2014年度 DiNQL事業 参加病院をHPで募集中!

教育訓練給付金
看護師3年課程養成所も対象に
改正雇用保険法が 10 月1日から
施行される。これに伴い、社会人の
キャリア形成のための教育訓練給付
金の給付期間が、これまでの2年か
ら最大3年に延長される。これによ
り、従来は対象外だった看護師3年
課程養成所で学ぶ社会人も給付を受
けられるようになる。
本会はかねて、同給付金の給付期
間延長と看護師養成所の対象化を厚
生労働省に要望していた。今回の改
正で、看護職を目指す社会人が、経
済的理由で准看護師養成所を選択す
ることなく、看護師養成所で学ぶ道
が開かれる。
教育訓練給付金制度の目的は、労
働者の主体的な能力開発の取り組み
を支援し、雇用の安定と就職の促進
を図ること。一定の条件を満たす在
職者や離職者が厚労大臣の指定を受
3
協会の活動・看護関連ニュース
Vo
l.
563 2014.6.15
けた講座を修了した場合、本人が養
成機関に支払った教育訓練経費の一
定割合がハローワークから本人へ支
給される。
給付金制度を利用できるのは、
看護師3年課程養成所のうち、厚
労大臣の指定を受けた養成所で学
ぶ社会人に限られます。すでに厚
労省では、指定の申請受付を開始
しています。看護師3年課程養成
所では申請をお願いいたします。
※給付金制度や養成所の指定
に 関 す る 詳 細 は、 厚 労 省 HP
「教育訓練給付制度について」
(http://www.mhlw.go.jp/bunya/
nouryoku/kyouiku/)を参照
抗がん剤などに対する
ばく露防止対策のお願い
厚労省は5月 29 日、「発がん性等
を有する化学物質を含有する抗がん
剤等に対するばく露防止対策につい
て」の通知を出した。
抗がん剤などには、発がん性が指
摘されているシクロホスファミドと
いった人体に悪影響を及ぼす化学物
質が含まれている場合がある。看護
職らは、気化した抗がん剤の吸入ば
く露や針刺し、漏出した抗がん剤へ
の接触による経皮ばく露になどによ
り健康障害が生じるおそれがあるこ
とから、ばく露防止策を講じるよう
求め、通知では対策の留意事項とし
て下記の5点を挙げている。
①調製時の吸入ばく露防止対策の
ために、安全キャビネットを設置
②取り扱い時のばく露防止のため
に、閉鎖式接続器具等(抗がん剤
の漏出及び気化並びに針刺しの防
止を目的とした器具)を活用
③取り扱い時におけるガウンテク
ニック(呼吸用保護具、保護衣、
保護キャップ、保護メガネ、保護
手袋等の着用)を徹底
④取り扱いに係る作業手順(調剤、
投与、廃棄等におけるばく露防止
対策を考慮した具体的な作業方
法)を策定し、関係者へ周知徹底
⑤取り扱い時に吸入ばく露、針刺
し、経皮ばく露した際の対処方法
を策定し、関係者へ周知徹底
行政保健師の研修整備に向け
検討会始まる
5月 26 日、厚労省は第1回「保
健師に係る研修のあり方等に関する
小規模病院ならではの「温かな看護」を目指す
❷
社会医療法人美杉会 佐藤病院(大阪府)
病床数 : 120 床
看護職員数 : 147 人 (認定看護師 3 人)
看護配置 : 7 対 1 試行事業参加 : 3 病棟
電子カルテがなくても参加できる!
佐藤病院は、大阪府枚方市を中心に高度医療
から介護まで、さまざまな施設を擁する美杉会
の中核病院だ。
本会と大阪府看護協会の「看護職のワーク・
ライフ・バランス(WLB)推進ワークショッ
プ事業」に初年度から取り
組み、昨年はカンゴサウル
ス賞を受賞した。府協会の
看護師職能Ⅱの理事でもあ
る髙須久美子看護部長(認
定看護管理者)=顔写真=
は、DiNQL 試 行 事 業 へ の
参加について「電子カルテでもない、120 床の
当院が選ばれるとは思わなかった。管理者とし
て、どういう数字が必要なのか、知っておきた
かった」と話す。これまでの看護部の取り組み
を客観的に評価し、職員の増員要請や物品購入
のエビデンスとして活用できるという思いもあ
りエントリーを決めた。
「それが『試行事業に参加した 75 病院でいち
ばん充実した人員配置』という結果でした」と、
思惑が外れたことに苦笑する。同院では、子育
て中の看護職員率は 7 割弱。WLB の取り組み
は、ママナースたちが負担なく働けるよう、配
置を手厚くし、見事に残業ゼロを実現した結果
に表れている。
データを紙ベースで収集する苦労はあったも
のの、もともと同院では、佐藤眞杉理事長が音
頭を取って QI(医療の質指標)委員会を立ち
上げ、感染管理、医療安全、看護必要度などを
すでにデータベース化していたので負担ではな
かった。
「転倒転落」が多い?の真相は
外科病棟の「転倒転落」データが他施設より
高い傾向が見られたが、実際は「レベル1」(注
1)が大半で、定義を厳密に守りカウントして
いたことが分かった。師長たちの、丁寧な看護、
抑制しない看護へのこだわりがあり、身体抑制
も年間を通してゼロ。医療安全担当で手術看護
認定看護師の横山要師長は「数字だけが独り歩
きしないよう、転倒転落のレベルごとに集計す
る仕組みを検討しては」と提案した(注 2)。
髙須看護部長は「継続が大事だと思うので、
今年も参加希望です。DiNQL を共通言語に、
他施設ではデータをどう活用しているのか、比
較から見えるものもあるはず。当院の強みや特
性を伸ばしていきたいですね」と意気込みを
語ってくれた。
検討会」を開催し、本会からは中板
育美常任理事が出席した。
少子高齢化が進む現代社会におい
て地域で保健活動に携わる保健師の
役割も多様化している。2013 年4
月発出の「地域における保健師の保
健活動について(保健師活動指針)」
でも、保健師に期待される役割とし
て、連携・調整を担う統括保健師の
配置や、都道府県と市区町村が重層
的な連携の下、地域における保健・
医療・福祉・介護といった包括的な
ケアシステムなどに関与することが
記された。同検討会はこの方向性を
受け、今日の保健師に求められる役
割・機能に適した人材育成や研修の
在り方を検討する。
同日は、構成員間で意見交換が行
われた。中板常任理事は、ジョブロー
テーション(人材育成を狙いとして
定期的・戦略的に異動や配置転換を
行うこと)の活用を論点に加えるよ
う述べた。
検討会では、新任期・中堅期・管
理期・統括保健師などの体系的な研
修の在り方について検討する必要性
があるとしており、今後ヒアリング
なども行われる。12 月まで5回開
催の後、報告書がまとまる予定。
注 1: レ ベ ル 1 … 患 者 へ の 実 害 は な か っ た
(DiNQL では国立大学附属病院医療安全管理協
議会が定めた「インシデント影響度分類」に準
じています)
注 2:本年度の評価指標では「身体抑制率」を
追加するとともに、転倒転落による障害発生率
についてもレベル別に件数を入力する方法に変
更する
DiNQL( デ ィ ン ク ル ) と は、Database
for improvement of Nursing Quality and
Labor の略で、看護職の労働状況の改善と
看護サービスの質向上を目指し、看護管理
者のマネジメントに貢献することと、収集
したデータを政策提言に生かすことを目的
としています。本連載では、2013 年度にモ
ニター病院として試行事業に参加した施設
を紹介します。
2014年度 DiNQL事業
参加病院をHPで募集中!
【募集対象】
・対象病院・病棟:7対1、10 対1入院基本
料を算定している病棟
・募集病院数:300 病院
【事業への参加申込】
・仮申込期間:6 月 30 日(月)まで
・正式申込期間:7 月 1 日(火)∼ 23 日(水)
※仮申込がないと正式申込ができません
【詳細】本会 HP「労働と看護の質データベー
ス事業の推進」参照
【問合先】看護開発部 看護情報課☎ 03-57788495、E メール [email protected]