これから治療を始める患者さんのためにストレッチ DVD付き監修：川崎医科大学附属病院病院長園尾博司先生目次（CONTENTS） ■はじめに .................................................................................... P2 ■乳がんの内分泌療法について乳がん術後の薬物療法とは？ ................................................... P3 内分泌療法とはどんな治療法ですか？ ..................................... P4 内分泌療法が適応になる場合とは？ ........................................ P5 内分泌療法で使われる薬の種類は？ ........................................ P6 ® ■アリミデックス錠 1mg について ® 「アリミデックス錠 1mg 」とはどんな薬ですか？ ...................... P7 「アリミデックス錠 1mg」で治療を始めた場合の効果は？ ...... P9 ® 術後内分泌療法では、何年くらい服用するとよいですか？........ P 1 0 ® タモキシフェンを服用していますが「アリミデックス錠 1mg」に切り替えた場合の効果はどうですか？ .................................... P 11 タモキシフェンの服用がもうすぐ終了しますが、 ® 「アリミデックス錠 1mg」での治療を追加した場合の効果はどうですか？ .................................................................... P 12 進行・再発乳がんにも有効ですか？ ......................................... P 13 投与方法とスケジュールは？ . ................................................... P 1 4 どのような副作用がありますか？ ............................................. P 15 関節痛が多いと聞きましたが、どのような症状なのでしょうか？ ... P 17 関節痛を予防する方法はありますか？ ..................................... P 18 服用・保管上の注意点はありますか？ ...................................... P 19 ■術後の定期検診とアドバイス .................................................... P 2 0 ■さいごに .................................................................................... P 2 2 薬の名前・剤形・有効成分など ..................................................... P 2 3 資料 ............................................................................................... P 24 記録メモ ........................................................................................ P 2 5 乳がん患者さんのためのストレッチ（DVD) 1 はじめに乳がんの治療では、患者さんが自分の治療の目的や効果について理解を深め、これから使う薬について十分に納得いただいた上で治療を進めることがとても大切です。アリミデックス錠 1mg（一般名：アナストロゾール）は、 ® 脂肪組織などでつくられるエストロゲン（女性ホルモン）の合成を阻害し、乳がん細胞の増殖を抑制する閉経後の患者さんのための薬です。この小冊子では、アリミデックス錠 1mg の作用や効果、 ® 副作用、服用時の注意点など、患者さんにぜひ知っておいていただきたい事柄を取り上げ、質問形式にまとめて解説しました。薬を正しく理解していただくため、また主治医との話し合いに使うための資料としてご利用いただけたら幸いです。 2 乳がんの内分泌療法について乳がん術後の薬物療法とは？ ■ 手術のあと、全身にひろがっているかもしれない微細ながん細胞の増殖を抑え、再発を防ぐ大切な治療です。早期の乳がんは、手術によりしこり（原発巣）を取り除きます。しかし、がん細胞は全身にひろがりやすい特徴があるため、手術や放射線などの局所的な治療だけでは、がん細胞を全て取り除くことができない可能性があります。術後の薬物療法は、このような全身にひろがっているかもしれない微細ながん細胞の増殖を抑え、再発を防ぐ大切な治療法です。乳がん術後の薬物療法には、ホルモン感受性細胞の増殖を抑える内分泌療法 ( ホルモン療法 ) と、がん細胞に直接作用する化学療法や抗 HER2 療法※があります。 ※ 乳がん細胞に「HER2 （ハーツー）」と呼ばれるタンパクが過剰に発現している場合に行われる治療法 3 内分泌療法とはどんな治療法ですか？ ■ 女性ホルモン ( エストロゲン ) の作用を抑制してがんの増殖を抑える治療法です。乳がんのなかには、女性ホルモン ( エストロゲン ) の働きでがん細胞が増殖する「ホルモン感受性乳がん」があり、全体の 6 〜7 割を占めています。このようなホルモン感受性乳がんに対しては、エストロゲンの作用を抑えることで乳がんの増殖を抑制する内分泌療法 ( ホルモン療法 ) が有効です。内分泌療法は、副作用が比較的少なく身体への負担が軽いのが特長で、術後に長期間治療を続けることで、乳がんの再発を予防する効果が期待できます。このため、内分泌療法は、ホルモン感受性乳がんの中心的な治療法に位置づけられています。 4 乳がんの内分泌療法について内分泌療法が適応になる場合とは？ ■ がん細胞に、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体が一定量以上ある場合です。内分泌療法に適しているかどうかは、手術などで取り除いたがん細胞を調べることで分かります。細胞内にエストロゲン受容体（ER）や、プロゲステロン受容体 (Pg R) のいずれかが一定量以上ある場合は「ホルモン受容体陽性」となり、内分泌療法の効果が期待でき、この治療の適応となります。一方、これらの受容体の少ない「ホルモン受容体陰性」の患者さんでは、ホルモン療法の効果はあまり期待できないため、化学療法が用いられます。 5 内分泌療法で使われる薬の種類は？ ■ 「アロマターゼ阻害剤」「抗エストロゲン剤」「プロゲス」「LH‐RH アゴニスト製剤」テロン製剤」「SERD（サード）があります (24 ページの資料をご参照ください )。これらの薬は、作用機序が異なりますが、いずれもエストロゲンの分泌や作用を抑えることで、がんの増殖を抑制する働きがあります。どの薬剤を用いるかについては、患者さんの年齢や閉経状態、治療歴などを考慮しながら選択します。 6 アリミデックス® 錠 1mg について ® 「アリミデックス錠 1mg」とはどんな薬ですか？ ■ 閉経後女性の脂肪組織および乳がん細胞においてエストロゲン合成を阻害して、乳がんの増殖を抑える内分泌療法剤です。乳がん細胞の増殖を促進するエストロゲン（女性ホルモン）は、閉経前と閉経後では、合成経路が異なります。閉経前の女性では、主に卵巣からエストロゲンが分泌されますが、卵巣機能が低下した閉経後の女性の場合は、副腎からアンドロゲン（男性ホルモン）というホルモンが分泌され、それが脂肪組織などに広く存在している「アロマターゼ」という酵素によってエストロゲンに作り換えられる経路が主体となります。また、「アロマターゼ」は乳がん細胞内にも存在し、細胞内でエストロゲンの合成を行っています。アリミデックス錠 1m g（一般名：アナストロゾール）は、この ® アロマターゼの働きを阻害してエストロゲンの合成を抑え、乳がんの再発や進行を抑制する「アロマターゼ阻害剤」です。 7 閉経後のエストロゲン合成経路と「アリミデックス® 錠1mg」の作用エストロゲン合成酵素の「アロマターゼ」は、主に脂肪組織に分布していますが、同時に乳がん細胞内にも存在し、エストロゲンの合成を促しています。アリミデックス® 錠1mgは、このアロマターゼの働きを阻害してエストロゲンの合成を抑制し、閉経後乳がんの再発や増殖を抑える働きがあります。閉経後の人アンドロゲン脂肪組織など乳がん組織副腎皮質脂肪組織や乳がん組織でのエストロゲンの合成を阻害血中エストロゲンの低下乳がんの増殖抑制 8 アリミデックス® 錠 1mg について ® 「アリミデックス錠 1mg」で治療を始めた場合の効果は？ ■ 最近まで、閉経後乳がんの術後内分泌療法では、抗エストロゲン剤の「タモキシフェン（ノルバデックスなど）」が ® 標準的治療薬として広く使われてきました。しかし、海外で行われた大規模比較試験における約 10 年（薬剤服用期間は５年 ) の追跡調査において、アリミデックス錠 1mg は、タモキシフェンより再発する患者さんの割合 ® が少ないことが示されました１）。こうした治療成績を受けて、アリミデックス錠 1m g は、 ® 閉経後ホルモン感受性乳がんにおける標準的治療薬の１つとなっています。 1）ATAC Trialists' Group：Lancet Oncol, 11（12）, 1135-1141, 2010 9 術後内分泌療法では、何年くらい服用するとよいですか？ ® ■ アリミデックス錠1m g における術後内分泌療法の場合、標準的とされる服用期間はまだ定まっていません。しかし、タモキシフェンとの効果を比較した海外の試験では５年間服用の設定で行われており、長期追跡調査の結果でも、タモキシフェンより良好な治療成績が得られることが示されています１）。また最近の報告では、海外の臨床試験において、５年以上にわたる治療の検討も行われています。内分泌療法による術後の薬物療法では、通常、年単位の治療となりますので、主治医とよく相談したうえで服用期間を設定してください。 1）ATAC Trialists' Group：Lancet Oncol, 11（12）, 1135-1141, 2010 10 アリミデックス® 錠 1mg についてタモキシフェンを服用していますが ® 「アリミデックス錠１mg 」に切り替えた場合の効果はどうですか？ ■ タモキシフェンによる閉経後乳がんの術後内分泌療法では、５年間服用することが標準的とされていました。しかし海外で行われた大規模比較試験の解析において、タモキシフェンを 5 年間服用するより、タモキシフェンを 2 〜 3 年服用したあとにアリミデックス錠 1mg に切り替えた方が、再発抑 ® 制効果が高いことや、死亡率が低く抑えられ、生存期間の延長に寄与することが示されています 2）。 2）Jonat W, et al:Lancet Oncol, 7(12), 991-996, 2006 11 タモキシフェンの服用がもうすぐ終了し ® ますが、「アリミデックス錠１mg」での治療を追加した場合の効果はどうですか？ ■ 海外の比較試験で、タモキシフェンによる５年間の治療終了後、アリミデックス錠１mg による治療を３年間追加した方 ® が、無治療でいるより、再発率が低く抑えられることが示されています 3）。３）Jakesz R, et al:J Natl Cancer Inst,99,1845-1853,2007 12 アリミデックス® 錠 1mg について進行・再発乳がんにも有効ですか？ ■ アリミデックス ® 錠 1m g はホルモン受容体陽性の進行･再発乳がんに対しても効果が期待できます。乳がんの患者さんの中には、手術後しばらくたって再発したり、最初に受診されたときに、すでに進行している方もおられます。アリミデックス錠 1m g は、ホルモン受容体陽性の乳がんで ® あれば、このような再発した患者さんや、進行期の患者さんにおいても効果が期待できます。 13 投与方法とスケジュールは？ ■ 投与方法アリミデックス錠 1mg は白色の錠剤です。主治医の指示に従い、 ® １日１錠を毎日服用します。お薬は包装（P T P シート）から取り出し、コップ１杯程度の水（またはぬるま湯）で飲んでください。 ■ 薬を服用し忘れた場合は？気がついたときに、できるだけ早く服用してください。ただし次の服用時間がせまっている場合は１回分とばし、次の通常の服用時間に１回分を服用します。絶対に 2 回分を一度に服用しないでください。 ■ あやまって多く服用した場合は？すぐに主治医または薬剤師に相談してください。 ■ 主治医の指示なしに服用をやめないでください。 ■ 高齢の患者さんでは、特に主治医の指示を守って服用してください。 14 アリミデックス® 錠 1mg についてどのような副作用がありますか？ ■ アリミデックス錠 1mg を服用した 3,536 人の患者さん ® の調査では、副作用は 360 人（10.2 ％）の患者さんにみられました。主な副作用としては、関節痛（1.1%）や肝機能異常（1.0%）、ほてり（0.9％）、発疹（0.5%）などがあります。また性器出血や嘔気などの副作用も報告されています。さらに、アリミデックス錠 1mg の服用中は、骨を健康的に ® 保つ働きもするエストロゲンの合成が抑えられるため、骨粗鬆症や骨折などが起こりやすくなることが報告されています。治療中は骨密度などの状態を定期的に観察することや、肝機能検査を定期的に行うことがすすめられていますので、主治医の指示に従ってください。アリミデックス錠 1m g の副作用については 16 ページを ® ご参照ください。気になる症状があらわれたときは、医師または薬剤師にすぐにご相談ください。 15 特に注意すべき副作用 ● 全身の皮膚が赤くはれて、発疹、ただれ、水ぶくれができる、皮膚の表面がやけどのようにはれてくる、目が痛い、目が充血する、口の中や鼻の中、結膜などにただれやびらんがおこる、発熱（皮膚粘膜眼症候群［S t e v e n s Johnson 症候群］） ● 顔・くちびる・舌・のどがはれる、足や陰部がはれる、物が飲み込みにくい、息ができない、発疹がでる（アナフィラキシー、血管浮腫、蕁麻疹） ● 発熱、からだがだるい、かゆみ、吐き気、食欲がない、皮膚や白目が黄色くなる（肝機能障害、黄疸） ● 息切れがする、息苦しい、から咳が出る、発熱（間質性肺炎） ● 局所の痛みやはれ、胸の痛み、呼吸困難（血栓塞栓症［深部静脈血栓症、肺塞栓症など］）注意すべき副作用 ● からだや顔がほてる（ほてり）、頭が痛い（頭痛）、力が入らない、疲れやすい、体がだるい（無力症、疲労、倦怠感） ● 吐き気がする・吐く（嘔気・嘔吐）、食欲がない（食欲不振）、（下痢） ● 知覚の異常（感覚異常）、冷感や痛みなどの刺激が通常と違う感覚になる（錯感覚）、味が分からない、味覚の異常（味覚異常） ● 意識がぼんやりする、眠気（傾眠） ● 手のひらや指がしびれる（手根管症候群） ● 頭髪がぬける（脱毛）、（発疹）、皮膚に紫斑ができる、発熱、お腹が痛い、関節が痛い、血尿が出る（皮膚血管炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病） ● 関節が痛い、こわばる（関節痛、硬直）、関節が痛い、関節が腫れる（関節炎）、（骨粗鬆症）、骨折した局所の痛みや腫れ、運動障害（骨折）、骨が痛い（骨痛）、指の付け根が腫れたり圧痛がある、指の曲げ伸ばしがスムーズにできない（弾発指）、筋肉の痛み（筋肉痛） ● 不正出血、性器からの出血がみられる（性器出血） ●（腟乾燥） ●（白血球減少、好中球減少） ● 肝機能検査値の異常（AST ［GOT］上昇、 ALT ［GPT］上昇、Al-P上昇、 γ-GTP上昇、ビリルビン上昇） ●（高コレステロール血症）口の渇き、水を多く飲む、吐き気、吐く、尿量が多い、注意力が散漫になる（高カルシウム血症） ● ＊上記に記載のない気になる症状があらわれたときも、医師または薬剤師にご相談ください。 16 アリミデックス® 錠 1mg について関節痛が多いと聞きましたが、どのような症状なのでしょうか？ ■ 一般的に、関節痛は手指にあらわれることが多く、膝、腰、肩、頸の関節にもみられます。なかでも「手のこわばり」は朝にあらわれやすく、炊事がしにくい、パソコンのキー操作が難しいなど、日常生活の動作に影響を及ぼす原因になることがあります。アリミデックス錠 1mg による関節痛がなぜ起こるのか、 ® はっきりした原因は明らかになっていませんが、薬の作用による血液中のエストロゲン濃度の低下が関係していると考えられています。関節痛が発現しやすい時期としては、治療を始めて１年目が比較的多いものの、服用期間を通じて生じることもあります。症状の程度には個人差があり、治療を続けるうちに痛みが軽減したり消失することもあれば、長く続くこともあります。関節痛が続く場合は、治療の妨げにならないよう、適切な対処法を講じながら治療を継続することが大切です。場合によっては、痛み止めのお薬による治療などを行うこともありますので、あまり無理をせず、主治医と相談してください。 17 関節痛を予防する方法はありますか？ ■ アリミデックス錠 1mg による関節痛を確実に予防する方法 ® はありませんが、関節をゆっくり動かす運動やストレッチは、関節の可動性や筋肉の柔軟性を保ち、関節の痛みや不快感を改善するのに役立つと考えられています。今は痛みがない方も、関節の柔軟性を保つストレッチを続けることで、関節の状態をよりよく維持することが期待できます。巻末の DVD を参考に、ご自分の状況にあわせて、無理のない範囲で続けられるとよいでしょう。 D V D は、「関節に痛みのない方」向けと「痛みがある方」向けの２つの内容をご用意していますので、ご自分の状態に合った方法をお選びいただけます。痛みがない方痛みがある方「じっくりストレッチ」の例（動画）「じっくりストレッチ」の例（動画）監修：宮良クリニック院長　宮良球一郎 / 浦添総合病院乳腺センター長　蔵下要指導：浦添総合病院リハビリテーション科　亀山成子 18 アリミデックス® 錠 1mg について服用･保管上の注意点はありますか？ ■ 次のような人は、使う前に主治医に相談してください。・以前に薬を飲んで発疹などが出たことのある人・肝臓や腎臓に病気がある人 ■ 眠気や意識がぼんやりするといった症状が現れるかもしれませんので、自動車の運転や機械を操作するときは注意してください。 ■ 他の薬と併用する場合は、薬局で買った薬も含め、その薬について必ず主治医に伝えてください。 ■ 他の医療機関を受診する場合や薬局で薬を買う場合は、 ® アリミデックス錠 1mg を服用していることを伝えてください。 ■ 薬は光のあたらない涼しいところで保管してください。子どもの手の届かないところで保管してください。 19 術後の定期検診とアドバイス乳がん術後の10 年間は安全確認の期間。術後の定期検診は必ず受けてください。乳がんの手術を受けた患者さんの中には、しばらくたって再発したり、術後 5 年以降に再発するケースも珍しくありません。このため、定期的に検査を受けることが大切です。検診では、主に問診、触診、血液検査、X 線検査、必要に応じて各種画像検査が行われます。定期検診の時期は、患者さんの状態や主治医の判断によって異なることもありますが、術後 5 年目までは 3 〜 6 カ月ごと、 5 年目以降は 6 カ月〜1 年ごとに１回がおおまかな目安となります。万が一、乳がんが再発した場合でも、早期に発見し適切な治療を行うことで、十分な治療効果をあげることが期待できますので、定期検診は必ず受けるようにしてください。 20 術後の定期検診とアドバイス手術後も、毎月１回、日を決めて自己検診を行いましょう。外来での診察のほかに、毎月１度、手術部位の周囲や反対側の乳房の自己検診を行うことも大切です。また、乳がんが再発した場合の兆候として、どのようなことがあるかを医師に聞いておくとよいでしょう。自己検診でチェックしたい主な項目手術側のチェック（乳房を切除している場合） □ へこみ、ひきつれ、膨らみなど皮膚に変化はないか □ 赤くはれているところはないか □ しこりはないか手術側のチェック（乳房を温存している場合） □ へこみ、ひきつれ、膨らみなど皮膚に変化はないか □ 赤くはれているところはないか □ しこりはないか □ 乳頭のへこみはないか □ 乳頭からの異常分泌はないか手術していない側の乳房のチェック □ へこみ、ひきつれ、膨らみなど皮膚に変化はないか □ しこりはないか □ 乳頭のへこみ、ただれはないか □ 乳頭からの異常分泌はないか 21 さいごに内分泌療法は長い時間をかけてじっくり取り組む治療法ですから、あせらず、決められた治療スケジュールに従って治療を続けていってください。もし、分からないことや不安なこと、また治療中に気になる症状があったときには、遠慮せず主治医に相談しましょう。 22 薬の名前・剤形・有効成分などアリミデックス® 錠1mg 製品名一般名アナストロゾール有効成分含量１錠中１mg 表面外観裏面剤形白色のフィルムコート錠識別番号 Adx 1 23 資料閉経後乳がんで用いられる主な内分泌療法剤薬剤の種類（投与法）アロマターゼ阻害剤（毎日経口）抗エストロゲン剤（毎日経口）作用脂肪組織、乳がん組織におけるエストロゲンの合成を阻害することで乳がんの増殖を抑える薬。エストロゲンとがん細胞にあるエストロゲン受容体（ER）との結合を阻止することで乳がんの増殖を抑える薬。乳がん細胞への直接的な作用や、女性ホルプロゲステロン製剤（毎日経口）モン低下作用、抗エストロゲン作用などの総合作用によって乳がんの増殖を抑える薬。エストロゲン受容体（E R）と結合すると＊ S E R D（サード）（４週に１回筋肉注射） ★初回∼３回までは２週に１回同時に、ERの分解を促進させ、その量を減らすことで乳がんの増殖を抑える薬。＊最初の内分泌療法剤が効かなくなったとき、２番手以降の治療薬として用いられます。 24 記録メモ ●ホルモン受容体エストロゲン受容体（ER）：陽性陰性プロゲステロン受容体（PgR）：陽性陰性 ●月経状況初経年齢：歳閉経年齢： ●その他 25 歳乳がん患者さんのためのストレッチ（DVD）〜いま関節痛が気になるあなたへ〜抗ホルモン療法（内分泌療法）を受けている方、またはこれから始められる方のためのストレッチです。関節の不快感を少しでも改善するために、毎日の生活に『楽しく』『無理なく』取り入れましょう。 ※すでに関節に痛みがある方は、必ず医師に相談してください。痛みが「ばね指による痛みでない」ことを確認してから行ってください。氏名電話番号住所病院名電話番号担当医師発行：アストラゼネカ株式会社制作：リノ・メディカル株式会社 BC246ル A703 2015年3月作成