~ 耳鼻科用ネブライザー液の院外処方箋を応需される保険薬局の方へ ~

2012 年1月現在
~ 耳鼻科用ネブライザー液の院外処方箋を応需される保険薬局の方へ ~
当センターでは、耳鼻咽喉科で急性慢性副鼻腔炎や慢性扁桃炎、気管支炎などに対し、症状緩和の目的で
ネブライザー液(院内約束処方名:耳鼻科用BRB吸入液)を処方しています。
本剤を院外処方する際には約束処方名称を使用することができないため、処方箋には組成となる薬剤名を
記載しています。本剤の処方は次のとおりですので、以下に示す方法に準じて調剤し、薬剤を交付してくだ
さい。
<処方> 耳鼻科用BRB吸入液 =[①基本液25mL]+[②ベストロン耳鼻科用(1%)未溶解×1箱]
①:基本液(25mL)中の組成
ボスミン液 <日本薬局方アドレナリン:1mg/mL>
1.25mL
リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1% <1mg/mL>
12.50mL
滅菌精製水 <日本薬局方滅菌精製水>
11.25mL
②:ベストロン耳鼻科用1%(粉末薬剤と溶解液のセット)
ベストロン耳鼻科用1%(塩酸セフメノキシム)
500mg(1瓶)
ベストロン耳鼻科用1%専用溶解液
50mL(1瓶)
<方法> 本剤を調剤および交付する際の注意点は以下のとおりです。

基本液(①)は組成となる各薬剤を混合した後、清潔な密封容器(外用ポリ容器など)に充填し
てください。
基本液を入れる容器は、あとで溶解したベストロン耳鼻科用1%を混合するため100mL程度
の容量があるものを使用してください。

患者さんには、基本液(①)1本(25mL)とベストロン耳鼻科用1%
(②)1箱(薬剤+溶解液)を一組にして交付してください。
なおベストロン耳鼻科用1%は溶解すると分解が進むため、患者さんに
交付する時点ではベストロン耳鼻科用1%は未溶解の状態でお渡しくだ
さい。使用を開始する前に、患者さん自身でベストロン耳鼻科用1%を
溶解し、これと基本液を混合してから指示された量を吸入します。

本剤の使用開始が 1 週間以上先になる場合は、溶解せずにお渡しするか、分割調剤で対応してく
ださい。ただし、患者さんが直ちに本剤を使用したい場合には、溶解・混合をしてから交付して
いただいてもかまいません。

基本液とベストロン耳鼻科用1%を混合した後は、かならず冷所に保存して、溶解後1週間を経
過したものは使用せず、廃棄するようにご指導ください。
混合した直後の色調は淡黄色ですが、時間の経過ともに橙色に変わります。

裏面に院内調剤による薬剤交付時に添付している指導書を掲載しますので、指導の際の参考にし
てください。
埼玉県立小児医療センター薬剤部(048-758-1811、内線3288)
2012 年1月現在
耳鼻科用BRB吸入液の使用方法
ご注意




本剤は使用を始める前に、必ず以下の手順で薬剤を溶解・混合してください。
溶解・混合した後の液は、7日以内に使用してください。
本剤は吸入療法で用いる外用薬です。吸入の方法については医師の指示にしたがってください。
本剤の計量に使用する器具は、よく洗浄し、乾燥させたものをお使いください。
まず、おくすりの包装の中に必要な薬剤が揃っているか、確認してください。
③
②
① 粉末が入っている、ふたが緑色の小さな瓶(ベストロン耳鼻科用500mg)
1) ②
液体が入っている、胴体が白くて細長い瓶(ベストロン耳鼻科用溶解液)
①
③ 液体が入っている、褐色の瓶(耳鼻科用BRB吸入液のラベルが貼ってあります)
ただし、このままの状態では吸入に用いることはできません。
かならず、以下の手順で溶解・混合してから用いてください。
①のベストロン耳鼻科用500mgの緑色のキャップ部分を、親指で矢印の方向に押し上げて、開けてください。
②のベストロン溶解液の2段式キャップをすべて取り外してください。
①の粉末と②の溶解液がこぼれ出さないように注意して、①と②の容器をしっかりと連結してください。
①と②が外れないように固定しながら、粉末の薬剤が完全に溶けるまで、よく振り混ぜてください。
2)
ふたを押し上げる
キャップをすべて取り外す
粉末薬剤の入った瓶と溶解
液の容器を連結する
上下に振ってよく溶かす
粉末の薬剤を溶かした液を溶解液の容器(②)に移してから、空の瓶(①)を取り外してください。
次に、③の耳鼻科用BRB吸入液の容器のふたを開け、溶かした液すべて移してください。
耳鼻科用BRB吸入液の容器のふたをして、上下に数回、軽く振ってよく混ぜてください。
 このときの液量は、およそ75mLになります。
 液の色調はうすいオレンジ色ですが、溶解してから時間が経つと、やや濃くなることがあります。
ラベルに混合日と、この日から7日後の使用期限を記入してください。
3)
粉末を溶解した液を
混合した日付と、その7日後の使用期限を記入する
冷蔵庫に保存する
褐色の容器に移す
ふたをして軽く混ぜる
耳鼻科用BRB吸入液は、かならず医師の指示にしたがって使用してください。
4)
耳鼻科用BRB吸入液は、溶解・混合したあとは、冷蔵庫内に保存して、7日以内に使用してください。
溶解・混合してから7日を超えてしまった液、または冷蔵庫内に保存していなかった液では、おくすりの成分が分
解するなどして、効果を期待できないことがあります。このような場合は使用せず廃棄してください。
※
薬剤の溶解・希釈の方法についてご不明な点がありましたら薬剤師にご相談ください。
埼玉県立小児医療センター薬剤部(048-758-1811、内線3288)