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ここから始まるプレス金型設計
(サブテキスト)
山口設計事務所
山口
文雄
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金型図面の現し方
金型は上型と下型から構成されている。
金型の構造を図面で示す場合、下型組立図(下型平面図)、上型組立図(上型平面図)及
び側面図(立て構造図:断面図の形が多い)が主なものである。
現し方は、下型は上から見た形で示す。上型は反転して下面の形を示す。
反転の仕方は、図1に示すように2通りあり、その違いに注意が必要である。
上型反転
A
上型反転
上型
パンチ
ダイ
下型
B
図1 上型平面図の現し方
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上型反転による寸法記入の変化(累進寸法記入)
図2の下型平面の寸法記入に対して、反転の仕方による寸法記入変化は寸法の見誤りを
おこすので注意する。
センター振り分けの寸法記入であれば大きな差はない。
0
図3 上下反転(図1のA)の上型寸法記入例
(累進寸法記入)
25
50
0
70
70
25
45
45
45
25
25
(累進寸法記入)
70
0
0
図4 左右反転(図1のB)の上型寸法記入例
50
50
25
25
0
0
図2 下型寸法記入例(累進寸法記入)
組立図の配置
上型反転が上下(図1のA)の場合は図5の配置とする。
上型反転が左右(図1のB)の場合は図6の配置とする。
ただし、金型が大きくて1枚の用紙に現せないときは、別々の用紙に同じ配置で示せばよ
い。
上型平面図
下型平面図
上型平面図
たて構造図
(断面図)
下型平面図
たて構造図
(断面図)
図6 左右反転(図1のB)
図5 上下反転(図1のA)
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金型の設計手順の概要
1 工程設計:加工する内容を決める。
材質
P
W
板厚
加工力からプレス機械の能力を確定する。
2 金型の各図面を配置を決め、作図する。
製品の加工内容からプレートサイズを
仮きめしておく。
使うプレス機械のダイハイトから
パンチ長さ、各プレートの厚さを
決め、ダイハイト、送り線高さを
仮きめしておく。
上型下面
組立断面
(下死点で示す)
下型平面
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3 必要部品を描き加える
ストリッパ
バッキングプレート
などを描き加える。
4 ダイセット等を描き加える
ダイセットを描き、全体の構成を
完成させる。
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FL
DH
5 止めねじ、ノックピン、逃がし穴等を描く
ダイハイト、送り線高さ等の主要寸法を記入する。
ダイセット寸法を記入する。
部品の風船飛ばしをする。
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50±0.15
0 指示なき角はR1以下。
2
0 20−0.2
8
+0.2 .
0
±
0
1
だれ面
穴と外形のバリ方向を揃えること
SPCC
SPCC
t=1.2
t=1.0
抜きサンプル1
5
1
15 0
φ
+0.1 10 0
φ
φ6 +00.05 14±0.05
10
.
0
+ 0
18−0.15 22±0.05
30±0.15
15±0.05
19±0.05
30
20
8±0.1
30
抜きサンプル2
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ねらい寸法図
抜きサンプル2
30
17.90
φ
φ
6
.
0
3
.
1
0
5
0
15.10
1
0
.
0
10.05
8
22.00
19.85
7.97
30.00
10
50.00
14.00
14.92
20
19.03
だれ面
φ
30
抜きサンプル1
指示なき角はR1以下。
穴と外形のバリ方向を揃えること
SPCC
SPCC
t=1.2
t=1.0
メンテによるダイの広がりを考慮。
穴公差幅の70%(例)ねらい。
穴ピッチは中心値ねらい。
公差が大きいものは中心ねらいでもよい。
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抜きサンプル2 パンチ・ダイ寸法イ及びブランクとの関係調整
ブランク抜きの注意
バリ方向対策
だれ面
穴と外形のバリ方向を揃えること
SPCC
t=1.0
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抜き加工力計算
抜きサンプル1
P=0.8・Ts・L・t=0.8・40・140・1.2=5376(Kg)
抜きサンプル2
P=0.8・Ts・L・t=0.8・40・160・1.0=5120(Kg)・・・ブランク
P=0.8・Ts・L・t=0.8・40・75.36・1.0=2411.52(Kg)・・・穴抜き
P:加工力
Ts:材料の引張強さ L:加工長さ t:板厚
ストリッピング力は
加工力の 5%∼30%(一般的な加工のとき)
ダイプレート厚さ
T=3√P
P:加工力
T:ダイの厚さ
抜きサンプル1
T=3√5376=17.518
抜きサンプル2
T=3√5120=17.235・・・ブランク
抜きサンプル2
T=3√2411.52=13.41・・・穴抜き
エクセルで
=P^(1/3)・・・^(キャレット)を使って左のように計算
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曲げサンプル1
135゜
1
R1
1
SPC
5
20
20
t=1.0
曲げサンプル2
R
2
3
C
R
15
2
20
5
20
30
R
6
SPC
t=2.0
曲げサンプル図
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曲げ加工力計算
曲げサンプル1
P=(C3/3)・B・t・Ts=(1/3)・20・40=266.66(Kg)
曲げサンプル2
P=(C3/3)・B・t・Ts=(1/3)・40・40=533.33(Kg)
パッド圧力(初期圧)は曲げ力の 30%を目安とする。
絞り加工力の計算
P=絞り径×板厚×材料の引っ張り強さ(Kg)
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曲げサンプル2曲げ型設計
R
2
3
SPC
C
t=2.0
R
15
2
20
5
20
30
R
6
金型条件設計
展開計算
2
6
4.239
8
R
7 4.
.
9
16
R
20
中立面までの寸法
0.35*2=0.7
L=56.869
7.630
中立面までの寸法
0.43*2=0.86
パッド
底突き: する しない パッド圧
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製品G
製品F
φ12.4±0.15
+0.05 φ16−0.15
3
.
R0
.
R0
3
φ14.4±0.05
3
20±0.1
25±0.1
.
R0
φ10±0.03
φ26±0.1
SPCD t=1.2
SPCD t=0.8
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絞り製品の展開
絞り製品F
フランジ径にトリミング代を片側 2mm 付け、フランジ径を 30mm として計算
する。
展開計算式と計算
D=√d22+4・d1・h = √302+4・16・25 = √900+1600 = 50
相対板厚の確認
t/D×100=0.8/50×100=1.6(%)
絞り製品G
フランジ径にトリミング代を片側 2mm 付け、高さを 22mm として計算する。
展開計算式と計算
D=√d2+4・d・h=√12.42+4・12.4・22=√153.76+1091.2=35.28
D=35.0 とする。
相対板厚の確認
t/D×100=1.2/35×100=3.42(%)
18/25
19/25
20/25
21/25
22/25
23/25
24/25
25/25