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PRESS RELEASE
世界の M&A 案件数は前年比 7.6%増、総額は 19%増の約
1.5 兆ドル~BCG 調査
前回の M&A ブームが始まった 2004 年当時の水準まで回復
2011 年 6 月 7 日— ボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、2011 年版
M&A レポート "Riding the Next Wave in M&A: Where Are the Opportunities to
Create Value?" を発表しました。BCG では、世界の M&A マーケットトレンドおよび
M&A 案件を通じた株主価値の創造と破壊に関する分析をまとめたレポートを発表し
ており、今回が 7 回目の調査となります。
今回の分析対象は、過去約 20 年間に世界で実施・公表された 26,000 件以上の
M&A 案件で、同様の調査では最大級の規模となりました。
2010 年の世界の M&A 案件数で前年比 7.6%増、総額で 19%の増加
2010 年実施の案件について分析した結果、世界の M&A 案件数は前年比 7.6%増
加、総額では 19%増の約 1.5 兆ドルに達しました。
これは、金融危機直前まで続いた前回の M&A ブームが始まった年にあたる 2004 年
当時の水準まで回復したことを示します(図表1)。
世界に占めるアジアパシフィック地域の企業による買収案件比率は 18%に
全体では、欧米企業による買収案件が依然圧倒的多数を占めるものの、2010 年のア
ジアパシフィック地域の企業による買収案件は、全体の 18%を占めました。これは、
過去 10 年の平均を上回っており、1990 年代と比較して 2 倍の水準です(図表2)。
プライベート・エクイティによる M&A も急回復
一方で、プライベート・エクイティ(PE)による M&A 案件も急回復を見せ、案件数で前
年比 3 割増、総額では 2 倍以上の伸びとなりました。これは、金融危機後に動きが鈍
くなっていた負債による資金調達市場が回復してきたことを受け、各 PE が M&A 実施
に積極姿勢に転じたことによるものと見られます。
ボストン コンサルティング グループ
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M&A を頻繁に行う企業のパフォーマンスがより優れているわけではない
本レポートでは、3 年間に 2500 万ドル超の M&A 案件を最低4件以上実施する
「M&A 経験の豊富な企業」と、実施案件数の少ない企業とによる買収案件を分析した
結果、全体平均、上位企業の平均ともに、実施案件数の少ない企業による買収の方
が短期の株価パフォーマンスが高いことが明らかになりました(図表3)。
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ピヴェット久美子
Tel. +03 5211 0600
Fax +03 5211 0333
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東京都千代田区紀尾井町 4-1
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ただし、破たん企業の買収など複雑な案件では、経験豊富な買収企業による案件の
方がパフォーマンスが極めて高くなっています(図表4)。
本レポートでは、この他に以下のような分析もご紹介しています:
・
M&A 案件にかかるプレミアム水準の推移
・
クロスボーダー案件、国内案件のパフォーマンス比較
・
案件種類別の短期・中期・長期のパフォーマンス推移
(上場企業同士、上場企業→非上場企業買収、上場企業→子会社買収)
・
買収価額の支払い方法別パフォーマンス比較 (現金、株式、混合)
・
実施タイミング別のパフォーマンス比較
(業界における M&A ブームの初期/中期/末期)
<調査概要>
調査は、BCG M&A リサーチセンターとライプチヒ経営大学院が共同で 2011 年上期
に実施。
・
マーケットトレンド
 1981 年~2011 年初頭までに、北米、ヨーロッパ、アジアパシフィックで実施・
公表された M&A 案件のうち、取引金額が 2500 万ドルを超す案件が対象。
(但し、図表1のみ、しきい値以下の案件を含む全案件が対象)
・
M&A 案件による株主価値の創出と破壊
 1988 年~2010 年までに実施されデータ収集可能な案件のうち、上場企業
による買収案件で取引金額が 2500 万ドルを超す、計 26,444 件が対象
 ターゲット企業は、上場企業、非上場企業、上場企業の子会社を含む
ご参考)収益性指標:累積超過収益率 (Cumulative Abnormal Return (CAR))
本レポートでは、M&A 案件による短期の株価パフォーマンスを累積超過収益率に基
づき分析。本分析では、マーケットモデル方式を採用し、マーケットにおける当該期
間の業界インデックスを、株価がどの程度上回ったかを算出しました。
具体的には、案件発表の 200 日前~21 日前までの期間でマーケットの平均収益率
(マーケットモデル)を算出。20 日前~4 日前までの期間については、情報漏えい等
による市場変化の影響を排除するため考慮外とし、発表の前後 3 日を含む 7 日間の
当該企業株の収益率とマーケットモデルの収益率の差分を合算した値で累積超過収
益率を算出しています。
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附表
(図表1)
(図表2)
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(図表3)
(図表4)
ボストン コンサルティング グループ(BCG)
BCG は、世界をリードする経営コンサルティングファームとして、さまざまな業種・マー
ケットにおいて、カスタムメードのアプローチ、企業・市場に対する深い洞察、クライア
ボストン コンサルティング グループ
ントとの緊密な協働により、クライアントが持続的競争優位を築き、組織能力(ケイパビ
マーケティング&コミュニケーション
リティ)を高め、継続的に優れた業績をあげられるよう支援を行っています。
1963 年米国ボストンに創設、1966 年に世界第 2 の拠点として東京に、2003 年には
名古屋に中部関西オフィスを設立しました。現在世界 42 ヶ国に 74 拠点を展開して
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います。http://www.bcg.co.jp/
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