全国厚生労働関係部局長会議 説明資料

がん検診の推進等がん対策・
健康増進施策について
健康局がん対策・健康増進課
39
がん対策の推進について
平成27年度予算案
基本的な考え方
212億円(26年度予算額
230億円)
○ 平成19年4月に施行された「がん対策基本法」及び同年6月に策定され、平成24年6月に見直し
がされた「がん対策推進基本計画」を踏まえ、総合的かつ計画的に対策を推進する。
放射線療法、化学療法、手術療法の更な
る充実とこれらを専門的に行う医療従事
者の育成
(1)がん医療に携わる専門的な医療従事者の育成
27年度
予算案
26年度
予算額
20億円
22億円
0.4
0.4
・がん医療に携わる看護研修事業
0.2
0.2
・医科歯科連携事業
0.2
0.2
(2)がん診療連携拠点病院の機能強化
がん患者の治療と職業生活の両立
19.8
21.8
3.4億円
3.1億円
2.1
2.0
31億円
33億円
1.5
1.5
小児へのがん対策の推進
改
がん予防・早期発見の推進
(1)がん予防
・健康的な生活習慣づくり重点化事業
(たばこ対策促進事業)
(2)がんの早期発見
26年度
予算額
4.2億円
3.8億円
・がん診療連携拠点病院機能強化事業
(小児がん拠点病院機能強化事業)
2.4
2.0
・小児がん拠点病院整備費
1.0
1.0
153億円
168億円
86.6
86.6
3.2
3.6
10.8
7.8
2.3
6.3
2.7
3.5
0.4
0.4
がんに関する研究・がん登録・がんと診断
された時からの緩和ケアの推進及びがん医
療に関する相談支援、情報提供体制の整備
改
・革新的がん医療実用化研究事業
改
・がん診療連携拠点病院機能強化事業
(がん患者の就労に関する総合支援等)
27年度
予算案
改
・がん政策研究事業
改
・都道府県健康対策推進事業
(がん登録及び緩和ケア研修等)
・国立がん研究センター委託費
(全国がん登録データベース試験検証・
運用管管理等)
0.4
0.4
30.0
31.3
・がん診療連携拠点病院機能強化事業
(緩和ケア推進事業・在宅緩和ケア地域連携事業)
13.1
26.4
・がんと診断された時からの相談支援事業
12.0
0
改
・がん検診推進事業
新
・新たなステージに入ったがん検診の
総合支援事業
(参考)平成26年度補正予算
・働く世代の女性支援のためのがん検診の推進
6.1億円
40
平成27年度概算要求額:64百万円
働く世代の女性支援のためのがん検診未受診者緊急支援事業
働く世代の女性支援のためのがん検診未受診者対策緊急支援事業
26補正予算:6.1億円
趣旨・目的
○ 日本再興戦略のアクションプランの1つである日本産業再興プランにおける雇用制度改革・人材力の強化の中で、女性の活躍推進に向けた新た
な法的枠組みの構築として、「女性の活躍推進のためには、女性の特性に応じた女性の健康の包括的支援が必要である。このため、与党からの提
言等も踏まえつつ、所要の施策を総合的に講ずる。」こととされている。
≪与党からの提言≫
自民党の「女性の健康の包括的支援に関するPT」において、平成26年4月に取りまとめられた「女性の健康の包括的支援の実現に向けて<3つの提言>」の中
で、「女性のがん検診受診率の向上を図る」こととされている。
○ 働く世代の女性に対して、早急にがん検診の受診を促進させ、より早期の発見につなげることにより、がんによる死亡者の減少を図り、女性の雇
用拡大や活躍推進に資する。
○ また、がん対策推進基本計画においては、働く世代のがん検診受診率を向上させること及び年齢調整死亡率が上昇している子宮頸がん、乳がん
といった女性のがんへの対策を図り、平成28年度末までに受診率50%達成することを目標としている。
○ 子宮頸がん及び乳がん検診のクーポン券配布の効果としては、受診率は数ポイント上昇し、子宮頸がんで42.1%、乳がんで43.4%。しかし、クー
ポン券を配布したが検診を受診しなかった者が相当程度残っているため、 働く世代の女性支援のための未受診者対策として、これらの者に対して
検診の重要性の認識と受診の動機付けを醸成させ、受診率の向上を図ることが必要。
事業概要
○ 子宮頸がん及び乳がん検診について、以下の事業を行う市区町村に対し、
事業費の一部を補助
【補助率:国1/2、市区町村1/2】
(事業内容)
① 対象者に対するクーポン券の送付
② クーポン券を送付した者のうち、年度途中で未受診の者に対するハガキや電話等による
受診再勧奨の実施
③ 対象者のがん検診台帳の整備
④ クーポン券の利用による、がん検診の自己負担分の現物給付措置の実施
(対象範囲)
○・H25年度当初予算のがん検診推進事業で実施した次の年齢(H27年4月1日現在)
に該当する者であり、過去に市区町村の実施する当該がん検診を受診していない者
(子宮頸がん 22、27、32、37歳
乳がん 42、47、52、57歳)
(対象経費)
○クーポン券配布等の事務費や検診費の自己負担相当部分の費用を補助
<参考>
(H22)
(H25)
子宮がん検診受診率: 37.7 → 42.1 (%)
乳がん検診受診率 : 39.1 → 43.4(%)
※出典:国民生活基礎調査
41
平成27年度がん検診推進事業について
がん検診の推進
25億円
がん検診受診率50%の目標達成に向けて、子宮頸がん、乳がん及び大腸がん検診の
クーポン券の配布や受診勧奨の実施とともに、要精密検査と判断された者を受診に結び
つける取り組みを進め、がんの早期発見につなげる。
(内訳)
○新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業(子宮頸がん、乳がん): 12億円(新規)
○がん検診推進事業(大腸がん): 13億円
28年度での目標
○ 5歳刻みでクーポン券を
配布(初回対象者と過去の
未受診者は無料)
検診受診率の向上
○ 5歳刻みの対象者への
受診勧奨(コール・リコール)
50%達成へ
○ 要精検者への再勧奨
(リコール)
要精検受診率の向上
が
ん
発
見
率
の
向
上
42
H26補正・H27当初予算におけるがん検診推進事業のポイント (子宮頸がん・乳がん・大腸がん)
○本事業における対象経費の助成 について
・事務費については、クーポン券や検診手帳の配布、再勧奨(印刷・郵送等)の費用を助成する。
・検診費については、受診者の自己負担相当額を助成する。
ただし、受診者に自己負担額を請求する場合には、一定の基準額との差額を対象経費とする。
平
【成
補
正 26
予年
算度
で(
対~
応 27
】年
度
)
未受診者
(H25がん検診推進事業の対象となった者のうち、
過去に一度もがん検診を受診してない者)
子宮頸がん:22、27、32、37歳
• 【事務費】クーポン券の配布+再勧奨
• 【検診費】自己負担分の現物給付措置
乳がん:42、47、52、57歳
• 【事務費】クーポン券の配布+再勧奨
子宮頸がん:20、25、30、35、40歳
乳がん・大腸がん:40、45、50、55、60歳
【
当平
初成
予 27
算年
案度
】
地
方
交
付
税
に
よ
る
の者
※初回対象者(子宮頸20歳、乳・大腸40歳)につい
ては、検診手帳も配布する。
• 【検診費】自己負担分の現物給付措置
※子宮頸がん及び乳がん検診については、過去に
市町村の実施するがん検診で、一度も受診してな
い者に対する自己負担相当額の助成を予定してい
る。
要精密検査者
(胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸
がん)
• 【事務費】精密検査受診の再勧奨
検
診
費
用
(
市
町
村
負
担
部
分
)
助
成
43
がん検診のあり方に関する検討会
【趣旨】
がん検診は健康増進法に基づく市町村の事業として行われている。がん検診の実施については「がん
予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(平成20年3月31日付け健発第0331058号厚生
労働省健康局長通知)を定め、市町村による科学的根拠に基づくがん検診を推進しているところである。
本検討会においては、国内外の知見を収集し、科学的根拠のあるがん検診の方法等について検討する
こととする。
【構成員】(平成26年9月~)
井上
真奈美 国立大学法人東京大学大学院医学研究科特任教授
憲明
国立大学法人東北大学大学院医学系研究科長・医学部長
○ 大内
菅野
匡彦
東京都八王子市医療保険部成人健診課課長補佐兼主査
(成人健診・がん検診担当)
斎藤
博
独立行政法人国立がん研究センター
がん予防・検診研究センター検診研究部部長
祖父江 友孝
国立大学法人大阪大学医学系研究科環境医学教授
福田
敬
国立保健医療科学院統括研究官
松田
一夫
公益財団法人福井県健康管理協会副理事長
道永
麻里
公益社団法人日本医師会常任理事
(五十音順・敬称略 ○は座長)
【設置】 平成24年5月
【検討状況】
平成24年度は検討会を4回開催して主に子宮頸がんの検診項目について検討し、2月に報告書をとりまとめた。
平成25年度は検討会を4回開催して受診率向上施策や精度管理について検討し、8月に報告書をとりまとめた。
今後引き続き他のがん検診の検診項目等についても検討する予定。
44
「がん検診のあり方に関する検討会」の今後の進め方(案)
当面の検討すべき課題について
○乳がん検診について
・乳がん検診の現状
・乳がん検診に関する知見の整理(視触診、デジタルマンモグラフィ、
超音波検査)
○胃がん検診について
・胃がん検診の現状
・胃がん検診に関する知見の整理(エックス線検査、内視鏡検査、ペプシノ
ゲン検査、ヘリコバクターピロリ抗体検査)
○事業評価のためのチェックリストの改訂について
※検討の順番については、今年4月に有効性評価に基づく乳がん検診ガイド
ライン2013年版が公表されている乳がん検診のあり方について検討を進める。
※また、胃がん検診のあり方についても、知見を整理した上で、検討を進める。
第9回がん検診のあり方に関する検討会(平成26年9月18日)配付資料より抜粋45
新たながん診療提供体制の概要
【課題と対応案】
①拠点病院間の格差の存在
→人材配置要件、診療実績要件等の強化、相談支援体制の充実によるさらなる質の向上及び一定の集約化
②拠点病院未設置の空白の2次医療圏の存在
→緩和ケア、相談支援及び地域連携等の基本的がん診療を確保した「地域がん診療病院」の新設。
③特定のがん種に特化した診療を行う病院の存在
→特定のがん種に対し高い診療実績を持ち、都道府県内で拠点的役割を果たす「特定領域がん診療連携拠点病院」の新設。
④がん診療提供体制に関するPDCA体制の構築
→国立がん研究センター、都道府県拠点病院による各拠点病院への実地調査等、
→各拠点病院での院内のPDCAサイクルの確保(患者QOL把握・評価等による組織的改善と実施状況の報告・広報体制の整備等)
現行(平成26年9月時点)
見直し後
情報の可視化
強化
拠点病院
(407カ所;
都道府県51、地域354、国立がん
研究センター中央病院・東病院)
空白の医療圏
(104箇所)
地域拠点病院
・指定要件強化による質の向上
・高度診療に関する一定の集約化
・都市部への患者流入への対応
・複数指定圏域における役割・連携
の明確化 等
新地域がん診療病院
・拠点病院とのグループ指定により高度が
ん診療へのアクセスを確保
・緩和ケア、相談支援、地域連携等基本的
がん診療のさらなる均てん化
・空白の医療圏の縮小
強化
国立がん研究センター
都道府県拠点病院
国内、都道府県内のがん診療に
関するPDCA体制の中心的位置
づけ
連携
新特定領域
がん診療連携拠点病院
・特定のがん種に関して多く
の診療実績を有し、拠点的役
割を果たす医療機関の制度
的位置づけの明確化
46
がん登録等の推進に関する法律の概要(平成25年12月13日法律第111号)
がん登録等(全国がん登録・院内がん登録等の方法によるがん診療情報の収集)
○「全国がん登録」:国・都道府県による利用・提供の用に供するため、国が国内におけるがんの罹
患、診療、転帰等に関する情報をデータベースに記録し、保存すること
○「院内がん登録」:病院において、がん医療の状況を適確に把握するため、がんの罹患、診療、転
帰等に関する詳細な情報を記録し、保存すること
がん医療の質の向上等(がん医療・がん検診の質の向上とがん予防の推進)、国民に対するがん・
がん医療等・がん予防についての情報提供の充実その他のがん対策を科学的知見に基づき実施
基本理念
○全国がん登録では、広範な情報収集により、罹患、診療、転帰等の状況をできる限り正確に把握
○院内がん登録について、全国がん登録を通じて必要な情報を確実に得させ、その普及・充実を図る
○がん対策の充実のため、全国がん登録のほか、がんの診療に関する詳細な情報の収集を図る
○がん登録等の情報について、民間を含めがんに係る調査研究に活用、その成果を国民に還元
○がん登録等に係る個人に関する情報を厳格に保護
47
全国がん登録
情
報
の
収
集
・
記
録
①病院
(全て)
②診療所
(手上げ
方式)
罹
患
情
報
届
出
都道府県
突合・整理
罹患情報
罹患情報
罹
患
情
報
提
出
国(国立がん研究センター)
全国がん登録データベース
突合・整理
罹患情報
罹患情報と突合
市町村
死亡情報 提出
死亡情報
罹患情報
追記
・生存確認情報
・登録漏れの罹患
情報
○国による費用補助等
○国・地方公共団体のがん対策に必要な調査研究のための利用・提供
利 ○届出を行った病院等への生存確認情報の提供
用
等 ○がん医療の質の向上等に資する調査研究を行う者への提供
の (研究者への非匿名化情報の提供は、本人同意があること等要件加重)
限
度 ※非匿名化情報については、保有期間の上限を政令で定める
有識者の会議の
意見聴取
○都道府県がんデータベース(地域がん登録のデータ等と一体的に保存)の整備
情報の保護等(情報の適切な管理。目的外利用の禁止。秘密漏示等の罰則。開示請求等は認めない。)
院内がん登録等の推進(院内がん登録の推進、国によるがん診療情報の収集等のための体制整備)
人材の育成(全国がん登録・院内がん登録の事務に従事する人材の確保等のための必要な研修等)
がん登録等の情報の活用
○国・都道府県等⇒がん対策の充実、医療機関への情報提供、統計等の公表、患者等への相談支援
○医療機関⇒患者等に対する適切な情報提供、がん医療の分析・評価等、がん医療の質の向上
○がん登録等の情報の提供を受けた研究者⇒がん医療の質の向上等に貢献
48
がん登録推進法施行にむけた今後の予定
○ 平成25年12月6日 がん登録等の推進に関する法律が成立。
○ 今後は、平成26年は主に政省令の策定等や国立がん研究センター等におけ
る体制整備、平成27年は主に国民・関係者への周知、 がん登録実務者、都道
府県担当者への研修等に力を入れていく。
今後のスケジュール
平成25(2013)年度
年度
年
月
平成26(2014)年度
平成25年(2013年)
4
5
6
7
8
9 10 11 12 1
平成26年(2014年)
2
3
4
5
6
7
8
平成28年
度
平成27(2015)年度
平成27年(2015年)
9 10 11 12 1
2
3
4
5
6
7
8
平成28年(2016年)
9 10 11 12 1
2
3
4
5
6
平成25年12月6日 がん登録等の推進に関する法律成立
H28(2016)1月1日
より法施行予定
政省令の策定等(有識者
会議)
国民・関係者への周知、
実務者、都道府県担当者
への研修
体制整備等(国立がん研究センター等)
49
がんと診断された時からの緩和ケアの推進
がんと診断された
ときから
全ての患者に
医療機関や診療科を
問わず
全ての
医療従事者が
入院・外来・在宅など
診療の場を
問わず
緩和ケアとは、病気に伴う心と体の痛みを
和らげること
50
緩和ケアへのこれまでの取り組み
○がん診療に関わる医師への2日間の研修
・すべてのがん診療に携わる医師が、緩和ケアについての基本的
な知識を習得することを目標
・これまでに約5万2千人の医師が受講(平成26年9月末現在)
・こうした研修を受けていることについて、診療報酬上も評価
・このほかに、指導者養成のための研修等を実施
○がん診療連携拠点病院等での「緩和ケアチー
ム」の設置
・身体症状/精神症状の担当医師、看護師からなるチームを設置
・主治医・看護師と緩和ケアチームが連携して、入院・外来患者の
苦痛に対する症状の緩和を行う。
51
がん対策推進協議会における今後の議論の進め方について
H24.6
が
ん
対
策
推
進
基
本
計
画
(
2
期
)
閣
議
決
定
H25.6
H26.6
H27.6
①今後のがん対策の方向性に関する検討
「全ての患者が尊厳をもった生き方を選択できる社会の構築」
H26.春
協
を目途
発議
テ向今
表会
ー性後
・
に個
マにの
意委
つ別
のつが
いの
抽いん
見員
てテ
出て対
交に
議ー
個策
論 マ ○有識者からの
換よ
別の
る
の方
ヒアリング等を活用
②中間評価に関する検討
H26.春
を目途
評
価研
評
指究
協
○協議会委員に 価
標班
よる研究班への
指議
案に
協力
標会
のよ
○研究班から協 の に
検る
議会へ検討結果 決 よ
討
る
について随時報
定
告
評
価研
指究
標班
のに
測よ
る
定
進
捗
報行
告政
施
(
事策
務の
局
)
評
価
指
受標
けの
た測
検
討定
結
果
を
H28.6
H29.6
までに
H27.6
を目途
H27.6
を目途
向今
性後
とにの
り関が
ますん
とる対
め検策
討の
の方
H27.6
を目途
検中
討間
の評
と価
りに
ま関
とす
める
中
間
評
価
基
本
計
画
の
見
直
し
に
向
け
た
検
討
が
ん
対
策
推
進
基
本
計
画
の
見
直
し
52
第42回 がん対策推進協議会資料より抜粋