(化学)反応とは何? 反応速度 どうやって化学反応は起きるのか 原子間の結合の生成あるいは切断によって 化学結合ができるためには エネルギーが必要 異なる物質ができる現象 激しく分子がぶつかることで結合がうまれる だから、水⇒氷みたいのは 反応とは言いません 新垣 知輝 O2 + C → CO2 2 1 3 反応が起きるまで エネルギー 一定時間後 A→B ものがたくさんあった方が反応は多く進む ⇒反応速度は濃度に比例 4 v = k[ A] は反応速度定数) (k エネルギー 活性化エネルギー 活性化エネルギー(Ea) 吸熱 発熱 反応熱 ↓ -Q=ΔU+W =ΔU+ΔpV=ΔH *活性化エネルギーの 熱力学第一法則 山を乗り越えないと、 反応は進まない H=U+pV 5 反応速度に対し、 v = k[ A] は反応速度定数) (k k = Ae E − a RT 反応熱が負のものもある ⇒加熱が必要 吸熱反応(反応熱がマイナス) ⇒系内にエネルギーがたまるのでΔH>0 符号に注意!! 6 触媒反応について 触媒:反応を進みやすくするもの ( R:気体定数、A:頻度因子) が成り立つのをArrhenius型という 活性化エネルギーの山だけを下げる 反応熱 成り立たない例: k = Ae − Ea RT が成り立つ 7 エネルギー 活性化エネルギー 大⇒反応進みにくい 温 度 大⇒反応進みやすい 反応速度は v = k[ A] は反応速度定数) (k ・爆発反応 ・酵素反応 ちょっと特殊な反応 8 活性化エネルギー 反応熱は 変わらない 9 アレニウスの式について 青本P243-245 k = Ae E − a RT 正反応は発熱/吸熱反応である 正反応の活性化エネルギーは Ea/ΔHである 正反応の活性化エネルギーは Ea/Ebである 活性化エネルギーが大きいほど 反応速度定数は大きく/小さくなる 活性化エネルギーが大きいほど 反応速度定数は大きく/小さくなる Eaが大きくなると、kは大きく/小さくなる Tが大きくなると、kは大きく/小さくなる Aが大きくなると、kは大きく/小さくなる アレニウスの式の別の書き方 k = Ae ln k = − ⇒ ln k = ln( Ae ) = ln A + ln e 青本P241,242 = ln A − Ea RT E 1 ln kと の関係は傾き− a 、切片 ln Aの直線になる T R k = Ae − Ea RT これをアレニウスプロットとよぶ 一般にEaの値が大きいと分解速度は大きい/小さい ⇒ヒント: Eaが同じ値をとる場合、同じ温度でkが 違うのは何が原因? 12 ( R:気体定数、A:頻度因子) 定数Aはアレニウスプロットのy切片よりもとめることができ、 kと同じ単位をもつ Aはkと同じ単位を有し、頻度因子とよばれる 13 14 速度とは 速度とは? とは? まとめ① 2 ・温度が高いほど反応は進む ・触媒は活性化エネルギーを下げるだけ ・指数関数はlnをつけると直線になる = 16 15 (移動)速度とは スタートしてから1時間後に10 km地点にいたラン ナーが、 問1 2時間後に30 kmにいるとしたら時速何km? 問2 4時間後に40 kmにいるとしたら時速何km? 1 あるものが変化した量 時間の変化量(かかった時間) 17 Eaは1.1×104/3.6×104/ 4.5×104/5.5×104/7.0×104 であり、Aは107/108/109/ 1010/1011である ・このプロットはアレニウスプロットとよ ばれる ・グラフのy(縦軸)切片から頻度因子が求 まる ・温度が上昇するとA及びBの分解反応の 速度定数は減少する ・温度T0より高温ではAの方がBより安定 である ・Aの分解反応の活性化エネルギーはBよ り大きい 移動した(変化した)距離を かかった時間(変化した時間)で 割ったもの 時間t1のときにx1のものが、 時間t2のときにx2になったとすると… x2 x1 ∆x x2 − x1 t2 = t1 ∆t t − t ( R:気体定数、A:頻度因子) 1 ln k = 20.5 − 8400・ T 例えば ある時間でどれだけ変化したかの割合 ・活性化エネルギーは「山」 ・反応熱は-ΔH ・アレニウスの式 アレニウス式を求めたら、 となった。気体定数Rを 8.3[J/(k・mol)、loge=0.434とす る。 指数関数はlnをつけると直線になる Ea RT kは温度の上昇とともに指数関数的に増大/減少する 青本P247,248 縦軸にk、横軸にTをプロットすると右下がりの曲線を描く − ( R:気体定数、A:頻度因子) アレニウスプロット(横軸にlnk、縦軸に1/tをプロット)すると右 下がりの直線となり、その傾きがEaの値である Ea 1 ・ + ln A R T k = Ae Ea RT 11 10 E − a RT − 2種類の化合物のEaが同じ値をとる場合、高温でより 安定な化合物は低温でも安定である/ない 正触媒を加えるとEa/ΔHは小さくなる 正触媒を加えるとEa/Ebは小さくなる E − a RT k = Ae ( R:気体定数、A:頻度因子) 指数について 指数が大きくなる⇒その数も大きくなる a>b ⇒ ea >eb 正反応は発熱/吸熱反応である E − a RT 青本P241,242 反応速度とは 反応した量をかかった時間で割ったもの 分解速度とは 分解した量をかかった時間で割ったもの 18 ∆x x2 − x1 = ∆t t2 − t1 x1 x2 t1 t2 x あるものが変化した量 = 時間の変化量(かかった時間) 数学豆知識 xの増分 tの増分 時間 グラフで考えると Δ(デルタ)は変化量を意味する Δx:xの変化量 Δt:時間(t)の変化した量 速度 = ∆x xの増分 = =「傾き」 ∆t tの増分 一定でないと… 時間の幅をどう とっても問題なし 時間のとり方で速度 が変わってしまう! 20 19 21 「微分」の考え方です まとめ② これが できれば、 瞬間の速度が 知りたい 図形的には ある瞬間の速度は その点の「接線の傾き」 をあらわします。 とる時間の幅をすごく短くすれば良い! x −x ∆x dx ⇒ = lim 2 1 ∆t dt t2 →t1 t2 − t1 dは「わずかな変化量」をあらわす 速度が一定なら 22 ・反応速度は反応した量(濃度)を時 間の変化で割ったもの ・時間と濃度のグラフでは反応速度は「傾き」 もし速度が分からなかったら、 自分で接線を引いて、傾きを目盛りから 読み取ればOK!! 23 速度 = ∆x xの増分 = =「傾き」 ∆t tの増分 24 反応速度のキホン 一番簡単な反応速度 一定時間後 他にはどんなのがあるか A→B [A]を記号Cであらわすと分解(反応)速度は A→B -(Cの増分) dC =− = kC tの増分 dt 分解速度 = *Cは減るから増分はマイナス ものがたくさんあった方が反応は多く進む ⇒反応速度は濃度に比例 25 v = k[ A] は反応速度定数) (k 1次反応という これを dC = kC 0 = k dt dC − = kC1 = kC dt dC − = kC 2 dt − 0次反応 1次反応 2次反応 kは反応速度定数 26 27 青本P232 2種類のものがぶつかるとき 一般則は aA + bB +cC・・・→ P + Q + ・・・ A + B → P + Q + ・・・ 矢印の右側は関係ない こいつらが多い方が反応進むよね v = k[ A][ B ] は反応速度定数) (k 実際に測定すると必ずしも1,2,3乗 にはならないことも・・・ 同じものが2個のとき 2A → P + Q + ・・・ A+A → P + Q + ・・・ 1 2 3 4 5 v = k[ A][ A] P232 第96回問23 = k[ A]2 28 CH2(mol/L) CBr2(mol/L) v(mol/L/s) 1.4×10-2 1.6×10-2 1.1×10-2 1.4×10-2 3.2×10-2 1.6×10-2 1.4×10-2 6.4×10-2 2.2×10-2 2.8×10-2 3.2×10-2 3.2×10-2 5.6×10-2 1.6×10-2 4.4×10-2 2 vs 4→CH2だけが2倍、vも2倍 1 vs 5→CH2だけが4倍、vも4倍 1 vs 2→CBr2だけが4倍、vは2倍 29 CBr2(mol/L) v(mol/L/s) 1.4×10-2 1.6×10-2 1.1×10-2 1.4×10-2 3.2×10-2 1.6×10-2 1.4×10-2 6.4×10-2 2.2×10-2 2.8×10-2 3.2×10-2 3.2×10-2 5.6×10-2 1.6×10-2 4.4×10-2 どれとどれを比べたらいいのかな? dC = kC 0 = k dt dC − = kC1 = kC dt dC − = kC 2 dt − 速度、変わらない ⇒ 0次反応 速度も2倍 ⇒ 1次反応 速度は4(22)倍 ⇒ 2次反応 32 0次反応 dC (濃度) k =− = = (濃度)(時間)−1 dt (時間) 1次反応 1 dC (濃度) k =− = =(時間)−1 C dt (濃度)(時間) 2次反応 1 dC (濃度) = = (濃度)−1(時間)−1 2 2 C dt (濃度) (時間) 34 (92回問21) 物質Xが物質Yに変化する反応が2次反応速度式に従 うとする。この反応に関する記述のうち、正しいのはどれか 1 反応速度はXの濃度とYの濃度の積に比例する 2 反応速度定数kの次元は(時間)-1である 1次反応 (96回問22)化学反応に関する記述のうち正しいのはどれか。 1 0次反応の反応速度定数の次元は濃度・時間-1 である 2次反応 (97回問94)反応A→Bは、反応物Aの濃度Cに関して2次反応 である。この反応の記述のうち正しいのはどれか。ただし、反 応物Aの初濃度をC0、反応速度定数をk、半減期をt1/2とする。 1 C0が2倍になれば反応速度は2倍になる 35 0次反応 1次反応 2次反応 kは反応速度定数 青P225,P241,P231 0次反応 30 反応速度式のまとめ 濃度を2倍にしたとき… vはCH2の 1乗に比例 vはCBr2の 31 1/2乗に比例 1 2 3 4 5 CH2(mol/L) まとめ③ 反応の次数の見分け方(その1) kの次元(単位)は何か? k =− v = k[ A]a [ B]b [C ]c・・・ は反応速度定数) (k 第96回問23 表は反応H2+Br2→2HBrにおいて、反応物の濃度 (CH2、CBr2)を変えて反応の初期速度vを測定した結果である。 この反応の反応次数はH2に関して[ a ]、Br2に対して[ b ] である。 33 dC = kC 0 = k dt dC − = kC1 = kC dt dC − = kC 2 dt − ここからどうやって C =・・・ の形にするのか 36 ①次元を求めたときのようにCを移項する ②積分記号 ∫ dt 覚えていてほしい積分公式① をつける ∫ ax dx = a ∫ x dx ∫ (ax ± bx )dx = ∫ ax dx ± ∫ bx dx 1 (C ∫ x dx = n + 1 x + C は積分定数) n dC − =k dt 1 dC − =k C dt 1 dC − 2 =k C dt dC − ∫ dt dt = ∫ kdt 1 dC ∫ − C dt dt = ∫ kdt 1 dC ∫ − C 2 dt dt = ∫ kdt ∫ −1dC = ∫ kdt 1 − ∫ C dC = ∫ kdt 1 ∫ − C 2 dC = ∫ kdt 38 37 0次反応なら m n m n n +1 n 右辺 = ∫ kdt = ∫ kt 0 dt = k ∫ t 0 dt = k× 1 0+1 t + ? = kt + ? 0 +1 39 2次反応なら 左辺、右辺あわせて 右辺 = ∫ kdt = ∫ kt 0 dt = k ∫ t 0 dt = k× 1 1 t + ?1 = kt + ?1 0 +1 −C + ?1 = kt + ?2 ⇒ C = −kt + ? 右辺 = ∫ kdt = ∫ kt 0 dt = k ∫ t 0 dt 時間0のときの濃度をC0とすると、 = k× t = 0のときC0 = k×0 + ? ⇒ ? = C0 左辺 = ∫ −1dC = ∫ −C dC = − ∫ C dC 0 =− 1 C 0+1 + ?2 = −C + ?2 0 +1 左辺、右辺あわせて 1 1 + ?1 = kt + ?2 ⇒ = kt + ? C C 時間0のときの濃度をC0とすると、 1 1 ?= = k×0 + ? ⇒ C0 C0 1 1 = kt + C C0 1 1 t + ?1 = kt + ?1 0 +1 1 dC = ∫ −C −2 dC = − ∫ C −2 dC 2 C 1 1 C −2+1 + ?2 = C −1 + ?2 = + ?2 =− C −2 + 1 左辺 = ∫ − 0 40 t = 0のとき n 43 C = −kt + C0 41 最後に1次反応 覚えていてほしい積分公式② 右辺 = ∫ kdt = ∫ kt dt = k ∫ t dt 0 = k× 42 0 ∫ ax dx = a ∫ x dx ∫ (ax ± bx )dx = ∫ ax dx ± ∫ bx dx n 1 1 t + ?1 = kt + ?1 0 +1 n m 1 dC = ∫ −C −1dC = − ∫ C −1dC C 1 =− C −1+1 + ?2 →分母が0! −1 + 1 左辺 = ∫ − 44 n n n n≠1のとき 1 ∫ x dx = n + 1 x n n +1 (C + C は積分定数) n=-1のとき 1 (C ∫ x dx = ln x + C は積分定数) 45 これを使うと 左辺、右辺あわせて 1 dC = ∫ −C −1dC = − ∫ C −1dC C = − ln C + ?2 左辺 = ∫ − lnとは ln ⇒ log e のこと、 ① log a x = ■ ②aを■回かけるとx(x = a■ ) 自然対数とよばれる 46 まとめ④ 微分型速度式 dC = kC 0 = k dt dC 1次反応 − = kC1 = kC dt C = − kt + C0 C = C0 e − kt ln C = −kt + ln C0 dC − = kC 2 dt 1 1 = kt + C C0 49 半減期の計算の仕方 C0 = − kt1/2 + C0 0次 2 1次 2次 ln C − ln C0 = −kt t = 0のときln C0 = k×0 + ? ⇒ ? = ln C0 C = −kt ln C0 ln C − ln C0 = −kt ln C = −kt + ln C0 ここからもうひとひねり t1/ 2 C = 0 2k 52 C = e − kt C0 ln A + ln B = ln ( A × B ) ⇒ ln A n = n ln A ln A − ln B = ln ( A ÷ B ) C = C0 e − kt 47 (92回問21) 物質Xが物質Yに変化する反応が2次反応速度式に従 うとする。この反応に関する記述のうち、正しいのはどれか 1 Xの濃度の逆数は時間とともに直線的に増加する (88回問23)3種類の薬物A,B及びCの分解は、それぞれ0次、 1次及び2次反応に従う。次の記述のうち正しいのはどれか 1 Aの残存量は、時間とともに直線的に減少する 2 Bの残存量の対数は時間とともに直線的に減少する 3 Cの残存量の逆数の対数は、時間とともに直線的に増加 する (97回問94)反応A→Bは、反応物Aの濃度Cに関して2次反応 である。この反応の記述のうち正しいのはどれか。ただし、反 応物Aの初濃度をC0、反応速度定数をk、半減期をt1/2とする。 1 濃度の逆数1/Cを反応時間に対してプロットすると、傾き 50 が(ln2)/kの直線が得られる 半減期の計算の仕方 C0 = C0 e − kt1/2 2 1 1 = −kt1/2 + C0 C0 2 時間0のときの濃度をC0とすると、 青本P225、P227、P231 積分型速度式 0次反応 − 2次反応 ln C = −kt + ln C0 ln C = −kt + ln C0 すっきり! log a xの考え方 − ln C + ?1 = kt + ?2 ⇒ ln C = −kt + ? C0 = C0 e − kt1/2 2 1 = e − kt1/2 2 1 ln = ln e − kt1/2 2 e ln x =x 1 ln = −kt1/2 2 − ln 2 = −kt1/2 t1/2 = 半減期の計算の仕方 0次反応 C = − kt + C0 − kt 1次反応 C = C0 e 2次反応 1 1 = −kt + C C0 (半減期)のとき、 t = t1/2 濃度はC = C0 2 これを代入するだけ 51 半減期の計算の仕方 ln e x = x 1次 48 ln 2 k 2次 1 1 = −kt1/2 + C0 C0 2 2 1 = −kt1/2 + C0 C0 kt1/2 = 53 1 a b b = 1÷ = 1× = a b a a b 1 1 ⇒ t1/2 = C0 kC0 54 青本P232 まとめ⑤ C0 = − kt1/2 + C0 0次 2 1次 2次 C0 = C0 e − kt1/2 2 t1/ 2 t1/2 = 1 1 = −kt1/2 + C0 C0 2 C = 0 2k ln 2 0.693 = k k 1 t1/ 2 = 2kC0 半減期と反応速度定数は反比例!55 1次 t1/2 ln 2 0.693 = = k k 問題文より半減期は一定でない。 速度が一定 Cは等差数列 速度は Cは等比数列 2次 1 − 0.5 0.5 1 2 − 1 1 = = , = 30 30 60 15 15 その他 58 Cは反比例 青本P226 2次反応 59 違う dC 1 1 − = kC 2 ⇒ =kt+ dt C C0 1 1 =k×20 + 0.1 0.2 分子分母を10倍 10 10 =k×20 + ⇒ k = 0.25 1 2 (97回問2) ある化合物における分解が、半減期3日の1次反応に 従うとする。この化合物100 mgを6日間、25℃で保存したとき の残存量はいくつか 1次反応 − dC ln 2 = kC ⇒ C = C0 e − kt ⇒ t1/2 = dt k ln 2 ln 2 k= = 反応速度定数を求める 3 t1/2 時間から量を求める − kt C = C0 e ⇒ C = 100×e − ln 2 ×6 3 −2 61 57 0次反応 C = − kt + C0 1次反応 C = C0 e − kt 2次反応 1 1 = −kt + C C0 kは反応速度定数⇒どんなときも一定! 青本P225 (94回問24) 化合物Aの25℃での分解反応は2次反応である。Aの 初濃度が0.2 mol/Lのとき、20秒で50%が分解した。この反応の 反応速度定数はいくらか。 (97回問94)反応A→Bは、反応物Aの濃度Cに関して2次反応 である。この反応の記述のうち正しいのはどれか。ただし、反 応物Aの初濃度をC0、反応速度定数をk、半減期をt1/2とする。 1 C0が2倍になれば、t1/2は1/2倍になる 文字は3つ⇒2つ分かればもう一つも求まる 1 mol/L -30分→0.5 mol/L 2 mol/L -15分→1 mol/L 半減期が一定 (92回問21) 物質Xが物質Yに変化する反応が2次反応速度式に従 うとする。この反応に関する記述のうち、正しいのはどれか 1 反応温度が一定のとき、Xの半減期はXの初濃度に比例 する。 反応速度の計算(種明かし) (89回問23) 化合物Aの200℃での分解反応の半減期は初濃度が1 mol/Lのときは30分、2 mol/Lのときは15分であった。この分解 反応は0次、1次、2次反応のうち[ a ]反応にしたがって分解す る。 反応の見分け方 0次 (85回問166)薬物A~Dについて、それぞれ3種類の異なる含量 の水性注射剤(2mL溶液、アンプル入り)を調整し、それら の40℃における経時的安定性を試験した。次の記述のうち正 しいのはどれか。 1 薬物Aについて、初期含量に対する残存率が50%とな るまでの時間を求めたところ、初期含量に無関係であった。こ の結果から、薬物Aの分解は0次反応であることがわかった。 2 薬物Bについて、初期含量に対する残存率が50%とな るまでの時間を求めたところ、初期含量に反比例していた。こ の結果から、薬物Bの分解は2次反応であることがわかった。 1 薬物Cについて、初期含量に対する残存率が50%とな るまでの時間を求めたところ、初期含量に比例した。この結果 から、薬物Cの分解は1次反応であることがわかった。 1 薬物Dについて、初期含量に対する残存率が50%とな るまでの時間を求めたところ、初期含量の2乗に比例した。こ 56 の結果から、薬物Dの分解は2次反応であることがわかった。 青本P226 まとめ⑥ dC − = kC 0 = k dt 青本P225、P231 C = 100eln 2 = 100×2−2 = 25 62 問題の流れ 濃度and時間から反応速度定数を求めさせてから、 60 濃度→時間or時間→濃度を求めさせる 青本P226 (89回問23) 化合物Aの200℃での分解反応の半減期は初濃度が1 mol/Lのときは30分、2 mol/Lのときは15分であった。この分解 反応は0次、1次、2次反応のうち[ 2 ]反応にしたがって分解し、 初濃度が3 mol/Lの場合、化合物が90%分解するのに要する時間 は[ b ]分である 2次反応 dC 1 1 = kC 2 ⇒ =kt+ dt C C0 1 1 1 反応速度定数 =k×15 + ⇒k = を求める 1 2 30 1 1 1 量から時間 = t + ⇒t = 90 3 を求める 3(1 − 0.9) 30 − 63 青本P228 (95回問23) 化合物A、B及びCの分解過程は見かけ上、0次反 応、1次反応、又は2次反応のいずれかでおこっている。図は 3つの化合物の初濃度が10 mg/mLのときの、化合物濃度の刑事 変化を示しており、いずれの場合も半減期は4時間であった。 この初濃度を20 mg/mLに変えたとき、A、B及びCの半減期は 何時間になるか。 反応速度定数を 求める! 1次反応 0次反応 dC − = kC ⇒ C = C0 e − kt dt dC = k ⇒ C = C0 − kt dt 反応速度定数 5 = 10 − 4k ⇒k = 5 を求める 4 − 反応速度定数 を求める 量から時間を求める 5 5 10 = 20 − t1/2 ⇒t1/2 = (−10)÷(− ) = 8 4 4 65 64 dC 1 1 = kC 2 ⇒ =kt+ dt C C0 反応速度定数 を求める 時間から量 を求める (86回問166)水溶液中において薬物Aは1次反応速度式に従い、 薬物Bは0次反応速度式に従って分解する。濃度C0の薬物A, Bそれぞれの水溶液を調整して、一定条件化で保存したところ、 1年後に両者とも濃度がC0/2となった。さらに、同一条件で保 存し続けたところ、分解反応が進行し、ある時点で薬物Bの濃 度は0になった。その時点での薬物Aの濃度はいくつか 1 1 1 = 4k + ⇒k = 5 10 40 67 C0 1 = C0 e − k ⇒ = e − k 2 2 1 ln = −k ⇒k = ln 2 2 ⇒C = C0 e 1 C = C0 ×2−2 = C0 4 反応速度定数 を求める C0 C = C0 − k ⇒k = 0 2 2 濃度0のときの時間 0 = C0 − 薬物A(1次反応) − dC = kC ⇒ C = C0 e − kt dt − ln 2−2 − dC = k ⇒ C = C0 − kt dt dC = kC ⇒ C = C0 e − kt dt 69 薬物X(0次反応) 反応速度定数 を求める 5C0 C = C0 − 3k ⇒k = 0 8 8 薬物Y(1次反応) 反応速度定数 を求める 薬物Y(1次反応) 70 C0 t ⇒t = 2 2 68 薬物X(0次反応) 2年後のときの濃度 C = C0 e dC − = k ⇒ C = C0 − kt dt 青本P230 難問(96回問166)水溶液中において薬物Xは0次反応速度式に従 い、薬物Yは1次反応速度式に従い分解する。濃度C0の薬物X, Yそれぞれの水溶液を調整して、一定条件化で保存したところ、 3ヶ月後に薬物X及びYの濃度はそれぞれ5C0/8、C0/2となった。 両薬物の濃度が等しくなるのは溶液調整何ヵ月後か、最も近い 値を一つ選べ 1 2 2 4 3 6 4 8 5 10 薬物A(1次反応) −2ln 2 薬物B(0次反応) 薬物B(0次反応) 1 1 1 = t + ⇒4 = t + 2 10 40 20 t=2 反応速度定数 を求める ln 2 ln 2 − t − t 1 4 ⇒ = e 4 時間から量 10 = 20e 2 を求める 1 ln 2 ln 2 log e( ) = − t ⇒- ln 2 = − t 2 4 4 66 t=4 青本P229 2次反応 − 5 1 = e −4 k ⇒ log e = −4k 10 2 ln 2 ln 2 = 4k ⇒k = 4 5 = 10e −4 k ⇒ 71 C0 1 = C0 e −3k ⇒ = e −3k 2 2 1 ln 2 ln = −3k ⇒k = 2 3 72 ウラワザ 濃度が同じ時間 C0 t = C0 e 8 t t 3 1 − = eln 2 8 t − t 3 1− = 2 8 − このままじゃ解けなさそう… 答えは選択肢に書 いてあるから代入 してみる! 2 − 2 3 1− = ≠ 2 3 8 4 4 − 4 1 1− = ≠ 2 3 8 2 6 − 6 1 −2 1− = = 2 = 2 3 8 4 C = − kt + C0 1次反応 C = C0 e− kt 2次反応 目盛りを読み取ってみる 0時間のとき、logC=1.6⇒C=101.6 2時間のとき、logC=1.4⇒C=101.4 4時間のとき、logC=1.2⇒C=101.2 6時間のとき、logC=1.0⇒C=101.0 74 読み取るポイント 0時間⇒40 mg/mL 6時間⇒10 mg/mL Cとtが直線 初濃度40 何でこんなめんどくさい 目盛りをとるんだろう… 対数目盛りには注意! 73 積分型速度式 0次反応 応用 グラフの問題 等間隔ではない! C0 − ln 2 − t 3 青本P235 (91回問165)薬物Aの水溶液中(初濃度40 mg/mL)での分解過程 について濃度C(mg/mL)の常用対数値をプロットしたところ、 したのグラフのようになった。次の記述について正しいのはど れか。2つ選べ。 1 分解は1次反応速度式に従っている 2 反応の半減期は約8時間である 3 反応速度定数は0.1 hr-1である 4 反応開始から20時間後には、薬物Aの約99%が分解する ことが予想される。 1 分解は1次反応速度式に従っている lnCとtで直線関係だから○ 2 反応の半減期は約8時間である 6時間後に1/4(半分の半分)になっている⇒半減期は3時間 3 反応速度定数は0.1 hr-1である 75 青本P234 (88回問166)薬物Aの分解はAの2次反応である。いま、薬物A の初濃度C0を種々変化させて半減期t1/2を実験的に求め、その対 数値をlogC0に対してプロットしたとき、正しい図は1~5のど れか。 1 1 ln 2 0.693 10 = 40e −6 k ⇒ = e −6 k ⇒ln = ln e −6 k ⇒ − 2 ln 2 = −6k ⇒k = = ≠ 0.1 4 4 3 3 ln C = −kt + ln C0 ln Cとtが直線 1 1 = kt + C C0 1 とtが直線 C 76 (88回問166)薬物Aの分解はAの2次反応である。いま、薬物A の初濃度C0を種々変化させて半減期t1/2を実験的に求め、その対 数値をlogC0に対してプロットしたとき、正しい図は1~5のど れか。 2次反応 dC 1 1 1 − = kC 2 ⇒ =kt+ ⇒ t1/2 = dt C C0 kC0 1 t1/2 = log t1/2とlog C0の形にする kC0 1 1 1 = log + log log t1/2 = log kC0 k C0 = − log C0 − log k 79 4 反応開始から20時間後には、薬物Aの約99%が分解する ことが予想される。 グラフの線を伸ばすと、 ln 2 20時間後-0.4 ln x = − ×20 + ln 40 3 lnC0=1.6より 20 ln 2 + ln10 + ln 22 3 14 14 = ln10 − ln 2 = 2.303 − ×0.693 3 3 ln x = − t1/2 = log C = log C − log C0 = −0.4 − 1.6 = −2 C0 C = 10−2 ⇒C = 0.01C0 C0 77 1 kC0 78 まとめ6 1 1 1 = log + log kC0 k C0 = − log C0 − log k Y = − X − log k ⇒傾き:− 1、切片:− log k log t1/2 = log グラフの見方 ・縦軸と横軸の形に注意! とくにlogの形の有無 ・枠の外にも線を引いてみる ・できるだけ分かりやすい点の座標を読む 答えは4 80 81 青本P238 0次反応の問題 溶け残りの系 (90回問22)ある薬物の水溶液中における分解の1次速度定数は 0.05 hr-1で、溶解度は1 w/v%である。溶解速度が分解速度に比 べて十分に速い状態において、この薬物200 mgを5 mLに懸濁さ せ、分解物の生成を時間の関数としてモニターしたところ、最 初は直線的に増加したが[ ]時間を過ぎると、分解物の生成は その直線からずれた。 濃度が上がれば反応しやすいのが普通 0次反応⇒濃度が変わらない どういうときか (90回問22)ある薬物の水溶液中における分解の1次速度定数は 0.05 hr-1で、溶解度は1 w/v%である。溶解速度が分解速度に比 べて十分に速い状態において、この薬物200 mgを5 mLに懸濁さ せ、分解物の生成を時間の関数としてモニターしたところ、最 初は直線的に増加したが[ ]時間を過ぎると、分解物の生成は その直線からずれた。 減っても補充されるとき 反応して減った分、沈殿物が解ける ⇒補充 例:溶け残っているとき 親核種、娘核種 82 (90回問22)ある薬物の水溶液中における分解の1次速度定数は 0.05 hr-1で、溶解度は1 w/v%である。溶解速度が分解速度に比べ て十分に速い状態において、この薬物200 mgを5 mLに懸濁させ、 分解物の生成を時間の関数としてモニターしたところ、最初は 直線的に増加したが[ ]時間を過ぎると、分解物の生成はその 直線からずれた。 沈殿物がなくなったら、普通の反応 83 (90回問22)ある薬物の水溶液中における分解の1次速度定数は 0.05 hr-1で、溶解度は1 w/v%である。溶解速度が分解速度に比べ て十分に速い状態において、この薬物200 mgを5 mLに懸濁させ、 分解物の生成を時間の関数としてモニターしたところ、最初は 直線的に増加したが[ ]時間を過ぎると、分解物の生成はその 直線からずれた。 溶解度は1 w/v%=1g/100mL=0.01 g/mL 解ける量は1 g:100 mL = ? g:5 mL⇒0.05 g 溶け残った量は200 mg – 50 mg= 150 mg 85 (99回問93)ある薬物の水に対する溶解度は5 w/v%であり、1次 反応速度式に従って分解し、その分解速度定数は0.02 hr-1である。 この薬物1.5 gを水10 mLに懸濁させたとき、残存率が90%になる 時間(h)に最も近い値はどれか。 (99回問93)ある薬物の水に対する溶解度は5 w/v%であり、1次 反応速度式に従って分解し、その分解速度定数は0.02 hr-1である。 この薬物1.5 gを水10 mLに懸濁させたとき、残存率が90%になる 時間(h)に最も近い値はどれか。 溶解度は5 w/v%=5g/100mL=0.05 g/mL 解ける量は5 g:100 mL = ? g:10 mL⇒0.5 g 88 溶け残った量 は1 gより 1 (g)/0.01 (g/hr) = 100 (hr) 100時間までは0次反応 (90回問22)ある薬物の水溶液中における分解の1次速度定数は 0.05 hr-1で、溶解度は1 w/v%である。溶解速度が分解速度に比べ て十分に速い状態において、この薬物200 mgを5 mLに懸濁させ、 分解物の生成を時間の関数としてモニターしたところ、最初は 直線的に増加したが[ ]時間を過ぎると、分解物の生成はその 直線からずれた。 溶解度(=濃度)は1 w/v%=1g/100mL=0.01 g/mL 分解速度は0.05 hr-1 ×0.01 g/mL= 0.0005 g/mL/hr 溶液は5 mLだから0.0005×5 =0.0025 g/hr =2.5 mg/hr 溶け残った量 は150 mgより 87 150 (mg)/2.5 (mg/hr) = 60 (hr) (99回問93)ある薬物の水に対する溶解度は5 w/v%であり、1次 反応速度式に従って分解し、その分解速度定数は0.02 hr-1である。 この薬物1.5 gを水10 mLに懸濁させたとき、残存率が90%になる 時間(h)に最も近い値はどれか。 残存率90%⇒1.5×0.9=1.35 g 溶解度(=濃度)は5 w/v%=5g/100mL=0.05 g/mL 分解速度は0.02 hr-1 ×0.05 g/mL= 0.0010 g/mL/hr 溶液は10 mLだから0.001×10 =0.01 g/hr ①溶け残りがどれだけあるのか 溶け残った量は1.5 g – 0.5 g = 1 g 86 ②沈殿は何時間後になくなるのか 溶け残りがどれだけあるのか 何時間後になくなるのか 84 ②沈殿は何時間後になくなるのか ①溶け残りがどれだけあるのか 溶け残りがどれだけあるのか 何時間後になくなるのか 最初は0次反応 つまり分解した量は1.5-1.35=0.15 g 0次反応のときの分解速度は0.01 g/hr 0.15 (g)/0.01 (g/hr) = 15 (hr) 89 90 (93回問166)ある薬物1.25 gを水0.1 Lに懸濁し、一定温度下で全 薬物濃度Cを測定したところ、図1に示すように実験開始5時 間後までは直線的に減少した。Cの値を時間に対して片対数プ ロットしたところ、図2に示すように5時間以降は直線となっ た。懸濁粒子の粒子径を変えて実験しても同じ実験結果が得ら れた。この実験に関する記述のうち、正しいのはどれか。 1 実験開始5時間までは分解速度が溶解速度に比べて速い 2 実験開始5時間以降の分解は1次速度過程に従い、その 1次速度定数は0.05 hr-1である 3 この薬物の水に対する溶解度は5.0 g/Lである 4 Cが1.25 g/Lになるのは実験開始9.6時間である 青本P237 91 反応速度定数 − (93回問166)ある薬物1.25 gを水0.1 Lに懸濁し、一定温度下で全 薬物濃度Cを測定したところ、図1に示すように実験開始5時 間後までは直線的に減少した。Cの値を時間に対して片対数プ ロットしたところ、図2に示すように5時間以降は直線となっ た。懸濁粒子の粒子径を変えて実験しても同じ実験結果が得ら れた。この実験に関する記述のうち、正しいのはどれか。 1 実験開始5時間までは分解速度が溶解速度に比べて速い 2 実験開始5時間以降の分解は1次速度過程に従い、その 1次速度定数は0.05 hr-1である 3 この薬物の水に対する溶解度は5.0 g/Lである 4 Cが1.25 g/Lになるのは実験開始9.6時間である 懸濁 ⇒ 溶けきってない 懸濁粒子の粒子径を変えて実験しても同じ実験結果が得られた。 ⇒粒子径変わる=溶解速度変わる。 でも一緒って事は溶解速度はすごく速い 片対数⇒logのこと。こんなことするのは1次反応速度式 92 「5時間」が溶けきる/溶け残るの境目 1.25 g/L⇒5 g/Lの半分の半分 dC = kC dt 5時間に半減期2回分足して、 9.6時間になっていればOK ln 2 0.69 = = 2.3 0.3 k 5 + 2.3×2 = 9.6 t1/2 = 5 g/L ⇒ 飽和溶液=溶解度 0時間後、濃度12.5 g/L 5時間後、濃度5 g/L dC ∆C 5 − 12.5 = = = −1.5 dt ∆t 5−0 1.5 = k×5 ⇒k=0.3 94 95 溶け残りがどれだけあるのか 何時間後になくなるのか 5時間後のとき溶けきっている ⇒グラフを読む最大ポイント 5時間後のとき 5 g/L ⇒ 飽和溶液 =溶解度 5 (g/L)×0.1 (L) = 0.5 (g)⇒溶けている量 1.25 – 0.5 = 0.75 g⇒溶け残りの量 93
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