建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術) 概要書 ハイブリッドシート工法 特殊ラミネートシートによるコンクリート構造物のはく落防止工法 建技審証第 1501 号 平成 27 年 3月 建設技術審査証明協議会会員 一般財団法人 土木研究センター(PWRC) 技術・工法の概要 「ハイブリッドシート工法」は、コンクリート構造物のコ ンクリート片のはく離落下を防止するために開発された工 法です。 工場で製作された特殊ラミネートを、エポキシ樹脂系含 浸接着剤で1層貼る工程とすることで実作業工程数を減 じ、工期短縮の図れる工法です。 耐久性に優れ、高品質で均一な施工が可能であり、また、 再補修性能および塩害、中性化を抑制する性能も有してい ます。 用 途 ① コンクリート片のはく落対策工法です。 優れたはく落防止性能を有し、現場施工日数が短縮できる工法です。 ② 劣化(塩害・中性化)対策もできます。 コンクリート保護塗装と同じように、塩害や中性化の抑制性能を併せ持った工法です。 構 成 コンクリート表面に特殊ラミネートシートを接着剤で貼る工法です。 HBシートは、コンクリートのはく落防止機能を備え、耐候性に優れた特殊ラミネートシートです。 従来工法の工程を凝縮したシートなので、現場での施工が早くて品質が安定します。 (3工程をHBシート 1 枚にまとめました。) 特 徴 工期短縮 ・・・ 従来工法と比べ、交通規制日数が約半分になります。 道路上で交通規制を行う跨道橋、高架橋など、迅速施工が求めら れる箇所で威力を発揮します。 特殊ラミネートシート(HB シート) ハイブリッドシート工法 施工フロー 下地処理 プライマー塗布 接着剤塗布 HBシート接着 完 成 審査証明の結果 ◆「ハイブリッドシート工法」は、以下の性能を有していると確認されました。 (1) コンクリート片のはく落防止性能は、押抜き試験において変位 10mm 以上で荷重 1.5kN 以上、ひび割れ 追従性試験で貼り付けたラミネートシートの伸びが 0.6mm 以上であることが確認された。 (2) コンクリート構造物への劣化因子侵入抑制性能は、塩害抑制機能として、ひび割れ追従性の外、塩化物イ オン透過量が 0.005g/m2・日以下、酸素透過量は 5.0 × 10-2mg/cm2・日以下、水蒸気透過量は 5.0mg/ cm2・日以下であることが、また、中性化抑制機能として、ひび割れ追従性、水蒸気透過阻止性の外、中 性化阻止性試験で中性化深さが 1mm 以下であることが確認された。 (3) 耐久性能は、耐候性として促進耐候性試験 2000 時間後の付着強さが 1.5N/mm2 以上であり、3000 時間後に外観変状が無いことが、耐アルカリ性として耐アルカリ性試験後の付着強さが 1.5N/mm2 以上 であり、外観変状が無いことが、耐凍結融解性として凍結融解試験 300 サイクル後の相対動弾性係数が 60% 以上であることが確認された。 (4) ラミネートシートが部分破損した場合でも、その箇所に再度ラミネートシートを重ね貼りすることにより、 押抜き試験では変位 10mm 以上で荷重 1.5kN 以上、付着強さが 1.5N/mm2 以上となり、破損前と同等 の性能に回復できる再補修性能を有することが確認された。 (5) 現場積層型と比較して、現場作業の工程数を概ね半減し、工期の短縮が図れることが確認された。 ◆ 審査証明の結果のまとめ (1)コンクリートのはく落防止性能 ・ 荷重:変位 10mm 以上で 1.5kN 以上(押抜き試験) ・ 伸び:0.6mm 以上(ひび割れ追従性試験) (2)劣化因子侵入抑制性能 ・ 塩化物イオン透過量:0.005g/m2・ 日以下 ・ 酸素透過量:5.0 × 10-2mg/cm2・ 日以下 ・ 水蒸気透過量:5.0mg/cm2・ 日以下 ・ 中性化深さ:1mm 以下(中性化阻止性試験) (3)耐久性能 ・ 促進耐候性試験 2000 時間後の付着強さ:1.5N/mm2 以上であり、3000 時間後に外観変状がない。 ・ 耐アルカリ性試験後の付着強さ:1.5N/mm2 以上であり、外観変状がない。 ・ 凍結融解試験 300 サイクル後の相対動弾性係数:60%以上。 (4)再補修性能 ・ 部分破損した場合、その箇所に再度ラミネートシートを重ね貼りすることにより、破損前と同等の性能 に回復できる。 (5)工期短縮 ・ 現場積層型と比較して、現場作業の工程数を概ね半減し、工期の短縮が図れる。 ハイブリッドシート工法 使用例(施工例) 活用実績件数:630 件 324,742m2 (2001 年 8 月~ 2014 年 12 月) 壁高欄 床版・桁 橋 脚 橋台・床版 最近の主な施工実績 施工年月 工事件名 発注者 数量 (m2) 2014. 3 国道 31 号呉陸橋外補修工事 国土交通省広島国道事務所 2,330 2014. 4 平成 25 年度 42 号多気高架橋(P9 から P12)耐震補強工事 国土交通省紀勢国道事務所 1,076 2014. 4 港南ひまわりトンネル(内回り・外回り)ほか 6 か所補修工事 横浜市 1,016 2014. 5 奈良線 八戸ノ里駅付近高架橋剥落対策工事 近畿日本鉄道(株) 300 2014. 6 安房天津・安房鴨川間 坂下こ線道路橋補修工事 東日本旅客鉄道(株) 384 2014.11 東名阪自動車道桑名管内橋梁補修工事(H24 年度) 中日本高速道路 ( 株 ) 1,027 審査証明有効期間 平成 27 年 3月31日~平成 32 年 3月30 日 技術保有会社 / お問い合わせ先 ショーボンド建設株式会社 〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町7番8号 TEL.03–6861–8105 FAX.03–6861–8116 http://www.sho-bond.co.jp 本概要書は、一般財団法人土木研究センター(PWRC) が行った 「建設技術審査証明 (土木系材料・製品・技術、道路保全技術) 」 の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。 一般財団法人土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html
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