平成 26 年度 広島県立総合技術研究所農業技術センター研究成果情報集 Ⅱ技術指導に参考となる成果 11.平成 26 年度広島県病害 虫 ・雑草防除基準に採用した 普通作物用除 草 剤の除草効果および薬害 1.背 景とねらい 除 草 剤 を適 正 に使 用 することは,作 物 生 産 の省 力 化 ・安 定 化 を図 る上 で重 要 です。 そこで,新 しい除 草 剤 について,農 林 水 産 省 の登 録 認 可 に必 要 なデータを提 供 すると ともに,登 録 後 の県 内 における雑 草 防 除 基 準 および現 地 指 導 に必 要 な資 料 を作 成 す るため,効 果や水稲に対する薬害を評価しました。 2.成 果の内 容 平 成 26 年 度広 島県 病害 虫・雑 草 防除 基 準に水 稲用 除草 剤 30 剤を新 規に採 用し ました。主な除草 剤の効果 および薬 害は次 のとおりです。 1) シリウスエグザフロアブル ® (オキサジクロメホン・ピラクロニル・ピラゾスルフロンエチ ル・ベンゾビシクロン水 和 剤 )は,水 稲 への薬 害 も無 く,ノビエ,主 要 な広 葉 雑 草 ,カ ヤツリグサ科 雑 草 , SU 抵 抗 性 雑 草 ( 注 ) も除 草 可 能 で,一 発 処 理 剤 として実 用 性 が 認 められました(表 1)。 2) コメット顆 粒 ® (テフリルトリオン・ピラクロニル・メタゾスルフロン水 和 剤 )および銀 河 1 キロ粒 剤 ® (ダイムロン・ピラクロニル・メタゾスルフロン粒 剤 )は,イネ科 雑 草 から広 葉 雑 草 まで幅 広 い除 草 効 果 が期 待 できます(表 2,3)。 (注 )「 SU(ス ル ホニ ル ウレ ア )系」 成分 は ,水 稲除 草剤 の一 発 処理 剤の 多く に含 まれ てい ます 。近年 これ らを 含む 除草 剤 の連 用が 広範 囲で 行 われ た結 果 ,SU 系成 分に 抵抗 性を 示 すア ゼナ 類や ホタ ル イ, コナ ギ, ウリ カ ワが 出現 ,分 布 を拡 大し てい ます 。 3.利 用上の留意 点 1) 薬 剤 の使 用 にあたっては,農 林 水 産 消 費 安 全 技 術 センター・農 薬 登 録 情 報 検 索 システム(http://www.famic.go.jp/ )により最 新 の農 薬 登 録 内 容 を必 ず確 認 してく ださい。 (栽培 技術 研 究部) - 21 - 平成 26 年度 広島県立総合技術研究所農業技術センター研究成果情報集 Ⅱ技術指導に参考となる成果 4.具 体的データ 表 1 シリウスエグザフロアブルによる除 草 効 果 と薬 害 (2013 年 ) 注 1) 品 種 :広 島 21 号 (こいもみじ)。田 植 :4 月 19 日 。 注 2) 表 中 のtは,小 数 点 以 下 第 1 位 を四 捨 五 入 しても 1 に満 たない値 を示 す。 注 3) 表 中 の(含 R)は,SU(スルホニルウレア)抵 抗 性 雑 草 を示 す。 表 2 コメット顆 粒 による除 草 効 果 と薬 害 (2012 年 ) 注 注 注 注 1) 2) 3) 4) 品 種 :広 島 21 号 (こいもみじ)。田 植 :4 月 17 日 。 表 中 のtは,小 数 点 以 下 第 1 位 を四 捨 五 入 しても 1 に満 たない値 を示 す。 移 植 後 5 日 処 理 の薬 害 は分 げつ抑 制 で片 反 復 のみ。後 に回 復 して収 量 に影 響 はなかった。 表 中 の(含 R)は,SU(スルホニルウレア)抵 抗 性 雑 草 を示 す。 表 3 銀 河 1 キロ粒 剤 による除 草 効 果 と薬 害 (2012 年 ) 注 1) 品 種 :広 島 21 号 (こいもみじ)。田 植 :4 月 17 日 。 注 2) 表 中 のtは,小 数 点 以 下 第 1 位 を四 捨 五 入 しても 1 に満 たない値 を示 す。 注 3) 表 中 の(含 R)は,SU(スルホニルウレア)抵 抗 性 雑 草 を示 す。 - 22 -
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