糖尿病のお薬について 兵庫県立姫路循環器病センター 薬剤部 食べた糖質は どこへ行くのでしょう? (食 炭物 水中 化の 物糖 )質 胃 ●▲ ▲ インスリン 小 腸 ● ブ ド ウ 糖 薬効別 服薬指導マニュアル 第4版 じほう 血糖値の動き 糖尿病の治療 食事療法 運動療法 薬物療法 糖尿病の治療 食事療法 運動療法 薬物療法 糖尿病の薬物療法 Ⅰ血糖降下剤 ①経口剤療法(飲み薬) スルホニル尿素剤(SU剤) 速攻型インスリン分泌促進剤 α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI) ビグアナイド剤(BG剤) インスリン抵抗性改善剤 DPP-4阻害剤 ②注射療法 インスリン注射剤 インクレチン注射剤 Ⅱ合併症治療剤 糖尿病の薬物療法 Ⅰ血糖降下剤 ①経口剤療法(飲み薬) スルホニル尿素剤(SU剤) 速攻型インスリン分泌促進剤 α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI) ビグアナイド剤(BG剤) インスリン抵抗性改善剤 DPP-4阻害剤 ②注射療法 インスリン注射剤 インクレチン注射剤 Ⅱ合併症治療剤 病態に合わせた内服薬の選択 日本糖尿病学会編:糖尿病治療ガイド 2010.より インスリン分泌促進薬 インスリンを出すよう命令する薬 1)スルホニル尿素薬(SU剤) 2)速効型インスリン分泌促進薬 (グリニド) 3)DPP-4阻害薬 スルホニル尿素薬(SU剤) すい臓に直接働き かけて、 インスリ ンの分泌を増やす。 アマリール錠 ダオニール錠 グリミクロン錠 オイグルコン錠 など SU剤(当院採用薬) アマリール錠OD 0.5mg 、1mg ダオニール錠 2.5mg グリミクロン錠 HA20mg、40mg SU剤の特徴 作用時間:比較的長く、1日1回または2回 の服用が多い。 飲む時間:食事の影響を受けにくいので、 食前、食後いずれでも構いません。 飲み忘れたとき:すぐに気付いた場合飲ん でください。食事からかなり時間がたった ときは忘れた分を抜いてください。 副作用:低血糖、胃腸障害、肝障害など 空腹時の血糖値を下げる効果が大きい。 お腹が減るため、食べ過ぎると肥満になる 可能性があります。食事療法を徹底してく ださい。 食後の高い血糖値だけでなく、空腹時の高い血糖値も下げます。 つまり、全体的に血糖値を下げる薬です。 速効型インスリン分泌促進薬 すい臓に直接働き かけて、 素早くイ ンスリンの分泌を 増やす。 スターシス錠 ファスティック錠 グルファスト錠 など 速効型インスリン分泌促進薬 (当院採用薬) スタ-シス錠 30mg、90mg グルファスト錠 10mg 速効型インスリン分泌促進剤の特徴 作用時間:速やかに作用は発現し、短時 間で消失。 飲む時間:必ず食事の直前(10分以内) に飲んでください。 おはしを持ったら飲 飲み忘れたとき:食事をはじめていたら んで、すぐ食事! 1回飛ばしてください。 薬を飲んでから食事まで時間がかかると 低血糖症状になる危険があります。 食後の高血糖を下げます。 DPP-4阻害薬 食事により、小腸から分 泌されるインクレチンの 分解を妨げて、インクレ チン量を増やし、インス リンの分泌を増やす。 エクア錠 グラクティブ錠 ネシーナ錠 トラゼンタ錠 ジャヌビア錠 など インクレチンは血糖値が高 いときのみインスリンの分 泌を促すホルモンです。 DPP-4阻害薬(当院採用薬) エクア錠50mg ジャヌビア錠 25mg、50mg ネシーナ錠12.5mg トラゼンタ錠5mg DPP-4阻害薬のはたらき 膵臓 DPP-4 インスリン DPP-4阻害薬のはたらき 膵臓 DPP-4阻害薬 DPP-4 インスリン DPP-4阻害薬の特徴 作用時間:比較的長く、1日1回または2回 の服用が多い。 飲む時間:食前、食後いずれでも構いませ ん。 飲み忘れたとき:気付いたときに飲んでも らって構いません。 副作用:悪心、胃部不快感、低血糖、便秘、 下痢など 血糖値が高いときだけインスリンを出させ、 低いときには出させないようにして、血糖 値に合わせて上手にインスリン分泌を促し ます。 インスリン抵抗性改善薬 インスリンの効きをよくする薬 1)ビグアナイド薬(BG剤) 2)チアゾリジン薬 ビグアナイド薬(BG薬) 肝臓がブドウ糖を 作るのを抑える。 ブドウ糖の利用を 高める。 メトグルコ錠 ジベトス錠 など ビグアナイド薬(当院採用薬) メトグルコ錠250mg ジベトス錠50mg ビグアナイド薬の特徴 飲む時間:食前、食後いずれでも構いません。 飲み忘れたとき:気付いたときに飲んでもらっ て構いません。次に飲む時間が近いときは忘れ た分を抜いてください。 副作用:消化器症状、低血糖、乳酸アシドーシ ス(吐き気、腹痛、下痢、強い全身のだるさ、 呼吸が荒くなる)など 心臓カテーテル検査等造影剤検査の前後2日間は 服用しないでください(医師の指示に従ってく ださい)。 シックデイで食事困難なときや脱水のときは服 用しないでください。 チアゾリジン薬 筋肉や肝臓でのイ ンスリンの効きを よくし、ブドウ糖 の利用を高める。 インスリンの効き が悪くなっている 人等に使用する。 アクトス錠 など チアゾリジン薬(当院採用薬) アクトス錠15mg チアゾリジン薬の特徴 飲む時間:食前、食後いずれでも構いませ ん。 飲み忘れたとき:気付いたときに飲んでも らって構いません。次に飲む時間が近いと きは忘れた分を抜いてください。 副作用:むくみ、体重増加、心不全の発 症・悪化、低血糖、肝機能障害など 脂肪細胞を増やす作用があるので、体重が 増えないように、食事療法を徹底する必要 があります。 食後高血糖改善薬 糖分の分解・吸収を抑え、食後の血 糖が急激に上がることを抑える薬 1)α―グルコシダーゼ阻害薬 2)速効型インスリン分泌促進薬 α―グルコシダーゼ阻害薬 小腸での二糖類から 単糖(ブドウ糖)へ の分解を遅らせる。 それにより、ブドウ 糖の吸収がゆっくり になる。 グルコバイ錠 ベイスンOD錠 セイブル錠 など α-グルコシダーゼ α―グルコシダーゼ阻害薬(当院採用薬) グルコバイ錠100mg ベイスンOD錠 0.2mg、0.3mg セイブル錠 25mg、50mg α―グルコシダーゼ阻害薬の作用イメージ 胃~小腸 消化・分解 消化・分解 消化・分解 消化・分解 でんぷん でんぷん 血管 消化・分解 消化・分解 二糖類 二糖類 ブドウ糖 α―グルコシダーゼ阻害薬の作用イメージ α‐グルコシダーゼ 阻害剤 胃~小腸 消化・分解 消化・分解 消化・分解 消化・分解 消化・分解 消化・分解 食事の中の糖分がブドウ糖に分解されるのを遅らせる でんぷん でんぷん 血管 二糖類 二糖類 ブドウ糖 α―グルコシダーゼ阻害薬の作用 糖質 十二 指腸 空腸 回腸 大腸 通常の糖質吸収 α‐グルコシダーゼ 阻害薬投与時 血 糖 時間 ブドウ糖の吸収を遅くするので、食後の血糖値が急に 上がるのを抑えます。これはゆっくり食べるのと同じ ような働きをするお薬といえます。 α―グルコシダーゼ阻害薬の特徴 飲む時間:必ず食直前に飲んでください。 飲み忘れたとき:食事中なら飲んでくだ さい。食事が終わっていたら1回飛ばし てください。 副作用:お腹が張る、オナラの増加など これらの症状は次第に減っていきますので勝手に服用をやめず、万一 症状がひどくなる場合は医師に相談してください。 低血糖のときは必ずブドウ糖をとってく ださい。 ★砂糖は効果が出るのが遅いです! 低血糖時にブドウ糖を摂る理由 α―グルコシダーゼ阻 害薬を飲んでいない人 砂糖 胃~小腸 消化・分解 消化・分解 消化・分解 消化・分解 でんぷん でんぷん 血管 消化・分解 消化・分解 二糖類 二糖類 血糖値上昇 ブドウ糖 低血糖時にブドウ糖を摂る理由 砂糖 胃~小腸 消化・分解 消化・分解 消化・分解 消化・分解 でんぷん でんぷん 血管 低血糖 持続 α‐グルコシダーゼ 阻害剤 α―グルコシダーゼ阻 害薬を飲んでいる人 消化・分解 二糖類 二糖類 消化・分解 ブドウ糖 血糖値上昇が遅れる 経口剤療法まとめ チアゾリジン剤 スルホニルウレア剤(SU剤) 速攻型インスリン分泌促進剤 ●▲ ビグアナイド剤(BG剤) ▲ DPP-4阻害剤 ● α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI) 薬効別 服薬指導マニュアル 第4版 じほう 糖尿病の薬物療法 Ⅰ血糖降下剤 ①経口剤療法(飲み薬) スルホニル尿素剤(SU剤) 速攻型インスリン分泌促進剤 α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI) ビグアナイド剤(BG剤) インスリン抵抗性改善剤 DPP-4阻害剤 ②注射療法 インスリン注射剤 インクレチン注射剤 Ⅱ合併症治療剤 糖尿病の薬物療法 Ⅰ血糖降下剤 ①経口剤療法(飲み薬) スルホニル尿素剤(SU剤) 速攻型インスリン分泌促進剤 α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI) ビグアナイド剤(BG剤) インスリン抵抗性改善剤 DPP-4阻害剤 ②注射療法 インスリン注射剤 インクレチン注射剤 Ⅱ合併症治療剤 注射療法 インスリン注射 インクレチン注射 ●▲ ▲ インスリン インスリン注射が必要なとき 1型糖尿病(すい臓でインスリンが作られない) 糖尿病性昏睡 2型糖尿病で、食事療法・スルホニル尿素剤でコ ントロール不良の場合 肺炎などの重い感染症にかかった場合 大ケガや大きな手術を受ける場合 副腎皮質ステロイド剤を使用する場合 妊婦 重度の腎機能障害、肝機能障害がある場合 (μ U/mL) インスリンの追加分泌と基礎分泌 基礎分泌 50 0 12am インスリン 6 12pm 6 12am (μ U/mL) 追加分泌 50 0 12am インスリン 6 12pm 6 12am [在宅インスリン自己注射マニュアル(文光堂):pp.7,1995] インスリンの種類 種類 製 剤 名 ヒューマログ注 ラベルの色 小豆色 超速効型 食事の直前 ノボラピッド注 速効型 ヒューマリンR注 混合型 (速効型) ヒューマリン3/7注 混合型 (超速効型) ノボラピッド30mix注 持効型 注射時間 オレンジ色 黄色 食事30分前 茶色 食事30分前 イノレット30R 青色 食事の直前 ヒューマログミックス50注 赤色 レベミル注 深緑色 ランタス注 淡紫色 トレシーバ注 黄緑色 超速効型 食直前の注射により食後の血糖上昇 を抑えます。 1日3回 朝・昼・夕食直前 速効型 食事の20~30分前に注射するこ とで食後の血糖上昇を抑えます。 1日3回 朝・昼・夕食事の30分前 中間型 ある一定量の基礎インスリンを補充 します。 1日1回 寝る前 など 混合型 超速効型、速効型インスリンと中間型イン スリンを様々な比率で混合したインスリン です。 製剤に記載されている数字は超速効型や速 効型の含まれている割合を示します。 例)ノボラピッド30ミックス注 超速効型のインスリンが30%含まれている 1日2回 朝・夕食直前 持効型 およそ24時間~42時間にわたり 基礎インスリンを補充します。効果 が一定でピークが少ないです。 1日1回 食直前 又は 寝る前 インスリン注射の投与例 1日3回朝昼夕食直前注射と眠前注射(ヒューマログ注とランタス注) (μ U/mL) 50 0 0時 体内の正常な インスリン分泌 6時 12時 18時 0時 18時 0時 1日2回朝夕食直前注射(ノボラピッド30mix) (μ U/mL) 50 0 0時 体内の正常な インスリン分泌 6時 12時 [在宅インスリン自己注射マニュアル(文光堂):pp.7,1995] インスリン注射器の種類 ※ ※ ※当院では採用していません。 注射の部位 注射部は・・・ ①お腹 ②上腕部 ③ふともも ④おしり 注射の部位② ●注射後、注射部位はもまないよう にしましょう。 ●毎回同じ場所に注射し続けると、 その部分が固くなり、インスリンが 効かなくなることがありますので、 少しずつ(約2cm程度)ずらして 注射するようにしましょう。 振ってから使うインスリン? ⇒インスリンが白く濁っている製剤(中間型、混合型) 例)ノボラピッド30ミックス注の場合の混ぜ方 泡立つほど激 しく振り混ぜな いこと! 打つときの注意点① ●うつ時の温度⇒室温 冷たいままでは痛みが増すため、新 しい注射液を冷蔵庫から出して使う ときは室温と同じくらいになるまで 置いておきます。 打つときの注意点② ノボノルディスクファーマ㈱HPより 打つときの注意点③ ●空打ち 毎回打つ前に2単位にセットして空打ち をしてください。 【目的】 注射針内の空気を抜く 針が詰まっていないことの確認 針が正常に装着されていることの確認 注入器が正常に作動することの確認 打つときの注意点④ ●単位の設定 0になっていることを確認後、注入 単位数に合わせてください。 打つときの注意点⑤ ●注射の仕方 注入ボタンを最後まで押し、そのま ま10秒数えてください。 注入ボタンを押したまま針を抜いて ください。 10秒数える 押したまま 打つときの注意点⑥ ●使用済みの針の処理 キャップをしっかりして空いたペット ボトルや蓋のある瓶や缶などに入れて 下さい。ナイロン袋などに直接入れる と誤って針でケガをする恐れがありま す。 注射剤の保存① 未使用の製剤 2~8℃で冷蔵保存、ただし、凍結厳禁・遮光 ※冷蔵庫でも吹出口は凍結の恐れがあるのでご注意ください 使用途中の製剤 室温保存(冷所不可)、ただし、遮光 注射剤の保存② 炎天下の車の中などへ放置することは 避け、飛行機に乗るときには、機内に 持ち込んで下さい 旅行時の注意点 ●海外旅行の前には主治医に必ず相談し てください。時差がある場合、インス リン注射の時間や量を調節する必要が あります。 ●インスリンは盗難や紛失に備え、必要 量の2倍を2ヵ所に分けて持って行きま しょう。 ●緊急時に備え、使用しているインスリ ンや内服薬を書いた英文の診断書を担 当医に書いてもらいましょう。 災害時の注意点 ●いざというときに備えて、予備の薬は2 週間以上準備しておくとよいです。 ●自分が使用している薬の名前や種類、量 を覚えておきましょう。 ●災害時に備えて普段から持ち歩くとよい もの インスリン製剤、注射針、消毒用アルコール 綿、血糖測定器やチップ、補食(ブドウ糖、飴 など)、お薬手帳や糖尿病手帳、保険証、緊急 連絡先のメモ(糖尿病患者用IDカード)、必要な 飲み薬など インクレチン注射 インスリンの分泌を促すインクレチンを注射でおぎなう。 バイエッタ皮下注5μgペン・10 μgペン 1日2回朝夕食前に皮下注射 ビクトーザ皮下注18mg 1日1回 朝又は夕に皮下注射 (ただし、投与は可能な限り同じ時刻に行うこと。) ビデュリオン皮下注用2mg 週1回 皮下注射 インクレチン注射の働き方 1日2回 朝夕食前に皮下注射 1日1回 朝又は夕に皮下注射 ビデュリオン 週1回 皮下注 インクレチン注射の特徴 【作用】 ●血糖値に合わせて、インスリン分泌を促し、グルカゴ ン(血糖値を上げるホルモン)分泌を抑制します。 ●体重減少作用があります。 【副作用】 ●消化器症状 便秘、吐き気、胃の不快感、下痢など (投与開始1~4週間の早期に起こることが多いため、 低用量から使用することが多い) ●低血糖 ●高血糖や糖尿病性ケトアシドーシス 口渇、多飲、多尿、悪心・腹痛、昏睡、頻脈、過呼吸 など 糖尿病の薬物療法 Ⅰ血糖降下剤 ①経口剤療法(飲み薬) スルホニル尿素剤(SU剤) 速攻型インスリン分泌促進剤 α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI) ビグアナイド剤(BG剤) インスリン抵抗性改善剤 DPP-4阻害剤 ②注射療法 インスリン注射剤 インクレチン注射剤 Ⅱ合併症治療剤 合併症治療薬 糖尿病性網膜症治療薬 糖尿病性腎症治療薬 糖尿病性神経障害治療薬 抗血小板薬・抗凝固薬 血圧降下薬 脂質異常症治療薬 など 糖尿病性網膜治療薬 網膜症を明らかに改善する薬 は現在ありません。 血糖値のコントロール、血圧 管理、脂質管理が一番大切。 糖尿病性網膜治療薬(当院採用薬) カルナクリン錠50 アドナ錠10mg、30mg 糖尿病性腎症治療薬 血糖値が高い状態が続く ⇒腎臓の毛細血管に障害 ⇒高血圧、むくみ 降圧薬、利尿剤、蛋白尿を減 らす薬など 糖尿病性神経障害治療薬 血糖コントロールの不良、罹病 期間、高血圧、脂質異常、喫煙、 飲酒等が危険因子となるので、 これらを改善することが大切。 直接的な発症・進展をおさえる 薬はキネダックのみで、それ以 外は症状を抑えるための薬。 糖尿病性神経障害治療薬(当院採用薬) ・眠気やめまいなどの副作用があるので、 車の運転は控えてください。 キネダック錠50mg メキシチールカプセル 50mg、100mg ・食前に服用してください。 ・尿が黄褐色~赤色になることがあります (お薬の色なので心配ありません)。 メチコバール錠500mg リリカカプセル75mg 抗血小板剤・抗凝固薬 血の流れをよくする薬を使用するこ とで、心筋梗塞や脳梗塞の再発を予 防します。 服薬中は出血しやすい状態にあるの で、ケガなどに十分注意してくださ い。 抜歯や手術の際に中止する場合があ るので、他院受診時には服薬してい ることをお知らせください。 抗血小板薬(当院採用薬) バイアスピリン錠100mg ・胃腸障害を起こすことがあるので、空腹 時の服用は避けてください。 ・重篤な副作用は主に投与開始後2ヶ月以 プラビックス錠75mg 内に起こっているので、投与初期は定期的 に検査をする必要があります。 パナルジン錠100mg 抗凝固薬①(当院採用薬) ワーファリン錠 0.5mg、1mg ・納豆、青汁、クロレラなどビタミンKを多 く含む食品は摂らないでください。このお薬 の作用を弱めます。 プラザキサ錠 ・効果には個人差が大きく、検査による用量 75mg、110mg 調節が必要です。 ・消化不良、下痢、吐き気などの副作用があ ります。 イグザレルト錠 10mg、15mg 抗凝固薬②(当院採用薬) エリキュース錠2.5mg、5mg 血圧降下薬 血圧をさげる薬はたくさんあります。 Ca拮抗薬:血管を拡げる。 ACE阻害薬:血圧を上げる物質を作 らないようにする。 AⅡ受容体拮抗薬:血圧を上げる物質 が働かないようにする。 利尿剤:尿を出す。 等 脂質異常症治療薬 LDL(悪玉)コレステロールや中性脂 肪が増えたり、HDL(善玉)コレステ ロールが減ったりすると動脈硬化の 原因となります。 スタチン系、フィブラート系のお薬 を服用中、「筋肉が痛む」「手足に 力が入らない」「尿の色が赤褐色」 のような症状がみられた場合は医師 に相談してください。 他のお薬との関係 ●スルホニル尿素剤の作用が減弱さ れ血糖は上昇傾向 ⇒副腎皮質ホルモン剤 甲状腺ホルモン剤など ●スルホニル尿素剤の作用が増強さ れ低血糖傾向 ⇒風邪薬 鎮痛・抗炎症解熱剤など 主治医以外からの処方を受ける場合や市販薬を購入す る場合は、必ず服用しているお薬を伝えてください。 アルコールの影響 アルコールは肝臓でブドウ糖を作る作用 を抑制するので、低血糖を生じる可能性 があります。また、アルコール自体のカ ロリーや脂質の上昇により、血糖値に悪 影響を及ぼします。 アルコールの摂取はできるだけ控えてく ださい。 薬物療法の基本 正しく使用する ⇒決められた薬の種類・量・投与時間を必ず守って ください。 食事・運動の基本をしっかり守る ⇒ 実践することにより、薬の効果が正しく得られま す。 効果を絶えずチェックしながら使う ⇒ 自覚症状ではわかりにくいので、HbA1c検査や 血糖測定などの結果で確認しましょう。 他の薬や健康食品との併用に注意する ⇒薬は、一緒に使用すると悪い影響が出るものがあ ります。また、糖尿病に悪い影響を与える薬もありま す。そのため、他の病院や薬局の薬を飲む場合は、必 ず糖尿病であるということと、今使用している薬を、 医師・薬剤師にお伝え ください。
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