PowerPoint プレゼンテーション

現時点における各国規則案の比較(要約)
項目
BCBS/IOSCOガイドライン
日本 (金融商品取引法)
米国 (ドッドフランク法)
欧州 (欧州市場インフラ規制)
対象主体 ・金融機関およびシステム上重要な非金 ・金融商品取引法で規定する金融商品取 ・関連規制当局の監督を受けるスワップ ・欧州市場インフラ規制(EMIR)で規定する
融機関
引業者および登録金融機関
ディーラー、証券派生スワップディーラー、 金融機関(FC)および店頭デリバティブ取
主要スワップ参加者、証券派生スワップ 引を一定基準以上行っている非金融機
関(NFC+)
主要参加者
閾値
・経過措置終了後、想定元本(連結ベー ・経過措置終了後、想定元本(連結ベー •経過措置終了後対象主体に対する閾値 ・経過措置終了後、想定元本(連結ベー
ス)が80億ユーロを下回る対象主体につ ス)が1兆1000億円を下回る対象主体に は消滅、FEUに対しては想定元本(連結 ス)が80億ユーロを下回る対象主体につ
ベース)の閾値が30億ドル
いてはIMは非適用
いては非適用
ついては非適用
VMの授受 ・カレント・エクスポージャーを反映
・VMはカウンターパーティの属性に関係
なく十分な頻度(例えば日次)で時価を完
全に保全するために必要な金額を交換
・日次でのマージン・コールの実施
・取引締結日以降にVMが発生した場合、 ・取引締結日以降にVMが発生した場合、
・マージン・コールについては「直ちに」と 日次でのマージン・コールの実施
日次でのマージン・コールの実施
する一方、預託については「遅滞なく」とさ
れており、若干余裕のある可能性
・標準的手法か内部モデルを選択
IMの算定手 ・標準的手法か内部モデルを選択
法
なお、第三者より提供されたモデルも、当 ・内部モデルにかかる要件については別
局による承認を条件に利用可能
途策定、公表予定
・標準的手法において適用される資産ク
ラスごとの証拠金率は1%-15%
・内部モデルにおけるヒストリカルデータ
参照期間は、保有期間10日間の片側信
頼区間99%(キャリブレーションのために
金融ストレスの期間を特定、当該期間を
含む5年を超過しないヒストリカルな期間
をアセットクラスごとに設定
適格担保 ・高い流動性を持ち、金融ストレス時にお
いて適切なヘアカットを考慮した後でも価
値が維持されることを条件に適格担保は
各国規制にて規定
・ヘアカットはアセットクラスごとに同一の
手法を適用、ヘアカットの決定のため内
部モデル、第3者ベンダーモデル、標準ス
ケジュールの使用が認められている。た
だしヘアカットを低く抑える目的で標準的
手法と内部モデルを選り好みすることは
認められていない
・適格担保の一例として、現金・金・特定
発行体の発行する債券でデフォルト率
7.5%以下のもの・特定発行体以外のもの
が発行する債券でデフォルト率が1%以下
のもの・指定国の代表的な株価指数を構
成する株式/転換社債・一定の条件を満
たす投資信託等が挙げられる
・標準的手法か内部モデルを選択
・標準的手法か内部モデルを選択
・内部モデルにおけるヒストリカルデータ なお、自社開発モデルも第三者による提
の参照期間は1年間で保有期間10日間 供モデルも当局による承認を条件に利用
の片側信頼区間99%(ストレス時を含む1- 可能
・内部モデルにおけるヒストリカルデータ
5年のヒストリカルデータを使用)
・内部モデルによりIMを算出する際アセッ 参照期間は保有期間10日間の片側信頼
トクラスを7類型に分類
区間99% (3年以上のヒストリカルデータか
・月次でのキャリブレーションの実施
つ25%以上についてストレスデータを使
用)
・内部モデルによりIMを算出する際アセッ
トクラスを4類型に分類
・6ヶ月ごとのキャリブレーションの実施
・高い流動性を持ち、金融ストレス時にお ・許容されている適格担保の幅は広く、一
いても価値が維持されると考えられる資 例として、現金・金・国債・地方債・多国間
産、例示として、現金、米国債、エージェ 開発銀行(MDB)の発行する債券・銀行/
ンシー債、主要通貨、ECBを含むソブリン 投資会社等の発行する債券・社債・最シ
債、国際決済銀行・国際通貨基金・多国 ニア証券化商品・転換社債・株式・UCITS
間開発銀行(MDB)発行債、投資適格債、 等が挙げられる
S&P1500・その他主要株価指数構成銘柄、
金がIM適格担保として使用可能
・VMはUSドルまたは「スワップ契約にて定
める決済通貨」のみ使用可能
分別管理 ・IMの再担保が許容されるための要件の ・信託またはその他の方法によるIMの分 ・取引の当事者から独立したカストディア ・第三者による帳簿または法的に有効な
一部として、IMの徴収主体によるIM再担 別管理義務
ンによるIMの分別管理義務
契約によるIMの分別管理義務
保資産の分別管理および再担保先にお
けるIMの分別管理を規定
再担保設定 ・IMの再担保の原則禁止(当初証拠金に ・IMの再担保設定および貸付の禁止
かかるデリバティブ取引のために第3者と ・VMについては再担保可能
デリバティブ取引を行うための担保として
利用する場合に限られ、さらに担保差入
れ主体はBuy-side金融機関または非金融
機関である必要がある)
グループ間
取引
・IMの再担保、転質、再利用、証券貸借・ ・IMとして受領した担保資産の再担保・転
レポ・リバースレポ取引等によるファンド・ 担保の全面禁止
資産への移転の禁止
・グループ間取引については証拠金規制 ・グループ間取引についても適用される
の適用対象外とされている
・グループ間取引については証拠金規制
の適用対象外とされる可能性(要当局承
認)
域外適用 ・各国の法令諸規則の枠組みと整合的な ・他の法域における同等の規制との重複 ・「外国対象スワップエンティティー
・EU域内にて設立された事業体は、EMIR
方法で適切な証拠金規制に従うべき
を避けるべく一定のクロスボーダー取引 (Foreign Covered Swap Entity)」による「外 の規定により明確に除外されている場合
・国際間で整合性があり重複することが には適用されない
国非清算スワップ取引(Foreign Uncleared または想定元本が80億ユーロ以下の取
ないよう各国当局は協調するべき
Swap)」については、適用除外。ただし外 引を除き、全ての第三国における取引相
国銀行米国拠点を含む米国にて設立さ 手から証拠金を徴収しなければならない
れた事業体、米国銀行海外支店および米 ・なお、第三国における事業体のEU拠点
国にて設立された事業体の支配下にある については、閾値を下回る非金融機関で
事業体による取引もしくはこれらを保証人 あっても証拠金規制の適用対象となる
とする取引は含まれないなど一定の条件
がある。詳しくは適用除外に関する解説
参照