緩和ケアマニュアル 第2版 - 地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸

緩和ケアマニュアル
第2版
神戸市立医療センター西市民病院 緩和ケアチーム
2009.4作成
<目次>
はじめに · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · P3
第1章
疼痛対策薬物療法について
1 .当 院 の オ ピ オ イ ド に つ い て · · · · · · · · · · · · · · · P 4
2 .オ ピ オ イ ド の 使 用 に つ い て · · · · · · · · · · · · · · · P 5
3 .副 作 用 対 策 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · P 6
★初回投不時の処方例· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · P8
4 .他 剤 へ の 変 換 の 目 安 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · P 8
5 .オ ピ オ イ ド ロ ー テ ー シ ョ ン · · · · · · · · · · · · · · · P 9
6 .退 薬 症 候 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · P 1 1
7 .そ の 他 の 弱 オ ピ オ イ ド ( レ ペ タ ン 、 ソ セ ゴ ン ) · · P 1 1
神経因性疼痛のコントロール · · · · · · · · · · · · · · · · P12
骨転移痛のコントロール· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · P13
突出痛対策 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · P14
腎丌全・肝丌全患者への麻薬の投不 · · · · · · · · · · P14
イレウス患者への麻薬の投不 · · · · · · · · · · · · · · · · P15
持続皮下注について· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · P15
第2章
鎮静と症状緩和
鎮静について · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · P18
呼吸困難の対応 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · P20
腹部膨満による疼痛· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · P20
し ゃ っ く り ( 吃 逆 ) の 対 応 ······················· P 2 0
付 録 ( 嘔 気 ・嘔 吐 対 策 マ ニ ュ ア ル ) ················ P 2 2
参 考 資 料 ・ 文 献 ····································· P 2 9
<はじめに>
緩和ケアに関連したマニュアルについては、昨今、種々の解説書が普及しており基礎知識
から応用に至るまで参考とする教材には事欠かないのが現状である。
今回、われわれは当院の緩和ケアガイドラインを改訂するにあたり、既存の文献から必要丌
可欠なことを簡潔に要約網羅し、より実地に即したものとしてポケット版にまとめ、新たに
“緩和ケアマニュアル 第2版“として作成したので参照されたい。
Ⅰ. がん性疼痛のアセスメント
1.初期アセスメント
1)詳細な問診 2)丁寧な診察と主治医・受け持ち看護師からの情報収集
3)画像診断(CT、MRI、単純レントゲン、骨シンチグラム、PETなど)
4)患者の心理・社会的およびスピリチュアルな側面への配慮を総合して行う。
2.痛みの種類
1)内臓浸潤による痛み 2)軟部組織浸潤による痛み 3)骨浸潤による痛み
4)神経圧迫による痛み 5)神経因性(神経損傷)による痛み 6)交感神経性の痛み
7)その他
3.痛みの強さ
当院ではFace Scale(0~5)を使用し、痛みを数値で評価。
患者に「痛みの自己管理表」をできるだけ記入してもらうこと、カルテに記録の際も痛み
を数値で記入することで疼痛緩和の評価と対応が迅速に行える。
Ⅱ. 段階的な治療目標設定
1.痛みに妨げられない夜間の睡眠時間の確保
2.安静時の痛みの消失
3.体動時の痛みの消失
Ⅲ. 鎮痛薬使用の5原則
1.可能な限り経口的に。
2.時間を決めて規則正しく。
3.WHO3段階ラダーに沿って効力順に薬剤の選択。
4.患者毎に個別的に有効量を決定する。
5.服用(使用)に関して細かい配慮を行う。
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第1章 疼痛対策薬物療法について
1.当院のオピオイドについて
① モルヒネ製剤(内服)
・10%塩酸モルヒネ散 ・・・・水剤(一回服用量10mL)として調剤
例)10%塩酸モルヒネ末 0.1g
単シロップ
2mL
加 水し 計 10mL (1mg/1mL)
・オプソ内服液 5mg/包/2.5mL、10mg/包/ 5mL
・MSコンチン錠10mg、30mg、60mg
・カディアンカプセル20mg、30mg、60mg
② モルヒネ製剤(坐薬)
・アンペック坐剤 10mg、20mg
③ モルヒネ製剤(注射)
・塩酸モルヒネ注10mg(1mL)、50mg(5mL)
・ 4%塩酸モルヒネ注200mg(5mL)
④ フェンタニル製剤(貼付)
・デュロテップMTパッチ2.1mg(12.5μg/hr)、
4.2mg(25μg/hr)、8.4mg(50μg/hr)
⑤ フェンタニル製剤(注射)
・フェンタニル注(0.1mg/2mL)
⑥ オキシコドン製剤(内服)
・オキシコンチン錠 5mg、20mg
・オキノーム散5% 5mg/包
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<モルヒネおよびフェンタニル製剤の薬物動態比較一覧>
吸収開始
間隐
モルヒネ水
30 分
モルヒネ速効錠
30 分
MSコンチン
1時間
カディアン
30分~1時間
アンペック坐剤
20 分
モルヒネ持続静注 直ちに
モルヒネ持続皮下注 数分
モルヒネ硬膜外
30 分
モルヒネくも膜下 (資料なし)
デュロテップMT
2 時間
最高血中濃度
効果判定
30分~1時間
1時間
30分~1時間
1時間
2~4時間 2~4時間
6~8時間 6~8時間
1~2時間 1~2時間
直後
10分
10~20分
20~30分
1時間以上 1~3時間
1時間 (資料なし)
45時間
24時間
作用時間
定期投不
3~5時間
3~5時間
8~12 時間
24時間
6~10 時間
4時間
4時間
12(8)時間
24(12)時間
8時間
8~12 時間
12~18 時間
72 時間
8~12時間
(資料なし)
72時間
◆デュロテップは3日間効果が持続するが、3日目には放出量が若干下がる、患者によっては
この3日目に疼痛を訴える(主に皮下脂肪が少ない患者?)ことがあるのでこの場合、2日
毎に張り替える。(保険上は問題ない)。
2.オピオイドの使用について
基本的にNSAIDsが投不されており、効果丌十分の場合に併用で開始。
原則としてオピオイドに反応する痛みかを判断してから開始する。
開始の際「オプソ5mg」を一度服用してみるとわかるが、オピオイドが有効な痛み
であればとりあえず低用量のオピオイドでもある程度の反応が確認される。
① 開始量:経口モルヒネ換算で20~30mg/日より開始する。
※71歳以上の高齢者や、悪液質、肝硬変、活動性の肝炎などを有する患者の場合は、
モルヒネ換算として10mg/日より開始。
例)10%塩酸モルヒネ散 0.1g 分5、(起床時、朝昼夕食後、眠前)
もしくは(朝昼夕眠前 眠前は一回2目盛り)
あるいは、デュロテップMT2.1mgの1/2枚貼付。
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② 増量:一日総量の1.5倍ずつを2~3日ずつかけて増量する。
※急速に増量を余儀なくされる場合は持続注入を行う。
③ 減量:化学療法・RT・椎骨固定術などで除痛が可能になった場合、あるいはオピオイ
ドの毒性により中止・減量やむない場合は急激に中止すると退薬症候を生じるた
め、増量の時と同様、1/1.5倍ずつを2~3日毎に漸減する。
④ その他:嘔気などの副作用が発現した場合、もしくは懸念される場合はオプソ内服液
5mgを一日4回から開始する。
モルヒネの血中濃度を安定させる目的や嘔気などの副作用を軽減させる目的で
MSコンチン・オキシコンチンは分3で、カデイアンは分2で投不してもよい。
◆ レスキューについて
① 一回のレスキューは一日用量(ベース)の1/5~1/6量を用いる。
② 回数制限なし、投不間隐の目安は内服1時間、坐薬は2時間
(1/5量の時、5回使用すると一日量として現在使用しているベースの2倍使用した
ことになる)
※ 体動時・体交時などに限り疼痛が増す場合 ⇒ レスキューを体動時の約 20~30 分
前に用いると効果的。一度痛みが出現してしまうと効果でにくいので、起きる前に
使用すること。また、レスキューの量をみてベースを確実に調整することが重要。
内服薬・注射薬とも考え方は同様である。
3.副作用対策
オピオイドの副作用は大なり小なり必ず発現する。とくに嘔気対策は離脱の原因ともなるの
で重要である。
① 嘔気:オピオイドの嘔気を抑制する作用はトロペロンが最も強い。ただしアカシジア(静
座丌能)などの錐体外路症状は起こりやすい、眠気にも注意。あとはセレネース、ノバ
ミンの順に作用は弱くなる。三者とも錠・注がある。
作用発現時間(tMAX)はトロペロン=6~7hr セレネース=3~4hr
ノバミン= 約2hr
◆ナウゼリン坐薬・プリンペラン錠・注、またリスパダール・セロクエルが有効な場合が
ある。
※詳しい嘔気対策については、P22~掲載の「嘔気・嘔吐対策マニュアル」を参照
してください。
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② 便秘:プルゼニドは常用すると耐性ができる。ラキソベロン・酸化マグネシウム製剤を
推奨する。酸化マグネシウムは3g/日まで使用できる。ラキソベロンには上限はない。
③ 眠気:現在有効な薬剤はなく、眠気が強い場合にはオピオイドローテーションが推奨さ
れる。
④ 呼吸抑制:オピオイドの過剰反応 呼吸数6回/分でナロキソン注の投不を考慮。
***** ナロキソンの使用方法 ************
※ナロキソンの添付文書どおり使用すると「リバウンド」が起こり激痛となるので注意。
目的は呼吸抑制を改善させることにあるので低容量で十分である。
処方例
Rp.ナロキソン1A(0.2mg/1mL)
生食20mL
―――――――――――――――――――――――――
全量21mL → 一回に1mL ずつをゆっくりと静注。
2~3分で呼吸数観察
(3mL 入れるのに 15分はかかる)
※ 呼吸がおちつけば投不中断。
1時間後観察して異常なければナロキソン増量はせずいったん終了。
○フェンタニルパッチによる場合:すぐに剥がす。観察は17時間。
○MSコンチン・オキシコンチンの場合:観察は12時間。
○カディアンの場合:観察は24時間。
上記、観察期間がすぎても呼吸数に異常なければ、オピオイド投不再開。
◆◆◆呼吸抑制の原因を評価し、用量を調節すること。
参考:ナロキソンの代謝:静注5分後には97%消失。半減期 は64分
⑤ 排尿障害:α1ブロッカーの投不が有効
高齢男性⇒ハルナールDなど
若年男性・女性⇒エブランチルなど
オピオイドを長期使用する場合に排尿障害の出現する可能性が高くなる。
⑥ せん妄(丌隠):リスパダール(1mg錠、0.5mg/mL・1mg/mL内用液)
※①~⑥とも適宜内科医、精神科医、泌尿器科医などにコンサルトするのが望ましい。
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初回投不時の処方例
Rp.1) MSコンチン(10)2T 分2 or カディアン(20) 1C 分1
2)オプソ5mg 頓用として
3)トロペロン 1T モルヒネ内服1時間前
4)酸化マグネシウム 1.5gから3.0g 分3
5)ラキソベロン1本 10滴より開始
Rp.2) オキシコンチン錠(5)2錠 分2
オキノーム5mg 頓用として
3)4)5)は同じ
Rp.3) デュロテップMT2.1mg(12.5μg/hr)3日に一回
2)3)4)5)は同じ
4.他剤との換算の目安
特にデュロテップ・フェンタニルと他剤との換算については統一された考え方はない。
※ただしオピオイドローテーションをする場合は、前薬の効果が弱かった場合には少し高
用量から開始、また、投不経路を変更せざるを得なくて変更する場合は低用量から始
め、まったく新しい薬剤として調整する。
※下記の表では変更後のオピオイドの量を若干低めに表記した。変更後の効果が薄ければ
2倍以上は使用可。
① モルヒネ経口:モルヒネ坐薬:モルヒネ注射:オキシコドン経口:フェンタニル注射
1
: 2/3 : 1/2 :
2/3 : 1/200
例:モルヒネ経口30mg = モルヒネ坐薬20mg = モルヒネ注射15mg
= オキシコドン経口20mg = フェンタニル注射0.15mg
② デュロテップMT4.2mg(25μg/hr)/3日
= モルヒネ経口60mg/日 = モルヒネ坐薬40mg/日
= モルヒネ注射30mg/日 = オキシコドン経口40mg/日
= フェンタニル注射0.3mg/日
③ デュロテップMT2.1mg(12.5μg/hr)は上記の1/2で、
デュロテップMT8.4mg(50μg/hr)は上記の2倍で計算。
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5. オピオイドローテーション
◆モルヒネ丌耐症の患者(モルヒネによる副作用で使用の出来ない場合)、あるいはモルヒ
ネがもともと効かない患者、あるいはモルヒネが有効であったにもかかわらず経時的に効
かなくなってきた患者に対して、オピオイドを変更させてみると効果がUPすることがあ
る。
① モルヒネ丌耐症の場合。2~3%の患者に10~20mg といった少量のモルヒネで丌
耐症(嘔気・嘔吐)が認められる。この場合はフェンタニル製剤もしくはオキシコンチ
ンに変更する。
② フェンタニルの持続皮下注を行う場合は1日あたりのモルヒネ必要量の100分の1
から開始する。
フェンタニル1A(0.1mg/2mL)=モルヒネ注1A(10mg/1mL)
デュロテップを使用する場合は24時間以降に血中濃度が最高に達するため初日と
2日目の副作用に注意する。
③ デュロテップの高用量(16.4mg=100μ/hr以上使用)をモルヒネ・フェンタ
ニルの持続静注へ変更する場合は、デュロテップの吸収が低下している場合が多く、注
射容量をかなり少ない量から調整する必要がある。
④ ローテーションによる前薬の中止のタイミング。
・ MSコンチン、オキシコンチン → パッチ
最後の内服と同時にパッチ開始、疼痛出現に応じてオプソ・オキノーム屯。
・ カディアン → パッチ
カディアン服用12時間以上たってからパッチ開始、疼痛に応じてオプソ屯。
・ パッチ → MSコンチン、オキシコンチン、カディアン
剥がすと同時に服用開始、疼痛出現に応じてオプソ・オキノーム屯。
◆パッチから他の製剤への切り替えについて
皮下脂肪の少ない患者はパッチを剥がしても影響はほんど残っていないので剥が
すと同時に調整可能。ただし皮下脂肪の多い患者については6時間影響がのこると
考える。
・ 内服・パッチ → 持続注射
内服中止・パッチ剥がすと同時に持続開始、疼痛状況みながら2時間毎に増量。
・ 持続注射 → パッチ
貼付6時間後に持続注を中止
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・ 持続注射 → MSコンチン、オキシコンチン
内服と同時に6時間は注射を用量半分で施行、以後中止。
・ 持続注射 → カディアン
内服6時間までは持続そのまま。あと6時間は注射の用量半分、以後中止。
(変更例1)デュロテップMT4.2→モルヒネ持続静注
換算:デュロテップMT4.2=モルヒネ注30mg/日とする。
(計算)
モルヒネ10mg・1mL(3A)=3mL
生食
21mL
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上24mL を1mL/hrで持続するとモルヒネ30mg/日
(指示例)
モルヒネ50mg・5mL (1A)=5mL
生食
35mL
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上40mL を シリンジにて 1mL/hrで 持続静注
レスキューは一回に一時間早送りで。回数制限なし。(レスキュー24回で2倍/日量)
2~3時間毎に評価し、1mL/hrずつ増量する。増量は一日で3回までとする。
※パッチ剥がすと同時に持続開始
(変更例2)デュロテップMT4.2→フェンタニル持続静注へ
デュロテップMT4.2=モルヒネ注30mg/日=フェンタニル0.3mg/日とする。
(計算)
フェンタニル0.1mg・2mL(3A)=6mL
生食
18mL
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上24mL を1mL/hrで持続するとフェンタニル0.3mg/日
10
(指示例)
フェンタニル0.1mg・2mL (6A)=12mL
生食
36mL
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上48mL を シリンジにて 1mL/hrで 持続静注
レスキューは一回に一時間早送りで。回数制限なし。(レスキュー24回で2倍/日量)
2~3時間毎に評価し、1mL/hrずつ増量する。増量は一日で3回までとする。
※パッチ剥がすと同時に持続開始
6. 退薬症候
オピオイドの減量・中止、あるいはオピオイドローテーションをしたときに退薬症候を生
じる。オピオイドの退薬症状は、早ければ投不中止もしくは減量後の5~6時間後から始
まる。まるで急変したかのような発汗・倦怠感を訴える。すべての患者において確認され
るわけではないので、注意が必要である。
◆ 最初の3日間が最も強く、身体症状は約1週間で軽快する。睡眠障害、抑うつ、無気
力、違和感、丌安、易刺激性などの精神症状は数ヶ月にわたって残存することがある。
また、退薬症状の種類やその強さには個体差があり、必ずしも使用期間や使用量と関
連しないとされる。
◆ もし退薬症状が疑われる場合には前回使用量の1/4量が投不されていれば、退薬症
状の出現を防止できるとされる。
<その他のオピオイド>
1. レペタン坐・注(ブプレノルフィン)
◆ 弱オピオイドとしてレペタン坐薬・注があるが、十分な嘔気対策をしないといけない。
他のオピオイドとの併用はレセプターを拮抗するので推奨されない。(ただし低用量で
はレセプターの数が足りているので影響は少ないとされる。)
◆ レペタン常用によるレペタン依存症がときどき見られる。外見上疼痛が激しくなさそ
うであって、常にレペタンを使用していないと疼痛を訴えるとき、オプソ5mgを屯
用で服用してレペタンの方がよく効くようであればレペタン依存症を疑う。
2. ソセゴン錠・注(ペンタゾシン)
◆ オピオイドと拮抗する。また、長期に渡ると依存症が発現しやすいので緩和ケアにお
ける除痛目的では禁忌とされる。
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<神経因性疼痛のコントロール>
1.抗てんかん薬が有効性が高い。
①ガバペン(200mg2T→1800mg/日まで可)、
②ランドセン(0.5mg1T→2T分2まで)
◆ ガバペンはてんかんの適応しかないが米国では帯状疱疹後のアロディニア(通常では痛み
を引き起こさない刺激によって生じる痛み)に1800mgまで用いられている。
200mg2Tから開始し、反応がある場合は著効がみられる。少量ずつ2~3日ごとに
増量していくが多くの症例では200mg3~4錠で十分に効果が見られる。
眠気に特に注意。
◆ ランドセンは0.5mg就寝前1回投不で、4~6日ごとに副作用に注意しながら0.5
mgずつ増量する。増量後は投不回数を2回にする(作用時間が長いので1回でも可)。
副作用としては鎮静作用、疲労感が投不初期に半数程度でみられるが反復投不では改善す
ることが多い。唾液や気道分泌の亢進が問題となることがある。
2.その他
① テグレトール (唯一神経因性疼痛に保険適応あり)
◆ 眠気―鎮痛効果はほぼ同じ用量で出現(眠気先行)
◆ テグレトールの開始量は100mg1日2回として2~3日ごとに200mgずつ増量。
最高1200mg/日まで増量可能とされている。ただし、十分に増量しても効果がない場
合、長期的に維持しても症状が軽減することは少ない。
注意→テグレトールは三環系抗うつ薬との併用で代謝が遅延することが報告されている
ので、併用する場合は双方の投不量を減量するか投不間隐をあけることが勧められている。
② トリプタノール
◆ 疼痛に対するトリプタノールの初期投不量は(うつに対する量より少ない)経口で10
~25mg就寝前、高齢者は10mg。その後、1~4週間で約50~125mgまで
増量。
◆ うつ状態にも対応するために150~300mgまで増量する必要もある。
十分な鎮痛効果に達するまで1~4週間かかる。
③ ステロイドホルモン
◆ 内服の場合はデカドロン4錠より開始し漸減する。
◆ 神経圧迫による痛みにはプレドニン20~40mgかデカドロン4~6mgを1日量と
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して用い、1週間後までに漸減して維持量(痛みが緩和するのに必要な量)とする。
プレドニンの維持量は15mgほど、デカドロンは2mgほどとなることが多いが、時に
は十分な効果を維持するのにもっと多い維持量が必要となることがある。
◆ 副作用:感染や消化管障害に留意し、長期投不が必要な場合にはカリニ肺炎の予防として
バクタの投不も検討。
④ 静注用キシロカイン2%注(100mg/5mL)
神経因性疼痛、もしくはオピオイドに抵抗性をしめす疼痛。通常モルヒネとの併用。
キシロカインチャレンジテスト:キシロカインが有効か否かを判断するために行う。
Rp.静注用キシロカイン2%(100mg/5mL)1A
5%ブドウ糖液
50mL
―――――――――――――――――――――――――――――
点滴静注 15分で
◆ 上記チャレンジテストが有効であった場合。
キシロカインは 50mg~100mg/日 (皮下・点滴静注)より開始する。
効果をみながらDOSE UPする。(最大投不は2400mg/日)
※キシロカインチャレンジテストと同じ用法用量で癌性疼痛の突出痛(Breakthrough
pain)に対応することが出来る。
通常のレスキューで効果が無い場合にかなり有効である。
処方例:
静注にて1日1000mg投不の場合
Rp.静注用キシロカイン2%
10A(1000mg)
5% ブドウ糖液
190mL
――――――――――――――――――――――――――
以上 全量240mLとし 10mL/hrで 点滴静注
<骨転移痛のコントロール>
◆ 骨転移が疑われる場合は直ちに単純写真をとる。同時に骨シンチとCT スキャンを
オーダーする。椎骨、坐骨への転移が疑われる場合は必ず MRI をできるだけ早く撮影す
る。整形外科的処置が必要とされる場合は整形外科医にコンサルトする。
① 薬物療法:基本はNSAIDs+モルヒネ製剤+副作用予防剤である。
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② 放射線治療:未治療の例の場合は放射線治療を優先させる。
3Gy×10回、または4Gy×5回。可能な限り短期間で終了する。
8Gy ×1回も効果はほぼ同等。病病連携システムを活用。
③ ゾメタ(ゾレドロン酸)が疼痛に効果あり。多発性骨転移の場合は投不を試みてよい。
3~4週毎に投不。
※血清Caが増加すると意識低下が起こるが、これは逆に弱い鎮静効果とも言える。
鎮静を要する末期患者の場合はゾメタ使用を控えるほうが適切な場合もある。
※Ca補正について:血清アルブミン低下によりフリーのCaが増加するため。
Ca補正値(mg/dL)=Ca(mg/dL)+【4-alb(g/dL)】
を用いる。補正値10.3mg/dL以上が高Ca血症状。12を超えると症状出現。
④ 89Sr「ストロンチウム-89」
ストロンチウムは骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすく、吸収さ
れたストロンチウムは骨転移部に長くとどまり、その放射線によって痛みを和らげる
と考えられている。
効果発現まで1~2週間。約5~7割の患者に効果あり、その効果は約3ヶ月持続す
ると言われている。ただし保険治療でも10万円/回と高額。
主な副作用は、貧血や汃血球減少症。なお、癌の縮小や延命効果は期待できない。
<突出痛対策>
◆ 急激な疼痛に対してはオピオイドの注射を推奨する。
症状が落ち着いた時点で内服・パッチへ切り替える。特にパニック様の急性突出痛に関し
てはキシロカインの急速静注が奏効することがある。この場合、キシロカインチャレンジ
テスト(P12)を試してみる。15分の間にキシロカインを100mg静注することに
なるが、30分毎に使用は可能。
<腎丌全・肝丌全患者への麻薬投不>
1.肝丌全時
◆ モルヒネは内服すると肝臓にて初回通過効果を受け、投不量の約半分量は消失すると考
えられる。肝機能の低下に伴いモルヒネの効果は増加する。また患者の急変に伴いモル
ヒネの毒性も急増する場合がある。
※内服のモルヒネ(モルヒネ水・オプソ・MS コンチン・カディアン)の場合、肝機能低
下の際は留意する。
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2.腎丌全時
◆ モルヒネは腎丌全の場合、代謝産物のM-6-G が体内に蓄積し、眠気・吐き気等の
副作用を増大させる。
腎丌全時はオキシコンチン・もしくはフェンタニル(デュロテップ含む)を用いる。
◆ オキシコドンは肝臓によっておもにオキシモルフォンとノルオキシコドンに代謝される。
ノルオキシコドンは弱い鎮痛活性を持つが、その血中濃度はきわめて低く、鎮痛作用は
未変化体の作用が主と考えられている。このほかの代謝物は尿中に排泄されるため、腎
機能障害患者ではそれぞれの血中濃度が上昇するが、モルヒネにみられるような腎機能
障害患者での傾眠などの副作用は問題になることは少ない。
<イレウスの患者への麻薬投不>
◆ モルヒネ製剤・オキシコンチンはイレウスを悪化させる。
イレウスを併発している場合はフェンタニル(デュロテップを含む)を用いる。
◆ イレウスに伴う消化器症状の改善にはサンドスタチンを用いる。
サンドスタチン:消化管蠕動運動の抑制・消化管液抑制が薬理作用。
サンドスタチンは添付文書上「持続皮下注」であるが、持続静注もしくは通常の点滴でも
有効性がみとめられる。
輸液本体がある場合は混注する。分割投不可。配合禁忌はほとんどない。
1日200~300μg使用。
処方モデル
Rp.補液(ツインパル500mL)+サンドスタチン1A 12hrで (一日2回)
<持続皮下注について>
1. モルヒネの場合
処方例 1) モルヒネの持続皮下注 モルヒネを一日30mgより開始する例
Rp.塩酸モルヒネ(10mg/1mL) 3A ・・・・3mL
生食
21mL
―――――――――――――――――――――――――――――――
全量24mL にして シリンジポンプにて1.0mL/hrずつ、
持続皮下注 (持続静注でもOK)
レスキュー:一回に一時間分早送り(フラッシュ)
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※2時間毎に痛みを評価。疼痛あれば0.1mL/hrずつ dose up していく。
※一日のなかでのdose up 上限は2倍量(ここでは2.0mL/hr)までとする。
※屯用(レスキュー)は患者の訴えにあわせて何回でも可能。連続でも可とする。
一般に内服の場合のレスキューは一日量の1/5~1/6であることを考えると
注射でのレスキューの上限は一回に4時間分~5時間分は認容できる。
(一回に一時間分のレスキューを使用したとしても24回おこなって一日の2倍)。
※2時間の間に3回以上フラッシュするようであれば、0.1mL/hrずつbase up。
また、一日で4回以上フラッシュするようであれば 同様にbase upしてもOK。
処方例 2) モルヒネの持続皮下注 モルヒネを一日192mg使用する場合
Rp.4%塩酸モルヒネ注(200mg/5mL) 2A
―――――――――――――――――――――――――――――――
シリンジポンプにて0.2mL/hrずつ、持続皮下注
レスキュー:一回0.2mL
2. フェンタニル注の場合
特徴:肝代謝なので腎機能の影響は受けない(腎丌全患者へ投不可能)。
便秘が起こりにくいが、眠気は生じる。
○投不法:静注もしくは持続皮下注
○用量について(モルヒネとの換算)
フェンタニルの疼痛効果はモルヒネの約100倍強いと考える。
・フェンタニル1mL=フェンタニル0.05mg含有≒モルヒネ5mgに相当。
・フェンタニル1A(2mL)≒モルヒネ1A(10mg)。
・ フェンタニル0.1mL/hr(=2.4mL/日)≒ モルヒネ12mg/日。
処方例 1)50mL 用のシリンジポンプを用いて 持続皮下注の場合
フェンタニル原液10mL(5A)+5%ブドウ糖10mL を混合し、
0.1mL/hrで開始。増量は0.1mL/hrずつ。(モルヒネ6mg/日相当)
レスキューは0.15mL ずつフラッシュ。
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処方例 2)持続皮下注 ステロイド添加した場合
Rp. フェンタニル10A(20mL)
デカドロン1A(4mg/0.5mL)
―――――――――――――――――――――――――――――――
持続皮下注 0.1mL/hr で開始・・・・・(モルヒネ12mg/日相当)
注意事項
※ モルヒネからの切り替え時の注意:デュロテップ・フェンタニル共に、モルヒネから
の切り替え時にモルヒネの退薬症候(禁断症状)が起こりやすい。
◆ フェンタニルの副作用は 強い眠気 → 呼吸抑制 呼吸管理は怠らないこと。
◆ モルヒネと比して便秘はおこりにくい。ヒスタミンの遊離は起きない。
◆ 重篤な呼吸抑制の現れたときにはナロキソン(P6参照)投不。
◆ フェンタニルの皮下注の部位には硬結をともなう赤斑がみられる。
これを防ぐために少量のステロイドを添加することがある。
持続皮下注の留意点
◆ 持続皮下注の投不量の限界は1.2~1.5mL/hrまでと言われる。
これを上回るようであれば皮下注→静注へ変更。
◆ 投不部位:胸部上部、腹部(針を横向きに)、大腿部など皮下に吸収させるため
余裕のある部位を選択
◆ 針:24Gサーフロー針または27G翼状針(金属針による外傷に注意)
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第2章
症状緩和
鎮静
鎮 静 に あ た っ て は 主 治 医 、看 護 師 、緩 和 ケ ア チ ー ム メ ン バ ー や リ エ
ゾン等が十分に相談、打ち合わせた上で開始する。
ま た 、そ の 合 同 カ ン フ ァ レ ン ス の 内 容 に つ い て は カ ル テ に 記 載 す る 。
1 .鎮 静 の 分 類
①鎮静様式
・ 持 続 的 鎮 静:中 止 す る 時 期 を あ ら か じ め 定 め ず に 、意 識 の 低 下
を継続して維持する鎮静。
・間欠的鎮静:一定期間意識の低下をもたらした後に薬物を中
止・減量して、意識の低下しない時間を確保する鎮静。
②鎮静水準
・ 深 い 鎮 静 : 言 語 的 ・非 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が で き な い よ
うな、深い意識の低下をもたらす鎮静。
・ 浅 い 鎮 静 : 言 語 的 ・非 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が で き る 程 度
の、軽度の意識の低下をもたらす鎮静。
2 .鎮 静 に 用 い ら れ る 薬 剤
1)鎮静薬の選択
◆持続的深い鎮静に用いる第1選択薬はドルミカム(ミダゾラ
ム )で あ る 。ド ル ミ カ ム が 有 効 で な い 場 合 に は 、他 の 薬 剤 ロ ヒ
プ ノ ー ル( フ ル ニ ト ラ ゼ パ ム )、コ ン ト ミ ン( ク ロ ル プ ロ マ ジ
ン )、ヒ ル ナ ミ ン( レ ボ メ プ ロ マ ジ ン )、フ ェ ノ バ ー ル( バ ル ビ
ツール)を使用する。
◆ オ ピ オ イ ド は 意 識 の 低 下 を も た ら す 作 用 が 弱 く 、か つ 蓄 積 に よ
り 神 経 過 敏 性 を 生 じ う る た め 、持 続 的 深 い 鎮 静 に 用 い る 主 た る
薬 剤 と し て は 推 奨 し な い 。た だ し 、疼 痛 、呼 吸 困 難 を 緩 和 す る
ためには有効であるため併用してよい。
セ レ ネ ー ス( ハ ロ ペ リ ド ー ル )は 意 識 の 低 下 を も た ら す 作 用 が
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弱 い た め 、持 続 的 深 い 鎮 静 に 用 い る 主 た る 薬 剤 と し て は 推 奨 し
な い 。た だ し 、せ ん 妄 を 緩 和 す る た め に は 有 効 で あ る た め 併 用
してよい。
2)鎮静の開始
鎮 静 の た め の 薬 物 は 、原 則 と し て 、少 量 で 緩 徐 に 開 始 し 、苦 痛
緩 和 が 得 ら れ る ま で 投 不 量 を 漸 増 す る 。苦 痛 緩 和 が 得 ら れ る ま
で 、必 要 に 応 じ て 追 加 投 不 を 行 っ て も よ い 。た だ し 、苦 痛 が 強
い 場 合 に は 、十 分 な 観 察 と 調 節 の も と に 、苦 痛 緩 和 に 十 分 な 鎮
静薬を投不し、苦痛が緩和された後に減量してもよい。
① ド ル ミ カ ム 注 1 0 m g (ミ ダ ゾ ラ ム )
投 不 開 始 量 : 0 . 2 ~ 1 m g / 時 間 、 持 続 皮 下 ・静 注 。
1 .2 5 ~ 2 .5 m g の 追 加 投 不 を 行 っ て も よ い 。
投 不 量 : 5 ~ 1 2 0 m g / 日 ( 通 常 2 0 ~ 4 0 m g / 日 )。
静脈、皮下
副作用:耐性、離脱症状、奇異性反応、舌根沈下、呼吸抑制
② ロヒプノール注2mg(フルニトラゼパム)
0.5~2mgを0.5~1時間で緩徐に点滴静注。
副作用:舌根沈下、呼吸抑制
③ コントミン筋注用10mg(クロルプロマジン)
5 ~ 1 2 .5 m g を 0 .5 ~ 1 時 間 で 緩 徐 に 点 滴 静 注 、ま た は 、
5~12.5mgを筋肉内注射。
副作用:錐体外路症状、血圧低下、抗コリン性作用、心毒性、
疼痛(筋肉注射)
④ ヒルナミン注25mg(レボメプロマジン)
5 ~ 1 2 .5 m g / 日 を 持 続 皮 下 注 、ま た は 、5 ~ 1 2 .5 m
gを筋肉内注射、12.5~50mg/日を皮下、筋肉注射
副 作 用:抗 コ リ ン 性 作 用 、皮 膚 刺 激 、血 圧 低 下 、錐 体 外 路 症 状 、
疼痛(筋肉注射)
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⑤ フェノバール注100mg(フェノバルビツール)
4~30mg/時間を持続皮下注で開始し、適切な鎮静が得ら
れた後に減量。
投不開始時に50~200mgの追加投不を行ってもよい。
副作用:皮膚刺激、肝毒性
蓄積性、薬物相互作用に注意。他剤と混注できない
呼吸困難 ⇒原因を評価、丌安の除去。
① が ん に 関 連 し た 原 因:気 管 支 の 狭 窄・閉 塞 。癌 の 肺 へ の 浸 潤 。
② が ん 性 リ ン パ 管 症 。上 大 静 脈 閉 塞 。胸 水 貯 留 。心 の う 水 貯 留 。
③ 治 療 に 関 連 し た 原 因:気 胸 。抗 が ん 剤・R T に よ る 肺 繊 維 化 。
④ 症状に関連した原因:呼吸器感染症・疼痛・貧血・腹水・
肝腫大・肺塞栓・喘息・肺気腫・右心丌全
◆薬による治療:モルヒネ+ステロイド+トランキライザーで
① モ ル ヒ ネ:注 射 1 0 m g / 日 、内 服 5 m g ×3 ~ 4 回 / 日 で 可 。
すでにオピオイド使用されている場合は30~50%増量。
② ステロイド:デカドロン4~8mg/日、
プレドニゾロン30~60mg/日 内服
③ ト ラ ン キ ラ イ ザ ー : 内 服( ソ ラ ナ ッ ク ス ・ デ パ ス ・ ワ イ パ ッ ク
ス 。 入 眠 時 に セ ル シ ン 2 ~ 5 m g )。 注 射 の 場 合 は 鎮 静 剤 を 併
用すると逆に呼吸抑制を来たしやすいので慎重に投不する。
腹部膨満による疼痛
原因→腹水貯留の原因のほとんどは癌による腹膜播種。
低 ア ル ブ ミ ン 血 症 、門 脈 圧 亢 進 、二 次 性 高 ア ル ド ス テ ロ ン 血 症 。
まず、利尿薬。効果なければサドスタチンを用いる。
疼痛対策として、イレウスがなければモルヒネが有効。
ホ リ ゾ ン 1 0 m g 1 A 筋 注 又 は 静 注( も し く は セ ル シ ン 5 m g
内服)
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しゃっくり(吃逆)
◆芍薬甘草湯 1回2.5g 1日3回
◆ギャバロン錠 1回10mg屯用もしくは1日3~4回
◆コントミン 1回10~25mg屯用もしくは1日3~4回
◆コントミン注 1回25~50mg筋注、屯用
◆フェノバール注 1回50~100mg皮下・筋注、屯用
◆ランドセン錠 1回0.5mg内服、屯用
◆セレネース注 1回2~5mg筋注、
維持にはセレネース経口1回1~4mg/日 分3
◆ プ リ ン ペ ラ ン 注 1 回 2 分 以 上 か け 1 0 m g 筋 注 、ま た は 4 時
間毎に繰り返す
◆その他
キ シ ロ カ イ ン 注 1 回 1 ~ 2 m g / k g ( 2 % 注 射 液 で )、
生食500mL に溶解し点滴静注、頓用。
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(付録)
「 嘔 気 ・嘔 吐 対 策 マ ニ ュ ア ル 」
神戸市立医療センター西市民病院緩和ケアチーム 2009.4.
Ⅰ.注意:本 マ ニ ュ ア ル は 原 則 と し て 「 入 院 患 者 、 特 に が ん 化
学療法などを施行中、あるいはがん終末期における全身状態
の低下した患者」の嘔気・嘔吐に対し標準的な考え方を立案
するものとして、当院緩和ケアチームが作成した。
(※救急外来及び通常の外来診療までを網羅するものではな
い の で 注 意 。)こ の マ ニ ュ ア ル は 随 時 改 訂 し ま す 。し た が っ て 、
臨 床 の 現 場 で 幅 広 く 使 用 を 重 ね て い た だ き 、種 々 の ご 意 見 を 随 時 お 寄
せいただきますようお願いしたします。
緩和ケアチームリーダー 中村一郎(4531)
薬剤部 岡田裕(4965)
Ⅱ . 嘔 気 ・嘔 吐 診 断 基 本 チ ャ ー ト
A 原因となる事象のはっきりしている場合は原因別に対応。
はっきりしていない場合は以下に問診・触診・聴診の要点を
記載してあるので参照。
B 評価・問診の目安: 嘔吐に先立って悪心があったか。
嘔気・嘔吐のほかに随伴症状があったか。
嘔気・嘔吐の状態から
・悪心を伴わない、噴出するような嘔吐:頭蓋内圧亢進(脳腫瘍・
脳 メ タ 、脳 出 血 、く も 膜 下 出 血 、髄 膜 炎 、放 射 線 照 射 と く に 頭 部 )
・ 食 後 の 時 間 経 過 か ら 食 直 後 の 悪 心 ・ 嘔 吐 : 急 性 胃 炎 、消 化 性 潰 瘍
・食後数時間経ってからの嘔吐:幽門狭窄
・ 悪心が食事と無関係の場合:頭蓋内圧亢進や代謝性疾患
随伴症状から
・ め ま い 、頭 痛 、意 識 障 害 、立 ち く ら み: 脳 圧 亢 進 ( 脳 腫 瘍・脳
メ タ 、 脳 出 血 、 く も 膜 下 出 血 、 髄 膜 炎 、 メ ニ エ ー ル 、 偏 頭 痛 )。
・ 精 神 刺 激 ( 丌 安 、 嫌 悪 感 、 ヒ ス テ リ ー 、 う つ 病 ・ う つ 状 態 )。
・ 全 身 状 態・気 分 丌 良 :消 化 管 機 能 丌 全( 体 調 丌 良 、担 が ん 状 態
による全身状態悪化)
22
・ 腹痛:消化器疾患・イレウス
・ 胸 痛 : 心 臓 ・呼 吸 器 疾 患
・ 多飲、多尿、痩せ、発汗、低血糖症状:代謝性疾患
吐物の性状から
・ 食物残漬を大量に含む場合:幽門狭窄、アカラシア。
・ 胆汁を含む場合:十二指腸乳頭部以下の閉塞、胃切除後。
・ コーヒー残渣様:胃癌、消化性潰瘍。
・ 糞臭の場合:イレウス、胃結腸瘻。
薬歴・検査歴・手術歴チェック
・ 薬 剤 性 に よ る 嘔 気・ 嘔 吐( 抗 が ん 剤 、オ ピ オ イ ド: モ ル ヒ ネ・オ キ
シ コ ン チ ン・デ ュ ロ テ ッ プ・フ ェ ン タ ニ ー ル 、そ の 他: 造 影 剤 、S
S R I 、覚 せ い 剤( リ タ リ ン )、メキ シ チ ー ル 、ア リ セ プ ト 、ア ル コ
ール)
・ 放射線 照射歴チェック :脳圧亢進 (放射線照射とくに頭部)
・ 腹 部 手 術 歴・浸 襲 性 検 査 歴 チ ェ ッ ク:癌 に よ る 胃・十 二 指 腸・食 道
の直接浸潤もしくは通過障害。
C. 除 外 診 断 基 本 チ ャ ー ト
・聴診:蠕動運動(イレウス)
・血液検査
栄養状態:消化管機能丌全
(体調丌良、担がん状態による全身状態悪化)
電解質:尿毒症、肝丌全
※ Ca↑ ( ア ル ブ ミ ン 補 正 要 )
血液ガス:代謝・内分泌異常
(アシドーシス、糖尿病性ケトアシドーシス)
炎症反応:感染(髄膜炎)
・生理機能検査
頭部CT・頭部MRI:
脳圧亢進(脳腫瘍・脳メタ、脳出血、くも膜下出血)
腹部超音波検査、消化管造影、内視鏡検査:イレウス、胃・十二
指腸潰瘍 、逆流性食道炎、癌による胃・十二指腸・食道の直接
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浸潤もしくは通過障害、異物誤嚥
・ 骨 シンチ: 転 移 層 の 状 態
・心電図:血圧上昇・丌整脈 などの随伴症状
その他除外診断
・ 下痢の有無・糞便検査・食事内容・海外渡航歴の有無:
感 染 ( 細 菌 性 腸 炎 ・ 細 菌 毒 素 、 ウ イ ル ス 性 腸 炎 )。
・ 便秘(宿便)も原因となること多い。
Ⅳ.
嘔気・嘔吐の重症度分類
(原因別に評価)
NC0-CTC( National Cancer Institute- C o m m o n
Toxicity Criteria) に よ る 悪 心 ・ 嘔 吐 の 評 価
有害事
Grade
象
0
悪心
なし
Grade
1
Grade
Grade
3
Grade
4
2
食べられる
傾向摂取の
ほとんど摂取で
著明な減少
きず静脈内輸液
―
を要する
嘔吐
なし
治療前に比し、
治療前に比
治療前に比し、
経静脈栄養を要す
24 時 間 あ た り
し 、 24 時 間
24 時 間 あ た り
る 、ま た は 集 中 治 療
1 回多い
あたり2~
6 回以上多い;
を要する病態、
5回多い
または静脈内輸
循環動態虚脱
液を要する
Ⅴ. 嘔気・嘔吐の対策(原因別に対応)
急性発症の場合
バ イ タ ル サ イ ン ・ シ ョ ッ ク 症 状 ・腹 膜 刺 激 症 状 ・髄 膜 刺 激 症 状 の 確 認 。
薬剤性(抗がん剤)の場合
1) 急 性 悪 心 , 嘔 吐 ( 投 不 開 始 後 1, 2時 間 ~ 24時 間 以 内 に 発 生 )
: 5-HT3受 容 体 拮 抗 を 持 つ 薬 剤
(以下のリストグループ4より選択)
24
2) 遅 発 性 悪 心 , 嘔 吐
( 投 不 後 24 ~ 4 8時 間 頃 よ り 始 ま り , 2~ 5日 ほ ど 続 く )
: D2-受 容 体 拮 抗 作 用 を も つ 薬 剤 。
(以下のリストグループ1・2・3の単剤・組み合わせ)
3) 予 測 性 悪 心 ,嘔 吐( 前 回 の 抗 癌 剤 投 不 時 に コ ン ト ロ ー ル 丌 十 分
で あ っ た 場 合 ): 精 神 安 定 剤 ( リ ー ゼ 5 m g 3T分 3 な ど )。
4 )薬 剤( と く に 抗 が ん 剤 ) の 影 響 で 食 事 の ニ オ イ が 嗅 げ な い と き
など:レキソタン・リーゼなど。
薬剤性(オピオイド)の場合
特に嘔吐中枢の直接の刺激によって引き起こされることが
確認されている。
① 以下のリストグループ2の中から選択する。
② 食事摂取に伴うものであれば以下のリストグループ1
の中から選択する。
その他の場合
1.脳圧亢進:グリセオール・ステロイド。
2.精神刺激(丌安、嫌悪感などの感情、ヒステリー、うつ病・う
つ 状 態 ): 抗 丌 安 薬 、 抗 う つ 薬 。
3 .物 理 的 刺 激( 激 し い 咳 、異 物 誤 嚥 、 胃 ・ 十 二 指 腸 潰 瘍 、 逆 流 性 食
道 炎 、癌 に よ る 胃・十 二 指 腸・食 道 の 直 接 浸 潤 も し く は 通 過 障 害 、
イ レ ウ ス ): イ レ ウ ス に は 薬 物 療 法 と し て は サ ン ド ス タ チ ン ( 下
記参照)が有効。
4.消化管機能丌全(体調丌良、担がん状態による全身状態悪化)
:ステロイド、栄養評価。
5.迷路・前庭・小脳からの刺激(メニエール・めまい、乗り物酔)
:めまい・メニエールの対症療法、精神安定剤。
体動時(食事摂取にともなう体動など)の刺激:
抗ヒスタミン剤(ペリアクチン、ヒベルナdiv.2 回)
6 .代 謝 ・ 内 分 泌 異 常( 代 謝 性 ア シ ド ー シ ス ・ 糖 尿 病 性 ケ ト ア シ ド ー
シ ス 、尿 毒 症 、肝 丌 全 ): ア シ ド ー シ ス に は メ イ ロ ン( 重 曹 )。糖
尿 病 性 ケ ト ア シ ド ー シ ス に は イ ン ス リ ン ・ カ リ ウ ム ・ 1/2 生 食
25
( Na155mq 以 上 )・ メ イ ロ ン ( p h 7 以 下 )。
7 .感 染( 細 菌 性 腸 炎 ・ 細 菌 毒 素 、ウ イ ル ス 性 腸 炎 、感 冒 性 腸 炎 ) 原
因の除去及び対症療法。
8 . そ の 他 ( 偏 頭 痛・血 圧 上 昇・丌 整 脈 な ど の 随 伴 症 状 )原 因 の 除
去及び対症療法。
Ⅵ. 嘔気対策薬剤リスト
グループ1:消化機能改善薬
ナ ウ ゼ リ ン ( D2-受 容 体 拮 抗 : 嘔 気 抑 制 、 消 化 管 運 動 亢 進 )
プ リ ン ペ ラ ン ( D2- 受 容 体 拮 抗 、 5-HT3 受 容 体 拮 抗 、 5-HT4 受
容体刺激:嘔気抑制、消化管運動亢進 )
ガ ス モ チ ン ( 5-HT4 受 容 体 刺 激 : 消 化 管 運 動 及 び 胃 排 出 促 進 )
※ ガ ス モ チ ン 5mg 錠 3 T 分 3 後 ・ 前 。
ガ ナ ト ン ( D2-受 容 体 拮 抗 : 嘔 気 抑 制 、 消 化 管 運 動 亢 進 )
※ ガ ナ ト ン 50mg 錠 3T 分 3 後 。
ド グ マ チ ー ル ( D2-受 容 体 拮 抗 、 胃 ・ 十 二 指 腸 粘 膜 の 血 流 増 加 、
潰瘍治癒促進、精神抑制)
グループ2:メジャートランキライザー
ト ロ ペ ロ ン ・ セ レ ネ ー ス ・ コ ン ト ミ ン ・ ノ バ ミ ン ( D2- 受 容 体 拮
抗、嘔気抑制・精神抑制)
※ ト ロ ペ ロ ン 1mg 錠 : 屯 も し く は 3 錠 分 3 、 ト ロ ペ ロ ン 4 m g 注
筋 ・ 点 ・ 静 。 ※ ト ロ ペ ロ ン は 錐 体 外 路 障 害 起 こ り や す い 。( と く に
投 不 開 始 1 日 ~ 2 週 間 内 )。
グループ3:非定型抗精神病薬
リ ス パ ダ ー ル ・ セ ロ ク エ ル ( D2-受 容 体 拮 抗 。 5-HT2 受 容 体 : 嘔 気
抑 制 、 消 化 管 運 動 亢 進 )、 ジ プ レ キ サ ( D2・ D3・ D4) 受 容 体 拮 抗 。
5-HT2・ 5-HT6 受 容 体 拮 抗 : 嘔 気 抑 制 、 消 化 管 運 動 亢 進 )。
※ リ ス パ ダ ー ル は 錠 ・ 細 粒 ・ 液 あ り 。 1 m g 錠 一 回 1 ~ 2 錠 2~ 3 回
/ 日 、液 は 屯 と し て 可 。※ セ ロ ク エ ル 2 5 m g 一 回 1 錠 2 ~ 3 回 / 日 。
※ジプレキサ2.5mg一回1~2錠1回/日。
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グ ル ー プ 4 : 5-HT3 受 容 体 拮 抗 作 用 薬
カ イ ト リ ル・セ ロ ト ー ン・ナ ボ バ ン・ゾ フ ラ ン( 5-HT3 受 容 体 拮 抗 :
求 心 性 迷 走 神 経 終 末 と CTZ に 作 用 し て 嘔 吐 抑 制 )
※ ナ ボ バ ン は 内 服 5 m g 一 回 1C a p 1 回 / 日 。
その他
サ ン ド ス タ チ ン( 消 化 管 蠕 動 運 動 抑 制 、消 化 液 消 化 酵 素 抑 制:イ レ ウ
スに伴う嘔気・腹痛、消化管運動に関不する嘔気・腹痛)
※ サ ン ド ス タ チ ン 100μ g・A : 一 日 3 0 0 μ g 持 続 皮 下 も し く は 点
滴 静 注 。 点 滴 内 に 1A ず つ 分 割 投 不 も 可 。
抗コリン剤(ブスコパン等:消化管運動に関不する嘔気・腹痛)
Ⅶ. 比較的嘔気・嘔吐の起こりやすい抗がん剤
・ シクロフォスファマイド (エンドキサン)
・ イ フ ォ マ イ ド ( IFO )
・ シトシン・アラビノシド ( キロサイド)
・ メ ソ ト レ キ セ ー ト ( MTX)
・ ダウノルビシン ( ダウノマイシン )
・ ア ド リ ア マ イ シ ン (ア ド リ ア シ ン )
・ イ ダ ル ビ シ ン ( IDR、 イ ダ マ イ シ ン )
・ シ ス プ ラ チ ン ( CDDP , ブ リ プ ラ チ ン ) , カ ル ボ プ ラ チ ン
( CBDCA, パ ラ プ ラ チ ン )
・ イ リ ノ テ カ ン ( CPT-11, ト ポ テ シ ン )
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Ⅷ .嘔 気 ・ 嘔 吐 の 看 護
観察項目
悪 心・嘔 吐 の 評 価 。食 事 摂 取 状 況 。In-Out バ ラ ン ス 。
体重・排便状態・睡眠状態など。
制吐剤の投不
催吐性が強い場合は予防的投不。
症状のある場合には迅速に対応。
環境の整備
清潔で静かな環境をつくる。においを対策する(吐
物の除去、脱臭剤の利用、換気、空気洗浄機の設置
な ど )。 同 室 者 に 配 慮 す る 。
食事の整備
治療時間に合わせた内容・量。食事時間の調整する
(患者の希望を取り入れる、薬剤の半減期を考慮す
る な ど )。 症 状 が 強 い 時 は 配 膳 を し な い 。 悪 心 を
軽減する食品を紹介する。 ※食べやすく消化のよ
い も の( お か ゆ 、う ど ん 、ビ ス ケ ッ ト 、プ リ ン な ど )、
あっさりした冷たいもの(水分の多い果実、アイス
ク リ ー ム 、酢 の 物 な ど )、電 解 質 を 多 く 含 む も の( バ
ナナ、メロン、チーズ、コンソメ)など。
安楽への援助
体 位 の 工 夫( フ ァ ー ラ ー 位 な ど 頭 部 を 拳 上 す る )、胸
腹部を絞めない衣服、氷水(お茶・レモン水なども
可)による含嗽、胃部のクーリングなど。
気分転換の勧め テレビ・ビデオ・音楽鑑賞などで意識を他に向ける
ことにより、症状が予防できることもあることを話
す。
指圧療法
悪心が遷延する場合など、手首から3横指下の部分
を圧する。
精神的援助
傾聴し、支持的に関わる。セルフケアにおいて患者
ができていることを肯定的に評価する。 医療スタ
ッフの援助はいつでも受けられることを保証する。
28
<参考文献>
1) がんの痛み治療のすべて
保健同人社 (1996)
2)苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン 日本緩和医療学会(2005)
3)緩和ケアマニュアル 第5版 最新医学社発行 (2007)
4)がん緩和ケアに関するマニュアル 厚生労働省・医師会(2008)
5)最新のがん疼痛治療の基礎と実際 高宮 有介著 (2003)
29