アルミニウム合金のろう付について教えてください?

琶
霊
友B
アルミニウム合金のろう付けについて
教えてください.?
施工法委員会/ て
せます.以下にその反応を示します.
2KAIF,
f
+3Mg一 ー ト 2KMgF3+MgF2+2Al
ただし,全ての M g含有合金がろう付不良を起
アルミニウム合金のろう付において
こすとは限りません.上記反応において, M g含
は,その表面の徽密で安定な酸化膜を
有量を低く抑えることでフラックス効果を残し,
破壊,除去することが必要であり, Fig.1
1l
に示
2l
良好なろう付性を得ることが出来ます. Fig.2
すようにフラ ックスを用いるろう付方法とフラッ
にアルミニウム合金中の M g含有量とフラックス
クスを用いないろう付方法に大別されます.
濃度に対するろう付性評価結果を示します.ノコ
フラ ックスを用いるろう付方法の中で,一般的
ロックろう付においてアルミニウム合金をろう付
に採用されているのは, AleanNocolok (以下ノ
5 %以下が推奨されま
する場合, M g含有量は 0.
す
.
コロックろう付と呼称する)法で,非腐食性フ
ラックスを用いたろう付方法です .
次に,フラックスを用いないろう付方法の中
ノコロックろう付は,水にほとんど溶けない非
で,一般的に採用されているのは, M gの蒸発を
腐食性の無機塩フラックスと ,窒素ガスで雰囲気
利用した真空ろう付法です.真空ろう付法はろう
制御した加熱炉を利用することが特徴です.
材に少量の M g (0.
2∼2.0%)を添加し,真空中
加熱雰囲気が正圧であること,非酸化性雰囲気
であることにより,アルミニウム合金の防食効果
で加熱する事で, M gの蒸発を助長し,酸化膜破
壊,一部還元することでろうのぬれを促進します.
が高い Znの使用が可能で,アルミニウム合金の
ただし,ノコロックろう付方法のように高い耐
表面に形成させたり,合金化させるなどして用い
食性を有する Znは真空加熱によ って蒸発してし
られます.しかし,高い強度を有する M g含有合
まい,逆にろう付性を阻害します .耐食性に対し
金はフラックスが表層の M gと反応し,高融点化
合物( KMgF3の融点 1070。
C,MgFの融点 1270℃
)
となり,フラックスの流動性を阻害し,フラック
ス効果を低下させることで,ろう付不良を発生さ
ろう付法
フラyクスー「ートーチろう付
ろう付
トー浸潰ろう付
「一炉中ろう付
l
c
o
a3
9
3法
卜ー雰囲気調整ーァ− A
| ろう付
」
− A
l
c
a
nN
o
c
o
l
o
k法
1
0 〈 ト 一 一0ー 0
G
o
o
d
iso
o;o
j・
」ー特殊ろう付一下一自動フレーム法
トー誘導加熱法
卜ーブロック加熱法
」ー溶融ろう浸漬法
フラyクス−,−一真空ろう付ーァ一高真空 GE)
:
去
レスろう付 |
」ー低真空キャリア法
」ー不汚性ガスーァー V
AW
法
o
r
gW
a
r
n
e
r
法
雰囲気ろう
卜
ー B
{ サ 」 − KD206)
去
F
i
g
. 1 アルミニ ウムろう 付法の分類
軽 金 属 溶 接 Vol.46(
2008)No.5
。
.
.
.
.
2
Mgc
o
n
t
e
n
t(wt.%)
Fig.2 E
f
f
e
c
to
fM gc
o
n
t
e
n
t
si
nbasemetaland
f
l
u
xc
o
n
c
e
n
t
r
a
t
i
o
nonb
r
a
z
e
a
b
i
l
i
t
y (DP
-4
6
°
C
,023
9ppm)
Table1 アルミニウム合金のろう付性
合金
1
1
0
0
2014
2
0
1
7
2024
3
0
0
3
3004
3005
5
0
0
5
5050
5
0
5
2
5
0
8
3
5056
5154
6
0
6
1
6N01
6063
6
1
5
1
AADDDABABBCDDCBBABABDB
1
0
5
0
ろう 付性
溶融温度範囲(℃)
て,展伸用アルミニウム合金のろう付性評価を
Table1
1l
に示します.ろう付材料の選定は,ま
646∼6
5
7
ず,ろう付温度( 600℃前後)に対して,材料の
5
7
6
4
3∼ 6
溶融温度範囲が高いことが望ましいが,低くて
5
1
0∼6
3
8
も,程度によっては,ろう付可能な場合がありま
4
1
5
1
3∼ 6
5
0
2∼6
3
8
6
43∼654
す.また,合金組成に対するろう付性は非熱処理
合金で 1000系
, 3000系及び M g含有量の比較的す
6
2
9∼654
くない 5000系合金はろう付け可能です.熱処理合
6
6
7∼654
金の中では 6000系と, 7000系合金の 7003,7N01は
6
3
2∼654
ろう付可能です.これまで述べたように,強度や
624∼6
5
2
4
9
5
9
3∼6
57
9∼ 6
4
1
耐食性を有し,ろう付を可能にするためには,材
料選定やプロセスの選定が必要であります .
5
6
8∼638
鋳物用合金は高い融点を有する合金であれば,
4
3
5
9
3∼6
A A規格の A712,A356等が 4047ろう材でろう付
5
9
3∼ 6
5
2
l.JIS規格の AC3A, AC4B,
された例があります 2
5
2
6
1
5∼6
AC5A, AC7B等においても Zn-Al-Cuはんだ
616∼654
5
8
8∼649
材による成功例があります 3)
.また,ダイカスト
616∼654
合金については,数多くのボイドが原因で,加熱
7
0
03
6
1
5∼650
にともなう発汗や膨れによってろう付不良となり
7
0
7
5
3
5
4
7
7∼6
ます.但し,近年,特殊な手法による無孔性のダ
7N01
6
0
7∼ 646
1
)
は上記問題はなく,ろう付可能であ
イカスト品 ・
6
9
5
1
注: A ろう 付性は良好である
B ろ う付性は A よりやや劣る
c 予備試験で適当な条件を決める
必要がある
.
D ろ う付は勧め られない.
ては材料中に Mg,Cuを添加したり,ろう付後,
表面処理を施すなどの対策がなされています.
ります.
参考文献
I
) 軽金属溶接構造協会:アルミニウ ムプ レーシ ンク
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0
0
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