセス
カテーテル(以下カテーテル)を挿入し血液浄化療法を施行している。しかし、カテー
テルは内シャントと比較し感染を起こしやすく、また閉塞による血液流量低下がしば
しば発生する。安定した血液浄化療法を施行するためには日々のカテーテル管理が重
要であり、当院でも感染および閉塞の評価を行っている。しかし、毎回担当者が変わ
ることや、確立した指標がないことにより各個人の評価にばらつきがあるのが現状で
ある。今回、スタッフのカテーテルの評価を統一するために評価表を作成し、有用性
について検討したので報告する。
【方法】カフ型・非カフ型カテーテルを挿入した患者を対象とし、血液浄化療法開始
時に脱血の状態、血栓の有無などの閉塞状態を評価項目に沿って評価する。感染兆候
については、カテーテル出口部の状態、患者の全身状態などを評価項目に沿って評価
する。また、評価表を使用したスタッフへアンケートを実施し、評価表を使用して有
用性があったか調査を行う。
【結果】第23回中国腎不全研究会にて報告する。
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