式辞原稿こちらへ - fukui

式
辞
風雪の厳しさと温かい日々を繰り返しながら、梅の花は、つぼみ
至民中学校
第六十六回
卒業証書授与式
を膨らませ、今年も希望に満ちた春がめぐってきました。
本日、福井市
にあたり、福井市、会計管理者、岩本好文様をはじめ、ご来賓
の皆様、地域、保護者の皆様のご臨席を賜り、かくも厳粛に卒
業生の皆さんの門出を祝うことができますことは、生徒はもちろ
んのこと、私たち 教職員にとりましても大きな喜びであります。
百四十名の三年
ご臨席を賜りました皆様に心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。
さて、思い出多い、この学び舎を巣立っていく
生の皆さん、卒業、おめでとう。
みなさんがこの至民中学校で過ごした日々は、わずか三年でし
たが、この三年間で皆さんは実に大きく成長しました。
「至民中学校をよりよくするために、自分たちには何ができる
のか」という思いを胸に、皆さんは、
いつも、仲間とともに考え合い、
新しいことに挑戦し、数々の学校行事を大成功に導き、部活動に
おいても先輩として、実に立派な姿を後輩に示してくれました。
また、皆さんは、日々の実践を通して、至民中学校ならでは
のクラスター制の素晴らしさや感謝の心で活動をすることの大切
さを、一年生、二年生に教えてくれました。
成長した三年生が、それぞれのエリアをリードしたからこそ、そ
れぞれのクラスターの住み心地が良くなり、安全で安心できる学び
舎となりました。
人間は、世の中に出て働かねばなりません。当たり前のことで
すが、仕事をするというのは同級生とばかりするものではありませ
ん。自分とは異なる年齢の人や違う考え方の人たちと関わる中で、
汗を流すことになります。
学校は、社会の縮図であり、実社会に出るための準備をすると
ころであります。
本校を視察に訪れたアメリカの教育学者、
ハーグリーブス教授は、
異学年で生活し、のびのびと学び合うこの至民中学校の教育活動
至民中学校は、未来の学校として国内外から
を高く評価しておりました。
皆さんの母校
多くの注目をあつめています。
このような学校で学んだことに感謝するとともに、至民プライ
ドをいつまでも持ち 続けてください。
最高学年となり春、夏、秋を全力で駆け抜けた皆さんは、
寒い冬になると、人生最初の試練である進路選択、進路決定に
立ち 向かう日々を経験しました。
目標を達成した人がいる中で、あんなに努力をしたのに思うよう
な結果が出ず、悔しい思いをしたという人もいることでしょう。
人は困難や苦労を乗り越えることによって、ひとつひとつ人間と
して成長していきます。
卒業に当たり、皆さんに古代中国、漢の儒学者の教えを一つ贈
りたいと思います。
「玉、磨かざれば、器をなさず、人学ばざれば、道を知らず」
直訳すれば、玉は磨かなければ、立派な器にはならない。人も
学ばなければ、立派な道を知ることはできない。ということになり
ます。
つまり、どんなにすばらしい才能があったとしても、努力を積み
重ねて、真剣に学ばなければ、立派な人物になることはできない。
という教えです。
言い換えれば、「人は学び続けることで、どこまでも自分自身
を高めていくことができる。」ということでもあります。
逆境にあっても折れない心を持ち 続け、自分自身の玉を磨く努
力を忘れず、光り輝く人になってください。
「玉、磨かざれば、器をなさず、人学ばざれば、道を知らず」
三年後、
この中の多くの皆さんが、また、試練の時を迎えます。
満面の笑顔で報告に来てくれることを期待します。
皆さんの人生は、まさにこれからです。
皆さんが生きる未来社会は、一層、変化の激しい、多様で複
雑な社会になることでしょう。
ふるさと福井でしっかりと立ち 、世界と勝負をする人もいるでし
ょうし、都会や海外に出て活躍する人も出てくることでしょう。
至民中学校の丘
どんなに国際化が進展しても、勤勉で我慢強く、誠実に頑張る
福井県人らしさは、大切にしてください。
雪の降る道を仲間とともに歩いて通った母校
で、厳しい風をまともに受けながら闘志を抱いたあの日のことを忘
れないでください。
母校はいつまでも、あなたたちを見守っています。
別れの今、私は、万感の思いを込めて、卒業生の皆さんが、自
分の可能性を拓き、幸せな人生を送るとともに、大いに社会貢献
し、飛躍することを切に祈念します。
最後になりましたが、保護者の皆様、本日は、誠におめでとう
ございます。目の前のお子様の晴れの姿に、感慨もひとしおのこと
と、拝察申し上げます。
保護者の皆様には、これまで、本校の教育活動推進に対しまし
て、温かいご理解とご協力をいただきました。改めて感謝を申し
上げます。
淵
本
幸
嗣
今後も、変わらぬお力添えを末永くいただきますよう、心より
お願い申し上げまして、式辞といたします。
平成二十七年三月十二日
福井市至民中学校長