流通経済研究所 定例フォーラム「流通大会 2015」の開催概要が確定 先がけてオムニチャネル 「需要創造に向けた小売業の変革と、 流通チャネル再編の展望」 がテーマ 戦略を強化しており、そ の取り組みアプローチは 注目を集めそうだ。 マルエツ、三菱食品、セブン&アイ HD、カルビー、ウエルシア HDなどが講演 また、メディアで取り 上げられたり、書籍「福 島屋 毎日通いたくなる 例年、300社超の流通事業者が聴講するフォー スーパーの秘密」 (日本実 ラム「流通大会」 (主催・流通経済研究所)の開催 業出版社・2014年 1月刊 概要がこのほど確定した。会期は 2015年 2月 4 行)が人気を集める、食 日、5日、6日で、会場は明治記念館(東京・港 品スーパーの福島屋も登 区) 。後援団体は、経済産業省(予定)や日本商工 壇。当社会長の福島徹氏 会議所、日本スーパーマーケット協会など。 が、SM 経営や売場づく りでこだわるポイントを 今回の流通大会セミナーは「変化 紹介する。 に直面する 2015年の流通・マーケ ティング―― 需要創造に向けた小 売業の変革と流通チャネル再編の展 望」とのテーマで、各種プログラム そのほか、高齢化社会 を見据えた事業展開に注 昨年度の流通大会 では、ネスレ日本 の高岡浩三社長ら が講演した 力する大手ドラッグスト アのウエルシアホールデ を構成する。 主な登壇者とテーマ ◆小売業・メーカー: マルエツ/代表取締役社長 上田 真 氏 ウエルシアホールディングス/池野 隆光 氏 三菱食品/執行役員 マーケティング本部長 兼 戦略研究所長 原 正浩 氏 カルビー/執行役員 営業本部 本部長 石辺 秀規 氏 セブン&アイ・ホールディングス/執行役員 最高情報責任者 (CI O) 鈴木 康弘 氏 福島屋/会長 福島 徹 氏 フレスタ/グループ経営企画本部 経営企画グループ グループ長 渡辺 裕治 氏 ジャパンインバウンドソリューションズ(ドン・キホーテグループ)/代表取締役社長 中村 好明 氏 マツモトキヨシ/代表取締役社長 成田 一夫 氏 ……など ◆有識者・行政関係: 経済産業省/商務情報政策局 商務流通保安グループ 流通政策課長 野村 栄悟 氏 第一生命経済研究所/主席エコノミスト 熊野 英生 氏 明治大学/専門職大学院教授 上原 征彦 氏(流通経済研究所 理事長) 拓殖大学 /商学部教授 根本 重之 氏(流通経済研究所 理事) 早稲田大学/商学学術院 教授 守口 剛 氏(流通経済研究所 理事) ◆各日程のテーマ: ……など ・変化に直面する消費財流通の展望と、市場・商機を捉える視点 (2月 4日) ・経済動向の展望と、消費財流通の成長戦略(2月 5日) ・小売業における価値創造と顧客満足 (2月 6日A会場) ィングスや、業績好調が ・訪日外国人需要 (インバウンド需要)への対応と、消費財流通の商機 (2月 6日B会場) ※ 講演プログラムの詳細は、流通経済研究所のホームページ上で紹介 2014年 4月の消費税率引き上げ ニーズの変化をいち早く捉え、新た が好調に推移するマルエツが講演す 続くカルビー、顧客デー を境に、国内景気や個人消費が下振 な需要創出へのマーケティング活動 る(登壇者は上田真社長)。卸売業で タ分析を通じた施策に定 れするなど、消費・経済動向の先行 を実践している点」 (流通経済研究 は、消費者ニーズの変化を捉えた提 評のある広島県の有力 きを見通しづらい局面にある。制度 所)といい、今回セミナーでは社会 案活動やリテールサポートを通じ、 SM・フレスタなどが講演する(そ いて、流通業界が意識すべきポイン に焦点を当てたプログラムも設ける 面では、食品が有する健康への効果 環境や市場の変化にスピーディーに 小売業間での評価が高まる三菱食品 の他、プログラムの詳細は流通経済 トが示される貴重な機会」、 「営業政 (2月 6日- B会場)。近年、観光目 を、企業の責任で表示できる「食品 対応し、新たな需要創出などで成果 が登壇する。また、グループ各社の 研究所のホームページ上で紹介)。 策を立案する上で、 (流通大会で)扱 的で日本を訪れる外国人は大きく増 の機能性表示」の新制度が 2015年 を収めている事業者をスピーカーに 店舗やネット通販を効果的に連携さ われるテーマをベンチマークにして えている。円安も追い風となり、 度よりスタートする予定で、食品流 招く。 せる「オムニチャネル戦略」を推進 いる」といった声が寄せられる。中 2014年は訪日外国人数が毎月、前 でも毎年好評なのが経済産業省の流 年比 2- 3割増のペースで推移して 通への影響や変化も想定される。 昨年度開催は 320社が聴講 流通動向を占う 「ベンチマーク」 に 食品 SM では、小型店「マルエツ するセブン&アイ・ホールディング こうした中、 「競争優位を発揮す プチ」の展開強化などを通じて都市 スも講演企業に名を連ねる。セブン 流通大会は毎年 2月に開かれる、 通政策担当者によるプログラム。流 いる。また 10月より免税対象が化 る流通業・メーカーに共通するのは、 部の買い物需要を捉え、既存店業績 &アイ・ホールディングスは他社に 流通業界の定例的なフォーラム。当 通政策の方向性や、流通活動が直面 粧品や食料品にも広がったことで、 年の流通動向や取り組むべき課題、 している課題を聞ける機会とあって、 消費の担い手として存在感を増して マーケット展望に言及するベンチマ 人気を集めるプログラムの一つとな いる。流通大会では、インバウンド ーク的なセミナーとして、消費財メ っている。 需要の獲得に力を入れる小売業とし 流通大会の企画運営にあたって、強くこだわるのが講演企業 の選定だ。 もあるという。企画側もその影響力の大きさは自覚しており、 「国内流通業の発展という観点からも、厳選している」 (流通大会 例年、初夏の頃から、講演企業の候補探しを始動する。新た の運営責任者・池田満寿次氏) 。 な需要創出や革新的な取り組みを実践する企業を中心に、候補 ちなみに今年の企画会議では、訪日外国人による「インバウン 企業をピックアップし、半年ほどかけて絞り込む。専任チーム ド需要」をテーマに取り上げようとの意見が多かったという。 を設け、毎週 1回ぐらいのペースで候補企業を検討するミーテ 当初は 1- 2社程度の講演を想定していたが、注目企業をピッ ィングを重ねるという。 クアップするにつれ、丸 1日を使ったプログラムにしよう、と こうした選考プロセスを経て、登壇する企業は、いわば「お の考えに至ったそうだ。「訪日外国人の需要は、消費財流通にと 墨付き」を得る形となる。流通大会には流通専門メディアや行 ってビジネスチャンスとなり得るだけに、先行企業の取り組み 政関係者も訪れるため、流通大会での講演をきっかけに事業活 や、政策動向をこまめにフォローすることが重要」 (池田氏)と 動への認知がさらに広がり、新しいビジネスにつながるケース いう。 22 週刊ストアジャパン 2014. 12. 22No. 818 ーカーや小売業、卸売業の注目を集 めている。2013年度開催では、の べ 320社が参加。聴講者の顔ぶれ をみると、企業の幹部クラスや役職 者が多くを占めた。 訪日外国人のインバウンド需要に も焦点当てる 消費財流通の商機につながる視点 を提示 毎年聴講する「リピーター」が多 このほか、流通大会 2015では今 いのも、流通大会セミナーの特徴の 後注視すべき流通テーマとして、訪 一つ。聴講者からは「その 1年にお 日外国人による「インバウンド消費」 てマツモトキヨシホールディングス や、ドン・キホーテグループのジャ パンインバウンドソリューションズ 社などが講演する。また、経済産業 省も登壇し、訪日外国人の需要拡大 に向けた政策や、今後の取り組みポ イントを報告する。 2014. 12. 22No. 818 週刊ストアジャパン 23
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