飯村 由香理(いいむら ゆかり) 総務省情報流通行政局衛星・地域放送課

飯村 由香理 (いいむら
ゆかり)
総務省
情報流通行政局衛星・地域放送課地域放送推進室
課長補佐
(平成 11 年度採用)
・日進月歩の放送及び情報通信分野の最前線で活躍
・ワーク・ライフ・バランスを大切に(1 女1男の母)
「自分と仕事にうまく向き合って、いかに仕事を魅力あるものに自らしていくのか、という作
業は男女に関わりなくみんなの課題だと思います。国家公務員は、じっくり腰を据えて仕事が
できる安心感もあるので、自分の可能性を試せるのではないかと思います。」
<これまでの主なキャリア・パス>
1~2年目
地上放送振興の企画立案、法制度検討(郵政省(当時)放送行政局地上放送課)
3年目
地上放送振興、法制定作業等(情報通信政策局 地上放送課)
情報バリアフリー振興等(情報通信政策局 情報通信利用促進課)
4~6年目
放送制度全般の企画立案、検討等
~結婚
(情報通信政策局 放送政策課 政策係長)
6~7年目
(情報通信政策局 衛星放送課 振興係長)~第 1 子出産、育児休業(1年3か月)
8年目
テレワークの振興、環境・医療の情報化等
(情報通信政策局 情報流通振興課 情報流通高度化推進室課長補佐)
9~10 年目
コンテンツの流通促進、振興等
(情報流通行政局 情報通信作品振興課(コンテンツ振興課)課長補佐)
11 年目
(総合通信基盤局電波部 移動通信課) ~第2子出産、育児休業(8か月)
12 年目
局の法規関係の取りまとめ等(総合通信基盤局 総務課)
13 年目
国際競争力、クラウド振興等(情報通信国際戦略局 情報通信政策課)
14 年目
ケーブルテレビ等地域メディアの振興(情報流通行政局 衛星・地域放送課 地域放送推進室)
Q:現在の仕事の内容について、御教示下さい。
A:情報流通行政局 衛星・地域放送課で、地域放送であるケーブルテレビを担当しています。ケーブ
ルテレビは、地上放送の再放送に留まらず、自治体からの出資がある事業者も多く、地域のコミュニテ
ィチャンネルを放送する地域密着型のメディアです。ケーブルテレビがより利便性の高いサービスを受
信者に提供するには何が必要かといった視点で仕事をしています。また、CATV事業者はその事業規
模が様々である一方、放送設備など独自に整備しており設備共有等による効率化が重要なこと、国内外
からの映像配信サービス等競争激化により、業界全体の力を結集する必要があることなどから、ケーブ
ルテレビのプラットフォーム実現に向けた施策を進めています。
個々の事業者は、加入者への対応やコミュニティチャンネルの製作などにより一層力を入れることも
可能となったり、利用者の新しいニーズにも対応する新たなサービス展開の実現も期待されています。
また、例えば、プラットフォームによる視聴者情報の相互認証が可能になれば、引っ越しなどに伴う再
契約手続きが面倒なために起こる顧客離れも防ぐということも将来的に実現するかもしれません。
ケーブル・プラットフォームの実現も含め、この5月に放送サービスの高度化に関する検討会とりま
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とめを行い、次世代スマートテレビの推進等も推進しています。最近話題になっているスマートテレビ
ですが、単にインターネットが使えるだけではなく、放送番組と連動したアプリケーションを提供する
ことにより新しいテレビ視聴が実現する次世代のスマートテレビが期待されています。例えばサッカー
中継では、テレビ画面上に放送されている場面だけでなく、会場に設置されている他のカメラ映像を選
択してタブレットやスマホ上にその画面を映したい、詳細な選手情報を映し出すことなども期待されま
す。これまでであれば自分でスマホで検索しながら観戦していたものが、テレビを観ながら情報を得る
ことができます。また、4K、8Kといわれる高画質(スーパーハイビジョン)放送の実現をしていま
す。今の地上デジタル放送の解像度は2Kですが、その4倍、16 倍の高画質・高精細な画質になり、世
界的にも4K放送開始に向けた取組が進められており、日本が誇る高画質・高精細な技術による4K、
8K放送実現、テレビの普及が起爆剤になればと考えています。
【上司の男性のコメント】
時間外勤務が難しいという制約の中で責任感をもち続けて仕事に当たっていますね。もちろん人知
れぬ努力あってこそとは思いますが、集中して取り組む姿は模範的であると思っています。
家庭に関する用事がある場合、業務日程をできる限り調整するようにしています。外的要因でどう
しても難しい場合でも、家庭の事情優先で、最終的には残りのスタッフで対応しています。本人が早
い段階で相談してくれるので助かっています。
【上司の男性のコメント】
当室は女性職員の比率が高く、性別を問わず職員各人に日常的に力を発揮していただかないと仕事
が円滑に進みません。そういった状況でもあるので、当たり前のことかもしれませんが、仕事をしっ
かり任せ、しっかり評価するということでしょうか。女性を対象とした研修プログラムがあれば受講
を勧めたいとは思います。
【部下の男性のコメント】
時間的な制約がある中、いろいろな判断が早くてスピード感が伝わってきます。子供が熱を出すと
いった不測の事態で帰らなくてはならないこともあり、ご自身の中でもスケジュールどおりにいかな
いことも多いことが判断の早さにつながっているのではないかと感じています。
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Q:国家公務員になった理由、総務省(旧郵政省)を選ばれたきっかけについて教えてください。
A:父が公務員だったこともあり、昔から国のため社会のために役立つ仕事に興味がありました。子供
の頃にボランティア活動を経験したこともあり、国や社会全体について考え、その方向性を検討したり、
生活に密着した形で仕事の成果を社会に還元できるのではないかと思い、国家公務員を志望しました。
郵政省の仕事は、情報通信分野といい郵政分野といい、国民生活に密着しており、特に情報通信分野で
は、ICT(情報通信技術)を使って生活をいかに豊かにしていくか、日進月歩の分野でありスピード
感ある前向きな仕事ができそうだと感じました。また、郵政省の方と話をしたところ、とても明るく、
話しやすいアットホームな雰囲気にも惹かれました。
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Q:2年目には新たな放送サービス開始に向けた法整備のためのプロジェクトチームに配属されました
ね。
A:プロジェクトチームでは「電気通信役務利用放送法」の法案づくりに携わりました。それまでの放
送はハード(設備)とコンテンツの両方を持って行うものが主でしたが、この法律は、ハードとソフト
を分離し、自ら設備整備せずとも、電気通信事業者や衛星放送事業者が保有する設備を利用して放送す
ることを可能にするものでした。年末年始も元旦だけ休んで働いていた記憶があります。雪の降る中、
法制局に通ったことを覚えています(笑)。入省2年目で、法令の立案というより、他の法令に類似の
書き方がないかなど、法令用語の用例調べを主に担当していましたが、関連法令である著作権法を所管
している文化庁に上司と一緒に出向いて、交渉をしたことが印象に残っています。この時に多くの法令
や用例をみたことは後の仕事につながる良い勉強になりましたね。
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Q:次に情報通信政策局 情報通信利用促進課に異動されました。
A:ICTをよりわかりやすくして、お年寄りや障がい者、お子さんなどにも使っていただいて、生活
がより便利になるような施策に取り組みました。ICTの使い勝手を良くするソフトなどがどんどん社
会に出ていくよう促すため、そうしたソフトや機器などをつくるベンチャー企業等に対して助成する制
度等を推進しました。
このとき気づいたのは、机上の検討だけではなく、実際に使う方々の意見を聴かないと使えるものに
はならないということでした。意見交換会では、障害を持った方から、「仕事に就くためには、特殊な
ソフトや機器を入れるよりも、幅広く普及しているものの使い勝手を良くしてもらい、自分たちも使え
るようにして欲しい。」といった意見を伺い、それまで机上で考えていた方向性とは違うものが求めら
れていることに気づきました。
成果の一つとしては、「ホームページの作成指針」があります。せっかく音声読み上げソフトがあっ
ても、ホームページが一定のルールに基づいてつくられていないと(たとえば画像の裏にそれを説明す
る文章が貼られていないと)、読み上げられても意味が通りません。そこで、国際標準も参考にして、
関係の方々と連携しわが国のウェブ・アクセシビリティのガイドライン作成に取り組みました。
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Q:次に情報通信政策局 放送政策課に異動され、ご結婚もされましたね。仕事や家庭面での変化はあ
りましたか。
A:結婚した翌年に係長になりましたが、仕事の面ではそれまでと変わらず忙しかったですね。放送政
策課は放送制度全般をみており、放送法全般に関わる政策研究などを行っている部署で、放送法に照ら
して課題になっていることはないか検討していました。放送法には、情報の多様性・多元性を確保する
ため、「マスメディア集中排除原則」が謳われています。放送は社会に対する影響が大きいので、地上
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放送を行うためには免許が必要ですが、ひとつの放送事業者が複数の社を支配することができないとい
うのが「マスメディア集中排除原則」です。しかしながら、近年、メディアが多様化してきたことなど
を背景に、一事業者一社という原則を緩和し、一つの事業者が複数の会社をもつことを可能とする方向
転換を図ったのです。大きな考え方の転換でしたので、外部の有識者を招いて「放送政策研究会」を設
置し検討していただきました。その上で、研究会での検討結果を踏まえて省令改正を行いました。とて
も忙しかったのですが、研究会の委員への事前説明や関係者からの意見聴取など、研究会を円滑に運営
するためのロジの仕事はとても良い経験になりました。
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Q:情報通信政策局の衛星放送課に在職されていた時に最初のお子さん(女)を出産され、育児休業を
とられましたね。
A:育児休業中は、家事をしたり子供を散歩に連れて行ったりと、育児と家事に専念していました。乳
幼児とお母さんが一緒に遊べる区の子育てクラブに週1、2回出かけて同年齢の子どもをもつお母さん
と交流したり、子育てを満喫していましたが、同期入省の友人から最近の動きなどをメールで知らせて
もらってはいました。
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Q:情報通信政策局 情報流通振興課 情報流通高度化推進室に復帰され、課長補佐に昇任されました。
職場復帰される際、不安はありませんでしたか。
A:休んでいたのが1年ちょっとだったこともあり、割とスムーズに復帰できました。ただ、上司は「早
く帰っていいよ」と言ってくださっていたのですが、休業前は遅くまで仕事をしていたので、翌日の段
取りをつけて早く切り上げるコツが当初はなかなかつかめませんでした。また、予算要求の時期などは、
早く帰るのが難しく、保育園のお迎えはほとんど義母にお願いすることになってしまいました。義母へ
の申し訳なさと、だからといって早く帰れない状況との間で悩みましたが、徐々に早く切り上げるコツ
がわかってきました。周りに対して配慮するのは当然なのですが、ある程度の割り切りも身につきまし
た。帰る時間を周りに知らせて、その日の内にできることは先延ばしにしないとか、きっちり仕上げる
ことよりも、まずは形をつくった上で、大きな判断は上司に、細かな調整等は部下にお願いするといっ
た分担をさせていただくことで効率化しました。
また、テレワークを振興する部署でもあったので、週に1、2回テレワーク勤務をさせていただき、
調査研究や報告書の作成などをしていました。テレワークですと、保育園のお迎えにも早く行けますし、
昼休みには家の片付けや夕飯の下ごしらえをするなど、時間を有効に使うことができました。ただ、周
囲の協力がなければ成り立ちませんので、配慮は本当にありがたかったです。当時は第1期安倍政権で、
「テレワークの推進」が掲げられており、業務としては、国土交通省や厚生労働省などとの連携、省内
の調整、他府省への啓発等を行っていました。
最近はなかなかできていませんが、今も可能な時はテレワークをしています。自宅にいながら職場に
ある資料をみることができますし、文書決裁をすることもできるので、子どもの急な発熱などで出勤で
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きないときでも業務を滞らせずにすみます。もっともっと普及してほしいと考えていますが、「育児の
ため」など特別なものとみられているうちは普及は難しいのではないかとも思っています。「テレワー
クだと楽で良いね。」と言われることもありますが、集中して仕事に取り組まないと成果は上がりませ
ん。子どもの面倒をみながら片手間に仕事ができるようなイメージがまだあるのだと思います。民間企
業では進んでいるところもあるようですが、国家公務員は組織で動いている面が大きいので難しいとこ
ろはありますね。ただ、経験する人が増えていけば理解が深まっていくのではないかと思います。
【上司の男性のコメント】
共通の目標をもって日々課題に取り組む職場の中で、周りの職員への感謝の気持ちを持っていただ
いていることに管理職として率直にうれしく思います。職員が気持ちよく仕事に取り組める環境作り
こそ生産性向上の鍵だと思っています。
【部下の男性のコメント】
仕事の工夫としては、できるだけ材料を一度に見せて判断だけを仰げる状態にし、情報は早い段階
で入れるようにしています。女性の上司は初めてですが、性差は感じません。事業者の方との打合せ
にも出ていただくことが多いのですが、先方も特段対応が変わるといったことはありません。
先方とのやりとりで、こちらが想定していない事態になったとしても、落胆している様子はないで
すね。うまくいかなかったときでも、
「違うこと考えなきゃね」と切り替えが早く、壁にぶつかっても
深刻な感じにはならない印象です。また、とてもフットワークも軽くて初動が早いことも見習いたい
部分です。
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Q:次に異動された情報流通行政局 コンテンツ振興課でのお仕事は、特に印象深かったようですね。
A:放送事業者のつくるアニメ、ドラマ、ドキュメンタリーなどの放送番組は相当な製作費をかけてつ
くられるわけですが、一度放送してしまったらDVD展開等はあるものの、それで終わりということも
あり、2次利用3次利用を拡大することが課題でした。そこで、放送コンテンツとしてマルチユースす
ることで、課金や収入を増やしてはどうかという検討を行いました。地上放送事業者の事業収入の大部
分は広告収入ですが、最近ではインターネットなど他のメディアが出てきたために視聴者のテレビ離れ
が進み、広告収入が落ち込んでおり、広告収入以外の収益確保が重要となってきております。そこで、
コンテンツをいかに海外へ販売していくかなど流通促進を検討する研究会を立ち上げて議論していた
だきました。
「海外の放送事業者の枠を買ったり借りたりしてコンテンツを流してはどうか。
」、
「ドラマ
フェスティバルをわが国で開催し、様々な国のバイヤーに来てもらい、商談の機会をつくってはどう
か。」などの意見を踏まえて、放送産業、コンテンツ産業の市場規模の拡大に向けた方策を検討しまし
た。
また、「放送コンテンツの製作取引の適正化に関するガイドライン」を策定しました。放送事業者は
番組製作事業者に委託して番組を製作することも多いのですが、番組製作事業者は下請け的な立場にあ
るので、契約書面がなかったり、無理なやり直しや価格が下げられたり、という事例もありました。良
いコンテンツをつくるためには良い製作環境を確保することが必要であり、放送事業者、民放連、番組
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製作事業者の団体、独占禁止法や商法の研究者で構成される「放送コンテンツの製作取引の適正化の促
進に関する検討会」を開催して議論していただき、その検討結果に基づいてガイドラインを策定しまし
た。ガイドラインの策定に当たっては公正取引委員会との難しい調整もクリアしなければなりませんで
したが、ガイドラインができたときは達成感がとても大きかったですね。と言うのも、重要な課題では
あったものの、それまでなかなか進んでいなかったという事情があります。放送事業者と番組製作事業
者との双方がパートナーとして良い関係をつくっていくためのベースとなるガイドラインになったの
ではないかなと思います。
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Q:次の総合通信基盤局 電波部 移動通信課に在職されていたときに二人目のお子さん(男)を出産さ
れましたね。
A:保育園事情は上の子のときよりも厳しくなっていました。公立保育園に入る前に私立保育園に入っ
ていると公立保育園に入るための優先順位が上がるため、夏から保育園探しを始め1月から認証保育園
に入園させて職場復帰しました。ただ、まだ小さかったこともありよく病気をもらってきてしまい、肺
炎等で入退院を繰り返しました。付き添い看護が必要だったので、職場復帰はしたものの、まとまった
休みを繰り返しとることになってしまい、職場にご迷惑をかけてしまいました。
だんだん仕事量も増え、保育園での延長保育も認められるようになったので、最近では、お迎えの時
間に間に合うギリギリに職場を出て、帰って夕飯をつくり寝かしつける毎日です。男の子はやんちゃで
すね。なかなかご飯食べないし、寝ないし(笑)。1、2歳の頃は発熱等でよく職場に電話がかかって
きましたが、3歳になると丈夫になってきて保育園からの電話も減りました。
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Q:情報通信国際戦略局 情報通信政策課では、クラウドサービスの振興等を担当されました。
A:クラウドサービスを中心とした国際展開が主な業務でした。これまでは企業がそれぞれ自社でサー
バーを持ち、データを蓄積していることが多く、運用上の管理、セキュリティの確保なども自社で行っ
ていました。これではコストもかかりますし、中小企業にとっては負担が大きくなります。そこで、最
近では、クラウドサービスと言って、サーバーをデータセンターに置いて、各企業はデータ管理等を委
託するというやり方が増えてきています。実データをやりとりすると、情報の漏えいやハッキング被害
の危険などもありますので、ネットワークを介して画像情報やテキストデータだけをやりとりし、デー
タの変換等はサーバーの中で行います。各自の端末にはデータは残らず、万が一端末を紛失しても情報
が漏えいすることはありません。データセンターを専門に運営する大きな事業者が安全管理、運用保守
を行い、委託する事業者はデータを預けておいて必要なときにインターネット上等で引き出します。
このようなクラウドサービスを関係省庁やクラウド協会と連携して振興していくに当たり、どのよう
な課題があり、課題解決のためにはどのような方策が必要なのかを検討しました。また、外資系企業の
場合には、国外にデータセンターを置いているところもあります。情報が国境を超えてしまうので、何
か問題が起きたときにどちらの国の法律が適用されるのか、国際的な共通ルールを作成する必要がある
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のではないか、などの課題が出てきました。そこで、「日米ICT交渉」の中でクラウドサービスを取
り上げて、日米それぞれの取組を紹介したり、連携すべき課題について議論しました。また、我が国の
クラウド事業者の国際競争力を強化するために、税制上の優遇措置を検討したり、日本企業が外国に出
て行くに当たっての、ターゲット国の分析の必要性を示唆したりしました。
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Q:仕事を続けることを迷われた時期などはありましたか。
A:上の子を産んだ後、義父母に大きな負担をかけていると感じた時は辞めようかとも考えました。で
すが、職場の理解も大きかったですし、恵まれていたので辞めたら逆に申し訳ないという思いもありま
した。女性に限らずワーク・ライフ・バランスを取りながらやっていかなくてはと思いますし、今は前
向きに取り組めています。職場、家族の理解は不可欠ですね。子どもが大きくなったら今までご迷惑を
かけた分これまで以上にがんばらないといけないなと思っています(笑)。明日、子どもが突然熱を出
すかもしれないと思うと、日々集中して仕事をし、滞らせることのないよう段取りを早めにつけ、でき
ることは前倒しで処理することを心がけています。また、職場の皆さんに対する感謝の気持ちを忘れず
に、日頃から感謝の気持ちを言葉にすることも心がけています。家庭のことは、完璧は求めずに気楽に
やろうという気持ちです。
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Q:楽しみはお子さんと遊ぶことと伺いましたが、
手芸の腕前もすばらしいですね。
A:とても雑な作りですが、毎年、誕生日に一つは
手作りでプレゼントしようと思っています。上の女
の子の時は、プリキュア(アニメのキャラクター)
の絵を見ながら、フェルトを切って綿を詰めて作っ
ていました。集中して黙々と取り組むことがストレ
ス解消にもなっています。
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Q:情報通信は日進月歩の世界だと思いますが、自己研鑽ということでは日頃から心がけておられるこ
とはありますか。
A:情報通信専門のサイトでニュースを提供しているところがありますので、関心のある単語を登録し
ておき、その単語に関連するニュースをメールで送ってもらって情報収集しています。また、技術イベ
ントに足を運んだり、日々の業務で事業者さんと接する中で教えていただいたり、専門誌を読むことも
心がけています。
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Q:今までのご自身のキャリア・パスを振り返られてのお気持ちはいかがですか。
A:情報通信分野の専門知識や研究会の運営のノウハウなどはある程度勉強させていただいたと感じて
いますが、今までは、どちらかと言えば上司が出したアイデアを形にすることをやってきました。これ
からは自ら新しいアイデアを出し企画して全部をやり遂げられるようになりたいですね。また、管理面
でも、周りの職員が働きやすい環境をいかにつくっていけるかということにも更に意識して仕事をして
いきたいと思っています。
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Q:国家公務員を目指す女子学生へのメッセージをお願いします。
A:今はもう女性男性は関係ないと思います。ワーク・ライフ・
バランスはひとつの側面ですが、自分と仕事にうまく向き合って、
いかに仕事を魅力あるものに自らしていくのか、という作業は男
女に関わりなくみんなの課題だと思います。国家公務員は、じっ
くり腰を据えて仕事ができる安心感もあるので、自分の可能性を
試せるのではないかと思います。育児をしながら仕事を続けられ
るのも魅力だと思いますので、希望を持って可能性にチャレンジ
していただければと思います。
【上司の男性のコメント】
性別による家庭における役割固定化を肯定するつもりはありませんが、仕事における女性の活躍と
仕事と家庭生活の両立を全く切り離して論じることは難しいと思います。
以前ドイツのとある都市に調査に伺った際、交通渋滞で予定時刻より遅れて到着したところ、先方
の管理職のうちの一人(女性)が「家庭の事情」により説明の順番を繰り上げて対応してくれたこと
がありました。その日の夕刻、クリスマスマーケットでベビーカーを押しているその女性と偶然会い、
話を伺ったところ、子どもが小さいので短時間勤務となっているとのことで、管理職でもそうした勤
務体系であることに驚きました。そういったことが当たり前に採用できるムードが社会全体で高まる
ことが大事な気がします。
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