短期予報解説資料1

短期予報解説資料1 2015年 2月 8日15時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①09 時、アムール川下流には
8日夜~9日朝は低気圧が発達しながら北海
道の北に進み、前線が北日本・東日本を通
500hPa5040m 付近-48℃の寒気
過する。北海道は大雪や暴風雪に警戒。寒
を伴う寒冷渦が南下中。トラフ
冷前線やシアーライン近傍では落雷・突風
に注意。通過後は強い寒気が流れ込み冬型
は、日本海西部(5220m 付近)
、
の気圧配置が強まる。全国的に強風(風雪)・
西日本(5520m 付近)をそれぞ
高波に、日本海側は大雪に注意・警戒。
れ通過中。
実況~40kt[GW]
②前線を伴った低気圧は北海
道の西と関東付近を北上中。ま
た、日本海西部から北陸沖にか
FT12~ 40kt[GW]
けてシアーラインがのびてお
FT18~ 45kt[GW]
り対応する雲が衛星画像で明
先島諸島周辺
瞭。シアーラインの北側や、黄
実況~ 35kt[GW]
FT06~ 40kt[GW]
海・東シナ海は寒気移流による
筋状雲が広がっている。
前線は黒塗りがFT24、白抜きがFT48。
③低気圧に向かって暖湿気が
流れ込み、東日本の平野部で雨
となっており、伊豆諸島では 20mm/h 前後の強い雨を観測した。また、この低気圧周辺や日本海上で実
況の風が GSM より強い。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①8 日夜は、1 項①のトラフや寒冷渦の接近で北日本・東日本は西谷が顕著となる。1 項②の東日本太
平洋側を進む前線を伴う低気圧(850hPa0~3℃)は、発達しながら北上し、9 日未明には北海道の東部を
通って、9 日朝にはサハリン南部付近に達する。一方、北海道の西の低気圧はトラフとの対応が悪く、
8 日夜以降不明瞭化し、寒冷前線も北日本・東日本の陸上に進んで消滅する。9 日は 1 項①の寒冷渦が
日本海北部に進み、北日本を中心に 500hPa-45℃以下のこの冬一番の強い寒気が入り、10 日にかけて
日本付近は強い冬型の気圧配置が続く。
②8 日夜は、日本海側を中心に、前線や南下する 1 項②のシアーライン近傍での落雷・突風に注意。北
海道には低気圧が北上して下層暖気が入り、これまで積雪が多くなっている所に湿った大雪が降る見
込みで大雪・着雪に注意・警戒。
③寒冷前線やシアーラインの後面は、下層寒気移流が強い(9 日朝には 850hPa -12℃線は東・西日本の
太平洋側まで南下)ため、全国的に風(風雪)・波が強まり、非常に強い風や大しけとなる所がある見込
み。10 日にかけて日本海側を中心とした降雪量が増えるおそれがあり、大雪に注意・警戒。
3.
数値予報資料解釈上の留意点 ①最新初期値の GSM を基本にするが降雪や風の予想は MSM も参照。
4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):北陸 80、北日本 50、
関東甲信・東海・近畿北部・中国 30~40cm。②波(明日まで):北陸・近畿北部 6、北海道・東北・山
陰・九州北部(山口)5、その他 3~4m。③高潮:北海道太平洋側東部で注意。
5.全般気象情報発表の有無 「暴風雪と高波及び大雪に関する全般気象情報」を発表予定。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。