主題化された4枚カー ド問題における

広 島文教女子 大学紀 要 35,2000
主題化 された 4枚 カー ド問題 にお け る課題 同定 の効果
―― 視点教示効果 との比 較――
有 馬
比 呂 志
E魚3cts ofTask ldentitt on WasOn's Four Card Selectton Task
Hiroshi Arinla
Earlier studies(Koyazu.et.al.,1984;PHma,1986)suggeSted that the effect of
宙ewpoint instruction whithout task understanding did not have any effect on
he present study airned
千
performance in the so‐called Wasonis lbur card selection task.「
ving expenment. 恥
to exaHline this hypothesis frorll the follo、
e experilnental tasks with
(0 0r WithOut宙ewpoint instructlons lb)were presented 24 under graduated students,
and the task situations were faHliliar context used chits in a department store. me
results of ANOVA showed that the performance was not better under(う than● )
questoning.On the contrarL those subiectS WhO made conditlonal interpretation in
t h e t a s k i d e n t i t t C O u l d s o l v e t h e task,while that others who made bicondittonaliden
c o u l d n o t s o l v e t h e t a s k c oIrtr ewdaけ
S Suggested that the sttdents had different
identiflcation in understanding the task,and that viewpointinstruction did not make any
improvementin performance.
題
問
人は文章 の内容を理解 した り産出 した り未知 の問題 を解決す る際 に不確定な情報 を処理 ・統
合 してい る。その場合,自 己の既有知識 を利用 して再生的に文章理解 や解決 にいたることがあ
る。 しか しなが ら,こ の ように既有知識 をその ままあてはめ手続的あるいは ヒュー リス テイッ
クに情報 を処理する過程だけでな ぐ,情 報 と情報 を統合 し理解 しようとす る推論過程 をとる こ
とが少なか らずあ る。 この 「
推論」は古 くは論理学 の研究対象 であ ったが,心 理学において も,
つ
い
ての研 究 がか な り前 か らな され て い る (Woodworth&Sells,1935,
人 間 の 行 う推 論 に
Morton,1944;etc.)。
しか し,そ の後推論研究 は心理学に登場す ることは久 しかった。ところが
近年 の認知心理学 の台頭 の 中で,再 び推論 に関心が寄せ られ多 くの研究がなされて きてい る。
このことは,人 間の思考過程 を コ ンピュー タのアナ ロジー として捉 えようとする人間工学的な
アプローチに対す る批判,あ るいは,そ の ようなアプローチをとることで心理学 の学問的 アイ
デ ンティティが失われるといった危惧 も,こ れ らの研究が盛んになって きた一つ の理由か もし
れない。 しか し,そ れ以上 に これ らの研究 を行 う理由は 2つ あげ られる。まず,1)人 間の行 う
推論が情報 の読 み と りや統合,知 識 の検索や利用 など種 々の情報処理 を含むきわめて高度な認
知過程 と考 えられる。 したがって,推 論 のメカニズム を明 らかにす ることは人 間の認知活動 の
メカニズム を明 らかにす る上で重要であ ると思われること。2)日 常場面 だけでな く数学や理科
一-127-一
といった論理的思考力 を必要 とす る教科 の学習 において も推論は重要な役割 を担 ってい る。 し
たがって教育心理学的な観点か らも推論過程 に関する研究 は重要 だと考え られることである。
本研究 では推論 ( 演繹的推論) 研 究における重要な課題である 4枚 カー ド問題 をと りあげ る。
ここで簡単 に, 演 繹的推論 と4 枚 カー ド問題 について説明す る。
演繹的推論は与 え られた前提 となる命題が真 である として,そ こか らのみ推理 し結論 を導 き
出す ものである。言 い換 えれば, 限 られた条件 だけを用 いて推論す るものである。そのため演
繹的推論 は, 個 々の事例 か ら結論 を導 く帰納的推論 よ りも個人経験 などの変数を入れ る必要が
ないため, 人 の論理的な思考研究 の 中で多 く扱 われて きたのである。演繹的推論研究は,当 初
人間が形式論理的に思考す ることが可能か どうかに焦点があ ったが,近 年 は人 間の思考過程 の
特徴 を明 らかにす る目的で演繹的推論課題 を用 い るとい う傾向 に変化 して きてい る。
4 枚 カー ド問題 は W a s o n 選 択課題 ともいわれ,図 1に あげたような種 々の問題 について検討
い う規則 につい て確認
されて きた。 いず れの問題 も 「もし p な らば q で ある (lf p then と
q)」
ー
す る点 で論理形式 は同 じになってい る。すなわち 4枚 のカ ドは,そ れぞれ 「
,
pで ある(p)」
い
い
い
に相当す るよう構成 されて る。その
「
」q で ある( q ) 」
, 「q で な (nOt q)」
p で な ( n O t p ,) 「
ため, 4 枚 カー ド問題 では次 のように規則 とカー ドがそれぞれ三段論法 の 2つ の前提 になるた
め,正 解 は 「
nOt q」 を選択 し確 認す る こ とになるので あ る。
p」 と 「
1.
p : 前
2.not p: 前
提 1「if p then q」
; 前提 2「p」
.q)
(.・
.不定)
提 1「if p then q」
; 前 提 2「not pで あ る」 (.・
・
・
前
if p then q」前提 2「q」
提1 「
(・
不 定)
3.
q :
.not p)
4. not q: 前
提 1「if p then q」前提 2「not qである」 (.・
アル ファベ ッ トと数字問題 の ように比較的抽象的な問題においては,大 学生で も正答率が 10%
に満 たない困難な課題 であ る (Wason&JohnSOn_1五rd,1972)。この問題 では 「
pな らば qで あ
る」 を 「
らば
と
で
と
ある」
して
しま
同義
ある
に適合 してい
解釈
う双条件解釈や,規
則
qな
pで
バ
るものだけを確認 しよう とす る確証 イアス (conimadon bias)が
早 くか ら見 いだされた。そ
して提示 された規則 (命題)中 に表現 された形 にマ ッチす るように p,qを 選択 して しまうマ ッ
チ ングバ イアス (matching bias)な
どによって正 答率 が低 くな ること も明 らか になって きた
(Evans&Lynch,1973)。封筒問題 では問題 の表現内容が検討 され具体的な材料 によって課題解
決が促 進 され る とい う主 題材料効果 (themadc―
materi』
ettct)が提 唱 された 8onson_Laird,
Legrenzi&Legrenzl,1972)。
さらに,飲 酒問題 では被験者 の経験 の影響 が示 され,記 憶手がか
cuing)説が提 唱 されたのである (G占8gs&Cox,1982)。 そ の後,チ ェ ンとホ リ
り (memOry‐
オー ク (Cheng&Holyoak,1985)が 封筒問題,飲 酒問題などを用 いて被験者が問題 を許可 (義
務)事 態 と捉 えられることで高 い正答率が得 られることを示 し実用的推論 スキーマ (pragmttc
reasoning schema)説
を唱えた。実用 的推論 スキーマ説 は,そ の課題内容 を許可 スキーマ,義
ー
務 スキ マ などの特定 のス キーマか ら解釈す る ことで,問 題 による正答率 の違 い を うまく説明
した。 しか しなが ら,そ の ようなス キーマーが どのような条件 で喚起 されるかに関 しては明 ら
かにされてい ない (有馬,1999)。
一-128-―
主題化 された 4枚 カー ド問題 にお け る課題 同定 の 効果
1.ア ル フ ァベ ッ トー数字問題
□ □ □ □
「もしカー ドの片面に母音が書いてあるならば、そのカー ドの もう一方の面には偶数が書いてある」
この規貝J が守 られてるかどうかを調べるには、どのカー ドをめくってみなければいけないで しようか。
drd&Wason,1970)
8onson_晩
白団団
封をしてある封筒 封 をしてない封筒
50リ
ラ切手
ラ切手
40リ
「もし手紙の裏が封をしてあれば50リラの切手が貝
占られてなければならない」 とい う規則が」
守 られているか どうかをチ ェ ックするためには、下のどの封筒を裏返 してみる必要があ りますか。
Gonson_Laird,I_egrenzi&Legrenzi,1972)
3.飲 酒問題
□ □ □ □
警察官になったつ もりで考て ください。 「ビールを飲んでいるなら、1 9 歳を越えていなければいけない」
とい う規則 を取 り締 まるとします。 4 枚 のカー ドは 4 人 の人についての情報が書かれてあ ります。
カー ドの片面 に年齢 もう片面には飲 んでいるものが書かれています。その人たちが規則に違反 しているか
どうかを調べ るためには、 どのカー ドが必要で しょうか。
(Greggs&Cox,1982)
図 1 4 枚 カー ド問題例
この ように 4 枚 カー ド問題 では, 研 究 の焦点が問題形式が推論へ 及 ぼす影響か ら,問 題 の意
味を理解す る認知過程 に移って きた。すなわち, 人 間の思考特徴 を問題形式 との関係 だけで説
明 しようとした ことに限界が見 られ, 実 際 に人が課題 を解 く際 には様 々なスキーマや知識を取
り出 し対応 してい るとい う証拠 が多 く出されるようになって きたのであ る。このような内的な
働 きの過程 を明 らかにす るためプロ トコル を用 いた研究 (有馬,1986b;山 ,1999)も み られる
ようになった。山 ( 1 9 9 9 ) はオリジナルな W a s o n 選 択課題 を用 い選択 の主観的理由を 36名 の
女子大学生に課題終了後質問 してい る。 いわゆる追観 プロ トコル を用 いた ものであ る。追観 プ
ロ トコルは課題遂行後 に被験者 の合理化等 のバ イアスが入 り込みやす いこ とが指摘 されてい る
が, 課 題 を遂行 しなが ら発話 を求める思考発語 プ ロ トコルに比べ て,被 験者に とって容易 であ
り思考途中の発語 による推論へ の影響 を防 ぐことが可能である。
本研究 も被験者 の課題遂行後 に課題 をどの ように解釈 していたかを調べ るために追観 プロ ト
コル を使用 して, そ の課題同定の違 い によって遂行成績が異なるか どうかを検討す る。 ここで
い う課題同定 とは課題 の認知 を統制する処理過程 の一つであ リメタ認知 に属す るものである。
課題その ものが どの ような カテ ゴ リーであるか, ま た認知者 に何 を求めてい るかなどの課題内
容 の解釈 に相当す るメタ認知 であ る。抽象的なオリジナルの Wason選 択課題 では 「
pな らば q
一-129-一
である」 とい う命題 を扱 うため条件的解釈 を必要 とす るが,こ の命題 か ら自動的 にあるい は暗
黙的に 「
qな らば pで ある」 ことも同時に解釈する双条件的解釈 をして しま う場合があ る。 こ
のことは人の 日常的な推 論形式 が入 り込んでい るとも考え られてい る。例 えば,試 験 中 に 「
質
問 (p)が あれば手 を挙げ る (q)」と告げた試験官 は手 を挙げた (q)人 を見 て質問があ る (p)
と判断 して しまうようなものである。 この例 の場合,体 の具合が悪 い とか,退 室 したい 申 し出
で手 を挙げ る人が い るか もしれないが多 くの場合 上の ように双条件的 に解釈す ることが多 く見
られる。このような日常推論過程が形式的な条件的推論課題である抽象的な Wason選 択課題 に
影響 を及 ぼ しバ イアス をかけてい るとい う考えがあ る。 しか しなが ら,従 来 の研究 にお いて双
条件的解釈 によって課題 の遂行成績 の悪 さを説明で きなかった最大 の理由は,こ の解釈 をした
場合,4枚 のカー ドをすべ てめ くって調べ てみ なければな らな くなると予想 されるが,そ の よ
うなパ タンが少なか った とい うものである。 この点については,す べ てのカー ドをめ くるため
選択す ることが あま りに短絡的な試行 であ り,被 験者 自身の 自己評価 を下げる ことにつ ながる
とい う防衛的な思考が働 いてい ると考 え られる。 また,数 字や英字か らなる抽象的課題 の場合
はよ リー層すべ てめ くる こ とに対 して抵抗があるのであろ う。 「どの カー ドをめ くってみ なけ
ればい けませんか」 とい われて,被 験者は正解が どうで あれ,「すべ てのカー ド」 と答 える こ
とは非常識 であ り自 らを stupidであると考えて しまうと予想 されるか らである。本実験 では主
題化 された Wason選 択課題 (以下,コ 艇r)を 用 い る。その理 由はメタ認知 の働 きと個人の同
定 にかかわる知識 の影響 を見 るために日常的な文脈 をもつ主題化 された課題が適 当であると考
えられるか らである。
さらにい えば,領 域固有性 の問題 とも関わる。領城固有性 は課題 の領域が個人の経験領域 に
当てはまらない場合 に成績が低 くな り,そ れは推論能力 の高低 に帰属 で きない とす る考えであ
る。異文化研究にお いて未開社会に生活す る人たちが推論能力が低 い と見なされた課題 を, 日
常生活 の文脈 において提示 された場合 は容易 に解けたことか ら推論能力 の高 さが明 らかになっ
た。 これ らの こ とか ら,本 研究 では課題 を解 くことそ の ものに動機 づ けされる と予想 される
いにrを 材料 とす る。
ところで,既 に述べ た 4枚 カー ド問題に関わる理論 は 2つ のアプローチに分け られよう。一
つ は,形 式論理的思考 の困難 さ,す なわち課題がで きないこ とを示 し人間の推論特徴 を明 らか
に しよ うとす る方向である。2つ は,い かに して解 け るよ うにするか とい う方向である。換言
すれば,促 進 した り可能 とす るような条件 を明 らかにす ることである。前者 については,規 則
に適合 してい る ものだけを確認 しよう と 「
pな らば qで ある」 を調べ る場合,pと qの カー ド
を選択 す る確証バ イアス説 (WasOn&JohnSOn―Laird,1972)がある。 しか しなが ら,提 示 され
た命題が 「
pな らば qで ない」とい うように否定文 であ って も p,qの カー ドが選択 されやす い
ことか ら,Evans&町
nch(1973)は 提示 された規則 (命題)中 に表現 された形 にマ ッチす る
ように p,qを 選択 して しまうとす るマ ッチ ングバ イアス説を提唱 し課題 の困難性 を説明 した。
なお,こ こでい うバ イアス とは山 (1999)に よれば 「
解答 とは論理的に無関係な課題特徴 にシ
ステマ テイックに注意が向け られることを意味する」 ものである。すなわち,課 題遂行 に対 し
て妨害的に働 く認知過程 の一つ であるといえる。後者 については具体性 ,主 題化効果そ して視
点があげ られる。具体性は命題その ものが抽象的な数字やアルフ ァベ ッ トではな く,有 意味に
単語 で構成 される日常的な文 にす る こ とで課題 の遂行が促進 されるものであるが,こ れをさら
に進め命題 を提示す る文脈 を持 たせたのが主題材料効果あるいは主題化効果 である。図 1に あ
げた封筒問題 では問題 の表現内容が検討 され具体的な材料 によって課題解決が促進 されるとい
う Gonson_Lird,Legrenzi&Legrenzl,1972)。 佐イ
Lird et al。
白 (1980)は , JonsOn‐
(1972)の
一-130-一
主題化 された 4枚 カー ド問題における課題同定の効果
郵便 局員 になったつ も りで」 とい う問題 の提 示が被験者 に視 点 を持 たせ 共
郵便 問題 にお い て 「
感 を もって課題 に取 り組 む こ とがで きたため に,解 決が促 進 された として視点 の効果 を提 唱 し
た。上野 (1982)は ,課 題 を単 に具体 的 に した り身近 な材料 を使用す る こ とが 論 理 的 な推論 を
促 進す る こ とにはつ なが らない と して,「視点」概 念 を提 唱 し,視 点教示 の有効性 を報告 して い
∼ になったつ もりで」 とい うように問題 を解 く人物 を具体的に
る。 ここでい う視点教示 とは 「
教示す ることであ る。 この視点教示 によって視点を持 たせれば,課 題が抽象的か具体的かにか
かわ らず推論 を促進 させ るとい う。すなわち,そ の人物 の立場 に立てば課題解決に関連 した情
報 を うまく処理 しうるとい う。上野 (1982)の実験 では大学生 を被験者 として直接的 に視点教
“
ー
示効果 を検討 した。4枚 のカー ドを伝票 に見立て 「あ るデパ トでは 1万 円以上の伝票 の裏 に
"と い
は レジ係 の印 を押す
う規則 を設けてい ます。あなたが売場 主任 になったつ もりで,4枚
の伝票 について,こ の規則が守 られてい るか どうかを確かめて下 さい。売場主任 としては, ど
の伝票 をめ くって調べ れば よいで しょうか」 とい う問題 を提示 した。結果 として売場 主任 に
なったつ もりで とい う教示 (視点教示)が あ った場合 の方が教示が無か った場合 に比べ 成績が
命題 の身近 さや具体性
よかった ことか ら,直 接的教示 による視点 の効果 を示唆 した。そ して 「
い
い」 として上述 のよう
って
のに
な
ら
をも
を生み出す
何
力
は,そ れだけでは妥当な論理的推論
に具体性 に比 して視点教示が優位性 を持つ ことを論 じてい る。視点教示 の考え方 は既 に述べ た
ように,4枚 カー ド問題研究 の焦点が 問題形式 か ら,問 題 の意味 を理解す る認知過程 に移って
きた ことを示す ものであ る。 しか しなが ら,こ の ような人間の認知過程 を考 えた場合,視 点教
示がなくて も何 らかの役割やそれを担 う人の立場 を既有知識か ら推論す るのではないだろ うか。
日本語 の中では特 に主語 の省略 された文が少な くないが,我 々はそれを暗黙理にあ るい は 自動
的に処理 してい ることがあることか らも,類 推が されるであろ う。逆に,視 点を具体的 に,例
えば売場 の主任 とか郵便局員 とい うように,与 えられてもその人物 の役割 や仕事内容 を十分把
握 してい なけれ ば誤 った方向の推論が行 われて しま うことも考え られる。そ してそれ らの認知
は,課 題同定 の際か ら始 まってい るのではなかろうか。課題 を提示 され た初期段階で何 らかの
課題認知が行われるもの と思われる。特 に具体性 のあ るい蔽rに おいてはそ こで誰が何 のため
に調べ るのか とい う課題同定が行われてい ると予想 される。 さらに課題同定が課題 に適応 して
いれば遂行成績が よくなる ことが,視 点教示 の有無 とは関わ りな く生 じて くると予想 される。
課題同定が課題に適応 してい るとい うことは,他 者 (実験者)が アプリオリに設定 した既有知
識が個人 (被験者)の 持つ知識 と適合す ることと言 い換 えることもで きよう。逆 に,推 論す る
一
とき,課 題 の中の既有知識 が意味す る内容 と個人の持 つ知識か らの意味内容が 致 しない とき
課題同定が求 め られた ものにならず視点教示効果 だけでな く課題 の具体性 や文脈 も有効 でな く
なる と予想 される。
そ こで本研究 では上野 (1982)の課題 を用 いて,課 題同定 の観点か らTW卸 の遂行 を追観的
プロ トコル によって検討す る ことを目的 とす る。なお従来の Wason(1968)の 選択課題 で用 い
られた選択パ ター ンのみを従属変数 として扱 うので な く,各 カー ドのチェックの必要度 を分析
す る必要度評定 とその評定値 の算 出方法 (有馬,1986a)に よって分析 を試みる。
法
方
課 題 上 野 (1982)に 準 じて Wason(1968)の 選択 課題 の p,not p,q,not q,そ れぞれ の
カー ドを伝 票 として見 立 てた主題 化 され た変形 の 4枚 カー ド問題 を用 い た。 課題例 として pに
ー
あ た る伝 票 の 表 に机-15,000円 ,■ ot pにあた る伝 票 には卓 上 ラ ンプ 2,800円,伝 票 の裏 で q
一-131-―
にあたる もの には 「山田」とい う印鑑, n O t q に相当する伝票 の裏 には印鑑 を押す スペ ース に印
鑑が押 していない ものであ った。
被験者 広 島大学大学生 2 4 名 で あ った。 どの被験者 もこの種 の問題 には接 した ことはなかっ
た。
手続 き 視 点教示 のある群 ( 以下 Ⅵ 群 とす る) と 視点教示 の ない群 (以下 NVI群 とす る)の
2 群 を設 けた。Ⅵ 群では次の ように問題が提示 された。「あるデパ ー トでは “
1万 円以上の伝票
の裏には レジ係 の印 を押す " と い う規則 を設けてい ます。あ なたが売場主任 になったつ もりで,
下 の 4 枚 の伝票について, こ の規則が守 られてい るか どうかを確 かめて下 さい。売場 主任 とし
ては, ど の伝票をめ くって調べ ればよいで しょうか」ここにおいて被験者は上述 した p,■Ot p,
q , ■o t q の4 枚 の伝票各 々について, め くるべ き必要性 を 5段 階で評定す るこ とが求 め られた。
制限時間は設けなかったが, よ く考 えて解 くように教示 された。評定終了後,命 題 (規則)を
条件的に解釈 していたか どうかを確認す るために,「印 を押 してある伝票 の裏 に 1万 円未満 の商
品が書かれてあった とした ら, 規 則違反になるか どうか,あ るいは何 らかの問題が生 じるか」
を質問 した。 さらに, よ り詳細 に検討 を加えるために,こ の ような規則 を作 った理由について
も質問をした。最後に, 視 点教示 に関 しての内省 を求 めた。NVI群 では問題文 の下線部がない
以外 は Ⅵ 群 と同様 の手続 きであった。ただ し, 評 定後,視 点教示に関 しては,特 定の人物 を想
定 したか どうかについての質問を加 えた。
結
果
伝 票 をめ くる必 要度評定か ら, どの程 度論理 的 に推論 したか を検討す るため に次 の 式 に よ り
得点化 した ( 以下 , 論 理 性得 点 とす る) 。 これ は 0 ∼ l o o 点 に分布 す る。
式 :[│(p tt nOt q 一
not p 一 q)/81 + 1]*50
Ⅵ 群 と N Ⅵ 群 の論理性得 点 を図 2 に 示す。 この得 点 を分 散分析 した結果 , 有 意 な差 は見 られ
なか った ( F ( 1 , 1 1 ) = 3 . 0 8 9 , n)s。
。 また, 視 点教示 に関す る内省 よ り Ⅵ 群 の 5 8 % は 視 点教示 を
一
参考 に しなか った と回答 した。 方 N V I 群 の 6 6 % は 特 定 の 人物 を想 定 しなか った と回答 した。
これ らの結果か ら明示 的 に も暗示 的 に も視点教 示効果 は論理性 得点 と追 観 プ ロ トコルか ら認 め
られ な い。
次 に, V I 群 と N V I 群 の 論 理性 得 点 に差 が見 られ
なか っ た の で, プ ロ トコ ル に よ り命 題 を形 式 論 理
論
'c軽
雫
塁 各名 谷 管 署 好番 曇演棋旗 警犠
十祈千 経
群 とす る)に 分 けて分析 を行 った。プ ロ トコル か ら 性
条件 的 に捉 えて い た と分類 され た被験 者 (C群 )は
課題命題 にお い て 「
印 を押 す」 とい う行為 が 「
責任」 得
理
を連 想 した と追 観 して い た。
点
さ らに,群 を要 因 とす る一 要 因分散分析 の
結果,
有 意差 が 見 られ (F(1,22)=5,101,p<.05),C群 の
方が NC群 よ りも論理性 得 点が高か った。 この こ と
か ら,視 点教示効果 は論理性得 点 の差 が 見 られ ず,
課題命題 の解釈 の違 い が 論理性得 点 の差 として 表 れ
た結果 とな った。
一-132-―
VI
図2 Ⅵ
群,NVI群
NVI `
の論 理 性 得 点
主題 化 された 4枚 カー ド問題 にお け る課題 同定 の 効果
考
察
本研究 は,各 カー ドのチ ェックの必要度を分析す る必要度評定か ら論理性得点 を割 り出 し,
点か ら検討す ることを目的 とし
さらに追観的 プロ トコルによって い蔽「 の遂行 を課題同定の観″
た。課題同定 の仕方 によって遂行成績に違 いが生 じ,そ れは視点 の教示 の有無 に関わ らず効果
を及ぼす と予想 された。視点教示 の有無 で 2群 を設け,両 群 の論理性得点 を分析 した結果,有
一
意差 は見 られなかった。 この結果 は上野 (1986)の結果 と 致 しない。上野は直接的な視点教
示 によって命題 の具体性 を越 えた効果が発揮 される として視点教示効果 の優位性 を主張 した。
一
しか しなが ら,本 研究 の NⅥ 群 の 66%は 特定の人物 を想定 しなかったと答えていた。これは
見視点教示がない とい う条件設定が効 いているようにも考えられるが,に もかかわらず VI群 と
の論理性得点の差がなか ったことや,NVI群 の残 りの 34%が 何 ならかの人物 を想定 した ことか
ら,視 点教示 がな くて も何 らかの役割 やそれを担 う人の立場 を既有知識か ら推論す ることが少
な くない とい う本研究 の仮説を支持す る結果 と考 えられる。また,Ⅵ 群 の得点が NⅥ 群 に比 し
て有意 に高 く無かった ことは,視 点教示 に関す るプ ロ トコルか らも推察 される。実験後 の追観
プロ トコルにおいて VI群 の半数以上が視点教示 を参考にしなか ったと回答 していたとい うこと
であ る。換言す ると,こ のことは視点教示が暗黙的 にあるい は自動的認知 プ ロセス に何 らかの
・
影響 を与 えた ことは これだけのデー タでは否定す ることはで きないが,少 な くとも明示的 意
識的な レベ ルで は視点 の効果 はカー ドの選択 とい う遂行成績 (論理性得点)に お いては見 られ
なか った と考 えられるであろ う。 さらに,人 が文章中の主語 を自動的に推論 し文章理解 してい
るの と同様 に,視 点教示 の ない場合 で も推論が正 しく発揮 されうることを示唆 した結果 ともい
えよう。逆 に,売 場 の主任 とい うように視点教示 されて もその人物 の役割 や仕事内容を想定 し
ないこ とが あ る ことも示 された とい える。すなわち視点に よるバ イアスの存在 の可能性 を示唆
す る結果 で もあ ろ う。登場 人物 を教示す ることで,結 果 として誤 った方向の推論が行われて し
ま うと考 えられる。
視点教示 の考 え方は既 に述べ た ように,4枚 カー ド問題研究 にお いて問題形式 か ら,問 題 の
意味理解 の認知過程 に焦点 をあてた考え方である。 この考え方 は本研究 の流れ と同 じである。
しか しなが ら,本 研究 の結果 か らは直接的 ・間接的 にかかわ らず視点教示 の効果 は認 め られな
かった。本研究は問題 の意味理解 の認知が,課 題が提示 された課題同定 の際か ら始 まり,そ の
際 の課題解釈 に影響 されるのではなか ろ うか と予想 した。 これについて検討す るために追観 プ
ロ トコルにより命題 を条件的解釈 をしていた C群 とそ うで ない NC群 に分けて分析 を行 った結
果,C群 の方 が NC群 よ りも有意 に成績が よかった。 また C群 の被験者 は課題命題 にお い て
責任」 を連想 した と追観 して いた。 これ らの結果 は次の よ うな考
「
印を押す」 とい う行為 が 「
責任 の所在 を明 らかにする」 (以下,責 任)た め と解釈
察が可能であろう。印 を押す行為 を 「
したときと 「
高額な商品 とそ うで ない ものを分類す る」(以下,分 類)た めと解釈 したときでは,
同 じ課題 の規則 として提示 された命題が異 なるもの と見なされ ることになる。すなわち,前 者
では規則 の条件的解釈 であ り,印 を仮 に少額商品の裏 に押 してあった として も規則違反 とはな
らないので,例 えば裏 に印の あ る伝票 (q)を め くる必要はな くなる。けれ ども後者 の分類 の
場合 は少額商品の裏 に押 してあれば分類がで きな くなるので,裏 に印 のあ る伝票 (q)を め く
る必要が生 じて くると考 えられる。 よって後者 の分類 と判断 した場合 は双条件的解釈 を採 った
と想定され,形 式論理的 に誤答である後件 の肯定 (q)を選択 して しまうと考え られるのである。
この ように課題同定が課題 に適応 した ものであれば遂行成績が よ くなることが,視 点教示 の有
無 とは関わ りな く生 じて くることが示 された。課題同定が課題に適応 してい る場合,他 者が ア
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プ リオ リに設 定 した既 有知識 が 個 人 の知識 と適合 し推論 を促進 した とい え よ う。反対 に, 課 題
が意 味す る内容 と個 人 の持 つ 知識 か らの 意味 内容 が 一 致 しな い と きは課題 同定が適応 せ ず課題
の具体性 や文脈 も有効 で な くな る と考 え られ る。
本研究 の結果 は,視 点教示が無 くて も命題 (規則)を 形式論理的に矛盾 しない ように捉 える
ことで条件的推論が促進 されることを示 した。言 い換 えれば,他 者 の知識 を自分の知識 と共有
す る場合,課 題に適合的な情報に注 目するか どうかによって推論が影響 されてい るといえよう。
抽象的な課題状況で成績が悪 い理由の一つ として小谷津 ら (1986)は 「
課題 を自己の経験領
域に位置づ けることが 困難であること」 をあげてい る。 このことは本研究 のように主題化 され
た課題 において もい えるのではなかろ うか。すなわち,具 体性 を帯びた文脈のある課題であっ
て も,そ の課題 の 同定が 自己の経験領域 に基づいて なされなければ,遂 行成績 は悪 くなるであ
ろ う。 さらに経験領域 であ って も自らの既有知識 と照 らして課題に適応的な課題解釈 (同定)
が出来なければ課題遂行が困難 にな り成績が悪 くなる と考 えられる。本研究 の結果 をみると,
課題に含 まれた命題 を条件的に解釈す るか双条件的 に解釈す るか とい う同定 の違 いが成績 の差
をもた らした。そ して,課 題 に適合的な条件的解釈 をしていた ものが,正 答率 が高 くなった。
また,既 に述べ たように本実験で用 いた課題 の命題 では 「
印を押す」 とい う行為が c群 の被験
者に 「
責任」 を連想 させていた。す なわち視点教示に含 まれた役割 のある人物 を具体的 に提示
せず とも被験者は自らの知識 の 中か ら主題化 された課題文脈 を認知 していた。そ して,抽 象課
題 では正解 しに くい後件 の否定 (nOt q)にあたる 「
印鑑 の押 されてい ない伝票 の裏」をめ くる
必要性 を認識 し正解 に近づ けた と思われる。すなわち,命 題 を両条件ではな く条件的に捉 えや
す くなったっため,形 式論理的な条件的推論 を必要 とす る研蔽「 の遂行成績に促進的効果 をも
た らしたと考え られる。
次にメ ンタルモデルか ら考察 してみたい。 メンタルモデル とは心の中 に作 り出す何 らかのモ
デル (雛形,模 型)の ことである。近年,ジ ョンソンレアー ド 80nson_防ird,1983)が問題 の
前提 をどの ような内的な表象 (representatlon)で
表現す るかによってその後 の推論 をは じめ と
す る認知過程が変わるとして,こ の表象 のことをメンタルモデ ル と呼 び独 自の理論 を展開 して
い る (有馬,1999)。このメンタルモデルを構成す る場合 に他者 の知識 に基づ く場合 と,自 分 自
身既有知識 に基づ く場合があ る。他者 の知識 を前提 (あるいは手掛か り)と してメ ンタルモデ
ル を作 り上 げた場合 は,そ の知識が個人に とって 自己の既有知識 と適合あるいは一致 しなけれ
ば,推 論 においては必ず しも促進的な効果をもた らさないのではなかろうか。例えば,課 題解
決 の際,材 料が持 つ課題 に関す る情報 を うまく処理 で きなければ推論が効果的になされない と
思われる。一方,自 分 自身の既有知識か らメ ンタルモデル を構成 した場合 には,そ こか らモデ
ルが もつ課題に関連 した情報以外 の情報 は暗黙的あ るい は自動的 に,無 関連なもの として処理
され,結 果 として推論 に対 して促進的な効果 を及ぼす と考え られる。 しか し,上 野 らの実験 を
メンタルモデルの観点か ら捉 えなおす と,課 題 を具体的 にす ることも視点を与えてその課題 を
解決す る人物 の立場 に立たせ るこ とも,同 様 に他者 の知識構造か らメンタルモデル を構成す る
ことに変 わ りはない。 よって推論が よ り容易 にあるい は正確 になるか どうかは,課 題 の具体性
に含 まれた他者 の知識,あ るい は解決す る人物 に関す る他者 の知識 を自分 の知識 と適合 で きる
か どうかに依存 してい ると考え られる。 この ように考えた場合,課 題同定において条件的解釈
が可能 であ った群 の 自己既有知識が実験者 の求 める課題知識 に一致 したために成績が よ くなっ
た と推察 される。
小谷津 ら (1986)は 「
論理的に解 くための思考 だけでな く情報を入手す ることを目的 とした
思考」 についても着 目す る ことを指摘 してい る。 これは人 間の論理的思考 の中 に必ず しも形式
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主題 化 され た 4 枚 カー ド問題 にお け る課題 同定 の効果
論 理 だ け を当 て は め られ な い とい う こ とで あ る。 本 実 験 の 課 題 にお い て も, p , n O t q に あ た る
伝 票 をめ くる必 要 性 が あ る と形 式 論 理 的 に正 解 を して もなお , 必 要 の な い 伝 票 をめ く り必 要 の
な い こ とを確 認 した り納 得 す る とい っ た思 考 過 程 を想 定 す る こ とで あ る。 こ こ か ら考 え られ る
こ とは , 本 実 験 にお い て も課 題 同定 が 変 容 した場 合 の 思 考 過 程 を検 討 す る こ とで あ る。 ま た 課
題 同定 が 変 容 しな い 場 合 も, 課 題 遂 行 後 に, 他 の 課 題 同定 の 可 能性 に 関 して教 示 す る な どの 方
法 で , 課 題 を解 く こ と以 外 の 思 考 過 程 に着 目す る こ と も今 後 の 課 題 で あ ろ う。
引用 ・参考文献
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付記
本研究 の一部 は中国四国心理学会第 42回 大会 (1986)にお いて発表 された ものである。
一 平 成 12年 10月 10日 受 理 ―
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