第3章 事例編 II 職員編(PDF 124KB)

1
職務遂行
(1)窓口の対応が悪い職員
言葉使いや態度がつっけんどんである。区民の用件を確認もせずに早合点す
る。担当している仕事以外には関心がなく、すぐたらい回しにする。隣の職員
がいくら忙しくても、手伝おうともしない。区民とのトラブルが絶えず、たび
たび苦情や投書が寄せられてくる。職場でもそれらを窓口サービスに活かそう
とする意欲や緊張感がない。同様のトラブルや苦情が繰り返されている状況に
ある。
◆その原因は
① 相手の立場で物事を考える余裕が
ない。
② 仕事を個人で行うものと考え、チ
ームプレイであるとの認識がない。
③ 単に仕事を処理するとの考えにと
どまり、相手の感情を大切にする配
慮に欠ける。
④ 言葉使いや身なり等、基本的な接
遇態度を身につける機会がない。
⑤ 窓口応対についての問題提起や発
言の場がない。
⑥ 上司が手をこまねいて放任してい
る。
◆すすめ方
責任感、協調性を指導する。
① 上司として、こうした問題のある
職員に対し、役所の顔である窓口の重
要性、意義を説明し、理解させる。
② 仕事をこなすということだけでは
なく、窓口で区民に不快な思いをさせ
ないようにすることが大切であるこ
とをよく説明し、納得させる。
③ 接遇研修に参加させ、接遇態度改
善の動機づけを行う。
④ 窓口でトラブルがあったときは冷
静に原因を把握し、はっきりと注意や
指導を行う。
⑤ 区民の苦情、投書を職場内に周知
するとともに、職場を改善するための
生きた教材として検討する場を設け
る。
⑥
問題提起や体験紹介、マニュアル
の作成などを職場ぐるみで行えるよ
うな場を設ける。
⑦ 検討項目ごとに期限を定め、方向
が定まったら、必ず実行するように
する。
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(2)パソコンが苦手な職員
パソコンが一人一台導入されるなど職場のIT化が進行しているのに、機械
アレルギーを主張して何かと避けようとする。長年培ってきた仕事の進め方の
技術や知識への依存心が強く、新しい技術を学んだり、慣れようとする意欲が
ない。
せっかく高価なパソコンを備えても、それを使用しようとせず、他の職員に
任せきりである。その間にも、情報技術は予想を超えるスピードで進歩してい
る。
◆その原因は
① 仕事が順調に進んでいるので、今
さら不慣れなパソコンを無理して
◆すすめ方
積極性を指導する。
① パソコンの必要性、意義、効果に
使わなくても、という感情がある。
② 仕事の分担上、パソコンを使用す
る機会が少ない。
③ 失敗することを恐れ、新しい知識
や技術の習得に挑戦しない傾向が
ある。
④ パソコンの基礎的なことしか教
えられていないので、応用が利かな
い。
⑤ 後輩に教えてもらうことを、潔し
としない気持ちがある。
⑥ 文書管理の電子化など、情報技術
を駆使した仕事の進め方について
いけない。
ついてよく説明し、仕事の効率化に
積極的に取り組む必要性を認識さ
せる。
② パソコンによる処理が適する仕
事を分担させ、機器を利用せざる
を得ない立場に置く。
③ パソコンを比較的熟知している
職員とペアを組ませるなど、パソ
コンの使用法について学びやすい
環境を整える。
④ 疑問点に対する指導体制や、新
しい技術の習得に励めるようなバ
ックアップ体制を整える。
⑤ IT 化と 仕 事の 効率 化 につい
て、職場ぐるみ検討する場を設け、
結果のとりまとめを担当させるな
ど、職場のIT化の効果を自ら実
感させる。
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(3)問題意識が不足している職員
きまった仕事や指示された仕事はソツなくこなすが、自分から積極的に仕事
の問題点や改善点を探そうとしない。何の目的で仕事があり、社会経済情勢の
変化や住民ニーズと、どのように関わりあっているかを考えようともしない。
また、間違ったことをしても、他人に迷惑をかけても、それが明白なものでは
ない限り気づかない。気づかないから、自分で対策を考えようともしない。消
極的な態度で仕事をしている。
◆その原因は
① 自分の担当している仕事が、組織
の中で、どのような位置づけで、ど
のような役割を果たしているかを把
握していない。
② 視野が狭く、知識、経験に乏しい。
③ 能力、感知力、ヤル気に欠けてい
る。
④ 職場内に自由に発言できる雰囲
気がない。
⑤ 仕事を評価するシステムがない。
⑥ 職員を育成しようとする上司の
使命感や責任感が不足している。
◆すすめ方
積極性を指導する。
① 上司が、自ら問題意識をもつ意欲
的な姿勢をみせる。
② 職員の知識、経験、能力に応じた
種種のテーマを与える。
「なぜそうす
るのか」「どうあればよいのか」「そ
うすると結果は?」など、掘り下げ
た質問により、問題をとらえていく
訓練を積み重ねる。
③ 本人の意向も聞いて、仕事の分担
を換えてみる。
④ 職務に関連する本や資料を紹介す
るなど、知識・情報取得の動機づけ
をする。
⑤ 職場ぐるみの検討会、報告会を設
ける。
⑥
研修や講演会に参加させ、意識啓
発や発想転換の機会を与える。
⑦ 自主研究会を紹介したり、参加さ
せてみる。
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(4)指導を敬遠する職員
職場の上司や先輩からの指導・助言を敬遠する。これまで自己流で仕事を進
め、それで無難に終わってきたために、何事も前例どおりに行えば事足れりと
心得ている。疑問な点が少しぐらいあっても放置し、正そうとしたり、他人の
アドバイスを受けようとする姿勢がみられない。OJTの実践の場である職場
の雰囲気にも、悪影響を及ぼしている。職場での人間関係を、最小限にとどめ
ようとする態度がありありとみえる。
◆その原因は
① 今さら、危険を冒してまで目新し
いことなんて、と考えている。
② 仕事の分担が固定化している。
③ 仕事自体はソツなくこなしてお
り、特に困った問題は生じていな
い。
④ 自分は、上司や他のメンバーより
も経験や能力が上だと考えている。
⑤ 上司と性格があわない。
⑥ 他人の話を謙虚に受け止め、耳を
傾けようとしない。
⑦ このような状態を上司がいつま
でも放置している。
◆すすめ方
積極性を指導する。
① まず、本人の言い分によく耳を傾
ける。
② 本人の改めるべき態度がみられる
ときは、上司としてはっきり指摘す
る。
③ 個々の仕事の中で、本人の分担職
務について質問したり、課題を与え、
研究させたりする。
④ 後輩職員の指導にあたらせる。
⑤ 知識・経験の豊かな職員に聞きな
がら進めなければできないような困
難な仕事を与え、人間関係を向上さ
せる。
⑥ 仕事の分担を換えてみる。
⑦ OffJTに参加させる。
⑧ 仕事の進め方を改善するための定
例的な職場会議を設ける。
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(5)改善や創意工夫をしない職員
社会経済情勢や区民ニーズが変化し、仕事の目的や内容がしだいに変化し
ているのに、旧態依然、昔のままの考え方で漫然と仕事をしている。何とか
仕事を改善したり、創意工夫をし、現状に沿った仕事の進め方に改めないと、
社会の流れからますますかけ離れてしまう危険性があることをかえりみな
い。また、そのような切迫感もない。やることなすことが後手に回っている
ため、懸命に仕事をやっている割には、区民の反応が今一つである。
◆その原因は
◆すすめ方
① 区民が今何を求め、何を望んでい
積極性を指導する。
るかを把握したり、理解しようとす ① 上司として、問題提起や疑問を投
る努力を怠っている。
② 前例踏襲のやり方でも、誰にも指
摘されたり指導を受けることがな
い。
③ 改善や創意工夫をやっても、正し
く評価されない。
④ 問題提起すると「キラワレル」と
いった空気が職場にある。
⑤ 原点に立ち返って、広い視野か
ら、冷静に物事を検証する機会がな
い。
げかけ、職員に期限をきって、回答
を求めてみる。
② 上司として、担当職員にその仕事
の住民ニーズにどのように具体的に
応えているか、質問したり、不明な
点は、調べさせる。
③ 講演や研修に参加させる。
④ 予算編成時に、もう一度、原点か
ら、仕事の意義や必要性を職員自ら
に考えさせる。
⑤ 定例的な問題解決のための職場会
議を設け、提案、意見交換、体験交
流をする。
⑥ 世論調査、モニターアンケート、
広聴ハガキ等の結果一覧を職場内に
周知・徹底する。
⑦ 類似職場や仕事での成功例を紹介
したりして、意識啓発や意欲を高め
る工夫をする。
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(6)責任感が不足している職員
すぐ他人に責任を転嫁したり、責任を回避したりする。何か仕事を頼んでも、
「私にはできません。」と考えもせずに返事をする。そうかと思うと、安請け合
いして、途中でサジを投げたりする。また、少し難しい仕事のようだと他人に
回す傾向があり、逃げの姿勢をとる。同僚の職員からは、不平や不満の声が出
されている。
◆その原因は
① 本人の性格にもよるが、仕事に対
する認識と理解が不足している。
② 仕事への不満等から、無気力にな
っている。
③ 依存心が強く、仕事に対する誇り
がない。
④ いつも簡易な仕事しか分担して
いない。
⑤ 仕事の結果について、上司や先輩
等から、ほめられたり、反対にしか
られた経験がない。
⑥ 上司が見て見ぬふりして放置し
ている。
◆すすめ方
責任感を指導する。
① このような職員の執務態度をよく
観察し、改めるべき点は上司として見
逃さず、本人に指摘すべき点ははっき
り指摘する。
② 仕事に対する不満や個人的理由が
ないか、本人の声に耳を傾ける。
③ 仕事に対する認識不足からくるも
のについては、仕事の意義や本人の役
割を教える。
④ 仕事を指示・命令したら、経過を観
察し、質問、報告聴取を繰り返すなど、
予定期日までに完成させ、結果をキチ
ンと評価する。
⑤ 思いきって、能力に見合った仕事
は、任せてみる。
⑥ 仕事の質や量を少しずつ増やし、達
成したときの充実感や満足感を自覚
させる。
⑦ 職場内での仕事の連絡会や報告会
を定期的に開催し、担当者から説明さ
せる。
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(7)独断で仕事をする職員
自信過剰で、上司の判断を仰ごうとせずに独断で仕事をする。命じられたこ
とと違うことをやったり、自己の考えが唯一、最善と思い込んで、どんどん先
行していく。他の関係職員とも連絡や打ち合わせをしようともせずに、いわば
一匹狼で仕事をする。そのため、職場全体がその職員に寄りかかるようになり、
本人が不在だと、区民からの問い合わせがあっても、その仕事の内容が全くわ
からず、答えられない。
◆その原因は
① 職場で仕事を共有する意義に欠
け、チームプレイの意義や必要性を
理解していない。
② これまでの仕事の結果がそれな
りに順調に運んできているため、本
人に失敗の教訓や反省心がない。
③ 職場で、自分が一番ヤリ手だと信
じ込んでいる。
④ 上司の命令を早のみこみしたり、
仕事の流れ、背景がわからないまま
で仕事をしている。
⑤ 上司をはじめ、周囲がこのような
職員を便利に思ったり、寄りかかっ
てしまう。
◆すすめ方
協調性を指導する。
① 連携プレイなど組織で行うことの
意義や必要性を理解させる。
② なぜ命令と違った仕事を行ったか
を職員と話し合い、究明するととも
に、今後の対応を考える。
③ 誰かの手を借りなければできない
ような仕事を与え、協働態勢の重要性
を認識させる。
④ まめに進行状況の報告を徴したり、
仕事に対する考え方や意見を聞くな
どして、放任による独断を排除するよ
う、日常の管理行動に気をつける。
⑤ この独断は、一面からみると意欲の
あらわれであり、テーマを与えて自己
研究をさせるなど、OJTの手法を実
践してみる。
⑥
専門的な知識や経験のある職員の
意見を聴くなど、人の話をよく聴く態
度を身につけるよう誘導する。
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(8)残業・休日出勤をいやがる職員
諸行事や区民会議など、仕事の中には、係員の何人かで、あるいは係全員で
行ったり、休日出勤をしなければならないものがある。そのような時に、いつ
もいやがって人に押しつけたり、何かと理由をつけて断る職員がいる。また、
期限がある仕事を任せても、時間内でやろうとするあまり雑なものになったり、
逆に期限遅れになってしまうこともある。期限が迫り自分の手にあまりそうに
なっても、普段の自己の態度から、誰にも相談できないでいる。
◆その原因は
◆すすめ方
① その仕事をやってもやらなくても、
責任感、協調性を指導する。
評価は変わらないと考えている。
① 残業・休日出勤をなくすために、
② 個人的な趣味や余暇時間を常に第
仕事に改善の余地がないのかを職場
一優先に置いている。
ぐるみで検討する。
③ 仕事の意義や位置づけ、重要性を理 ② 上司として、残業や休日出勤も職
解していない。
務命令の一つであることを係員によ
④ その仕事の性質と区民サービスの
く理解させておく。
かかわりとがどの程度なのか、なぜそ ③ いつもいやがるのは、何かやむを
の時間帯で行う必要があるかが、十分
得ない事情があるかも知れないの
理解されていない。
で、よく本人に聞いてみる。
⑤ 職員としての立場を一元的にとら ④ 納得すべき理由がない場合には、
え、仕事を共有することの認識に欠け
なぜ残業や休日出勤をしなければ
ている。
ならないのかをよく説明し、従わせ
⑥ 職場のチームプレイを意識してい
る。
ない。
⑤ 休日出勤の場合、代休をとれるこ
とを話してみる。
⑥
その仕事を輪番や交替で担当さ
せてみる。
⑦ 仕事の結果、区民からの声や投
書、反響を職場内に周知する。
⑧ 職場会議を開催し、他の職員に相
談する機会を設ける。
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(9)仕事に対する関心・知識・意欲が低い職員
個人的趣味やサークル活動には非常に熱心であるが、その割に仕事への関心
が低い。自分から進んで仕事のための知識を得ようとはしない。与えられた仕
事は、一応やるが、自ら積極的に取り組む姿勢に欠けている。職場内での発言
も少なく、特に聞かれない限り意見は言わない。後輩職員にたずねられても、
決まったことしか言わず、深く突っ込まれると、すぐベテラン職員や上司に聞
くよう、身をかわす。
◆その原因は
① 上司が一方的に、しかも細部にわ
たって細かく指示する。
② 仕事を任されていないので、職員
の創意工夫の余地がない。
③ 刺激や競争心がなく、沈滞した職
場風土にある。
④ 仕事への関心・知識が低くても、
仕事の結果に現に著しい問題が生
じている訳ではない。
⑤ 結果に対する適正な評価がなさ
れていない。
◆すすめ方
積極性を指導する。
① 上司は、仕事の目標や大まかな手
順を示すにとどまり、細部は任せ
る。
② 仕事の進捗状況を観察し、中間報
告を必要に応じ求める。
③ 仕事の計画段階から任せ、実施、
評価まで行わせ、一つの仕事を完結
する喜びと責任感を体験させる。
④ 講演や研修に参加させたり、参考
図書や資料を紹介する。
⑤ 担当する仕事に関する課題を与
え、意義、必要性、効果について調
べさせ、報告をさせる。
⑥ 職場内に自主的な勉強会を設け、
相互啓発・研鑽をさせる。
⑦ 職場会議で、担当職員から、仕事
の遂行状況、結果を報告させ、職員
相互の意見交換や評価を定期的に
させる。
⑧ 世論調査等、区民の意向を絶えず
職場内に周知し情報を共有化する。
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(10)窓口応対が不得手な職員
「あなたのところの職員は、人をばかにしている。誰にでも同じことをくり
返し言うだけじゃない!ああいうのを慇懃無礼っていうのよ」また区民からの
おしかりの電話である。
ここのところ、ある出張所の職員のことで、再三同様の電話があった。
「仕事
熱心な職員なのだが、人の応対は不得手なのだろうか」課長はそう思いながら、
受話器を置いた。
◆その原因は
① この職員は、相手の立場に立つ気
配りをしていない。
② 一人ひとりの人間が、さまざまな
◆すすめ方
① 人との応対は、相手の心をつかむ
ことが基本であること、人は百人百
様であり、そのような様々な相手に
思いで、窓口に来ることを考えてい
ない。
③ 相手の目を見て、誠意を持って話
すという接遇の基本ができていな
い。
対して、型にはまった応対をしてい
たのでは、相手の心をつかむことは
できないことを、その職員にじっく
り話す。
一対一で話す方がよい結果を生
むが、場合によっては、他の職員
の教育も兼ね、上司が自ら手本を
見せることも効果的である。
② 同じような説明が必要な場合は
文書などにして渡す方法もあるこ
とを教える。
③ 画一的ではなく、相手に応じ、柔
軟で変化のある応対こそが、本当の
応対であることを、職場の中で常に
述べ、指導しておく。
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2
服務規律・モラール
(1)勤務状況がよくない職員
朝は遅く帰りは早い。朝の1時間休暇が目立つ。年次休暇も早々と使いきり
年末には私事欠勤が続く。無断欠勤、勤務時間中の私用(病院など)や無断離
席、私用の長電話。また、勤務時間中に平然とマンガ、雑誌を読む。情報収集
と称して他の部署を回り世間話。場所(窓口付近など)もわきまえず、お茶と
お菓子を食べながらのおしゃべりなど。
◆その原因は
◆すすめ方
① 生活がルーズ、考え方が甘いなど、 規律性を指導する。
職員の仕事に対する意識が低い。
① まず上司の態度が鍵。率先垂範し職
② 家庭環境、健康状態などがもとで、
場規律を高める。
職員が投げやりな気持ちになってい ② 時には毅然とした態度で注意する
る。
ことも必要である。
③ 職場風土がルーズに流れており、 ③ 職場会議で勤務時間、勤務態度など
緊張感がない。
について話し合い、「どうすればよい
④ 職場全体に仕事に対する意識、公
か」について方針を決めさせ、皆で守
務員としての自覚が欠けている。
っていく。
④ 仕事の目的、計画などを話し合い、
仕事に対する意欲を高めていく。
⑤ 区民からの批判の声などを知らせ、
注意を喚起する。
⑥ 本人または同僚と話し合って、投げ
やりな行動の真の原因を見極める。場
合によっては、家族とも連絡をとり、
具体的な対応を図る。(カウンセリン
グ、配置換えなど)
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(2)アルコール依存の職員
酒のにおいをさせての勤務。飲酒がもとの乱雑な事務処理。横柄な区民対応。
無気力な勤務態度。無断欠勤の連続。時々、気を取り直して仕事に励むが、あま
り長く続かない。生活態度がルーズ。同僚とも話をしなくなり、仕事上の連携が
保てなくなって職場で孤立化していく。また、本人だけの問題でなく、係や職場
全体に影響し、職場の中に不協和音が流れるようになる、などのケースがある。
◆その原因は
① 本人の性格に依存性が強く意志薄
弱など弱い面が多い。
② 仕事に不向き、能力以上に過剰な
仕事を担当しているなど仕事からの
過大なストレスを感じアルコールに
逃げこんでいる。
③ 職 場 に おける 人間 関係の あつ れ
き、孤独感などからの逃避。
④ 家族環境など個人生活をもとにし
た逃避行動。
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◆すすめ方
規律性、協調性、責任感を指導す
る。
① 本人または同僚と話し合い、真の
原因を見極める(時にはカウンセリ
ングも必要)。
② 症状に応じて、専門機関と相談
し、適切な対応をとる。
③ 本人の仕事(質または量)を軽減
したり、変更することにより負担を
軽くする。
④ 職場内で「本人が更正していくた
めにはどのように対応していった
らよいか」について話し合い、方針
を決める。職場全体で同一歩調をと
り、家族とも連絡を取り合ってじっ
くりと対応することが肝要である。
(3)規則違反の職員
規則違反としては、職務上において根拠条例等に違反するケースと、信用失
墜行為の禁止や守秘義務などに違反するケースなどいろいろと考えられるが、
次のような事例が多くみられる。無断欠勤、職務上のミス、公共施設の無断使
用、無許可でアルバイトに従事、職務上知った情報(特にプライバシー情報)
を気軽に口外、飲酒運転、人身交通事故など。
◆その原因は
○ 職員個人に原因がある場合が多
く、それも次のようなケースが考え
られる。
ア)規則を知らなかった、忘れてし
まっていたという無知。
イ)規則を知っていたが、そんなこ
とは適当に考えればよいと思っ
ていたなど、公務員(組織人)と
しての自覚の欠如。
ウ)規則を知っていたが、職場に対
する不満や反抗心などから意識
的にした違反行為。
◆すすめ方
規律性を指導する。
① 守るべき規則等を示し、理解させ、
注意する。処分については違反事由
により個々に対処する。
② 違反した本人の意識の度合いによ
って次のような進め方をする。
ア)
「無知」に対しては、教えて理解
させ、注意を喚起していく。
イ)
「自覚の欠如」に対しては、注意
し自覚を促していくが、度重なる
常習者や怠慢については厳しく注
意する。
ウ)
「意識的違反」に対しては、その
原因に応じて個々に対応し職員の
心を解きほぐしていくが、不満や
反抗心が単なる甘えから来るもの
ならば、厳しく対処することが職
場や本人のためにもよい。
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(4)仕事中に試験勉強ばかりする職員
主任主事・係長・管理職試験の勉強、仕事に関連した資格取得のための勉強
などは、本人の自己啓発は当然のこと、職場の学習ムード醸成のためにも好ま
しい現象であるが、それが勤務中であるとマイナスになる。例えば、試験勉強
が第一で日常業務は第二と割り切ったような勤務態度。できるだけ仕事の手間
を省き、自分の時間をつくり勉学にいそしむ。係内で忙しい時があっても非協
力的、勉強の都合で仕事への影響を考えずに休暇をとるなど。
◆その原因は
◆すすめ方
○ 本人の生活、考え方、仕事に対す
規律性、協調性を指導する。
る心構えなどに片寄りがある。
① 仕事が第一、勉強が第二であるこ
ア)自分さえよければという自己中
と、迷惑をかけず組織人として節度あ
心的性格。
る行動をとるよう自覚を促す。
イ)試験勉強だから許されるだろう ② 日常業務の評価も試験合格には大
という甘えがある。組織人として
きく左右すること、同僚から非難の声
の自覚が欠如している。
がでていることなどを知らせ注意を
ウ)試験、試験というようにしかも
喚起する。
のをみることができない視野の ③ 先輩として、仕事と勉強を両立させ
狭さ。
るコツなどを伝授するのも効果的で
ある。
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(5)相手に不快な思いをさせる服装をした職員
「○○さんて、本当に区の○○課の人ですか。身分証明書も見せてもらった
けど、頭はボサボサだし、ポロシャツ、ジーパンおまけにサンダルばきなんで、
とても区の人とは思えなくて」そんな電話が区の人事課にかかってきた。
その区民は、訪問した職員の身なりから区の職員と思えないばかりか、不快
の念まで持っているようである。
◆その原因は
① その職員に、服装などは、どんな
かっこうをしようと自由であると
いう意識がある。
◆すすめ方
○ 会社など、組織の中の人びとが何
のために身なりを整えるか、具体的
な例をあげたり、自分が逆の立場に
②
職場にそのような身なりの職員
が他にもいるため、気にならない。
③ 職場で、あまり服装などの注意を
されない。
④ 学生時代の気分が抜けていない。
⑤ 仕事に対する自覚がない。
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立った時、だらしない身なりの職員
を見てどう思うかなどという点まで
ふれて、社会人、公務員としての自
覚を強く促す。
(6)自己啓発意欲がない職員
仕事に対する心構えは現状維持で事なかれ主義。仕事の処理は前例踏襲で済
ますことばかり。周辺の状況や変化に目を向け、問題意識をもって日常業務を
見直すことがない。改善に向けた提案や創意工夫ある新しい試みなどからは縁
遠い存在。仕事内容が難しくなると逃げようとする。仕事の手があいた時間が
あっても同僚との世間話で終始。研修などには出たがらない、などのケースが
ある。
◆その原因は
① 仕事に対してマンネリ化の傾向
に陥り、意欲がでてこない。
② 与えられた仕事に不満がある。
③ 自分の認識と評価の間に大きな
ギャップがあることなどから、仕
事に対する情熱を失っている。
④ 仕事内容、職員が固定化しており
職場そのものがマンネリ化傾向に
ある。
⑤ やってもやらなくても評価が同
じという職場風土がある。
◆すすめ方
積極性を指導する。
① 能力より少し高めの仕事を与え、
助言や指導を適宜行い、仕事に対す
る前向きの心構えを植えつける。
② 問題や課題を提起し、ヒントを与
えて考えさせる。
(仕事の流れ図の作
成、新規目標の案づくり、資料収集
等)
③ 研修や会議に出席させるなど、外
から刺激を与えていく。
④ 率先垂範で上司自ら自己啓発を実
施し、学習ムードを職場に醸成する。
⑤ 仕事の意義や責任、周辺情報を知
らせ、興味や関心をもたせる。
⑥ 正しく評価し、努力した点などほ
める部分は具体的にほめる。
⑦ 担当職務のローテーションやペア
制度により、職員間で刺激しあう体
制をつくる。
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(7)ヤル気不足の中堅職員
休憩時間や終業後の遊びになると生き生きと活気を帯びるが、仕事になると
目の輝きを失う。ただ何事もなくその日が過ぎればよいという態度で、惰性で
仕事をしている。若手職員や上司など他人に対する批判や不平不満が多いが、
自分ではやろうとしない。仕事熱心な同僚などの足を引っ張る。ヤル気不足は、
勤務態度、仕事の進め方、人間関係などにいろいろな形で現れる。
◆その原因は
① 仕事上で自分の能力を発揮すると
ころがなく、不満とマンネリ化に陥
っている。
② 低く評価されている、期待されて
いないと思っており、このままでい
いとあきらめている。
③ 家庭事情や健康状態などから、仕
事に対し積極的に取り組めない。
④ 職場の仕事内容、職員が固定化し、
マンネリ化傾向にある。
⑤ 職場が能力を発揮できる体制でな
い。
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◆すすめ方
積極性を指導する。
① なぜヤル気を失っているのか、個
人的な話し合いでその原因を見極
め、一緒に原因を取り除く方法を考
える。
② 仕事の目標をハッキリさせ、納得
して仕事をさせる。
③ 仕事の割り当てを適正化する。本
人の希望、自分のやり方でやれる範
囲を広げ責任をもたせ、能力を伸ば
すよう援助する。
④ 仕事の結果を評価し、ほめるべき
ところはほめる。
⑤ 期待をかけた言葉、励ましの言葉
を時折かける。
⑥ 上司が率先垂範して、活気ある職
場風土にかえていく。
(8)遊びや趣味に熱中する職員
余暇を活用しての遊びや趣味は、人間に幅をもたせ仕事への活力源になる。
しかし、遊びや趣味に熱中するあまり本来の仕事がおろそかになるようでは要
注意である。勤務時間であるのに遊びや趣味の打ち合わせや準備に追われ、仕
事は片手間。レクリエーションの幹事などを数多くひきうけ、幹事の仕事で一
日が終わる。安心して仕事を任せられない存在。ましてギャンブルなどに深入
りして消費者金融に悩まされるようになったら重症のケースである。
◆その原因は
① 仕事に対して物足りなく感じ、力
を持て余している。
② マンネリ化傾向に陥り、仕事に対
する熱意を失っている。
③ 性格的に人当たりは良いが、意志
薄弱の面がある。
④ 組織人としての自覚に欠ける。
⑤ 仕事をしてもしなくても済むよ
うなルーズで緊張感に欠ける職場
風土。
⑥ 職員の役割分担があいまいにな
っている。
◆すすめ方
責任感、協調性、積極性を指導する。
① 本人の担当すべき仕事の範囲を明
確にし、目標を示しておく。責任を
持って実施させる。
② 仕事の量と質の面から検討し、本
人の希望なども聞き、能力が発揮で
きるように仕事の割り当てを行う。
③ 研修や会議に出席させるなど外か
ら刺激を与え、仕事に対する意欲を
高める。
④ 仕事と私生活のケジ メをつけさ
せ、組織人としての自覚を促す。
⑤ 上司が率先垂範し、活気のある職
場風土に変えていく。
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(9)自主性のない職員
命じられたことはその通りきちんとできるが、細かい指示を必要とする。仕
事を進める際に自分でその処理方法等を何も考えず、すぐ他人に聞く。指示待
ちの受身で終始している。新しい仕事はイヤがる。同僚との付き合いも心を許
した者とだけ親しくする。仲間づくりも自分から働きかけることがないなど。
◆その原因は
① 能力不足、経験不足から自信がも
てない。
② 失敗するのをこわがっている。
③ 仕事に興味がなく、熱意が持てな
い。
◆すすめ方
積極性を指導する。
① 仕事を割り当てる際に仕事の目的、
まかせる範囲、スケジュール等をよく
説明し、細かい点は自ら考えて仕事を
進めるよう指導する。どんな役割が期
④
⑤
⑥
待されているかをきちんと認識させ
て、興味や熱意を持たせていく。
② 能力不足や経験不足の場合は、仕事
を任せるときなどに、職員に考えさ
せる方法をとる。例えば、問いかけ
たり、ヒントを与えたりする。
「君な
らどうする」
「こういう場合はどうす
る」
「これも一案だが、その他には?」
等。
③ 自信のない職員には、何かほめる点
を見つけ、ほめるようにする。
④ 職場会議で司会や書記、レクリエー
ションでは幹事役などをさせ、同僚た
ちと話し合う機会を多く持たせる。
⑤ 職場会議で個々の仕事の進捗状況
等を話し合い、必要に応じて支援し合
う協力体制を整える。
本人の性格。(静的、臆病)
職場に不適応。
失敗したとき、上司の叱責や職場
のムードがきつく冷たい。
⑦ 支援したり協力していく職場風
土がない。
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(10)手があいた時の勤務態度がよくない職員
ある区民が、顔をひきつらせて人事課長席の前に立って言った。
「税金を払い
に来たけど、勤務時間中にお菓子を食べたり、週刊誌を読んでいたりで仕事を
していないじゃないか、もう税金を払うのをやめたよ」
あまりに突然のことだったので課長もびっくりしたが、その職場の責任者に
かわってわびるとともに、職員の勤務態度には十分気をつけることを話して納
得してもらい、納税課までその人を案内していった。
◆その原因は
① この職場全体に、自分たちの窓口
に区民がいなければ(暇だったら)
仕事以外のことをしてもよいとい
った甘えがある。
② 常に区民から見られているとい
う意識がない。
③ ルーズな職場規律が、区民からの
信用をなくしたり、納税意欲を失わ
せたりするという自覚がない。
④ 職員としてプロ意識が欠如して
いる。
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◆すすめ方
① 職業人として、勤務時間中のあり
方を、再度全員で確認できるような
機会(職場の話し合い等)を持ち、
その中でリーダーシップを発揮す
る。
② 職務専念義務が解除されるのは、
どのような場合のみかを理解させ、
二度と繰り返さぬよう指導・徹底す
る。
3
人間関係
(1)係から浮き上がった職員
遅刻早退が多く仲間から反感を受けている。独断専行。同僚より仕事が遅く
ミスも多い。素行が悪い。周囲の人と口をきかない。逆に誰とでもケンカした
りケチをつけたりするなど、係から浮きあがった職員への対応。
◆その原因は
① 個人的な性格や態度、ものの言い
方が悪く、周囲の人から受け入れら
れない。
② 誰もその職員に注意したり助言
や指導をしないから本人は気づか
◆すすめ方
① 原因がその職員自身にあるのか職
場集団にあるのかを見極める。
② 個人にある場合は、上司が本人と
個別に話し合い、注意を喚起する。
今のうちに直しておかないと、将来
ない。
③ 本人は、注意されても、直そうと
しない。
④ 新しい人や気の合わない人を排
除する職場風土がある。
⑤ 好ましくない職場体質や慣習に
気づかず、それが当然と思っている
職員が多い。気づいていても仲間は
ずれがこわくて誰も正そうとしな
いため、新しい人が犠牲にされる。
ますます直すのが困難になり、本人
にとってマイナスであることを説
明する。
③ 職場集団の側に、浮き上がる職員
をつくる原因がある場合、上司がリ
ーダーシップを発揮して職場会議を
開いたり、個別指導をして悪い職場
体質や慣習を改めさせる。
④ 仕事は、全員が一致協力してはじ
めてその成果を十分に達成すること
ができる。指導や話し合いを通じて、
インフォーマルグループの排他性を
改める。
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(2)不平や不満が多い職員
現在の職場や仕事に不平・不満を持つ職員や、昇給、昇格、試験などの勤務
評定に対して、あるいは職場の上司や同僚や職員との人間関係についてなど、
さまざまな不平・不満を持つ。不平や不満は、仕事を円滑に進める場合の大き
な障害になる。本人が本当にやる気をだし、能力を発揮するためには、不平・
不満の原因をはっきりさせなければならない。
◆その原因は
① 不平・不満の原因が何なのか本人
がはっきりつかんでいない。
② 不平・不満の多い職員に対して、
上司や同僚が相談相手や話し相手
◆すすめ方
① 上司は本人とよく話し合い、不平・
不満の原因がその人の性格的なもの
からくるのか、組織や周囲の人の側に
あるのかをつかみ、上司としてできる
になっていない。
③ 不平・不満は、何らかの形で態度
や行動、ことばに表われるものだ
が、上司としてそのことに気づかな
かったり、気づいても、とりたてて
問題にすることはないと思ってい
る。
④ 自由に何でも話し合える職場の
雰囲気がない。
こととできないことを率直に話し合
う。
② 職員同士が積極的にコミュニケー
ションをとるような職場となるよう
に風土改善に取り組む。
③ 不平・不満の原因が個人の性格的
なものの場合は、考え方や気持ちを、
積極的なものや明るいものに変えて
みることをすすめる。
④ 組織上原因があるときは、個人の
不平・不満としてではなく、職場全
体の問題として解決をめざす。
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(3)職場経験・知識の豊かな職員
異動などで新しい職務についた係長は、自分より係の仕事についての知識や
経験が豊富な職員を指導することになる。とりわけベテランがいると、係長と
しては、やりにくいと感じるものである。大ベテランの職員が仕事の上で独断
専行したり、係長への報告や相談を怠ったり、法令改正や社会状況の変化を無
視して慣行通りの仕事しかしなかったりすることがある。
◆その原因は
① 新しい職場での仕事の経験がな
く、専門知識も乏しいため、係長と
して自信がもてない。
② ベテラン職員に係のリーダーシ
ップをとられている。
③ 係長のメンツにこだわってベテ
ラン職員に対抗意識をもち、わから
ないことも聞けなくなってしまう。
④ 係長だけで何もかもやろうとし
て、ベテラン職員を活用しない。
⑤ 係長として、係内の現状を把握し
ていない。
◆すすめ方
① 係長は、監督者と係員の役割の違
いを認識し、ベテラン職員を活用す
る。
② 係の仕事を大きな視野でとらえ、
意義、重要なポイント、問題は何か
を勉強する。
③ 係長は、監督者として他の職員に
ない職務経験を持っているという自
信をもつ。
④ 分からないことは遠慮なく早目に
聞きだす。監督者(係長)は、時に
は職員から教えてもらうという姿勢
も大切である。また議論することに
より相互理解を生むこともある。
⑤ ベテラン職員には後輩の指導をさ
せ、法令改正や社会状況の変化に対
処する方法などを係長が指導する。
⑥
適時適切な報告・連絡・相談をす
るよう係長から係員に指示する。
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(4)悩みを抱えている職員への対応
(メンタルヘルス)
職員の悩みには、本人または家族の病気、友人との交際、金銭上のトラブル
など私生活に起因するものから、転職問題、職場不適応による心因反応、職場
の人間関係など仕事や職場に起因するものまでさまざまなケースが考えられ
る。職員の勤務態度に何らかの「変化」が見られた場合、心身ともに健康な生
活が送れるように、組織として対応し、援助していく必要がある。
◆その原因は
① 行政サービスの複雑・多様化に伴
う仕事量の増大などから、職員一人
ひとりにかかる負担が増加してい
る。
② 合理化などのリストラや将来に
対する不安を持っている。
③ マニュアル依存な指示待ち族な
どといわれている職員が増えてい
る。
④ 職場に親しい人がいないなど、人
間関係が希薄になってきている。
◆すすめ方
① 勤務態度に「変化」を感じたら、
タイミングを外さず声をかけ、話し
合うきっかけを作る。
② 本人の身体的・心理的状態を的確
に把握する。
③ 悩みの原因を十分に把握し、必要
な対応策を講じる。原因究明をしな
いまま、こちらの考えを押し付ける
と、不安を増幅してしまうこともあ
る。
④ 個人的な悩みは秘密が漏れないよ
うに慎重に取り扱う。
⑤ 本人が頑なになっている場合、本
人が心を開いていると思われる職員
などを通じ、間接的に情報を収集し、
指導する。
⑥ 職員の持っている能力や適性につ
いては、可能な限り多方面から情報を
収集した上で判断し、一面だけを見て
評価することを避ける。
⑦ 指導や教育に限界を感じたら上司
一人で抱え込まず、産業医または精神
科医などの専門家に相談する。
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