平成26年度補正予算について…阪田 渉

平成26年度
補正予算について
SPOT
主計局総務課主計官 阪田
渉
Ⅰ.経緯
1.補正予算編成の背景となる経済情勢
2.経済対策の策定に係る内閣総理大臣
指示(11月18日)
安倍内閣では、これまで、
「大胆な金融政策」
「機
こうした状況の下、平成26年11月18日、内閣
動的な財政政策」
「民間投資を喚起する成長戦略」
総理大臣より、経済対策の策定に係る方針が示さ
の「三本の矢」からなる経済政策(
「アベノミクス」
)
れた。具体的には、以下の政策に重点を置きつつ、
を一体的に推進してきた。
とりまとめに向けた準備を進めるよう指示がなさ
こうした政策の下、有効求人倍率は22年ぶりの
れた。
高水準、名目雇用者報酬が高い伸びとなるととも
○エネルギー価格の高止まりなど物価動向や消
に、経常利益は過去最高水準、上場企業のROEは
費に関する地域の実情に配慮しつつ、地域の
政権発足時の約1.5倍、倒産件数は24年ぶりの低
消費の喚起など景気の脆弱な部分に、スピー
水準となるなど、前向きの動きが続いている。こ
ド感を持って的を絞った対応をする。
れらの経済指標の動きは、企業収益の拡大が速や
○しごとづくりなど地方が直面する構造的な課
かに賃金上昇や雇用拡大につながり、消費の拡大
題への実効ある取組を通じて地方の活性化を
や投資の増加を通じて更なる企業収益の拡大に結
び付くという、経済の好循環が生まれ始めている
ことを示している。
しかしながら、最近の我が国経済については、
平成26年7-9月期の実質GDP成長率が年率換算
で▲1.9%と2四半期連続でマイナスとなるなど、
景気は緩やかな回復基調が続いているものの、個
人消費等に弱さがみられる。
促す。
○災害復旧等の緊急対応を講じ復興の加速化を
進めるなど、災害・危機等への対応を図る。
3.
「地方への好循環拡大に向けた緊急
経済対策」
(平成26年12月27日)
上記の内閣総理大臣指示を踏まえ、12月27日に
緊急経済対策が策定された。本対策では、経済の
また、地域ごとに景気回復にばらつきがみられ
脆弱な部分に的を絞り、かつスピード感をもって
る。特に、人口減・高齢化やグローバル化への対
対応を行うことで、経済の好循環を確かなものと
応の遅れなどの中長期的な課題を抱える地方にお
するとともに、地方にアベノミクスの成果を広く
いては、
「三本の矢」による経済政策の効果がな
行き渡らせることを目指すこととされ、
かなか行き渡らず、経済の好循環の実現が十分に
①地域の実情に配慮しつつ、消費を喚起する
は進展していない。
②しごとづくりなど地方が直面する構造的な課
題への実効ある取組を通じて地方の活性化を
2
ファイナンス 2015.2
平成26年度補正予算について
促す
③災害復旧等の緊急対応や復興を加速化する
という3点に重点を置いてとりまとめられた。
また、平成27年度の国・地方の基礎的財政収支
赤字については、対GDP比半減目標を着実に達成
するよう最大限努力することとされた。
充てることとしている。
こうした結果、平成26年度一般会計予算の総額
は、歳入歳出ともに当初予算から3兆1,180億円
増加し、99兆3億円となった。
2.各論
(1)現 下の経済情勢等を踏まえた生活者・事業
26年度補正予算は、緊急経済対策を実施するた
めの施策を盛り込んだものとして編成され、1月
9日の臨時閣議で概算閣議決定を受け、1月26日
の臨時閣議において国会提出が閣議決定された。
Ⅱ.平成26年度補正予算の概要
1.総論
本補正予算は、
「地方への好循環拡大に向けた
緊急経済対策」等を実施するための措置を盛り込
者への支援 (1兆2,054億円)
①生活者への支援、生活環境の整備(3,888億円)
(ア)地域消費喚起・生活支援(2,540億円)
地方公共団体が実施する、地域における消費喚
起策やこれに直接効果を有する生活支援策に対
し、国が支援する「地域住民生活等緊急支援のた
めの交付金(地域消費喚起・生活支援型)
」に必
要な経費として2,500億円、などが計上されてい
る。
むものであり、
「現下の経済情勢等を踏まえた生
活者・事業者への支援」
、
「地方が直面する構造的
(イ)子育て支援、女性の活躍推進(205憶円)
課題等への実効ある取組を通じた地方の活性化」
、
「待機児童解消加速化プラン」を推進するため
「災害復旧・復興加速化など災害・危機等への対応」
の保育所等の整備に必要な経費として120億円、
の3分野に重点化している。
「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」
結婚・妊娠・出産・育児の「切れ目ない支援」を
行うため、地域における先駆的な少子化対策を行
に つ い て は、 一 般 会 計 に お い て、 総 額 で 3 兆
う地方公共団体を支援する地域少子化対策強化交
5,059億円の財政支出を行うこととしている。そ
付金に必要な経費として30億円、妊娠期から子育
の内容としては、
「生活者への支援等」に係る経
て期にわたるまでの支援を行うワンストップ拠点
費に1兆1,854億円、
「地方の活性化」に係る経費
(子育て世代包括支援センター)の運営及び地方
に5,783億円、
「災害・危機等への対応」に係る経
公共団体が施行する子育て支援のための拠点施設
費に7,578億円、東日本大震災復興特別会計への
の整備に必要な経費として6億円、などが計上さ
繰入として9,844億円を計上している。このほか
れている。
の歳出としては、地方交付税交付金として9,538
億円、その他の経費として4,463億円を計上して
いる。なお、特別会計においては、財政投融資特
別会計投資勘定の歳出230億円を計上している。
(ウ)生活の安心向上(1,143億円)
「行政手続における特定の個人を識別するため
の番号の利用等に関する法律」
(平25 法27)に基
その財源については、歳出面において、既定経
づく地方公共団体の個人番号の指定や情報提供ネ
費を1兆7,880億円減額することとしており、歳
ットワークシステムを使用した情報連携に対応す
入面において、税収で1兆7,250億円、税外収入
るためのシステム整備支援等に必要な経費として
で1,148億円の増収を見込むほか、前年度剰余金
412億円、市町村が施行する廃棄物処理施設の整
を2兆353億円計上している。その上で、必要な
備事業等に必要な経費として285億円、などが計
事業に要する財源を超える部分、7,571億円につ
上されている。
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4.補正予算の概算閣議決定と国会提出
いては、財政健全化の観点から、公債金の減額に
②事業者への支援(2,471億円)
(ウ)資源・エネルギーの安定供給(943憶円)
中小企業・小規模事業者の資金繰り支援及び事
再生可能エネルギーの系統への受入可能量拡大
業再生支援に必要な経費として1,583億円(財政
のために必要な経費として744億円、表層型メタ
投融資特別会計投資勘定における出資金、200億
ンハイドレートの資源量把握の取組を集中的に行
円を含む)
、米価下落への対策など農林水産業者
うため、広域的な分布調査等に必要な経費として
への緊急支援に必要な経費として329億円、高速
20億円、などが計上されている。
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道路の通行者の負担を軽減するため、大口・多頻
度割引の拡充などを実施するために必要な経費と
して507億円、などが計上されている。
④住宅市場活性化策(2,095億円)
住宅市場を活性化するため、独立行政法人住宅
金融支援機構のフラット35Sの金利引下げ幅の拡
③エネルギーコスト対策(3,601億円)
(ア)省エネルギー・再生可能エネルギーの推進 (2,197億円)
運輸部門における二酸化炭素の排出抑制や石油
大に必要な経費として1,150億円、省エネ性能の
優れた住宅・建築物の建設や省エネリフォーム等
に対する支援に必要な経費として805億円、など
が計上されている。
依存度の低減を図るため、燃料電池自動車に必要
な水素供給設備(水素ステーション)や電気自動
車等に必要な充電インフラ(EV用充電ステーショ
ン)の整備を支援するために必要な経費として
(2)地 方が直面する構造的課題等への実効ある
取組を通じた地方の活性化(5,813億円)
①まち・ひと・しごとの創生に向けた「総合戦略」
396億円、一般家庭等におけるエネルギーコスト
の先行的実施(1,982億円)
対策として、家庭用燃料電池システム(エネファ
地方公共団体による地方版総合戦略の早期かつ
ーム)及び定置用リチウムイオン蓄電池の導入支
有効な策定と、これに関する優良施策等の実施に
援を行うために必要な経費として352億円、エネ
対し、国が支援する「地域住民生活等緊急支援の
ルギーコストの変動に対する耐性を強化するた
ための交付金(地方創世先行型)
」に必要な経費
め、地域の中小企業やエネルギー多消費企業等に
として1,700億円、地域経済に関する様々な情報
おける最新モデルの省エネ設備の導入、既存設備
を「見える化」する「地域経済分析システム」の
の省エネ改修等に必要な経費として930億円、地
データ拡充等に必要な経費として6億円、地域の
域における再生可能エネルギー等の導入を促進す
創意工夫による地域の課題解決を後押しする「地
るために必要な経費として238億円、などが計上
域再生戦略交付金」に必要な経費として50億円、
されている。
創業による新たなビジネスの創造及び事業承継を
契機に既存事業を廃業し新分野に挑戦する等の第
(イ)エネルギー価格の影響への対策(460憶円)
二創業を支援するために必要な経費として50億
効率的な経営体質への転換を図り、将来にわた
円、大企業、地域の金融機関等と連携して中小企
って国民への水産物の安定供給を担える持続的な
業・小規模事業者が必要とする人材を地域内外か
漁業経営の実現のために必要な経費として220億
ら発掘し、中小企業・小規模事業者とのマッチン
円、中小トラック事業者を対象に、燃費効率の良
グ等を支援するために必要な経費として60億円、
い環境対応車及び燃料貯蔵設備の導入を支援する
地域資源を活用した「ふるさと名物」等の商品開
ために必要な経費として35億円、などが計上され
発や国内外の販路開拓等を支援するために必要な
ている。
経費として40億円、などが計上されている。
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平成26年度補正予算について
②地域の産業振興等による経済の活性化
害救済等のための取組を実施するために必要な経
費40億円、条件不利地域において、地域間交流の
(3,598億円)
(ア)地 域における新たな産業の創出、革新を促
促進や地域資源を活用した産業の活性化、定住の
促進等の取組に対する支援に必要な経費16億円、
す仕組みづくり(152億円)
地域の研究機関等の広域連携による設備導入や
などが計上されている。
新事業展開の実現可能性調査等の支援を通じ、地
するために必要な経費として18億円、地域の産業
振興等による地方の活性化を図るため、国立大学
等における先端研究設備の導入等に必要な経費と
(3)災 害復旧・復興加速化など災害・危機等へ
の対応(1兆7,422億円)
①災害復旧・災害対応の強化(5,730億円)
(ア)土 砂災害や台風災害等の大規模災害からの
復旧(1,391億円)
して82億円、などが計上されている。
26年発生災害及び過年発生災害による公共土木
(イ)地 域の活性化に資する企業・産業に対する
施設、農林水産業施設等の災害復旧事業及び災害
関連事業に必要な経費として1,309億円、などが
支援(3,171億円)
中小企業・小規模事業者の革新及び販路開拓等
計上されている。26年発生災害の復旧については、
を促進するために必要な経費として1,593億円、
その早期復旧を図るため、初年度の復旧進度を高
畜産・酪農分野における収益性の向上等を通じた
めることとし、当初予算等により支出するものを
競争力の強化のために必要な経費として254億円、
除き、今後必要な額として災害復旧事業費846億
林業の成長産業化及び森林吸収源対策のために必
円及び災害関連事業費152億円を計上している。
要な経費として578億円、担い手への農地集積・
また、過年発生災害については、来年度に実施を
集約化等による農業の構造改革を推進するために
予定していた事業の一部を本年度に繰り上げて実
必要な経費として270億円、訪日2,000万人に向け
施することとして災害復旧事業費228億円及び災
た春の旅行需要喚起のための情報発信、出入国審
害関連事業費83億万円を追加計上している。
査体制の強化等に必要な経費として43億円、など
(イ)自 然災害リスクが高い地域・施設等におけ
が計上されている。
る緊急防災対応等(1,940億円)
農山漁村の防災・減災対策に必要な経費として
(ウ)地域の魅力の情報発信の支援(127憶円)
地域活性化、日本ブランドの発信、観光立国の
264億円、近年頻発する水害・土砂災害等を踏まえ、
推進、日本食の輸出等を加速させるため、影響力
自然災害リスクが高い河川、道路等における緊急
の大きい放送コンテンツ等の海外展開支援に必要
的な防災対応等を推進するために必要な経費とし
な経費として110億円、などが計上されている。
て1,155億円、御嶽山の噴火災害を踏まえた火山
観測研究基盤の整備・観測体制等の強化及び国立
(エ)人材市場の流動化、住環境等の整備
(148憶円)
公園の山岳地における安全対策のために必要な経
費として105億円、などが計上されている。
若者による農業・林業・漁業への就業及び研修
支援のために必要な経費として64億円、などが計
上されている。
(ウ)災害に強い情報・物流システム等の構築
(696憶円)
大規模災害に備え、円滑かつ迅速な災害廃棄物
③地域の個別課題等への対応(233億円)
外国漁船等により影響を受けている漁業者の被
の処理を実現するための災害廃棄物処理体制の構
築等に必要な経費として205億円、大規模災害等
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域におけるものづくり企業等の革新の創出を促進
の発生時に、自衛隊の災害対処に資する装備品、
(ウ)原子力防災対策の強化(118憶円)
緊急時に即時避難が容易でない要援護者のため
資機材等の整備に必要な経費として317億円、な
の屋内退避施設等の放射線防護対策及び当該施設
どが計上されている。
に避難した際に必要となる資機材の配備・物資の
備蓄等に必要な経費として90億円、などが計上さ
(エ)学校施設等の耐震化等(1,702億円)
公立学校施設等の耐震化、防災機能の強化等に
れている。
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必要な経費として1,633億円、などが計上されて
③安全・安心な社会の実現(1,498億円)
いる。
(ア)良好な治安の確保(395億円)
②復興の加速化等(1兆194億円)
戦略的海上保安体制の構築を図るため行う海上
(ア)東日本大震災の被災地の復旧・復興
保安庁の巡視船艇の建造等に必要な経費として
238億円、最近の犯罪情勢等に的確に対応するた
(7,345億円)
来年度の復興財源の追加(復興債の償還又は減
額)として7,247億円が計上されている。
(イ)原子力事故対応の加速化(2,731億円)
め、警察機動力及び資機材の整備等に必要な経費
として120億円、などが計上されている。
(イ)危機管理(1,103億円)
廃炉・汚染水対策のうち、凍土方式による遮水
我が国の防衛態勢を強化していく観点から、自
壁の追加的対策等技術的に難易度が高い研究開発
衛隊の運用態勢の強化に資する装備品の安定的な
に必要な経費として231億円、が計上されている。
維持整備等及び、防衛施設の安定的な運営に必要
このほか、中間貯蔵施設等に係る交付金として
な経費として794億円、国内におけるエボラ出血
1,500億円、原子力災害からの福島復興交付金と
熱等の感染症対策に万全を期すための感染症指定
して1,000億円が計上されている。
医療機関等の体制整備に必要な経費として5億
円、などが計上されている。
平成26年度補正予算について
資料1
□「地⽅への好循環拡⼤に向けた緊急経済対策」
(12⽉27⽇閣議決定)の実⾏に伴う国費 3兆5,289億円
Ⅰ.現下の経済情勢等を踏まえた⽣活者・事業者への⽀援
1兆2,054億円
・⽣活者への⽀援、⽣活環境の整備 〔3,888億円〕
・事業者への⽀援 〔2,471億円〕
・エネルギーコスト対策 〔3,601億円〕
・住宅市場活性化策 〔2,095億円〕
Ⅱ.地⽅が直⾯する構造的課題等への実効ある取組を通じた地⽅の活性化
5,813億円
・まち・ひと・しごとの創⽣に向けた「総合戦略」の先⾏的実施 〔1,982億円※〕
・地域の産業振興等による経済の活性化 〔3,598億円〕
※再掲事業を含めると3,275億円
・地域の個別課題等への対応 〔233億円〕
Ⅲ.災害復旧・復興加速化など災害・危機等への対応
・災害復旧・災害対応の強化 〔5,730億円〕
・復興の加速化等 〔1兆194億円〕
・安全・安⼼な社会の実現 〔1,498億円〕
□ 地⽅交付税交付⾦の増〔9,538億円〕、その他追加財政需要〔4,463億円〕
□ 財源は税収、税外収⼊、前年度剰余⾦等で確保。
□ 平成18年度補正予算以来の新規国債発⾏額の減額〔7,571億円〕を⾏う。
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ファイナンス 2015.2
1兆7,422億円
平成26年度補正予算について
資料2
平成26年度補正予算フレーム
(単位 : 億円)
歳 出
1.生活者への支援等関連経費
歳 入
11,854
1.税収
5,783
2.税外収入
3.災害・危機等への対応関連経費
7,578
3.前年度剰余金受入
4.地方交付税交付金
9,538
5.その他の経費
4,463
6.既定経費の減額
▲17,880
(1)国債費
▲15,142
(2)その他
▲2,738
7.東日本大震災復興特別会計へ繰入
9,844
17,250
1,036
10,622
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2.地方の活性化関連経費
4.公債金
▲7,571
5.前年度剰余金受入(復興財源)
9,731
6.税外収入(復興財源)
合 計
31,180
113
合 計
31,180
(注1)計数はそれぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは一致しないものがある。
(注2)公債金について、建設国債を増額し、赤字国債を減額する。
(注3)経済対策の国費:35,289億円(一般会計の歳出1.~3.及び7.並びに特別会計(財政投融資特別会計投資勘定)の歳出230億円
の合計)
(注4)東日本大震災復興特別会計へ繰入のうち、7,247億円(財政法第6条の純剰余金の1/2に相当)については復興債の償還財源に
充てられる。
(参考)財政投融資計画において、株式会社日本政策金融公庫等に対し、1,117億円を追加する。
資料3
平成26年度補正予算の概要
Ⅰ 現下の経済情勢等を踏まえた生活者・事業者への支援
1兆2,054億円
1.生活者への支援、生活環境の整備
3,888億円
(1)地域消費喚起・生活支援
○地域住民生活等緊急支援のための交付金[地域消費喚起・生活支援型]
〔2,500億円〕
2,540億円
(2)子育て支援、女性の活躍推進
205億円
○待機児童解消加速化プランの推進 〔120億円〕
○地域少子化対策強化交付金 〔30億円〕
○子育て世代包括支援センター等、子育て支援のための拠点整備 〔6億円〕
(3)生活の安心向上
○ICTを活用した社会保障・税番号制度の導入等による国民の利便性の向上 〔412億円〕
○循環型社会形成推進交付金 〔285億円〕
1,143億円
2.事業者への支援
2,471億円
3.エネルギーコスト対策
3,601億円
○中小企業・小規模事業者の資金繰り・事業再生支援事業 〔1,583億円〕(注)
○米価下落への対策など農林水産業者への緊急支援 〔329億円〕
○高速道路料金割引 〔507億円〕
(1)省エネルギー・再生可能エネルギーの推進
○燃料電池車用水素ステーション、EV用充電ステーションの整備 〔396億円〕
○民生用燃料電池(エネファーム)
、定置用リチウムイオン蓄電池の導入支援 〔352億円〕
○地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金 〔930億円〕
○地産地消型など再生可能エネルギー等の導入促進 〔238億円〕
2,197億円
(注)財政投融資特別会計投資勘定における出資金200億円を含む。
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(2)エネルギー価格の影響への対策
○漁業経営セーフティーネット構築等事業 〔220億円〕
○中小トラック事業者の燃料費対策 〔35億円〕
460億円
(3)資源・エネルギーの安定供給
○再生可能エネルギーの接続保留問題への緊急対応 〔744億円〕
○メタンハイドレート開発促進事業 〔20億円〕
943億円
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4.住宅市場活性化策
2,095億円
○住宅金融支援機構のフラット35Sの金利引下げ幅の拡大 〔1,150億円〕
○省エネ住宅に関するポイント制度の実施 〔805億円〕
Ⅱ 地方が直面する構造的課題等への実効ある取組を通じた地方の活性化
5,813億円
1.まち・ひと・しごとの創生に向けた「総合戦略」の先行的実施
1,982億円
※再掲事業を含めると3,275億円
○地域住民生活等緊急支援のための交付金[地方創生先行型]
〔1,700億円〕
○企業取引情報等に基づく「地方版総合戦略」等の策定支援 〔6億円〕
○地域再生戦略交付金 〔50億円〕
○創業・第二創業促進補助金 〔50億円〕
○中小企業・小規模事業者人材対策事業 〔60億円〕
○ふるさと名物応援事業 〔40億円〕
2.地域の産業振興等による経済の活性化
(1)地域における新たな産業の創出、革新を促す仕組みづくり
○地域オープンイノベーション促進事業 〔18億円〕
○大学等における先端研究設備等の整備 〔82億円〕
(2)地域の活性化に資する企業・産業に対する支援
①中小企業・小規模事業者等の支援
○ものづくり・商業・サービス革新事業 〔1,020億円〕
○小規模事業者支援パッケージ事業 〔252億円〕
○ODAを活用した中小企業・地域経済の活性化支援 〔212億円〕
3,598億円
152億円
3,171億円
1,593億円
②農林水産業の振興
1,535億円
○畜産・酪農競争力の強化 〔254億円〕
○強い林業づくり対策・森林吸収源対策 〔578億円〕
○担い手への農地集積・集約化等による構造改革の推進 〔270億円〕
③観光業の振興
○訪日2000万人に向けた新規インバウンド需要創出事業 〔34億円〕
○出入国審査体制の強化 〔4億円〕
43億円
(3)地域の魅力の情報発信の支援
○地域経済活性化に資する放送コンテンツ等海外展開支援事業 〔110億円〕
127億円
(4)人材市場の流動化、住環境等の整備
○若者による農業・林業・漁業への就業・研修支援 〔64億円〕
148億円
3.地域の個別課題等への対応
233億円
○外国漁船操業対策 〔40億円〕
○離島、奄美群島、小笠原諸島、半島地域への支援 〔16億円〕
Ⅲ 災害復旧・復興加速化など災害・危機等への対応
1.災害復旧・災害対応の強化
1兆7,422億円
5,730億円
(1)土砂災害や台風災害等の大規模災害からの復旧
○公共土木施設、学校施設等の災害復旧等 〔1,391億円〕
1,391億円
(2)自然災害リスクが高い地域・施設等における緊急防災対応等
○農山漁村の防災・減災対策 〔264億円〕
1,940億円
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平成26年度補正予算について
○自然災害リスク回避等のための緊急防災対応 〔1,155億円〕
○火山観測研究基盤の整備・観測体制等の強化、国立公園の山岳地における安全対策 〔105億円〕
(3)災害に強い情報・物流システム等の構築
○大規模災害に備えた廃棄物処理体制検討・拠点整備事業 〔205億円〕
○自衛隊の災害対処能力の向上等 〔317億円〕
696億円
1,702億円
2.復興の加速化等
SPOT
(4)学校施設等の耐震化等
○学校施設、社会福祉施設等の耐震化・防火対策等の推進 〔1,633億円〕
1兆194億円
(1)東日本大震災の被災地の復旧・復興
7,345億円
○平成25年度決算剰余金等の一部を活用した東日本大震災復興特別会計への繰入 〔7,247億円〕
(2)原子力事故対応の加速化
2,731億円
○中間貯蔵施設等に係る交付金 〔1,500億円〕
○原子力災害からの福島復興交付金 〔1,000億円〕
○廃炉・汚染水対策事業 〔231億円〕
(3)原子力防災対策の強化
○原子力発電所周辺地域における防災対策の充実・強化 〔90億円〕
118億円
3.安全・安心な社会の実現
1,498億円
(1)良好な治安の確保
○戦略的海上保安体制の構築 〔238億円〕
○警察における資機材、車両、船舶等の整備など捜査力・現場執行力の強化 〔120億円〕
(2)危機管理
○自衛隊の安定的な運用態勢、防衛施設の円滑な運営の確保等 〔794億円〕
○エボラ出血熱対策 〔5億円〕
395億円
1,103億円
(注)平成26年度補正予算は、上記「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」の実行に係る国費に加え、地方交付税交付金の増加
〔9,538億円〕
、経済対策に含まれない追加財政需要※〔4,463億円〕を計上。
※主な内訳:福島第2原子力発電所に係る原子力損害賠償補償金〔690億円〕、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の増〔539億円〕、
サブサハラにおける緊急人道・復興支援拠出金〔402億円〕等
プロフィール
阪田 渉(さかた わたる)
88年東京大学法学部卒。同年大蔵省入省(関税局企画
課)、94年潮来税務署長、98年在インド日本国大使館一
等書記官等を経て、12年8月より現職。
ファイナンス 2015.2
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