Clinical Chemistry Journal Club

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Noninvasive Prenatal Methylomic Analysis by Genomewide Bisulfite Sequencing
of Maternal Plasma DNA
母体血漿 DNA の全ゲノムバイサルファイトシーケンシングによる非侵襲的胎児メチロ
ーム解析
Fiona M.F. Lun1,2,†, Rossa W.K. Chiu1,2,†, Kun Sun1,2, Tak Y. Leung3, Peiyong Jiang1,2, K.C. Allen Chan1,2, Hao Sun1,2 and Y.M. Dennis Lo1,2,*
1
Centre for Research into Circulating Fetal Nucleic Acids, Li Ka Shing Institute of Health Sciences, and
Departments of
2
Chemical Pathology and
3
Obstetrics and Gynaecology, The Chinese University of Hong Kong, Shatin, New Territories, Hong Kong SAR, China.
* Address correspondence to this author at: Department of Chemical Pathology, The Chinese University of Hong Kong, Prince of Wales Hospital,
30–32 Ngan Shing St., Shatin, New Territories, Hong Kong SAR, China. Fax +852-26365090; e-mail [email protected].
要約
背景:エピジェネティック機構は出生前発育において重要な役割を果しているが、胎児
組織は容易に手に入らない。胎児 DNA 分子は母体の血漿に存在するので、非侵襲的に
分析できる。
方法:私たちは単一ヌクレオチド分解で、母体の血漿 DNA のメチル化プロファイルを
解析する 2 つのアプローチを用いる、全ゲノムバイサルファイトシーケンシングを利用
した。ファーストアプローチは、ゲノム全体での胎児のメチロームを解析するために、
母体血液サンプルと母親と胎児の間での多型の違いを利用した。セカンドアプローチは、
母体の血漿 DNA シーケンシングデータから胎盤のメチロームプロファイルを推定する
ために、母体の血球のメチル化プロファイルと母体の血漿中の分画された胎児 DNA 濃
度を使用した。
結果:非侵襲的なこれらのアプローチの特質で、私たちは妊娠初期、妊娠後期、出産後
に採取された母体の血液サンプルを用いて、胎児、胎盤、母体の血漿のメチル化プロフ
ァイルを順次、評価することができた。妊娠に関連した変化が観察された。母体の血漿
データから推定される胎児のメチル化プロファイルは、全ゲノムレベルと CpG サイト
毎の両方で、胎盤のメチロームと共通点があった。刷り込み遺伝子と特異的メチル化領
域は、母体の血漿データから同定された。私たちは胎児トリソミー21 の検出の成功に
よって、母体の血漿バイサルファイトシーケンシングの 1 つの潜在的な臨床応用を示し
た。
結語:私たちは非侵襲的に、連続的に、全ゲノム規模で胎児と胎盤のメチローム解析を
確実に行うことができた。この進歩は妊娠に関連する疾患における研究、バイオマーカ
ーの開発、臨床検査の強力な手法を提供する。
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胎盤の発達は、一連の高度に組織化されたゲノム的、エピジェネティック的イベントに
関連している。発達過程のエピジェネティック・コントロールにおける異常は、不妊、
自然流産、子宮内の成育異常、出生後の事象に関係している(1-3)。DNA のメチル化
は重要なエピジェネティック機構であり、CpG ジヌクレオチド中の 5’カーボンのシト
シン残さに対してのメチル基付与の関連でよく知られている。シトシンメチル化は
DNA 機能の制御層に関与し、遺伝子発現の抑制と関連することが知られている。
ヒトの胎盤は、DNA のメチル化に関与する過剰の特性を示す(4,5)。グローバルレベ
ルで、胎盤組織はほとんどの身体組織と比べて低メチル化状態である(5,6)。遺伝子レ
ベルで、特定の遺伝子部位のメチル化状態は胎盤組織の明確な特徴であり(6,7)、この
特徴は妊娠年齢に依存する変化を示す(8)。刷り込み遺伝子、すなわち、発現が親の起
源の対立遺伝子に依存する遺伝子は、胎盤の中でキーとなる機能を果たす(9)。胎盤組
織の DNA メチル化プロファイルに関する研究は、妊娠に関連する、もしくは子癇前症
(10)、子宮内胎児発育遅延(2)のような発達上に関連する疾病の病態生理学への洞察
を与える。
数えきれないアプローチが、胎盤のメチロームを調査するためになされている(11,12)。
多くの努力にも関わらず、妊娠期間と疾患過程中での全ゲノム規模での胎児、もしくは
胎盤のメチル化プロファイルの直接的な変化をモニターする実用的な手段は得られてい
ない。この研究では私たちは、研究者に非侵襲的な胎児と胎盤のメチル化プロファイル
を調べることを可能にする基盤を開発することを目的とした。私たちは母体血漿中の胎
児/胎盤 DNA 分子のメチル化状況を調べる 2 つのアプローチを考案した。1 つのアプロ
ーチは、母親と胎児の間の多形の違いを探求し、胎児特異的 DNA 分子を同定する。2
つ目のアプローチは、胎児の多形に依存しない。胎盤のメチロームは、母体の血球と母
体の血漿中のわずかな胎児 DNA 濃度のメチル化プロファイルを使うことで、非侵襲的
にアセンブルされる。
材料と方法
症例募集と試料処理
香港の威爾斯親王医院産婦人科のマタニティクリニックに出席している妊娠女性が、書
面でのインフォームドコンセントと倫理委員会の承認で集められた。絨毛膜絨毛は、異
数性検査の臨床適応上で採取された。母体の末梢血は、絨毛膜絨毛のサンプリング前に
EDTA 含有チューブに集められた。
単胎妊娠において、末梢静脈血サンプルは絨毛膜絨毛サンプリング前の妊娠初期(妊娠
期間、13 週と 4 日)、選択的帝王切開前の 37 週と 5 日、出産後 24 時間以内に採取され
た。一部の絨毛膜絨毛サンプル(CVS)4 は妊娠初期に採取され、一部の胎盤は出産直
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後に集められた。胎児は男子で、核型が正常であることが確かめられた(19)(この論
文のオンラインバージョン http://www.clinchem.org/content/vol59/issue11 についている補
足データ中の補足材料と方法を参照)。
母体の血漿は、その女性が染色体異数性のための伝統的な妊娠初期のスクリーニング際
に参加する 13-14 週の妊娠期間で、別の 12 人の妊娠者から採取された。その女性たち
のうち 5 名は、21 トリソミーを胎児に運んでいることが確認され、残りのケースは核
型正常胎児であった。
バイサルファイト処理された DNA ライブラリーとシーケンシング解析の準備
DNA ライブラリーは、the Paired-End DNA Sample Preparation Kit (Illumina)とメチル化ア
ダプター(Illumina)を 用いて調製 された。Agencourt® AMPure XP マグネットビーズ
(Beckman Coulter)で 2 ラウンド精製後、私たちはポーションにライゲーション産物をス
プリットする。1 つは EpiTect Bisulfite Kit (Qiagen)による 2 ラウンドのバイサルファイ
ト修飾を受けた。アダプター結合した DNA 分子(重亜硫酸ナトリウムで処理、もしく
は未処理された)は、10 サイクルの PCR によって増幅された。重亜硫酸処理と未処理
の DNA ライブラリーは、HiSeq 2000 instruments (Illumina)で paired-end フォーマ
ットで 75bp シーケンスされた。シーケンスリードは Methy-Pipe(20)で処理された。
詳細に関しては補足の材料と方法を参照。
結果
妊娠の一連のメチローム解析
私たちは、妊娠期から連続的に収集したサンプル、すなわち、妊娠初期の母体血液サン
プルの血球、CVS、満期に採取された胎盤組織、妊娠初期、妊娠後期、出産後からの
母体血漿サンプルで調製された、重亜硫酸で変質させた DNA ライブラリーの全ゲノム
シーケンシングを行った。私たちはまた、1 成人男性と 1 妊娠していない成人女性から
得られた血球と血漿 DNA サンプルを解析した。私たちはトータル 9.5 × 109 対の生のシ
ーケンサーリードを作成した。各々のサンプルのシーケンシングカバレージを表 1 と、
オンライン補足データの表 1 に示す。ヒトの参照ゲノムに独自にマッピング可能であ
ったシーケンスリードは、妊娠初期、妊娠後期、出産後の母体血漿サンプルで各々、平
均 51 フォールド、34 フォールド、28 フォールドの半数体ゲノムカバレージに達して
いた。そのゲノム中の CpG 部位のカバレージは妊娠期から得られたサンプルの 81%か
ら 92%までの範囲であった。CpG 部位をスパンしたシーケンスリードは、妊娠初期、
妊娠後期、出産後の母体血漿サンプルの各々、平均 66 フォールド、46 フォールド、
38 フォールドのハプロイドカバレージに達した。全サンプルの平均重亜硫酸変換効率
は 99.96%であった(範囲:99.94%-99.98%)。
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胎盤組織と母体の血球の全ゲノムメチル化プロファイル
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シーケンスされた CpG 部位の 71%と 72%の間に、妊娠女性、妊娠していない女性、
成人男性から得られた血球から抽出された DNA がメチル化されていた(表 1)。胎盤
組織の低メチル化の特性に関する報告と一致して、CVS と満期胎盤組織の各々、CpG
部位の 55%と 59%がメチル化されていた(Table 1)。私たちはヒトゲノム中の約
480000CpG 部位をカバーした、オリゴヌクレオチド配列プラットフォームをもつ胎盤
のメチロームも研究した(Illumina)(17,21)。2 つのプラットフォームからのデータは高
率に一致していた(オンライン補足データ中の Fig 1 参照)。私たちのシーケンシング
データもまた、Chu らによって報告されたデータと一致していた(オンライン補足デ
ータ中の表 2 参照)。非 CpG メチル化比率は、母体血球、CVS、胎盤組織の 1%未満で
あ り 、 非 多 分 化 能 細 胞 で 報 告 さ れ た 結 果 と 一 致 し て い る ( 14,15 )。
血漿メチローム
男性と、妊娠していない女性から得られた血漿サンプルの DNA におけるメチル化され
た CpG 部位の全ゲノム比率は、血球 DNA とほとんど同じ一致率であった(オンライ
ン補足データの表 1 と図 2 参照)。私たちは次に、100kb 領域にマップされたシーケン
スリードによってカバーされた全ての CpG 部位の比率として、CpG 部位での総未変性
シトシンを決定することで、ヒトゲノム中の各 100kb のメチル化密度を評価した。妊
娠していない女性から得られた血漿 DNA サンプルと一致した血球 DNA サンプルにお
いて、ピアソン相関係数(r)と r2 値は各々、0.963、0.927 であった。男性からの同一
サンプルの値は、0.953 と 0.908 であった(オンライン補足データ中の図 3 参照)。こ
れらのデータは、ヒト血漿で造血細胞が DNA の重要なソースであるという私たちの以
前の結果と一致している(23)。
母体の血漿からの DNA においてメチル化した CpG の全体の比率は、妊娠初期と妊娠
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後期の各々の母体血漿サンプルで 67%と 68%であった。妊娠していない人から得られ
た結果と違って、これらの比率は母体の血球サンプルの比率よりも低いが、CVS と満
期の胎盤組織サンプルよりは高い(表 1)。母体の血漿の出産後サンプルからの DNA
は、73%のメチル化した CpG%を持っていることは注目すべきで、血球データと同じ
である(Table 1)。これらの傾向はすべての常染色体と X 染色体に分配された CpG に
観察され、ヒトゲノムの非リピート領域とリピートエレメントのマルチプルクラスの両
方に及んでいた(Fig. 1)。
Fig. 1.妊娠期から採取されたサンプルでの参照ゲノムのリピート、および非リピート領
域内のメチル化された CpG 部位のパーセントのバーチャート
すべて、ゲノム(A)、常染色体(B)、X 染色体(C)のリピートおよび非リピート領
域 で の デ ー タ を 参 照 す る 。 様 々 な リ ピ ー ト ク ラ ス は UCSC Genome Browser
(http://genome.ucsc.edu/cgi-bin/hgTrackUi?g=rmsk)によって定義されている示された
データは、妊娠初期サンプルからである。
非侵襲性胎児メチローム
胎児 DNA 分子は、大半の母体 DNA を背景に母体血漿中を循環する(24)。私たちは、
母体血漿中の胎児 DNA 分子を同定する際に母親と胎児間の SNP の違いを使った。そ
の目的は母親がホモ接合型で、胎児がヘテロ接合型である SNP 遺伝子座を同定するこ
とであった。母体血球からのゲノム DNA により遺伝子型が同定された。母親は常染色
体上の 1 945 516 遺伝子座にホモ接合型であった。母体血漿 DNA シーケンシングリー
ドの解析は、107 750 遺伝子座に非母体アレルの存在を示した;これらの遺伝子座は有
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益であると考えられた。各々の有益な SNP において、母親からではないアレルは「胎
児特異的アレル」と言われ、その他のアレルは共通アレルと言われた。アレルの違いか
ら、私たちは母親の血漿の妊娠初期、妊娠後期、出産後サンプルにおける胎児 DNA 比
率が、各々14.4%、33.9%、4.5%という結果を得た。Y 染色体リード数を使用するこ
とで計算される同様の胎児 DNA 比率は、14.2%、34.9%、3.7%であった。
私たちは≧1 の有益な胎児 SNP 部位に及び、≧1CpG 部位を含む対のシーケンスリー
ドを使用することで、母体の血漿から胎児メチロームをアセンブルした。胎児特異的ア
レルを示すリードは、胎児メチロームのアセンブリが含まれた。共通アレル(例えば、
非胎児特異的アレル)を示すリードは、優先的に母体由来の DNA 分子からなる非胎児
特異的メチロームのアセンブリが含まれた。胎児特異的リードは妊娠初期、妊娠後期、
出産後の母体血漿サンプルの各々で、218 010, 263 611, 74 020 常染色体 CpG 部位をカ
バーした。共通リードは、各々、33.3、21.7、26.3 フォールドのこれらの CpG 部位の
カバレッジを意味した。そのサンプルの胎児の特異的リードによるこれら CpG 部位の
カバレッジは、胎児 DNA 比率と比例していた。妊娠初期の母体血漿サンプルにおいて、
胎児特異的リード中のメチル化された CpG 部位の全ゲノム比率は 47.0%で、一方、共
通リードの比率は 68.1%であった。妊娠後期の母体血漿サンプルにおいては、胎児特
異的リードのメチル化 CpG 部位比率は 53.3%で、一方、共通リード 68.8%であった。
私たちは、そのゲノム中の各 1-Mb 領域のメチル化密度を決定した。母体血漿中シーケ
ンスリードからアセンブルされた胎児特異的、非胎児特異的メチロームは Fig. 2 に示
されている。妊娠初期と妊娠後期の血漿サンプルともに、胎児メチロームは共通リード
をもとにしたメチロームよりも低メチル化であった。胎児メチロームの全体のメチル化
プロファイルは、CVS や胎盤組織サンプルと極めてよく似ていた。それどころか、圧
倒的に母体 DNA である血漿における共通リードの DNA メチル化プロファイルは、母
体の血球と極めてよく似ていた。そこで、私たちは論理的に母体血漿 DNA リードと、
母体もしくは胎児組織 DNA リードの CpG 部位毎のメチル化密度を比較した。統計的
に有意な相関関係が認められた(オンライン補足データの Fig. 4 参照)。
Fig. 2.
1-Mb ビン毎のメチル化密度のサーコスプロット
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染色体イデオグラム(一番外側)は、時計回りの方向で短腕端部-長腕端部に方向を合
わせられる(セントロメアは赤で示されている)。セカンドトラックインワードは
20000 部位以下で、同様の 1-Mb 領域中に CpG 部位の数を示す。同様の 1-Mb 領域の
メチル化密度は、各プロットの中心に表現されているカラースキーム従ってその他のト
ラックで示されている。A.妊娠初期サンプルの結果 イン内側から外側に向かって:
CVS、母体血漿中の胎児特異的リード、母体血漿中の共通リード、母体血漿中の複合
の胎児と非胎児リード、母体の血球 B.妊娠後期サンプルの結果 内側から外側に向か
って:予定日の胎盤組織、母体血漿中の胎児特異的リード、母体血漿中の共通リード、
母体血漿中の複合胎児と非胎児リード、出産後の母体血漿と母体血球(妊娠初期血液サ
ンプルから)
刷り込み遺伝子座での胎児特異的 DNA メチル化の特徴
私たちは Woodfine らによって報告された刷り込み遺伝子座のリストを、刷り込み制御
領域内の SNPs を含む遺伝子座に仕分けた。4 つの遺伝子座が基準を満たしていた:
H19 5 [H19, imprinted maternally expressed transcript (non-protein coding)],
KCNQ1OT1 [KCNQ1 opposite strand/antisense transcript 1 (non-protein coding)],
MEST (mesoderm specific transcript), and GNAS (GNAS complex locus).SNPs アレ
ルと母体血球サンプル中のこれらの遺伝子座のメチル化状態を研究することで、私たち
は母体血漿データからこれらの遺伝子座の刷り込み状態を説明できる。母方から遺伝し
ている胎児リード、父方から遺伝している胎児リード、そしてそれらの各々のメチル化
状態は、母体血漿でのバイサルファイト DNA シーケンシングデータから推定できるで
あろう(オンライン補足データ中の図 5 参照)。
胎盤組織と母体血球での特異的にメチル化された遺伝子座
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胎盤は組織特異的メチル化シグネチャーとして知られている(7,26,27)。胎盤特異的
DNA メチル化マーカーは、母体血漿中での検出と非侵襲胎盤診断的適用のために開発
された。私たちは特異的にメチル化した領域(DMRs)での全ゲノム成分において、自
分たちのデータを掘り起こした。母体血漿中の胎児特異的 DNA メチル化マーカーを開
発する際、成功するカギはできるだけ高くメチル化、もしくはメチル化されない母体血
球のメチル化状態を把握することである(28)。私たちはこのように遺伝子座に焦点を
あて、母体血球からの DNA のメチル化密度は≦20%か、もしくは≧80%であった。
DMRs はサブセットの遺伝子座中に同定され、CVS、もしくは満期胎盤組織サンプル
でのメチル化密度は、母体血球のメチル化密度から≧20%まで違っていた。私たちは
妊娠初期で 11 729 での過剰メチル化と、239 747 での低メチル化遺伝子座を同定し、
妊娠後期で 11 920 での過剰メチル化と、204 768 低メチル化を同定した(オンライン
補足データの表 3 参照)。私たちは自分たちの妊娠初期の候補者のリストを検証するた
めに、母体血球と妊娠初期の胎盤組織での特異的にメチル化されると先に報告されてい
た 33 遺伝子座を使った。私たちのアルゴリズムは DMRs として 79%の 33 遺伝子座を
同定することができた。
母体血漿シーケンシングデータから特異的にメチル化した領域を直接的、非侵襲的に
同定
胎盤は、母体血漿中の胎児 DNA の重要なソースである(31)。この研究において、私
たちは母体血漿中の胎児特異的 DNA のメチル化状態が、胎盤のメチロームと相関して
いることを示した。その結果、私たちはあるアルゴリズムが母体血漿 DNA シーケンシ
ングデータから、胎盤 DNA 分子のメチル化密度を予測するために開発されると仮説を
立て、それを私たちは「予測値」と呼んだ。さらに、私たちは母体血球中で≦20%、
もしくは≧80%メチル化された遺伝子座に焦点をあてた。母体血球と比較して、胎盤
組織での低メチル化された遺伝子座を推定するために、私たちは血球メチル化密度と予
測値の間の≧50%の違いで、母体血球中の≦20%メチル化と予測値に従った≧60%メ
チル化を示した遺伝子座を分類した。母体血球と比較して、胎盤組織で低メチル化され
た遺伝座を推定するために、私たちは血球メチル化密度と予測値の間の少なくとも
50%の違いで、母体血球中の≧80%メチル化と予測値に従った≦40%メチル化を示し
た遺伝子座を分類した。表 2 は胎盤組織で過剰メチル化、もしくは低メチル化されて
いると推定された遺伝子座の数を示す。私たちは胎盤組織と母体血球でのバイサルファ
イト DNA シーケンシングデータを使うことで、母体血漿 DNA シーケンシングデータ
から推定される遺伝子座の妥当性を検証した。大多数の非侵襲的に推定された遺伝子座
(Table 2:オンライン補足データ中の Fig. 5 参照)は、その組織で期待されるメチル
化パターンを示し、その組織データから掘り出された DMRs で部分的に一致しており、
前のセクションで記述した。
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胎盤と胎児メチロームでの妊娠の変化
メチル化された CpG の全体での比率は、CVS で 55%、満期の胎盤では 59%であった
(表 1)。より多くの低メチル化 DMRs が、満期の胎盤からよりも CVS から同定され
たが、一方でその 2 つの組織は高メチル化 DMRs の数に関しては同じであった。この
ように、CVS が満期の胎盤よりも多くの低メチル化状態であることは明らかである。
この妊娠での傾向はまた、母体血漿データでも明らかであった。胎盤特異的リード中の
メチル化 CpGs の比率は、妊娠初期の母体血漿からの DNA で 47.0%だったが、妊娠
後期母体血漿からの DNA で 53.3%であった。妊娠初期と妊娠後期の母体血漿サンプル
からの DNA は、有効な高メチル化遺伝子座(各々、1457 と 1279 遺伝子座)数が同じ
であったが、妊娠初期のサンプル(21 812 遺伝子座)は妊娠後期のサンプル(12 677 遺
伝子座;表 2)よりも明らかに低メチル化遺伝子座が多かった。
母体血漿中の DNA 分子のメチル化状態とサイズとの関係
私たちは血漿 DNA 分子の長さを決定するために paired-end シーケンシングを使った
(23,32)。以前の研究で、私たちは血漿 DNA 分子がモノヌクレオソームに近似される
サイズを持ち、胎児 DNA 分子が母体 DNA 分子よりも短いということを証明した
(32)。この研究において私たちは、血漿 DNA 分子のメチル化状態がそれらのサイズ
といかなる関係を有しているかを探求した。≧1 CpG 部位をカバーしたシーケンスリ
ードのために、私たちは同じサイズの DNA 分子のメチル化密度を決定した。そして私
たちは、DNA 分子のサイズとそれらのメチル化密度の関係をプロットした(Fig. 3)。
私たちは胎児 DNA 分子である胎児特異的 SNP アレルを含むリードと、母体 DNA 分
子である母体特異的 SNP アレルを含むリードを考慮した。一般的に高いメチル化密度
を持つ DNA 分子は、より長かった。この傾向は胎児と母体 DNA 分子の両方に現れ、
妊娠初期と妊娠後期の両方に現れた。胎児 DNA 分子の全体のサイズは、以前に報告さ
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れたように母体 DNA 分子よりも短い(32,33)。成人の妊娠していない女性からの血漿
DNA サンプルもまた、DNA 分子のサイズとメチル化状態の間に同じ相関関係を示し
た(Fig. 3C)。一方、ゲノム DNA サンプルは massively parallel sequencing 解析の前
の超音波ステップによって細分化され、同じ傾向を示さなかった。
Fig. 3
血漿 DNA 分子のメチル化密度とサイズのプロット
(A)妊娠初期の母体血漿,(B)妊娠後期の母体血漿 データは次のように表している
≧1 CpG 部位をカバーしたすべてのシーケンスされたリード(青曲線)、胎児特異的
SNP アレルも含んだリード(赤色曲線)、母体特異的 SNP アレルも含んだリード(緑
色曲線)。(C)成人女性の血漿(黄色)、成人女性の血球(青)、母体血球(赤)、満期
胎盤(紫)、CVS(緑)で表示されている。
染色体 21 のメチル化密度の評価によるトリソーム 21 の検出
母体血漿メチローム解析の 1 つの可能性のある臨床応用の実施例として、私たちは 12
人の妊娠者の染色体 21 のメチル化密度を評価した。各母体血漿サンプルにおいて、私
たちは染色体 13,18,21 を除く、すべての常染色体から血漿 DNA 分子のプールしたメ
チル化密度を、染色体 21 から生じた血漿 DNA 分子のメチル化密度に標準化した。影
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響を受けた胎児での胎児染色体 21 の追加用量のせいで、標準化された染色体 21 メチ
ル化密度は統計学的に有意に、正倍数性のケースよりもトリソミー21 ケースで低かっ
た(P = 0.003, Mann–Whitney rank sum test; Fig. 4)。
Fig. 4 正倍数体とトリソミー21 の妊娠者から採取された母体血漿サンプルの標準化さ
れた染色体 21 メチル化密度のプロット
考察
私たちは血漿 DNA から DNA メチロームを解析するために、全ゲノムバイサルファイ
トシーケンシングを用いた。私たちは母体血漿から調製された DNA サンプルをシーケ
ンシングすることで、胎児と胎盤のメチル化プロファイルを評価するためにそのアプロ
ーチを利用した。私たちは妊娠中の非侵襲性の胎児と胎盤メチローム解析を実行するこ
とができ、妊娠が進行した際連続的にその変化をモニターすることができた。そのシー
ケンシングデータの包括性は、私たちに単一ヌクレオチド分解におけるゲノム規模スケ
ールでの母体血漿メチロームを研究することを可能にした。
母親の遺伝子型情報で、私たちは母体血漿データから胎児 DNA のメチル化プロファイ
ルを推定することができた。私たちはまた、胎児と母親の間の遺伝子型の違いを使用し
ないで、胎盤のメチル化プロファイルを非侵襲的に予測するためのアルゴリズムを開発
した。このように、胎盤組織(例えば、ゲノムインプリンティング状態、組織特異的メ
チル化状態、妊娠に関する変化)の研究を通して、従来通りに得られた情報は母体血漿
から直接評価されるであろう。変化した DNA メチル化状態と、多くの妊娠に関連した
状態(1-3)の間の知られている関連性を考えると、私たちが説明してきたアプローチ
は病態生理学研究とバイオマーカーの開発に使用されるであろう。そのプラットフォー
ムはまた、私たちがトリソミー21 の検出を明らかにしたとき、胎児、もしくは胎盤に
関連した疾病の出生前評価に直接的に利用される能力を持っている。
男性と非妊娠女性における血球と血漿のメチロームの高いレベルの類似性は、母体血球
と出産後の母体血漿サンプルとのメチロームと同様に、造血細胞がヒト血漿中の主な
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DNA 源であることをなお一層支持している(23)。今までのところ、妊娠初期と妊娠
後期の母体血漿サンプル中の全体のメチル化 CpGs の比率は、母体血球もしくは出産
後母体血漿サンプルからのデータと比較して減少した。私たちは妊娠中に減少したメチ
ル化レベルが、母体血漿中の胎児 DNA 分子の低メチル化機能によるものであるという
ことに疑いを持っていた。実際、胎児特異的と共通シーケンスリードを別々に分析する
ことによって、私たちは循環胎児 DNA 分子がバックグランド DNA 分子よりもかなり
低メチル化状態であったことを示した。胎児特異的母体血漿リード中の一致する部位の
メチル化密度と、妊娠初期と後期の両方における胎盤組織データの比較は高いレベルの
相関性を示した。これらのデータは、胎盤が母体血漿中の胎児由来 DNA の優先的なソ
ースであることをゲノムレベルで証明し、選択された部位をベースとした以前の証拠よ
りも、大きな前進を示す(31)。母体血球中とかなり類似する出産後母体血漿サンプル
のメチル化プロファイルの反転は、胎児 DNA 分子が母体循環から取り除かれたことを
示している(34)。実際、胎児の SNP マーカーをベースとした胎児 DNA 濃度の計算
は、その濃度が出産後サンプルのちょうど 4.5%と分娩以前の 33.9%から変化したこと
を示した。
興味深いことに私たちのデータは、血漿 DNA 分子のメチル化状態とそのサイズに相関
関係を持つことを明らかにした。血漿 DNA 分子は約 160bp である大多数の分子と一
緒に、短い分子の形で循環中に存在することが知られている(23,32)。血漿 DNA の特
徴的なサイズプロファイルは、多くの分子がおそらくアポトーシス中の酵素分解に由来
するモノヌクレオソームと関係があることを示している。この研究において、私たちは
低メチル化分子が高メチル化分子よりも短いことを示した。同じ傾向は胎児と母体
DNA 分子の両方で観察された。DNA のメチル化が、ヌクレオソームパッキングに影
響することが知られていたならば(35)、私たちのデータは低メチル化 DNA 分子がヒ
ストンでぎっしり詰められておらず、そのため酵素分解の影響をとても受けやすかった
ことを示している。一方、Fig. 3 に示されているデータはまた、胎児 DNA が母体リー
ドよりもかなり低メチル化状態であるにも関わらず、胎児と母体 DNA のサイズプロフ
ァイルが重複していること示している。この知見は胎児 DNA の低メチル化状態が、母
体 DNA と比べて相対的に短いことを説明する唯一の要因ではないことを示している。
要約すると、私たちは大規模に血漿 DNA のパラレルバイサルファイトシーケンシング
分析によって、DNA メチロームをうまくアセンブルした。現在のアプローチは、ゲノ
ムスケールメチローム解析をベースとした重大な胎盤に関連した状態を検査、もしくは
臨床的にモニターする非侵襲的方法を示している。私たちはそのアプローチが、出産前
検査、モニタリング、リサーチで果たすわくわくさせる将来的な役割を信じている。私
たちはまた、血漿 DNA 分析に興味を持つ医薬以外の分野に、このアプローチの応用を
予見している。例えば、がんのメチロームは、がん患者の血漿 DNA から決定されるで
あろうし(36)、移植臓器のメチロームは、臓器移植レシピエントの血漿 DNA から決
定されるであろう(23,37)。
(訳者 小治健太郎)
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Acknowledgments
We thank L. Chan, Y. Jin, C. Lee, and K. Chow for technical assistance.
Footnotes
† F.M.F. Lun and R.W.K. Chiu contributed equally to this work, and both should be considered first authors.
Nonstandard abbreviations:
CVS,
chorionic villus sample;
SNP,
single-nucleotide polymorphism;
DMR,
differentially methylated region.
5 Human genes: H19, H19, imprinted maternally expressed transcript (non-protein coding);
KCNQ1OT1,
KCNQ1 opposite strand/antisense transcript 1 (non-protein coding);
MEST,
mesoderm specific transcript;
GNAS,
GNAS complex locus.
4
(see editorial on page 1547)
Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3
requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b)
drafting or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article.
Authors' Disclosures or Potential Conflicts of Interest: Upon manuscript submission, all authors completed the author disclosure form.
Disclosures and/or potential conflicts of interest:
Employment or Leadership: Y.M.D. Lo, Clinical Chemistry, AACC.
Consultant or Advisory Role: R.W.K. Chiu, Sequenom; Y.M.D. Lo, Sequenom.
Stock Ownership: R.W.K. Chiu, Sequenom; Y.M.D. Lo, Sequenom.
Honoraria: None declared.
Research Funding: R.W.K. Chiu, University Grants Committee of the Government of the Hong Kong Special Administrative Region, China,
under the Areas of Excellence Scheme (AoE/M-04/06) and Sequenom; Y.M.D. Lo, University Grants Committee of the Government of the
Hong Kong Special Administrative Region, China, under the Areas of Excellence Scheme (AoE/M-04/06), S.K. Yee Foundation, and Li Ka
Shing Foundation.
Expert Testimony: None declared.
Patents: F.M.F. Lun, United States patent US 7,901,884; R.W.K., Chiu, multiple patents and patents pending; P. Jiang, multiple patents and
patents pending; K.C.A. Chan, multiple patents and patents pending; Y.M.D. Lo, multiple patents and patent applications in the field of
noninvasive prenatal testing.
Other Remuneration: R.W.K. Chiu, Illumina; Y.M.D. Lo, Illumina and Life Technologies.
Role of Sponsor: The funding organizations played no role in the design of study, choice of enrolled patients, review and interpretation
of data, or preparation or approval of manuscript.
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Clinical Chemistry
Journal Club
Received for publication July 2, 2013.
Accepted for publication July 8, 2013.
© 2013 The American Association for Clinical Chemistry
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