湯沢市立須川小学校

平成25年度小・中連携いきいきスクール事業研究成果報告書
教育委員会名
1
2
実
践
研
究
の
概
要
研究テーマ
及びねらい
湯沢市教育委員会
学
校
名
湯沢市立須川小学校
教科担任制とTT,小・中連携の強化で児童理解の深化と質の高い授業の構築
(1) 教科担任制やTTにより複数の教員が授業に関わり,学級担任と連携して
指導に当たることで,児童一人一人のよさや可能性を多面的に引き出し,生
徒指導面での充実を図る。
(2) 教員の専門性を生かした授業(教科担任制)を構築することで,教科の魅
力を味わわせるとともに,意欲的な学習態度を育てる。
(3) 学級の実態や一人一人の課題に対応したTTにより,個に応じたきめ細か
な指導を行い,基礎学力の定着を図る。
(4) 授業での関わりを通して指導観を共有することで,より質の高い小・中連
携を図る。
(1) 研究の全体計画の作成と課題を明確にした指導改善の取組
(2) 教科担任制やTTによる生徒指導の充実
・複数の目による多面的な児童理解をより推進し,一人一人のよさや可能性を生かした積
極的な生徒指導を推進するとともに,心に寄り添う生徒指導となるようにする。
(3) 教科担任制の充実と発展
(4) 教科担任制とTTによる授業改善及び教員の授業力向上
① 次の教科を教科担任とし,単元の系統性を考慮した授業を実践する。
体育(1,2,3,4,5,6年)・・・・・教科担任
音楽(4,5,6年)・・・・・・・・・・・教頭
② 教科担任の時間を活用し,教師個々の得意教科を生かして授業を実践する。
5年家庭科・・・・・・・・・・・・・・・1年担任
6年家庭科・・・・・・・・・・・・・・・2年担任
③ 次の教科を学級担任と教頭とのTTとし,主に全体指導のT1を学級担任が,T2を
教頭が担当し,児童一人一人をよく知る学級担任のよさを生かして個に即したTTを行
う。
6年算数・・・・・・・・・・・・・・・・教頭
④ 教科担任制での空き時間を活用し,授業力向上に向けての研修の場とするとともに,
体育や他学年でのTTを行う。
⑤ 放課後30分程度,補充学習の時間を特設しTTで基礎的事項の定着を図る。
( パワーアップタイム 11月8回,2月6回)
(5) 全国学力・学習状況調査,県学習状況調査,体力・運動能力調査等の分析と課題の改善
状況の把握
(6) 小・中連携の推進
① TTの実践による小・中の円滑な接続
ア 小学校から中学校への乗り入れ授業
・中1数学へ小学校教頭がTTで授業参加(1学期間)
・中1,中2,中3保健体育へ小学校教科担任がTTで授業参加(9・10月)
(陸上競技・器械運動・格技(柔道))
・小学校教科担任が中学校スキー教室の講師(1月)
イ 中学校から小学校への乗り入れ授業
・小5,小6外国語活動へ中学校英語教師(兼任発令)がTTで授業参加(年間)
・中学校音楽教師が全校音楽指導(10月)
・中学校体育教師が小学校スキー教室の講師(1月)
② 連携教育推進委員会の設置による計画的連携
・小・中連携推進委員会(5・2月)
・小・中連携推進委員会全体研修会(5月)
・学習習慣表の見直し,基本的な生活習慣表の見直し,小・中交流行事の実施
③ 須川地区ブロック研修会の実施
ア
須川ブロック研究会(6月12日)
(兼 小・中連携いきいきスクール事業に係る教員加配校訪問)
・研究授業 中1数学(小学校から中学校への円滑な接続に係る小学校教員による
乗り入れ授業)
小6外国語活動(中学校教員による小学校への乗り入れ授業)
・協議と指導助言
イ 小・中合同研修会(職員研修会)(8月2日)
・フィールドワーク 上の岱地熱発電所見学(市ジオパーク推進室職員同行)
・情報交換会
④ 授業研究会への相互参加
・指導主事訪問の指導案を交換し,相互に授業参観を行う。研究会に出席できないとき
は,感想を寄せ合う。
3
研
究
の
検
証
方
法
4
成
果
と
課
題
(1) 教科担任制,TTの効果や課題,加配の運用状況に関する教員の評価の実施及び教員の
意識調査の実施(7月,12月)
(2) 授業アンケート(児童・保護者)の実施と分析(7月,12月)
(3) 単元テスト及び学習状況調査,体力・運動能力調査等における学力や運動能力の把握と
分析及びその対応,学習状況調査等における課題の改善状況の把握及び補充指導
(1) 学習指導について[資料1]
○小学校まなび・ふれあい充実事業からの継続での教科担任の授業やTTなどを通し,学
習意欲が喚起されてきた。それが,6年生の県学習状況調査で通過率の向上となって表
れた。
○児童の変容を中心とした学習情報の交流が炉辺で行われ,教師の授業改善の意欲が高ま
った。それが,児童の学習意欲につながり,学力の底上げにつながった。
●全国や県の学力・学習状況調査の結果分析から,基礎的事項の定着はよいが,問題文の
読み取りと題意の把握,目的や意図に応じて書くこと,複合的な問題に課題があった。
(2) 生徒指導について[資料2]
○複数の教師が授業に入ることで,児童個々の問題に,学年・学級を超えた様々な角度か
らの対応が可能になった。
○児童を語る会での話合いが全校的なものとなり,児童の課題に対応するための多面的な
アプローチがなされるようになった。
(3) 学校経営について
○教科担任やTT,交換授業を取り入れたことで,全校の児童に関することや他の学年の
学習内容について,教職員同士で話題となることが多くなり,小学校全体の活性化につ
ながった。
○小・中間での乗り入れ授業などを通して,中学校を見据えた学習や生徒指導の必要性を
実感することができた。
(4) 中学校との連携について
○小・中それぞれの教師がお互いに乗り入れ授業をすることで,中学校が身近になったよ
うに思われる。また,小・中9年間を通したひとつながりの教育である,との意識が明
確になった。
●小・中連携が高学年に偏ってしまう傾向があり,全校的な高まりをつくりきれていない。
●小学校の課題を中学校の視点で話し合う機会の設定が必要である。
(5) その他の研究課題について
○「 小・中連携いきいきスクール事業」について,教師の学校評価アンケート(7,12月)
を行い,授業改善の視点からその効果について分析した。[資料3]
○保護者や児童の学校評価アンケートの結果から,教科担任制や小・中連携の効果につい
て,保護者から高い評価を得られた。[資料4][資料5]