5.2 大梁の断面設計 5.2.4 SRC 大梁 5.2.4 SRC大梁 INDEX: 曲げモーメントに対する計算・せん断力に対する計算 (1)曲げモーメントに対する計算 梁の許容曲げモーメントは(SRC 規準(2001)16 条)に基づき下式による。 Ma sM0 rM0 ここで sM0 sZ sfb sM 0 :鉄骨部分の許容曲げモーメント sZ :鉄骨の断面係数 sfb :鉄骨の許容曲げ応力度 rM 0 :鉄筋コンクリート部分の許容曲げモーメント SRC 造の梁の曲げ設計は、S部分の設計曲げモーメント sMd を、sM0 と存在曲げモーメント Md の小 さいほうに設定し、RC部分の設計用曲げモーメント rMd を rMd Md sMd として求め、RC 部分に対し必要な鉄筋断面を計算する方法とする。RC 部分の許容曲げモーメントの計 算方法は RC 大梁と同じである。 RC 部分と S 部分のせん断力分担はモーメント分担に比例させるから、せん断検討時に sQd(S部分の 設計せん断力)>sQa(S部分の許容せん断耐力)となる場合がある。その場合は S 部分の設計曲げモー メントを 0.99 sQa sMd Md Q と修正し(減じ) 、前記の式により、RC 部分の設計用曲げモーメントを算定し直す(軸力考慮時は柱 に倣い、短期のみ補正を行う) 。 なお、指定により端部を RC 造または S 造として設計することができる。 S 部分の許容曲げモーメントは指定によりフランジのみ、または全断面の許容曲げモーメントである。 継手位置では継手形式が「HTB」の場合、フランジとウェブの低減係数による有効断面係数から計算す る。 軸力を考慮する場合は RC 大梁と同様に柱設計と梁設計を行い、必要断面要素(コンクリート、鉄骨、 鉄筋量)の大きい方を採用する。 (2)せん断力に対する計算 梁の許容せん断力は(SRC 規準(2001)18 条)に基づき計算する。 1)S 部分の許容せん断耐力式 S 部分の許容せん断力は下式による。 (SRC 規準(2001)18 条 2 項) sQa sA sfs ここで B-5.2.4-1 5.2 大梁の断面設計 5.2.4 SRC 大梁 sA :鉄骨せん断断面積 sfs :鉄骨許容せん断応力度 2)RC 部分の許容せん断耐力式 RC 部分の許容せん断力は下式による。 (SRC 規準(2001)18 条 2 項) rQa min rQa1、rQa2 rQa1 fs 0.5 pw wft b j b' rQa2 2 fs pw wft b j b j 7 d 8 d D dt pw aw bx 梁のせん断スパン比 M/Qd による割り増し係数 α は下式による。 α 4 rMd 1 rQd d かつ 12 pw の値が 0.6%を超える場合は 0.6%として許容せん断力を計算する。なお、pw の最小値は 0.1%とす る。 ここで b :梁幅、T形梁の場合はウェブ幅(B) D :梁成 dt :引張側の主筋重心位置 pw :あばら筋比 aw :1 組のあばら筋断面積 x :あばら筋間隔 fs:コンクリートの許容せん断応力度 wft :あばら筋のせん断補強用許容引張応力度 rMd :設計する梁の RC 部分の分担最大曲げモーメント rQd :設計する梁の RC 部分の分担最大せん断力 3)設計用せん断力の算定 設計用せん断力 sQd、rQd は下式による。ここで、Q、M は応力解析により求められた存在せん断力、 曲げモーメントであり、sMd、rMd は設計用曲げモーメントである。 sQd sMd Q M rQd rMd Q M ただし、短期設計時には、靭性確保のため設計ルートに応じて以下の割増しをする。 a)ルート 1 およびルート 3 B-5.2.4-2 5.2 大梁の断面設計 5.2.4 SRC 大梁 下記 3 式が選択できる ① Qd min Qd1, Qd2 ② Qd1 rQd1 sQd1 ③ Qd2 rQd2 sQd2 sQd1 sMd Q n・Qe M sQd2 sMd L sM1 sM2 Q ML ' rQd1 rMd Q n Qe M rQd2 rMd L rM1 rM2 Q ML ' b)ルート 2 rQd min rQd1, rQd2 n=1.0(固定値) rM1、rM2 は梁の両端の終局曲げモーメント ( 「構造関係技術基準」付録 1-4.1) rQd1 2(Q sQd) rQd2 rMd L rM1 rM2 Q ML ' sQd sMd L sM1 sM2 Q ML ' ここで Q : Q Qe を用いる。 rMd/M :RC部分のモーメント分担率 sMd/M :S部分のモーメント分担率 rMd L /M L :RC部分の長期モーメント分担率 sMd L /M L :S部分の長期モーメント分担率 rM 1 、rM 2 :左端・右端のRC部分の終局曲げモーメント sM 1、sM 2 :左端・右端のS部分の短期許容曲げモーメント なお、梁の RC 部分の終局曲げモーメントは RC 梁の降伏モーメント My とする。S 部分の短期許容曲 げモーメントは下式による。 sMs Ze fbs ここで Ze :鉄骨の有効断面係数 fbs :鋼材の短期曲げ許容応力度 B-5.2.4-3 5.2 大梁の断面設計 5.2.4 SRC 大梁 設計用せん断力の「構造関係技術基準」との比較を次表に示す。 表-5.2.4.1 設計ルートによる設計せん断力の扱い ルート 1 柱・梁 構造関係技術基準 本システム Qd=min(Qd1,Qd2) Qd1=QL+nQE nは 1.0 以上 Qd2=Q0+αQy αは 1.0 Qyは両端降伏 柱では、柱頭梁降伏可 Qd=Qd1、Qd2、min(Qd1,Qd2) から指定(ルート1用、デフォルト min (Qd1,Qd2) ) rQd1=rMd/M×(QL+nQE) sQd1=sMd/M×(QL+nQE) nは 1.0 rQd2=rMd/M×QL+α(rM1+rM2)/ h' sQd2=sMd/M×QL+α(sM1+sM2)/ h' αは 1 M1,M2 は両端の終局 M 柱の RC 部分では上下一方梁の RC 終局 M との小さい方 ルート 2-1・2-2 柱・梁 rQd=min(rQd1,rQd2) rQd1=2(Q-sQd) rQd2=rQL+(rM1+rM2)/h' 柱の場合 rM1=min(上側梁 sMa+rMu -柱頭 sM1,柱頭 rMu) rM2=柱脚 rMu 梁の場合 rM1,rM2 は両端 RC 終局 M ルート 3 柱・梁 Qd=min(Qd1,Qd2) Qd1=QL+nQE nは 1.0 以上 Qd2=Q0+αQy αは 1.0 Qy は両端降伏 柱では、柱頭梁降伏可 rQd=rQd1、rQd2、min(rQd1,rQd2) から指定(ルート 2 用、デフォルト min (Qd1,Qd2) ) rQd1=2(Q-sQd) rQd2=rMd/M×QL+α(rM1+rM2)/ h' αは 1 柱の場合 rM1=min(上側梁 sMa+rMu -柱頭 sM1,柱頭 rMu) rM2=柱脚 rMu 梁の場合 rM1,rM2 は両端 RC 終局 M Qd=Qd1、Qd2、min(Qd1,Qd2) から指定(ルート1用、デフォルト min (Qd1,Qd2) ) rQd1=rMd/M×(QL+nQE) sQd1=sMd/M×(QL+nQE) nは 1.0 rQd2=rMd/M×QL+α(rM1+rM2)/ h' sQd2=sMd/M×QL+α(sM1+sM2)/ h' αは 1 M1,M2 は両端の終局 M 柱の RC 部分では上下一方梁の RC 終局 M との小さい方 SRC 造で、Qd2 計算時に取り付き部材がない側は、存在 ME×rMd/M を採用する。 B-5.2.4-4
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