中学受験新演習 小4下 理科 指導のポイント 1 指導のねらい 流れる水のはたらき ▼指導ページ P 4 ~ 11 ▼ ★流れる水のはたらき(3 作用)を理解する。 ★川の上流・中流・下流の特徴を考える。 重要事項の確認 1 雨水の流れと川のでき方 ⑴ 雨水のゆくえ 傾いている地面 高いところ→低いところ ⑵ 雨水の流れる速さ 傾きが急な,(みぞなど) 細いところ…速い 平らなところ…おそい (ゆっくり,広がるように) ⑶ 川のでき方 地下にしみこんだ水→小さな流れ→大きな流れ 2 流れる水のはたらき 【練習1,2】 ⑴ 水のはたらき …すなやどろをけずる→運ぶ →積もらせる 水の量が多い・地面のかたむきが急なほど大きい ⑵ すなやどろの積もり方 …つぶが大きいものほど 重いので早くしずむ。 ⑶ 川の水のはたらき ① しん食作用 …流れる水が地面をけずるはたらき。 流れが速いほど大きくなる。 ② 運ぱん作用 …すなやどろを運ぶはたらき。流れ が速く,水の量が多いほど大きくなる。 ③ たい積作用 …運んだすなやどろを積もらせるは たらき。つぶの大きい順から積もる。流れの速さ がおそいほど,大きくなる。 3 川の上流・中流・下流 【練習4】 ⑴ 上流 ①川のようす はばがせまく,水量少ない。かたむき急→速い。 ②川に見られる石のようす 角ばった大きな石 石どうしがぶつかりあって割れている。 ③流れる水のはたらき しん食と運ぱん作用がさかん。 ⑵ 中流 ①川のようす 川はばは広く,水の量は多くなる。 ②川に見られる石のようす 小さな丸みをおびた石や砂。 川底には,少し大きめの丸い石。 ③流れる水のはたらき 川の曲がっているところ 内側 流れがゆるやか→たい積作用→川原 外側 流れが速い→しん食作用→がけ ⑶ 下流 ①川のようす さらに川はばは広く,水量も多い。 川底は平らで,流れはとてもゆるやかになる。 ②川に見られる石のようす 小さな石,すなとどろ。 流れで,小さくなり,角がとれて,丸くなる。 ③流れる水のはたらき 流れがゆるやかなので,たい積作用がさかん。 4 まっすぐな川と曲がっている川 【練習3】 ⑴ まっすぐな川 中央の部分…もっとも流れが速 く,しん食・運ぱん作用がさかん,川底は深く,大 きな石がある,岸に近づくほど流れはゆるやか。 ⑵ 曲がっている川 外側の部分…もっとも流れが 速く,しん食・運ぱん作用がさかん,川底は深く, 大きな石がある,内側は流れがゆるやかになる。 補足知識・留意事項など 1 雨水の流れと川のでき方 水の流れ方 …水は,斜面(かたむいた面)を高いところから低いところ に向かって流れる。 水の流れる速さ …みぞのように細く(せまい)ところ,かたむきが急な ところでは速く流れ,平らなところでは,おそく,ゆるやかに広がる ように流れる。 2 流れる水のはたらき 流れる水,川の主なはたらき …しん食,運ぱん,たい積(3 作用) しん食 …流れる水が地面(川底や両岸)をけずるはたらき 運ぱん …けずった小石・すな・どろを流れる水が運ぶはたらき たい積 …流れがおそいところで運んだ小石・すな・どろが積もるはたらき 流れの速さは,川はばがせまく,川底(河床)のけい斜(かたむき)が 急なほど,流れる水の量が多いほど,大きくなる(速くなる) 。 しん食・運ぱんと流れの速さ ・しん食と流れの速さ…流水によるしん食のはたらきは,流れが速いほ ど大きい。上流は,川はばが狭く,かたむきが急なので,もとも と流れが速く,しん食作用が大きい。流れの速い川の上流が大雨に よって増水すると,さらに流れが速くなって,さらに大きくしん食 される。 ・運ぱ んと流れの速さ…流水の運ぱん力は流れが速いほど大きく,よ り大きな石を運ぶことができる。流れの速さが 2 倍,3 倍,…にな ると運ぶことのできる石の大きさは直径で 4(= 2 × 2)倍,9(= 3 × 3)倍,…,体積では 64(= 4 × 4 × 4)倍,729 倍(= 9 × 9 × 9), …にもなる。 こう水のとき,ふだんの流れではとても動かされない大きな岩が 押し流されるのは,増水で,流れが速くなって,運ぱん力がいちじ るしく増えるからである。 ・たい積作用…流れがおそい(ゆるやかな)ほどおおきくなる。 つぶの大きなものから先に,小石,すな,どろの順にたい積する。 つもる順序は , つぶの大きなものから小さいものへ,下から上に積 もる。(下)小石,すな(大きなつぶ),どろ(小さなつぶの集まり) (上)。どろのうち,大つぶのどろをシルト,小つぶのどろをねん土 という。 3 川の上流・中流・下流 流れの速さと 3 作用 …上流では,流れが速く,しん食・運ぱん作用が 大きく,たい積作用が小さい。下流では,流れがおそく,しん食・運 ぱん作用が小さく,たい積作用が大きい。 川のようす …上流では川底がけずられ,両岸にきりたったがけができ る。中流では,小石が積もった河原がある。下流では,すなやどろが 積もった河原がある。 石のすがた …上流では,石がはげしくぶつかりあい,割れて角ばった, 大きな石が多い。下流では,運ばれていくうち,角がとれて,丸く, 小さな石が多く見られる。 4 まっすぐな川と曲がっている川 まっすぐな川 …中央付近の流れが最も速く,川底の中央が最も深くけ ずられる。両岸に近づくにしたがって,流れがゆるやかになり,川底 には小石やすな・どろがたい積して浅くなっている。 曲がっている川 ・凸な外側…流れが速く,しん食によって川底は深くなり,岸がけずら れていく。 ・凹んだ内側…流れがおそく,たい積がさかんで,底が浅くなって川 原がさらに広がっていく。このようにして,川はさらに外に曲がって, へびがはうような流れ(だ行)になる。 中学受験新演習 小4下 理科 指導のポイント 2 指導のねらい 川がつくる地形 ★川のはたらきによって川底がどうなるかを考える。 ★それぞれ,上流・中流・下流によってできる地形を学習する。 重要事項の確認 1 川のはたらきによる地形 【練習1】 ⑴ 川底のかたむき ① 上流 …かたむきが急なので,流れも速い。 しん食・運ぱん作用大,たい積作用小 ② 中流 …かたむきも流も,上流と下流の中間。 3 作用のはたらきも中間くらい。 ③ 下流 …かたむきがゆるやかなので,流れも速い。 しん食・運ぱん作用小,たい積作用大 2 上流の地形 【練習1,2】 ⑴ V字谷 …両岸がしん食されてできるがけ 山地がりゅう起してできるものもある。 ⑵ 滝,早瀬 …大 きな岩石などがあって,しん食の はたらきがちがうところでできる。 早瀬 …川底は急なかたむきの岩石,流れが速い。 下に「ふち」 (水が深くたまったところ) ができる。 ⑶ かめあな …平らな大きな岩にあいた丸い穴。 川底の岩のくぼみに岩よりかたい石が入りこ み,流れのいきおいで回転しながら,長い時 間をかけて,岩をけずってできる。 3 中流の地形 【練習1】 ⑴ 扇状地 場所 …川が山地から平地に出るところ 形 …扇を広げたような地形 川底のかたむきが急にゆるやかになるので,小 石や大きな砂がたい積してできる。 ⑵ 扇状地を流れる川のようす 川 →あみの目のように流れる つもった小石や大つぶのすなは水をよく通す →水は地中にしみこみやすい。 →水が流れない川(水無川)になることが多い わきみず 扇状地の終わるところで湧水となる。 4 中流から下流にかけての地形 【練習1】 ⑴ だ行と三日月湖 ① だ行 …川が大きく曲がって流れること。 外側 流れが速い→しん食 内側 ゆるやかな流れ→どろやすながたい積 ② 三日月湖 …川がはんらんしたとき,流れが変わ り,曲がった部分がとり残されてできた湖。 ⑵ 自然ていぼう …洪水のときにあふれた水が,運 んできたどろやすなで自然にできた地形。 ⑶ さい害をふせぐくふう …だ行している川ははん らんしやすいので,人の力を使ってふせいでいる。 5 下流の地形←たい積作用 【練習1,3】 ⑴ 三角州 (デルタ) 場所 …浅い海に注ぐ河口付近 形 …三角形の平らな土地 ⑵ 三角州のでき方 海に入ると , 流れがおそくなる。 →たい積作用で,「自然ていぼう」ができる。 →さらにどろやすなが積もり,水面上にできる。 ⑶ 河口付近のいろいろな地形 ・ 注ぎ込む海が浅い …三角州も大きくなる。 ・ 注ぎ込む海が深い …三角州ができない。 ・ 山が海岸近くまでせまり,平野が小さい …扇状地が海までつきだしている。 ▼指導ページ P 12 ~ 19 ▼ 補足知識・留意事項など 1 川のはたらきによる地形 前回の復習 流れの 3 作用(しん食・運ぱん・たい積)の大きさと上 流・中流・下流(流れの速さ)の関連を整理してまとめておこう。 2 上流の地形 ⑴ V字谷 …上流では,しん食は下に向かってはたらき,川底を深く けずるので両岸がきりたったがけになる。 ⑵ 滝・早瀬 …流れる水のしん食作用によって大きな段差になったと ころが滝。早瀬は水面に白波がたつ。 ⑶ かめあな …川の上流で,かたい平らな岩石に丸い穴があいている ことがある。これをかめあなという。かめあなのでき 方 川底の岩の少しへこんだところ(くぼみ)に岩より もかたい石が入りこみ,それが流れのいきおいで回転 しながら,長い時間をかけて,岩をけずってできる。 3 中流の地形 扇状地 扇を広げたような地形 そのでき方…川底のかたむきが急にゆるやかになるので,小石やつぶ の大きいすながたい積してできる。 扇状地の川の流れのようす…川はあみの目のように流れる。川底は石 や大粒の砂などの混ざった目のあらいたいせき物でできていて,水 をよく通すので,水は地中にしみこみやすい。そのため,川の水が 地下にしみ込んでしまい,地表を流れなくなる。ふだんは,水が流 れない川(末無川または水無川という)になることが多い。地下にし み込んだ水の流れ(伏流という)は,せんじょう地の終わるところで わき水(泉)となって出てくる。 4 中流から下流にかけての地形 ⑴ だ行 …川がへびのようにくねりながら大きく曲がって流れるようす。 そのでき方…外(凸)側は,流れが速く,しん食で岸がけずられて いき,内(凹)側は,ゆるやかで,どろやすながたい積し,川原 がひろがっていくことによってできる。 三日月湖 …平野を流れるだ行した川が大雨などではんらんして, 曲がっていたところが取り残された湖。 曲がっている外側→深い,内側→浅い ⑵ 自然ていぼう…平野や三角州などで川がはんらんして,水があふれ 出るとき,流速が弱まる。そのため川の流れにそってたいせき物が多 くたまり,周囲より高い地形,自然ていぼうとなる。 ⑶ さい害をふせぐくふう…川がはんらんすると周囲の土地はじん大な 被害を受ける。はんらんをさせないように,しん食をされにくいコン クリートでかためたり,運ぱん作用をおさえたりするために,ブロッ クを置いたりする対さくをしている。 5 下流の地形 三角州のでき方 …海に入ると,急に流れがおそくなる。→たい積作 用で,まず「自然ていぼう」ができる。→その上にさらにどろやす なが積もり,水面上にあらわれる。 河口付近の海の深さと地形 …流れの速さとたい積作用の大きさを考 える。浅い海にむかって川は,ゆるやかに流れ込むので,たい積作 用が大きいので,大量の土砂が積もって,広い三角州ができる。 注ぐ海が深いと,きりたったがけから落ちる滝のように,川の水 は海に注ぐので,流れが速く,たい積作用は非常に小さい。 中学受験新演習 小4下 理科 指導のポイント 3 指導のねらい 豆電球とかん電池 ★電気用図記号と回路図を理解させる。 ★電気の流れる向きを考え,配線の仕方を考える。 重要事項の確認 1 豆電球とかん電池 補足知識・留意事項など 【練習1】 ⑴ 豆電球 フィラメント …明るく光るところ (材料:タングステン) ガラス球でおおわれ中は真空 空気中でフィラメントに電気を通すと,はげしく 熱を出しフィラメントはすぐ切れてしまうから。 ⑵ ソケット 外側:電気を通さないプラスチック 内側:電気を通すしんちゅうでできた 2 つの口金 (間はぜつえん体でへだててある) ⑶ 導線 電気をよく通す「銅」などの金属でできている ⇔まわり→ビニール(ぜつえん体)でおおう。 ⑷ かん電池 上 (金属キャップ)→ +極 …炭素棒 下 (底) → -極 …あえん ・電流の流れる向き…+極から→-極へ ・ 電圧(電流を流す力)…大きさ V(ボルト) かん電池 1 個の電圧 1.5V ⑸ 電池ホルダー …電池を固定する ⑹ 豆電球がつくしくみ 回路 …電気の通り道 かん電池の⊕→豆電球の口金→フィラメント →豆電球の口金→かん電池の⊖ 配線 …豆電球やかん電池などを電気が流れるよう に導線でつなぐこと。 2 電気用図記号と回路図 【練習2】 ⑴ 電気用図記号 …豆電球や電池などを簡単な記号 で表したもの。 豆電球 かん電池 +極 ▼指導ページ P 20 ~ 27 ▼ −極 1 豆電球とかん電池 1879 年アメリカのエジソンは炭素線をフィラメントにした電球を発 明した。エジソンは熱で切れにくい炭素線の素材を世界中でさがし,良 質な京都付近でとれる日本の竹を蒸し焼きにした炭素線で電球を商品と して売り出すことにした。そのため,1888 年に世界最初の発電所とエ ジソン電灯会社を設立した。現在使われているタングステンは融点(熱 でとける温度)が 3387℃という非常に高い金属である。 電気が広く注目されたのは,ゲーリケが摩擦電気を起こす起電機を つくってからで,1740 年以後,起電機を使った摩擦電気の実験はヨー ロッパの金持ちの間で大流行した。指からいきなり火花が飛ぶのを見て 人々はたいへん驚いた。後に日本の平賀源内もオランダの本を読み,自 分で起電機を組み立てたという。1752 年フランクリンがたこをあげて 雷が電気であることを証明して見せた。有名になったフランクリンはア メリカが独立すると外交官として活躍した。 電池の発見…イタリアのガルバーニは電気火花でカエルの手足がけい れんするのを偶然に見て実験をはじめた。その結果,電気火花がなく ても,鉄と銅の線をつないでその両はしがカエルのせきずいや神経中 すうにふれると必ずけいれんすることがわかった。これをカエル自身 がもつ電気のはたらきであると説明した。しかしボルタは,カエルで はなく 2 種類の金属をつなぐことにより電気が流れると考えた。水で ぬらした布を間にはさんだ亜鉛板と銅板を何組か重ねると両はしに電 圧が生じた。そこで,これを改良し,コップの中にうすい硫酸を入れ, 亜鉛板と銅板を中にさしこみ,亜鉛板と銅板を導線でつないで,電流 を流し続けることに成功した。これが最初の電池であり,ボルタの電 池とよばれるようになった。現在のマンガンかん電池は,フランスの ルクランシュがつくった(塩化アンモニウム溶液中に二酸化マンガン で包んだ炭素棒と亜鉛棒を入れた)電池を改良したものである。 長い間,電流の正体がわからないまま研究が続けられ,19 世紀の おわりごろトムソンがようやく電気の正体がきわめて小さな粒である ことをつきとめ,電子と名づけた。電流は,金属の中を自由に動き回 る電子が,電源(かん電池など)の電極に,ひき寄せられて,移動する 流れであることがわかった。(向きは逆になる。) 水の流れ…押し上げポンプ→コック→水道管→水車→水道管→ポンプ 電流(回路)…電池(+)→スイッチ→導線→電気器具→導線→電池(-) ⑵ 回路図 …豆電球や電池をつないだ 2 電気用図記号と回路図 回路のようすを表した図。 記号の留意点 3 配線 【練習2,3】 ・豆電球は,○の中に×(点灯を○,消灯を×などとイメージ) ⑴ ソケットを使わないつなぎ方 …電気の通り道が ・電池の+極は長い線,-極は短い線(長い方を+と覚える。) できていれば明かりがつく。 ・導線が交わるところでは,つながっていることを◦で表示する。 ⑵ 導線が切れたときのつなぎ方 …ビニールをはず 3 配線 して,中の導線同士をねじってテープで止める方法。 配線の仕方によって,豆電球のつく,つかない,ショートする場合も あるので,例をたくさんまとめておこう。電気の流れる向きを考えさせ ⑶ ショート(短らく)…+極と-極が直接つながる よう。 こと→ 一度にたくさんの電気が流れて危険! 4 電気を通すものと通さないもの 【練習2,4】 4 電気を通すものと通さないもの 自由に動き回る電子をもつ金属は電気をよく通し,電気を通さない ⑴ 電気を通すもの ゴムやプラスチックなど絶縁体では電子が固定されていて動けないので, ① 電気をよく通すもの …鉄,銅,などの金属 電流が流れない (電気を通さない)のである。 →くぎ (鉄),10 円玉(銅),1 円玉(アルミニウム) 絶縁体と導体はうまく使い分けられている。電流は直接ふれると危 ② 電気を通すもの 険なので,直接ふれる部分,コンセントやプラグ,電気のコードなどは, …えんぴつのしん,電気コンロのニクロム線 導体の銅線を絶縁体でおおってある。(水は絶縁体に分けられているが, 長いと,電気が流れにくくなる。 それは純粋な水で,水道水は不純物をふくみ電気を通す。ぬれ手で電気 ⑵ 電気を通さないもの(ぜつえん体) 器具にさわると感電することもある。) …水,ゴム , プラスチック,ガラス,ビニール スイッチ 4 指導のねらい 中学受験新演習 小4下 理科 指導のポイント 豆電球とかん電池のつなぎ方・光電池 ▼指導ページ P 28 ~ 35 ▼ ★直列つなぎとへい列つなぎを理解させる。 ★豆電球,かん電池,それぞれの直列,へい列つなぎの違いを学習する。 重要事項の確認 1 直列つなぎ 補足知識・留意事項など 【練習1】 1 直列つなぎ 電流の通り道が 1 本になるような豆電球やかん電池のつなぎ方 電流の通り道が 1 本になるようなつなぎ方 ⑴ かん電池の直列つなぎ ⑴ かん電池の直列つなぎ 豆電球の明るさ…かん電池をふやすと 1 個のときよりも明るくなる。 明るさ… 1 個のときよりも明るい。 ⑵ 豆電球の直列つなぎ ⑵ 豆電球の直列つなぎ 豆電球をふやすと 1 個のときより暗くなる。 明るさ… 1 個のときより暗くなる。 ⑶ 直列つなぎでは,かん電池を 1 個はずすか,豆電球 1 個をソケット ⑶ 直列つなぎと電気の通り道 …かん電池または, からはずすと回路が途切れるので,豆電球は消えてしまう。 豆電球を 1 個はずすと消えてしまう。 2 へい列つなぎ 2 へい列つなぎ 【練習1】 電気の通り道が 2 本以上になるような豆電球やかん電池のつなぎ方 電気の通り道が 2 本以上になるようなつなぎ方 (家庭では電灯や電気器具を個々に使えるように並列つなぎにする。) ⑴ かん電池のへい列つなぎ ⑴ かん電池のへい列つなぎ 明るさ…かん電池 1 個のときと同じ。 豆電球の明るさ…かん電池をふやしても,かん電池 1 個のときと同じ。 ⑵ 豆電球のへい列つなぎ ⑵ 豆電球のへい列つなぎ 豆電球の明るさ…どの豆電球も 1 個つないだときと同じ。 明るさ… 1 個つないだときと同じ。 ⑶ へい列つなぎでは,かん電池を 1 個はずすか,豆電球 1 個をソケッ ⑶ へい列つなぎと電気の通り道 …かん電池または, トからはずしても,豆電球は同じ明るさのまま。 豆電球を 1 個はずしても明るさは同じ。 3 豆電球の明るさと電流 3 豆電球の明るさと電流 電流 電気の流れ 一定時間(1 秒間)に流れる電気の量 検流計…回路を流れる電流の大きさと向きを調べる 検流計…回路を流れる電流の大きさと向きを調べる。 ・つなぎ方…回路に直列。 ・つなぎ方…回路に直列。 ・大きい電流が流れると,はりも大きくふれる。 ・大きい電流が流れると,はりのふれも大きくなる。 ・電流の向きを逆 → はりのふれも逆になる。 ・電流の向きを逆にすると,はりのふれも逆になる。 4 かん電池と豆電球のつなぎ方 【練習1,2】 4 かん電池と豆電球のつなぎ方 ⑴ かん電池のつなぎ方と豆電球の明るさ,かん電池の弱まり方 ⑴ かん電池のつなぎ方と豆電球の明るさ,かん電池の弱まり方 ①かん電池の直列つなぎ ① かん電池の直列つなぎ かん電池が 2 個,3 個,…⇒豆電球を流れる電流は,2 倍,3 倍, ⇒流れる電流は,2 倍,3 倍,…→明るくなる。 …となり,明るくなる。かん電池が増えるにしたがい,弱まるのが かん電池の弱まり方→早くなる。 早くなる。 ② かん電池のへい列つなぎ ②かん電池のへい列つなぎ ⇒流れる電流の大きさは同じ→明るさは同じ。 かん電池が 2 個,3 個,…⇒豆電球を流れる電流の大きさはかん電 かん電池の弱まり方→おそくなる。 池 1 個分のままなので,豆電球の明るさは変わらない。電池 1 個の ⑵ 豆電池のつなぎ方と明るさ,かん電池の弱まり方 弱まり方…電池が 2 個,3 個,…⇒ 12 倍, 13 倍,…とおそくなる。 ① 豆電池の直列つなぎ ⑵ 豆電池のつなぎ方と明るさ,かん電池の弱まり方 1 1 ⇒流れる電流は 2 倍, 3 倍,…→暗くなる。 ①豆電球の直列つなぎ かん電池の弱まり方→おそくなる。 豆電球が 2 個,3 個,…⇒豆電球を流れる電流は 12 倍, 13 倍,…と ② 豆電池のへい列つなぎ なり,暗くなる。(かん電池 1 個分を各電球で分けて使う。) かん電池 1 個の弱まり方…かん電池が 2 個,3 個,…⇒ 12 倍, 13 倍, ⇒豆電球を流れる電流の大きさは同じ。 …とおそくなる。(長持ちする) 豆電球 1 個の明るさは変わらない。 ②豆電球のへい列つなぎ (回路全体を流れる電流は,2 倍,3 倍,…) 豆電球が 2 個,3 個,…⇒豆電球を流れる電流の大きさは同じ,豆 かん電池の弱まり方→早くなる。 電球 1 個の明るさは変わらない。(回路全体を流れる電流は,2 倍, 5 モーターと光電池 【練習3】 3 倍,…になる。へい列の各部分を流れる電流の和=回路全体を流 ⑴ モーター れる電流。 検流計…直列,切り替えスイッチは電磁石 かん電池の弱まり方…豆電球が 2 個,3 個,…⇒ 2 倍,3 倍,…と 電流の大きさ 2 倍→速く回転 はやくなる。 電流の向き逆→逆回転 6 モーターと光電池 ⑵ 光電池 太陽の光で電気をつくる装置 モーター の回転する速さは豆電球の明るさと同じように考える。電 電流を大きくする方法 流の大きさが大きいほど速くなる。 光電池 …太陽の光を受けて電気をつくる装置 ・太陽光を光電池に垂直に当てる 光電池の利点 ・鏡で光を集める ・排気ガスを出さないので環境によい。 ・光電池を直列につなぐ ・半永久的に使える。 光電池の利点 ・設備のない砂漠などでも使える。 ・はい気ガスを出さないので環境によい ・いろいろな用途に利用できる。 ・半永久的 光電池の不利な点 ・いろいろな用途に利用できる ・くもりや雨が続くと,太陽光が得られないので,電池が切れる。 中学受験新演習 小4下 理科 指導のポイント 5 第 1 回~第 4 回のまとめ ★各回の復習をすることで,正答の定着を図る。 ★身近な道具や生物を使い,そのものへの理解を深める。 指導のねらい 重要事項の確認 補足知識・留意事項など 1 石のようす 第 1 回,第 2 回の復習 1 石のようす 上流 中流 下流 ▼指導ページ P 36 ~ 39 ▼ 流れのようす 川岸のようす 速い V字谷,かめあ なたき,早瀬 角ばっていて 大きい 角がとれて 小さい 中くらい 扇状地 おそい 三角州 丸くて たいへん小さい 流れの速い上流では石がはげしくぶつかりあって割れるので,割れ目 が角ばっている。石はくだかれて小さくなり,下流に運ばれていくうち にこすれあって角がとれてだんだん丸くなる。 流れの速さはかたむきが急で川はばのせまい上流が速く,平らで川は だ行 三日月湖 ばの広い下流ではおそい。(流れの速さは,かたむき,川はば,水量な どできまる。) 地形 しん食→V字谷 川底がしん食されてできるきりたったがけ 2⑴ 流れの向き 川はば: (上流)せまい → (下流)広い ⑵ 断面の形 たい積→(山地→平地) 扇状地 (河口→海) 三角州 主に流れの速さのちがいで川の断面の形状がきまる。 2⑵ 川の断面 ア 左右対称,中央が深い… まっすぐ イ 左が深い… 左曲がり(外側は流れが速く,底が 深い) まっすぐな川…中央が速く,岸に近づくとおそくなる→中央が深く,岸 に近づくほど浅くなる。(流れが速いとしん食で深くなる。) 曲がった川…外側では,流れが速く,岸はしん食でけずられ,川底も深 ウ 右が深い… 右曲がり 上流では石だけ(下流にいくほど小さなつぶが多 く) しずんでいる ・流れの向き (上流) ア→イ→ウ (下流) 3 しん食作用(上流) V字谷(両岸がきりたったがけ) たい積作用(山→平地)扇状地,(→海)三角州 (だ行する)川のはんらん くびれた部分→三日月湖 4⑴⑵ 水量が多く,川はばがせまく,かたむきが急→ 速い ⑶ 積もる順 (つぶの小さなものほど,上に積もる) とつ ぶの大きさ→ (下,大) 小石>すな>どろ (上,小) ⑷ 川の流れが速くなると さらに遠くまで運ばれる。 くなる。内側では,流れがゆるやかで,たい積で川底は浅くなり,川 原が広がる。 5 タングステン 熱に強い。ゆう点(とけて液体になる温度)が高いの で切れにくい。 かん電池の記号と形状 +(記号) 長い (形状)凸, -(記号) 短い (形状)平底 電池の基本は,電流を通す液に二種の金属板をひたしたもの。かん 電池では,液が 2 重になっていて,極板に炭素棒と亜鉛を使う。陽極 で金属のはたらきをするのは,水素で(-極のあえんから電子が出て それを+極で水素が受け取るしくみ。) 6 ショート を水のモデルで考えるとこう水のようなもの,多量の電流 がいちどきに流れるので非常に危険である。(落雷に打たれるのと同じ 第 3 回,第 4 回の復習 くらい危ない。) 5 豆電球 光る部分フィラメント(←タングステンが原料) 図 2 直列で電池を 2 つにふやすと電球の明るさは 2 倍になる。 かん電池 凸のふた(→ +極 ) 平らな底(→ -極 ), 中央 (内側)から順に炭素ぼう・二酸化マンガンと 炭素のこな・塩化アンモニウムと塩化あえん・あ えん (外側) 6 +極と-極を直接につなぐと ショート(短らく)す る。→豆電球はつかない。電流の流れる向き(電池の 記号)+極 (記号:ぼうが長い方)→-極(短い方)。ひ とつ取りはずしてもついているのは,並列つなぎ。明 1 るさの順 図 2(2 倍)←図 1・4 →図 3・6 2 倍 ( ) 7⑴⑵ かん電池 直列 …図 2,4,5 へい列 …図 3 豆電球 直列 …図 5 へい列 …図 4 ⑶ かん電池が直列つなぎで,豆電球がへい列つなぎ。 ⑷ 豆電球の明るさ…図 1,3,5 … 1 →図 2,4 … 2 倍 ⑸ かん電池:へい列つなぎ→ 1 つとりはずしてもつく ⑹ かん電池を流れる電流の大きさを比べる。 図 1,5 = 1 ,図 3 = 1 (0.5) (最も小さい→長持 2 ち) ,図 2,4 = 2 ⑺ A点を流れる電流 図 1,3 … 1,図 2,4,5 … 2 ⑻⑼ 豆電球 へい列 … 1 つとりはずしても変わら ない。 直列 … 1 つとりはずすと消える。 図 3 へい列で豆電球を 2 つにふやすと電球は暗くなる。この状態のま まかん電池をへい列にもう一つつないでも(図 6)豆電球の明るさは変 わらない。 7 かん電池をたてにならべれば直列,横にならべればへい列というわけ ではない。へい列の回路(図 3)では,電池と電池を直接に結ぶ 2 本の線 が同じ極どうし(+と+,-と-)をつないでいる。直列では,電池と電 池は+と-が結ばれている。 ポイント 電球の明るさや電流の大きさくらべは,単純な回路から順に たどる。 ・電球の明るさ 図 1 →図 2 で電池を 2 こ直列につなぐと明るさは 2 倍になる。そ のままで電球をへい列につないでも(図 4)明るさは変わらない。図 1 →図 3 で電池を 2 こへい列につないでも電球の明るさは変わらな い。図 2 →図 5 電球をへい列に 2 こつなぐと半分の明るさになる ので,結局,図 1,3 と同じになる。 ・A点の電流の大きさくらべ かん電池 2 こを図 1 →図 2・4・5(直列つなぎ)…電流の 2 倍。図 1 →図 3(へい列つなぎ)…電流は同じ大きさのまま 同じかん電池を 2 こつなぐ場合,へい列につないだ方が長持ちする。(電池のある 部分の回路は,枝分かれしているので,流れる電流が半分になるか らである。電池を使うとき,流れる電流が小さいほど長持ちする。) 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 6 指導のねらい 秋の植物 ▼指導ページ P 40 ~ 47 ▼ ★秋に花を咲かせ,冬にそなえる植物について学習する。 ★紅葉と黄葉,落葉樹と常緑樹の代表的な植物を覚えさせる。 重要事項の確認 1 野原の植物 補足知識・留意事項など 【練習1】 1 野原の植物 冬がくる前に,花を咲かせて,種子をつくる。 中性植物…日照時間の長短に関係なく花を咲かせる植物 主な草花…ヒガンバナ,イヌタデ,ヨメナ トウモロコシ,トマト キクイモ,エノコログサ, 長日植物…春から夏にかけて,昼(日照時間)が長くなると花を咲かせる 秋の七草 …ススキ,キキョウ,オミナエシ, ムギ,アヤメ,レンゲソウ,ホウレンソウ,スミレなど ナデシコ,クズ,フジバカマ,ハギ 短日植物…夏から秋にかけて,昼(日照時間)が短くなると花を咲かせる 2 庭や花だんの植物 【練習2】 イネ,キク,ダリア,コスモス,ホウセンカ ⑴ 花だんの植物 キク,コスモス,サルビア,ケイトウ,ダリア, ヒャクニチソウ,マリーゴールド イネのなかま ・ススキ…赤むらさき色の穂(花)を出す。 花が咲く時期…夏の終わり~秋 →穂は白っぽくなる。 ⑵ 秋植えの種子と球根 →穂にできた種子が風にのって飛ぶ。 ・アブラナ,エンドウの種子 イネやムギ,ススキの穂は花である。 ・チューリップ,ヒヤシンス,クロッカスの球根 ・エノコログサ…秋が深まると,穂の部分に黄色い実がじゅくする。 ⑶ ヘチマの実のようす キクのなかま 夏:緑色で重い実 ・ヨメナ…日あたりのよい野原や道ばたに咲く,うすむらさきの花。 秋:じゅくして,水分の少ない茶色の軽い実。 ・キクイモ…野原に群れる背の高い草,こい黄色の花。 たわしに利用される。 地下のクキ(イモ)に養分をたくわえている。 3 秋の木のようす 【練習3】 こう葉…気温の低い北の地方,高い山→南,低い土地 ⑴ 落葉樹 秋に葉が色づき,やがて葉を落とす樹木。 長日植物や短日植物の性質を利用して,人工的に日照時間を変えて花 の咲く日時を調節できる。 ① 紅葉 する葉… (イロハ)モミジ,サクラ,カキ, →キクやキュウリの栽培に利用。キク(電照菊)は,夜も電灯で照らし ヌルデ,ツタウルシ,ニシキギ, 続け,開花時期をおくらせる。 ヤマブドウ ② 黄葉 する葉…イ チョウ,ポプラ,イタヤカエ デ,エノキ,カラマツ その他の秋の草花 ・秋 の初めに咲くオミナエシ(黄色),ハギ(赤むらさき),ヒガンバナ ③茶色になる葉…クリ,コナラ,クヌギ,スズカ ケノキ,メタセコイア ⑵ 常緑樹 緑色の葉をつけたまま,冬をこす樹木。 (マンジュシャゲ)…彼岸のころ(9 月 20 日ごろ)雑木林のへりで咲く 赤い花。(このころは葉がなく,花が終わると,葉がのびる。) ・イヌタデ(アカマンマ)…背丈の低い草,小さなたくさんの赤い花 (カラマツ以外の)マツ,スギ,カシ,シイ,ツツ 4 実や種子の散らばり方 ジ,ヒノキ 4 実や種子の散らばり方 【練習4】 ⑴ 風によって運ばれる実や種子 ①ススキ ②マツ,カエデ ⑵ 動物のからだなどについて運ばれる実や種子 ⑴ 風が運びやすい種子のつくり ①ススキ…柔らかく細いたくさんの毛がはえた,とても軽い種子。 ②マツ,カエデ…プロペラのような羽を回転させながら飛ぶ。 ⑵ 動物のからだや人の衣服などにつく …とげやねばねば ①センダングサ,イノコヅチ,チカラシバ ①センダングサ,イノコヅチ,チカラシバ …先がかぎばりのようにとがっていて,動物の毛にひっかかる。 ②オナモミ,ヌスビトハギ ②オナモミ,ヌスビトハギ:びっしりとはえた細かいとげで動物の毛 ③メナモミ ⑶ 動物に食べられて運ばれる実や種子 ①ミズキ,ヤドリギ,ツルウメモドキ につく。 ③メナモミ…表面がねばねばしていて,動物のからだにつく。 ⑶ 動物に食べられて,消化されず,ふんにまじって体外に出され散ら …小さな実は小鳥のえさ。 ばる。 ②ヤマブドウ,アケビ,カキ ①ミズキ,ヤドリギ,ツルウメモドキ…小さな実は小鳥のえさ。 …サルなどが食べる。 ②ヤマブドウ,アケビ,カキ…サルなどが食べる。 ⑷ 実がはじけて散らばる種子 ①ホウセンカ ②ゲンノショウコ ⑸ 落ちて散らばる実や種子 カシ,シイ,コナラ,クヌギなど …じゅくすると自分の重さで地面に落ちて転がり, 散らばる。 ⑷ 種子を自力ではじき飛ばす。 ①ホウセンカ…実の皮が内側にまきあげられるとき。 ②ゲンノショウコ…実の皮がまくれ上がるとき,種子がはじき飛ばさ れる。 ⑸ 転がって散らばるドングリのなかま カシ,シイ,コナラ,クヌギなど。 じゅくすると自分の重さで地面に落ちて転がり,散らばる。 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 7 指導のねらい 秋の動物・天気 ▼指導ページ P 48 ~ 55 ▼ ★秋の生き物たちの生態について学習する。 ★秋の太陽の変化を日照時間の変化とともに学習させる。 重要事項の確認 1 秋のこん虫のようす 【練習2】 オス…鳴いてメスを呼び寄せ,交尾をする。 メス…鳴かない。交尾の後で,産卵をする。 ⑴ 鳴くこん虫のなかま ①コオロギのなかま…エンマコオロギ,マツムシ, スズムシ ②キリギリスのなかま…キリギリス,ウマオイ, クツワムシ ③バッタのなかま…トノサマバッタ, ショウリョウバッタ ⑵ こん虫の産卵のようす ①カマキリ…木のえだなどにあわにつつまれた卵を 産む。 ②コオロギ,トノサマバッタ…土の中に卵を産む。 ③アキアカネ(赤トンボ)…池などに卵を産む。 2 秋の鳥のようす 【練習1】 ⑴ わたり鳥 ① 夏鳥 …春 に来て,日本で産卵,子育て,秋,南 の国に帰っていく。 ツバメ,カッコウ,ホトトギス ② 冬鳥 …夏 の間,北国で産卵,子育てをし,秋に なって日本にやって来る。 ハクチョウ,ガン,カモ,ツグミ。 ③ 旅鳥 …わたりの途中,日本にたち寄る。 チドリ,シギ ⑵ わたりをしない鳥 ① 留鳥 …一年中同じ場所でくらす。 スズメ,カラス,キジバト ② 漂鳥 … (小さなわたり) 気温の変化で,国内を 南北,山間と平地の間を移動する。 ウグイス,ヒバリ,メジロ 3 秋の魚のようす 【練習4】 ⑴ 海から川をのぼる魚 ・サケ…海で成長,秋に生まれた川をさかのぼる。 ⑵ 川から海へ下る魚 ①アユ…秋になると産卵,ふ化すると川を下る。 ②ウナギ…秋に川を下り,海で産卵する。 4 冬眠する動物のようす 【練習4】 ⑴ 冬眠する動物(体温が変化する動物) カエル,トカゲ,ヘビ …まわりの気温で体温が変化(変温動物) 気温が低いと活動できない。→冬眠する。 ⑵ 冬眠の準備をする動物 シマリス,ヤマネ,コウモリ,クマ …秋の間にえさをたくわえたり,食べたりして冬 の冬眠に備える。 5 秋の天気 【練習3】 ⑴ 気温の変化 気温は低くなる→太陽の高度が低く,日が短くなるから。 ⑵ 日照時間と降水量 太平洋側…天気の良い日が多くなる。 日本海側…雨や雪の降る日が多くなる。 ⑶ 秋の天気の特ちょう ・9 月中ごろ…梅雨に似たぐずついた天気が続く。 ・夏~ 10 月ごろ…台風が日本に多く近づく。 ・10 月…晴 れの日と雨やくもりの日が数日おきに 繰り返される。 →よく晴れたさわやかな日が多くなる。 ・11 月 太平洋側…晴れる日が多い。 日本海側…しぐれ(冷たいにわか雨)がよく降る。 (しぐれとともに葉が落ちて本格的な冬が来る。 ) 補足知識・留意事項など 1 秋のこん虫のようす からだの色…コオロギは,茶色か黒。キリギリスは,緑から茶色。 カマキリ,バッタ,アキアカネ…秋に交尾をし,産卵する。 ・カマキリのメス…交尾が終わると,オスを食べて養分にする。その後 で,木の枝などに,あわにつつまれたようなたまごを産む。 ・バッタ…産卵管を地面の中にさしこんで土の中に産卵する。 ・アキアカネ(アカトンボ)…夏の間:山地でくらす間,体の色は黄だい だい→秋に成熟し,はらが赤くなる。産卵のために平地におりて,池 などに卵を産む。 2 秋の鳥のようす わたり鳥とは? ・暖かくなると北に,寒くなると南に広い地域を移動する。 ・夏の間にたまごを産んでひなを育てる。(日本をもとにして産卵や子 育てをする場所のちがいで次のように分ける。) ①夏(夏を日本で過ごす)鳥…春日本に来て,夏の間に子育てをする。 秋,寒くなると,南の国にわたっていく。…ツバメ,カッコウ,ホ トトギス・カッコウ→他の種類の鳥の巣に卵を産み付け,その鳥に 子育てをさせる。 ②冬(冬を日本で過ごす)鳥…夏の間,北の国で子育てをすませ,秋, 日本に来て海辺や湖沼で冬をすごし,春,暖かくなると,北の国に わたっていく。 ③旅鳥…旅のと中日本で羽を休める。日本以外の国で子育てや冬越し をする。 わたりをしない(日本に住む)鳥 ①留鳥…気温が変化しても移動しない。1 年中ほぼ同じところにすむ。 カラスやスズメなどは人家や田畑の近くでえさをとる。 ②漂鳥…気温の変化で日本国内の南北,山地と平野の間を移動(山に すみ,平地で冬ごし)する。 3 秋の魚のようす サケは海流にのって海を移動し,川のにおいをかぎわけて生まれた場 所をみつけるという。ウナギが海でどんな生活をするのかよくわかって はいない。同じなかまでも,アナゴは海岸の付近にとどまり,細長い穴 の中でくらしている。 4 冬眠する動物のようす カエル,ヘビなどの変温動物はほぼ外気と同じ位まで体温を下げる のに対し,ヤマネやコウモリは外気温よりも少し高い温度で冬眠をする。 クマの冬眠は睡眠に近い状態になっていて,体温の変化も数度しか違わ ない。いずれの場合においても,体の代謝機能を数十分の一まで低下さ せている。 5 秋の天気 地球は地軸 (南極と北極をむすぶ軸) がかたむいたまま,太陽のまわり を公転している。秋から冬にかけて北半球は太陽から遠ざかるので,太 陽の南中高度は低くなり,昼の長さは短くなり,気温が低くなるのである。 ・夏から秋にかけて,日本付近は,台風の通り道になる。台風は,南太 平洋の海上で,温められた空気がはげしく上昇して発生した,速さが 毎秒 17 m以上の強い風が中心に向かって吹き込む熱帯低気圧をいう。 ・秋雨前線…梅雨のときのように,季節風の向きが変わるころは,冷た い空気がのびてきて,温かい空気を押してできる境い目 (前線) が日本 の付近にとどまり東西に長い雲の帯をつくり,ぐずついた雨を降らせる。 ・大陸から吹く北西の季節風が日本海をわたるとき,吸収した水じょう 気を吹き寄せ,日本海側に,多くの雨や雪を降らせる。季節風は,山 地をこえると冷たくかわいた風(からっ風ともいう)になるので太平洋 側では晴れた日が多くなる。 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 8 空気と水の温度による変化 ▼指導ページ P 56 ~ 63 ▼ ★空気や水の温度と体積の関わりについて学習する。 ★冷房や暖房の例を出して実際に確かめておきたい。 指導のねらい 重要事項の確認 補足知識・留意事項など 1 空気や水の体積と温度 【練習2】 あたためると液体や気体の体積はふえる。 体積のふえ方は液体よりも気体の方が大きい。 ⑴ 気体の体積の変化と温度 1 空気や水の体積と温度 温度計の目盛りが温度によって規則正しく変化するのはどうしてか。 ⑴ 気体の体積変化と温度 温度による気体の体積変化が液体に比べて大きいのはどうしてだろ ・口にせんをした注しゃ器に空気をつめ,熱湯につ う。気体の中は,すきまだらけで,目に見えない小さな粒がたくさん けると,中の空気の体積がふえるので,ピストン 散らばっている。おすと気体はちぢみ,体積がちいさくなるのは,す があがる。 30℃ きまがつまって粒がちいさなすきまに集まってくるからだ。 30℃ このように考えると,温度の場合はどうだろう。温度が高いとこ 温度 20℃ 50℃ 80℃ … ろでは,気体の中のたくさんの小さな粒はさかんに動きまわっている。 体積 20cm3 22cm3 24cm3 … 温度が下がると動きがにぶってくる。温度が上がると小さなつぶが 2cm3 いっそうさかんに動き回りさらに広はんいに散らばるので気体の体積 2cm3 ⑵ 液体の体積の変化と温度 がより大きくなるのだ。温度が上がれば体積はかぎりなくふえる。 温度がさがるときはどうだろう。 普通の気圧で 0℃,273cm³ の気体がある。この気体は温度が 1℃下 温度が上がる→水の体積も大きくなる。 がるとおよそ 1cm³ ずつちぢんでいくことが知られている。- 273℃ 水の体積変化と重さ…同じ体積で比べる あたりで体積 0 になるのではないか。しかし,気体はこんな低温にな 水の温度が高くなる→軽くなる。 る前に液体や固体になってしまう。体積のへり方はずっと少ない。そ ただし れにしても,低い温度には,限界がありそうだ。 4℃のとき,水は最も体積が小さくなる。 ⑵ 液体になると,体積の変化はぐんと少なくなる。液体の中では小さ 他の液体と同じ様に,水も,4℃以上では, なつぶたちはおたがいに手をつなぎあってかってに動き回ることがで 温度が上(下)がると,体積が増える(へる)。 きない。水のじょう発は,ひとりひとりのつぶたちが手をはなして空 気中に出ていくこと,ふっとうは,みながつないだ手をいっせいに放 ・温度計につかわれる液体 すことだと考えられる。 水銀や色をつけた灯油またはアルコール温度が上 液体ではつぶはゆるやかにつながっている。温度が上がるとそれぞ (下) がると体積がふえる(へる)性質を利用。 れのつぶははなれるように動いて,すきまを広げるので,少しずつ体 水は 4℃以下では温度が下がると逆に体積が増え るので温度計に適さない。 2 水や空気のあたたまり方 【練習1,3,4】 対流 …熱のつたわり方に関する空気や水の動き 温かい空気や水 →体積 増→軽い→ 上へ 冷たい空気や水 → 下の方に下がる →これを繰り返しながらやがて全体があたたまっていく。 ⑴ 水のあたたまり方 ・おがくずの動きで水の対流をたしかめる。 →おがくずは熱しているところで上がり,熱して 積がふえていく。 水は特別な液体 水の場合は,少し変わった性質がある。4℃のとき,水は最も体積 が小さくなる。(4℃のとき,水 1cm³ の重さは 1g)他の液体と同じよ うに,水も,4℃以上では,温度が上(下)がると,体積がふえる(へ る)。ところが,4℃以下では温度が下がると,逆に,すきまがあいて 体積がふえていきそのまま氷になる。(氷は水よりもすきまの多い不 思議な固体なのである。) (普通の固体は,液体よりもすきまなく小さな粒がつまっている。) いないところでは下がる。 ・水の対流が起こる理由 2 水や空気のあたたまり方 A:冷たい水を入れたふくろ 対流とは? B:熱い湯を入れたふくろ 20℃の水の中に入れるとAは下にしずみ,Bは上 にうく。 →同じたい積の水は,温度が高くなると軽くなる 熱気球…気球の中の空気をガスバーナーで熱すると 気球は大空にあがっていく。 (まわりの冷たい空気より軽くなるため。) ⑵ 空気のあたたまり方 ・せんこうのけむりで空気の対流をたしかめる。 →けむりはあたたまるところに流れてから上向き に上がり,天井とかべをつたって降りてくる。 あたためられた空気や水は体積がふえると,軽くなり(動きも活発 になって)上の方へ上がり,冷たい空気や水はそのすきまをうめるよ うに下の方に下がる。これをくり返しながら,上の方から順にだんだ んと熱くなる。 空気の対流の応用 熱気球…気 球の中の空気をガスバーナーで熱すると気球は大空にあ がっていく。(同じ体積で比べると,気球内の空気がまわり の冷たい空気よりも軽くなるため。) 工夫して,空気や水の中の熱の伝わり方「対流」を観察しよう。目 に見えない空気や水の小さなつぶのかわりに,線香のけむりやおがくず の動きで,対流をほぼ正確に観察できる。ごく軽いものなら空気や水と いっしょに動くからである。 例 水面に浮かぶ花粉は水の最小の粒とほぼ同じように動く。 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 9 金属の温度による変化 指導のねらい ▼指導ページ P 64 ~ 71 ▼ ★固体の温度変化と体積の関係について学習する。 ★電車のレールなど身近のものとの関わりで意欲を高めたい。 重要事項の確認 1 金属のあたたまり方 補足知識・留意事項など 【練習1,2】 空気や水…あたためめられたところが動いて全体を温 1 金属のあたたまり方 熱の伝わり方のまとめ ・ 伝導 …固体の中を,熱(源)を円の中心にして,近い(温度の高い)と めた。 ころから遠い(温度の低い方)方へと円周が広がっていくよう ⑴ 金属の熱の伝わり方 金属を熱する→熱した部分に近い順に熱くなる。 ⑵ 伝導 …温 度の高い方から低い方へもの(固体)の に伝わっていく。 ・ 対流 …液体や気体では,温められた部分は比重(密度,同じ体積の重 さ)が小さく(軽く)なるので,上の方にいき,冷たい部分がそ 中を順に伝わっていく,熱の伝わり方 のすきまをうめるように下にさがる。このような動きをくり ⑶ 熱の伝わりやすさ…金属は熱を伝えやすい。 ①金属の熱の伝わりやすさ かえして,上の方から順に熱くなる。 ・ 放射 …太陽やストーブの火など高温の熱を出すものは自ら光や熱(赤 熱の伝わりやすさ(速さ)の順 外線)を送り出して周囲に直接熱を伝える。 銀,銅,アルミニウム,鉄 →あたたまりやすく,冷めやすい 温度と熱 ②熱が伝わりにくいもの 昔は,熱のもとになるものがあってそれが直接やりとりされて熱が ・木,プラスチック,ガラス 比較的熱をよく伝え,透明で見やすいガラス …フラスコ,試験管などの実験器具 ⇔熱を伝えにくい木やプラスチック …やかん(なべ)の取っ手,試験管ばさみ 2 固体の体積変化 【練習3,4】 ⑴ 固体の温度による体積変化 変化の割合は小さい あたためると体積がふえ,冷やすと体積がへる。 体積変化の割合 大 気体>液体>固体 小 ⑵ 体積変化と同じ体積あたりの重さ 固体をあたためる(冷やす)と,同じ体積あたりの重 さは軽く (重く)なる。 →あたためる(冷やす)と体積はふえる(へる)が,全 体の重さは変わらないから。 ⑶ 温度による金属の体積の変化を調べる実験 伝わると考えられていた。ランフォードは大ほうをみがいていると, つつが熱くなるのを見て熱の出入りのもとになるものが何もないと 思われ,摩擦だけで熱が発生することから,熱はものをつくる小さな 粒の運動によると考えた。その考えで説明すると,高温な物体の内部 ではつぶがはげしく運動していて,その運動が低温の物体に伝わって いくということになる。低温になると,つぶの動きはおだやかになり, やがて動かなくなるときがくる。このときの温度は約- 273℃で,そ れ以下の温度にはならないこともわかった。温度はものの内部の運動 の状態を表す尺度となった。 2 固体の体積変化 固体,液体,気体の温度による体積変化の違いをつぶの運動で説明す ると,固体はつぶがぎっしりとつまっていて動ける範囲がせまいので体 積変化が小さい。気体はすきまだらけでつぶが散らばっているので,つ ぶは自由に動き回れる。高温になると各つぶはより広い範囲をはげしく 運動して全体がひろがっていくので体積がどんどん大きくなっていく。 体積変化が大きいのは,このためである。 金属の球を 冷やす →体積が小さくなり輪を通り抜ける。 固体は液体よりもつぶがぎっしりつまっている。氷と水では,この 金属の球を 熱する つぶのつまり方が一部逆になっている。例外的に氷は水よりもまばらで →体積が大きくなり輪を通り抜けれない。 すきまのある固体なのだ。水は 4℃で最もぎっしりつまった状態になる, ⑷ 金属の種類と体積変化 変化の割合 大 アルミニウム>銅>鉄 小 ⑸ 固体の体積変化 観察と利用 ①ガラス管を立てフラスコをあたためるとき 4℃以下になるとつまりぐあいがゆるみすきまが広がっていき,そのま ま氷になってしまう。水より内部にすきまの多い氷は同じ体積の水より も軽いので,水に浮く。極地の氷山は,大きな氷が水に浮いている状態 である。 初め水面が下がる…フラスコの体積がふえたため。 水面が上がる…中の水や空気の体積がふえたため。 金属の体積変化やそのちがいの利用 ④バイメタル…体積変化の割合のちがう 2 種類の金属をはり合わせたも ②電線の長さの変化 夏は電線がたるむ。気温が高くなると,電線は (体積がふえ,長さも)長くなる。 ③電車のレールの長さの変化 夏 (冬) はレールとレールのすき間がせまく(広く) なる。レールの体積がふえ(へり),レールの長さ も長 (短)くなる。 の。アルミニウムと鉄をはり合わせたもの。 →あたためると体積変化の大きいアルミニウムののびが鉄よりも長い ので,鉄の方に曲がる。 →こたつのスイッチに使う。熱でのびやすいアルミ側をスイッチに接 するようにセット,温度が高くなりすぎる前にそりかえってはなれ, スイッチが自動的に切れる。 ⑤焼きばめ…円ばんを輪(の穴)にはめる方法 輪だけをあたためると穴が広がるので円ばんをはめやすくなる。 →はめたあとで,輪を冷やすと穴がせまくなって,円ばんがはずれな くなる。きつく閉まったふたがとれないとき,ふたを少しあたため るととれる場合があるが,それもこの応用。 10 指導のねらい 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 第 6 回~第 9 回のまとめ ▼指導ページ P 72 ~ 75 ▼ ★各回を総合した復習を行う。 ★固体,液体,気体が熱によって与えられる影響の違いについてまとめて学習する。 重要事項の確認 1 第 6 回の復習 ⑴⑵ ①はりや②とげで→動物のからだにくっつく。 ③やわらかい毛→風に飛ばされやすい。エのプロペ ラ→風で飛ぶマツやカエデ。 ⑶ イノコヅチやチカラシバ 2 第 6 回の復習 ⑴ 特徴 ①小さなたくさんの花。②花の形,葉がな い。③ススキの穂(花)。 ⑵ ①紅葉が美しい。②特徴ある形。 ⑶ 色づく葉の代表的なもの①赤くなる。②黄色くな る。 3 第 7 回の復習 ⑴ 夏鳥 …日本で夏をすごす(ツバメ,カッコウ) 冬鳥 …日本で冬をすごす (ツグミ,ハクチョウ,ガン) 旅鳥 …わたりのと中で日本にたちよる (チドリ,シギ) 漂鳥 …秋に山地から平地に移動 (ウグイス,ヒバリ) 留鳥 … 1 年中同じ場所にいる (スズメ,カラス,キジバト) ⑵ ①特徴 かぎではさむような口元の形。②海流 にのり,川に近づくと「におい」をたよりにさがす。 ③川をさかのぼって産卵する。 ⑶ ①メスを呼びよせ交尾するために,オスが鳴く。 ②エンマコオロギ…「玉を転がす」音にたとえられる。 ⑷ トンボは平地で産卵,よう虫のヤゴは水の中でく らす。 ⑸ 季節風が日本海から水じょう気を運ぶ→大雪が降る。 4 第 8 回の復習 ⑴→⑶のイ フラスコ内の空気をあたためるとその体 積がふえるので,赤インクはイの方向に動く。 ⑵→⑶のウ フラスコ内の空気を冷やすとその体積が へるので,赤インクはアの方向に動く。 5 第 8 回の復習 アルコールをあたためると,重さは変わらず,体積 はふえる。水をあたためると,重さは変わらない。体 積は,0℃から 4℃の間はへり,4℃以上になるとふえ る。温度による体積の変化の大きさ。 (小) 固体<液体<気体 (大) 6 第 9 回の復習 ⑴ 夏,気温が上がると,電線の体積がふえ,長さも ながくなるので,たるむ。 ⑵ 夏,気温が上がると,レールの体積がふえ,長く なるので,そのすき間はせまくなる。 7 第 8・9 回の復習 ⑴ 金属などの固体は火に近い方から順に熱くなる。 ⑵ 伝導…熱は固体中を順に伝わっていく。 ⑶ 水は上の方から先にあたたまる(下の方は冷たい)。 ⑷ 対流…あたたまった水は上に,冷たい水は下にいく。 ⑸ ア 木は熱を伝えにくい。 イ 水のじょう発の性質。 ウ 放射という熱の伝わり方。 エ 金属は熱を伝えやすいのであたたまりやすい が,すぐ冷える。 オ 炭の黒さが太陽の熱を多く吸収し,雪(氷)を とかす。 カ 対流。 補足知識・留意事項など 1 第 6 回の復習 ⑴ 形の特徴をおさえる。 ①種子の先のはり。②細かい毛。③柔らかく軽い羽毛。 ⑵ 動物のからだにつく→ア…センダングサ,イノコヅチ,チカラシバ ウ…オナモミ,ヌスビトハギ 風にはこばれる→イ…ススキ,エ…マツ,カエデ 2 第 6 回の復習 ①カエデ…てのひらを広げたような形 ②イチョウ…おうぎをひろげたような形 3 第 7 回の復習 ⑴ わたり鳥 あたたかくなると北に,寒くなると南に移動する。夏の 間に子育てする。どの季節を日本ですごすかで,夏鳥,冬鳥に分ける。 旅鳥は旅のと中で日本にたち寄り羽を休めるもの。漂鳥は,日本国内 を移動,夏はすずしい山の上ですごし,秋にすずしくなると平地にお りてくる。留鳥は 1 年中同じ所にすむ。ライチョウのように高山にす むものもあるが,多くは人家の近くでよく見かける。 ⑵ さけのとくちょう 口の形,せびれの位置や形状に注意。 うまれたところのにおいを記憶しているというが,その記憶のしくみ やはたらきはよくわかっていない。 ⑶ コオロギ,キリギリスは,メスを呼び寄せるために,オスが鳴いて いる。 ⑷ アキアカネは夏はすずしい山ですごし秋になると産卵のために降り てくる。トンボの幼虫は水の中でくらす。 ⑸ 北西の季節風は日本海で水じょう気をもらい,山にのぼるとき,雲 をつくる。 4 第 8 回の復習 気体はあたためると体積がふえ,冷やすと逆に体積がへる。 気体は,ごく小さなつぶが広いすきまに散らばっている。温度が上が ると,そのつぶの動きがさかんになり,より広いはんいを動き回ろうと するので,体積がふえる。温度が下がると,つぶの動きはにぶり,動く はんいがせまくなり,体積がへる。 5 第 8 回の復習 水は,液体のなかでは,特別な性質をもっている。 ふつう,液体はあたためると,(気体ほどではないが)体積がふえてい く。水だけは特別で,4℃以下では,あたためると逆に体積が減る。体 積は,0℃から 4℃までの間は体積がへり,(4℃の水は体積が最も小さ い。)4℃以上になると,ふつうの液体のように体積がふえる。 6 第 9 回の復習 温度が上がると,固体の体積も(気体や液体ほどではないが)ふえる。 ⑴ 夏,気温が上がると,電線の体積がふえ,長さも長くなるので,た るむ。 ⑵ 夏,気温が上がると,レールの体積がふえ,長さも長くなるので, そのすき間はせまくなる。 7 第 8・9 回の復習 ⑸ イ 水のじょう発は,気温が高く,空気中の水じょう気の量が少な いほどさかんになる。風が吹くと,衣類の表面近くの水じょう気 を含んだ空気が吹き払われるので,衣類の表面からの水のじょう 発がさかんになり,はやくかわく。(水にものをとかすときかき まわすと,とけるもののまわりの水がうすまるのではやくとける のと似ている。) ウ 放射熱…太陽やストーブなど高温な物体は光や赤外線を出して 熱を伝える。ストーブから出る赤外線を前に立つ人がさえぎるの であたたかくない。 オ 雪の白は太陽光を反射するが,炭のように黒い色は太陽の光や 熱を吸収しやすい。熱を吸収してあたたまった炭が雪をとかす。 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 11 指導のねらい もののとけ方 ▼指導ページ P 76 ~ 83 ▼ ★ものの水に対する溶け方を学習する。 ★実際に砂糖や食塩を溶かして確かめておくようにしたい。 重要事項の確認 補足知識・留意事項など 1 水よう液 【練習1】 1 水よう液 ⑴ ものがとけるようす とけているとはどういうことか?液はなぜとうめいなのか? とけたもののつぶが見えなくなり,液がとうめい ⑴ 水よう液ではとけている食塩などはつぶはふつうのけんび鏡でも見 になっている。よう液には,色のついたものもある。 ⑵ 水にとけないもの えないほどとても小さなつぶに分かれてどの部分も同じこさになるよ うに均一に散らばっているので目でみると透き通って見える。 目に見える大きさのつぶが,ういたり,しずんだ りして残っている。 ⑵ とけてない液(どろ水)では,かきますと一様ににごり,時間がたつ と,底にとけないもの(どろなど)がしずんでくる。 ・うく…おがくずなど ⑶ 水よう液では,どの部分をとっても,こさは同じである。また,時 ・水の底にしずむ…ねんど,鉄のこな,でんぷんなど 間がたってもこさが変わらない。(何も表面にうかばず,何も底にし ⑶ 水溶液のこさ ずまない。) とけたつぶが液全体に広がりどこも同じこさ に なっている。とけたつぶは底にしずまない。 水よう液の重さ ⑷ 水よう液の名前のつけ方 =とけている(とかす)もの(さとうや食塩)の重さ+水の重さ 水よう液…ものが水にとけてできた液 (例)水 100g に,さとう 25g をとかしてさとう水をつくる。 ・とけているものの名前+水よう液 →さとう水の重さは(さとう 25g +水 100g →さとう水の重さ 125g)。 (例) 硫酸銅が水にとけている。→硫酸銅水よう液 全体の量(重さ)125g は,まぜる前も,とかした後でも変わらない。 ・身近なものが水にとけている場合→~水 (参考) (例) さとう水,食塩水,ホウ酸水,炭酸水など 水よう液のこさ(%) ⑸ 水よう液の重さ =(とけているものの重さ)÷(水よう液全体の重さ)× 100 ものが水にとけても,液全体の重さはふえたり 2 水にとけるものの量 へったりはしない。→ 水よう液の重さ=とけているものの重さ+水の重さ ほう和…水よう液にものをとかすとき空気がふくむ水蒸気の量につい ていう。水よう液のほう和を理解するのに,空気中にまじっている水 2 水にとけるものの量 【練習1~4】 じょう気を考える。「ほう和」水じょう気(水じょう気を限度量いっぱ ⑴ ほう和水よう液 …とける限度量までものをとか いまで含んでいる空気)で「ほう和」量をこえた水じょう気が水滴(つ した水よう液(ほう和…ものが限度量まで含まれて ゆ)となるように,ほう和水よう液でとける量が限度を超えると,と いる状態。) けきれないものが「結しょう」として出てくる。 ⑵ とける量と水の量 ⑵ (例)20℃の水に食塩をとかす。 ・ 「水の量」を 2 倍,3 倍,…とふやしていくと, 「とける量」も 2 倍,3 倍,…と規則的にふえて いく。 (水の量を 12 , 13 ,…にへらすと,とける 1 量も 1 2 , 3 ,…とへっていく。) ⑶ とけるものととける量 ・水温によってとける量の変化が, 大きいもの…ミョウバン,ホウ酸など。 小さいもの…食塩など。 ⑷ とける量と水の温度 ・水 の温度を上(下)げていくと,とける量もふえ (へっ)ていく。(ふえ方はとけるものによってい ろいろで,温度を 2 倍,3 倍,…にしても,とけ る量は 2 倍,3 倍,…になるわけではない。) 3 水にとける速さ ⑴ とかすもののつぶの大きさ 温度や量が同じなら,つぶの小さい方が速くとけ る。 ⑵ かきまぜる そのままにしておくよりも,かきまぜた方が速く とける。 とかす水の量(cm3) 100 200 300 400 500 … 食塩がとける量(g) 36 72 108 144 180 … ⑶ 水の温度(℃) ホウ酸の量(g) 食塩の量(g) 0 3 35.5 20 5 36 40 9 36.6 60 15 37 80 24 38 100 38 39 ⑷ (例)100cm3 の水にホウ酸をとかす 水の温度(℃) とける量(g) 0 3 20 5 40 9 60 15 80 24 100 38 3 水にとける速さ 自然に放っておくととけるまで長い時間がかかる。はやくとかすには…? ・つぶをくだいてこまかく(小さく)してとかす。 理由:つぶをこまかく(小さく)すると,水にふれる面積(表面積)が大 きくなり,水にとけ出す量がふえるから。 ・よくかきまわす。 理由:液全体のこさが同じになり,とかすもののまわりのこさがうす くなるので,とけ出しやすくなる。 ・(気体以外)熱する。 理由:温度が高いほど多くのものがとけるので,あたためるとはやく とける。(炭酸水など,気体(二酸化炭素)は,温度が高くなる と,とける量は逆にへる。) 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 12 指導のねらい とけているものの取り出し方 ▼指導ページ P 84 ~ 91 ▼ ★水よう液から結しょうの取り出し方を学習する。 ★ろかや蒸発に必要な器具について学習する。 重要事項の確認 補足知識・留意事項など 1 とけているものを液の温度を下げて取り出す。 1 とけているものを液の温度を下げて取り出す。 温度によってとける量が大きく変化するもの→冷やしてとり出す。 【練習1,2】 ⑴ ホウ酸水 (例) ほう和ホウ酸 ホウ酸 は水温が高いとたくさんとけ,水温が低 水 100g に 80℃では,24g とけるが 20℃では,5g とけない。 いとあまりとけない。→ホウ酸水の温度を下げると, 水 100g のとき 24 - 5 = 19g ホウ酸をとり出すことができる。 水 200g のとき 24 × 2 - 5 × 2 = 48 - 10 = 38g ⑵ 食塩水 水 300g のとき 24 × 3 - 5 × 3 = 72 - 15 = 57g … 食塩は温度によって水にとける量があまり変化しない このようにして ので,食塩を⑴の方法でとり出そうとしてもとけて 水の量(cm3) 100 200 300 400 … とり出せるホウ酸の量(g) 19 38 57 76 … いる食塩はほとんどとり出せない。→食塩のとり出 し方:2の⑴の(水を蒸発させる)方法。 ・水の量を2倍,3倍,…にすると,出てくるホウ酸の量も2倍,3倍, ⑶ ろか ろ紙には小さい穴がたくさんあいているので穴よ りつぶの小さいとけているものはろ紙を通りぬける。 →通りぬけた液…ろ液(例:うすいホウ酸水など) 水にとけないもの,とけきれなかったものはろ紙 の上に残る。(例:純すいな「ホウ酸」がろ紙の上 に残る。 ) 2 とけているものをじょう発させて取り出す 【練習3】 温度によってとける量があまり変わらないもの(食 塩など)をとり出す。水よう液(食塩水など)をじょう 発皿に入れて,アルコールランプで熱し水をじょう発 させてとり出す。また,1の方法でとり出しきれな かったものをすべてとり出す。 …になる。 とける量が変化しない 水 100g に 80℃では,38g 20℃では,36g とける食塩水では,温 度を 80℃から 20℃に下げても 38 - 36 = 2g しか取り出せない。 ⑶ ろかに必要な器具…ろ紙,ろうと,ガラスぼう,2 つのビーカー (水よう液を入れるものとろ液をうけるもの),ろうと台。 ろ紙の折り方→ 4 つ折りにして,片方三重にして円すいをつくる。 ろかのしかた ①ろ紙をいためないように三重の部分にガラスぼうをあてる。 ②液はガラスぼうを伝わらせて入れる。 ③ろうとの先のとがった方をビーカーの内側のかべにつける。 ろ紙は細かいせん維でできていてごく小さい穴がたくさんあいている。 ⑴ 食塩水 ・部分的にとり出す… 20℃の水 100cm3 に食塩をでき るだけとかす。(36g とける。)→水 50cm3 をじょう 発させる。→ 20℃まで冷やすと食塩 18g がとり出 せる。 水にとけているものは穴よりもずっとつぶが小さいのでろ紙を通りぬけ る。水にとけないもの,とけきれないものは,穴よりつぶが大きいので, ろ紙の上に残る。さらにこまかいつぶをこしわけるにはセロハン紙でろ かする。 ・食塩をすべてとり出す…水を全部じょう発させると, 2 温度によってとける量がかわらないもの→水をじょう発させ,とり出す。 必要な器具:(水よう液を入れる)じょう発皿,セラミック金あみ, じょう発皿に食塩だけがのこる。 三きゃく,アルコールランプ ⑵ ホウ酸水 1で残ったろ液をじょう発皿に入れてアルコール ランプで熱してろ液の水を全部じょう発させる。→ ホウ酸が残る。 3 結しょう 【練習1,3,4】 ⑴ ホウ酸や食塩の結しょう 水よう液を冷やしたときにでてくるつぶ ①ホウ酸の結しょう…六角形の板のような形 ②食塩の結しょう…立方体のような形 ⑵ そのほかの結しょう 種類により独特な形をしてる。 ⑶ 大きな結しょうをつくる 大きな結しょうのつくり方 ①ビーカーにこいミョウバンの水よう液を入れ,か んそうした場所に置く。 ②出てきたミョウバンのつぶから1つをとって糸で 結ぶ。 ③糸で結んだつぶをビーカーの中央につるしておく。 ④水がじょう発するにつれ,つぶは大きくなり,大 きな結しょうができる。ミョウバン以外のもので もつくり方は同じ。 アルコールランプの使用上の注意 ※アルコールランプは引火しやすいので注意。 ①入れるアルコールの量は 8 分目程度…あふれると引火の元,危険。 ②ほかのアルコールランプから火をうつさない。…ほかに火がもえう つる。 水のじょう発でとり出せる量 食塩の場合 ・20℃の水 100cm3 に食塩をできるだけとかす。(36g とける。) →水 50cm3 をじょう発させる。→ 20℃まで冷やすと食塩 18g がとり 出せる。 →水 75cm3 をじょう発させる。→ 20℃まで冷やすと食塩 27g がとり 出せる。 ホウ酸の場合 ・20℃の水 100cm3 にホウ酸をできるだけとかす。(5g とける。) →水 50cm3 をじょう発させる。→ 20℃まで冷やすとホウ酸 2.5g がとり 出せる。 →水 80cm3 をじょう発させる。→ 20℃まで冷やすとホウ酸 4g がとり 出せる。 ・結しょうはたねとなるつぶを核にして大きくなる性質がある。 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 13 指導のねらい 星座の観察 ★なぜ宇宙に浮かぶ星が見えるのかを学習する。 ★星が形づくる星座と季節による変化を学ぶ。 重要事項の確認 1 星座をつくっている星 【練習1,4】 こう星…太陽のように燃えて自分で光を出している星 ⑴ 星の明るさ 6 段階の 等級 に分ける 1等級…夜空で最も明るい 20 個ほどの星。 6 等星…肉眼でやっと見えるくらいの明るさの星。 等級が1つ上がると,明るさは約 2.5 倍。 →1等星の明るさは,6 等星の 100 倍。 ⑵ 星の色 星の表面温度によってちがってみえる。 (高温) 青白 -白-黄-だいだい-赤 (低温) 青白い星 リゲル,スピカなど 赤い星 ベテルギウス,アンタレスなど ⑶ 星どうしの実際のきょり 並んで見える 2 つの星→実際には手前と奥とできょ りがあり,はるか遠くにある。 ⑷ 星どうしの見かけの間かく 星どうしの見かけの間かくは,「角度」で表す。 うでをのばしたとき こぶし… 10°,広げた手のひら…約 20° 2 いろいろな星座 【練習1,2,3,4】 88 個の星座がある ⑴ 春に見られる星座 ①南の空:おとめ座(スピカ) うしかい座(アルクトゥルス) ▼指導ページ P 92 ~ 99 ▼ 補足知識・留意事項など 1 星座をつくっている星 ⑴ ここで言う星の明るさとは,地球から見たときの見かけの明るさ である。地球の近くにある星は明るく,遠くの星は暗く見える。きょ りを同じにして,本当の明るさを比べるとかなりちがったものになる。 (例) 太陽は 1 等星のひこ星に比べて- 26.7 等級と明るいのに,距 離を同じところにおくと,ひこ星 2.3 等に対して太陽は 4.8 等(ほ ぼ 5 等星の明るさ)と逆に暗くなる。(実際の明るさを比べてみ ると,ひこ星の明るさは太陽の 15 倍くらい。おりひめは太陽の 100 倍,地球から見ると最も明るいシリウスは太陽の約 40 倍程 度である。) ⑵ 表面温度が高温な星ほど明るい。赤い色のベテルギウスは表面温度 が低いのに明るいのは,壮年の星に比べ,年老いて肥満し表面積が非 常に大きくなっているからである。 ⑶ 光がとどく時間で比べると,地球から太陽まで光は 8 分 19 秒でと どくが,シリウスまでは 8.7 年,ベガ(おりひめ)まで 16 年,アルタ イル(ひこぼし)まで 25 年,北極星まで 400 年,デネブまでは,1800 年かかる。なお,光が1年に進む距離は 9 兆 4600 億 km(1秒間に約 30 万 km)である。星が実際にはどのくらい遠く離れているかわかる だろう。 2 いろいろな星座 季節(四季)の星座 ⑴ 春…しし座が南の空高く見え,その前足にはレグルスが輝き,その 西側ではふたご座のカストルとポルックスが同じような光を 放っている。 「春の大三角形」…うしかい座のアークチュルス,おとめ座のスピカ, しし座 (レグルス) しし座のデネボラの 3 つの星をつないでできる大きな三角形をい ②北の空:北斗七星 おおぐま座の一部 う。北の空では,こぐま座の上におおぐま座(北斗七星)がますを ⑵ 夏に見られる星座 下に向け,りゅう座がこの 2 つの星座の間を大きくS字にうねっ ①南の空:はくちょう座(デネブ) て,地平線の近くに頭をたれている。 ⑵ 夏…低い南の空にルビーのように赤く見えるのはさそり座のアンタ わし座(アルタイル:ひこ星) レスである。さそり座の東には,弓に矢をつがえさそりをね こと座(ベガ:おりひめ) らっている狩人姿のいて座がある。 ・夏の大三角形(二等辺三角形をえがく):デネブ, 七夕伝説で知られるおりひめ (こと座のベガ)とひこぼし(わし座の アルタイル,ベガの 3 つ アルタイル)は天の川をはさんで向かい合っている。天の川のまん中 ・天の川(銀河):アルタイル(ひこ星)とベガ(おり にはくちょう座のデネブがかがやいている。 ひめ) の間にある無数の星の集まり。 ⑶ 秋…大きな正方形をえがいてペガスス座が南天高く現れる。北斗七 ・低いところ:さそり座(アンタレス) 星は北の空に横に寝て,東京付近では柄の 3 つの星が横たわっ ⑶ 秋に見られる星座 ているのが見えるだけだが,北極星をはさんで反対側のカシオ ①頭上の空:ペガスス座,アンドロメダ座 ペヤ座は,一晩中見えるようになる。北の空で秋が深まる頃, 秋の四辺形:ペ ガスス座の 3 つの星とアンドロ 天の川にそって,おうし座が角の先に明るい星をつけ頭を地平 メダ座の 1 つの星 線にすりつけるようにのぼってくる。 ②北の空:カシオペヤ座(Wの文字の形にみえる) ⑷ 冬…夜空には,オリオン座を中心に明るい星がたくさんかがやき, ⑷ 冬に見られる星座 四季を通じて最も美しい。オリオン座の東にこいぬ座のプロキ オン,南東に恒星ではいちばん明るいシリウスがかがやき,オ 空気が澄み,見える 1 等星も他の季節より多い。 リオン座のベテルギウスと結んでできる大きな三角形(「冬の大 ①南の空:オリオン座(ベテルギウス,リゲル) 三角形」)のまん中を天の川が通っている。こいぬ座の北には 2 こいぬ座(プロキオン) つの明るい星,ふたご座のカストルとポルックスが見える。オ おおいぬ座(シリウス) リオン座の 3 つの星を結んで,ななめ右上にのばすと明るい星 おうし座(アルデバラン) アルデバランがあり,このあたりがおうし座である。その付近 ぎょしゃ座(カペラ) に五角形の星座ぎょしゃ座がある。 ふたご座(ポルックス) オリオン伝説 勇者オリオンは自分にかなう者はいないと自慢したた ・冬の大三角形(正三角形):ベテルギウス,プロ めに神々の女王ヘラのいかりにふれ,さそりにさされて死んで星に キオン,シリウス なったといういい伝えがある。さそりも神の命に従って,オリオン ・冬の六角形 をたおした功績を評価されて星座になった。星になってもさそりを ⑸ 北の空の星座 おそれているせいなのか,さそり座が夜空に現れるころには,オリ 北極星(こぐま座)… 2 等星 オン座はもう姿をみせないのである。夜空の星たちをめぐる伝説は 季節,時刻によらずいつも真北になる→方位を知る 古代のギリシアや中国をはじめ,世界中に数多く伝えられている。 目安。 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 14 指導のねらい 星座の動き ▼指導ページ P 100 ~ 107 ▼ ★星の1日の動きと地球の自転との関わりについて学習する。 ★星の1年の動きと地球の公転との関わりについて学習する。 重要事項の確認 補足知識・留意事項など 1 星の1日の動き 【練習2】 1 星の1日の動き ・地球は地じく(北極と南極を結ぶじく)を中心として,西から東の方向 ⑴ 南の空の星の動き 南の空の星の動き に 1 日(24 時間)に 1 回転。(1 時間につき 15°= 360 ÷ 24)→星や太陽 …太陽と同じように,東から出て西に沈む。 は 1 時間に 15°ずつ東から西へ動く(北極星は,地じくの延長上にあ ⑵ 北の空の星の動き 北の空の星の動き… 北極星 を中心に反時計回り, 1時間に 15°ずつ回って見える。 ①北 北極星を中心に反時計回りに回転している。 ②東 右上(東の地平線→南)の方向に動いていく。 ③南 右 (東から西)の方向に動いていく。 ④西 右下(南→西の地平線)の方向に動いていく。 ⑷ 星の1日の動きの原因 ⇒地球が西から東に自転 しているため。 【練習2,4】 毎日同時刻にオリオン座の位置を観察し続けると 少しずつ東から西に動いていくように見える。 ⑵ 北の空の星の動き 毎日同じ時刻におおぐま座(北斗七星)の位置を観 察し続けると,北極星を中心に反時計回りに1か月 につき 30° ずつ動いていくように見える。 ⑶ 星の1年の動きの原因 ⇒ 地球の公転。 【練習3,4】 北極星は2等星で目立たない。 ⑴・⑵ 北斗七星とカシオペヤ座をもとに見つける。 ⑶ 北極星の高度 ほど高度が高い。北極では真(頭)上。] を結ぶ軸上に中心をもつ小さな円周をくるくると回りながら地球のま わりを回るからであるなどと説明されていた。 16 世紀の中頃,ポーランド人のコペルニクスが初めて太陽中心説 (地動説)を唱え,後に有名な科学者ガリレオがそれを著書「天文対 話」でくわしく紹介して広く知られるようになった。当時教会が彼に と強い信念を述べた。 地動説では,地球から見て行きつもどりつする外わく星の動きは簡 単に説明できる。地球の公転周期が短いので外わく星をおいこすとき 逆行するように見える。 2 星の1年の動き ・地球は太陽のまわりを1年間(12 か月)で1回,公転している。 →同時刻に観察すると,星は1か月ごとに 30° (= 360 ÷ 12)ずつ動い ていくようにみえる。 ・季節によって見える星座がちがうのも,地球の公転による。地球をは さんで太陽と反対側の星座が見えている。春分のころ太陽がうお座の 近くにあるとき,反対側のおとめ座やしし座が見えている。 ・ 星占いで使う 12 星座は春分点(3.23)を起点にその人の生まれ月に太 陽から最も近い星座をいう。しかしかなり昔(約 2000 年前)にきめた (現在の春分点はうお座だが,占いの基準をきめたころの春分点はお ひつじ座の西端あたりにあった。) 【練習1】 ⑴ 星座早見のつくり… 2 つの円ばん「星座ばん」・ 「地平ばん」を上,下に重ね,その中心をピンで とめたもの。ピンの位置には→北極星がある。 ①星座ばん:星座がえがかれている。円の周り… 1 年の日付。 ②地平ばん:きりとっただ円形のまどから星を見 る。まどわくには地平線と方位を表示,(東西が 逆) 円周…時刻を左まわり(時計と反対)に表示。 ⑵ 星座早見のつかい方 観測しようとする日づけと時刻に合わせる。観測 する方位が下になるように持ち,頭上にかかげると 正しい方位になる。 ⑶ 星座早見にない星 地球と同様に太陽のまわりを回っているわく星。 地球からの見かけの動きは複雑で,恒星や星座の動 き方とは一致しないから。 例えば,金星のよいの明星と明けの明星の位置の交替は太陽と地球 ので現在の太陽の位置は星占いのそれより1か月くらいおくれてくる。 東京では約 36° [赤道では地平線(0°),北に行く 4 星座早見の使い方 が回っているという考えである天動説が信じられていた。しかし天動 地動説を広めることを禁止したとき,「それでも地球は動いている」 ⑴ 南の空の星の動き 3 北極星の見つけ方 ・西暦において,紀元前から中世までの長い間,地球の周りを太陽や星 説では惑星の複雑な動きを説明するのが難しかった。 ⑶ 方角と星の動き 2 星の1年の動き るので,ほとんど動いていない)ように見える。 4 星座早見の使い方 ⑴ ①星座(星図)ばん(下) 星座が描かれている。 円周…1年の日づけ(右まわり(時計のはりの動く向き)に配置) ②地平(時刻)ばん(上) きりとっただ円形のまどから星を見る。ま どわくには地平線と方位を表示,(東西が逆) 円周…時刻を左まわり(①と逆に,時計と反対)に表示。 ⑵ わく星・すい星 地球からの見かけの動きは複雑で,恒星や星座の 動き方とは一致しないから。 15 指導のねらい 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 第 11 回~第 14 回のまとめ ▼指導ページ P 108 ~ 111 ▼ ★各回の復習を総合的に行う。 ★実験器具の使い方や,方角による星の動きを確実にさせる。 重要事項の確認 1 第 11 回の復習 【練習1】 ⑴ ねんどは底にしずむ→水にとけない。 ⑵ 硫酸銅水よう液…青色 ⑶ 水よう液…どの部分も同じこさ。 2 第 12 回の復習 【練習2】 ⑴ ③つぶを水に入れてかきまぜる。(水によくとか す。 ) →①ろか。→②ろ紙に残ったつぶをろ紙ごとか わかす。→④ろかされた液(ろ液)を熱して水をじょ う発させる。 ⑵ ②ろ紙に残ったつぶ…水にとけない→でんぷん ④ろかされ, (ろ液の) 水にとけているつぶ→食塩 ⑶ ろかに最も必要なもの…ろうととろ紙 ⑷ ろ紙の 3 重になっている部分にガラスぼうをあてる。 ⑸ ろ紙がやぶれないように,じょうぶな部分にあてる。 3 第 12 回の復習 【練習3】 ⑴・⑵ 温度の変化によって,とける量の変化が大き いホウ酸はホウ酸水を冷やして多くの結しょうをと り出すことができる。変化の小さい食塩水は熱して 水を蒸発させてとり出す。 ⑶ 100cm3 の水に 37g → 200cm3 の水では 74g (37 × 2) ⑷ 60℃ , 200cm3 の水には 15 × 2 = 30g,20℃,200cm3 の水には 5 × 2 = 10g とける。→ 60℃から 20℃に温 度を下げると,ホウ酸は 30 - 10 = 20g とり出せる。 ⑸ ホウ酸は,温度を上げると多くとける。(60℃ の方がこい。200cm3 の水に,20℃で 10g,60℃で 30g とける。) ⑹ じょう発した水 20cm3 の水にとけていた食塩の量 は 37 × 0.2 = 7.4g (← 100cm3 の水に 37g とける。 ) 4 第 12 回の復習 【練習4】 ⑴ 結しょうは,種類によって,独特な形をしている。 ⑵・⑶ ホウ酸の結しょう…六角形の板,食塩の結 しょう…立方体 図1…硫酸銅 図 3 …ミョウバン (正八面体) 5 第 14 回の復習 【練習5】 [図 1] ~ [図 4]順に,北,南,東,西の空の星の動き。 ⑴ 北極星 は地球の地(自転)軸の延長上にあるので 動かない。 ⑵ 北極星の明るさ… 2 等星 ⑶ こぐま座の一部 ⑷ 星は,1時間ごとに 15° (= 360 ÷ 24)動く。 ⑸ 東の空の星の動きは,右上がりの向き(地平線→ 南) ⑹ 図 1 …北極星を中心に左 (時計の針の動きと逆) 回り。 図2… (南を向いて見る) 星の動き。東 (左) から西 (右) ⑺ 自転する地球から見ると,星が動くように見える。 6 第 11 回の復習 【練習6】 ①さそり座 (夏)…アンタレス(赤い 1 等星) ②はくちょう座(夏)…デネブ(1 等星) ③オリオン座(冬)…(中央)三つ星(2 等星),(左上)赤 い 1 等星ベテルギウス,(右下)青白い1等星リゲル 7 第 11 回の復習 【練習7】 ⑴ (図 1) 夏の星座…はくちょう座 わし座(夏の大三角形) (図 2)冬の大三角形 ⑵ 最も明るい1等星 シリウス(おおいぬ座) ⑶ オリオン座…(左上)ベテルギウス(赤),(右下)リ ゲル (青白) ⑷ 星の色は表面温度のちがいによる。温度と色 → (低温) 赤<だいだい<黄<白<青白 (高温) 8 第 12 回の復習 【練習8】 ⑴ 左 (反時計)回り 1時間に 15°→ 6 時間後では 15 × 6 = 90° ⑵ 左回り 1か月 30°→2か月 60° ⑶ 3 か月後の午後 8 時 90°左→午前 2 時(6 時間後) さらに 90°左 補足知識・留意事項など 1 第 11 回の復習 水よう液…とけたものの粒が見えなく,均一にとけている状態。 食塩,砂糖,水酸化ナトリウム,硫酸銅などは水にとけるが,ねんど, 鉄,石などは水にとけないため水よう液とはならない。 2 第 12 回の復習 ⑴ ③つぶを水に入れてかきまぜる。(水によくとかす。) →①ろか。②ろ紙に残ったつぶをろ紙ごとかわかす。④ろかされた液 (ろ液)を熱して水をじょう発させる。 3 第 12 回の復習 ⑶ 100cm3 の水に 37g → 2 倍の水 200cm3 にはとける量も 2 倍 37 × 2 = 74g とける。 ⑷ 表から 60℃ ,100cm3 の水には 15g,20℃ ,100cm3 の水には 5g とけ る。水の量が 2 倍のときは,それぞれとける量も 2 倍になる。60℃の 水には 15 × 2 = 30g,20℃の水には 5 × 2 = 10g とける。→ 60℃か ら 20℃に温度を下げると , ホウ酸は (15 × 2 - 5 × 2)= 30 - 10 = 20g とり出せる。 ⑸ ⑷でみたように,200cm3 の水に,20℃で 10g,60℃で 30g とける。 ⑹ じょう発した水 20cm3 の水にとけていた食塩の量は 37 × 0.2 = 7.4g 1 [100cm3 の水に 37g とける。20cm3 の水にはその 5 とける。 100:37 = 20:□→□× 100 = 37 × 20 →□= 37 × 20 ÷ 100 = 7.4(g)] 5 第 14 回の復習 星の1日の動きは地球の自転による見かけの動き。北極星は地球の地 軸(南極と北極を結んだ直線) (自転軸)の延長上にあるので動かない。 ⑷ 地球の自転,24 時間で1回転(360 度)→星は1時間で 15° (= 360 ÷ 24)。星の1日の動き(東→西)と地球の自転の向き (西→東)は,ちょうど逆になっている。ふつう南を向いて星を観測す る場合,左手は東,右手は西である。(地図を見る場合,ふつう北を 上にして見て,左が西,右が東と覚えているが星の観測では逆になる こともあるので注意しよう。) 6・7 第 11 回の復習 星座全体の形状と1等星など目立つ星を目安にさがす。 昔の人々は,主な星をつないで見て,いろいろな動物の形を想像した。 カシオペヤやオリオンのような特別な名前には神話や伝説がある。星座 の名をつけた古代のギリシアの人々は先祖から伝わる神話から名をつけ たのだ。 夏の大三角… 1 等星デネブ,アルタイル,ベガを線で結んでできる二等 辺三角形 冬の大三角… 1 等星ベテルギウス,プロキオン,シリウスを結ぶとほぼ 正三角形になる。 ⑷ ふつう表面温度が高い星ほど明るく見える。しかし温度の低い(赤 い)ベテルギウスが明るく見えるのはその表面積が非常に大きいから。 太陽の表面温度 6000 度,黄色は,恒星の表面温度としては中程度。 8 第 12 回の復習 ⑶ 月と時刻,分けて計算。まず 3 か月後の同じ時刻,→次に,午前 2 時(つまり午後 8 時から 6 時間後)3 か月後の午後 8 時 90°左→ 6 時 間後さらに 90°左 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 16 指導のねらい 冬の植物 ▼指導ページ P 112 ~ 119 ▼ ★草花の冬の間のすがたとその理由について学習する。 ★身近な植物の冬ごしのようすを始め,様々な種類の草花のようすを覚える。 重要事項の確認 1 草花の冬ごしのようす 【練習1】 ⑴ 種子で冬をこす植物 外側をおおう種皮で寒さやかんそうから内部をま もる…エノコログサ,イヌダテ,オナモミ ⑵ 地下のくきや根で冬をこす植物…いもや球根 ①くきで冬をこす植物 ススキ…根元から出た短いくきの先→芽。 ヤマ ユリ,グラジオラス…地下のくきがふくら み冬の養分をたくわえる。(サトイモ,クワイ, ハス…養分をたくわえるくき) ②根で冬をこす植物 キク,ダリア (→球根),ヤマノイモ (→イモ)…球 根やイモに栄養分をたくえわえている。 ⑶ ロゼットで冬をこす植物 ロゼット…葉 を地面にぴたりとつくように広げた すがた タンポポ,ヒメジョオン,オオマツヨイグサ, ナズナ,オニタビラコ,スイバ ① ロゼット葉 …根から直接出て,重なり合うよう に地面に広がっている葉 ②冬ごしにロゼットが適している理由 ・葉を広げる→日ざしをできるだけ多く受けるため。 ・ 地面に葉をぴたりとくっつける → 地 面 か ら の 熱 が逃げにくい。 ・くきが短い→冷たい風に当たらず,葉がこおらない。 2 樹木の冬ごしのようす 【練習1,3】 冬芽…冬の寒さにたえられるように,じょうぶな 皮のようなもの(りんぺん)でおおわれた葉の芽 (葉芽→葉)や花の芽(花芽→花のつぼみ)。樹木の 葉のつけ根にできる。 ⑴ りんぺんでおおわれた冬芽 ①たくさんのりんぺんでおおわれた冬芽…サクラ, コナラ ② 1 まいのりんぺんでおおわれた冬芽…ネコヤナギ, スズカケノキ(プラナタス) ③毛のはえたりんぺんでおおわれた冬芽…モクレン, コブシ,アオギリ ④ねばねばしたりんぺんでおおわれた冬芽…トチノキ ⑤りんぺんのないむき出しの冬芽…アジサイ,ムラ サキシキブ ⑵ 花芽と葉芽 花芽…花のつぼみになる。ふくらみが大きい。 葉芽…葉のつぼみになる。細長い。 ⑶ 主芽と副芽…大きな芽(主芽)の下に小さな芽(副 芽)が 1 ~数個ついている。モクレン,ニワトコ,ク ルミ,ハクウンボク 3 冬でも成長する植物 【練習2】 ⑴ 冬に花を咲かせる植物 ・秋の終わり~冬のはじめに咲く…ヤツデ,サザンカ ・冬の終わり~春のはじめに咲く…ツバキ ⑵ 冬に栄養分をたくえわえる植物…地下の球根にた くわえる (ヒガンバナ) ⑶ 緑の葉をしげらせている植物 ①常緑樹… 1 年中緑の葉をしげらせている。 ・ 針葉樹 …葉がはり(針)のように細くなっている。 →マツ,スギ,ヒノキ。 ・広葉樹…葉が広い。 →シイ,カシ,ツバキ,サザンカ。 ②その他…タケやササなど。 4 植物の冬ごしの形(まとめ) 【練習1】 たねや根,くきの形で冬をすごし,春になると成長 をし始める。 補足知識・留意事項など 1 草花の冬ごしのようす 冬のすごし方で次のように 3 つに分ける。 ・1 年草(1 年生草)…種子で冬をすごす。春には芽を出し秋から冬にか けて枯れてしまう。その年だけで一生を終える。(イヌタデ,ツユク サ,メナモミ) ・2 年生(えつ年草)…秋に芽を出し,冬は小さな植物ですごし,春に大 きく成長し花をさかせ種子をつくる。(ムギ,ナズナ,アブラナなど) ・多年草…球根や根などで冬をこす。地上の茎は枯れても,地中の根 は死なないで生き残っている。(ヤブカラシ,キキョウ,オミナエシ, ダリアなど) ⑵ 春にさくスイセン,チューリップ,ヒヤシンスなどの球根をたてに 切ってみるともう秋には,つぼみがすっかり用意されている。ヒヤシ ンスの断面をみると,つぼみや茎,養分をたくわえた葉などに分かれ ているのがわかる。 ⑶①ロゼット葉は,春になってくきがのびてつける新しい葉とはちがう ことがある。 ②ロゼットが冬ごしに適している理由をあげてみよう。 ・地面に葉がぴったりとくっついている。→地面からの熱がにげに くい。 ・くきが短い。→冷たい風にあたらず,葉がこおらない。 2 樹木の冬ごしのようす 寒い冬の間,樹木はほとんど成長しない冬芽とよばれる木の芽のすが たですごす。きびしい寒さとかんそうとにたえるため,冬芽はいろいろ な方法で保護されている。りんぺんは,冬芽をおおうじょうぶな皮のよ うなもので,葉がすがたを変えたものである。次のようにいろいろと形 がちがう。 ①たくさんのりんぺんで冬芽をおおう,魚のうろこのようなつくりに なっている。 ② 1 枚のじょうぶで大きなりんぺん(葉の柄)で冬芽をおおっている。 ③細かい毛がたくさん生えた大きなりんぺんで冬芽をおおっている。 ④りんぺんの表面が油のようなねばねばした液でおおわれている。 ⑤冬芽にりんぺんがなく,葉を小さくしたものが何枚も重ねたつくり になっている。 ⑵ 花芽と葉芽 その見分け方…花芽の方が葉芽よりもふくらんでいる。例えば,ツバ キの芽では,花芽は丸みがあり,葉芽は細長い。花芽の内部には花 びら・おしべ・めしべなどがつくられていて,2 ~ 3 月ごろ花をさ かせ,葉は 4 ~ 5 月ごろにのびて葉をつける。花芽や葉芽の区別が なく,芽がのびると,その先に花や葉をつける植物も多い。 ⑶ 副芽…主芽にかわる,予備の芽で,主芽が動物や鳥などに食べられ たり,きずつけられたりしてのびられなくなったときに,副芽がのび てくる。 4 植物の冬ごしの形(まとめ) 草花や樹木を冬芽の位置によって分ける。 ・種子で冬をこす…エノコログサ,イヌタデ,オナモミ ・地下の茎に冬芽…ススキ,サトイモ,クワイ,ハス ・地下の根に冬芽…キク,ダリア,ヤマノイモ,サツマイモ ・葉を広げて冬をこす…タンポポ,ヒメジョオン,ナズナ ・地表から 30cm 以上に冬芽…サクラ,コナラ,クヌギ ・水中に冬芽…ハス,スイレン,アシ 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 17 指導のねらい 冬の動物・天気 ★冬の動物のすごしかたとその様子について学習する。 ★冬の気温や地温,水温の様子と天気の変化について学習する。 重要事項の確認 1 こん虫の冬ごしのようす 【練習4】 ⑴ たまごで冬をこす ①木のえだや草のくきに産む…カマキリ,ガのなかま。 ②土の中に産む…バッタ,コオロギなど。 ⑵ よう虫で冬をこす ①木のえだ…ミノガ,イラガ。ミノやまゆの中。 ②土の中…カブトムシ,コガネムシなど。 ③雑木林や落ち葉の下…オオムラサキ,ゴマダラチョウ。 ⑶ さなぎで冬をこす ・モンシロチョウ…畑の近くの木 ・アゲハチョウ…カラタチの木 ⑷ 成虫で冬をこす ①集団で冬をこす…テントウムシ,ミツバチ ②落ち葉の下…ゴミムシ,ハサミムシ ③活動するもの…キチョウ,キタテハ,ハナアブ 2 動物の冬眠のようす 【練習3】 冬眠する動物…秋 のうちにえさをたくさんとって 栄養分を体内にたくわえる。 ⑴ カエル型 …まわりの温度で体温が変化する。カ エル,ヘビ,トカゲ,ザリガニなど。 ⑵ コウモリ型 …あたたかいうちは体温がほぼ一定 に保てるが,体が小さいので気温が低すぎると,体 温が急に下がってしまう。コウモリ,ヤマネ,シマ リスなど。 ⑶ クマ型 …体温は一定で,冬も活動できるが,え さが少ないので冬眠。メスは冬眠中に出産する。ツ キノワグマ,ヒグマなど。 3 鳥や冬眠をしない動物の冬ごしのようす 【練習1】 ⑴ 鳥の冬ごし ①冬鳥…秋に北国から来て,日本の湖沼,海岸で冬を こし,春,北国へもどる。ハクチョウ,ガン, マガモ ・ナベヅル,マナヅル…暖かい九州などで冬をすごす。 ②漂鳥…山 から平地におりて雑木林や庭木ですご す。ウグイス,ヒヨドリ。 ・オシドリ…昼,林の中でドングリを食べ,夕方 は水辺ですごす。 ③留鳥…冬は,体毛が白くなる(冬毛)。ライチョウ ・スズメ…羽の間に空気を入れて寒さをしのぐ。 ⑵ 冬眠をしない動物の冬ごし わずかなえさをさがしながらくらす。キツネ,イ タチ,ノウサギ,ニホンカモシカ,ニホンザル。 4 冬の天気 【練習2,4】 ⑴ 冬の気温 冬至のころ 太陽の南中高度はもっとも低く,昼の長さはもっ とも短くなる。→ 1 ~ 2 月の気温はもっとも低くなる。 ⑵ 冬の地温,水温 秋よりも低い。池や湖の表面には氷がはるが,水 温 0℃以下にならないので水中の生物は氷の下でも 生きていける。 ⑶ 冬の天気 日本海側…大雪が降る。 太平洋側…天 気がよくかんそうした日が続く。(北 西からふく冷たくかわいた季節風のえい きょう) ▼指導ページ P 120 ~ 127 ▼ 補足知識・留意事項など 1 こん虫の冬ごしのようす こん虫のすごし方は変態(たまご→よう虫→さなぎ→成虫)の段階で分類。 ⑴①木のえだや草のくきに産む…オビカレハ,クスサンなどガ (蛾) のなかま ・ (空気を閉じこめた)スポンジ状のものでたまごをおおい,冬の寒さ をふせぐ…カマキリ ②温度が変化しにくい土の中にたまごを産む。…バッタ,コオロギ ⑵①ミノガのよう虫(ミノムシ)…木のえだや葉などでつくったミノの中 で,イラガのよう虫…たまごのからのようなまゆの中。 ②(気温が下がっても 0℃以下にならない)土の中…カブトムシ,コガ ネムシ,セミ ③雑木林の落ち葉の下でよう虫のすがた…オオムラサキ,ゴマダラ チョウ ⑷①・テントウムシ…枯れ葉の下などでかたまってすごす。 ・ミツバチ,アリ…巣の中で集団生活。(役割に応じて,様々な姿 をしている。) ②ゴミムシ,ハサミムシ…落ち葉の下でじっとしている。 ③キチョウ,キタテハ,ハナアブ…冬でも野原や林の中で飛んでいる のが見られる。 2 動物の冬眠のようす 冬眠する動物たち ⑴ 冬眠しているとき体温が下がるだけはなく,呼吸や脈拍もごく少なく なる。人がふれても身動きもしない。死んでいる状態にかなり近い。敵 にみつからないようにかくれて冬眠する。 ⑶ 冬眠中でも体はあたたかく,体温や脈拍は変わらない。ときどき目 覚めて活動もする。敵が近づくと目覚める。出産したばかりの母グマ は特に敏感で,子を守ろうとして攻撃するかもしれないので,けっし て近づいてはいけない。 3 鳥や冬眠をしない動物の冬ごしのようす ⑴ わたり鳥…気温の変化で南北間を(あたたかくなると北に,涼しく なると南に)移動する。夏の間に子育てをする。 夏鳥と冬鳥…日本で夏をすごすのが夏鳥,日本で冬をすごすのが冬鳥。 旅鳥…旅のと中で,短い間,日本にたち寄り,羽を休める鳥。 漂鳥…夏の間はすずしい山間で,冬はあたたかい平地におりてすご す。国内を南北に移動する鳥は漂鳥に含まれる。 留鳥… 1 年中同じところにいる。高山にすむライチョウは夏と冬で 毛がはえかわる(夏は茶かっ色,冬は白,まわりと同じような色 の毛で(敵に見つからないように)身をかくす。) ⑵ はげしい寒さでこごえ死んだり,えさが足りなくて,うえて死ぬこ ともある。 4 冬の天気 ⑶ 季節風 季節によってふく向きが変わる。大陸と海洋(太平洋)の間でふく 風。温度の低い方から高い方に風がふく。水(海)は暖まりにくく冷え にくい。冬は海洋より大陸の方が冷えるので,海洋に向かって風がふ く。(対流と同じく,海の空気は暖められ,軽くなって上昇するので, 陸の冷たい空気が海上に向かってふく。夏は,逆の向きになる。) 大陸からふく冷たい季節風が,日本海をわたるときに水じょう気を 吸収して,中央の山脈をこえるとき,雲をつくり,日本海側に多くの 雪を降らせる。山脈をこえると,水じょう気の少ない,かんそうした 冷たい風(北関東の「からっ風」など)になるので,太平洋側では晴れ た日が続く。 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 18 指導のねらい 重さをはかるもの ★つり合いの意味とその計算の基礎を学習する。 ★上皿てんびんの使い方を正確に覚えさせる。 重要事項の確認 1 ぼうのつり合い 【練習1,2】 ・つり合う(ところ)…ぼうが水平になってとまる(と ころ) ・支点…ぼうを糸でつるしているところ。 ⑴ 太さが一様なぼうのつり合い つり合うときの支点の位置…中央 ⑵ 太さが一様でないぼうのつり合い 支点の位置をまん中から太い方へずらすとつり合う。 ⑶ おもりをつるしたぼうのつり合い ・つり合っているぼうに支点から同じ長さのところに 同じ重さのおもりをつるすとつり合う。→てんびん の原理 ・支点の左右で, 左のおもりの重さ×支点からの長さ = 右のおもりの重さ×支点からの長さ となるとき,ぼう はつり合う。 2 てんびん 【練習2,3】 ⑴ てんびん ぼうのつり合いを利用し重さをはかる道具 ⑵ 2 つのものの重さをくらべる てんびんの左の皿にねん土,右の皿におもり 10g をのせるとき。 ①てんびんがつり合う→ねんどの重さは 10g ②ね ん土をのせた皿が下がる→ねん土は 10g より 重い。 ③お もりをのせた皿が下がる→ねん土は 10g より 軽い。 ⑶ もののようすとてんびんのつり合い ①てんびんの皿をつるす糸の長さ:短くしてもつり 合いは変わらない。 ②皿の上のものの位置:動かしてもつり合いは変わ らない。 ③ものの形:形を変えたり細かく分けてもつり合 いはかわらない。(ものを変形し細かく分けても, もの全体の重さは変わらないから。) ④ものを水の中に入れたとき:つり合いは変わらな い。 (ものと水の合計の重さは変わらないから。) 3 上皿てんびん 【練習4】 ⑴ 上皿てんびんの使い方 ①じゅんび ・上皿てんびんをしっかりとした水平な台の上に 置く。 ・うでの番号に合わせて,皿をうでにのせる。 ・はりが中央から左右同じはばでふれるように調 節ねじを回す。 ②ものの重さのはかり方 (右ききの場合,左ききは逆) ・はかるものを左の皿にのせる。 ・右手でピンセットを持ち右の皿に分銅を(必ず 重い方から)のせていく。 ・はりが左右に同じはばでふれたときの分銅の重 さを合計する。 ③ものの重さをはかりとる(右ききの場合) ・薬包紙を左右の皿にのせる(薬品などの場合) ・一定の重さの分銅を左の皿にのせる。 ・右手で薬さじを持ち,はかるものをのせていく。 ④しまい方 ・分銅を決められた位置に戻す。 ・皿を一方に重ねておく。 ▼指導ページ P 128 ~ 135 ▼ 補足知識・留意事項など 1 ぼうのつり合い この装置は「てこ実験器」ともいわれる。このつりあいは「てこ」と 関連が深い。てこは,自分で動かせそうもないものを 1 点で支えたぼう で動かす道具で,石を動かすための 3 つのポイントがある。 ①力点…ぼうを下向きにおす点。人が(ぼうに)力を加える点。 ②支点…ぼう(てこ)を支えている,動かない点。 ③作用点…ぼうが石をおし上げる点。ものに力がはたらく点。 丸太をおいて支点にした長いぼうで重い石を動かすとき,支点と作 用点の間はできるだけ短く,支点と力点との間はできるだけ長くする とよい。(てこのはたらきについて,昔ギリシャの学者アルキメデスは 「私に長い棒と支点を用意してくれたら地球さえ動かしてみせます。」と 言ったという。) <てこ実験器> 太さの一様なぼうの中央を支点として自由に回るようにしたもの。支 点からいろいろな長さのところにおもりをさげ,ぼうが水平になりつ りあうときのおもりの重さと支点からおもりまで(…うで)の長さとの 関係をしらべる。ぼうにおもりをさげると,おもりはぼうをまわそう とするはたらきをする。このはたらきは,おもりが重いほど,うでの 長さが長いほど大きい。その大きさは, (おもりの重さ) × (うでの長さ) = (てこの回転力,力の回転モーメント) で表される。この左右の回転力が等しく(同じに)なるとき,棒はつり 合う。 2 てんびん ⑶ ものを次のようにしても,つり合い(それぞれの重さ)は変わらない。 ①皿をつるす糸を結び,短くするなど長さを変えるとき。 ②皿の上のものの位置を変えるとき。 ③ものの形を変えたり,細かく分けたりするとき。(ものを変形し細 かく分けても,その重さは変わらない。) ④同じ重さの水の中にものをしずめたりとかしたりするとき (ものの重さと水の重さの合計は変わらない。) 3 上皿てんびん ⑵ 上皿てんびんを使うときの注意事項 ①分銅は必ずピンセットであつかう。(指で直接さわると,よごれた り,さびたりして重さが変わってしまい,正確に重さをはかれなく なるから。) ②左右の皿がつり合ったとき(はりが左右に同じはばでふれたとき), うでやはりにさわったり,ふれているはりを指でとめたりしてはい けない。 ③クリップのように 1 つ 1 つの重さが軽いものの重さをはかるときは 同じものを何個かまとめて重さをはかり,1 個の重さは → 1 個の重さ=全体の重さ÷個数 のように計算して求める。 ④上皿てんびんをかたづける(持ち運ぶ)とき,ガタガタすると支点を いためるので,(ガタガタしないように)2 つの皿をどちらか一方に 重ねておく。 ⑤上皿てんびんははかれる重さに限度があるので,あまり重いものは はからない。(うでなどの破損の原因となる。) 19 指導のねらい 中学受験新演習 小 4 下 理科 指導のポイント 第 16 回~第 18 回のまとめ ▼指導ページ P 136 ~ 139 ▼ ★各回を総合した復習を行う。 ★冬の動植物の特徴と,てんびんの計算方やあつかい方を定着させる。 重要事項の確認 1 第 16 回の復習 ⑵ ロゼットで冬ごし…タンポポやナズナ ⑶ 春に葉がかれて,夏は球根のすがたですごす。 ⑷ ダリアの根→球根,ヤマノイモの根→イモで冬ごし 2 第 16 回の復習 ①たくさんのりんぺん…サクラ ②細かい毛のはえたりんぺん…モクレン ③1枚のりんぺん…スズカケノキ ④むき出しの芽…アジサイ 3 第 17 回の復習 ⑴① (あわのようなものでつつまれた) かまきりのたまご ②イラガのよう虫 ③アゲハチョウのさなぎ ④ミノムシのよう虫 ⑵よう虫で冬ごし…カブトムシ,コガネムシ 4 第 17 回の復習 ⑴①まわりの温度で体温が変化…カエル,トカゲ,ヘ ビ,カタツムリ ②体温が一定…ヒグマ,キツネ ③冬ひどく寒いとき体温が下がる…コウモリ,ヤマネ ⑵ 北海道にすむキタキツネなど…冬でも,冬眠しない。 ⑶⑷ ツグミ,ハクチョウ,ガン,カモ…冬鳥 ⑸⑹ ウグイス,カケス,オシドリ…漂鳥 ⑺⑻ スズメ,カラス…留鳥 5 第 17 回の復習 ⑴ 12 月 太 陽 高 度 が も っ と も 低 く, 昼 の 長 さ が もっとも短い。ただし,気温は 1 ~ 2 月の方が寒い。 ⑵⑶ 冬至,12 月 20 日ごろ。 ⑷ 季節風…季節によって向きが変わる風。大陸と海 洋(太平洋やインド洋)の間でふく。 ⑸ 冬は北西(大陸→太平洋)から,夏は,逆に南東 (太平洋→大陸)からふく。 ⑹ 山地をこえた後は,水蒸気をあまり含まないかわ いた風になるので,雨やくもりの日は少なく,晴天 が続く。 6 第 18 回の復習 ⑴ ガタつかないしっかりした水平な台の上に置く。 ⑵⑶ 左右のうでに皿→調節ねじではりのふれを調整 →皿に薬包紙→ (右きき) 左の皿に分銅→右の皿に食塩 ⑷ 一方のうでに皿を重ねる←ガタつきで支点をいた めないため。 7 第 18 回の復習 「支点からおもりまでの長さ×おもりの重さ」が左右 でひとしくなるとき,つり合う。→②,③,⑥ ②左右同じ位置に同じ重さのおもりをつるす→つり 合う。 ③左 5 × 20g =右 2 × 50g = 100g ⑥左 3 × 20g + 6 × 10g =右 4 × 30g = 120g つり合わない計算例 ⑤左 4 × 10g + 2 × 20g = 80g 右 4 × 30g = 120g 8 第 18 回の復習 ⑴ 「支点」でぼうをつるすとき,ぼうは水平になる。 ⑵ つり合っているとき 支点から左右おなじ長さの ところにつるしたもの全体の重さは左右等しい。左 が 140g →右もその合計は 140g ⑶ 食塩をとかす前と後で重さやつり合いは変わらな い。 ⑷ ねん土を変形したり,細かく分けたりしても,同 じ皿の上で置く位置を変えても,重さやつり合いは 変わらない。ただし,イのように別の皿にうつしか えると,左右の重さが変わってしまうので,つり合 わなくなる。 補足知識・留意事項など 1 第 16 回の復習 ①ロゼット葉の放射状にのびた形に注意。 ②ヒガンバナはこのころ葉がない。 ③⑥ダリア,ヤマノイモは根が球根やイモになる。 ④グラジオラスはふくらんだ茎に養分をたくわえている。 ⑤ススキは根元から短い茎が出ている。 ⑶ ヒガンバナの四季 春に葉がかれて,夏は球根ですごし,秋に赤い 花が咲く。花が終わると,葉がのびて冬ごしをする。 2 第 16 回の復習 ⑴りんぺん…冬芽をおおうじょうぶな皮のようなもの。冬芽は,りんぺ んの形状で見分ける。冬芽を多数のりんぺんでおおうものや 1 まいの りんぺんでおおうもの。細かい毛のはえたりんぺん,表面がねばねば したりんぺんなどがある。りんぺんのないむき出しの冬芽もある。 3 第 17 回の復習 ⑴ ①~④こん虫の冬ごしのすがたとしては代表的なものばかりである。 4 第 17 回の復習 冬ごし ・冬鳥…日本の湖沼などで冬をこし,あたたかくなると北の国にわたっ ていく。 ・漂鳥…夏を涼しい山ですごし,寒くなると平地におりてくる。 ・留鳥… 1 年中同じところにすむ。高山にすむライチョウは冬白い羽に なる。 5 第 17 回の復習 太陽の位置(冬至)と(最低)気温は 1 ~ 2 か月のずれがある。冬至をす ぎても気温はしばらく下がり続ける。地球が冷えるのに時間がかかる。 ・冬至…昼がもっとも短くなる。太陽の南中高度は1年のうち最も低い。 季節風の風向きは,冷たい方→温かい方。陸地より海水の方が温た まりにくく冷えにくい。冬は海の方が暖かく,大陸から北西の風が吹く。 夏は大陸の方が温かく,海からの南東の風になる。(海辺で昼は海から, 夜は陸から吹くのと同じ理由。)北西の季節風は日本海の水じょう気を はこび,日本海側に大雪を降らせ,山をこえたあと,太平洋側では,水 じょう気の少ないかわいた風になる。 6 第 18 回の復習 上皿てんびんはわずかな量をくらべるので目盛りが狂わないようにと りあつかいに注意が必要。→⑴使うとき,ぐらつかないしっかりした水 平な台の上に置く。 ⑷ 持ち運びや収納のとき,支点をいためないため,一方のうでに皿 を重ねる。塩など量を加減するものはきき手の側に置くと作業がしや すい。ものを固定してはかるときは逆に分銅をきき手の側にのせる。 (重めの分銅からまずのせる。) 7 第 18 回の復習 「うで(支点からおもりまで)の長さ×おもりの重さ」が左右等しいとき なぜつり合うのだろうか? 支点の左側におもりをつるすと,支点を中心に左(反時計)まわりに 回転しようとする力がはたらき,右におもりをつるすと,右まわりに 回転しようとする力がはたらく。この回転力は,うでの長さが長いほ ど大きく,おもりが重いほど大きい。つまり回転力は「うで(支点か らおもりまで)の長さ×おもりの重さ」で表される。左右の回転力が 等しいときは,ぼうは静止し水平になる。つまり,ぼうはつり合う。 8 第 18 回の復習 ⑷ ねん土を変形したり,細かく分けたりしても,同じ皿の上で置く位 置を変えても,重さやつり合いは変わらない。左右の皿それぞれの重 さが同じ点に注意する。ただし,イのように別の皿にうつしかえると, 左右の重さが変わってしまうので,つり合わなくなる。
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