Nd-Fe-B 焼結磁石 Low Dy Series (PDF: )

新製品紹介
Nd-Fe-B 焼結磁石 Low Dy Series
Nd-Fe-B Sintered Magnets Low Dy Series
Nd-Fe-B magnet:NEOMAX® NMX-46F, 42F, 37F, 35F, S49F, S45F, S41F, S38F
Nd-Fe-B 焼結磁石は,モーターの
が ら 磁 気 特 性 を 高 め る Dy 拡 散 法
較して,残留磁束密度(B r)
,保磁力
小型化・高効率化を進める材料とし
(DDMagic®)を開発し,2010 年より
(HcJ)が同等で,Dy を質量比で 2 ∼
て注目されており,省エネルギー・
量産を開始している。
3%( 以下,mass% と示す)削減す
環境適合製品に多く使用されてい
今回新たに,Dy 拡散法とは異な
ることが可能である( 図 1)。たと
る。一方,資源問題からレアアース
るアプローチを有する材料を開発し
えば,図 2,図 3 に示す通り,46F
の採掘枠や輸出枠の規制が強化さ
た。具体的には,保磁力の発現に大
材は Dy を約 2 mass% 含む従来品
れ,価格の乱高下および供給問題が
きく影響する二粒子粒界相に着目
NMX-50 Series の 46CH 材と同等の
生じている。特に,高温時の減磁を
し,これまで検討されてこなかった
特性を Dy を含まずに得ることがで
極力小さくすることができる添加元
組成領域や添加元素の探索,さらに
きる。42F 材は Dy を 4 ∼ 5 mass%
素である Dy は大きな調達リスクを
製造条件等の適正化を行い,原料合
含む従来品の 43SH 材と同等の特性
抱 え て お り,Nd-Fe-B 焼 結 磁 石 の
金の Dy 含有量を削減しつつ,大幅
を Dy を 1.5 ∼ 2.5 mass% 含むだけ
Dy 使用量削減が強く望まれている。
に保磁力を向上した。
で得ることができる。さらに 2015
このような状況に対応するため日立
本技術を用いた新材料を,Low Dy
年 4 月からは高性能材の NMX-S52
金属では,Dy を焼結後の磁石表面
Series として NMX- 46F から 35F 材
Series にもこの技術を適用し,市場
から拡散させて,主相(Nd2Fe14B 相)
までラインナップし,2014 年 4 月
投入する予定である。
結晶粒の外郭近傍にのみ導入するこ
に市場投入した。本ラインナップは
とにより,Dy の使用量を低減しな
当社従来材の NMX-50 Series と比
( 磁性材料カンパニー)
Conventional
Low Dy Series
1.5
:
:
:
:
content
content
content
content
0%
∼2% →
4∼5% → 1.5∼2.5%
7∼8% → 3.5∼4.5%
8∼9% → 5.0∼6.0%
B r (T)
1.4
Dy
Dy
Dy
Dy
1.3
1.2
Conventional material
: NMX‒S52 series
: NMX‒50 series
1,000
1,500
2,000
2,500
HcJ (kA/m)
図 1 Low Dy Series の磁石特性マップ
Fig. 1 Br / HcJ-properties of Low Dy Series
100
1.2
0.8
22.5℃
60℃
100℃
140℃
0.6
B (T)
1.0
0.4
46F (Low Dy Series)
46CH (conventional)
-1500
-1000
-500
0.2
0
0
H (kA/m)
図 2 開発材と従来材の減磁曲線比較
Fig. 2 Comparison of demagnetization curves between developed
and conventional material
48
日立金属技報 Vol. 31(2015)
Magnetizing rate (%)
1.4
80
60
40
20
0
46F (Low Dy Series)
46CH (conventional)
800
1,600
2,400
3,200
H (kA/m)
図 3 開発材と従来材の着磁特性比較
Fig. 3 Comparison of magnetizing characteristics between
developed and conventional material