第4 次 東根市総合計画 しあわせつくる 学びと交流のまち ひがし ねの未 来 東 根 市 東根市は、山形県の中央部、東経 140° 23’ 秋田県 40” 、北緯 38° 25’ 42” 、標高 121m に位置し、 東は宮城県仙台市、西は西村山郡河北町、南 は天童市、北は村山市と尾花沢市に隣接して 東根市 います。 気候は内陸型で寒暖の差が大きく、年間降 山形市◎ 新潟県 水量は 807.5㎜、平均気温は 11.6℃です。 山形空港、山形新幹線が停車するさくらん 宮城県 福島県 ぼ東根駅、さらには、東北中央自動車道東根 インターチェンジがあり、交通の要衝となっ ています。 本市には、日本一を誇るものが 2 つあります。 一つは、国の特別天然記念物である東根の大ケヤキです。樹齢 1,500 年以上、 高さ 28m、幹回り 16m の日本一の大ケヤキは、本市のシンボル的な存在になっ ています。 もう一つは、質・量ともに日本一を誇るさくらんぼです。本市は、さくらんぼ の王様「佐藤錦」発祥の地でもあります。 本市では、平成 6 年に「果樹王国ひがしね」を宣言し、さくらんぼのほかにも、 桃、りんご、ラ・フランスなど、果物の生産が盛んです。 東根の大ケヤキ さくらんぼ 市のイメージキャラクター:タントくん 「タント」は「たくさん・いっぱい」を意味する言葉です。体は「ラ・フランス(西洋なし)」を イメージし、胸には日本一の「さくらんぼ」、手には「りんご」の杖を持っています。 東根市民憲章 わたくしたちは 明るく前進する東根市民であることに誇りをもち 愛する郷土のかがやかしい未来をひらくため この憲章を定めます 一 自然を愛し 環境をととのえ 美しいまちをつくります 一 奉仕と感謝の輪を広げ あたたかいまちをつくります 一 からだをきたえ 楽しく働き 豊かなまちをつくります 一 教養を深め 香り高い文化のまちをつくります 一 きまりを守り 進んで力をあわせ 住みよいまちをつくります 「しあわせつくる 学びと交流のまち」 の創造にむけて 東根市長 土田 正剛 本市は、これまで、昭和48年(1973年)の「東 本計画では、 「学び」によって人がいきいきと 根市総合計画」、昭和62年(1987年)の「未来に 輝き躍動するまち、 「交流」によってにぎわいと はばたく産業文化都市」を掲げた第二次東根市総 活力に満ちたまち、そして、だれもがしあわせを 合計画、平成12年(2000年)の「快適空間-やす 実感できるまちの創造にむけて、めざす都市像 らぎと交流のまち」を掲げた第三次東根市総合計 を「しあわせつくる 学びと交流のまち」とし、5 画と数次にわたる計画を策定してきました。 つのまちづくりの目標を掲げています。 この間、区画整理事業をはじめとする定住人口 本計画にも掲げているとおり、これからのま の増加施策、中心市街地形成による魅力ある都 ちづくりでは、市民一人ひとりがまちづくりの 心づくり、高速交通網などの都市基盤整備、工業 担い手として、住み慣れた地域で充実した生活 団地の造成や企業立地、生産性の高い農業など を営むため、地域力の向上が不可欠であり、また、 の産業基盤強化、交流人口の拡大施策のほか、協 市民と行政による協働のまちづくりをさらに推 働のまちづくり、地球温暖化防止施策、子育て支 進していくことが重要であります。計画の実現 援施策の先駆的な取り組みなどにより、着実な に向け、市民の皆様をはじめ、関係各位のご理解 発展を遂げてきました。 とご協力をお願いいたします。 これらの成果は、昭和52年(1977年)以降、毎 年連続して人口が増加していることなど、各種 本計画は、第三次計画同様、 「市民の声を反映 統計数値にも表れており、現在、本市は、県内自 した職員手づくりの計画」を基本として、市民会 治体の中で、最も元気と勢いのあるまちと評さ 議、専門家会議、職員によるプロジェクトチーム れるまでに成長しました。 を立ち上げ、原案を作り上げたほか、振興審議会 による答申、市民3,000人を対象としたアンケー 東根市誕生から50年という大きな節目を経た トなど、多くの市民の皆様からご意見をいただ 今、本市を取り巻く環境は、少子高齢化に伴う きながら策定したものであり、まさに市民の皆 様々な課題、地球温暖化対策、急激に変動する経 様とともに作り上げた計画であります。 済情勢への対応、地域振興対策など、まちづくり 最後に、策定にあたり、貴重なご意見やご提言 の新たな局面を迎えております。 をいただいた市民の皆様、振興審議会、市民会議、 専門家会議、市議会の方々に心からお礼申し上 このような背景にあって、将来を見据え、激動 する情勢に的確に対応していくため、このたび、 第4次東根市総合計画を策定しました。 2 ひがしねの未来 げます。 10 年後の笑顔を 願って 東根市振興議会会長 元木 和幸 東根市振興審議会会長 元木 和幸 本審議会に対して、目標年次を平成32年と てるまちを市民みんなでつくっていこうとす する第4次東根市総合計画の諮問を土田市長 る姿勢を明確にし、 「しあわせつくる 学びと から受けたのが、平成20年12月でありました。 交流のまち」をめざす都市像としたものであり 当時は、東根市がこれまで以上に大きく飛 ます。 躍する指針となった第三次総合計画の集大成 を迎えようとしている時期であり、策定にご 「しあわせ」は、その人の考え方やその人を 尽力された方々の先見の明と、計画が絵に描 取り巻く環境などで大きく異なってくるもの いた餅にならないよう実践してきた数多くの だと考えています。また、 「しあわせ」はその 方々に感服の念を抱くとともに、県内自治体 人を自然と笑顔にしてくれるものと思います。 で唯一人口が増加している東根市の次期総合 この計画が実行され、市民生活に必要な様々 計画の審議を任せられることに対して身が引 な環境が整うことで、市民だれもが「しあわせ」 き締まる思いだったことを覚えています。 を感じ、満面の笑みをたたえながら、東根市に この思いを胸に、平成22年11月の答申まで、 住み続けたいと思っていただけることを願っ 市民の皆様の声を反映した計画案を約2年間 ています。 にわたって審議をしてまいりました。委員の 皆様には、公私ともにお忙しい中、東根市発展 のため長い間ご審議をいただき、改めて感謝 申し上げます。 さて、このたびの計画は、これまでにない少 子高齢化を伴う人口減少時代の到来、社会経 済情勢の急激な変化など、将来展望が困難で ある中での策定でありました。 しかし、東根市の将来を見据えたときに、こ れからの10年間が最も肝要な時期であるとい う認識のもと、計画では、市民一人ひとりが「し あわせ」を実感できるまちをめざし、これまで の取り組みの更なる発展や新たな課題への対 応を盛り込み、今以上に勢いのある、誇りの持 ひがしねの未来 3 目次 第 4 次東根市総合計画 基本構想 基本構想の概要 … ……………………………………………… 10 第1章 総合計画策定の趣旨と性格… …… 12 第 1 節 計画策定の趣旨 … …………………………………… 12 第 2 節 計画の性格と位置付け … …………………………… 13 第 3 節 計画の構成と目標年次 … …………………………… 14 第2章 まちづくりの課題… ……………………………… 16 第 1 節 東根市を取り巻く時代の流れ … …………………… 16 第 2 節 東根市独自の課題 … ………………………………… 19 「交流 」 「 「しあわせ」 つくる 学 び 」 第3章 まちづくりの将来… ……………………………… 26 第 1 節 めざす都市像 … ……………………………………… 26 第 2 節 めざす市民像 … ……………………………………… 28 第 3 節 めざす行政像 … ……………………………………… 29 第4章 まちづくりの目標… ……………………………… 30 第 1 節 まちづくりの目標 … ………………………………… 30 第 2 節 まちづくりの共通理念 … …………………………… 31 4 ひがしねの未来 第5章 施策の大綱… ………………………………………… 32 第 1 節 だれもがやすらぎと充実、 しあわせを実感できるまち … ……………………… 32 第 2 節 環境、自然、歴史、文化が調和する 風格とうるおいのまち … …………………………… 36 第 3 節 魅力にあふれ、にぎわいと活力に満ちたまち… …… 37 第 4 節 こころ豊かな人が輝く教育と文化のまち … ……… 40 第 5 節 市民みんなで力をあわせる協働のまち… …………… 42 第 6 節 計画推進のために… …………………………………… 44 1 2 3 4 5 6 7 8 4m 3m 2m 1m 第6章 主要プロジェクト……………………………… 第7章 主要指標… ……………………………………………… 第8章 土地利用計画… …………………………………… 46 52 58 第 1 節 土地利用の基本方針 … ……………………………… 58 第 2 節 土地利用の基本方向 … ……………………………… 59 ひがしねの未来 5 目次 第 4 次東根市総合計画 基本計画 第1章 だれもがやすらぎと充実、 しあわせを実感できるまち… ……… 64 第 1 節 子育て環境の充実 … ………………………………… 64 第 2 節 高齢者福祉の充実 … ………………………………… 71 第 3 節 障がい者福祉の充実 … ……………………………… 76 第 4 節 地域福祉の推進 … …………………………………… 79 第 5 節 健康づくりの充実 … ………………………………… 81 第 6 節 適正な社会保障の実施 … …………………………… 85 第 7 節 防災と消防の充実 … ………………………………… 87 第 8 節 生活安全の充実 … …………………………………… 92 第2章 環境、自然、歴史、文化が調和する 風格とうるおいのまち… …………………… 96 第 1 節 環境保全の推進 … …………………………………… 96 第 2 節 都市景観の形成と自然環境の保全 … …………… 101 6 ひがしねの未来 第3章 魅力にあふれ、 にぎわいと活力に満ちたまち… …… 108 第 1 節 交流の促進 … ……………………………………… 108 第 2 節 都市基盤の整備充実 … …………………………… 113 第 3 節 農林業の振興 … …………………………………… 119 第 4 節 商工業の振興 … …………………………………… 126 第 5 節 観光の推進 … ……………………………………… 132 1 第4章 こころ豊かな人が輝く 教育と文化のまち……………………………… 138 第 1 節 幼児教育・学校教育の充実 … …………………… 138 第 2 節 生涯学習の充実 … ………………………………… 143 第 3 節 芸術文化の振興 … ………………………………… 148 第 4 節 スポーツの振興 … ………………………………… 150 第 5 節 文化財、伝統芸能、伝承文化の保護継承… ……… 153 ひがしねの未来 7 第5章 市民みんなで力をあわせる 協働のまち…………………………………………… 156 第 1 節 協働のまちづくり … ……………………………… 156 第 2 節 地域力の向上 … …………………………………… 158 第 3 節 男女共同参画社会の推進 … ……………………… 161 0 00 0 第6章 計画推進のために…………………………… 164 第 1 節 大けやき行政の推進 … …………………………… 164 第 2 節 広域連携、国県との連携 … ……………………… 171 8 ひがしねの未来 第4 次 東根市総合計画 しあわせつくる 学びと交流のまち 基本構想 ひがし ねの未 来 基本構想の概要 まちづくりの課題 東根市を取り巻く時代の流れ 東根市独自の課題 ・少子高齢化を伴う 人口減少社会 少子高齢化への対応 ・環境共生社会 市域の均衡ある発展 ・安全安心な社会の構築 環境、自然、歴史、文化との調和 ・多様化社会、情報化社会 安全安心なまちづくりの推進 ・地域主権と新しい公共 ひがしねを担う人づくり 魅力とにぎわい、活力あるまちづくり 「果樹王国ひがしね」のブランド確立と産業の振興 めざす将来像 まちづくりの目標 めざす「都市像」 「市民像」 「行政像」を 次のとおり設定します。 めざす東根市の姿を具現化するため、 次の目標を掲げます。 まちづくりの 共通理念 めざす都市像 1 まちづくりを進めていく 上での共通の理念、 キーワードを定めます。 しあわせつくる 学びと交流のまち 2 交流 共生 3 協働 調和 めざす市民像 創造する心豊かな市民 4 5 めざす行政像 大けやき行政 10 ひがしねの未来 だれもが やすらぎと充実、 しあわせを 実感できるまち 環境、自然、歴史、 文化が調和する 風格とうるおいのまち 魅力にあふれ、 にぎわいと 活力に満ちたまち こころ豊かな 人が輝く 教育と文化のまち 市民みんなで 力をあわせる 協働のまち 施策の大綱 めざす東根市の姿を具現化するため、次の目標を掲げます。 1 だれもがやすらぎと充実、 しあわせを実感できるまち 4 (1)子育て環境の充実 (2)高齢者福祉の充実 (3)障がい者福祉の充実 (4)地域福祉の推進 (5)健康づくりの充実 (6)適正な社会保障の実施 (7)防災と消防の充実 (8)生活安全の充実 環境、自然、歴史、文化が調和する 風格とうるおいのまち (1)幼児教育・学校教育の充実 (2)生涯学習の充実 (3)芸術文化の振興 (4)スポーツの振興 (5)文化財、伝統芸能、伝承文化の保護継承 5 (1)協働のまちづくり (2)地域力の向上 (3)男女共同参画社会の推進 (1)環境保全の推進 (2)都市景観の形成と自然環境の保全 魅力にあふれ、にぎわいと 活力に満ちたまち (1)交流の促進 (2)都市基盤の整備充実 (3)農林業の振興 (4)商工業の振興 (5)観光の推進 6 基本 構 想の概要 3 市民みんなで力をあわせる 協働のまち 計画推進のために (1)大けやき行政の推進 (2)広域連携、国県との連携 主要プロジェクト 特に重点とする施策に取り組みます。 元気ひがしね レベルアップ プレミアム 8 子育て環境向上 プロジェクト 安全安心 実感 プロジェクト 風格のあるまちづくり プロジェクト 幹線道路網整備 プロジェクト 基本構想 2 こころ豊かな人が輝く 教育と文化のまち 果樹王国ひがしねブランド確立 プロジェクト 教育環境向上 プロジェクト 公益文化施設整備 プロジェクト 地域力向上 プロジェクト ひがしねの未来 11 第1章 総合計画策定の 趣旨と性格 第1節 計画策定の趣旨 わが国は、今、かつて経験したことのない少子高齢化を伴う人口減少時代に あります。 また、地球温暖化に起因するとみられる大幅な気候変動や新興諸国におけ る人口の急増、食料自給問題など、地球規模の課題が顕在化しています。 社会経済においても、高度情報化社会の進展、グローバル化、急激な経済情 勢の変動、地方自治制度をはじめ国レベルでの各制度の改正など、私たちの 日々の生活を取り巻く環境は、常に変動し、しかもそのスピードは、年々加速 しているようにさえ感じられます。 まさに「めまぐるしい変化」「時代の転換期」という言葉があてはまる時代 背景にあります。 また、時代の変遷と共に、個人の価値観や人生観などが多様化し、ライフス タイルや就労形態も多様化がみられ、これに伴い行政需要も複雑、高度化して いる状況にあります。 このような背景にあって、私たちは、愛する郷土、未来の「ひがしね」の発展 を確かなものにするため、地方自治の理念に基づき、私たちの進む道を、私た ちが自ら定め、未来に向かって着実な一歩を踏み出さなければなりません。 そのために私たちは、過去から学び、現実を直視し、将来を見据えたビジョ ンに基づく目標を掲げ、それに向かって、計画的かつ着実な歩みを進める必要 があります。 本市は、これまでも、昭和48年(1973年)の「東根市総合計画」 、昭和62年 (1987年)の「未来にはばたく産業文化都市」を目指した第二次東根市総合計 12 ひがしねの未来 画、平成12年(2000年 )の「快適空間―やすらぎと交流のまち」を目指した 第三次東根市総合計画と数次にわたる計画を策定してきました。 この間、区画整理事業をはじめ、定住人口の増加施策や道路網の整備、中心 市街地形成による魅力ある都心づくりなどの社会基盤の整備、工業団地の造 成と企業立地、生産性の高い農業の振興など、産業基盤の強化、交流人口の拡 大増加施策のほか、協働のまちづくり、地球温暖化防止施策、子育て支援施策 の先駆的な取り組みなど、これらの成果により着実な発展を遂げてきました。 これらの成果は、各種統計数値にも表れ、現在、本市は、県内自治体の中で、 最も元気と勢いがあるまちと評されるまでに成長しました。 東根市誕生から50年の大きな節目を経た今、大きく、急速に変動する社会 背景にあって、これから私たちの進む道には、多くの困難や課題が待ち受けて いることが予想されます。しかし、どんな状況にあろうとも、ここに住む人々 がしあわせを実感し、将来に夢と希望を抱き、いきいきと充実した日々の生活 基本構想 を営むことができる地域社会の構築と持続、そして、新たな創造に果敢に挑み 続けなければなりません。 激動する情勢に的確に対応し、時代の転換期を乗り越え、すべての人が、し あわせを実感できるまちの創造を目指し、私たちが進む道筋を示す指針、それ 第1 章:総 合 計 画 策 定 の 趣 旨 と 性 格 が、第4次東根市総合計画です。 □ 第2 節 計画の性格と位置付け 第4次東根市総合計画は、本市のまちづくりに関する最上位の計画で、本市 発展の方向性とその実現のために必要となる施策の基本方向を明らかにする ものです。まちづくりの目標、理念を市民と行政が共有し、総合的、計画的な まちづくりを行うための指針となる計画です。 ひがしねの未来 13 第3 節 計画の構成と目標年次 第4次東根市総合計画は、基本構想と基本計画による構成とします。 第4 次東根市総合計画 基本 構想 【 目標年次 】 平成32年 (2020年) 長期的視点に立って、 東根市の将来ビジョンと 目標を定めたもの 基本 計画 【 計画期間 】 平成23年 ─ 平成27年 (2011年 ─ 2015年) ⬇ 中・長期的視点に立って、 構想の実現のために必要な施策や 事業を体系化したもの 実施 計画 見直しを実施 平成28年 ─ 平成32年 (2016年 ─ 2020年) ・計画期間を3年として策定 ・毎年見直しを実施 ・基本計画に掲げた施策や事業の実施年度、 事業規模、事業内容を定めたもの 分野ごとの 個別 計画 14 ひがしねの未来 ・分野ごと、その専門的内容について、 総合計画と整合性を図りながら策定 ◎策定期間 23年 2011 24年 25年 26年 27年 28年 29年 30年 31年 32年 2020 基本構想(10 年) 見直し 基本計画(5 年) 基本計画(5 年) 基本構想 第1 章:総 合 計 画 策 定 の 趣 旨 と 性 格 実施計画(3 年) 毎年度見直し ひがしねの未来 15 第2章 まちづくりの課題 第1節 東根市を取り巻く時代の流れ (1)少子高齢化を伴う人口減少社会 わが国の総人口は、平成16年(2004年 )12月をピークに減少に転じてい ます。この背景にある少子化と高齢化は、生産年齢人口の減少による経済活 動の低下のみならず、コミュニティ活動などの地域力の低下、年金、医療など の社会保障の負担増、財源の減少に伴う公共サービスの縮小など、社会全体の 活力の大きな低下につながることが危惧されています。 少子化の進行を示す指標のひとつとして、※ 合計特殊出生率が用いられま す。わが国では、第二次ベビーブームと言われた昭和48年 (1973年) の 「2.14」 以降、年々低下し続け、平成17年(2005年)には、戦後最低の「1.26」まで低 下しました。 このような深刻な事態に対処するため、平成15年(2003年)に「少子化社 会対策基本法」「次世代育成支援対策推進法」が施行され、少子化社会に対応 するための基本理念や国と地方公共団体の責務が示され、出産・育児環境の 整備など、国をあげての取り組みが進められています。 また、わが国の総人口のうち65歳以上の人口の割合を示す、高齢化率は、平 成17年(2005年)の国勢調査では20.1%、平成20年(2008年)には22.1% に達しており、世界に類を見ない水準となっています。このため、 「健康現役 社会」の実現を目指し、社会保障制度の改革や高齢者雇用の支援、地域社会で 健康で元気に活躍するための仕組みづくりが国をあげて進められています。 このように、かつて誰も経験したことのない少子高齢化を伴った人口減少 時代を迎えた今、安心して子どもを生み育てられる環境、高齢者が安心して充 実した日々の生活を営むことができる環境の整備が、これからのまちづくり にとって最も重要で、すべての施策に共通する課題となります。 16 ひがしねの未来 ※合計特殊出生率: 15歳 か ら49歳 ま で の 女 性の年齢別出生率を合計 したもの。一人の女性が、 仮 に、そ の 年 次 の 年 齢 別 出生率で一生の間に子ど もを生むと仮定したとき の子どもの数に相当する。 一般に、一人の女性が一生 の間に生む子どもの数に 相当すると言われる。 (2)環境共生社会 今、かけがえのない私たちの地球が、危機に直面しています。地球温暖化、 新興諸国における各種産業の急速な発展などによる資源の枯渇や環境負荷の 増大、異常な気候変動などが、国際的に大きな課題となっています。これらは、 地球規模の人類共通の課題であると同時に、私たちの日々の生活、産業活動と 密接に関係するものであり、市民一人ひとりが心がけなければならない共通 の課題でもあります。 特に、地球環境に関する課題の中でも、地球温暖化の原因となっている二酸 化炭素の排出を抑制することが緊急の課題となっています。その原因となる 化石燃料エネルギーなどに依存しない低炭素社会の構築が求められ、※再生可 能エネルギーの活用促進と二酸化炭素排出量の取引など新たな制度の検討が 進められています。 基本構想 このような地球規模の課題がある中で、地域の持続的な発展のためには、経 済成長優先から、豊かな自然環境等の地域資源を保全し、 「人」と「自然」が共 生し、調和のとれた地域社会を構築することが求められています。 第 2章:ま ち づ く り の 課 題 (3)安全安心な社会の構築 近年の国内外における大規模な地震災害などを教訓に、災害への備え、防災 機能の強化充実が求められています。 国は、地震防災対策特別措置法に基づく地震防災緊急事業五箇年計画を策 定し、重点的な建築物の耐震化、財政上の特別措置などを実施して、地震災害 から国民の生命、財産を保護するため、地震防災対策の強化を進めています。 また、テロ行為などの脅威に備えるため、武力攻撃事態等における国民の保 護のための措置に関する法律や国民の消費生活の安定を目的とした消費者基 本法の制定など、安全安心な社会の実現に向けた取り組みが進められていま す。 災害のほか、食の安全、新たな疾病、詐欺などの犯罪等、私たちの生活が便 利で快適になるにつれて、日常生活における新たな不安や危険もあらわれ、そ の形態も多様化しています。 このような中、安全安心の確保は、すべての基本であり、私たちの日常生活 にとって、決して欠かすことのできない重要な取り組みです。 ※再生可能エネルギー: 風力や太陽光などのよう に、絶えず資源が補充され て枯渇することのない自 然エネルギーや、廃棄物発 電などのリサイクルエネ ルギーのこと。 ひがしねの未来 17 (4)多様化社会、情報化社会 近年の市民生活は、交通網や生活環境などの社会資本の整備、高度情報化社 会の進展、団塊の世代をはじめとする定年退職者の増加や余暇時間の拡大な どを背景として、「物の豊かさ」より「心の豊かさ」を求める傾向がみられ、豊 かで質の高いライフスタイルが望まれる傾向にあります。また、価値観や人 生観の多様化が進み、ライフスタイル、就労形態、NPO 法人の活動、団体、サー クル、地域活動など様々な場面で、多様な選択肢が求められています。 私たちが、しあわせを実感し、生きがいを持ちながらすこやかに生活するた めには、教養を深め、生活にうるおいをもたらす心の豊かさを高めることがこ れまで以上に大切になっています。 こうした状況の中で、まちづくりの担い手として、市民、地域、NPO 法人、 団体などによる行政分野への積極的な参画がみられるなど、まちづくりへの 参画意識は高まっています。 市民が主体的にまちづくりに参加できる仕組みや、それぞれの価値観に応 じて、ボランティア活動や学習活動、スポーツ・レクリエーション活動、文化 芸術活動等ができる仕組みの充実が必要です。 また、デジタル時代とも言われるように、教養を深めるツール、新たなコ ミュニケーションと情報の受発信ツールとして、情報通信技術の開発が進み、 パソコンや携帯電話などの端末機器が急速に普及したことにより、産業分野 のみならず市民生活においても、いつでも、どこでも、しかも国境を越え、 様々な情報を入手、発信することができるようになりました。近い将来、コ ンピューターと情報通信ネットワークが日常生活のあらゆる場面に組み込ま れ、私たちが意識することなく、その機能を利用できるユビキタス社会の到来 も予想されています。 技術開発や普及が今後、ますます進むことが予想されるため、高度情報化社 会に対応したまちづくりを進める必要があります。 (5)地域主権と ※新しい公共 少子高齢化社会の中で、活力に満ちたまちの持続発展には、まちづくりの理 念として掲げてきた「協働」をさらに発展させることが大切になってきます。 「住民」対「行政」という構図ではなく、「新しい公共」とも言われるように、 ささえあいの精神とおもいやりの心で、市民一人ひとりが力を合わせ、NPO 法人、地域、団体などがまちづくりの担い手として、それぞれの力を発揮でき る仕組みと環境を整えることが必要です。 また、平成18年(2006年)に地方分権改革推進法が成立し、国と地方の役 18 ひがしねの未来 ※新しい公共: 教 育 や 子 育 て、ま ち づ く り、防 犯・ 防 災、福 祉 な どの分野における身近な 公共的活動やサービスを、 行政だけではなく、市民、 NPO、企業などの多様な 担い手が、実践、提供する 社会、現象、または考え方 割が見直され、地方における自己決定、自己責任の割合が高まっています。 さらに、住民による行政の実現、地域のことは地域に住む住民が決める「地 域主権」が進められています。このことは、自らが暮らすまちの将来に対する 責任を住民自らが持つことになり、このためには、市民一人ひとりのまちづく りへの意識を高める努力が求められます。 限られた財源で、最大の効果を発揮し、常に新たな行政需要に対応するため には、これまで以上に創意工夫が求められ、 「地域主権」 「新しい公共」の理念 による自治体運営の仕組みを築くことが必要となります。 □ 第2 節 東根市独自の課題 基本構想 (1)少子高齢化への対応 本市は、昭和50年代前半からこれまで、年々人口が増加し続けてきました。 また、本市の合計特殊出生率は、平成21年 (2009年) で「1.66」と、全国平均 第 2章:ま ち づ く り の 課 題 「1.37」や県平均「1.39」を上回り、県内13市で、最も高い数値となっています。 一方で、国立社会保障・人口問題研究所の推計などによると、本市の人口は、 今期計画期間中に減少に転じることが予測されています。 0歳から14歳までの年少人口は、他自治体と比較するとやや緩やかな減 少ではあるものの、人口の構成割合では、平成12年(2000年 )の国勢調査で 20.9%であった65歳以上人口の総人口に占める割合が平成21年(2009年) で24.3%と、3.4ポイント上昇しており、今期計画期間中には、市民4人に1 人が65歳以上となることは、確実な状況であります。 15歳から64歳までの生産年齢人口の割合も、63.5%から61.1%と2.4ポ イント減少しており、本市においても進行している少子高齢化は、今期計画の 最も重要な課題であります。 また、市民アンケート調査においても、まちづくりの将来像について、 「健 康で福祉の充実したまち」を望む回答(44.5%)が最も多く、少子化の理由に ついても、「仕事と子育ての両立困難」 (45.6%)が多くなっており、子育て環 境をはじめ、健康、福祉の充実への市民の関心と期待が高くなっています。 このことから、これまでも本市は、他に先駆け、積極的に子育て支援施策に取 り組んできましたが、 「子育てするなら東根市」の名を確固たるものにするため、 誰もが住みたくなる魅力あるまちを築き、人口の維持・増加を図ると共に、次 代を担う子どもたちの健全な育成と教育がこれまで以上に重要となります。 ひがしねの未来 19 また、市民 4人に1人が65歳以上の時代にあって、世帯の構成についても、 高齢者のみの世帯数が増加傾向にあることから、高齢者や障がい者はもとよ り、すべての市民が、安心して、いきいきと暮らすことができるよう、幅広く、 質の高い取り組みも重要となってきます。 これらを実現する手法として、公的サービスの充実はもとより、市民が互い にささえあい、市民みんなで、子育てや支援が必要な方をたすけあう意識を高 め、その源となる個々の力と地域や団体などの力を高めることが新たな施策 として必要となってきます。 (2)市域の均衡ある発展 本市の人口は、昭和50年代前半から増加し続けてきました。一方で、地域 ごとの人口の推移では、平成12年(2000年 )と平成21年(2009年 )の比較 で、市中心部以外では、10%以上も人口が減少している地域もあります。同 様に、14歳以下の年少人口の割合が急速に減少し、児童生徒数の大幅な減少 や65歳以上人口の割合が急速に増加している地域もあり、少子高齢化が地域 によっては、急速に進行している状況が見られます。 このように、近年、市全体の人口は増加しているものの、市中心部以外での 急激な人口の減少と少子高齢化の進行が顕著となっていますが、このことは 地域活力の大きな低下を招き、地域コミュニティ活動などに支障をきたす恐 れがあります。 地域の振興とその力となる地域力の向上は、今期計画の大きな課題のひと つです。 また、市民アンケートにおいて、生活環境の満足度を調査したところ、例え ば、 「日常の買い物の便」において、市全体では、満足(59.8%(どちらかと言 えば満足を含む。))と答えた割合が不満(17.2%(どちらかと言えば不満を含 む。))を大きく上回っています。一方、さらに詳しく分析すると、市中央部(東 根、神町地区)以外に居住する市民では、満足は、43.8%と低く、逆に不満が 29.9%と高くなり、地区によっては、不満が満足を上回っている地区もみら れます。このような傾向は、他にも、「公園の整備状況」 (西部地域での不満 割合が高い。)「日常の交通の便」「医療施設の便」などにおいても同様にみら れ、日常生活における利便性の確保が課題となっています。 これまでも、市域の均衡ある発展を目指し、市中心部、幹線道路とのアクセ ス道や集落内外の道路整備をはじめ、地域公民館を活用した生涯学習や特色 ある地域づくり活動が進められてきました。これらの地域の利便性確保と活 性化のためには、さらに、道路整備や地域での暮らしやすさを考慮した公的施 20 ひがしねの未来 設の配置などの社会基盤整備と地域の特色を活かした様々な活動を促進する 必要があります。 また、高齢化の進行に伴い、これら地域で、買い物などの日常生活に不便を きたさないように、高齢者の交通手段の確保や地域に密着した商業形態の促進 など、住み慣れた場所で、充実した生活を営むことができる環境の整備が必要 となります。 さらに、地域の振興には、地域のコミュニティ活動などの中心的担い手とな る若年層の定住が重要な要素となります。このためには、幼少期からの地域、 郷土への愛着を育むことや豊かな自然や特色ある地域資源を活用した活動と地 域の魅力を発信し、これらを活用した地域内外との交流促進が大切になります。 これらを実現するためには、地域社会が本来備え持つ、ささえあい、たすけ あいなどの意識を高め、地域と行政が力を合わせて、地域社会を築く仕組みづ 基本構想 くりが必要となります。 (3)環境、自然、歴史、文化との調和 第 2章:ま ち づ く り の 課 題 本市は、第三次東根市総合計画( 平成13年~平成22年)の中で、 「環境の保 全と循環型社会の形成」を重点的に取り組む主要プロジェクトとして掲げ、市 をあげて、環境 ISO14001の認証取得、学校版環境 ISO、環境衛生組合制度の 発足、MBH(マイバック・マイ箸持参)運動、レジ袋削減推進など、市民、家庭、 学校、地域、企業、行政などが一体となって取り組んできました。 近年、環境への負荷軽減の中でも、二酸化炭素排出量の削減が差し迫った課 題になっており、低炭素社会の実現が強く求められています。再生可能エネル ギーの利活用促進など、これまで以上に、環境への意識を高め、市民、家庭、学 校、地域、企業、行政が一体となった取り組みが必要となっています。 本市は、奥羽山系の美しい山々と清らかな川、扇状地の豊かな自然環境に恵 まれ、自然と調和しながら人々の生活や様々な活動が営まれ、歴史と文化がつ くられてきました。 これら本市の豊かな自然は、生物の多様性を育み、二酸化炭素の吸収や水源 の涵養など、環境への有意な側面を持ち、多面的機能を有しています。 国指定特別天然記念物「東根の大ケヤキ」をはじめ、本市ならではの貴重な自 然と有形無形を問わず先人が築き残してきた歴史文化遺産も数多くあります。 これら先人から受け継いだものを次の世代へ引き継ぎ、 「ひがしねらしさ」 「心のふるさとひがしね」を象徴する私たち市民の「ひがしね※ アイデンティ ティ」のひとつとして、 価値を高め、 大切に引き継ぐことを忘れてはなりません。 ※アイデンティティ: 自己同一性、自分が自分で あることの根拠や帰属意 識、独自性、個性、自分ら しさ。ここでは、 「ひがし ねらしさ、ひがしね市民で あることを意識する事象、 根拠」の意で用いた。 ひがしねの未来 21 (4)安全安心なまちづくりの推進 近年の国内外における大規模な自然災害を教訓に、災害への備え、防災機能 の強化が求められ、国レベルでの耐震基準の見直しや、耐震化の促進などが行 われてきました。 本市においても、旧耐震基準で建設された小学校をはじめ、市内公共施設や 建築物の耐震化が急がれているところであります。また、 市民アンケートでは、 「地震に対する安全さ」の満足度が、32.5%(どちらかと言えば満足を含む。 ) と低く、防災意識の高揚と地震防災対策をさらに充実する必要があります。 災害のほか、食の安全、新たな疾病、詐欺などの犯罪等、私たちの生活が便 利で快適になるにつれて、日常生活での新たな不安や危険もあらわれ、その形 態も多様化していることも事実であります。 このような背景にあって、少子高齢化社会で特に必要とされることは、支援 や見守りの必要な方への平時からの配慮であり、災害等の発生時には、隣近所、 地域など、最も身近なところでのたすけあいが有効で重要と言われています。 このためには、災害への備えを十分に行うと共に、不安や危険を極力排除し、 身近な地域における防災力の向上へ向けた取り組みを進める必要があります。 また、危機が発生した場合を想定し、迅速的確に対処できる体制やシステム を充実するなど、すべての人が安心して生活できる環境を整備することが大 切です。 (5)ひがしねを担う人づくり 少子高齢化時代において、本市の将来を担う子どもたちや青少年の教育は、 まちづくりの大切な要素になってきます。 第三次東根市総合計画(平成13年~平成22年)期間中に発表された北村山 地区の県立高校再編整備計画の中で、県立東根工業高校が県立村山農業高校 と統合され、村山市へ移転することが決定されています。歴史と伝統ある同 校が市外へ移ることは、残念なことでありますが、一方で、同再編整備計画で は、山形県で初となる併設型の中高一貫教育校の設置が、本市内に決定されて います。このことにより、市内の児童生徒のみならず、県内の児童生徒が本市 の豊かな環境の中で、学力の向上や、個性や創造性を伸ばす教育を受けること ができ、心豊かな人材育成の環境が整うことになります。 子どもたちの成長には、基礎基本学力の習得と向上、自立心を養うこと、ま た、豊富な実体験を通して、それぞれが持つ個性や能力を伸ばし、創造性を育 む高度かつ探究的な教育が大切と言われています。さらに、命の尊厳、おもい 22 ひがしねの未来 やり、協調性、郷土愛を育む教育、健康でたくましい心と体を育てる教育など、 いわゆる「知育」 「徳育」 「体育」に加え、遊びを通して生きる力を学ぶ「※遊育 (ゆういく)」 、食を通して健康意識、食文化の継承、郷土愛を育む「食育」 、これ らがひがしねの新たな子育てと教育の要素になるものと考えます。 そして、これらの実践には、学校や家庭のみならず、地域社会など、市民み んなで子育てや教育を実践していく「※共育(ともいく) 」を新たな要素として 位置付ける必要があります。 本市では、これまで、生涯学習や文化活動は、各地域公民館、さくらんぼタ ントクルセンターなどを中心に展開されてきました。第三次東根市総合計画 に、学習や文化活動の拠点となる総合文化・学習施設の整備を掲げ、一本木土 地区画整理事業区域内の建設用地を計画的に取得してきたところです。平成 24年度には、用地の取得も完了する予定であることから、前期計画から引き 継ぐ課題として、建設を進める必要があります。 基本構想 また、まちの活力を高めるためには、年齢、性別などにかかわらず、誰もが、 それぞれが持つ能力を発揮し、仕事や地域活動、社会参加活動、ボランティア 活動など様々な場面で、知識や技術などの能力を発揮できる機会を拡充する ことが大切です。能力を発揮することによって、自己研鑚と自己実現につなが (6)魅力とにぎわい、活力あるまちづくり 自治体の広域的な取り組みを推進するため、国は新たに、※定住自立圏構想 を進めています。現時点での県内村山地域では、山形市と本市が中心市とな り得る条件を満たしています。このことは、本市の都市構造が、市内に、利便 性の高い交通網が整備され、就労の場があり、昼間人口が夜間人口を上回るな ど、都市型の構造へ転換しつつあることを意味します。 第三次東根市総合計画(平成13年~平成22年)で掲げた高速交通網の結節 点と都市機能の充実などを活かした多様な交流を目標とした様々な取り組み が功を奏し、イベントによる誘客をはじめ、さくらんぼタントクルセンターへ の来館者やさくらんぼ観光果樹園の来客の増加など、大幅な交流人口の拡大 が見られました。 このように、まちの発展には、 「人・もの・経済・情報」などの多様な交流 が常に必要不可欠です。 そのためには、引き続き、隣接自治体とのアクセスや高速交通網など、都市 基盤の整備を進めることが大切です。 東北中央自動車道(東根〜尾花沢間)の建設と追加インターチェンジの設置 など、これまで以上に、交通の要衝としての本市の特性が増すことから、これ ※遊育(ゆういく) : 一般的に言われる子育て や 教 育 の 要 素 で あ る「 知 育」 「徳育」 「体育」に加え、 楽しく、自由で、のびのび とした遊びを通して、生き る力(自主性、創造性、社 会性など)を育み、将来の ひがしねを担う子どもたち の心身のたくましい成長を 目指す本市独自の概念 ※共育(ともいく) : 一般には、 子育てを通して、 保護者やその関係者が子 どもと共に学び、成長する 意味で用いられる場合が 多い。本市では、独自に、 子育て期にある保護者や 行政、保育所、学校等の関 係機関のみならず、子ども 見守り隊のように地域をは じめ、市民全員で未来のひ がしねを担う子どもたちの すこやかな成長を育む「共 に子育てする」の意味を含 む概念として用いる。 ※定住自立圏構想: 人口など一定の条件以上 の自治体を「中心市」とし、 その周辺市町村が協定を 結 び、都 市 機 能 の 集 約 な ど、圏域として定住、自立、 発展を目指していく総務 省の施策。 ひがしねの未来 23 第 2章:ま ち づ く り の 課 題 り、生きがいと日々の生活に充実感をもたらします。 らを補完する市内道路整備をはじめ、生活に密着した道路整備など、引き続き、 都市基盤の整備を進めることが重要となってきます。 人口の増加、減少抑制を目指し、市の魅力を高め、交流の創出と拡大を図る 施策と社会資本整備への取り組みが引き続き重要となってきます。 (7)「果樹王国ひがしね」のブランド確立と産業の振興 本市は、恵まれた自然環境のもと、果樹中心の農業へ転換を図り、生産量日 本一のさくらんぼの生産をはじめ、全国有数の果樹生産地帯を形成してきま した。 「果樹王国ひがしね」を掲げ、 「さくらんぼ東根駅」のネーミングや「果 樹王国ひがしねさくらんぼマラソン大会」をはじめ、各イベントの開催などに よって、イメージアップを図ると共に、品質の向上に取り組んできました。 これらの成果により、平成22年(2010年)にはさくらんぼの観光果樹園の 入込客数は10年前に比べ倍増しています。 また、長年の課題であった市内農協の合併が実現した今、次のステージとし て、ひがしねブランドを確立し、消費者の視点、需要に即した戦略を構築し、 これまで以上に良質な農産物を広く全国に向けて発信することが必要となり ます。 近年、安全で新鮮な農産物を求めて、仙台圏などからの来客が増加してい ます。こうした需要をとらえ、本市の魅力をアピールすると同時に、本市の観 光情報や農産物などを積極的に提供するための手法を検討することが必要に なってきます。 一方で、本市の農業を取り巻く環境は、高齢化が進み、農業後継者不足、耕 作放棄地の増加など、新たな課題も多く、厳しさを増しています。また、市民 アンケートにおいても、今後の農業振興の施策について、 「農業後継者の育成 に力を入れる」 (63.3%)に次いで、 「市場競争力のある特産品づくりやその PR を進める」 (43.5%)と考える市民が多く、本市の基幹産業のひとつである 農業を魅力ある産業として今後も引き続き持続発展していくため、担い手の 育成、地域や各団体の力による課題解決に向けた取り組み促進、 「果樹王国ひ がしね」のさらなるイメージアップ、これまで以上に品質と付加価値の高い農 業の促進などの取り組みが重要となってきます。 高齢化社会の進行は、農業従事者の減少につながる負の側面を持つ一方で、 本市の豊かな自然環境の中で、退職者の就農や家庭での食料の自給など、新た な農業のスタイルが創出される可能性もあわせ持っています。 また、農業振興の新たな考え方として、他産業との連携融合を図り、生産か ら、加工、流通、販売を通して価値を高めていく農業の総合産業化が提唱され 24 ひがしねの未来 ていることから、農協をはじめ、関係団体や他の産業との連携を図り、本市の 特徴を活かした新たな農業のスタイルを調査研究する必要があります。 本市の工業は、雇用を創出し、定住人口の増加と市民所得の向上に大きな効 果をもたらしてきた工業団地に支えられ、県内2番目の製造品出荷額等を誇っ ていますが、市内の工業団地は、いずれも企業の立地が進み、新たな企業立地 は困難な状況となっています。若年世代の定住を促進するためにも、就労の 場の確保は重要な施策でありますが、一方で、少子高齢化時代においての総労 働力の減少や土地利用上の課題など、幅広い調査検討が必要であることから、 県との連携を図りながら進めていくことが必要です。 基本構想 第 2章:ま ち づ く り の 課 題 ひがしねの未来 25 「交流 」 「 「しあわせ」 つくる 学 び 」 第3章 まちづくりの将来 第1節 めざす都市像 本市の第二次東根市総合計画( 昭和61年~平成12年 )では、 「活力」 「やす らぎ」をキーワードに、開発テーマを「未来にはばたく産業文化都市」と定め、 都市基盤の整備や工業団地をはじめとする産業活動の振興などを進めてきま した。 第三次東根市総合計画( 平成13年~平成22年)では、 「住みやすさ」 「生活 の快適さ」「福祉が充実し、やすらぎを実感」 「交通網の結節点としての多様 な交流」などをテーマに「快適空間―やすらぎと交流のまち」の実現を目指し ました。 これまで、土地区画整理事業などによる定住人口の増加施策や道路網の整 備、中心市街地形成による魅力ある中心市街地づくりなどの社会基盤の整備、 県内屈指の工業団地への企業誘致、交流人口の拡大増加施策のほか、地球温暖 化防止施策、子育て施策にいち早く取り組むなど、本市は着実な発展を遂げて きました。 この成果は、 ・人口の増 平成21年10月1日 46,184人(山形県公表の推計値) 平成12年10月1日 44,800人(国勢調査) 比較 1,384人 増 ・昼間人口の増加 平成12年 → 平成17年 1,447人増 夜間人口を上回る ・合計特殊出生率の上昇 平成21年「1.66」 県内13市の中で最も高い 26 ひがしねの未来 ・工業製造品出荷額等の伸び 平成20年「4,055億円」 県内自治体中2番目 ( 平成20年工業統計調査) ・市民所得の向上 一人当たり市民所得324.6万円 県内自治体では最も高い (平成19年市町村民経済計算) このような各種統計数値にも表れ、県内自治体の中で、元気と勢いがあるま ちと評されるまでに成長しました。また、市民アンケートの結果においても、 市民の約75%が「住みよい」「どちらかといえば住みよい」と回答し、前期計 画のスタート時のアンケート調査と比較しても、 「住みよさ」が大きく上昇し、 「快適空間―やすらぎと交流のまち」が実現したことを示しています。 このようなこれまでの歩みと本市を取り巻く環境、まちづくりの課題を踏 基本構想 まえ、郷土の未来を見据えた時に、今、私たちが目指すべきは、日々の営みの 中で、ゆるぎない未来の礎を築くと共に、将来を担う人材を育むことが大切と 考えます。「まちづくりは人づくり」と言われるように、幼少期から大人まで、 それぞれのライフステージごとに未来に夢と希望を抱き、誰でも、いつでも、 どこにでも「学び」があることが必要です。様々な学びの機会を通して、市民 第3 章:ま ち づ く り の 将 来 一人ひとりの心に、まちの未来を思い、行動し、地域社会に新しい価値と力を 創造する芽が育ちます。 このようなことから、可能性を高め、地域社会や人生を切り拓いていくこと ができるまち『学びのまち』を目指します。 また、交流は、まちのにぎわいと活力を高め、経済や文化の豊かさを生み出 します。本市の特性である地域資源や社会基盤などの諸条件を活かし、人、も の、情報が行き交う「交流、連携の拠点」として、魅力と活力ある『交流のまち』 を目指します。 この「学び」と「交流」によって、ここに暮らすことの満足感や充実感が得ら れ、さらに、健康で安心して子育てや歳を重ねられるまちには、 「しあわせ」 があります。市民みんなの力で、しあわせをつくりだすまち。そして、まち全 体にしあわせの輪が広がる『しあわせつくるまち』を目指します。 このようなことから、次の都市像を設定します。 めざす都市像 しあわせつくる 学びと交流のまち ひがしねの未来 27 第2 節 めざす市民像 少子高齢化を伴う人口減少時代の中にあっては、個々の力の総体である「市 民力」「地域力」がまちづくりの原動力となり、この力を高めることが大切に なります。 このためには、市民一人ひとりが地域社会の未来を考え築く『創造する力』 を高めることが必要です。 さらに、『豊かな心』で互いを尊重信頼し合い、おもいやりやたすけあいの 心で、力を合わせることが大切です。 このようなことから、次の市民像を設定します。 めざす市民像 創造する心豊かな市民 28 ひがしねの未来 第3節 めざす行政像 国指定の特別天然記念物「東根の大ケヤキ」は、郷土の誇り、シンボルとし て、市民に親しまれ、風雪に耐え、大地に力強く根ざし、1500年以上の時を 刻みながら豊かな緑と勇壮な樹形を保ち続けてきました。その姿は、まさに、 市民と共に歩み、安定した強固な財政基盤、柔軟で効率的な市政運営、広く開 かれた市政など、本市の目指すべき行政像そのものであります。 このようなことから、次の行政像を設定します。 めざす行政像 大けやき行政 基本構想 第3 章:ま ち づ く り の 将 来 ひがしねの未来 29 第4章 まちづくりの目標 第1節 まちづくりの目標 目指す本市の姿を具現化するため、下記の目標を掲げます。 (1)だれもがやすらぎと充実、 しあわせを実感できるまち (2)環境、自然、歴史、文化が調和する 風格とうるおいのまち (3)魅力にあふれ、 にぎわいと活力に満ちたまち (4)こころ豊かな人が輝く 教育と文化のまち (5)市民みんなで力をあわせる 協働のまち 30 ひがしねの未来 第2節 まちづくりの共通理念 まちづくりを進めていくうえでの共通の理念、 キーワードを次のように定めます。 交流 共生 協働 調和 (1)協働 ・ 市民、企業が持つ活力や創造力を活かしながら、市民、企業、行政が 一体となって取り組む協働 ・ 少子高齢化の社会背景の中で、子育てや教育、環境、福祉などの 各分野において、行政の公的な力だけでなく、市民、地域、企業が 基本構想 一体となって活動する協働 (2)交流 第4 章:ま ち づ く り の 目 標 ・ 生活、産業、経済、文化など、まちに活力をもたらす様々な交流 ・ 市内各地域における新たな交流を促し、地域の活力を高める交流 (3)共生 ・ 地球環境、自然との共生 ・ 老若男女、国籍、障がいの有無などに関係なく、共に生きる、 互いに助け、ささえあう共生 (4)調和 ・ 人とまち、新しいものと古き良きもの、都市部と農村部、 自然と人工事象、各産業、地域などが調和しながら総体として、 個性と美観を備えた魅力、活力を醸し出す調和 ひがしねの未来 31 第5章 施策の大綱 第1節 だれもがやすらぎと充実、しあわせを実感できるまち (1)子育て環境の充実 子育て環境の充実を図るため、地域の特性を踏まえた、保育所、児童セン ター、学童保育所などの施設整備をはじめ、多様な保育需要に対応する保育の 展開や民間の力を活用した保育を推進します。 また、子育てに関する相談や経済負担を軽減するための施策など、これらを 総合的に推進し、安心して子どもを生み育てられる環境の充実に取り組みます。 本市独自の新たな取り組みとして、子どもたちの心身の健全な成長を願い、 遊びを通して、生きる力(自主性、創造性、社会性など)を育むため、新たに「 (屋 外版)子どもの遊び場」を整備します。「(屋外版)子どもの遊び場」と「さくら んぼタントクルセンター」をそれぞれ、子育て支援の実践施設、拠点施設と位 置付け、「遊育」の展開を図ります。そして、この「遊育」の理念と実践を市内 各地域へ広げ、世代間の交流や子育てネットワークの構築を目指し、地域での 子育てを支援する仕組みを構築します。 市民、地域、企業、行政が一体となった子育て支援、子育て環境を実現する ため、地域社会みんなで子育てする意識の醸成を進め、 「共育」の理念を構築 します。 市民みんなで安心して子どもを生み育てられる環境と本市の特性を活かし た子どもたちの生きる力を育む環境の整備を進めます。 32 ひがしねの未来 (2)高齢者福祉の充実 高齢化社会が進行する中で、活気あるまちの持続発展には、高齢者がまちづ くりの担い手として、様々な場面において、元気にいきいきと活躍することが 必要です。このために、高齢者の健康保持増進、生きがいづくりをはじめ、就 業や社会活動、地域活動に参画できる機会と場の創出を進めます。 また、介護や支援の必要な方が、適切なサービスが受けられるよう、実態を 踏まえた効率的な施設整備の促進や適正かつ安定的な制度運用など各福祉制 度の充実に努めます。 住み慣れた地域や家庭で安心して生活できるように、サロンなどにおける 交流や日常のささえあい、見守りなど、地域における支援体制や安全で快適な 生活環境の充実に努めます。 基本構想 自助、共助、公助のバランスのとれた福祉を推進し、誰もが安心して年を重 ね、生きがいに満ちた日々の生活を営むことができる環境の充実に努めます。 第5章:施 策 の 大 綱 (3)障がい者福祉の充実 障がい者が主体性、自主性を有して社会活動に参加し、その能力を十分発揮 できるよう、障がいの程度などに応じたサービスの提供を進めます。 入所や通所の施設については、関係機関との連携を強化し、施設整備や施設 サービスの充実など、環境の整備に努めます。 住み慣れた地域や家庭で、安心して快適な日常生活を営むことができるよ う、障がい者への理解を深め、相談支援体制、生活支援、就労支援など各福祉 制度の充実を進めます。 (4)地域福祉の推進 地域社会の中で、互いに尊重し合い、誰もが安心して、日々の生活を充実し たものとするため、※ノーマライゼーションの意識を高める活動や道路、建築 物等における※ユニバーサルデザインの導入、※バリアフリー化を推進します。 少子高齢化社会では、日常生活の身近なところでのささえあいが大切と なってきます。このため、地域における日頃からの見守りとささえあいの意 識を高め、サロンなど身近な交流を促進し、身近な場所、場面での福祉を進め ます。 ※ノーマライゼーション: 社会福祉に関する社会理 念の一つで、障がい者と健 常者とは、お互いが特別に 区別されることなく、社会 生活を共にすることが正 常なことであり、本来の望 ましい姿であるとする考 え方のこと。 ※ユニバーサルデザイン: 年齢、性別、障がいなどの 有 無 に か か わ ら ず、誰 で も使いやすいように製品 などをデザインすること。 商品、サービス、建物、設 備、交通機関などあらゆる 分野が対象となる。 ※バリアフリー: 生活の支障となる物理的、 精神的な障がい物や障壁 がないこと。 ひがしねの未来 33 また、社会福祉協議会などの関係団体、自治会、民生委員・児童委員、福祉 推進員などにおける連携協力体制の構築と強化を図り、地域の力による福祉 を推進します。 (5)健康づくりの充実 しあわせを実感し、充実した生活を営むためには、心身共に健康であること がなによりも大切です。さくらんぼタントクルセンターを拠点に、各事業展 開を図り、健康増進意識を高めるための学習機会や健康診断の充実、各検診の 受診率の向上に努めます。 健康保持増進には、生活習慣の中でも、日常の食生活習慣が大切な要素とな ります。このため、新たに食育計画を策定し、計画に基づき、幼少期からの健 康増進意識と郷土愛を育み、さらに食文化の継承にもつながる「食育」を推進 します。 近年、自殺者の増加など、心の病について社会問題となっていることから、 関係機関との連携を強め、心の健康づくりを推進します。 保健、福祉、医療の連携強化と相談指導体制の充実に努めると共に、市民が 安心して、適切かつ高度な医療サービスが受けられるよう、北村山公立病院や 民間医療機関など、各医療機関との役割分担や連携を強め、体系的で安定した 地域医療体制を確立します。 (6)適正な社会保障の実施 各社会保障制度について、対象者の実態等の把握に努め、制度運営の安定と 適切な給付、支援や相談体制の充実など、適正な制度運営に努めます。 少子高齢化の進行によって、社会保障費の増大やその財源不足などが大き な社会的課題となっています。今後、国レベルでの制度の改正や見直しが図 られることも予想されます。このような制度改正については、的確に対応し、 適正かつ円滑な実施に努めます。 (7)防災と消防の充実 国県との連携を図りながら、治山、治水、砂防などの自然災害を防止する事 業を推進すると共に、地震災害に備えるため、公共施設をはじめ、市内建築物 の耐震化促進に努めます。 34 ひがしねの未来 自分の身は自分で守る防災意識を高めると共に、避難所、避難ルートの整備 周知や災害に備えた資機材の充実や訓練、体制整備を進めます。 災害時における要援護者支援体制の充実と市民みんなで災害に備えるまち づくりを実践するため、地域における防災意識の高揚と自主防災組織をはじ めとする防災組織の機能充実を進めます。 市民の生命と財産を守る消防体制について、救急救命体制の充実や消火栓、 防火水槽などの消防水利をはじめ、各資機材等の計画的な整備、更新を進め ます。 地域消防の機動力や装備を強化すると共に、地域の実態に応じた消防団員 の確保と再編に向けた検討を実施します。 基本構想 (8)生活安全の充実 交通安全については、引き続き、交通安全関係団体との連携により、市民の 交通安全意識の向上に努めます。 第5章:施 策 の 大 綱 交通信号機の設置要望やガードレール、道路反射鏡などの設置、交差点、狭 幅員の改良、歩道設置、道路除雪の強化など、交通安全対策の充実に努めます。 子ども見守り隊の結成など、地域での防犯や安全確保への意識が高まって います。引き続き、「地域の安全は地域みんなで守る」意識を高め、地域にお ける自主的な防犯活動を推進します。 近年、高齢者が被害にあう詐欺などの犯罪が増加していることから、地域や 関係団体と連携を強化し、防犯意識の高揚と犯罪の未然防止に努めます。 ライフスタイルや価値観の多様化に伴い、商品やサービス形態が多様化し、 消費者を取り巻く環境が大きく変化しています。消費生活相談窓口機能の強 化と「消費生活センター」の設置を進め、相談体制の充実や正しい商品知識の 普及、情報提供に努めます。 「暮らしの安全」を積極的に推進すると共に、市民生活における新たな危機 に備えた危機管理体制の充実に努めます。 ひがしねの未来 35 第2 節 環境、自然、歴史、文化が調和する風格とうるおいのまち (1)環境保全の推進 地球規模で環境への取り組みが求められている中、持続発展可能な地域社会 を形成するためには、市民一人ひとりが環境意識を高め、目的に向かって行動 することが大切です。引き続き、環境衛生組合活動をはじめ、学校版環境 ISO 「※さくらんぼ環境 ISO」、MBH(マイバック・マイ箸持参)運動、レジ袋削減 推進など、これまでの取り組みを踏まえ、さらなる充実を目指します。 環境保全意識の高揚と資源のリサイクルや廃棄物の適正な処理促進に努め、 特に、差し迫った課題である二酸化炭素の排出抑制やその削減について、国県 との連携による施策展開を図り、その効果と環境に与える影響が見える形での 運動や活動を促進します。 また、LED(発光ダイオード)照明をはじめとするエネルギー消費の少ない 機器の導入促進や太陽光など再生可能エネルギーの利活用を促進し、 「環境先 進都市ひがしね」のさらなる進化を目指し、市民、家庭、学校、地域、企業、行 政が一体となった取り組みを推進します。 引き続き、ごみ等の不法投棄防止や公害等の未然防止に努めるほか、公共下 水道事業の推進、合併処理浄化槽設置補助などによる排水処理の充実を進め、 生活環境の向上に努め、 市内全域での快適で魅力あるまちづくりを推進します。 (2)都市景観の形成と自然環境の保全 市域の秩序ある開発を進めるため、関係法令、各計画に基づく土地利用を進 めます。公共施設の計画的な配置と交通網の利便性を活用した土地利用や宅 地等の供給により、引き続き、良好な市街地の形成に努めます。 ひがしねらしい個性と風格のあるまちづくりを目指して、歴史、文化資源を 活用したまちづくりを進めます。また、歴史的まち並みや自然景観など、次世 代へ継承すべき景観の保全に努めます。これら、歴史的資源等を活用した景 観は、史跡、文化財などと共に、心のふるさとひがしねを象徴するものとして 位置付け、その価値を高め、魅力あるまちづくりに活用します。 景観形成への市民の意識を高め、市民の理解と協力を得ながら各計画や制 度に基づき、まち並み景観と自然景観に配慮した風格のあるまちづくりを進 めます。 36 ひがしねの未来 ※さくらんぼ環境 ISO: 市内の小中学校において、 児童生徒が環境への負荷 軽減など自ら目標を定め て取り組む本市独自の規 格。平成20年度にその功 績が認められ地球温暖化 防止活動環境大臣表彰を 受けた。 地球温暖化問題をはじめ、環境保全意識の高まりや心の豊かさ志向の高ま りなどを背景に、経済、効率性を優先したまちづくりから、人と自然が共生す る自然と調和したまちづくりが求められています。 このため、本市の特性である豊かな自然資源を交流、学習、イベント、憩い の場としての利活用を進めます。身近な里山や公園など、自然と緑に親しむ 活動を促進し、うるおいとやすらぎのあるまちづくりを進めます。 □ 第3節 魅力にあふれ、にぎわいと活力に満ちたまち (1)交流の促進 基本構想 交流の拡大は、定住人口の増加とまちににぎわいと活力をもたらします。 「果樹王国ひがしね」を掲げて進めてきたイベントや各事業推進による交流に 加え、市農協合併を契機とした、ブランド戦略推進など、本市の魅力を内外に 大きく PRし、交流の拡大を目指します。 第5章:施 策 の 大 綱 整備が進む東北中央自動車道をはじめ、高速交通網を活用した交流と都市 機能の充実を図り、魅力あるまちづくりによる交流、広域的な観光資源を活用 した交流など、各分野の施策を進め、交流を促進します。 さらに、市内各地域において、それぞれの自然、歴史、文化などの地域資源 を活用した活動を促進し、それらを内外に発信することにより、地域の魅力を 高め、交流を促進します。 また、友好都市との交流や、仙台圏を意識した交流など、各方面、様々な分 野での交流を促進します。 社会経済のグローバル化を背景に、国際性豊かな市民の育成が求められて います。このため、外国語教育の推進や国際交流分野での活動団体との連携 を進めます。 また、外国人の生活相談や生活情報提供に努め、外国人が暮らしやすいまち づくりを推進します。 多様な交流の中でも、情報は、通信技術の開発が進み、今後も大きく進化す ることが予想されています。時代の要請に対応するため、新たに情報化計画 を策定し、地域情報化施策を推進します。 ひがしねの未来 37 (2)都市基盤の整備充実 仙台圏や県内隣接市町との交流促進に大きく寄与する国道48号をはじめ、 国道、県道の広域幹線道路の整備を促進します。 また、東北中央自動車道の整備促進と追加インターチェンジ設置を実現し、 交通の要衝としての本市の魅力をさらに高めます。 市中心部と中心部以外の地域とを結ぶ道路整備や集落間、生活と直結する 身近な道路の整備など、総合的に道路網の構築を推進します。 道路や橋りょうなどについて、予防保全型管理の視点を取り入れ、計画的な 修繕に努め、長期的視点でのコストの縮減を目指します。 住宅施策は、定住人口の増加に結びつく重要な施策です。組合施行神町北 部土地区画整理事業をはじめ、民間による宅地供給など、優良な宅地の供給を 促進します。住宅需要を的確にとらえ、そのニーズに即した利子補給制度な どの住宅建設促進施策や市営住宅の整備を進めるほか、住宅耐震化の促進に 努めます。 うるおいとやすらぎ空間、子育て、遊育を実践する空間の創出のため、身近 な公園や広場などの整備を推進します。 また、雨水対策や河川の管理、親水空間の整備に努めます。 公共交通機関では、山形空港、さくらんぼ東根駅の利便性を高めるための要 望活動を強化します。さらに、高齢者などの日常生活の利便性確保に配慮し た市民バスの運行や交通手段確保の検討を進めます。 冬期間の道路除雪体制の強化をはじめ、市民、地域の理解と協力のもと、生 活に密着した除排雪を進めます。 (3)農林業の振興 農業生産基盤の整備や経営規模の拡大、省コスト化、繁忙期の労働力確保体 制の確立を進めるほか、品質と付加価値の向上と消費者のニーズを把握し、積 極的な市場開拓などにより、収益性を高め、農業経営の安定と魅力ある農業を 促進します。 また、生産、加工、流通、販売までを手掛ける総合産業化や法人化、観光や 他産業との連携融合など、農協をはじめとする関係団体と連携を強め、本市に あった新しい農林業の形を調査研究します。 38 ひがしねの未来 「果樹王国ひがしね」のイメージアップによる交流の拡大を進めるほか、統 一ブランド形成や品質基準統一の推進、安全安心な農作物の供給など、ひがし ねブランドの確立を進めます。 また、仙台圏や首都圏を意識したキャンペーンや観光農業施設の充実、直販 の強化など、消費者を意識した生産流通対策を推進します。 本市の基幹産業である農業の持続的な発展を目指し、課題となっている農 業従事者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加に対応するため、認定農業 者などの担い手の育成支援と農用地利用改善団体などの地域における活動を 支援します。また、兼業農家も含めた農業人口を増やし、農地を守っていく施 策を積極的に展開し、本市農業の将来にわたる発展の基盤となる人材育成に 努めます。 さらに、地産地消の推進、有害鳥獣対策、環境に配慮した農業を進めるほか、 住みよい農村環境を目指し、地域資源を活用した交流促進など、本市ならでは 基本構想 の魅力ある農業の振興に努めます。 また、松くい虫やナラ枯れ被害など、森林病害虫による森林荒廃については、 県や関係機関、団体等と連携により対策を充実し、森林機能の保全に努めます。 第5章:施 策 の 大 綱 (4)商工業の振興 市内各地域が持つ特性に配慮し、ライフスタイルの多様化や高齢化社会へ 対応した商業の振興を目指すため、広域的で機能が集積された商業形態、買い 物と観光や散策が楽しめるような交流商業形態、日常の買い物ができる地域 に密着した商業形態などを促進します。 このため、各融資制度の充実や、商工会をはじめとする関係団体との連携協 力を進め、市内各地域の特性と需要を踏まえた商業の振興を目指します。 これまで、定住人口の増加や地域経済の発展に寄与してきた本市の工業に ついて、その活性化と安定した雇用の創出を図るための支援を充実します。 このため、経済情勢の変化への対応や技術力、開発力の向上、経営安定、設備 投資を支援するため各融資、補助制度の充実と活用を進めます。 また、地域との交流や産学官、同業種、異業種同士の交流連携を促進し、高 度化と多種多様な産業群の形成を目指します。 企業動向の情報収集や各制度の周知運用を進め、企業活動の高まりと新規 学卒者をはじめ、若年層の就労支援、※ UJI ターン者の受け入れ、高齢者の雇 用促進など労働力の確保を進めます。 また、新たな企業誘致のための工業用地については、県と連携しながら工業 専用地域などの土地利用の総合的な検討を進めます。 ※ UJI ターン: Uターンは、進学や就職な どにより、出身地を離れた 後、再び出身地に戻り移り 住むこと。 Jターンは、再び戻るもの の、出身地に近い途中の地 域に移り住むこと。 I ターンは、都会に生まれ 育った人が、地方での暮ら しを志向して移り住むこ と。 ひがしねの未来 39 (5)観光の推進 「果樹王国ひがしね」のブランド確立や各イベントを通して、関係団体との 連携を図りながら、ひがしねの魅力を強力に発信していきます。 さくらんぼ東根温泉の振興や既存観光地の魅力の発信に努めると共に、農 業分野など、他産業との連携や市内地域資源のネットワーク化を進め、さらに 他市町村、県、関係団体との広域的連携による観光ルートと商品開発を進め、 観光の振興を目指します。 さらに、果樹王国ひがしねさくらんぼマラソン大会が全国規模の大会へと 成長したように、本市の特徴を活かした広域的で、多くの人々が交流、観光を 楽しめる事業を検討します。 誘客キャンペーンの積極的な展開と共に、市民一人ひとりが発揮する「おも てなしの心」を醸成し、市民総参加による魅力ある観光を推進します。 本市が持つ歴史文化資源を活用した観光の展開や余暇時間の拡大などを背 景として、グリーンツーリズムなど、「楽しむ農」をできる環境が求められて います。豊かな自然の中での体験や生活を志向する人々への農地等の利活用 について検討します。 □ 第4節 こころ豊かな人が輝く教育と文化のまち (1)幼児教育・学校教育の充実 少子高齢化時代では、未来のひがしねを担い、社会に貢献できる心豊かでた くましい人材の育成がますます重要となります。 このため、本市ならではの教育環境を活かし、基礎学力の向上、個性を伸ば し自主性と創造性を育む教育、健全な心身を育む教育を推進します。 本市の地域資源を活用する「実体験できる教育」の推進、市内の各学校にお ける地域間での交流など、特色ある教育を進め、個性と豊かな感性を伸ばす教 育を進めます。 国際性豊かな人材を育むための語学教育の充実や情報化、環境、福祉など社 会の要請に対応した教育内容の充実を図ります。 教育の要素として「知育」「徳育」「体育」の充実に加え、新たに、遊びを通 して生きる力を学ぶ「遊育」と幼少期からの健康意識と郷土愛を育み、さらに 食文化の継承にもつながる「食育」を本市教育の新たな要素として位置付け実 40 ひがしねの未来 践します。 さらに、地域、家庭、NPO 法人はじめ各団体、幼稚園、保育所、学校、市民 みんなで子育てと教育の実践を目指す「共育」の理念を構築します。 安全で快適な教育環境を目指し、学校校舎等の耐震化をはじめ、学校施設の 計画的な整備と維持管理を進めます。 また、本市に設置が決定されている県立中高一貫教育校設置の早期実現を 要望すると共に、中高一貫教育校との連携や協力支援を進めます。 (2)生涯学習の充実 心の豊かさ志向、学習意欲の高まり、市民活動の活発化などを背景として、 基本構想 生涯学習の分野においても市民ニーズが多様化しています。 活動団体、サークルなどとの連携を図り、学習機会の拡充とその内容の充実 を進めます。 地域、学校、家庭との連携による生涯学習を進め、地域資源、地域の特色を 活かした生涯学習、社会教育と地域づくりの融合や学習成果を地域社会に還 第5章:施 策 の 大 綱 元する地域社会貢献型の生涯学習を推進します。 さくらんぼ図書館における親子による読書活動の推進や利用者のニーズを 踏まえた幅広い年齢層向けのサービスと事業を各施設において推進します。 青少年の健全育成と地域活動の充実のため、地域資源を活用した交流や体 験活動を促進し、地域における人材の育成に努めます。 東根本町まちづくり交付金事業において、地域交流、生涯学習の拠点とし て、新たな機能を備えた東根公民館(地域交流センター)が開設することから 施設の活用を進めるほか、各地域公民館の計画的な整備に努めます。 また、用地の取得と必要な機能の検討を進め、公益文化施設用地への施設整 備を進めます。 まちづくりや地域づくりの意識を高め、地域社会の将来を担う人材を育成 するため、家族のふれあいや地域コミュニケーションを深める活動を促進し ます。 (3)芸術文化の振興 本市は、これまでも優れた芸術家を輩出してきました。このような優れた ひがしねの未来 41 芸術文化に触れる機会の充実を図ります。 香り高い文化のまちの創造を目指して、活動団体の育成、支援、指導者や人 材の育成など、芸術文化の振興を推進します。 また、用地の取得と必要な機能の検討を進め、公益文化施設用地への施設整 備を進めます。 (4)スポーツの振興 時代の変遷とライフスタイルの変化に伴い、 「するスポーツ」 「みるスポー ツ」「支えるスポーツ」などと言われるように、スポーツに親しむスタイルも 多様化しています。 県や関係団体との連携による競技力の向上や指導者の養成のほか、市民が 生涯にわたりスポーツに親しむことができるよう、市民ニーズに対応した施 設の整備や総合型地域スポーツクラブをはじめとする各団体の活動支援や指 導体制の充実を図ります。 (5)文化財、伝統芸能、伝承文化の保護継承 国指定特別天然記念物の「東根の大ケヤキ」をはじめ、文化財や伝統芸能、 伝承文化について、保存団体等への支援などを進め、その保護継承に努めます。 また、これらについては、歴史的景観と共に、市民共通の宝、ひがしねを象 徴するものとして価値を高め、歴史と文化が香る魅力と風格のあるまちづく りに活かします。 □ 第5節 市民みんなで力をあわせる協働のまち (1)協働のまちづくり 本市がこれまで進めてきた市民との協働のまちづくりをさらに発展させ、 「新 しい公共」と言われる NPO 法人をはじめ、まちづくりの担い手となる地域や各 団体等が環境、福祉、防災など様々な分野で活躍できる仕組みをつくります。 市民活動の活発化を促進するため、新たに情報の受発信や市民活動をサ ポートする仕組みをつくります。 また、市民の声を政策形成の過程に反映させるため、審議会や各種委員会な どの公募による委員数の増加を図り、市民参画の機会を拡充します。 42 ひがしねの未来 (2)地域力の向上 これからのまちづくりには、地域社会が本来備え持つ、ささえあいなどの相 互扶助や連帯感、協働の意識を高め、市民一人ひとりが力を合わせることが求 められます。コミュニティ活動を促進するため、情報提供や研修会などを通 して、自治意識を高めると共に、集会施設整備補助や身近な広場整備など、活 動を促進するための制度充実を進めます。 市域の均衡ある発展と日常生活の利便性確保のため、交通手段の検討と市 中心部や幹線道路とつながる道路、生活に密着した道路、高齢者の日常の買い 物の利便性に配慮した地域密着型、宅配方式などの商業形態の導入促進、拠点 性のある公的施設の計画的配置など、地域の社会基盤の整備と利便性確保を 進めます。 地域に暮らす人々が地域への誇りと愛着心を高めつつ、地域の課題を自ら 基本構想 把握し、その課題解決に向けた取り組みを支援するため、そのプランづくりや 活動への支援を行う制度を新たに創設します。 地域内外との交流を促進するため、地域資源を活用した活動内容を内外に 発信して、そのネットワーク化を図り、交流を促進する仕組みを構築します。 第5章:施 策 の 大 綱 また、地域資源を活用し、地域の魅力を高め、定住を促進するための仕組み づくりを検討します。 さらに、市民みんなで、地域社会を構築するための仕組みづくりや地域活動 をサポートするための組織体制の検討、地域力向上の拠点として、地域公民館 などを活用した仕組みの調査検討を進めます。 (3)男女共同参画社会の推進 誰もが人権と互いを認め合い尊重する意識を高めます。また、働きやすい 環境整備促進や家庭、地域活動と仕事の両立支援など、情報提供と相談支援の 充実を図り、家庭、地域活動、就労など、あらゆる分野、場面、機会において、 性別にとらわれることなく、自己の能力を高めて発揮できる男女共同参画社 会の実現を目指します。 ひがしねの未来 43 第6節 計画推進のために (1)大けやき行政の推進 急激な経済情勢の変化、行財政改革、地域主権の推進など、地方自治体を取 り巻く環境は、大きく変化しています。 各施策については、計画性、透明性を確保し、目標を明確にして、その効果 を検証し、柔軟で効率的な行政運営を進めます。また、 常に市民の声を反映し、 市民の目線での行政運営を進めます。 地方分権、地域主権が推進され、自己決定、自己責任の原則のもと、知恵と 工夫による自治体運営が求められています。社会経済情勢の変化に柔軟に対 応できるよう、健全財政を堅持すると共に、指定管理者制度や民間委託を推進 し、効率的かつ効果的な行政運営を進めます。 また、事後保全から予防保全へと言われるように、公共施設の維持管理手法 についても見直しが求められています。道路、橋りょうなどの長寿命化対策 をはじめ、社会資本を資産ととらえ、最も費用対効果の高い資産管理、維持管 理を検討し、計画的で効率的な公共施設の維持管理、修繕に努めます。 44 ひがしねの未来 (2)広域連携、国県との連携 隣接市町や村山地域(7市7町)で、各分野において、協議会や検討会等を組 織し、それぞれの目的の実現に向けて、連携を強めています。 引き続き、隣接市町や村山地域市町との連携、協力体制を検討し、広域的な 取り組みによる効率的かつ効果的な行政運営を目指します。 本市は、県内、村山地域の中においても、工業、農業などの産業面での新た な産業群形成の可能性、仙台圏に隣接し、高速交通網など交通の結節点として 観光や交流の拠点としての可能性、自然と調和しつつも利便性が高く安心し て暮らせるなど、村山地域に期待される要素を兼ね備えております。 今後、村山圏域において、本市の担うべき役割への期待が高まることから、 広域的な視点で近隣市町との連携を強めます。さらに、定住自立圏構想等も 含め、広域連携について検討します。 基本構想 また、各事業推進のためには、国、県との連携協力が必要不可欠です。引き 続き、連携の強化に努めます。 第5章:施 策 の 大 綱 ひがしねの未来 45 第6章 主要プロジェクト 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 元気ひがしね レベルアップ プレミアム 8 めざす将来像やまちづくりの目標を実現し、市民誰もが夢と希望を抱き、ま ちに活力、元気があり、誰もが住みたくなる上質な快適空間を創造するため、 特に重点とする施策を「元気ひがしね レベルアップ プレミアム 8 」と名付け、 重点的に取り組みます。 (1)子育て環境向上 プロジェクト (2)安全安心 実感 プロジェクト (3)風格のあるまちづくり プロジェクト (4)幹線道路網整備 プロジェクト (5)果樹王国ひがしねブランド確立プロジェクト (6)教育環境向上 プロジェクト (7)公益文化施設整備 プロジェクト (8)地域力向上 プロジェクト 46 ひがしねの未来 (1)子育て環境向上 プロジェクト 次代を担う子どもたちのすこやかな成長を育むことは、今、私たち市民全員 に課せられた命題です。市民、地域、団体、企業、行政みんなで、子どもたち のすこやかな成長を育みます。 このために取り組む施策を「子育て環境向上 プロジェクト」として、重点的 に推進します。 遊びを通して すこやかな成長を育む 環境の整備(遊育の展開) 基本構想 ・(屋外版)子どもの遊び場 = 子育て支援の実践施設 ・ さくらんぼタントクルセンター = 子育て支援の拠点施設 ・ のびのびと自由な遊び、様々なふれあい、好奇心、冒険心 ⇒自主性、創造性、社会性を育む 第 6 章 : 主 要 プ ロ ジェ ク ト ・ 各地域への広がりを目指す 働きながら 子育てしやすい 環境の整備 ・ 地域の特性を踏まえた施設整備 ・ 多様な保育ニーズに対応した施設整備と保育制度の充実 など みんなが 子育てしやすい 環境の整備 ・ 子育てにかかる経済負担の軽減 ・ 子育てに関する相談指導の充実 など みんなで 子育てする 環境の整備(共育の展開) ・ 地域社会全体で子育てを支援する仕組みづくり ・ 子育てネットワークの構築 ・ 世代を超えた交流促進 など ひがしねの未来 47 (2)安全安心 実感 プロジェクト 私たちの日々の生活を充実したものにするためには、いつ発生するかわか らない地震などの自然災害への備えを十分に行い、不安を少なくすることが 大切です。 このため、今期計画では、公共施設の耐震化と一般住宅などの市内建築物の 耐震化の促進を重点的に推進します。 また、災害時の被害を最小限にとどめることや早期の救助などは、隣近所な ど身近な地域社会でのたすけあいが重要です。高齢化社会が進行する中にお いて、普段からの地域での備え、訓練や見守りなどが大切となります。このた めの地域の防災力の向上を推進します。 ・ 市内建築物の耐震化の促進 ・ 防災意識の高揚と自主防災会、消防団等をはじめ、 地域における防災力の向上 (3)風格のあるまちづくり プロジェクト 本市には、豊かな自然や国指定特別天然記念物「東根の大ケヤキ」をはじめ、 歴史文化的価値の高い資源が数多くあります。 これからのまちづくりには、都市基盤の充実を図り、その機能を高めると共 に、自然、歴史、文化などが調和し、環境や景観に配慮した個性ある質の高い まちづくりが必要となります。 やすらぎやうるおい、そして、魅力を兼ね備えた「ひがしねらしさ」を醸し 出す風格のあるまちづくりを進めます。 ・ まちづくり交付金事業の推進 東根公民館(地域交流センター)の整備と回遊性のあるまちづくり ・ 市内各地域での環境、自然、歴史、文化が調和する「ひがしねらしさ」が 感じられる風格のあるまちづくり ・ 市民との協働の理念に基づき、提案型の事業展開、イベントなど、 魅力と特色あるソフト事業の展開 48 ひがしねの未来 (4)幹線道路網整備 プロジェクト 本市は、県土中央部に位置し、政令指定都市の仙台市に隣接しています。こ の地理的条件を最大限に活用し、交流を拡大し魅力あるまちづくりのために は、交通ネットワーク網の構築を進める必要があります。 現在、東根〜尾花沢間の建設が進められている東北中央自動車道をはじめ、 国県道など、幹線道路網の計画的整備促進に努めます。 特に、山形県道路中期計画に位置付けられた路線の整備促進を図ります。 また、市内外の交流促進と各地域の利便性確保のためには、東北中央自動車 道や国県道と市街地、集落を連結する道路整備が欠かせません。これら道路 基本構想 網の整備を促進します。 ・ 東北中央自動車道(東根〜尾花沢間)の整備と 追加インターチェンジの整備促進 ・ 東北中央自動車道関連道路整備の促進 第 6 章 : 主 要 プ ロ ジェ ク ト ・ 広域幹線道路の整備促進 ・ 生活に密着する道路整備推進 (5)果樹王国ひがしねブランド確立 プロジェクト 元気のあるまちの持続とさらなる発展には、経済活動の活性化、地域資源を 活用した交流促進が必要不可欠です。 全国に向けて、品質の高いひがしね産農産物を発信するため「果樹王国ひが しねブランド」の確立を推進します。 本市の新鮮な農産物やおいしい食を求めて、年々、市外、県外からの観光客 が増加するなど、本市の交流人口も伸びています。このため、産直・物販面で の機能強化や情報の発信交流機能を重視しながら、市場や消費者ニーズを意 識した戦略を進めます。 ・ 果樹王国ひがしねブランド戦略事業の展開 ・ 市場、消費者ニーズを意識した生産流通対策 ・ 広域的で全国規模のイベントの開催 ひがしねの未来 49 (6)教育環境向上 プロジェクト 心豊かな人材の育成には、安全で快適な学習環境を整え、ひがしねの風土と 資源を活かした特色ある教育を推進することが大切です。 市内小中学校の計画的な耐震化工事をはじめ、教育環境整備を重点的に進 めます。 ・ 学校施設の耐震化推進 ・ 快適な教育環境を考慮した校舎等の整備推進 ・ 県立中高一貫教育校の早期設置実現と教育環境整備への協力支援 (7)公益文化施設整備 プロジェクト 価値観やライフスタイルの多様化に伴い、心の豊かさと、生活にゆとりとう るおいを求め、様々な趣味を楽しむ機会や教養を深めるための機会を求める 傾向が強くなっています。 市の中心部に位置するこの空間については、このような市民の趣向や知的 好奇心を満たし、教養を深めるための拠点となるような施設を備える「教養・ 学びの空間」と、さらに、自然との調和や低炭素社会の実現など、環境への取 り組みが求められていることから、やすらぎとうるおいをもたらす緑豊かな 公共自然空間としての「憩いの空間」の2つの要素を兼ね備えた空間がふさわ しいものと考え、整備計画の策定を進めます。 心豊かに 教養・学びの空間 50 ひがしねの未来 緑豊かな 憩いの空間 (8)地域力向上 プロジェクト 市中心部では人口が増加する一方、中心部以外では、人口が大きく減少する 傾向が顕著になっています。さらに、市の都市部においても高齢化の急速な進 行がみられ、生産年齢人口の減少による地域活動の低下が危惧されています。 このため、今期計画では、地域の利便性確保のための社会基盤整備をはじ め、市民一人ひとりが、自らのまちに対し、何を成し得るかを考え、力を合わ せ、実践する地域づくりなど、地域力を高める施策に取り組みます。 ・ 地域力向上のための基盤整備 集会施設、コミュニティ広場等の整備促進 基本構想 身近な生活道路網の整備促進 利便性の高い交通手段、買い物手段等の検討 拠点性のある公的施設の計画的配置 など ・ ともに築く地域未来創造事業の創設と推進 第 6 章 : 主 要 プ ロ ジェ ク ト 地域活動支援交付金制度の創設 地域意識調査や地域づくりに関する調査研究、学習会等の開催 地域プランづくり、アドバイザー派遣支援 後継者対策(結婚促進)活動への支援 地域活動の情報発信、ネットワーク化、交流活動への支援 定住促進へ向けた取り組み など ・ 地域力を高める体制づくり 地域の拠点としての地域公民館などを活用した仕組みの調査検討 地域活動をサポートするための組織体制の検討 ひがしねの未来 51 4m 3m 2m 第7章 主要指標 〜めざす将来の姿〜 1m 計画の基本となる指標について、これまでの本市の傾向や社会情勢の変化、 各施策の効果を踏まえて、本市の将来の姿を次のように想定します。 (1)定住人口 本市の定住人口は、昭和50年代前半から増加し続け、平成12年(2000年) の国勢調査で、44,800人、平成17年(2005年)では、45,834人となってい ます。昭和60年以降は、自然動態の増に加え、社会動態による人口の増がみら れましたが、近年は、自然動態が減に転じたことにより、全体としては、微増傾 向にあります。 また、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、今期計画の目標年次の平 成32年 (2020年) までには、 本市の人口も減少に転じる予測がなされています。 一方で、これまでの本市の歩みが示すとおり、子育て環境の充実、雇用や定 住環境の整備をはじめ、質の高い魅力あるまちづくりを進めることにより、人 口の減少を抑制し、増加を図ることも可能と考えます。このような社会背景に あるからこそ、人口が増加するような魅力あるまちづくりを目指さなければな りません。 このようなことから、各施策の効果を見込み、平成32年(2020年)の定住人 口を46,500人とする目標を掲げます。 52 ひがしねの未来 ◎定住人口 (人) 47,000 46,500 46,300 46,400 46,500 平成 22 年 平成 27 年 平成 32 年 45,834 46,000 45,500 44,800 45,000 44,500 44,000 43,208 43,500 42,751 43,000 42,500 41,874 42,000 41,500 41,000 40,500 40,000 40,559 昭和 55 年 昭和 60 年 平成 2年 平成 7年 平成 12 年 ※国勢調査の実績値については、年齢不詳を含む。 平成 17 年 昭和55年~平成17年:国勢調査 平成22年〜平成32年:本市推計値 基本構想 (2)年齢別人口 年齢構成の推移は、平成17年(2005年)の国勢調査では、 第7章:主 要 指 標 年少人口(0歳~14歳) … ……………… 6,730人(構成比14.7%) 生産年齢人口(15歳~ 64歳)… ……… 28,432人(構成比62.0%) 老齢人口(65歳以上)…………………… 10,641人(構成比23.2%) であり、平成12年(2000年)との比較で 年少人口 … ………………… 272人の減 構成比 0.9ポイント減 生産年齢人口 … ……………… 10人の減 構成比 1.5ポイント減 老齢人口 … ……………… 1,307人の増 構成比 2.4ポイント増 となっています。 このことは、全国平均や県平均などと比較すれば、合計特殊出生率も高く、 年少人口の減少がやや緩やかではあるものの、高齢化については、本市におい ても、急速に進行していることを示しています。 このようなことから、今期計画の目標年次である平成32年(2020年)には、 年少人口 … ……………………………… 6,278人(構成比13.5%) 生産年齢人口 … ………………………… 27,016人(構成比58.1%) 老齢人口 … ……………………………… 13,206人(構成比28.4%) と推測され、高齢化がさらに一層進み、平成17年(2005年)では、市民4.31 人に1人が65歳以上でしたが、平成32年(2020年)には、市民3.52人に1人 が65歳以上になるものと推計します。 ひがしねの未来 53 ◎年齢別人口 ■ 老齢人口(65歳∼) ■ 生産年齢人口(15歳∼64歳) ■ 年少人口(0歳∼14歳) (人) 50,000 40,000 4,630 5,260 6,276 7,835 9,334 10,641 11,297 12,203 13,206 27,415 28,121 28,371 28,042 28,442 28,432 28,382 27,655 27,016 8,514 8,491 8,082 7,331 7,002 6,730 6,621 6,542 6,278 昭和 55年 昭和 60年 平成 2年 平成 7年 平成 12年 平成 17年 平成 22年 平成 27年 平成 32年 30,000 20,000 10,000 0 ※国勢調査の実績値については、年齢不詳があるため、 年齢別人口の合計と前ページ掲載の定住人口は一致 しない場合がある。 昭和55年~平成17年:国勢調査 平成22年〜平成32年:本市推計値 ◎年齢別人口の構成比 ■ 老齢人口(65歳∼) ■ 生産年齢人口(15歳∼64歳) ■ 年少人口(0歳∼14歳) (%) 100 11.4 12.6 14.7 18.1 67.6 67.2 66.4 64.9 20.8 23.2 24.4 63.5 62.0 61.3 80 60 40 26.3 28.4 59.6 58.1 20 0 21.0 20.3 18.9 17.0 15.6 14.7 14.3 14.1 13.5 昭和 55年 昭和 60年 平成 2年 平成 7年 平成 12年 平成 17年 平成 22年 平成 27年 平成 32年 ※構成比(%)は年齢別人口を定住人口で除して、小 数点第二位以下を四捨五入しているため、構成比 (%)の合計は100%にならない場合がある。 昭和55年~平成17年:国勢調査 平成22年〜平成32年:本市推計値 (3)世帯数 世帯数は、陸上自衛隊神町駐屯地が所在する本市の特性に加え、世帯規模の 縮小、核家族化、就労形態の多様化による単身世帯の増加等が要因となり、増 加が続いてきました。 平成17年(2005年)の国勢調査では、世帯数13,489世帯、1世帯当たりの 世帯員数は、3.4人となり、平成12年(2000年)との比較で、910世帯の増、 1世帯当たりの世帯員数は、0.2人の減でありました。 今後も核家族化の進行や高齢者の単身世帯の増加も予測されることから、平 成32年(2020年)には、世帯数は15,500世帯、一世帯当たりの世帯員数は3.0 人になるものと推計します。 54 ひがしねの未来 ◎世帯数 (世帯) 15,000 ■ 世帯数 一世帯当たりの人口 4.2 4.1 4.1 3.8 (人) 5 3.6 3.4 3.2 10,000 5,000 0 9,590 昭和 55 年 10,127 10,552 昭和 60 年 平成 2年 11,328 12,579 13,489 3.1 4 3.0 3 14,273 14,967 15,500 2 1 平成 7年 平成 12 年 平成 17 年 平成 22 年 平成 27 年 0 平成 32 年 昭和55年~平成17年:国勢調査 平成22年〜平成32年:本市推計値 (4)都市交流人口 ◎都市交流人口 (人) 50,800 年 )国 勢 調 査 の42,798人 か ら 平 成17年 50,600 (2005年)には47,855人となり、また、流 入人口と流出人口の差である流入超過人口 50,000 17年(2005年)には2,052人となるなど、 49,400 人口)は、平成2年(1990年)に「1.00」 、 49,700 49,600 第7章:主 要 指 標 また、昼夜間人口比率(昼間人口÷夜間 50,300 50,200 49,800 超過人口は1,983人増加しました。 50,600 50,400 は、平成2年(1990年)の69人から平成 この15年間で、昼間人口は5,057人、流入 基本構想 本 市 の 昼 間 人 口 は、平 成 2 年(1990 49,200 49,000 平成 22年 平成 27年 平成 32年 本市推計値 平成17年(2005年)に「1.04」となっています。 このように、本市では、昼間人口が夜間人口を上回るという都市型の特性が みられ、この傾向は強くなっています。 今後、交通網の整備や情報通信網の発達による移動範囲の拡大、観光産業や 産業活動のさらなる進展、個性あるまちづくりなどにより、本市の拠点性と交 流度は一層高まることが予想され、交流が地域にもたらす影響は一層拡大しつ つあります。 このような社会動態に着目し、本市では、前期計画において、定住人口に、通 勤、通学、観光レクリエーション、買い物の4項目の生活行動を加味した交流 の指標として、都市交流人口を設定しました。 今期計画では、平成22年(2010年)の都市交流人口は49,700人、平成32 年(2020年)には50,600人と推計します。 (5)就業人口 本市の就業者数は、平成17年(2005年)の国勢調査で※ 24,477人であり、 ※ 産業分類不能も含むため、 各産業の就業者の合計と は一致しない。 ひがしねの未来 55 その構成は、 第1次産業 3,755人(構成比15.3%) 第2次産業 7,788人(構成比31.8%) 第3次産業 12,895人(構成比52.7%) となりました。 平成32年(2020年)には、本市の就業者数は、今後予想される生産年齢人口 の減少に伴い、平成17年(2005年)から3.2%減の約23,700人になるものと 推計します。 産業別では、第1次産業の就業者数は、平成32年(2020年)には2,993人、 構成比12.6%になるものと推計します。 第2次産業の就業者数は、産業の振興による雇用の場の確保が見込まれる一 方、生産年齢人口の減少、経営の合理化や生産過程の効率化などにより、平成 32年(2020年)には7,067人、構成比は29.9%と推計します。 第3次産業においては、各種サービス業の発展、広域的な拠点性の高まりな どにより、平成32年(2020年)には、就業者が13,606人、構成比も57.5%に なるものと推計します。 ■ 第1次産業就業者 ■ 第2次産業就業者 ◎就業人口 ■ 第3次産業就業者 合計 (人) 25,000 20,000 15,000 23,617 4,864 8,323 23,947 4,355 8,478 24,879 24,477 24,289 23,906 23,666 4,042 3,755 3,488 3,241 2,993 8,711 7,788 7,649 7,358 7,067 12,122 12,895 13,152 13,307 13,606 平成 12年 平成 17年 平成 22年 平成 27年 10,000 5,000 0 10,427 11,111 平成 2年 平成 7年 平成 32年 平成 2年~平成17年:国勢調査 平成22年~平成32年:本市推計値 (6)市内総生産等 市内の経済活動の成長度や水準を示す※ 市内総生産については、工業団地 をはじめとする第2次産業を中心とした大幅なプラス成長により、平成12年 (2000年)2,538億円、平成19年(2007年)3,083億円になりました。平成 56 ひがしねの未来 ※市内総生産: 1年間に市内の生産活動 によって新しく生み出さ れた価値(付加価値)の評 価額を示したもの。経済 活動の成長度を示す指標。 なお、上記の市内総生産の データは「平成19年度市 町村民経済計算(山形県) 」 に基づき記載。 20年(2008年)秋の世界同時不況以降、経済活動の停滞がみられますが、緩や かな回復が続くものと見込み平成32年(2020年)2,818億円と推計します。 市内総生産を産業別にみると第1次産業は、就業者の減少や同産業を取り巻 く環境の厳しさにより、減少傾向が続いています。農業の生産基盤の整備充実、 収益性の高い魅力ある農業の推進、ひがしねブランド確立など、多様な農業振 興策の展開を図り、減少を極力抑え、平成32年 (2020年) 66億円と推計します。 第2次産業は、平成20年(2008年)秋の世界同時不況により深刻な影響を受 けたものの、その後は緩やかに回復し、平成32年(2020年)1,523億円と推 計します。 第3次産業は、交流連携、商業の広域的な拠点性が高まることなどにより、平 成32年(2020年)1,318億円と推計します。 基本構想 ※一人当たりの市民所得は、平成32年(2020年)には、約300万円と推計し ます。 なお、現在、県内自治体の中で2番目に多い工業製造品出荷額等については、 平成32年(2020年)に4,318億円になるものと推計します。 第7 章:主 要 指 標 ◎市内総生産、一人当たり市民所得 (億円) 区 分 平成 2年 平成 7年 平成 12年 平成 17年 平成 19年 平成 22年 平成 27年 平成 32年 市内総生産 1,678 1,913 2,538 2,433 3,083 2,371 2,574 2,818 第1次 111 89 89 73 71 70 68 66 第2次 797 876 1,308 1,174 1,810 1,063 1,271 1,523 第3次 806 1,017 1,223 1,265 1,293 1,312 1,316 1,318 産 業 別 (万円) 一人当たり 市民所得 251.1 275.9 309.4 281.3 ※産業別総生産には、輸入税・帰属利子などを含んでいる ため、産業別総生産の合計と市内総生産は、一致しない。 324.6 276.2 286.2 299.3 平成2年〜平成19年:市町村民経済計算 平成22年〜平成32年:本市推計値 ◎製造品出荷額等 (億円) 東根市 製造品出荷額等 平成 12年 平成 17年 平成 19年 平成 21年 平成 22年 平成 27年 平成 32年 2,594 3,644 4,951 2,818 2,937 3,562 4,318 平成12年〜平成21年:工業統計調査 平成22年〜平成32年:本市推計値 ※一人当たり市民所得: ※ 市民所得を市の総人口で 割った金額で、市全体の経 済水準を表す指標 ※市民所得: 生産活動で生み出された 付加価値が市民にどのよ うに分配されるかを把握 したもの。雇用者報酬、財 産所得、企業所得から構成 される。 ひがしねの未来 57 第8章 土地利用計画 第1節 土地利用の基本方針 土地は、市民生活や産業活動の基盤であり、その利用形態は、地域の発展や 市民生活と深くかかわりがあります。 本市は、奥羽山系の東部の山岳地帯と最上川の支流の白水川、村山野川、乱 川などで形成された複合扇状地により構成されています。市域の総土地面積 207.17㎢ のうち、森林が131.73㎢ で、63.59%を占め、次いで、農用地が 34.20㎢ で16.51%、宅地は、11.76㎢ で5.68%となっています。 農用地は、市の中心部を取り囲むように広がり、主に水田と生産性の高い樹 園地に利用されています。市中心部では、新たな中心市街地の形成や定住人口 増加などを目的とした区画整理事業などにより、都市機能が充実し、気候的な 条件や各施策の複合的な効果によって、人口が増加している状況にあります。 また、山形空港、陸上自衛隊神町駐屯地、林木育種場、大森・大森西・臨空 工業団地などの特定用途の用地面積が多く、さらに、南北軸には、東北中央自 動車道、国道13号、山形新幹線が本市を縦断しています。東は、東北唯一の 政令指定都市の仙台市に隣接し、東西軸では、国道48号、国道287号など、 まさに交通の要衝にあり、交流人口も多く、県内自治体の中でも、特徴のある 土地利用形態となっています。 このような、本市の地勢的な条件と少子高齢化、自然との調和、環境への配 慮、市民ニーズの多様化など、社会背景を踏まえ、次のような基本方針を定め ます。 58 ひがしねの未来 《土地利用の基本方針》 ・ 公共の福祉を優先しつつ、地域の特性に沿った調和のとれた 土地利用を進めます。 ・ 無秩序な開発を防止します。 ・ 自然環境と共生する土地利用を進めます。 ・ ひがしねの歴史、文化と調和した土地利用を進めます。 ・ 森林、農地などの荒廃防止と多面的機能の活用を進めます。 ・ 住みよい生活環境、地域の産業振興が図られる均衡のとれた 土地利用を進めます。 基本構想 第2節 土地利用の基本方向 第8 章:土 地 利 用 計 画 1. 地目別 (1 )農用地 市域の16.51%を占める農用地は、本市の基幹産業のひとつである農業の 源であります。本市の農用地は、東部から南部、西部へと市街地を取り囲むよ うに広がっています。 農業を取り巻く環境は、米価の低迷、他産地との価格競争、農作物の輸入自 由化などや農業従事者の高齢化、就業者の減少、耕作放棄地の増加など年々厳 しさを増しています。 生産量日本一を誇るさくらんぼの生産をはじめ、果樹の高生産性を誇る農 業を中心とし、「果樹王国ひがしね」を掲げる本市にとって、優良農用地の集 団性の確保と保全は、大きな意味を持ちます。また、農用地は、食料供給の基 本的資源であることに加え、環境、景観、保水をはじめとする公益的かつ多面 的機能を有していることから、無秩序な利用転換は抑制しなければなりませ ん。優良農用地を確保し、耕作放棄地などの農地荒廃の防止に努める必要が あります。 ひがしねの未来 59 (2 )森林 市域の63.59%を占める森林は、木材生産の経済的機能のほか、災害の防止、 水源の涵養、大気の浄化、地球温暖化防止など、公益的かつ多面的な機能があ ります。また、人々にうるおいとやすらぎをもたらし、保養やレジャー、教育 の場としての機能もあります。 近年、松くい虫やナラ枯れ被害など、森林の広域的な荒廃が大きな社会問題 となっていることから、森林が持つその機能と重要性を再認識し、荒廃防止に 努め、利用転換については、その機能を損なわないよう配慮する必要があり ます。 (3 )水面、河川、水路 それぞれが持つ機能を有効に発揮できるよう計画的な整備と安全の確保を 図ると共に、市民の憩いとやすらぎの場として、うるおい豊かな空間の確保を 進めます。 (4 )道路 道路は、産業活動や都市活動の根幹をなすものです。地域間の交流をはじ め、快適で安全安心な生活と産業基盤の整備を進めるため、本市の特性にあわ せた整備を進めます。また、高齢者や障がい者に配慮した道路整備や市内各 地域の均衡ある発展、自然や文化、環境との調和に配慮した整備を進めます。 農林道は、農林業の生産性向上と森林の適正な管理の目的のほか、自然との ふれあいも視野に入れた整備を進めます。 (5 )宅地 住宅地については、本市の定住人口の増加を見込み、適正な土地利用を進め ます。 人口減少時代ではありますが、近年は、核家族化や世帯当たりの家族数が減 少傾向にあること、低廉で良質な住環境への需要は、今後も増加が予想される ことから、魅力的な住環境とまち並み形成に努めます。 工業用地については、経済基盤であるほか、雇用の確保、定住・交流人口の 増加に結びつく重要な用途であります。生活環境との調和、災害や公害の防 止、交通の安全性確保などに配慮しながら、工業用地の有効利用を進めます。 60 ひがしねの未来 本市の既存工業団地は、いずれも立地が進み、新たな用地の確保が求められ ていることから、新規工業用地の確保について、県との連携を図りながら検討 を進めます。 事務所、店舗等については、景観や周辺環境との調和を図り、特に大型商業 施設の出店等については、周辺の土地利用との調整を十分に図りながら進めて いく必要があります。 (6 )市街地 人口集中地区については、利便性のみならず、安全性と防災に配慮すると共 に、高齢者や障がい者にやさしいまちづくりを進めます。 また、既存の歴史文化資源との調和や景観に配慮したまちづくりを進めます。 基本構想 (7 )公共施設用地 公共施設用地については、市民生活上の必要性とニーズに対応した土地利用 に努めます。 第8 章:土 地 利 用 計 画 2. 地域別 本市は、東西22.5㎞、南北14.3㎞、総面積207.17㎢と広大な市域を有し、 それぞれの地域において、様々な特色があります。 これら各地域の歴史、文化、機能集積などを考慮し、今後の土地利用の方向 性を示します。 (1 )東部地域 東部地域は、山岳や自然景観などの地域資源が豊富な場所です。 土地形状など地域の特性を活用した花き栽培や果樹生産の盛んな地域であ り、黒伏高原や白水川ダム周辺など、市民の憩いの場としてレジャーやアウト ドアなどの利用もみられます。引き続き、このような特性を活用した土地利用 を推進します。また、仙台市に隣接していることから、国道48号の改良、大森 山周辺の施設の集積など、長期的な視点では、土地利用の転換の可能性も想定 される地域です。 ひがしねの未来 61 (2 )中部地域 中央、一本木両地区では土地区画整理事業により、本市の顔としての都市機 能の集積が図られています。 また、さくらんぼ東根温泉、大ケヤキ周辺の歴史・文化的なまち並みなど、 魅力ある地域資源があり、これらを活かしたまちづくりが大切となります。 本市のまちづくりの長期的課題である中部地域の北から南への連続したま ちづくりは、神町北部土地区画整理事業や東根中央橋の架橋により、さらに連 続性が高まり、都市機能の充実が図られます。引き続き、より多くの人々が集 う、にぎわいのあるまちづくりを目指します。 また、本地域の南部は、高生産性を誇る優良樹園地が広がっており、優良農 地として保全を図る必要があります。 (3 )西部地域 本地域は、豊富な清水が湧出し、貴重な動植物が生息する豊かな自然があ り、総体としては、水田を中心とした農業地帯です。 各集落には、それぞれの歴史的、文化的な特性があり、これらと調和した環 境整備が必要です。 また、本地域には、山形空港、臨空工業団地、東北中央自動車道などが所在 し、東北中央自動車道の東根インターチェンジ以北の整備が進められている 中、市内2つ目のインターチェンジ設置の実現により、交流の拡大が期待され ます。インターチェンジを中心に、新たな東西のアクセス確保の検討の必要 性もあり、長期的な視点に立てば、土地利用の転換の可能性も検討していく必 要があります。 62 ひがしねの未来 第4 次 東根市総合計画 しあわせつくる 学びと交流のまち 基本計画 ひがし ねの未 来 第1章 だれもがやすらぎと 充実、 しあわせを 実感できるまち 第1節 子育て環境の充実 課題と基本的な考え 核家族化の進行、女性の社会進出の拡大などの社会構造の変化に加え、高 齢化社会の進行に伴う社会保障制度への不安、経済情勢の急激な変動などか ら、子どもを生み育てることに対する負担感や不安感が強まっており、わが 国の※合計特殊出生率は低下の一途をたどってきました。 このような深刻な事態に対処するため、平成15年(2003年)に「少子化社会 対策基本法」 「次世代育成支援対策推進法」が施行され、少子化社会に対応する ための基本理念が示されました。これに基づき、出産・育児環境の整備などに 関して、国をあげての取り組みが進められてきた結果、近年、合計特殊出生率 は、やや回復し、その後、現状維持傾向にありますが、平成21年(2009年)では、 山形県平均が「1.39」と過去最低となるなど厳しい状況となり、人口を維持して いくために必要とされる2.08程度までの回復は極めて困難な状況にあります。 安心して 子どもを生み 育てられる環境の 整備が必要だね。 ◎合計特殊出生率の推移 2 1.5 1 東根市 1.68 1.66 1.63 1.49 1.47 1.45 1.29 1.29 1.26 平成 15年 平成 16 年 平成 17 年 山形県 全国 1.66 1.70 1.66 1.42 1.44 1.39 1.32 1.34 1.37 1.37 平成 18 年 平成 19 年 平成 20 年 平成 21年 1.69 1.45 子育て健康課 64 ひがしねの未来 ※合計特殊出生率: 15歳 か ら49歳 ま で の 女 性の年齢別出生率を合計 したもの。一人の女性が、 仮 に、そ の 年 次 の 年 齢 別 出生率で一生の間に子ど もを生むと仮定したとき の子どもの数に相当する。 一般に、一人の女性が一生 の間に生む子どもの数に 相当すると言われる。 本市の合計特殊出生率は、平成21年(2009年)で、 「1.66」と全国平均 「1.37」や県平均「1.39」を上回り、県内13市では、最も高くなっています。 しかし、年少人口比率は、他の自治体と比較するとやや緩やかであるものの 年々低下しています。また、本市独自の課題として、地域によっては大幅な年 少人口の減少がみられることから、地域の特色、需要を踏まえた少子化対策が 必要となっています。 今後、東根市次世代育成支援行動計画の後期計画を策定し、この計画に基づ き、関係機関と連携を図りながら、計画に掲げる目標の実現に向け、計画的・ 総合的な取り組みを推進します。 これまでも本市は、他に先駆け、「さくらんぼタントクルセンター」の開設 や「子育て応援5つ星事業」「子育て応援マニフェスト2010」など、積極的に 子育て支援施策に取り組んできました。今後、さらに、社会環境の変化から生 じる様々なニーズに対応し、安心して子どもを生み育てられる環境を整え、次 代を担う子どもたちの健全な育成に努めます。 基本計画 本市では、多様な保育ニーズにこたえるため、ひがしね保育所の整備や学童 保育所の整備など、児童福祉施設整備を進めてきましたが、一方で、施設の老 朽化や保育ニーズの多様化への対応、地域によっては、少子化の進行による利 用者の減少が課題となっています。 たし、より効率的な施設整備と運営を実現するため、児童福祉施設の適正な配 置と地域の特性に配慮した機能を持つ施設整備を進める必要があります。こ のため、児童福祉施設の整備に関する方針を定めます。また、民間のノウハウ を活用し、様々な保育需要に対応するきめ細やかで柔軟な保育サービスの提 供を行うため、民間委託等を進めると共に、民間運営による保育等と市が担う 保育等に関する運営方針を定め、民間と行政の協働による施設の整備、運営を 進めます。 平成17年(2005年)開設の「さくらんぼタントクルセンター」は、子育て 支援の拠点施設として定着し、屋内遊具を備えたけやきホールは、市内外か ら訪れる多くの子どもたちでにぎわっています。NPO 法人による親子向け の催しも活発に行われています。引き続き、子育て支援センターや※ ファミ リー・サポート・センターの機能充実を図るなど、「さくらんぼタントクル センター」を拠点とした子育て支援事業を積極的に展開します。 さらに、本市独自の新たな取り組みとして、子どもたちの心身の健全な成 長を願い、遊びを通して生きる力(自主性、創造性、社会性など)を育むため、 新たに「(屋外版)子どもの遊び場」を整備します。 「(屋外版)子どもの遊び場」と「さくらんぼタントクルセンター」を、それ ぞれ子育て支援の実践施設、拠点施設と位置付け、遊びを通した「※遊育(ゆ ういく)」の展開を図ります。さらに、この「遊育」の理念と実践を市内各地域 へ広げ、地域の特色を活かした身近な場所での子育てを促進すると共に、そ ※ファミリー・サポート・ センター: 地域において育児などの 援助を受けたい人、援助を 行いたい人が互いに会員 となり、育児に関する相互 援助活動を行う会員組織 ※遊育(ゆういく) : 一般的に言われる子育て や 教 育 の 要 素 で あ る「 知 育」 「徳育」 「体育」に加え、 楽しく、自由で、のびのび とした遊びを通して、生き る力(自主性、創造性、社 会性など)を育み、将来の ひがしねを担う子どもた ちの心身のたくましい成 長を目指す本市独自の概 念。 ひがしねの未来 65 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち こうした状況を踏まえ、利用者の利便性に配慮すると共に、保育ニーズを満 のネットワークと地域社会みんなで子育てをする「※共育(ともいく)」の理念 を構築し、市民みんなで、明日のひがしねを担う心豊かな子どもたちの成長 を育みます。 また、本市独自の子育てに関する経済的負担の軽減や子育て相談の充実、予 防接種の充実、不妊治療への助成や母子の健康づくりへの配慮、乳児訪問、健 康相談の充実、各種健康診査による保健指導の充実などに努めます。 これらの施策を総合的に推進し、次代を担う子どもを安心して生み育てら れる環境の充実に、市民みんなで取り組みます。 施策の体系 子育て環境の充実 (1)少子化対策の基本施策の推進 (2)子育て関連施設の充実 (3)子育てしやすい環境の充実 (4)みんなで子育てする環境づくり (5)母子保健の充実 (6)母子・父子福祉の充実 施策 (1)少子化対策の基本施策の推進 ①東根市次世代育成支援行動計画の推進と計画の改訂 (現計画の期間:平成17年度~平成26年度) ②児童福祉施設の整備に関する方針の策定 ③次世代育成のための総合的、計画的、体系的な取り組み 66 ひがしねの未来 ※共育(ともいく): 一 般 に は、子 育 て を 通 し て、保護者やその関係者が 子どもと共に学び、成長す る意味で用いられる場合 が多い。本市では、独自に、 子育て期にある保護者や 行政、保育所、学校等の関 係機関のみならず、子ども 見守り隊のように地域を はじめ、市民全員で未来の ひがしねを担う子どもた ちのすこやかな成長を育 む「共に子育てする」の意 味を含む概念として用い る。 (2)子育て関連施設の充実 ① 「(屋外版)子どもの遊び場」の設置と遊育・共育事業の展開 ※ ② 「(仮称) 東部子育てサポートセンター」の建設 (地域のニーズと特性を踏まえた施設整備) ③多様な保育ニーズに対応するための市立保育所の民営化 ④民間のノウハウを活用した事業の検討と実施 ⑤保育所、児童センター、学童保育所の計画的整備 ⑥身近な公園など遊び場の整備 屋外でのびのびと 遊べる遊び場だよ。 基本計画 「 (屋外版)子どもの遊び場」イメージ図 (人) 800 ■ 0歳児 ■ 1歳児 ■ 2歳児 ■ 3歳児 ■ 4歳児 ■ 5歳児 700 588 600 500 748 701 473 619 637 661 509 400 300 200 100 0 平成 15年度 平成 16年度 平成 17年度 平成 18年度 平成 19年度 平成 20年度 平成 21年度 平成 22年度 各年度4月1日現在:子育て健康課 ※(仮称)東部子育て サポートセンター: 東郷児童センターの建て 替 え を 機 に、多 様 な 保 育 ニーズに対応するため設 置を予定している児保学 複合施設 ひがしねの未来 67 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち ◎保育所入所状況の推移 ◎児童館・児童センター入所状況の推移 (人) 450 ■ 3歳児 ■ 4歳児 ■ 5歳児 400 350 316 304 313 302 309 平成 15年度 平成 16年度 平成 17年度 平成 18年度 平成 19年度 300 292 286 290 平成 20年度 平成 21年度 平成 22年度 250 200 150 100 50 0 各年度4月1日現在:子育て健康課 ◎認可外保育所入所状況 (人) 300 ■ 0歳児 ■ 1歳児 ■ 2歳児 ■ 3歳児 ■ 4歳児 ■ 5歳児 250 200 178 169 168 167 179 平成 17年度 平成 18年度 平成 19年度 平成 20年度 平成 21年度 150 217 100 50 0 平成 22年度 各年度4月1日現在:子育て健康課 (3)子育てしやすい環境の充実 ①延長保育、一時保育、休日保育、障がい児保育の充実 ②病後児保育の実施に向けた検討 ③市内保育施設等との連携支援 ④子育て支援センターの充実 ⑤放課後児童健全育成事業の充実(学童保育所等の運営の支援) ⑥子育てに伴う経済的負担の軽減 ・医療費負担の軽減 ・保育費用、教育費負担の軽減 ・各手当等の充実 ⑦子育てに関する相談体制の充実 ⑧家庭相談員などによる相談、指導体制の充実 ⑨発達障がい児などへの支援の充実 68 ひがしねの未来 ◎延長保育の利用状況 (件) 2,000 1,500 1,304 1,528 1,468 平成 17 年度 平成 18 年度 1,204 1,618 1,340 1,540 1,000 500 0 平成 15 年度 平成 16 年度 平成 19 年度 平成 20 年度 平成 21年度 子育て健康課 ◎一時保育の利用状況 (件) 2,000 1,653 1,500 1,000 658 634 616 平成 17 年度 平成 18 年度 平成 19 年度 708 0 平成 20 年度 基本計画 500 平成 21年度 子育て健康課 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち ◎休日保育の利用状況 (件) 年 度 件 数 平成20年度 164 平成21年度 174 子育て健康課 ◎子どもの医療費負担軽減の制度 (人) 制度名 子育て支援医療給付事業 未就学児医療費無料化事業(県単非該当者数) 小学校低学年医療費無料化事業 ひとり親家庭等医療給付事業 受給対象者数 2,748 72 1,401 286 平成22年7月1日現在:市民課 ひがしねの未来 69 (4)みんなで子育てする環境づくり ①家庭、団体、地域、企業・事業所、行政みんなで子育てする意識の醸成 ②※ワーク・ライフ・バランスの見直し推進や育児休暇、事業所内保育所 設置についての普及啓発 ③ファミリーサポートシステムの普及充実 ④ファミリー・サポート・センター、子育て支援センターの活動促進 ⑤各種教室講座開催などによる子育て意識の醸成 ⑥父親向けの子育て講座開催や、父親の子育てネットワークなど、 父親の子育てへの参画促進 ⑦子育てボランティアなどの育成とネットワーク化 ⑧母親クラブの育成 ⑨民生委員・児童委員との連携強化 ⑩児童虐待等防止ネットワーク推進会議との連携強化や 虐待防止に向けた取り組みの強化 ⑪地域や団体における子育て支援活動への支援 ⑫子育て世代への支援制度の検討 ◎ファミリー・サポート・センター事業 会員数の推移 (人) 区 分 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 利用会員 295 348 500 458 473 協力会員 45 55 59 68 68 両方会員 41 50 51 52 52 381 453 610 578 593 合 計 各年3月末現在:子育て健康課 援助活動数の推移 (人) 区 分 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 利用件数 2,584 2,278 1,689 1,397 子育て健康課 (5)母子保健の充実 ①母子保健指導・相談体制の充実 ②乳児訪問事業の充実 ③乳幼児・妊産婦・女性の健康診査の充実と指導体制の強化 ④予防接種等の充実 ⑤地域母子保健組織、育児ボランティア、サークルの充実と育成 70 ひがしねの未来 ※ワーク・ライフ・バランス: 育児、家事をはじめ、家庭 で の 生 活 時 間 の 増 や、趣 味、健康増進、自己研修の 時間を確保するなど、仕事 と生活のバランスを整え ること。このためには、私 生活と仕事がうまく調和 するように改善する必要 があり、働き方の見直しを 行い、仕事の進め方や時間 管理の効率化を進めると 共に、短時間勤務、在宅勤 務、多目的な長期休暇など の多様な勤務制度を選択 できる柔軟な就業環境を 整える必要がある。 (6)母子・父子福祉の充実 ①母子・父子家庭の相談・指導体制の充実 ②母子寡婦資金などの各種制度の活用促進 ③就労機会の拡充など、雇用の促進 ④職業訓練等の機会の拡充 ⑤就業相談員などによる就労支援 ⑥母子・父子家庭医療給付制度の充実 施策の効果を表す指標 (ア) 合計特殊出生率 平成21年「1.66」 ⇒ 上昇を目指す。 基本計画 (参考)全国平均「1.37」 県平均「1.39」 (イ) 年少人口 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち 平成21年「6,721人」(人口構成比率14.6%) ⇒ 減少抑制または増加を目指す。 (参考)全国平均「13.3%」 県平均「13.0%」 (ウ) 子育て環境の満足度 ( 「満足」 + 「どちらかといえば満足」 の回答割合) 平成21年の市民アンケート「46.6%」 ⇒ 上昇を目指す。 第2 節 高齢者福祉の充実 課題と基本的な考え わが国の総人口は、平成16年(2004年)12月をピークに減少に転じてい ます。この背景にある少子高齢化は、生産年齢人口の減少による経済活動の 低下のみならず、コミュニティ活動などの地域力の低下、年金、医療などの社 ひがしねの未来 71 会保障の負担増、財源の減少に伴う公共サービスの縮小など、社会全体の活力 の大きな低下につながることが危惧されています。 本市では、平成12年(2000年)の国勢調査で20.9%であった65歳以上人 口の割合が平成21年(2009年)で24.3%と、3.4ポイント上昇しており、今 期計画期間中には、市民4人に1人が65歳以上となることは、 確実な状況です。 いまだかつてない少子高齢化を伴った人口減少時代を迎えた今、高齢者が 安心して充実した日々の生活を営むことができる環境の整備が求められてい ます。 また、4人に1人が65歳以上という時代にあって、世帯の構成内容につい ても高齢者のみの世帯割合が大幅な増加傾向にあることから、高齢者はもと より、すべての市民が、安心して、いきいきと暮らすことができる幅広く質の 高い取り組みが重要となってきます。 高齢者の 割合が高く なってきているよ。 ◎年齢別人口の構成比 (%) 100 ■ 年少人口(0歳∼14歳) ■ 生産年齢人口(15歳∼64歳) ■ 老齢人口(65歳∼) 11.4 12.6 14.7 67.6 67.2 66.4 21.0 20.3 18.9 昭和 55 年 昭和 60年 平成 2年 18.1 20.8 23.2 24.3 24.4 26.3 28.4 63.5 62.0 61.1 61.3 59.6 58.1 17.0 15.6 14.7 14.6 14.3 14.1 13.5 平成 7年 平成 12年 平成 17年 平成 21年 平成 22年 平成 27年 平成 32年 80 60 64.9 40 20 0 ※年齢別構成比 (%) は、 年齢別人口を定住人口で 除して、 小数点第二位以下を四捨五入しているため、 年齢別構成比の合計は100%にならない場合がある。 昭和55年∼平成17年:国勢調査 平成21年:山形県公表値(10月1日) 平成22年∼平成32年:本市推計 高齢者が元気に住み慣れた地域で生活できるよう、※サロンの設置や※いき いきディサービスなどの生きがいづくり、地域や仲間との交流、高齢者による ボランティア活動の促進、介護予防への取り組みを推進します。 支援が必要な方の在宅での生活を支援するため、介護保険制度に基づく各 種サービスの充実を図るほか、本市独自の高齢者安全安心四ツ葉のクロー バー事業など、支援の必要な方やその家族等の需要に応じた在宅介護の充実 を進めます。 地域での介護を支援する施設として効果があり、新しいサービスとして期 待されている※地域密着型サービス事業や、地域の実情に応じて、柔軟なサー ビスが図られる※小規模多機能型居宅介護施設の整備を促進します。 72 ひがしねの未来 ※サロン: 住民同士が手軽に交流が できる場所として、地域を 拠点に、住民とボランティ ア等が共に企画運営して いく仲間づくりの場所と その機会 ※いきいきディサービス: 日帰りで、さくらんぼ東根 温 泉 を 活 用 し、地 区 単 位 で、月1回~ 2回程度、軽 運動やレクリエーション などを楽しみ、要介護とな ることを予防する事業で、 本市独自の施策 ※地域密着型サービス: 一 定 の 圏 域 を 定 め、在 宅 サービスを中心とした サービス ※小規模多機能型居宅介 護施設: 在宅介護を基本に、通い、 泊まり、訪問などを組み合 わせた柔軟なサービスが できる施設 また、施設サービスについては、介護保険料の負担増と密接に関係してくる ため、要介護者の増加の実態等を踏まえて、効率的な施設整備を計画していき ます。 これらを実現する手法として、公的サービスの充実はもとより、市民が互い にささえあい、市民みんなで、支援が必要な方をたすけあう意識を高め、その 源となる個々の力と地域や団体などの力を高めることが新たな施策として必 要となってきます。公的なサービスによる公助、地域や各団体など、みんなで 支える共助、自らの力による自助、これらのバランスのとれた福祉を進めるこ とが重要となります。 ◎ひとりぐらし老人(65歳以上)と老人夫婦(65歳以上)の世帯数、 これら世帯数が全世帯数に占める割合 1,500 500 0 ①と②を合わせた世帯数が全世帯数に占める割合 9.8 834 10.4 890 536 487 10.9 937 560 11.4 966 630 11.8 1,036 628 1,146 1,082 656 650 1,201 702 13.5 13.2 13.0 12.4 12.1 1,218 761 1,218 (%) 15 10 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち 1,000 ■ ①ひとりぐらし老人世帯 ■ ②老人夫婦世帯 基本計画 (世帯数) 1,500 826 5 0 平成 12年 平成 13年 平成 14年 平成 15年 平成 16年 平成 17年 平成 18年 平成 19年 平成 20年 平成 21年 各年4月1日:住民基本台帳 施策の体系 高齢者福祉の充実 (1)高齢者福祉の基本施策の推進 (2)社会参加と生きがいづくりの推進 (3)地域生活支援体制の充実 (4)介護保険制度による高齢者福祉の推進 (5)安全で快適な生活環境の整備 ひがしねの未来 73 施策 (1)高齢者福祉の基本施策の推進 ①東根市老人福祉計画・介護保険事業計画の推進と計画の改訂 (現計画の期間:平成21年度~平成23年度) ②高齢者福祉の総合的、計画的、体系的な取り組み (2)社会参加と生きがいづくりの推進 ①企業や関係機関との連携による高齢者の知識、熟練技能を活かした 社会参加の機会の創出 ②高齢者の日常生活支援など、様々な分野における高齢者の社会参加の 機会の創出 ③地域コミュニティ活動や生涯学習活動などへの高齢者の参画推進 ④福祉ボランティア、観光ボランティアなど、多様な高齢者 ボランティア活動の促進 ⑤軽スポーツ大会の開催などを通したスポーツ活動への参加促進 ⑥老人クラブ活動など、仲間づくりの推進 ⑦シルバー人材センターの経営基盤の安定と活性化 ⑧サロンなど交流の場の充実 ⑨温泉などを活用した高齢者の居場所づくりの検討 (3)地域生活支援体制の充実 ①介護予防の推進 ・いきいきディサービスなどの介護予防施策の充実 ・健康教室、健康相談の充実 ・※二次予防の対象者への健康づくり推進など介護保険制度に基づく 介護予防事業の充実 ②介護者への支援施策の充実 ③※地域包括支援センターの機能充実に向けた支援 ④高齢者虐待防止の取り組みの充実 ⑤要援護者支援の充実 ⑥※高齢者見守りネットワークの充実 ⑦※認知症サポーターの養成 (4)介護保険制度による高齢者福祉の推進 ①適正なサービスの推進 ②適正な受益と負担による健全な財政運営の推進 ③実態を踏まえた介護施設の配置と整備 74 ひがしねの未来 ※二次予防の対象者: 65歳以上で生活機能が低 下し、近い将来介護が必要 となるおそれがある高齢 者。介護予防の観点から 行われる健診や訪問調査 の結果に基づいて、生活機 能の低下が心配される人 が該当する。二次予防の 対象者として認定された 場合には運動機能向上、栄 養指導、口腔機能向上など の介護予防プログラムに 参加することができる。 ※地域包括支援センター: 高齢者の総合相談、虐待防 止、介護予防マネジメント などを総合的に行う機関 で、介護保険法で市町村に 設置が義務付けされてい る。 ※高齢者見守り ネットワーク: 民生委員・児童委員と連 携し、地域における高齢者 に関する情報を収集登録 し、地域包括支援センター 等の関係機関と情報を共 有し、適切、円滑な対応を 図ることを目的としたシ ステム ※認知症サポーター : 日常生活の中で、認知症の 人とその家族を温かく見 守る応援者となるよう養 成講座を受講し、認知症に 関する正しい知識と理解 を身につけた人 ④地域密着型の施設整備と事業の推進 ⑤近隣自治体との連携による施設の有効利用 ⑥介護保険事業所などの誘致と地元事業者の育成 (5)安全で快適な生活環境の整備 ①公共施設のスロープ設置、 高齢者専用駐車スペース、交差点歩道部の 段差解消など、高齢者の安全に配慮したまちづくりの推進 ②高齢者が居住する住宅の※バリアフリー化の推進 ③高齢者が利用しやすい交通手段の研究 ④地域に密着した宅配などの商業形態の促進 ⑤緊急通報システムなど、緊急事態に対応できる体制整備の推進 基本計画 施策の効果を表す指標 (ア) 要介護高齢者率 平成22年4月現在「14.8%」 ⇒ 介護予防事業の推進により、数値の上昇を抑制する。 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち (イ) シルバー人材センター受託件数 平成21年度「1,550件/年」 ⇒ 平成25年度「1,670件/年」を目指す。 (ウ) 市内高齢者サロン設置数 平成22年4月現在「17サロン」 ⇒ 「50サロン」を目指す。 (エ) 認知症サポーター登録者数 平成22年4月現在「413人」 ⇒ 「2,500人」を目指す。 ※バリアフリー: 生活の支障となる物理的、 精神的な障がい物や障壁 がないこと。 ひがしねの未来 75 第 3 節 障がい者福祉の充実 課題と基本的な考え 高齢化や様々な要因により心身に障がいを持つ人が年々増加しており、障が いの重度化や重複化が進む傾向にあります。 市民一人ひとりが障がいや障がい者についての理解を深め、すべての人が社 会の中で充実した生活を営むことができる環境の整った地域社会を築いていく 必要があります。 平成13年(2001年)に、すべての市民が共に生き、すべての市民に優しいま ちを創造する指針となる「東根市障害者福祉計画」を策定しました。これまで、 計画に基づき、段差の解消や障がい者用トイレ整備、駐車スペースの確保、市 民バスの低床車両の導入をはじめ、障がい者の自立を支援し、能力や適性に応 じて地域で安心して暮らせるよう各施策を進めてきました。 また、平成18年(2006年)には、障害者自立支援法が施行され、障がいを持 つ人が、できるだけ自立した生活ができるように支援していくため、事業体系 が見直されたことから、「東根市障がい福祉計画」を策定し、障がい福祉サービ スの提供に努めてきました。 今後も制度改正や社会情勢の変化等に的確に対応し、障がい者が地域で安心 して快適に暮らせる社会を目指します。 障がい者の生きがいづくりと積極的な社会参加の促進には、交流の機会や就 労機会を確保する必要があります。障がい者の交流機会を拡充し、社会参加と 障がい者に対する理解を深めると共に、関係機関や企業との連携のもと、雇用 機会の拡大に向けた啓発活動を進めます。 さらに、障がいを持つ人が、積極的に様々な活動に参画するためには、建築物 や道路などの※ユニバーサルデザインの導入とバリアフリー化を進め、障がい 者が住みやすく、活動しやすい福祉のまちづくりを進めていく必要があります。 これまでも、公共施設のエレベーターや障がい者用トイレの設置、主要道路 における段差解消や点字ブロックの設置など、障がい者や高齢者に配慮した施 設整備が進められてきました。引き続き、安全で快適な環境の整備を進め、人 にやさしいまちづくりを推進します。 障がい者の地域での生活を支えていくためには、施設サービスの充実を図る 必要があります。現在、市内には障がい者の入所施設がないことから、入所施 設の広域的整備について、関係機関との連携を強化すると共に、通所施設等の 定員増加を要望し、障がい者の受け入れ環境の整備に努めます。 76 ひがしねの未来 ※ユニバーサルデザイン: 年齢、性別、障がいなどの 有 無 に か か わ ら ず、誰 で も使いやすいように製品 などをデザインすること。 商品、サービス、建物、設 備、交通機関などあらゆる 分野が対象となる。 ◎身体障害者・療育・精神保健福祉手帳交付者数の推移 (人) 区 分 身体障害者手帳 療育手帳 精神保健福祉手帳 平成15年度 1,591 166 56 平成16年度 1,652 174 69 平成17年度 1,835 182 85 平成18年度 1,810 184 91 平成19年度 1,850 193 104 平成20年度 1,826 200 137 平成21年度 1,848 208 137 福祉課 ◎重度心身障がい(児)者医療給付事業の受給対象者数 (人) 制度名 受給対象者数 重度心身障がい(児)者医療給付事業 725 基本計画 平成 22 年7月1日現在:市民課 施策の体系 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち 障がい者福祉の充実 (1)障がい者福祉の基本施策の推進 (2)社会参加と自立の促進 (3)障がい福祉サービスの充実 (4)施設の充実 施策 (1)障がい者福祉の基本施策の推進 ①東根市障害者福祉計画の改訂 (現計画の期間:平成13年度~) ②第 2期東根市障がい福祉計画の推進と計画の改訂 (現計画の期間:平成21年度~平成23年度) ③障がい者福祉の総合的、計画的、体系的な取り組み ひがしねの未来 77 (2)社会参加と自立の促進 ①文化、スポーツ、レクリエーション活動などにおける交流の促進 ②生活指導や身近な地域での交流、日中における活動の場づくりの検討 ③ハローワークや企業との協力による障がい者の雇用促進 (3)障がい福祉サービスの充実 ①自立支援給付の充実 ②※地域生活支援事業の充実 ③県市独自事業の充実 ④介護者への支援施策の充実 ⑤障がい者医療給付制度の充実 (4)施設の充実 ①障がい者施設の整備拡充 ②知的障害者施設「こすもすの家」「大けやきの家」における活動の充実 ③他市町村の障がい者福祉施設との連携強化 ④心身障害児小規模通園事業の充実 「大けやきの家」餅つき 施策の効果を表す指標 (ア) ※障害者地域活動支援センター 利用者数 平成22年4月現在「35人」 ⇒ 障がい福祉サービスの利用により障がい者の社会参加を促す。 (イ) ※障害者相談支援事業 利用者数 平成22年4月現在「40人」 ⇒ 障がい福祉サービスの利用により障がい者の社会参加を促す。 78 ひがしねの未来 ※(障がい者)地域生活 支援事業: 介護給付や訓練等給付な どによるサービスとは別 に、 地 域 で の 生 活 を 支 え るために市や県が主体と なって取り組む様々な事 業の総称 ※障害者地域活動 支援センター: 障害者自立支援法に基づ く施設で、障がい者が地域 において自立した生活を 営むことができるよう創 作的活動や生産活動機会 の提供と社会交流などを 行う通所施設 ※障害者相談支援事業: 障がい者やその家族等か らの相談に応じて、様々な 情報の提供や助言、専門機 関との連携、サービスの利 用に関する援助などによ り、自立した日常生活、社 会生活を営むことを目的 とした事業 (ウ) 障害者福祉サービス 利用者数 平成22年4月現在「153人」 ⇒ 障がい福祉サービスの利用により障がい者の社会参加を促す。 第 4 節 地域福祉の推進 課題と基本的な考え 基本計画 少子高齢化の急速な進行に伴い、経済の規模の縮小、財源の減少に伴う公共 サービスの縮小などが危惧され、社会保障や福祉などの制度の運用だけでは、 健康でいきいきと充実した暮らしの維持確保が難しくなってきます。さらに、 核家族化や都市化に伴い地域や隣近所などにおける連帯感の希薄化が進んで いることから、これまで以上に、市民の積極的な参画による地域福祉活動や日 います。 このため、より身近な地域における福祉の推進を目指して、平成21年度に 「東根市地域福祉計画」を策定しました。計画に基づき、地域でのささえあい による福祉サービス提供体制の整備、ボランティア活動の充実、※ノーマライ ゼーションや相互扶助意識の醸成などに努め、誰もが健康でしあわせを実感 できる福祉のまちづくりを推進します。 少子高齢化社会では、日常生活の身近なところでのささえあいが大切と なってきます。このため、地域における日頃からの見守りとささえあいや、サ ロンなどの身近な交流を促進します。 また、地域福祉の中核的な役割を担う社会福祉協議会などの関係団体、区や 自治会、民生委員・児童委員、 福祉推進員など、互いに連携協力体制を構築し、 ※ 地域の力による福祉を推進します。 高齢者いきいきサロン ※ノーマライゼーション: 社会福祉に関する社会理 念のひとつで、障がい者と 健常者とは、お互いが特別 に区別されることなく、社 会生活を共にすることが 正常なことであり、本来の 望ましい姿であるとする 考え方のこと。 ※福祉推進員: 地域における福祉を推進 するため、日常生活の身近 な場面、場所において、支 援が必要な方の見守りな どを目的におおむね区単 位での配置を進めている。 推進員の委嘱は市社会福 祉協議会会長が行う。 ひがしねの未来 79 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち 常生活の中で互いに力を合わせるささえあいによる福祉活動が重要となって 施策の体系 地域福祉の推進 (1)地域福祉の基本施策の推進 (2) ノーマライゼーション、ユニバーサルデザイン、 バリアフリーの推進 (3)地域福祉活動の推進 施策 (1)地域福祉の基本施策の推進 ①東根市地域福祉計画の推進と計画の改訂 (現計画の期間:平成21年度~平成25年度) ②計画に基づく総合的、計画的、体系的な地域福祉の取り組み (2)ノーマライゼーション、ユニバーサルデザイン、 バリアフリーの推進 ①広報活動、福祉教育、ボランティア活動、各種媒体を活用した ノーマライゼーションの意識の高揚 ②すべての人を尊重する意識の醸成、教育の推進 ③優先駐車場の整備促進と利用マナーの周知 ④道路などの公共空間、建築物のユニバーサルデザイン、バリアフリーの 推進 (3)地域福祉活動の推進 ①社会福祉協議会との連携による地域福祉活動の充実 ②地域におけるささえあい意識の醸成と活動推進 ③世代間が集い交流できるサロンなどの設立促進と活動充実 ④福祉推進員の活動充実 ⑤民生委員・児童委員はじめ福祉関係者・団体との連携強化 ⑥ボランティア活動の支援とネットワーク化の推進 ⑦地区公民館など既存施設の利活用検討 ⑧多様なボランティア活動を目指す NPO 法人、団体等への支援 ⑨地域福祉活動リーダーの育成 80 ひがしねの未来 施策の効果を表す指標 (ア) 福祉推進員の配置 平成22年4月現在「14地区16人」 ⇒ 各地区への配置を目指す。 (イ) 社会福祉協議会ボランティア登録人数 平成22年4月現在「1,500人」 ⇒ 「2,000人」を目指す。 (ウ) サロンの設置数(高齢者サロンを含む) 平成22年4月現在「22サロン」 ⇒ 身近な地域へ広がりを目指す。 基本計画 課題と基本的な考え 安心して健康な生活を営むことは、すべての市民の願いであり、健康への関心 が高まっています。また、急速な高齢化の進行や社会経済情勢の急激な変化、ラ イフスタイルと食生活の多様化などに伴い、生活習慣病、精神的な疾病などが増 加しており、すこやかで心豊かに生活できる社会を構築することが必要となって います。 平成16年度、本市の健康に関する課題を明確にし、誰もが健康で心豊かに 生活できる笑顔あふれるまちを実現するため、 「健康ひがしね21行動計画」 を策定しました。これまで、計画に掲げられた行動指針に基づき、健康講座や 健康づくり教室、栄養指導や健康相談を実施するなど、市民の健康増進意識の 高揚や健康づくりの実践に向けた支援を行ってきました。 さらに、今後は、生活習慣病の要因である※メタボリックシンドローム(内 臓脂肪症候群)予防をはじめ、早期発見、早期治療という二次予防からさらに 踏み込んで、生活習慣を改善して健康を維持するという一次予防に重点を置 いた施策展開を進め、市民の健康増進に努めます。また、引き続き、健康増進 に関する意識を高め、各検診の受診率などの向上を目指します。 ※メタボリック シンドローム: 内臓の周囲に脂肪がたま り、高血糖、高血圧、脂質 異常の症状のいくつかを 複数あわせ持つ状態のこ と。 ひがしねの未来 81 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち 第 5 節 健康づくりの充実 国民が生涯にわたり健全な心身と豊かな人間性を育むことができるよう、 食育を総合的、計画的に推進していくことを目的に、平成17年(2005年)に 食育基本法が成立しました。法に基づき東根市食育推進計画を策定し、幼少 期からの健康増進意識と郷土愛を育み、食文化の継承にもつながる「食育」を 推進します。関係機関との連携を図りながら、健全な食生活の実現、食に関す る正しい知識の普及など、広く食育の推進に努めます。 近年、自殺者の増加など、心の病が社会問題となっています。関係機関と連 携を強め、心の健康づくりを推進します。 保健、福祉、医療の連携強化と相談指導体制の充実に努めると共に、市民が 安心して、適切かつ高度な医療サービスが受けられるよう、北村山公立病院や 民間医療機関など、各医療機関との役割分担と連携を深め、体系的で安定した 地域医療体制を確立します。 施策の体系 健康づくりの充実 (1)健康づくりの基本施策の推進 (2) 生活習慣病予防など生涯を通じた 健康づくりの推進 (3)健康診査の充実 (4)食育の推進 (5)心の健康づくりの推進 (6)保健、医療、福祉の連携推進 (7)地域医療の充実 82 ひがしねの未来 施策 (1)健康づくりの基本施策の推進 ① 「健康ひがしね21行動計画」の改訂 ②健康づくりへの総合的、計画的、体系的な取り組み (2)生活習慣病予防など生涯を通じた健康づくりの推進 ①健康教室やイベントを通した健康づくりへの参加促進と意識啓発の推進 ②食生活改善推進員はじめ、団体、グループとの連携支援に よる健康づくり活動の推進 ③生活習慣、食生活改善、ひとり1スポーツの普及などによる 健康なライフスタイルの推奨 基本計画 ④各 年齢にあわせた健康増進、健康 教室、健康相談事業の充実 (3)健康診査の充実 ①健康診査の受診率の向上 ②各がん検診の受診率の向上 ③健康診査受診後の※特定保健指導など事後指導の強化 ④訪問指導の充実 (4)食育の推進 ①食育推進計画に基づく食育の推進 ②家庭、学校、地域における食育の推進 ③市民や民間団体による食育推進運動の展開 ④生産者と消費者との交流の促進 ⑤※地産地消の推進 ⑥食文化の継承活動への支援 ⑦食に関する情報の提供 地元食材を取り入れた学校給食 ※特定保健指導: 糖 尿 病、高 血 圧 症、脂 質 異常症などの生活習慣病 予防のために、40歳から 74歳までを対象として実 施される健康診査(特定健 康診査)において、一定の 基準に該当した人に対し て、生活習慣の改善を目的 に、定期的継続的に行われ る指導。動機づけ支援と 積極的支援がある。 ※地産地消: 地域生産地域消費の略語 で、地域で生産されたもの を地域で消費すること。 ひがしねの未来 83 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち 「悠々健歩」事業 (5)心の健康づくりの推進 ①心の病・自殺予防対策など心の健康づくりの推進 ②関係機関との連携による相談体制の充実 (6)保健、医療、福祉の連携推進 ①保健、医療、福祉関係機関の連携強化 ②利用者のニーズを踏まえた保健、医療、福祉サービスの提供 (7)地域医療の充実 ①北村山公立病院の機能充実と民間医療機関との連携強化 ②地域医療ネットワークの形成 ③救急医療体制の充実 施策の効果を表す指標 (ア) 特定健康診査受診率(国民健康保険被保険者分) 平成21年度「44.4%」 ⇒ 受診率向上を目指す。 (イ) 各がん検診受診率(市実施分、平成21年度) 胃がん検診 「29.7%」 大腸がん検診「36.1%」 肺がん検診 「36.1%」 乳がん検診 「33.1%」 子宮がん検診「24.2%」 ⇒ 受診率向上を目指す。 (ウ) 特定保健指導参加率(国民健康保険被保険者分、平成21年度) 動機づけ支援「27.0%」 ⇒ 参加率向上を目指す。 積極的支援「14.9%」 ⇒ 参加率向上を目指す。 84 ひがしねの未来 第 6 節 適正な社会保障の実施 課題と基本的な考え 少子高齢化の進行によって、社会保障費の増大と財源不足などが、大きな社 会的課題となっています。今後、国レベルでの制度の改正や見直しが予想さ れます。このような制度改正については、的確に対応し、適正かつ円滑な実施 に努めます。 医療保険の中核的役割を担う国民健康保険は、景気低迷の影響による低所 得者層の増加や被保険者に占める高齢者の割合の増加、医療費の増大などを 基本計画 背景に、財政基盤の安定が大きな課題となっています。 各検診や相談・指導体制の充実を図り、疾病の早期発見、早期治療の促進と 予防事業を推進することにより、市民の健康保持増進と制度運営の安定を図 ります。また、国民健康保険税の収納率の向上に努めます。 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち 平成12年度から運用されている介護保険制度については、引き続き、介護 予防に向けた取り組みを強化すると共に地域に密着した在宅介護サービスの 充実など、事業内容の充実を図る必要があります。また、介護保険料の収納率 の向上対策や、適正な給付の推進により健全な財政を維持し、安定したサービ スの提供に努めます。 平成20年度から運用されている後期高齢者医療制度は、国レベルで制度見 直しの検討が進められており、今後、制度の改正があった場合には、的確に対 応します。 国民年金制度は、年金記録問題や制度の見直し、少子高齢化社会の急速な進 行などにより、将来への不安感が増しています。 制度の適切な運用を図り、市民の不安を解消するため、国民年金制度に関す る周知広報や相談等の充実に努めます。 長引く景気の低迷などの影響により、所得格差は拡大傾向にあり、本市の生 活保護世帯は増加傾向にあります。低所得者の生活の安定や自立を促すため、 生活実態を把握し、適切な支援を行うと共に、関係機関と連携し、生活指導や 相談体制の強化に努めます。 ひがしねの未来 85 施策の体系 適正な社会保障の実施 (1)国民健康保険 (2)介護保険 (3)高齢者医療制度 (4)国民年金 (5)低所得者福祉 施策 (1)国民健康保険 ①保健事業(健康教育など)の推進と充実 ②保健師訪問指導活動などによる疾病の早期発見、早期治療の促進 ③国民健康保険財政の健全化推進 ④国民健康保険税負担の平準化に向けた検討 ⑤社会情勢の変化に対応した新たな収納対策強化の検討 ⑥※レセプト点検の充実など、医療費適正化対策の推進 ⑦レセプト電子化への対応と活用促進 ⑧広域での取り組みの検討 (2)介護保険 ①制度の周知 ②適正なサービスの推進 ③適正な受益と負担による健全な財政運営の推進 (3)高齢者医療制度 ①高齢者医療制度の周知広報 ②制度改正への対応 86 ひがしねの未来 ※レセプト: 診療報酬明細書。病院等 が診察による報酬を保険 者に対し請求するための もの (4)国民年金 ①広報、啓発活動と相談業務の充実 ②年金受給年齢到達者の的確な把握 (5)低所得者福祉 ①生活実態の的確な把握 ②生活扶助など各種扶助の適正な実施 ③自立のための相談、指導の充実 ④社会福祉協議会、民生委員・児童委員など関係機関との連携強化 ⑤自立支援プログラム援助事業導入の検討 ⑥生活福祉資金貸付金制度の活用 基本計画 施策の効果を表す指標 (ア) 高齢者一人当たり介護給付費 平成21年度「202千円」/月 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち ⇒ 介護予防事業を推進し、現状の維持を目指す。 (イ) 生活保護世帯への訪問回数 (一世帯当たりの年間平均訪問回数) 平成21年度「3.3回」 ⇒ 生活実態の把握と自立を促すため、よりきめ細かな指導、相談を 実施する。 第 7 節 防災と消防の充実 課題と基本的な考え 東根市地域防災計画では、急傾斜地崩壊危険箇所35カ所、土石流危険渓流 地区51カ所、山腹崩壊危険箇所15カ所、地すべり危険地区3カ所、崩壊土砂 流出危険地区32カ所が指定されています。これらの地域をはじめ、自然災害 を防止するため、危険箇所を適切に把握する調査や治山事業の促進を関係機 関に要請します。 ひがしねの未来 87 近年の都市化や宅地開発、山林、農地などの保水機能や遊水機能の低下など により、河川下流部への負担が増加するなど、流域環境に変化がみられます。 河川の氾濫などによる被害を未然に防止するため、未整備区間の改修や排 水機の適正配置などの治水事業の促進を引き続き、関係機関に対して要望し ます。また、予想される水害の程度や地域、避難先を示した 「東根市洪水ハザー ドマップ(洪水避難地図)」に基づき、災害時に適切な対応と避難ができるよう 引き続き周知と指導に努めます。 災害に強い都市基盤の整備や防災体制の確立は、安全安心なまちづくりの 基本です。これまで、東根市地域防災計画に基づき、防災関連施設の整備、防 災体制の確立、自主防災組織の育成、総合防災訓練の実施など、防災対策を総 合的に推進してきました。また、友好都市である東京都中央区や北海道新得 町、隣接する河北町をはじめ、各企業、団体等との協定を締結し、災害時にお ける応援体制の確立を進めてきました。 一方で、都市化の進展や市民生活の多様化は、災害発生時における被害拡大 の潜在的危険性を増大させています。こうした状況の中で、あらゆる災害か ら市民の尊い生命と財産を守るため、市民一人ひとりの防災意識を高めると 共に、避難所や避難ルートの周知や災害時の行動マニュアルを定めるなど、地 域における防災体制づくりをさらに進める必要があります。 また、いつ発生するかわからない大規模な地震災害への備えを万全とする ためにも、公共施設をはじめ、東根市建築物耐震改修促進計画に基づき、市内 建築物の耐震化を促進します。 大規模災害発生時における災害ボランティアによる災害復旧や救助活動な どを想定した受け入れ体制の整備と災害相互援助協定締結の拡充や他の自治 体との連携強化を図ります。 また、災害時要援護者支援計画に基づき、災害時に支援が必要となる方の把 握に努め、地域における災害時の支援体制の確立を促進します。 武力攻撃事態などに対処し、国民の生命、身体、財産の保護を図るため、平 成16年(2004年)に国民保護法が施行されました。法に基づき策定された東 根市国民保護計画に基づき、市民への警報伝達や避難誘導など、市民の安全や 保護を的確かつ迅速に実施するための取り組みを総合的に推進します。 消防力の強化を図るため、消防庁舎、通信指令システムなどの整備と共に、 消防車両、消防資機材の整備、消防水利の充実に努めてきました。新たに消 防救急無線等のデジタル化への対応や、引き続き車両や資機材の計画的な整 備を進めます。出動件数が年々増加している救急・救助業務に対応するため、 資機材の高度化、整備拡充を図るほか、救急救命士の養成に努め、救急・救助 の即応体制の充実を図ります。また、消防業務の広域化については、 引き続き、 県と他市町の動向を注視しながら調査研究を進めます。 88 ひがしねの未来 高齢化と後継者不足が課題となっている消防団活動の充実を図るため、※消 防団協力事業所の普及促進など、消防団員の確保に努め、地域の実情を踏まえ た組織の再編成を検討すると共に、消防団活動に関連した施設や設備の充実 に努めます。消防団員の資質の向上を図るため、消防操法訓練や普通救命講 習などを実施します。また、消防団員が、日中仕事のために不在となる場合も 増えていることなどから、自主防災組織の育成や自主防災会連絡協議会の機 能強化を進めます。 施策の体系 防災と消防の充実 (1)防災等に関する基本施策の推進 基本計画 (2)自然災害防止事業の推進 (3)防災体制の充実 (5)消防体制の充実 施策 (1)防災等に関する基本施策の推進 ① 「東根市地域防災計画」「東根市国民保護計画」 「東根市建築物耐震改修促進計画」「東根市災害時要援護者支援計画」に 基づく総合的、計画的、体系的な取り組み (2)自然災害防止事業の推進 ①危険箇所把握調査に基づく対応策の検討 ②治山事業の促進を関係機関に対し要請 ③災害危険地域での開発防止の指導強化 ④市内一級河川の未整備区間の改修や排水機などの適正配置を 関係機関に対し要請 ⑤砂防事業の促進を関係機関に対し要請 ※消防団協力事業所: 事業所等の従業員が消防 団への入団や活動がしや すいように環境づくりに 配慮している事業所。事 業所等からの申請に基づ き、審査を経て表示証等が 交付される。 ひがしねの未来 89 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち (4) 防災意識の高揚と 自主防災体制の充実 (3)防災体制の充実 ①市民向け災害対応マニュアルの整備と周知 ②総合防災訓練、図上訓練の実施 ③災害時山間部等孤立地域の現状把握と対策の検討 ④土砂災害を想定した対応策の検討 ⑤避難場所としての公園緑地の整備促進と避難路の確保と市民への周知 ⑥土砂災害等の危険区域からの住宅移転制度の適切な運用 ⑦既存貯水槽施設の耐震化の促進 ⑧地震用救助資機材の広域的整備に向けた検討 ⑨大規模災害時における道路、水道、電気などライフラインの 確保手段の確立 ⑩災害時の復旧体制と復旧方法の確立 ⑪災害時における飲料水確保に向けた検討 ⑫災害に備えた食料や生活必需品などの計画的な備蓄 ⑬緊急時における情報伝達機能の整備推進 ⑭災害時要援護者支援体制の充実 ⑮災害時相互応援協定の締結拡充と連携強化 ⑯学校校舎等の耐震化をはじめ市内建築物の耐震化の促進 (4)防災意識の高揚と自主防災体制の充実 ①自分の身は自分で守る防災意識の高揚 ②広報紙や防災マップ作成などによる防災知識の普及 ③危険箇所について住民への周知徹底 ④自主防災組織のリーダーと災害ボランティアの育成、指導 ⑤自主防災会の防災資機材の充実 ⑥知識や経験豊かな市民の積極的参画による自主防災組織の機能充実 ⑦自主防災会連絡協議会活動の充実 ⑧災害ボランティア等の受け入れ体制の確立 身近な地域の自主防災会 90 ひがしねの未来 (5)消防体制の充実 ①消防車両の計画的更新と適正配置 ②消火栓、防火水槽などの消防水利の充足率向上と計画的更新 ③消防職員の教育訓練の充実 ④救急救命士、予防技術資格者の育成 ⑤消防広域化に向けた調査研究 ⑥消防救急無線等のデジタル化への 対応 ⑦防火対象物などへの立入検査、 高齢者世帯への防災訪問など、 予防業務の強化 消防出初式 ⑧事業所、地域における防火訓練などの防火管理体制の指導強化 ⑨自主防災会や婦人防火クラブとの連携による防火意識の啓発 基本計画 ⑩幼少期からの防火意識を高めるため幼年少年防火クラブの育成 ⑪女性消防団員・消防団員の確保とリーダーの育成 ⑫消防団協力事業所制度の普及 ⑬地域消防の機動力強化 ⑮※機能別消防団員など地域の実態に応じた消防団再編に向けた検討 ⑯大規模災害や特殊災害に備えた救急救助資機材などの充実 ⑰迅速かつ円滑な救急救助活動を行うための医療機関や関係機関との 協力連携体制の強化 ⑱救急救命士の養成と技能向上 ⑲住民、事業所などを対象とした応急手当講習会の開催 火災発生件数は 増えてきているよ。 防災意識を高めること、 防災体制を充実させる ことが大切だね。 ⑳自動体外式除細動器(AED)の普及促進 ◎火災発生件数と救急出動件数の推移 (件) 1,200 1,000 19 ■ 救急出動件数 火災発生件数 12 800 600 9 7 400 200 0 (件) 20 520 平成元年 707 平成6 年 15 13 1,139 1,146 10 856 5 平成11年 平成16 年 平成 21年 0 消防本部 ※機能別消防団員: 都市化の進展や高齢化に より、消防団員の確保が困 難になったことにより、新 たな団員の確保施策のひ とつとして総務省が掲げ た施策。能力や事情に応 じて、特定の活動にのみ従 事、参加する団員を言う。 負傷者の応急措置、通訳な どに特化した活動などの 例もあり、昼夜を限定した 活動や特定の災害時のみ の活動、能力を活かした活 動(アドバイザー、指導、情 報収集、予防広報等)など、 様々な活動が想定される。 ひがしねの未来 91 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち ⑭消防団員の教育訓練と装備の充実 施策の効果を表す指標 (ア) 小中学校校舎等の耐震化率 平成22年4月現在「75%」 ⇒ 平成27年度「100%」 (イ) 住宅の耐震化率 平成15年度「67.6%」 ⇒ 平成27年度「90%」 (ウ) 火災発生件数 平成21年「19件」 ⇒ 予防消防活動の充実により火災予防を図る。 (エ) 消防団協力事業所の普及 平成22年度「3事業所」 ⇒ 普及を目指す。 第 8 節 生活安全の充実 課題と基本的な考え 交通安全については、平成12年(2000年)の「東根市交通安全条例」の制定 を契機として、「交通安全の日」の立哨指導や交通安全教育の推進など、取り 組みを強化してきました。引き続き、交通安全教育や啓発活動を強化し、市民 一人ひとりの交通安全意識の高揚を図ります。また、交通弱者の安全と自動 車の安全走行を確保するため、道路構造の改善や交通安全施設の設置など、道 路環境の整備充実を推進します。 防犯については、防犯連絡員や子ども見守り隊など地域での防犯活動や、 「こ ども110番連絡所」の設置など、地域における防犯体制の強化が図られてきま した。今後さらに「地域の安全は地域で守る」意識を高め、地域における自主 的な防犯活動を推進します。都市化が進むにつれ、犯罪も複雑化、多様化して います。こうした社会情勢の変化に対応し、地域や関係機関と一体となって、 総合的な取り組みを推進し、犯罪や暴力のない安全で明るいまちを築きます。 92 ひがしねの未来 ライフスタイルや価値観の変化に伴い、商品やサービス形態が多様化し、消 費者を取り巻く環境は大きく変化しています。消費者被害の内容は複雑多岐 にわたっており、近年は、高齢者が被害にあう事案も増えています。また、例 えば、産地偽装など食の安全に関するような日常生活における新たな不安も みられます。こうした状況を踏まえ、市民の消費生活における安全を確保す るため、正しい商品知識の普及や情報提供に努めると共に、消費生活に関する 相談体制の充実を推進します。 また、暮らしの安全を積極的に推進すると共に、近年の新型インフルエンザ の事案のように、災害や犯罪だけでなく、新たな市民生活における危機に備え た危機管理体制の充実を進めます。 施策の体系 基本計画 生活安全の充実 (1)交通安全対策の充実 (2)防犯体制の充実 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち (3)消費生活安定の推進 (4)危機管理体制の整備 児童への立哨指導 ひがしねの未来 93 施策 (1)交通安全対策の充実 ①東根市交通安全計画の改訂 ② 「交通安全の日」(毎月15日)に関する取り組みの強化 ③正しい交通ルールと交通マナーの遵守など交通安全意識の向上 ④市交通安全推進協議会をはじめ、交通安全推進団体との連携による 街頭指導、広報活動の推進 ⑤交通弱者(子ども・高齢者等)への交通安全教育の推進 ⑥交通指導員、交通安全専門指導員など交通安全指導体制の充実 ⑦かもしかクラブ、交通安全母の会など交通安全推進団体の育成 ⑧ガードレール、道路照明灯、道路反射鏡、道路標識、区画線などの整備推進 ⑨交差点、狭幅員、見通しの悪い道路の改良推進 ⑩歩道設置の推進 ⑪自転車専用レーン設置など、歩行者、自転車の安全確保 ⑫交通信号機の設置促進 ⑬冬期間の交通安全確保を図る道路除排雪の充実強化 ⑭交通事故相談業務の関係機関との連携による充実 ◎交通事故発生件数の推移(市内) 区 分 平成6年度 発生件数 223 (件) 平成11年度 平成16年度 平成21年度 189 359 281 村山警察署 (2)防犯体制の充実 ①地域、関係機関と連携した暴力のない明るいまちづくりの推進 ②地域における自主防犯活動の推進 ③防犯意識の高揚に向けた市民、関係団体との連携強化による 広報啓発活動の推進 ④防犯推進体制の充実 ⑤青少年健全育成団体との連携による少年非行犯罪の未然防止 ⑥防犯連絡所連絡員、子ども見守り隊、こども110番連絡所との連携強化、 協力体制の充実 ⑦東根警察署の設置要請 ⑧街路灯と公衆街路灯(防犯灯)の設置促進 94 ひがしねの未来 ◎罪種別刑法犯検挙件数の推移(村山警察署管内) (件) 区 分 総数 凶悪犯 粗暴犯 窃盗犯 知能犯 風俗犯 その他 平成6年 477 1 10 409 40 0 17 平成11年 391 1 7 341 10 3 29 平成16年 425 1 13 333 21 0 57 平成21年 409 0 29 300 19 2 59 村山警察署 (3)消費生活安定の推進 ①消費生活相談窓口機能の充実と消費生活センターの設置 ②消費者被害未然防止に向けた情報提供と各種講座、研修会を通し、 知識豊富な消費者、環境にやさしい消費者の育成推進 ③消費者リーダーの養成と消費者団体などの育成 基本計画 ④リサイクルの推進やフリーマーケットなどの開催促進 ⑤消費生活モニター、消費者団体の活動を通した価格動向調査と監視の強化 ⑥計量器の定期検査などによる適正計量器使用の推進 ⑦家庭用品品質表示法、消費生活用製品安全法に基づく立入検査の実施 第 1 章 : だ れ も がや す ら ぎ と充 実、 し あ わ せを 実 感で きる ま ち (4)危機管理体制の整備 ①市民生活に大きく影響する危機に対し、迅速かつ的確に対応 できる体制整備 施策の効果を表す指標 (ア) 交通死亡事故「ゼロの日」 ⇒ 記録更新を目指す。 (過去5年間では、平成18年度の474日が最長) (イ) 消費生活センターの設置 ⇒ 平成24年度までに設置を目指す。 ひがしねの未来 95 第2章 環境、 自然、 歴史、 文化が調和する 風格とうるおいのまち 第1節 環境保全の推進 課題と基本的な考え 本市は、平成12年(2000年)に環境基本条例を制定し、 平成13年(2001年) には、県内自治体で初めて環境管理システムの国際規格である ISO14001の 認証を取得しました。さらに、環境基本計画の策定、小中学校における「※さ くらんぼ環境 ISO」の推進、環境衛生組合制度の創設、地域版環境 ISO モデ ル事業や家庭版環境 ISO、「環境ファミリー」認定制度、レジ袋の削減推進、 MBH(マイバック・マイ箸持参)運動など、環境保全に向けた取り組みを進め てきました。 ISO14001登録証 また、木質ペレットを燃料とするボイラーやストーブ導入への支援、住宅用 太陽光発電導入支援、せん定枝や廃食用油のバイオマスエネルギーへの利活 用促進や古紙類等の回収を進めてきました。クリーンピア共立のリサイクル センター建設に伴い、平成22年度からアルミ缶、スチール缶、ペットボトル、 容器包装プラスチック等の分別回収を強化するなど、地球温暖化防止活動と 循環型社会形成に向けた多様な取り組みを実施してきました。 ごみの減量化は、市民、事業所、行政が一体となって取り組む必要があるこ とから、ごみへの認識と理解を深める必要があります。資源回収と再資源化 を推進すると共に、ごみの分別化、細分化を引き続き推進します。環境保全、 省資源意識の高揚と資源リサイクルや廃棄物の適正な処理を推進し、大量生 産、大量消費、大量廃棄型社会から、環境への負荷の少ない循環型社会への転 換を進めます。 さらに、地球規模での差し迫った課題となっている二酸化炭素の排出抑制 やその削減について、国県や企業等との連携を強化し、LED 照明などのエネ ルギー消費の少ない機器の導入、太陽光など※再生可能エネルギーの利活用、 96 ひがしねの未来 ※さくらんぼ環境 ISO: 市内小中学校において、児 童生徒が環境への負荷の 軽減などについて、自ら目 標を定めて取り組む本市 独自の規格。平成20年度 にその功績が認められ地 球温暖化防止活動環境大 臣表彰を受けた。 ※再生可能エネルギー: 風力や太陽などのように、 絶えず資源が補充されて 枯渇することのない自然 エネルギーや、廃棄物発電 などのリサイクルエネル ギーのこと。 ※ 次世代自動車の普及の促進や、その効果と環境に与える影響、二酸化炭素の 削減量が見える形での運動を展開し、市自らの率先実施に努め、各取り組みを 促進します。 また、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、悪臭などの公害の未然防 止に努め、関係法令に基づく対策や不法投棄の防止と監視を強化し、環境の保 全に努めます。 生活排水の処理については、公共下水道の整備推進とその普及や合併処理 浄化槽設置整備への支援を推進し、快適な生活環境整備に努めます。 資源の枯渇や地球温暖化問題など、地球規模で環境問題が一層深刻化して いる中、持続発展可能な社会を形成するためには、これまで以上に、市民一人 ひとりが環境意識を高め、目標に向かって行動することが大切となります。 基本計画 これらの施策を総合的に推進し、市民、家庭、学校、地域、企業、行政が一体と なった取り組みにより「環境先進都市ひがしね」のさらなる創造を目指します。 施策の体系 (1) 環境と生活排水処理に関する 基本施策の推進 (2)環境保全・美化意識の高揚 (3)低炭素社会の構築 (4)循環型社会の構築 (5)監視指導体制の充実 (6) 生活排水処理の充実による 環境衛生の向上 (7)公共下水道の整備と普及促進 ※次世代自動車: 二酸化炭素の排出削減に 効果のある自動車のこと で、 「低炭素社会づくり行 動計画」 (2008年7月 閣 議決定)では、ハイブリッ ド自動車(HV) 、電気自動 車(EV) 、プラグイン・ハ イブリッド自動車(PHV) 、 燃料電池自動車(FCV) 、ク リーンディーゼル自動車 (CDV) 、天然圧縮ガス自動 車(CNG)等とされている。 ひがしねの未来 97 第 2 章 : 環 境、 自 然、 歴史、 文 化 が調 和 す る 風 格 と う る おいの ま ち 環境保全の推進 施策 (1)環境と生活排水処理に関する基本施策の推進 ① 「大けやき環境基本計画」の推進と改訂 (現計画の期間:平成14年度~平成23年度) ② 「東根市一般廃棄物処理基本計画」の推進と改訂 (現計画の期間:平成19年度~平成28年度) ③ 「東根市分別収集計画」の推進と改訂 (現計画の期間:平成20年度~平成24年度) ④ 「東根市公共下水道全体計画」の推進 (現計画の期間:昭和51年度~平成37年度) ⑤ 「東根市公共下水道第6期計画」の推進 (現計画の期間:平成22年度~平成27年度) (2)環境保全・美化意識の高揚 ①家庭、学校、地域での環境教育の推進 ②さくらんぼ環境 ISO の取り組み充実 ③環境衛生組合の活動支援 ④環境保全、美化意識の高揚 ⑤環境に関するボランティアの育成 ⑥ペットの排せつ物の適正処理など、 マナー向上への啓発活動 ⑦不法投棄防止などの啓発活動の推進 さくらんぼ環境 ISO 実践交流会 (3)低炭素社会の構築 ①再生可能エネルギーの導入促進等 ・太陽光発電の普及促進 ・次世代自動車など環境に配慮した交通手段の普及促進 ・LED(発光ダイオード)照明などエネルギー消費の少ない 機器の普及促進 ・※バイオマス資源によるエネルギーの利活用促進 ・削減効果の見える運動の展開 ②環境講座や新エネルギーに関する学習会などの開催 ③二酸化炭素排出量取引(※カーボンオフセット)などへの対応 98 ひがしねの未来 ※バイオマス資源: 植物由来の再生可能な有 機資源。せん定枝、木くず、 生ごみ、家畜排せつ物など がある。 ※カーボンオフセット: 経済活動などに伴う温室 効果ガス排出について、自 らの削減困難な排出量に 見合った分を削減活動に 投資することにより、排出 される温室効果ガスを埋 め合わせする考え方 (4)循環型社会の構築 ①ごみの減量化と資源化啓発活動の推進 ②事業所に向けた啓発活動の強化 ③プラスチック容器包装類リサイクルの推進 ④ごみの細分別化による減量、リサイクルの推進 ⑤有価物資源回収事業の推進 ⑥生活用品のリサイクルシステムの構築 ⑦容器包装類の店頭回収促進 ⑧MBH(マイバック・マイ箸持参)運動、レジ袋の削減推進運動の推進 ⑨再生紙など環境に配慮した製品購入の促進と商品の情報提供 ⑩ごみステーションの適正配置 (t) 20,000 ごみの減量、 リサイクルの ためには、一人 ひとりの心掛けが 大切だね ■ 不燃物 ■ 可燃物 15,000 5,000 0 1,682 1,570 2,139 10,543 13,414 第 2 章 : 環 境、 自 然、 歴史、 文 化 が調 和 す る 風 格 と う る おいの ま ち 10,000 1,682 12,373 7,288 平成 6 年 平成 11 年 平成 16 年 基本計画 ◎年次別ごみ処理量 平成 21 年 生活環境課 レジ袋削減に関する協定 ひがしねの未来 99 (5)監視指導体制の充実 ①県との連携による※典型7公害に関する監視活動の強化 ②不法投棄、ごみの野焼きなどの監視、指導の強化 ③騒音調査、地下水水質調査、地盤沈下調査などの実施 ④地下水の適正利用の推進 ⑤公害の未然防止のための事業所等との環境保全協定の締結促進 ⑥公害や苦情への迅速な対応体制の整備 ⑦緊急時における応急処置実施体制の充実 (6)生活排水処理の充実による環境衛生の向上 ①下水道、合併処理浄化槽の 普及促進 ②浄 化槽設置者への適正な 維持管理の指導推進 ③広報紙や下水道フェア等に よる普及啓発活動の充実 ④排 水設備等設置改造資金 あっ旋と利子補給制度を 活用した水洗化の促進 ◎合併処理浄化槽設置補助件数 (件) 50 44 44 40 35 30 20 14 10 0 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 生活環境課 (7)公共下水道の整備と普及促進 ①最上川流域関連公共下水道事業の推進 ②下水道の普及促進と効率的経営の推進 ③下水道管きょ等の長寿命化対策や適切な維持管理の推進 ④下水道使用料の見直しによる経営健全化の推進 ◎公共下水道水洗化普及状況 区 分 認可区域 整備面積 面積(ha) (ha) 整備率(%) 処理区域内 公共下水道 水洗化率 人口(人) 利用人口(人)(人口比%) (ア) (イ) (イ)/(ア)×100 (ウ) (エ) (エ)/(ウ)×100 平成17年度 1,586.8 1,189.9 75.0 29,828 21,407 71.8 平成18年度 1,586.8 1,238.8 78.1 33,211 24,696 74.4 平成19年度 1,586.8 1,286.7 81.1 35,708 26,251 73.5 平成20年度 1,586.8 1,330.1 83.8 36,657 28,543 77.9 平成21年度 1,741.0 1,369.9 78.7 37,368 29,861 79.9 各年度末現在:都市整備課 100 ひがしねの未来 ※典型7公害: 環境基本法で定められて いる大気汚染・水質汚濁・ 土 壌 汚 染・ 騒 音・ 振 動・ 地盤沈下・悪臭のこと。 施策の効果を表す指標 (ア) 一人1日当たりの家庭系ごみの排出量 平成21年度「807g」 ⇒ 削減を目指す。 (イ) 資源ごみのリサイクル率 平成21年度「17.8%」 ⇒ 平成28年度「25.0%」 (ウ) 住宅用太陽光発電システム設置補助件数 平成18年度~平成21年度まで「48件」 ⇒ 平成27年度まで「318件」 基本計画 (エ) 公共下水道の※普及率 平成21年度「80.5%」 ⇒ 普及を目指す。 ※普及率:処理開始区域内人口÷市の人口×100 第 2 章 : 環 境、 自 然、 歴史、 文 化 が調 和 す る 風 格 と う る おいの ま ち 第2 節 都市景観の形成と自然環境の保全 課題と基本的な考え 本市は、平成13年度、国土利用計画法第8条に基づき、市域における国土の 利用に関して必要な事項を定めた第三次東根市国土利用計画を策定しました。 さらに、土地利用の明確化を図り、適切な土地利用を促進するため、都市計 画法や農業振興地域の整備に関する法律などの関連法や各種計画に基づき規 制と誘導を行ってきました。引き続き、第四次東根市国土利用計画を策定し、 関連する法令、各規制に基づく適切な土地利用を進めます。 民間の開発については、景気動向などに大きく左右されますが、安価で広大 な土地を確保しやすいことから、道路沿線の農振農用地区域など、郊外にお ける民間の大型開発が相次ぎ、全国的な社会問題となっていました。現在は、 法改正によって立地規制が強化されていますが、中心市街地の空洞化や※スプ ロール化を抑制し、周辺環境への影響を考慮した調和のとれたまちづくりを 推進します。さらに、少子高齢化の進行や東北中央自動車道 (東根〜尾花沢間) ※スプロール: 都市が不規則、無秩序に虫 食い状態のように郊外へ 拡大していくこと。 ひがしねの未来 101 の建設、県立中高一貫教育校の設置など、社会状況の大きな変化も予想される ことから、引き続き、計画的な土地利用の誘導に努めます。 都市機能が集積した市街地形成の基盤づくりとして進めてきた市施行によ る土地区画整理事業については、中央地区に続き、一本木土地区画整理事業が 完了しました。さらに、良好な住環境の形成を目指して、平成16年度から組 合施行方式による神町北部土地区画整理事業が進められています。引き続き、 土地利用の高度利用を促進し、良好なまち並み形成を進めます。 また、民間による住宅地開発については、関連法に基づき適切な指導を行 い、周辺の土地利用との調和が図られるように努めます。 大ケヤキ周辺の情緒あるまち並みの魅力をさらに高めるためには、その周 囲との一体的なまち並み形成に配慮する必要があります。これまで歴史的な 風情のある公共空間整備として、大ケヤキ周辺のウォーキングトレイル事業 や龍興寺沼公園整備を実施してきましたが、この区域の魅力をさらに高めて いくため、沿道の住宅等も含めたまち並み景観など、一体的なまち並み形成や 保全を推進する必要があります。現在整備が進む東根本町地区まちづくり交 付金事業によって、同地区の拠点となる東根公民館(地域交流センター)が新 たに開設されます。同じく整備を進めているアクセス道などの社会基盤と本 町地区の歴史文化資源を活かし、各ソフト事業との相乗効果を高め、ひがしね の風格あるまちづくりとして、まちづくり協定などの手法により、良好なまち 並み形成を図ります。また、長瀞地区において、引き続き、二の堀整備と歴史 的な景観を活かしたウォーキングトレイル事業を推進します。 歴史的景観を、史跡、文化財などと共に、心のふるさとひがしねを象徴する ものとして位置付け、その価値を高め、魅力あるまちづくりに活用します。こ のため、まち並み形成への市民意識を高め、各計画や制度を活用し、次世代へ 継承すべきまち並みと自然景観に配慮した風格のあるまちづくりを進めます。 従来、地方自治体が条例によって規制してきた地域における景観形成に、法 的根拠と強制力を付与するため、平成17年度に※景観緑三法が施行されまし た。こうした法体系の整備や景観に対する住民意識の高まりを踏まえ、景観 に関する市の方針を定め、景観計画の策定や景観地区制度などを検討し、積極 的な景観行政を推進します。また、県の屋外広告物条例に違反した物件の撤 去など、県と連携しながら良好なまち並みの形成を進めます。 魅力ある景観形成を実現するためには、市民と行政が共通認識に立ち、一体 となった取り組みを行っていく必要があります。一本木地区、一本木南地区、 神町北部地区においては、地区計画を設定し、中心市街地にふさわしいまち並 み形成に配慮しています。また、市民、自治会などの各団体が主体となる取り 組みを促進するため、花ランドひがしね推進事業や生垣の整備に関する補助、 街路樹里親制度などを制度化し、緑豊かなまち並み形成を図ってきました。引 102 ひがしねの未来 ※景観緑三法: 「景観法」「景観法の施行 に伴う関係法律の整備等 に関する法律」「都市緑地 保全法等の一部を改正す る法律」 き続き、市民との協働により、環境美化と景観に配慮したまちづくりを推進し ます。 地球温暖化問題をはじめ、環境保全意識の高まりや心の豊かさ志向の高ま りなどを背景に、経済、効率性を優先したまちづくりから、人と自然が共生 する自然と調和したまちづくりが求められています。このため、森林や清流 などの本市の豊かな自然環境と地域社会の調和や様々な生物の生育環境を守 り、生物多様性を育む自然環境の保全に努めます。さらに、本市の特性である 豊かな自然資源を交流、学習、イベント、憩いの場としての活用を進め、身近 な里山や公園などにおいて、自然と緑に親しむ活動を促進し、うるおいとやす らぎのあるまちづくりを進めます。 施策の体系 (1)土地利用に関する基本施策の推進 (3)良好な市街地形成の推進 (4)利便性の高い良好な住環境の整備 (5)個性と風格のあるまちづくりの推進 (6)都市景観形成の誘導 (7)自然環境の保全 第 2 章 : 環 境、 自 然、 歴史、 文 化 が調 和 す る 風 格 と う る おいの ま ち (2)計画的な市街地形成の誘導 基本計画 都市景観の形成と自然環境の保全 ひがしねの未来 103 施策 (1)土地利用に関する基本施策の推進 ①「東根市国土利用計画」の改訂と計画に基づく総合的、 計画的、体系的な取り組み ②「東根市都市計画マスタープラン」に基づく施策展開と見直しの検討 (現計画の期間:平成12年度~平成32年度) ③「東根農業振興地域整備計画」の改訂と農用地利用計画に基づく規制、誘導 ④地籍調査事業の推進 (2)計画的な市街地形成の誘導 ①土地利用の長期ビジョンに則した公共施設の計画的配置 ②国土利用計画法、都市計画法、農業振興地域の整備に関する法律、 建築基準法など、法令の適切な運用に基づく土地利用の明確化、規制、誘導 ③民間の秩序ある開発誘導と乱開発の防止 ④公共交通網を活かした土地利用の検討 ・東北中央自動車道東根インターチェンジ付近 ・東北中央自動車道追加インターチェンジ付近 ・さくらんぼ東根駅周辺 (3)良好な市街地形成の推進 ①連続した市街地形成の促進 ②良好な宅地、住宅供給の推進 ③地区計画の導入による景観形成の推進 ④建築協定、緑化協定などのまちづくり協定の導入検討 神町北部土地区画整理事業地内 104 ひがしねの未来 (4)利便性の高い良好な住環境の整備 ①公共公益施設の計画的設置 ②生活に密着した道路の整備 ③住居表示事業の推進 ④わがまち街路樹里親制度など、市民との協働による道づくり ⑤ユニバーサルデザインを取り入れたまちづくりの推進 (5)個性と風格のあるまちづくりの推進 ①花ランドひがしね推進事業、生垣設置奨励事業を活かした緑化の推進 ②護岸や河川敷を活用したうるおいある親水空間の整備推進 ③白水川堤防の桜並木の樹齢を見据えた保全策と利活用に向けた検討 ④中心市街地での緑地空間の確保 ⑥ 「東根本町地区都市再生整備計画」 (平成20年度~平成24年度) に基づく地域特性に配慮したまちづくり ⑦大ケヤキ周辺などにおけるまちづくり協定の導入の検討、無電柱化の検討 ⑨羽州街道赤松並木の保存と整備 ⑩歴史的景観を活かした長瀞二の堀整備関連ウォーキングトレイル事業 の推進 ⑪くだものにこだわったひがしねらしい景観形成の推進 白水川堤防の桜並木 東郷地区住民の植栽によるコスモス 大ケヤキと東根城址 東根本町地区のストリート美術館 第 2 章 : 環 境、 自 然、 歴史、 文 化 が調 和 す る 風 格 と う る おいの ま ち ⑧東根公民館(地域交流センター)の整備と周辺の回遊性のある まちづくりの推進 基本計画 ⑤歴史と文化を活かした個性あるまち並み整備の推進 ひがしねの未来 105 (6)都市景観形成の誘導 ①屋外広告物の適正指導 ②景観に配慮した公共案内表示看板等の設置 ③都市景観形成に向けた指針づくりの検討 ④景観法に基づく景観形成手法の検討 ⑤都市景観モデル地区の検討 ⑥景観に優れた建築物などの保全 ⑦景観に関する啓発や研修事業の実施 ⑧市民と行政の協働によるまち並みづくりの推進 (7)自然環境の保全 ①自然保護や緑化運動などの推進 ②身近な自然である小川、湖沼、里山などの保全 ③広報などによる自然保護意識の醸成と啓発 ④身近な里山等の利活用の推進 ⑤森林の荒廃防止と森林活用の推進 ⑥松くい虫、ナラ枯れなどの被害対策の推進 ⑦自然と親しむ機会の創出とトイレや休憩所等の便益施設の整備推進 ⑧森林などの水源や地下水の保全意識の高揚 ⑨生物多様性に関する取り組みの調査研究 ナラ枯れ防止のための講習会 106 ひがしねの未来 施策の効果を表す指標 (ア) 花ランドひがしね参加団体数 平成21年度「29団体」 ⇒ 参加団体の増を目指す。 (イ) わがまち街路樹里親事業 平成21年度 里親管理割合「34.7%」 基本計画 花ランドひがしね推進事業 ⇒ 管理割合の増加を目指す。 (ウ) 長瀞二の堀整備関連ウォーキングトレイル事業 平成21年度末の整備率「48.9%」 ⇒ 平成27年度まで「100%」 第 2 章 : 環 境、 自 然、 歴史、 文 化 が調 和 す る 風 格 と う る おいの ま ち わがまち街路樹里親制度 長瀞二の堀 ひがしねの未来 107 第3 章 魅力にあふれ、 にぎわいと活力に 満ちたまち 第1節 交流の促進 課題と基本的な考え 本市は、山形空港をはじめ、山形新幹線停車駅である「さくらんぼ東根駅」 や東北中央自動車道「東根インターチェンジ」など、高速交通網の主軸をなす 施設機能が整備されると共に、県都山形市まで車で30分、隣接する宮城県仙 台市まで1時間程度の距離にあり、県内における高速交通網の要衝となって います。 本市が誇り得る財産のひとつとして、生産量日本一を誇るさくらんぼをは じめ、りんご、西洋なし、ももなどのくだものを挙げることができます。気候 の寒暖の差が大きく水はけのよい扇状地の特性を活かし、生産性の高い果樹 中心の農業への転換を図ることにより、全国有数の果樹生産地帯を形成して います。 このような中、特産品であるくだものを全国に普及させる手段のひとつと して、平成6年(1994年)に「果樹王国ひがしね」宣言を行い、四季折々のく だものを活用することによって産業活動の活性化や交流の拡大を図る様々な 取り組みを行ってきました。さらに、果樹王国のイメージを喚起させるまち 並みづくりとして、さくらんぼ東根駅東口の公園整備やさくらんぼ周年栽培 育成装置など、さくらんぼに関連した施設の整備を行ってきました。また、本 市の魅力を全国に発信する「果樹王国ひがしねさくらんぼマラソン大会」や仙 台圏域からの誘客を視野に入れた「さくらんぼ種飛ばし仙台グランプリ」など のイベント、仙台市営バスのラッピング広告、首都圏での各種キャンペーン活 動等を実施することによって、多角的な PR を行ってきました。 108 ひがしねの未来 こうした取り組みによって、果樹王国ひがしねさくらんぼマラソン大会の参 加者は年々増加し、全国でも有数のマラソン大会に成長しました。また、平成 22年(2010年)のさくらんぼ観光果樹園の入込客数は10年前に比べ倍増す るなど、各種数値からも「果樹王国ひがしね」の着実な認知度向上とイメージ アップをうかがい知ることができます。 安全で新鮮な野菜やくだものを求める消費者の志向を反映し、近年、農産物 などの直売所では、仙台圏からの来客をはじめとする多くの観光客でにぎわっ ています。長年の課題であった市内農協の合併が実現したことを契機に、産地 間競争が激化していることもあり、今後は、次のステージとして、ひがしねブ ランドを確立し、消費者の視点、需要に即した戦略を構築し、これまで以上に 良質な農産物を広く全国に向けて発信することが重要となります。 整備が進む東北中央自動車道をはじめとする高速交通網の整備を促進し、仙 を高め、一層の交流の拡大を図る必要があります。また、 「 (屋外版)子どもの 遊び場」が設置される大森山周辺については、仙台圏からのアクセスもよいこ とから、交流、観光の拠点としての可能性を検討する必要があります。 た活動を促進し、地域の魅力を高め、これらを内外に発信することにより、地 域における交流の拡大を促進します。 中心市街地の形成による集客力の向上、観光誘客の取り組み強化などによっ て、本市の交流人口が増加しています。今後、都市機能が集積する中心市街地 の整然とした秩序あるまち並み形成、憩いとやすらぎに満ちた水辺空間整備と 緑化の推進、歴史と文化を活かした個性あるまち並み整備、果樹王国をイメー ジさせるまち並み形成などを推進し、さらなる交流人口の拡大を図ります。 交流の拡大は、定住人口の増加、地域経済の活性化、まちににぎわいと活力 をもたらします。「果樹王国ひがしね」を掲げて開催してきたイベントによる 交流に加え、ひがしねブランド確立の推進など、本市の魅力を大きく PR し、交 流の拡大を目指します。また、友好都市や仙台圏など、各方面にわたり、様々 な分野での交流を促進します。 果樹王国ひがしね さくらんぼマラソン大会 さくらんぼ種飛ばしジャパン グランプリ 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち 市内各地域において、それぞれの自然、歴史、文化などの地域資源を活用し 基本計画 台圏や首都圏への近接性と観光資源を広域的に結びつけることによって魅力 仙台市内を駆け抜ける ラッピングバス ひがしねの未来 109 グローバル化に伴い「人・もの・経済・情報」の移動や交流が、地球規模で 進展しており、より一層の国際性豊かな市民の育成が求められています。国 際交流事業とそれを担う体制づくりを推進するなど、市民一人ひとりが、積極 的に交流を推進し、相互理解を深めることが必要です。 また、在住する外国人の生活相談体制の充実など、外国人が暮らしやすいま ちづくりを推進し、国際理解を深めます。 多様な交流の中でも、技術開発が進む情報通信技術を活用した交流のあり 方は、今後大きく変容することが予想されます。情報の収集や発信は、交流拡 大の大きな要素となることから、高度情報化社会に対応するため、新たに情報 化計画を策定し、地域情報化施策を推進します。 施策の体系 交流の促進 (1)「果樹王国ひがしね」を活かした 交流の推進 (2) 地域資源の整備とネットワーク化 による交流の推進 (3) 友好都市交流をはじめ 広域的な交流の推進 (4)国際性豊かな市民の育成 (5) 外国人が暮らしやすい まちづくりの推進 (6) 情報通信基盤の整備と 情報化社会への対応 110 ひがしねの未来 施策 (1)「果樹王国ひがしね」を活かした交流の推進 ①関係機関との連携強化による「果樹王国ひがしね」推進 ② 「果樹王国ひがしね」を支える人材の育成と支援 ③ 「果樹王国ひがしね」をアピールするイベントやキャンペーンの実施 ④農協と連携したひがしねブランドの構築 ⑤仙台圏、首都圏をはじめ、全国に向けた情報発信の強化 (2)地域資源の整備とネットワーク化による交流の推進 ①地域資源を活かしたまちづくりを推進する団体への活動支援 ②各種観光施設とのアクセス向上や近隣他市町と連携した広域観光の検討 ④歴史的景観を活かしたまち並みの整備推進 ⑤ 「(屋外版)子どもの遊び場」をはじめ、大森山周辺における新たな交流、 観光拠点の検討 ①産業、文化、芸術、スポーツなど、多様な分野における交流の推進 ②本市出身者等で構成された東京東根会や仙台さくらんぼ東根会、 さくらんぼ親善大使等の人的交流の充実 ③仙台圏からの誘客拡大による交流の促進 (4)国際性豊かな市民の育成 ①講演会や各種講座の開催 ②外国語教育の推進 ③在住外国人との交流機会の拡充 ④東根市さくらんぼ国際交流協会、東根市日中友好協会をはじめとする 団体との連携等による交流の充実 ⑤国際姉妹都市や国際交流都市についての検討推進 ⑥文化、芸術、経済など、多様な分野における交流の促進 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち (3)友好都市交流をはじめ広域的な交流の推進 基本計画 ③中央、一本木、神町北部地区における魅力ある市街地づくりの推進 (5)外国人が暮らしやすいまちづくりの推進 ①生活相談体制の強化や地域情報の提供の充実 ②公共施設等における外国語併記の推進 ③県国際交流協会との連携強化 ひがしねの未来 111 (6)情報通信基盤の整備と情報化社会への対応 ①地域情報化計画等の策定検討 ②※ ICT による行政事務の効率化と市民の利便性向上 ③ICT 等を活用した緊急通報システムや防災情報システムの整備検討 ④インターネットなどを活用した情報送受信環境の整備 ⑤電子申請等の普及促進 ⑥ウイルス対策、情報漏えい防止対策など、セキュリティ対策の推進 ⑦学校教育における情報化教育の充実 ⑧情報化に関する学習機会の充実 電子黒板を用いた授業 施策の効果を表す指標 (ア) 市内さくらんぼ観光果樹園の来客数 平成22年「119,200人」 ⇒ 増加を目指す。 (イ) 仙台さくらんぼ東根会の充実 ⇒ 交流機会の充実を目指す。 (ウ) さくらんぼ親善大使の活動充実 平成22年「10人」 ⇒ 親善大使の増加と活動充実を目指す。 ※ I CT: Information and Communication Technology の略で、「情 報通信技術」と訳される。 IT にコミュニケーション を 加 え た 概 念 で、ネ ッ ト ワ ー ク 通 信 に よ る 情 報・ 知識の共有が念頭に置か れた表現 112 ひがしねの未来 第2 節 都市基盤の整備充実 課題と基本的な考え 本市は、山形空港や山形新幹線の停車駅「さくらんぼ東根駅」 、東北中央自 動車道東根インターチェンジ等が所在し、県内でも有数の交通の要衝となっ ています。また、政令指定都市である仙台市に隣接しているという地理的優 位性もあわせ持っています。 こうした地理的条件の優位性を活かし、高速交通網の整備を推進すること により、交流の拡大を図り、魅力と個性あるまちづくりを推進します。また、 山形県道路中期計画に位置付けられた路線をはじめ、市域内を縦横断し、市外 着した生活道路など、各種道路網の整備を進めます。これら高速道路、広域幹 線道路、アクセス道、生活道路を効果的に結ぶことにより、道路が有する多様 基本計画 と本市を結ぶ広域幹線道路、市内集落間を連結するアクセス道、日常生活に密 な社会的機能を発揮させ、地域に活力と交流を生みだします。さらに、既存の 図ることにより、長期的かつ経済的な供用を図ります。 山形空港 山形新幹線「つばさ」 東根インターチェンジ 子育て世代をはじめとする市民の一戸建て住宅の需要にこたえることは、 定住人口の増加に結びつく重要な施策です。平成16年度から実施している組 合施行方式による神町北部土地区画整理事業をはじめとして、優良宅地の供 給を推進します。あわせて、住宅建設利子補給制度など、社会背景や市民ニー ズを踏まえた住宅建設の促進策を進めます。 民間による宅地開発については、開発許可や建築確認などの手続きに際し 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち 道路、橋りょうなどの社会基盤について、定期的な調査と計画的な維持管理を て、適正な開発に向けた指導を実施します。 公営住宅の整備については、公営住宅ストック総合活用計画に基づき、今後 も計画的に整備を進めていきます。 公園は、自然とのふれあい、レクリエーションの空間、憩いの場として市民 生活には欠かすことのできない施設であり、防災対策上の面からもその必要 ひがしねの未来 113 性が高いことから、引き続き、計画的な整備を検討します。 大森山総合公園については、平成25年(2013年)に供用開始を予定している 「(屋外版)子どもの遊び場」整備を進めます。また、これを契機として、地域の 幅広い年齢層が多様な形態でかかわりあう身近な広場や遊び場整備を各地域へ 展開します。また、うるおいのある市民生活を確保するため、河川や湖沼など の親水空間の整備促進や河川清掃などの市民の参画による美化運動などを推進 します。 雨水対策については、安全で快適な生活環境を目指して、内水被害、浸水被害 を防止するため、雨水幹線などの整備を計画的に推進します。 上水道については、安定給水を確保するため、引き続き、簡易水道事業の上水 道事業への統合事業を推進すると共に、計画的に施設の更新を進めます。また、 有収率の向上や適正な料金設定など、水道事業の健全経営の維持に努めます。 ※ 市民の利便性と工業団地をはじめとする産業活動の活性化を図るため、引き 続き、山形空港の運航充実の要望と利用拡大を推進します。鉄道や民間バス路 線については、本数の充実や路線の確保を働きかけ、市民バスについては、市民 ニーズを踏まえた運行を実施します。また、高齢化社会の進行に伴い、より利 便性の高い公共交通手段の需要が高まることが想定されることから、新たな交 通手段について検討を進めます。 除雪については、除雪区域のブロック分け、除雪モニターの配置等により、効 率的な除雪作業に努めてきました。雪崩などの危険を防止するため、道路パト ロールを実施し、危険箇所については表示板を設置するなどの対応をしてきま した。パトロールや地域との連絡を密にするなど、今後も迅速かつ的確に危険 箇所の把握に努めます。また、東根市生活密着型道路除排雪事業補助金交付制 度を創設し、地域における自発的な除排雪活動を支援してきました。高齢者世 帯では、シルバー人材センターに委託して除雪や雪下ろしを行う軽度生活援助 事業やボランティア団体による除排雪の支援を行ってきましたが、今後、高齢 化社会の進行によってますます需要が伸びることが予想されることから、ボラ ンティア団体の育成や地域による除排雪体制の充実を検討します。 ※有収率(上水道): 浄水場等から配水された 上水のうち、利用者から料 金として徴収される水量 の割合 114 ひがしねの未来 施策の体系 都市基盤の整備充実 (1)高速交通網の整備促進 (2)広域幹線道路等の整備促進 (3) 道路、橋りょうなどの 予防保全型管理の推進 (4)住宅居住に関する取り組みの充実 (6)雨水対策、河川、親水空間の整備 基本計画 (5)公園の整備と緑化の推進 (7)上水道の整備推進 (9)公共交通機関の機能充実と利便性向上 (10)雪に強いまちづくりの推進 施策 (1)高速交通網の整備促進 ①東北中央自動車道(東根〜尾花沢間)の整備と 追加インターチェンジの整備促進 ②高速道路に接続する道路網の整備 (2)広域幹線道路等の整備促進 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち (8)墓地の整備 ①国道48号の整備促進についての要望強化 ②一般国道287号(国道13号~谷地橋)の4車線化の促進 ③一般県道東根大森工業団地線の4車線化の促進 ④山形県道路中期計画に位置付けられた路線の整備促進 ひがしねの未来 115 ⑤市内を縦断する東回り、西回り広域道路の整備促進 ⑥横断幹線道路の整備促進 ⑦主要地方道、一般県道の整備促進 ⑧都市計画道路、市道の整備促進 (3)道路、橋りょうなどの予防保全型管理の推進 ①道路パトロール等の定期点検による現況把握強化 ②橋りょうの長寿命化修繕計画の策定と同計画に基づく修繕の実施 ③軽微な損傷のうちに補修を行うことによる長期的コストの縮減 (4)住宅居住に関する取り組みの充実 ①土地区画整理事業や民間事業者等による宅地供給の促進 ②東根市勤労者住宅建設資金利子補給制度など、定住人口の増加 に向けた支援策の充実 ③東根市公営住宅ストック総合活用計画に基づく市営住宅の整備 ④高齢者向け住宅整備促進制度の検討 ⑤耐震診断士派遣や耐震改修の促進 ◎市内の公営住宅の概要 (戸) 区 分 木 造 簡易耐火 中層耐火 計 市営住宅 126 83 88 297 県営住宅 — — 56 56 雇用促進住宅 — — 120 120 合 計 126 83 264 473 平成22年4月1日現在:建設課 (5)公園の整備と緑化の推進 ①計画的な公園整備の推進 ②「(屋外版)子どもの遊び場」など、大森山総合公園の整備 ③地域の特性を活かした市民との協働による広場整備の推進 ④公園緑地の維持管理体制の充実 ⑤市民参加による公園緑地管理の促進 ⑥緑地の保全と緑化の推進 116 ひがしねの未来 ◎都市計画公園の整備状況 整 備 状 況 区 分 箇所数 面積(ha) 計画面積 開設済面積 公 園 総合公園 1 61.0 6.4 街区公園 15 3.4 3.4 地区公園 2 21.8 19.8 緑 地 1 9.1 9.1 広 場 1 1.1 1.1 合 計 20 96.4 39.8 平成22年3月31日現在:都市整備課 (6)雨水対策、河川、親水空間の整備 ②河川清掃など、ボランティア活動の推進と支援 ③雨水幹線などの整備促進、内水被害の防止 基本計画 ①河川と湖沼の保全と整備 ④長瀞調整池(二の堀)整備事業の推進 ⑥新田町堰周辺などの親水空間整備推進 (7)上水道の整備推進 ①上水道施設設備の耐震化など計画的更新 ②簡易水道事業の上水道事業への統合推進 ③水質の監視体制等による安全性の確保 ④上水道への加入促進 ⑤老朽管など給配水管の改良による有収率の向上 ⑥水道料金の適宜見直しなど、水道事業経営の健全化の推進 ⑦節水意識などの啓発活動の充実 (8)墓地の整備 ①良好な墓地環境の維持と整備 ②墓地等に関する諸届け制度等の適正な運用 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち ⑤雨水施設の適切な維持管理 (9)公共交通機関の機能充実と利便性向上 ①山形空港の運航充実と利用拡大 ②山形空港の路線充実 ひがしねの未来 117 ③山形新幹線、在来線の運行充実 ④さくらんぼ東根駅の交通結節点機能の充実 ⑤民間バスの路線と運行本数の充実 ⑥利用しやすい市民バスシステムと運行手法の検討 (10)雪に強いまちづくりの推進 ①市民の理解と協力を得ながら推進する道路除雪体制の充実 ②ボランティアや地域の力による生活に密着した除排雪の推進 ③安全で快適な歩行空間の確保 ④雪崩などの危険防止 施策の効果を表す指標 (ア) 道路の広さや舗装の満足度 平成21年の市民アンケート「37.6%」※(「満足」+「どちらかといえば満足」の回答割合) ⇒ 上昇を目指す。 (イ) 橋りょうの長寿命化修繕計画 平成21年度末 15橋点検済み「36.5%」 ⇒ 平成23年度点検済み「100%」 橋りょう長寿命化修繕計画策定へ (ウ) 東根市勤労者住宅建設資金利子補給制度の利活用 平成21年度「66件」(うち21年度新規申請件数2件) ⇒ 住宅建築等を促すため、利用件数の増加を目指す。 (エ) 簡易水道事業の上水道事業への統合 ⇒ 平成26年度完了を目指す。 (オ) 上水道への加入促進 平成21年度「98.8%」 ⇒ 普及率の向上を目指す。 (カ) 上水道の有収率の向上 平成21年「86.49%」 ⇒ 有収率の向上を目指す。 (キ) 除雪対策の満足度 平成21年の市民アンケート「29.4%」 ⇒ 上昇を目指す。 118 ひがしねの未来 第 3 節 農林業の振興 課題と基本的な考え 本市では、四季を通じて様々な農産物が生産され、農業は基幹産業のひとつ となっています。その中でも果樹は全国でも有数の一大生産地となっており、 本市の※農業産出額の約7割を占めています。特に、さくらんぼは生産量日本 一を誇り、「果樹王国ひがしね」を代表するものとなっています。 基本計画 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち 本市が発祥のさくらんぼの王様「佐藤錦」 しかしながら、農業を取り巻く環境は厳しく、輸入自由化の拡大、国内外産 品との産地間競争の激化、農業従事者の高齢化と後継者不足、耕作放棄地の増 加など、課題は山積しています。 このような中、本市の農業の維持発展のため、農業生産の基盤となる農道、 用排水施設など、生産基盤の整備と適正な維持管理を進めます。 担い手が「やる気」と「つくる誇り」を感じることができる農業、収益性の高 い魅力ある農業の確立に向けた取り組みを進めます。 高付加価値化を図るため、生産、加工、流通、販売までを手掛ける総合産業 化や法人化、観光や他産業との連携・融合など、関係団体との連携を図り、本 市の特性を踏まえた新しい農林業の形を調査研究します。 農地流動化の推進、農作業の受委託の促進、作付け地の集団化などにより経 営規模の拡大を推進すると共に、「保有する農地」から「利用する農地」への展 開を図ります。 ※農業産出額の約7割: 『平成18年 生産農業所得 統計』 (農林水産省)による。 ひがしねの未来 119 農業生産や農業所得の拡大と農産物の自給力の向上に向けて、基幹作物で ある米や果樹を中心に、野菜、花きなどの特産品を組み合わせた複合農業を推 進します。また、消費者や市場ニーズの多様化や産地間競争に対応するため、 「果樹王国ひがしね」のブランド確立推進を通して、知名度向上を図ると共に 農協合併を契機とした統一ブランド化を推進します。 農家戸数、農家人口の減少、農業従事者の高齢化、後継者不足が問題となっ ていますが、農業が魅力ある職業として成り立つように、大規模経営農家や集 落生産組織の育成を図ると共に、※認定農業者、新規農業従事者への支援に加 え、兼業農家を含めた農業人口を増やし、農地を守っていく施策を積極的に展 開し、本市農業の将来にわたる発展の基盤となる人材育成に努めます。 本市東部の中山間地域は、猿などの生息地であり、有害鳥獣による食害は農 産物に大きな被害を与えています。電気木柵の設置や関係組織と連携した活 動を推進し、各種対策を講じていきます。 環境にやさしい農業の取り組みをさらに進める必要があります。 ※ エコ ファーマー認定制度の普及、雨よけテントなどのビニールのリサイクル推進、 果樹せん定枝の利活用に向けた検討などを進めます。 食料自給率の向上を目指し、地元で採れた農産物を地元で消費する地産地 消の取り組みを推進し、本市農業の活性化を図ると共に、食に対する意識、地 域への愛着心を育みます。 農村集落においては、農村の良さを残しつつ、生活環境の総合的、計画的な 整備に努め、農村地域の住みよい環境と活力づくりを推進します。 林業を取り巻く環境は、化石燃料に依存した生活様式や外国産木材への依 存による国産木材の需要の衰退、林業従事者の減少と高齢化など、非常に厳し くなっています。水源かん養や山地崩壊防止など森林の持つ公益的機能を保 持するため、林道や作業道の整備、森林資源の整備と保全、森林の保護や緑化 の推進を図るための啓発などについて、関係団体との連携を図り推進します。 また、松くい虫やナラ枯れ等、森林病害虫の被害が拡大していることから、 計画的な被害拡大防止策を展開します。 ※認定農業者: 「農業経営基盤強化促進 法」に基づき、効率的で安 定した農業経営を目指す ために作成する「農業経営 改善計画(5年後の経営目 標)」を市町村に提出して、 認定を受けた農業者 ※エコファーマー: 「持続性の高い農業生産方 式の導入の促進に関する 法律」に基づき県知事の認 定を受けた農業者の愛称。 たい肥等による土づくり、 減農薬、減化学肥料など、 環境にやさしい環境保全 型農業、安全安心な農業に 取り組む農業者 市内認定者数は1,090人 (平成22年3月現在) 120 ひがしねの未来 施策の体系 農林業の振興 (1)生産基盤の整備充実 (2)収益性の高い魅力ある農業の推進 (3)ひがしねブランドの確立 (4)水稲の振興 (5)果樹の振興 (7)環境にやさしい農業の推進 (9)消費者を意識した生産流通対策の推進 (10)地産地消の推進 (11)担い手農家の支援・育成と 農業者団体の組織強化 (12)住みよい農村環境と活力づくり (13)林業の振興 施策 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち (8)観光農業の充実 基本計画 (6)有害鳥獣対策の推進 (1)生産基盤の整備充実 ①基幹農道や一般農道の整備促進、適正な維持管理と農道台帳の整備 ②用排水施設の整備促進と適正な維持管理 ③畑地かんがい対策事業の利活用促進と適正な維持管理 ④土地改良事業への支援 ひがしねの未来 121 (2)収益性の高い魅力ある農業の推進 ①農地流動化、農作業の受委託の促進による経営規模拡大と 低コスト化の推進 ②作付地の集団化、大規模化の促進 ③本市の特性を踏まえた加工、流通、販売、観光など、 他産業との連携・融合を図ることによる高付加価値化の検討 ④優良品種への改植、機械や施設の計画的な整備や改修の推進 ⑤施設園芸の促進や繁忙期の労働力不足に対応するための 農業関係機関・団体による労働力確保体制の確立 ⑥畜産農家の生産性向上への支援や家畜伝染病防疫体制の構築 ⑦市場や消費者のニーズを迅速かつ的確に把握する出荷・供給体制の確立 (3)ひがしねブランドの確立 ①生産から消費までに至る「果樹王国ひがしね」の知名度向上に向けて 一貫した果樹産業振興戦略の確立 ②農産物のひがしねブランド確立 ・農協と連携した統一ブランド形成、品質基準統一の推進 ・新たな地域特産品の開発 ③消費者需要への対応 ・安全安心な農産物を求める需要への対応 ・トレーサビリティ(生産履歴表示)システムや「顔の見える農業」の推進 ④首都圏や仙台圏などをターゲットにしたイベントやキャンペーン による「果樹王国ひがしね」の発信 (4)水稲の振興 ①安全安心な高品位米の安定生産・供給体制の確立 ②有機・特別栽培米や生産履歴の明確化など、 高付加価値化による多様な米づくりの推進 ③市場動向に対応した生産・販売戦略の構築 ④消費者への PR、販路拡大、米消費拡大事業の推進 ⑤米粉を活用した加工品など新たな消費拡大策の推進 ⑥収益性の高い転作作物の振興と定着化を図ることによる水田農業の再構築 122 ひがしねの未来 (5)果樹の振興 ①果樹品目ごとのひがしねブランドの確立 ②果樹産地構造改革計画などに基づく優良品種の導入促進 ③重点樹種設定と産地化の形成 ④効率的な経営を目指す省力機械施設の導入や省力栽培技術の確立と普及 ⑤施設園芸栽培(加温・無加温ハウスなど)による高品質・安定生産の推進、 長期出荷体制の確立、労働力分散や大規模経営化の促進 ⑥加温・無加温ハウスの施設整備に対する支援 ⑦さくらんぼ周年栽培の技術開発 ⑧さくらんぼの受粉環境整備 (6)有害鳥獣対策の推進 基本計画 ①関係組織と協力した有害鳥獣対策の推進 ②食害を受けにくい農作物の調査研究と普及 (7)環境にやさしい農業の推進 ②農業用廃プラスチック類の適正処理の推進 ③果樹せん定枝の利活用の推進 ◎農業用使用済プラスチックの処理状況の推移 平成 16年度 平成 17年度 平成 18年度 リサイクル 175,330 183,740 188,780 52,660 49,812 55,965 埋 立 47,460 46,330 37,350 33,500 13,616 9,880 合 計 222,790 230,070 226,130 86,160 63,428 65,845 リサイクル率 78.7% 79.9% 83.5% 61.1% 78.5% 85.0% 区 分 平成 19年度 平成 20年度 ( ㎏) 平成 21年度 処理量 農林課 (8)観光農業の充実 ①「果樹王国ひがしね」のインフォメーション機能(情報提供、案内、 受付など)や PR 機能、農産物・特産品の直売機能を備えた観光農業 の拠点施設の充実 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち ①エコファーマー認定取得の促進 ②体験型観光農業の促進 ひがしねの未来 123 (9)消費者を意識した生産流通対策の推進 ①周年を通して出荷できる生産体制の確立 ②早期の高品質さくらんぼの出荷増大による 高い市場評価の獲得 ③大手販売ルートや市場との連携強化、 市場への販売促進活動等の展開 ④インターネットによる通信販売など新たな 販路への対応 ⑤迅速に高鮮度で出荷できる流通策の検討 ⑥産地直送販売の促進 さくらんぼのトップセールス (10)地産地消の推進 ①市内の小売店や温泉旅館などにおける ひがしね産農産物の取り扱い拡大の推進 ②学校給食食材への地場産品の活用 ③家庭での食料自給率向上促進 地場産品を活用した親子料理教室 (11)担い手農家の支援・育成と農業者団体の組織強化 ①新規就農者の支援・育成 ②農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想に基づく、効率的で 安定的な経営体、認定農業者、営農指導者の支援・育成 ③※農用地利用改善団体への支援や法人化への展開に対する支援 ④農地集積による効率的な農業経営の推進 ⑤各種補助制度による就農者や農業団体・組織への支援 ⑥兼業農家も含めた農業人口を増やすための施策の推進 (12)住みよい農村環境と活力づくり ①地域集会施設、農村公園などコミュニティ関連施設活用による 地域の活性化と交流の促進 ②農村地域の豊かな自然環境、歴史、文化などの地域資源を活かした 魅力ある農村づくり ③耕作放棄地の未然防止と有効活用の推進、東根市耕作放棄地解消計画 に基づく計画的な放棄地の解消 ④その地域の自然条件に合った農産物を生産する適地適作の推進 124 ひがしねの未来 ※農用地利用改善団体: 集落等の地縁的なまとま りのある区域内の農地に ついて、作付地の集団化、 農作業の効率化や農用地 の利用関係の改善を推進 する団体 (13)林業の振興 ①東根市森林整備計画に基づく森林管理の推進 ②林道、作業道の整備や維持管理など生産基盤の整備 ③国・県や関係機関、団体等と連携した森林資源の整備と保全 ④松くい虫、ナラ枯れ等の森林病害虫被害対策の推進 ⑤地元産木材の利活用促進 ⑥特産品の開発検討 施策の効果を表す指標 (ア) ※市内農業産出額 平成18年度「127.4億円」 基本計画 ⇒ 増加を目指す。 (イ) 東根市農協「よってけポポラ」取り扱い高 平成21年度「5.73億円」 ⇒ 7億円程度へ増加を目指す。 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち (ウ) 耕作放棄地の面積 平成21年調査「161.5ha」 ⇒ 減少を目指す。 東根市農協の産直施設「よってけポポラ」 (エ) 農業用廃プラスチックの回収量 平成21年度「65,845㎏」 ⇒ 回収量の増加を目指す。 (オ) 学校給食食材への地場産品の活用 平成21年度 活用の割合「23.7%」 ⇒ 30%以上を目指す。 (カ) エコファーマー認定者数 平成22年3月現在「1,090人」 ⇒ 増加を目指す。 ※出典: 『平成18年 生産農業所得 統計』 (農林水産省) ひがしねの未来 125 第 4 節 商工業の振興 課題と基本的な考え 中央・一本木地区に集客力のある大型店舗や商業施設が集積し、中心市街 地の集客力が高まりました。一方で、既存商店街や商店などを取り巻く環境 は厳しさを増しており、小売業の商店数の減少が見られることから、市内各地 区の特性を踏まえた商店街づくりを推進します。 中央・一本木地区と神町北部地区については、魅力的な中心市街地形成と 連続した市街地づくりを進めてきました。今後も、 「広域的機能集積型商業地 区」として、多様な商業機能の集積を進めると共に、それぞれが持つ特性や役 割を活かしながら大型店舗と既存商店街との共存を図り、調和のとれた魅力 ある商業環境の形成を推進します。 東根本町地区は、龍興寺沼公園やウォーキングトレイル事業の完成により、 大ケヤキを中心としたまち並みを散策して楽しめる環境が整備されました。 引き続き、地域住民との協働により、まちづくり交付金事業による周辺の環境 整備を進めます。この周辺の地域住民の生活に密着した商店街として、また、 ひがしねの歴史や文化に触れることができる「観光・交流型の商店街」として、 商工関連団体との連携を深めながら集客の拡大を図ります。 平成16年度に温泉商店街のメインストリートにフットライト、案内板、足 湯が整備され、平成22年には、開湯100周年の事業として、広場などが整備さ れ、新たなにぎわいが創出されています。 「滞在・交流型温泉街」として、滞在 者の利便性や快適性に配慮したまち並みを形成し、誘客の拡大を図ります。 神町などの商店街においては、近隣居住者同士の交流を促進する「地元密着 型商店街」として、生活に密着したサービスの提供を促進します。 既存商店街や地域の商店等は、地域住民の日常生活を支えています。高齢 化社会では、身近で気軽に利用できる地域密着型商業の役割が、ますます重要 性を増します。高齢者のニーズや生活形態に対応しつつ、地域住民の利便性 を高めるサービスの検討を進めます。 商店街共通の課題である空き店舗対策については、店舗等を有効に活用す る取り組みへの支援を行うなど、経営者や地域住民との連携を密にしながら、 126 ひがしねの未来 活力ある商店街の維持を推進します。 商業経営者のニーズは多様化しており、利用しやすい融資制度や職業能力 向上の機会の充実が必要不可欠なものとなっています。各種融資制度を充実 させると共に、商工会を中心とした独自施策への支援や経営指導体制の強化、 各種研修会の実施を促進します。 本市の工業は、4つの工業団地を核として、電子部品や精密機械などの産業 を中心に発展し、雇用の場の創出、市民所得の向上など、地域経済や本市産業 の発展に大きく寄与してきました。本市の平成21年(2009年)における製造 品出荷額等は県内で第2位となっています。 しかし、景気の低迷や経済のグローバル化により、国際的な企業間競争の激 化、企業業績の悪化、求人数の減少、派遣などの不安定な雇用形態など、企業 経営や雇用を取り巻く環境は厳しいものとなっています。 なって経営指導を行うと共に、各種融資制度の運用、保証料給付、利子補給な どを実施してきました。今後、さらなる企業活動の活性化、 多様な産業の育成、 基本計画 企業経営の健全性を確保し、設備の近代化を促進するため、商工会が中心と 企業の技術力向上や製品の高付加価値化を支援するため、国県や企業連絡協 などを検討します。 これまで、企業誘致や産業振興施策として、農村地域工業等導入促進法に基 づく固定資産税の課税免除措置などを積極的に行ってきました。しかし、現 在、造成済みの工業用地の空きがほとんどなく、また、課税免除に対する国の 減収補てん措置が廃止されたことから、工業用地の確保に向けた検討や市独 自の支援策を実施すると共に、新たな制度創設などを国に要望するなど、企業 誘致・産業振興に向けた施策を推進します。 雇用面に関しては、関係機関と連携を深めながら、職業能力の開発や人材育 成の機会充実、新規学卒者の地元定着の推進、高齢者の雇用機会の創出など、 雇用の安定と労働環境の整備を図ります。また、ワーク・ライフ・バランス の推進や子育てなどの家庭生活と仕事の両立が可能な労働環境の整備を企業 等に働きかけていきます。 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち 議会など関係機関との連携を強化し、企業のニーズに対応した資金融資制度 ひがしねの未来 127 施策の体系 商工業の振興 (1)魅力ある商業地区・商店街の形成 (2)商工業経営の基盤強化と人材の育成 (3)地場産業の振興と発展 (4)企業活動の活性化 (5)市内産業の高度化 (6)新規創業に向けた起業家の育成 (7)積極的企業誘致への取り組み (8)労働力の確保と人材育成 (9)就労者福祉の充実 施策 (1)魅力ある商業地区・商店街の形成 ・各地区の特性を活かした商業地区・商店街づくり (中央・一本木・神町北部地区:広域的機能集積型商業地区づくり) ①本市の顔としてのさくらんぼ東根駅周辺におけるにぎわいの創出 ②専門店など集客力の高い商業施設の集積促進 ③中心市街地における高度土地利用や未利用地の利用促進 (東根本町地区:観光・交流型商店街づくり) ④歴史、文化と調和した風格のあるまちづくりに資する観光資源の創出 ⑤都市計画道路宮崎西道線や東根公民館(地域交流センター)などの整備 に伴う本町商店街のにぎわいの創出 (温泉地区:滞在・交流型温泉街づくり) ⑥温泉の特性を活かした個性とにぎわいのある温泉街づくり 128 ひがしねの未来 (神町など各商店街:地元密着型商店街づくり) ⑦身近なコミュニティの場として、近隣居住者同士の交流を 促進する地域密着型の商店街づくり 東根本町地区 温泉地区 神町地区 どこでお買い物を しようかな。 基本計画 さくらんぼ東根駅周辺 ①宅配方式など、高齢化社会に対応し、高齢者の利便性とニーズ に配慮したサービス提供の促進 ②買い物と観光・まち並み散策が楽しめるような交流型商業形態の促進 ③商店街でのイベントの充実や商工会など関係機関との連携 ④商店街の利便性を高める施設や環境整備の推進 ⑤大型店舗との連携や共存に関する取り組みの推進 (2)商工業経営の基盤強化と人材の育成 ①融資制度の充実 ②名産品の掘り起こし、PR の強化 ③後継者の育成支援 ④経営の近代化、合理化の促進と経営者、地域リーダーの育成 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち ・市内全域における商店街の振興 ⑤商工会をはじめとする関係機関による経営指導体制の強化や 各種研修会の開催促進 ひがしねの未来 129 ◎商業の概要 従業員数 (人) 総数 卸売 小売 店当たり 小売 区 分 年間商品販売額(百万円) 店当たり 卸売 商店数 (店) 3,442 84,358 38,527 45,831 381 89 510 3,609 74,758 24,538 50,220 292 98 92 484 3,554 74,260 25,877 48,383 281 100 92 450 3,498 73,622 27,530 46,092 299 102 総数 卸売 小売 平成11年 618 101 517 平成14年 594 84 平成16年 576 平成19年 542 1 1 商業統計調査 (3)地場産業の振興と発展 ①六田の麩をはじめとする伝統ある地場産業の PR と活用促進 ②農業や工業などの他産業と商業を結びつけることによる 新たな地場産業の育成 ③関係団体との連携強化 ④新たな「ひがしねの土産品」の開発支援 (4)企業活動の活性化 ①国県等との連携による技術力・開発力向上への支援 ②設備近代化資金や市企業奨励補助金などの活用による新規設備導入 への支援 ③技能開発など人材育成の強化 ④受注機会・販路拡大の促進 ⑤自動車関連産業とのかかわりなど、新たな事業展開を促進する 広域的物流ルートの検討 ⑥経営指導、金融助成制度の充実 ⑦企業の地域活動への積極的参画促進 (5)市内産業の高度化 ①情報交換会の開催などによる同業種交流と異業種交流に向けた支援 ②大学、研究機関など、関係機関・団体との連携強化による 技術力向上と高付加価値化の促進 (6)新規創業に向けた起業家の育成 ①セミナーなど研修機会の充実 ②資金融資制度の充実、研究開発に向けた支援や情報提供 130 ひがしねの未来 (7)積極的企業誘致への取り組み ①企業の動向に関する情報収集と工業団地情報の PR ②東根市企業奨励補助金などの優遇措置の運用 ③産業立地促進資金などの制度資金の活用と PR ④県、関係機関との連携による企業誘致活動の推進 ⑤新たな業種や企業動向に対応した優遇措置などの検討と 国県への要望活動の推進 ⑥新たな工業用地の検討 大森・大森西工業団地 ⑦企業誘致に向けた環境整備の促進 ◎工業の概要 (箇所・人・万円) 区 分 事業所数 従業員数 製造品出荷額等 1事業所当たり 製造品出荷額等 7,921 36,435,736 254,795 平成18年 141 8,551 45,654,712 323,792 平成19年 129 9,418 49,512,805 383,820 平成20年 136 9,397 40,553,553 298,188 平成21年 121 7,814 28,179,072 232,885 工業統計調査 (8)労働力の確保と人材育成 ①就業者の専門的知識、技術力向上のための職業訓練の充実 ②就労相談の充実 ③新規学卒者の地元定着の促進 ④高齢者の雇用の場の確保 ⑤※ UJI ターンの推進と受け入れ体制の充実 ⑥若年層の就労支援策の推進 ⑦非正規雇用など不安定な雇用形態にある労働者への支援 (9)就労者福祉の充実 ①ワーク・ライフ・バランスを考慮した労働環境の整備促進 ②子育てと仕事の両立が可能な労働環境の整備促進 ③障がい者の労働環境の整備促進 ④関係機関・団体との連携による福利厚生事業の推進 ※ UJI ターン: U ターンは、進学や就職な どにより、出身地を離れた 後、再び出身地に戻り、移 り住むこと。 J ターンは、再び戻るもの の、出身地に近い途中の地 域に移り住むこと。 I ターンは、都会に生まれ 育った人が、地方での暮ら しを志向して移り住むこ と。 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち 143 基本計画 平成17年 東根市の工業は、 4つの工業団地を 中心に、雇用の 場の確保や産業の 発展に大きな 役割を果たして いるんだね。 ひがしねの未来 131 施策の効果を表す指標 (ア) 市内年間商品販売額 平成19年「736億円」 ⇒ 上昇を目指す。 (イ) 市内製造品出荷額等 平成20年「4,055億円」 (工業統計調査) 平成21年「2,818億円」 ⇒ 上昇を目指す。 (ウ) 市内高校(東根工業高校)卒業者の県内就職率 平成21年「44.9%」 ⇒ 上昇を目指す。 (エ) ※有効求人倍率 平成22年8月31日現在「0.62」 (村山管内) ⇒ 上昇を目指す。 第 5 節 観光の推進 課題と基本的な考え まちの活力を高める「人・もの・経済・情報」などの多様な交流、そして、 「果 樹王国ひがしね」のイメージアップを図るうえで、観光の果たす役割は大きく なっています。近年、高速交通網の整備によって、短時間での移動範囲が広が り、気軽にできる日帰り観光やレクリエーションに対する需要がますます多 くなっています。宿泊を伴う滞在型観光は減少し、地域固有の歴史、文化、食 などに触れる体験型観光の需要が多くなっています。このような観光形態の 変化に対応した観光戦略を構築する必要があります。 観光関連団体や農業関連団体との連携を深めながら、くだものを中心とす る本市の四季折々の農産物を全国に発信する観光農業の振興を図ります。 民間主体で農産物の直売施設が整備され、仙台圏からの観光客を中心に新 たなにぎわいと交流が創出されています。市内における観光案内、直売所な 132 ひがしねの未来 ※有効求人倍率: 公 共 職 業 安 定 所( ハ ロ ー ワーク)への※ 有効求人数 の※有効求職者数に対する 割合。(有効求人倍率=有 効求人数÷有効求職者数) 有効求人: 求人申込みの有効期限が あって、まだ求人が充足さ れていないもの 有効求職者: 求職申込みの有効期限が あって、まだ就職していな い者 どの機能をあわせ持つ観光拠点施設の機能充実を関係機関や各団体と連携し ながら推進します。 本市は、くだもののほか、国指定の特別天然記念物「東根の大ケヤキ」をは じめ、歴史的価値の高い名所や旧跡、さくらんぼ東根温泉、黒伏高原スノー パークジャングル・ジャングル、豊かな自然環境など、多くの観光資源を有し ています。こうした観光資源を有効に活用すると共に、近隣市町との連携強 化による広域観光ネットワークを形成し、多様な観光ニーズに対応できる環 境整備を進めます。 今や人気と知名度が定着し、回を重ねるごとに盛況となる果樹王国ひがし ねさくらんぼマラソン大会、ひがしね祭、さくらんぼ種飛ばし大会をはじめ、 本市の特徴を活かしたイベントをさらに充実発展させ、本市の魅力を全国に 向けて PR し、さらなる観光誘客の拡大を図ります。 PR、首都圏や仙台圏における各種キャンペーンや物産展を開催すると共に、 観光エージェントなどとの連携を強化し、観光商品の開発などに取り組んで いきます。 基本計画 また、より幅広く本市の魅力をアピールするため、各種媒体を通した観光 より多くの観光客から本市の魅力を認知してもらうためには、観光関係機関 共に PR していくことが必要です。人情味あふれる「おもてなしの心」を本市の 人的な観光資源として育み、魅力ある観光地づくりにつなげていきます。 平成16年度に足湯が整備され、平成22年度には、開湯100周年を記念し て広場が整備されるなど、さくらんぼ東根温泉に新たなにぎわいが創出され ました。泉質などの温泉の魅力の PR やさくらんぼ東根温泉独自の商品やサー ビス提供により、利用客の増加を促進します。 定年退職者の増加や余暇時間の拡大などを背景として、グリーンツーリズ ムや農業体験など、体験型の観光への需要も増えています。豊かな自然の中 での体験や生活を志向する人々への自然空間や農地等の利活用について検討 を進め、体験型観光の促進を図ります。 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち のみならず、市民、団体、企業、行政がそれぞれの役割において、本市の魅力を ひがしねの未来 133 施策の体系 観光の推進 (1)「果樹王国ひがしね」を活かした 観光地づくり (2) ひがしねの魅力を広くアピールする イベントの充実 (3)広域観光の推進 (4)誘客キャンぺーン活動の推進 (5) 一人ひとりが発揮する 「おもてなしの心」の醸成 (6)さくらんぼ東根温泉の振興 (7) 歴史と文化を活かしたまち並みや 観光施設の整備 (8) 観光資源の活用推進と 観光機能の強化 (9)都市と農村の交流を通した観光 (10)自然空間の活用 施策 (1)「果樹王国ひがしね」を活かした観光地づくり ①観光に関する基本計画の策定 ②観光関連団体や農業関連団体との連携によるイベントや キャンぺーンを通した観光推進体制の強化 ③観光物産協会との機能分担と連携による誘客宣伝活動の展開 ④観光物産協会の組織強化 ⑤ホームページや ICT の活用、各種メディア、広告媒体の活用により 観光客が容易に入手できる観光情報の提供と宣伝活動の強化 134 ひがしねの未来 ⑥大都市圏の主要市場や仙台圏など、全国に向けたひがしね産農産物の発信 ⑦果樹王国にふさわしい景観や地名など個性的なまちづくりの推進 ⑧ 「果樹王国ひがしね」のインフォメーション機能(情報提供、案内、 受付など)や PR 機能、農産物・特産品の直売機能を備えた 観光拠点施設の充実 ⑨公共交通機関と観光果樹園や市内観光施設を結ぶ観光モデル コースの設定と巡回型観光タクシーなど二次交通の充実 ⑩効率的な誘導を図る統一観光サインの設置 ⑪※フィルムコミッションなどの活用による宣伝活動の検討 ⑫教育旅行や国際的視野での誘客活動の推進 観光果樹園で楽しむ観光客 ◎観光客数の推移 (百人) 観光 果樹園 大滝公園 さくらんぼ 東根温泉 ジャングル・ ジャングル 平成17年度 37 1,561 3,775 5,104 72 平成18年度 41 1,538 3,781 5,165 973 平成19年度 54 1,760 3,771 4,969 1,092 平成20年度 70 1,821 3,725 5,059 970 平成21年度 87 2,241 3,561 4,921 866 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち さくらんぼ マラソン大会 基本計画 区 分 商工観光課 (2)ひがしねの魅力を広くアピールするイベントの充実 ①ひがしね祭の充実と県内外からの誘客手法の検討 ②果樹王国ひがしねさくらんぼマラソン大会、さくらんぼ種飛ばし大会の充実 ③祭やイベントを支える地域、団体、企業などによる 観光客の受け入れ体制、協力体制の充実 ④周年観光を見据えた新規イベント開発 ⑤地域の祭や伝統行事の持続発展と担い手の育成、 地域の祭や伝統行事等の活用と組み合わせによる観光の推進 ⑥広域、他市町と連携したイベントの開催 ひがしね祭「おどりの競演」 ひがしね祭「七夕提灯行列」 ※フィルムコミッション: 映画やテレビ番組などの ロケーションを誘致し、円 滑に撮影を進めることを 目的とする非営利の組織 や団体。ロケーションの 誘致により、地域経済、観 光、文化などの活性化が期 待される。 ひがしねの未来 135 (3)広域観光の推進 ①広域観光ルートの整備 ②近隣市町、旅行業者、観光エージェント、観光関連団体との連携による 観光プランの開発と誘客宣伝活動の展開 ③市内宿泊施設の利用推進 ④観光圏整備事業への参画による広域観光の推進 (4)誘客キャンぺーン活動の推進 ①首都圏や仙台圏における観光誘客イベントの充実 ②各種メディア、ICT を活用した宣伝活動の充実 ③外国人観光客向けの PR と受け入れ環境の整備による誘客活動の促進 (5)一人ひとりが発揮する「おもてなしの心」の醸成 ①市民、観光関連団体、宿泊施設、観光施設、行政などがそれぞれの 役割において、観光客の満足度向上を図ることによる 魅力ある観光地づくり ②市民一人ひとりが発揮する「おもてなしの心」の醸成と このための広報活動の推進 (6)さくらんぼ東根温泉の振興 ①市民がより愛着と親しみを持つことができる温泉地づくり ②広域観光資源などを活かした体験型・滞在型観光プランの 開発 ③地域資源を活かしたさくらんぼ東根温泉独自の商品開発と PR ④各種メディアを活用した誘客宣伝活動の強化 ⑤情緒あふれるまち並みの形成と周辺環境整備の促進 ポケットパーク足湯 (7)歴史と文化を活かしたまち並みや観光施設の整備 ①大ケヤキ、龍興寺沼公園周辺における自然景観や歴史的まち並みの 保存整備と観光資源としての利活用推進 ②長瀞の二の堀など、歴史的景観を活かしたまち並み整備と 観光資源としての利活用推進 136 ひがしねの未来 (8)観光資源の活用推進と観光機能の強化 ①観光資源の掘り起こしと整備、周遊コースの設定 ②新たな観光資源の開発に向けた検討 ③観光ボランティアの養成 ④さくらんぼに加えてひがしねを代表するお土産品、 通年対応型商品等の創出 (9)都市と農村の交流を通した観光 ①市民農園の開設検討 ②グリーンツーリズムなどの体験型観光の推進 (10)自然空間の活用 基本計画 ①本市の豊かな自然等を活用した観光の推進 ②黒伏高原スノーパークジャングル・ジャングルや レークピア白水などの積極的な利活用の促進 黒伏高原スノーパーク ジャングル・ジャングル 施策の効果を表す指標 (ア) 市内観光客数 平成21年度「1,309,700人」 (平成11年度~平成21年度 1.8%増) ⇒ 3%以上の増加を目指す。 (イ) 観光乗り合いタクシーの利用者 平成22年度「868人」 第 3 章 : 魅 力 にあ ふれ、 に ぎ わい と 活 力 に 満 ち た ま ち ③大森山総合公園等におけるレクリエーションや グラウンド・ゴルフなど、屋外スポーツの 環境整備とこれらを通した交流促進 ⇒ 1,000人以上の利用を目指す。 (ウ) 果樹王国ひがしねさくらんぼマラソン大会 県外からの参加者の割合 平成22年度「60.3%」 ⇒ より多くの参加者を募る。 ひがしねの未来 137 1 第4章 こころ豊かな 人が輝く 教育と 文化のまち 第1節 幼児教育・学校教育の充実 課題と基本的な考え 少子高齢化社会では、未来のひがしねを担い、社会に貢献できる心豊かで心 身共にたくましい人材の育成が重要となります。 幼児期は、人間形成の基礎となる大切な時期であり、豊かな情操を育むと共 に、心身のたくましさを育てる教育が求められます。 子育て支援施策や福祉施策、家庭、地域、関係機関との連携を強化し、きめ 細かい対応などに努め、心身のすこやかな成長を図ります。また、子育てや教 育に関する不安、悩みに対応する相談体制の充実を図ります。 本市の小学校では、少人数学級(33人)編制を導入し、 きめ細かい教育を行っ ています。この少人数学級編成を順次中学校3学年まで導入します。 新学習指導要領への対応と、児童生徒の基本基礎学力の習得はもとより、本 市の地域資源を活用し、自然体験や職場体験など「実体験できる教育」を推進 します。また、市内の各学校においては、児童生徒数などの学校規模やその活 動内容が多様であることから、学校間、地域間での交流学習などを積極的に進 め、豊富な体験を通じて、個性と豊かな感性を伸ばす教育を進めます。 児童生徒の一人ひとりの実態を的確にとらえ、適切な指導や支援ができる よう研修の充実を図り、教職員の専門的技能の取得や指導力向上に努めます。 さらに、児童生徒の個性や能力に応じて、きめ細かな指導や支援を図るた め、教員の指導補助や児童生徒を支援する特別支援教育支援員の配置を進め ます。 138 ひがしねの未来 インターネット等の普及によって、児童生徒が巻き込まれる事件や、個人情 報の漏えい、インターネット上での書き込みなどによるいじめ等が新たな社 会問題となっています。高度情報化社会に適切に対応できるよう、教育用コ ンピューターをはじめとする各機器を整備活用し、情報活用能力を身に付け る教育とその指導力の向上を図ります。さらに、モラルの向上や情報の取り 扱いに関する教育を進めます。 また、生活指導を充実し、学校、家庭、地域と連携を図り、いじめや非行等 の防止に努めます。命や個人の尊厳を大切にする道徳の教育充実や低学年か ら高学年まで、各学年を通した活動、子どもクラブ活動、社会教育との連携な どにより、おもいやりの心、社会性、協調性などを育みます。 外国語指導助手(ALT)2名を小中学校に派遣し、外国語教育の充実を図って います。コミュニケーション能力と共に、国際的な視野を持ち、異文化への関 心を高め、国際化など新たな時代の求めに対応できる能力と感性を育む教育 本市独自に、学校における環境への取り組みとして、 「さくらんぼ環境 ISO」を実施しています。児童生徒自らが目標を定め、それに向かって努力す 基本計画 を進めます。 ることにより、少年期からの環境保全意識の醸成に大きな成果がみられます。 せた幅広い取り組みを実施します。 生活環境の変化に伴い、全国的に児童生徒の体力や運動能力の低下がみら れます。心身のすこやかな成長は、すべての基礎となることから、学校医をは じめ、関係機関、地域、家庭と連携しながら、保健指導を充実し、心の健康も 含めた保健体育の充実を図ります。 「知育」「徳育」「体育」の充実を図ると共に、本市独自の新たな取り組みと して、「(屋外版)子どもの遊び場」を子育て支援の実践施設、 「さくらんぼタ ントクルセンター」を子育て支援の拠点施設として位置付け、のびのびとした 自由で、好奇心、冒険心を満たす遊びや様々なふれあいを通して、自主性、創 造性、社会性などの生きる力を育む「遊育」を実施します。さらに、この「遊育」 の理念と実践を市内各地域へ広げ、地域の特性を活かした身近な場所での子 育てや教育を推進します。 第 4 章 : こころ 豊 か な 人 が 輝 く 教 育 と 文 化の ま ち さらに、福祉、ボランティア、地域活動など、学校ごとに地域の特色にあわ 学校給食は、児童生徒の心身の健全な成長を育む学校教育の一環です。栄 養管理、衛生管理はもとより、特別献立やバイキング方式など、おいしく楽し い食を通しての教育を実践します。さらに、食改善推進員をはじめ、地域、家 庭との連携を図り、健康増進意識と郷土愛を育み、地産地消、地元の生産者、 生産現場への理解や食文化の継承にもつながる「食育」を実践します。 ひがしねの未来 139 事故の未然防止と安全で快適な教育環境を目指し、学校施設の計画的な維 持管理と施設整備を進めます。さらに、学校校舎等の耐震化を計画的に進め、 平成27年度までには、市内すべての小中学校の耐震化を完了します。 また、全国的に、児童生徒が被害者となる事故や凶悪事件が発生しているこ とから、学校安全管理の徹底と子どもクラブ育成会、PTA、子ども見守り隊、 交通安全関係団体、青少年健全育成団体等との連携を図り、地域全体で児童生 徒の安全確保を進めます。 各施策の推進にあたっては、 「将来を担う子どもたちは、社会みんなで育てる」 意識を高め、地域、家庭、NPO 法人はじめ各団体、幼稚園、保育所、学校、市民 みんなで子育てと教育の実践を目指す「共育」の理念を構築し、推進します。 これまで、優秀な人材を輩出してきた県立東根工業高等学校が、再編され、 市外へ移ることは残念ですが、本市に設置が予定されている県立中高一貫教 育校については、生徒や保護者が6年間の一貫した教育課程や学習環境のも とで学ぶ機会を選択でき、学業はもとよりスポーツにおける技術的な向上な ど、生徒の能力や個性が飛躍的に高まるものと期待されています。 設置の早期実現を要望すると共に、県と連携を強化し、本市ならではの充実 した教育環境のもと多様な教育を目指します。 ◎学級・園児、児童、生徒数の推移 区 分 幼稚園 (学校法人) 学級数 (学級・人) 小学校 園児数 学級数 児童数 中学校 県立東根工業 高等学校 学級数 生徒数 学級数 生徒数 昭和60年度 15 445 112 3,559 44 1,676 18 726 平成2年度 18 500 113 3,345 48 1,748 18 712 平成7年度 19 483 107 3,090 51 1,647 18 679 平成12年度 19 477 108 2,790 50 1,527 16 591 平成17年度 17 360 108 2,686 50 1,346 15 588 平成22年度 16 327 116 2,688 49 1,288 12 460 各年度5月1日現在:管理課 140 ひがしねの未来 施策の体系 幼児教育・学校教育の充実 (1)幼児教育の充実 (2)小中学校教育の充実 (3)地域、家庭と連携した教育の推進 (4)教育環境の整備 (5)特別支援教育の充実 (7)高等学校教育の充実 (1)幼児教育の充実 ①幼稚園と家庭、保育所、小学校との連携強化 ②私立幼稚園の運営に対する助成 ③教育相談の充実 (2)小中学校教育の充実 ①基本基礎学力の向上 ②個性を伸ばし、自主性と創造性を養う教育の充実 ③豊かな人間形成を育む教育の推進 ④体験を重視した教育の充実 ⑤情報化教育、環境教育、福祉教育、男女共同参画教育、国際化教育など、 社会の要請に基づく教育の推進 第 4 章 : こころ 豊 か な 人 が 輝 く 教 育 と 文 化の ま ち 施策 基本計画 (6)食育の実践と学校給食の充実 ⑥教職員の資質向上 ⑦道徳教育の充実 ⑧いじめ、非行、不登校などの防止と対応及び教育相談体制の充実 ⑨少人数学級編成の中学校への導入とそのメリットを活かした 教育内容の充実 ひがしねの未来 141 ⑩健康な心と体を育むための保健体育の充実 ⑪心の悩みに関する相談活動、保健指導の強化 ⑫適切な健康管理に向けた保健指導の充実 (3)地域、家庭と連携した教育の推進 ①生涯学習など地域住民の自主学習の場としての学校施設の提供 ②学校行事や地域行事を通した地域との連携強化 ③郷土の教育資源の掘り起こしと教材化の推進 ④地域と連携した学校安全管理対策、不審者対策の推進 ⑤家庭、地域、学校の連携強化による指導体制の強化 ⑥ 「遊育」「共育」の実施 愛林公益会の協力による炭焼き体験 (4)教育環境の整備 ①施設設備の計画的な維持修繕 ②学校安全管理対策の充実 ③校舎等の計画的な整備による良好な学習環境の確保 ④高度情報化社会に対応する施設設備の整備 ⑤多様な学習活動をめざした特別教室の整備 ⑥東根市学校耐震化等計画に基づく学校施設の耐震化推進 耐震補強工事が完了した小学校校舎 (5)特別支援教育の充実 ①障がいの程度に応じた適切な教育、就学相談、交流事業の実施 ②心身障がい・発達障がいを持つ児童生徒への適切な教育を行うための 教育環境の整備 ③特別支援教育の研修などを通した教職員の指導力の向上 ④適切な就学指導を行うための福祉部門との連携強化 142 ひがしねの未来 (6)食育の実践と学校給食の充実 ①望ましい食習慣と豊かな人間関係を育む給食指導の充実 ②バイキング給食の充実 ③学校給食への理解を深める「学校給食ランチタイム」の推進 ④地元産食材の積極的活用 ⑤たくましく生きる力や心を育む学校給食の推進 ⑥食への理解を深める広報、研修会等の開催 ⑦家庭との連携によるバランスのとれた食生活の推進 (7)高等学校教育の充実 ①県立中高一貫教育校との連携、教育環境整備への協力支援 ②高等学校教育の充実の要請 施策の効果を表す指標 平成22年4月現在「75%」 ⇒ 平成27年度「100%」 第2 節 生涯学習の充実 課題と基本的な考え 心の豊かさ志向、学習意欲の高まり、市民活動の活発化などを背景として、 生涯学習の分野においても市民ニーズが多様化しています。 第 4 章 : こころ 豊 か な 人 が 輝 く 教 育 と 文 化の ま ち (ア) 小中学校校舎等の耐震化率 基本計画 ③高校生のボランティア活動など、各活動との連携協力推進 本市は、これまでも、各地区の集会施設整備を推進するほか、地域公民館や 学校施設、社会体育施設などを生涯学習の場として活用してきました。また、 平成17年4月、ホール機能を備えた「さくらんぼタントクルセンター」がオー プンし、生涯学習団体の活動と発表の場が拡充されています。さらに、今後、 東根本町まちづくり交付金事業において、地域の交流の拠点として新たな機能 を備えた東根公民館(地域交流センター)が開設することから活用を進めます。 ひがしねの未来 143 少子高齢化社会の進行、市民活動の活発化や高度情報化社会の進展、活動団 体の多様な交流、地域力の向上の必要性など、これら社会情勢の変化にあわせ て、生涯学習基本計画や生涯学習実施計画を見直し、新たな生涯学習推進体制 を構築し、その充実を図ります。また、多様化する市民ニーズを踏まえて、学 校、地域、家庭との連携を図りながら、幅広い年代と地域特性に対応した学習 機会の拡充や学習内容の充実に努めます。 子育てや PTA 活動、育成会活動、地域活動、ボランティア活動など、多様な 活動に積極的に参加することにより、自己研鑽につながり、連帯感が生まれ、 地域社会全体が活力に満ちると言われます。そのため、各活動を成人教育の 場となるよう、積極的に参加学習する意識の高揚とその仕組みづくりを進め ます。 さらに、情報の提供や機会と場の提供など、各団体の活動への支援と各地域 における生涯学習地区民会議などの活動を強化することによって、多くの住 民が参加する自主的な生涯学習の推進を促します。 また、大学や専門機関との連携強化を図りながら、生きがいや楽しみなどの 生涯学習活動に加え、学習成果を地域社会に還元する地域社会貢献型の生涯 学習を推進します。 市民と行政の協働による生涯学習を推進するため、平成14年(2002年)に 市民大学を発展させ、市民立大学「タントまなべ学園」を設立しました。市民 で組織する運営委員会により、特色ある各種講座の運営を行っています。引 き続き、学習内容の充実を図ります。 地域活動と生涯学習を充実するため各地域公民館に地域づくり推進員を配 置し、活動、学習内容の充実を図ってきました。今後、さらに自主的な学習活 動を通して地域課題を認識し、まちづくり活動に活かしていく発展的な学習 活動の推進と自主的、創造的な学習活動を継続的に実施していくため、指導者 の育成と人材確保に努めます。また、公民館活動と地域活動が融合しあう仕 組みの検討を進め、家庭、学校、地域、行政が一体となった学習環境の構築を 目指します。 さくらんぼ東根駅に併設したさくらんぼ図書館は、多くの利用があり、図書 の貸出率も高くなっています。 平成22年度から、さくらんぼ図書館に指定管理者制度を導入しました。今 後も、指定管理者との連携を図り、図書資料の整備を進め、地域住民の身近な 学習拠点、また、情報の拠点としての機能を強化し、幼児、小中学生から社会 人、高齢者など、幅広く市民が利用しやすいサービスや事業展開を検討し、さ らなる利用拡大を推進します。また、子どもが本に親しむことができる環境 を整備し、親子での読書活動を推進すると共に、各種講座などの充実を促進し ます。 144 ひがしねの未来 青少年の健全育成については、青少年育成協議会、青少年育成市民会議、青 少年補導センターとの連携による街頭指導などの活動を進めます。地域にお ける子ども見守り隊活動など、各団体との連携を強め、地域社会全体で青少年 の健全な育成に努めます。 また、核家族化などの進行によって、一世帯当たりの家族数も減少傾向にあ り、さらに、家庭での親子のふれあいの時間の減少や地域における人のつなが りが希薄化していると言われています。家族同士の心のつながりや互いに尊 重、理解し合う時間の共有を進めるための「家庭の日」の推進や家庭教育に関 する研修会などを充実します。さらに、地域でのコミュニケーションづくり を促すため、地域の各団体の活動を支援し、人と人のつながりを深めます。 施策の体系 (1)生涯学習に関する基本施策の推進 (3)生涯学習推進のための環境整備 (4)社会教育施設等の整備 (5)青少年の健全育成 (6) 家庭教育の充実と 地域コミュニケーションづくり 第 4 章 : こころ 豊 か な 人 が 輝 く 教 育 と 文 化の ま ち (2)地域に根ざした生涯学習活動の推進 基本計画 生涯学習の充実 ひがしねの未来 145 施策 (1)生涯学習に関する基本施策の推進 ①生涯学習の基本計画、指針となる生涯学習基本計画、 生涯学習実施計画の改訂 ②計画に基づく総合的、計画的、体系的な取り組みの推進 (2)地域に根ざした生涯学習活動の推進 ①多様化する学習ニーズへの対応 ②幼児期から高齢期までライフステージに応じた学習活動の推進 ③自主的学習活動への支援 ④大学など各種教育機関との連携による学習活動の推進 ⑤地域、学校、家庭との連携による生涯学習の推進 ⑥指導者、リーダーの人材育成推進 ⑦学習成果を地域社会に還元する地域社会貢献型の生涯学習の推進 ⑧生涯学習情報ネットワークの確立 ⑨各種媒体を活用した学習情報の提供 ⑩学習相談の充実 ⑪インターネットの活用による情報提供の充実 タントまなべ学園 (3)生涯学習推進のための環境整備 ①社会教育施設などの有効活用と整備の推進 ②地域公民館等での地域特性を活かした事業の推進 ③中央公民館と地域公民館の連携による学習内容の充実強化 ④ライフステージに応じた学習プログラムの充実 ⑤関係機関との連携による学習機会の拡充 ⑥公民館だよりやホームページなどによる情報提供の推進 ⑦地域住民の参画による公民館活動の充実強化 ⑧社会教育と地域づくり、多様な分野との融合する仕組みづくり ⑨情報の拠点としてのさくらんぼ図書館の機能充実 ⑩さくらんぼ図書館における幅広い年齢層向けのサービスの充実 ⑪親子による読書活動の推進 146 ひがしねの未来 ◎さくらんぼ図書館の蔵書数と貸出冊数 ■ 貸出冊数(のべ) (冊) 120,000 ■ 蔵書数 107,328 111,554 115,316 113,396 114,078 100,000 80,000 60,000 40,000 40,465 39,727 38,582 42,016 43,034 20,000 0 平成 17年度 平成 18年度 平成 19年度 平成 20年度 平成 21年度 生涯学習課 たくさんの人に本に 親しんでほしいな。 基本計画 さくらんぼ図書館 ①地域公民館の計画的な改築と修繕 ②公益文化施設用地への施設整備 (5)青少年の健全育成 ①青少年健全育成体制の充実 ②子どもクラブ育成会など関係団体との連携による活動充実 ③青少年の健全育成を推進する地域リーダーの育成 ④青少年育成市民会議などの組織強化 ⑤街頭指導の強化と非行防止の強化 ⑥不審者対策の強化 ⑦健全育成に関する学習機会の充実 第 4 章 : こころ 豊 か な 人 が 輝 く 教 育 と 文 化の ま ち (4)社会教育施設等の整備 ⑧世代間交流事業の実施 ⑨学校、家庭、地域と一体となった体験学習の推進 ひがしねの未来 147 (6)家庭教育の充実と地域コミュニケーションづくり ①家族の心のつながりを深め、地域のコミュニケーションを 図る意識の高揚 ②地域活動活性化のための支援充実 施策の効果を表す指標 (ア) さくらんぼ図書館の貸出率 平成21年度「265.1%/年」 ⇒ 充実を図り、貸出率の向上を目指す。 第3 節 芸術文化の振興 課題と基本的な考え 価値観やライフスタイルの多様化が進み、心の豊かさを求める傾向が強 まっています。本市では、東根市芸術文化協議会などの関係団体と連携を図 り、市総合文化祭や各地域における文化祭の開催、大ケヤキ全国書道絵画展を はじめとする文化振興事業の実施など、市民文化の振興と文化を通した交流 の拡大に力を入れてきました。また、本市は、これまで優れた芸術家や研究家 を輩出してきました。本市出身者の作品をはじめ、優れた芸術文化に触れる 機会の充実を図ることで、心に豊かさをもたらします。 「さくらんぼタントクルセンター」の開設や東の杜資料館の有効活用によっ て、優れた芸術文化の鑑賞や、日ごろの活動の成果を発表する機会が拡充され ています。引き続き、芸術文化事業を推進すると共に、各団体の自主的な活動 を支援します。また、芸術文化に関する指導者やリーダーの育成に努めるほ か、関係団体との連携を強化します。 既存施設の有効活用に努めると共に、用地の取得や必要機能の検討を進め、 公益文化施設用地への施設整備を進めます。 148 ひがしねの未来 施策の体系 芸術文化の振興 (1)多様な芸術、文化活動の推進 (2)芸術、文化環境の整備 施策 (1)多様な芸術、文化活動の推進 基本計画 ①芸術文化団体やサークルなどの育成 ②様々な分野、多様な地域との文化交流の推進 ③文化事業やイベントに関する情報の収集と提供 ④郷土に根ざした芸術文化の創造 ①芸術文化を鑑賞する機会の充実 ②芸術文化活動推進のための各種施設の有効利用 ③地元出身芸術家、作家の作品の収蔵と展示 ④芸術文化イベント開催の推進 ⑤公益文化施設用地の計画的な用地取得 ⑥公益文化施設用地への施設整備 施策の効果を表す指標 (ア) 大ケヤキ書道絵画展の出展数 平成21年度「33,000点」 大ケヤキ全国書道絵画展 第 4 章 : こころ 豊 か な 人 が 輝 く 教 育 と 文 化の ま ち (2)芸術、文化環境の整備 ⇒ 平成27年度「35,000点」 ひがしねの未来 149 第 4 節 スポーツの振興 課題と基本的な考え 時代の変遷とライフスタイルの変化に伴い、 「するスポーツ」 「みるスポー ツ」「支えるスポーツ」などと言われるように、スポーツに親しむスタイルも 多様化しています。高齢化社会の進行に伴い、心身共にすこやかに生活する ため、気軽にスポーツやレクリエーションができる環境整備が必要になって います。また、余暇時間の拡大、健康づくりや生きがいづくり、仲間づくり、 地域での親睦など、様々な理由からスポーツやレクリエーション活動への関 心が高まっています。 こうした状況の中、本市は、各種スポーツ教室や講習会を開催し、誰もが気 軽に楽しめるスポーツの普及に努めてきました。今後も、健康とスポーツの 結び付きを重視し、生涯スポーツとしてすべての市民がそれぞれの年齢、体 力、技術に応じてスポーツができる環境づくりに取り組む必要があります。 地域住民の主体的な運営によって、様々な種目のスポーツに親しむことを 目的とした平成18年度設立の「※総合型地域スポーツクラブ」を中心に、各団 体との連携協力を図り、「市民ひとり1スポーツ」の推進に努めます。 財団法人東根市体育協会に加盟している団体と連携し、スポーツの競技力 向上に努めてきました。今後さらに、県の事業の※スポーツタレント発掘事業 との連携をはじめ、指導力強化、スポーツ少年団の育成、競技団体の組織力強 化、選手、指導者への支援など、競技力向上対策を総合的に実施します。 グラウンド・ゴルフやパークゴルフなど、市民が楽しむスポーツの種目も 多様化しています。スポーツをする機会の拡充のため、市内の体育施設の有 効活用を進めると共に、需要に対応した施設整備の検討や老朽化した施設の 更新など整備拡充を検討します。 近年は、健康増進意識の高まりや余暇時間の過ごし方の多様化を背景に、 少人数のスポーツ、レクリエーションやトレーニングなどの個人で楽しむス ポーツの需要も高まっています。このような需要に対応する施設整備と市民 が活用できる体育施設を拡充するため、学校施設の開放や企業との連携、企業 が所有する体育施設の一般への貸し出しや利活用について検討を進めます。 150 ひがしねの未来 ※総合型地域 スポーツクラブ: 地域、団体などが連携し主 体となり組織運営するス ポーツクラブ。様々な興 味、技術レベル、年代の人 が集まり、様々な種目のス ポーツを楽しむことがで きる。 ※スポーツタレント 発掘事業: オリンピックや国際大会 などのトップレベルで活 躍する選手の輩出を目的 に、11歳以下の子どもた ちを募集し、適性の考慮や 発育・発達段階を踏まえ た育成プログラムを実施 する事業。山形県をはじ め、各関係団体により構成 する山形県スポーツタレ ント発掘事業検討委員会 が主催 施策の体系 スポーツの振興 (1) スポーツ振興に関する 基本施策の推進 (2)生涯スポーツの推進 (3)競技スポーツの振興 (4)スポーツの指導体制の整備 基本計画 (5) スポーツ施設の整備と 施設の利用拡大 第 4 章 : こころ 豊 か な 人 が 輝 く 教 育 と 文 化の ま ち 施策 (1)スポーツ振興に関する基本施策の推進 ① 「東根市スポーツ振興計画」の推進と改訂 (現計画の期間:平成16年~平成25年) ②計画に基づく総合的、計画的、体系的な取り組み (2)生涯スポーツの推進 ①学校、地域、競技団体などとの連携による「市民ひとり1スポーツ」の推進 ②生涯スポーツ意識の高揚 ③健康づくり事業の推進 ④生涯スポーツに関するイベントの開催 ⑤市民のニーズを踏まえた各種スポーツ教室の充実 ⑥生涯スポーツの推進に向けた支援強化 ⑦スポーツ指導員の活用と交流などによる指導体制の充実 ⑧スポーツを通した交流の促進 ⑨高いレベルのスポーツに触れる機会の拡充 ⑩総合型地域スポーツクラブの育成 総合型地域スポーツクラブのテニス教室 ひがしねの未来 151 (3)競技スポーツの振興 ①競技力向上対策の推進 ②県の「スポーツタレント発掘事業」との連携による競技力の向上 ③指導者研修の充実などによる指導力強化 ④各種スポーツ団体の自主的活動の推進 ⑤競技団体の組織力の強化 ⑥優秀選手、指導者への支援 ⑦大規模な各種スポーツ大会の誘致と開催支援 ⑧スポーツ少年団の育成 (4)スポーツの指導体制の整備 ①スポーツの指導者養成と登録制の検討 ②各種指導者講習会や研修会の開催 (5)スポーツ施設の整備と施設の利用拡大 ①老朽化した体育施設の計画的改修と整備の検討 ②大森山総合公園における体育施設の計画的整備の検討 ③学校体育施設の有効利用 ④体育施設に関する情報提供システム整備の検討 ⑤市民ニーズに対応した体育施設の利用目的転換の検討 ⑥個人で楽しむスポーツ施設整備や企業等施設の利活用の検討 施策の効果を表す指標 (ア) 成人の週1日以上のスポーツ実施率(運動スポーツに関する実態調査) 平成15年度「3人に1人」 ⇒ 平成25年度「2人に1人」 152 ひがしねの未来 第 5 節 文化財、伝統芸能、伝承文化の保護継承 課題と基本的な考え 市指定の有形文化財20件、史跡・天然記念物4件、無形民俗文化財7件に 関する保存活動に対して助成を行い、文化財の適切な保護と、保存団体や指導 者の育成に努めています。 また、郷土の歴史を物語る貴重な文化財の調査研究や、東の杜資料館で民俗 資料を公開するなど、市民の歴史と文化に対する認識を深め、文化財愛護意識 の高揚を図ってきました。 各地域に伝わる伝統芸能の継承や保存を目的に、市民自らが実行委員会を 堂に会し披露するなど、伝承文化の継承と普及啓発に寄与してきました。 今後も、引き続き、市民の文化財に対する理解と愛護意識を高めるため、文 基本計画 組織し実施してきた「Look for 伝承文化」は、市内外の伝統芸能保存団体が一 化財の公開と刊行物などの発行を進めます。また、伝統芸能の保護への適切 な普及啓発に努めます。 次世代へ引き継ぐひがしねのシンボルである国指定の特別天然記念物「東根 の大ケヤキ」をはじめとする各文化財の保護に努めます。また、県指定の天然 記念物「イバラトミヨ生息地」については、近年その生息数の減少が懸念され ていることから、引き続き、県や関係団体との連携を強化し、保護に努めます。 郷土の歴史を後世に伝えていくため、計画的に市史編さん事業を実施し、 市民の郷土に関する歴史認識や教育資料として活用してきました。市史とそ の編さん過程での関係資料を活用し、郷土の歴史についての理解を深めます。 また、価値の高い古文書などの資料の整備、保存、有効活用に努めます。 これら文化財、伝統芸能、伝承文化については、保護継承と共に、市民共通 の宝であり、ひがしねを象徴するものとして価値を高め、歴史と文化が香る魅 力と風格あるまちづくりに活用します。 第 4 章 : こころ 豊 か な 人 が 輝 く 教 育 と 文 化の ま ち な支援を行うと共に、地域におけるまちづくり活動との連携を強化し、積極的 ひがしねの未来 153 施策の体系 文化財、伝統芸能、伝承文化の保護継承 (1)文化財の保護と活用 (2)伝統芸能、伝承文化の保護と活用 (3)古文書などの保存と公開 施策 (1)文化財の保護と活用 ①国、県、市指定有形文化財の継承活動の推進 ②継承活動に対する支援 ③文化財保護意識の啓発 ④調査研究などによる適正な保護の推進 ⑤文化財、資料の公開と展示の推進 ⑥文化財マップの整備 ⑦史跡などの案内標識や案内板の整備 ⑧史跡等巡りコース、パンフレットなどの整備 (2)伝統芸能、伝承文化の保護と活用 ①市指定無形民俗文化財の伝承活動の推進 ②保存団体、サークルなどの育成 ③指導者と後継者の育成 ④伝承活動に対する支援 ⑤多様な地域、団体との交流促進 Look for 伝承文化 (3)古文書などの保存と公開 ①歴史的価値のある古文書などの収集、保存と公開、展示 ②市史を読む会など各種講座の開催 ③市史を活用し、要約版など利活用の推進 ④古文書等の※デジタルアーカイブ化の推進 154 ひがしねの未来 ※デジタルアーカイブ: いつでも、誰でも、どこで も、情報を検索や学習でき るよう様々な情報を電子 情報化しデータベース化 すること。 施策の効果を表す指標 (ア) 小見川のイバラトミヨの個体数 平成21年「0.18尾/㎡」 ⇒ 保全池の整備など、保護活動により個体数の増加を目指す。 平成27年度「1.00尾/㎡」 基本計画 イバラトミヨ 平成21年「0%」 ⇒ 平成27年度「50%」 第 4 章 : こころ 豊 か な 人 が 輝 く 教 育 と 文 化の ま ち (イ) 古文書等のデジタルアーカイブ化の推進 ひがしねの未来 155 第5章 市民みんなで力を あわせる協働のまち 第1節 協働のまちづくり 課題と基本的な考え 本市では、第三次東根市総合計画に、市民との協働のまちづくりを掲げ、取 り組みを進めてきました。 これまで、市業務の NPO 法人への業務委託や指定管理者制度に基づく指定 管理など、市民と行政が協働し、市政運営、まちづくりを進めてきました。平 成19年度から平成20年度にかけて実施された市制施行50周年記念事業で は、市民と市が協働し、企画立案や事業実施に至るまで、連携協力体制を構築 し、一丸となって各記念事業を展開しました。 少子高齢化時代を本格的に迎えようとしている今、多くの課題を克服し、持 続発展可能な地域社会の構築には、行政主体の施策展開から、市民一人ひとり の力の結集による新たなまちづくりの手法が注目されています。 今後、引き続き、市民と行政の協働のまちづくりを推進していくため、 NPO 法人やボランティア団体など、より多くの市民の行政参画を促進するシ ステムづくりが必要となります。 このためにも、本市がこれまで進めてきた市民との協働のまちづくりをさ らに発展させ、「※新しい公共」と言われる NPO 法人をはじめ、まちづくりの 担い手となる地域や各団体等が環境、福祉、防災など様々な分野で活躍できる 仕組みをつくります。 協働のまちづくりの理念を市民、NPO 法人、団体、企業、行政が共有する ために、協働のまちづくりの方針を策定し、さらに、活動事例紹介や情報収集 提供を通して、広がりを目指します。 市民の声を政策形成の過程に反映させるため、審議会や各種委員会などへ 156 ひがしねの未来 ※新しい公共: 教 育 や 子 育 て、ま ち づ く り、防 犯・ 防 災、福 祉 な どの分野における身近な 公共的活動やサービスを、 行政だけではなく、市民、 NPO、企業などの多様な 担い手が、実践、提供する 社会、現象、または考え方 の市民からの公募委員の増加を図ることや、より多くの市民が会議等に出席 できるよう開催曜日や時間帯の工夫に努め、市民参画の機会を拡充します。 また、条例、規則の制定や改廃、各種計画などを策定する際には、市民の声 を反映するため、市民の意向調査を行うほか、事前に案を公表して意見を求め る仕組みを検討します。 市民活動の活発化のためには、活動に関する情報の収集と発信、活動の拠 点、交流機会の充実が重要となってきます。新たに情報の受発信や市民活動 全般を総合的にサポートする仕組みを検討します。 施策の体系 基本計画 協働のまちづくり (1)協働のまちづくりの発展 (2)協働のまちづくり推進の体制づくり (1)協働のまちづくりの発展 ①協働のまちづくり推進に関する方針の策定 ②市民参加型市政の推進 ③各種審議会への市民参画の推進 ④各種実行委員会設置による市民参画の推進 ⑤市民の自主的活動を担うリーダー育成と人材育成 ⑥意見公募制度の方針策定の検討 ⑦NPO 法人や各団体の組織化や運営、事業に 対する支援の充実 さくらんぼマラソン大会のボランティア ⑧NPO 法人や各団体のネットワーク化の促進 第 5 章 : 市 民 み ん な で 力 を あ わ せる 協 働 の ま ち 施策 ⑨NPO 法人や各団体の活動情報の発信 ⑩ボランティア活動の促進 ⑪協働による市制施行60周年記念事業などの実施 地域での植栽活動 ひがしねの未来 157 (2)協働のまちづくり推進の体制づくり ①市民活動の情報収集発信や展示、活動の拠点整備の調査検討 ②市民活動全般をサポートする組織体制の検討 施策の効果を表す指標 (ア) NPO 法人(特定非営利活動法人)の数 平成22年4月現在「7団体」※東根市内に主たる事務所を設置している NPO 法人の数 ⇒ 様々な分野での活動を促進する。 第2 節 地域力の向上 課題と基本的な考え これまでも、本市では、市域の均衡ある発展を目指し、道路整備をはじめ、 公共下水道事業、合併処理浄化槽設置補助事業など快適な住環境の整備、地域 の特色にあわせた農業振興をはじめ、各産業の振興を積極的に推進してきま した。さらに、各小中学校の校舎等の計画的な改築、耐震化や保育所、児童セ ンター、学童保育所、集会施設等の計画的な整備を進めてきました。 また、これら社会経済基盤の整備のほかにも、各地区での生涯学習の推進や 地域づくりを推進するための支援、協働のまちづくりの理念のもと、地域の団 体等の地域活動への支援を積極的に実施してきました。 しかしながら、少子高齢化の進行と就労形態、ライフスタイルの多様化など を背景に、市中心部では人口が増加する一方、中心部以外では、人口が大きく 減少するという傾向が顕著になっています。さらに、少子高齢化社会の急速な 進行もみられ、生産年齢人口の減少など、地域活動の低下が危惧されています。 少子高齢化社会が現実となった今、市民誰もが、住み慣れた地域で、充実し た生活を営むためには、地域社会が本来備え持つ、ささえあい、たすけあいの 意識を高め、世代を超えて力を合わせる地域力の向上が不可欠となっています。 地域力を高め、活力ある地域社会を築くためには、日常生活の利便性を確保 することが重要であり、引き続き、市中心部や幹線道路等へつながる道路整備 や生活に密着した道路整備をはじめ、拠点性のある公的施設の計画的配置な ど社会基盤の整備を充実します。 158 ひがしねの未来 さらに、高齢化の進行に伴い、買い物などの日常生活に不便をきたさないよ う、高齢者の交通手段の確保や地域に密着した商業形態の促進など、住み慣れ た場所で、充実した生活を営むことができる環境の整備を促進します。 また、地域力を向上し、持続発展する地域社会を構築するためには、社会基 盤の整備のほかに、多様化するライフスタイル、価値観、人生観などに対応し、 そこに住む人々の考え方を互いに尊重することが重要となります。誰もが、 住みやすい環境とは何か、家族の絆を強めることや家族一人ひとりの役割、地 域での役割などを考える機会が必要です。社会構造、生活志向の変化に対応 する人と人との結びつき、かかわりあいのあり方を学び、共に行動することに よって、地域力の向上につながります。そのためには、自治会、各団体、地域 公民館、生涯学習団体の協力、参加、連携が必要です。幅の広い各年齢層の住 民が、集い話し合い、抱える課題を調査、検討、解決できる仕組みづくりを進 めることが大切です。そのプランづくりや地域づくり活動への支援を行う制 市民一人ひとりが、自らのまちに対し、何を成し得るかを考え、力を合わせ、 実践することにより、住むことに誇りと自信を持てる活力ある郷土ひがしね が実現されます。 は、情報を共有する仕組みも重要となります。 地域の魅力を市内外に発信し、豊かな自然やそこにしかない地域資源を活 用した地域の魅力を発信する仕組みをつくります。さらにそのネットワーク 化を図り、地域内外との交流を促進することにより、地域の活力を高めていき ます。 また、近年の少子化進行のひとつの要因として、晩婚化があげられていま す。出会いの場の創出のため、引き続き、各団体への支援、取り組みの充実を 図ると共に、活動組織や商工業関係者など、様々な組織、団体の会員等のネッ トワークを活用した取り組みを促進します。さらに、地域における若年層の 定住を促進する施策や若年層の集いの機会の拡充、時代の変化に即した個々 の人生観を尊重する意識づくりを促進し、誰もが生活しやすい地域づくりを 進めます。 第 5 章 : 市 民 み ん な で 力 を あ わ せる 協 働 の ま ち 住民が住む自治体を選ぶ時代とも言われるように、多様化する社会の中で 基本計画 度を新たに創設します。 これらを総合的に実施するため、「ともに築く地域未来創造事業」を新たに 創設し、活動の支援と推進体制を構築します。 また、地域力の向上を目指して、地域活力向上の拠点とすべく、地域公民館 などを活用した新たな組織体制、仕組みの調査検討を進めます。 ひがしねの未来 159 人口は、市中心部では 増加しているけど、 中心部以外では減少して いるのがわかるね。 ◎地区別の人口(全年齢)の変化 平成12年 (人) 全体に占める 割合(%) 平成22年 (人) 全体に占める 割合(%) 増減(人) 東 根 16,155 36.0 17,819 38.4 1,664 10.3 東 郷 3,897 8.7 3,404 7.3 ▲ 493 ▲ 12.7 高 崎 2,136 4.8 1,846 4.0 ▲ 290 ▲ 13.6 神 町 11,371 25.3 12,681 27.3 1,310 11.5 大 富 4,375 9.8 4,407 9.5 32 0.7 小田島 3,852 8.6 3,516 7.6 ▲ 336 ▲ 8.7 長 瀞 3,084 6.8 2,720 5.9 ▲ 364 ▲ 11.8 地 区 ▶ 増減率(%) 各年4月1日の住民基本台帳登録者数 施策の体系 地域力の向上 (1)地域力向上のための基盤整備 (2) ともに築く地域未来創造事業の 創設と推進 (3)地域力向上のための体制づくり 施策 (1)地域力向上のための基盤整備 ①地区集会施設の整備推進と積極的活用促進 ②集会施設等整備費補助制度の充実 ③コミュニティ広場等の整備の促進 ④拠点性のある公的施設の計画的配置 ⑤身近な生活道路網の整備促進 ⑥利便性の高い公共交通手段の検討 ⑦地域密着型、宅配方式などの商業形態の導入促進 160 ひがしねの未来 高崎地区のだんご大運動会 (2)ともに築く地域未来創造事業の創設と推進 ①地域活動支援交付金制度の創設 ②地域づくりへの参画意識醸成と地域課題解決の話し合いの場の充実 ③地域プランづくりへの支援 ④地域づくりアドバイザーの派遣支援 ⑤地域づくり活動への支援 ⑥地域の積極的 PR、交流活動への支援 ⑦活動の例となるモデル事業の創出と推奨 ⑧後継者対策活動への支援 ⑨地域づくりに関する調査研究の実施 ⑩地域づくり学習会の開催 ⑪若年層を対象とした意識調査の実施 ⑫家族の絆を強める意識の高揚 ⑭自治組織未加入者等への加入促進 ⑮市民まちづくり活動基金などの創設検討 ⑯空き家情報提供など、定住促進施策の充実 基本計画 ⑬地域活動ネットワーク化推進 ⑰定住促進補助制度創設の検討 ①地域活動をサポートする組織体制の検討 ②地域公民館などを活用した仕組みの調査検討 第3 節 男女共同参画社会の推進 課題と基本的な考え 第 5 章 : 市 民 み ん な で 力 を あ わ せる 協 働 の ま ち (3)地域力向上のための体制づくり 人々が心豊かに生活し、活力ある地域社会を築くためには、男女が社会の対 等な構成員として、自らの意思であらゆる分野の活動に参加する機会が保障 され、喜びも責任も分かち合う男女共同参画社会の実現が必要です。 本市は、男女共同参画社会の実現に向け、平成14年(2002年)に「東根市 男女共同参画社会推進計画」を策定しました。これに基づいて、男女の固定的 な役割分担意識や社会慣行の見直しに向けた意識改革の促進などの取り組み ひがしねの未来 161 により、女性の社会参加や、個性と能力を十分に発揮するための環境整備を進 めてきました。 人権とお互いの性が尊重される社会を構築するため、男女平等意識の高揚 を図る教育の推進、学習機会の提供に努めます。また、行政組織における積極 的な女性の登用をはじめ、あらゆる分野で男女共同参画の推進に向けた環境 の整備に努めます。 本市における女性の就業率は全国的にみても高い水準にあり、仕事を持つ 女性が、安心して子どもを生み育てることができる環境の整備が大切です。 男性の育児休業制度の活用をはじめ、家庭内において、男女が互いに役割を担 う共同参画など、様々な場面において、地域、家庭、職場、行政が一体となっ て取り組むことが必要です。 働くことは、すべての人に保障された権利であり、性別による権利の侵害は 許されるものではありません。普及啓発により就業環境の改善を図っていく と共に、就労に関する支援施策を拡充し、誰もが、安心して働き続けることが でき、家庭や社会における責任を共に担う社会の構築を目指します。 施策の体系 男女共同参画社会の推進 (1) 男女共同参画社会実現への 基本施策の推進 (2) 男女共同参画社会実現への 意識改革の推進 (3)あらゆる分野での男女共同参画推進 (4)誰もが働きやすい環境整備の推進 162 ひがしねの未来 施策 (1)男女共同参画社会実現への基本施策の推進 ① 「東根市男女共同参画社会推進計画」に基づく総合的、計画的、体系的な 取り組み (2)男女共同参画社会実現への意識改革の推進 ①学校教育、社会教育などにおける意識の醸成 ②理解を深めるための広報、啓発活動と調査研究、情報収集、情報提供の推進 (3)あらゆる分野での男女共同参画推進 ①各種審議会などにおける女性委員の構成比率の拡大 基本計画 ②社会活動、地域活動への参画促進 ③地域活動における男女共同参画の促進 ④地域リーダーの養成 ⑤農業分野などにおける男女共同参画の促進 (4)誰もが働きやすい環境整備の推進 ①就業機会の拡充と就業環境の整備促進 ②男女雇用機会均等法、育児・介護休業制度など、 就労に関する諸制度の普及啓発 ③各種講習会などによるスキルアップ促進 ④就業相談の充実、雇用情報の収集と提供 ⑤ワーク・ライフ・バランスの推進 ⑥子育て支援施策の充実による就労と育児の両立支援 ⑦在宅福祉施策の充実による就労と介護の両立支援 ⑧家庭における男女共同参画の促進 施策の効果を表す指標 (ア) 市の審議会等における女性委員の割合 平成21年度「22.1%」 ⇒ 平成27年度「40%」 ※家族経営協定: 農業などの家族経営につ いては、経営と生活の区分 が明確でなく、世帯員の役 割 や 労 働 時 間、報 酬 な ど の就業条件が不明確にな りやすい。配偶者や後継 者をはじめ、家族のそれぞ れの役割、働きを互いに評 価、認め合い、家族が経営 に主体的に参画でき、意欲 と能力を発揮できる環境 を整備することが大切と なる。このため、休日や労 働時間、報酬などの就業条 件などについて、家族の話 し合いにより締結する協 定のこと。 第 5 章 : 市 民 み ん な で 力 を あ わ せる 協 働 の ま ち ⑥農業や自営業等における※家族経営協定などの普及促進 ひがしねの未来 163 第6章 計画推進のために 0 00 0 第1節 大けやき行政の推進 課題と基本的な考え 急激な経済情勢の変化、国政レベルでの政策転換、行財政改革や地方分権、 地域主権の推進など、地方自治体を取り巻く環境は、大きく変化しています。 これらの急激な社会情勢の変化に対応し、持続発展する地域社会を構築す るためには、計画性、透明性を確保し、目標を明確にして、常に、見直しとそ の効果を検証する柔軟で効率的な行政運営が必要となります。また、地域の ことは、地域住民が決める地方自治の理念にのっとり、常に市民の声を反映 し、市民目線での行政運営を進める必要があります。 市政に関する情報を広く発信するため、市報やホームページ、テレビ番組や メールマガジンなどによる情報提供を行ってきましたが、より広い範囲に情 報を発信するため、多様な媒体の活用を検討します。 「市長のふれあい座談会」、「市長と語る日」、「市長と語る懇談会」の開催、 「※声の宅配便」や電子メールでの広報広聴を実施してきました。また、行政 の公平性と透明性を確保し、市民と協働のまちづくりを進めるためには、情 報の公開、共有が重要となります。公開資料の充実を図るなど、積極的かつ 適切な情報公開制度の運用を図ります。また、個人情報保護制度についても 適切な運用に努めます。 地方分権、地域主権が推進され、自己決定、自己責任の原則のもと、創意と 工夫による自治体運営が求められています。社会経済情勢の変化に柔軟に対 応できるよう、健全財政を堅持すると共に、協働の理念に基づき、指定管理者 制度の積極的な導入と民間委託を推進し、効率的かつ効果的な行政運営を進 めます。 164 ひがしねの未来 ※声の宅配便: ハガキや市ホームページ のメールフォームにより、 市政全般にわたる意見や 要望、質問、提案、感想な どを随時受け付ける本市 独自制度 官と民の役割分担について整理し、「民ができることは民が担う」という基 本的な視点で行財政運営を行っていく必要があります。市の業務の中で委託 することが可能な業務を精査し、こうした業務の委託や指定管理を推進しま す。公共施設整備や運営に際して、民間の資金とノウハウを活用し、事業費負 担の平準化を図る※ PFI 方式の導入を積極的に推進してきました。こうした実 績を踏まえ、効果的な行財政運営の一層の推進を図ります。 平成17年度に、行政組織のあり方、市民と行政の協働の推進、民間経営の 観点を取り入れた行政運営システムを確立するための指針を掲げた「第四次 東根市行財政改革大綱」を策定しました。この大綱に基づいて、多様化する市 民ニーズに対応した行政運営と、地方分権に適応する行政運営や自立性の高 い財政運営の確立に取り組んできました。 新たに策定する「第五次東根市行財政改革大綱」に基づき、行政の果たすべ き役割を整理し、最小の経費で最大の効果が得られる効率的な行財政運営に 基本計画 努めます。また、中長期的な視点に立った計画的な財政運営を行い、財政の健 全性を堅持します。 新たな行政需要に対応するため職員の適正配置を行うことによって、職員 数増加の抑制を図り、定員管理の適正化を進めます。また、行政を取り巻く環 る職員を育てるため、職員の能力開発と人事評価システムの充実を図ります。 各種業務について、電算化を進めてきましたが、今後も、市民サービスの向 上と事務処理の迅速化、効率化を図るため、飛躍的に開発が進む情報処理技術 や通信技術を有効に活用し、システム構築、運用コスト面で効果が期待されて いる※クラウドコンピューティングなどの検討を進め、各種業務について効率 的なシステムの導入を推進します。電子政府、電子自治体の構築に向けた取 り組みや、県と連携を図りながら公的個人認証サービスを活用した住民サー ビスの充実について検討します。 また、事後保全から予防保全へと言われるように、公共施設の維持管理手法 についても、方針転換が求められる時代に変わりつつあります。道路、橋りょ う、下水道施設などの長寿命化対策をはじめ、社会資本を資産ととらえ、最も 費用対効果の高い資産管理、維持管理を推進し、計画的で効率的な公共施設の 維持管理、修繕に努めます。 本市では、平成13年度から窓口業務の一部を午後6時30分まで延長して います。今後、さらに住民の利便性の向上を図るため、市民ニーズに応えた窓 口業務のあり方などについて検討します。また、様々な技術革新や情報通信 技術が進んでいることから、これら技術を活用した各証明書の自動交付や窓 口業務における※ワンストップサービスなどの導入について検討します。 ※ PF I: Private Finance Initiative の 略。 公 共 事 業として行われてきた施 設整備や運営に対し、民間 の資本や手法の活用を図 り、効率的かつ効果的な整 備を促進するための民間 活力導入の手法 ※クラウド コンピューティング: インターネット上にある ハードウエアやソフトウ エアをどこに存在するか を意識せずに必要なとき に必要なサービスを利用 できるネットワーク形態。 一 般 に、シ ス テ ム 構 築 に かかる費用や運用にかか るコストを削減できるメ リットがあると言われて いる。 第 6 章 : 計 画 推 進の た め に 境の変化に対応できる発想と広い視野を持ち、政策形成能力を備えた意欲あ ※ワンストップサービス: 市民生活の利便性を高め るため、各行政機関や庁内 において、関連する業務の 各種申請手続きなどを、ひ とつの窓口で行えるよう にするサービス。各制度 の仕組みの見直しや電算 機器の整備、オンライン化 などの検討すべき課題も 多い。 ひがしねの未来 165 施策の体系 大けやき行政の推進 (1)市民と共に歩む市政の推進 (2)広報活動の充実 (3)広聴活動の充実 (4)公正で透明性の高い市政の推進 (5) 安定した強固な財政基盤を持つ 市政の推進 (6)柔軟で効率的な市政運営の推進 (7)事務事業の効率化 (8)人事管理の適正化 (9)効率的な事務処理 (10)行政サービス体制の充実 施策 (1)市民と共に歩む市政の推進 ①市民と行政の協働のまちづくりの推進 ②ともに築く地域未来創造事業の推進 ③市民目線での施策の展開 ④行政運営全般における市民参加の推進 ⑤主要な政策決定過程における意見公募の実施 ⑥公共施設における市民憲章の掲示 ⑦市民憲章の普及と実践運動の推進 市長のふれあい座談会 166 ひがしねの未来 (2)広報活動の充実 ①市民から親しまれるわかりやすい広報紙づくりの推進 ②多様なメディアを活用した広報活動と情報提供 ③ホームページを活用した情報提供の充実 ④移動体通信(携帯電話等)を活用した情報提供の充実 ⑤声の広報の推進 ⑥報道機関などへの適切、的確な情報の発信と提供 ⑦※広報モニター、※広報レポーター活動の充実 ⑧市報のコンビニ配置など市報の効果的な配布方法の検討 (3)広聴活動の充実 ①市長のふれあい座談会など、対話を重視した広聴活動の充実 基本計画 ②インターネット等を活用した広聴活動の充実 ③市民アンケート調査の実施 ④市政への要望、陳情、相談窓口体制の充実 ⑤要望、相談等への迅速的確な対応 第 6 章 : 計 画 推 進の た め に (4)公正で透明性の高い市政の推進 ①情報通信技術を活用した議会、会議中継等の推進 ②審議会等の公開の原則による開催 ③情報公開制度の充実 ④適正な文書管理の推進 ⑤資料のデータベース化による適正な情報管理の推進 ⑥わかりやすい予算情報や財務諸表などの積極的な広報 ⑦個人情報保護制度の適切な運用 (5)安定した強固な財政基盤を持つ市政の推進 ①中長期的展望による計画的な財政運営の推進 ②補助金、負担金、交付金の見直しと整理合理化の推進 ③各種団体の財政基盤強化に向けた指導 ④使用料、手数料など受益者負担の適正化推進 ⑤普通財産の積極的処分 ⑥市税の適正課税と収納率向上対策の推進 ※広報モニター: 市報や市のホームページ について、よりわかりやす く、親しみやすいものとす るため、市の広報活動全般 について、モニター員より 幅広く意見を求める本市 独自の制度 ※広報レポーター: 市内の様々な市民活動や 行事などについて、市民自 らが取材活動を行い、市報 や市のホームページに寄 稿する本市独自の制度 ひがしねの未来 167 ⑦収納率向上に向けた体制強化と環境整備 ・収納対策本部による収納対策の強化 ・納税アドバイザー、納税相談員による収納対策の強化 ・(仮称)※滞納整理機構の設立要望 ・コンビニ収納など収納環境の整備 ⑧家屋の一斉調査など課税客体の適正把握の推進 ⑨保育料、学校給食費など、収入の滞納防止と収納強化 ⑩経常経費の抑制 ※滞納整理機構: 社会情勢などの変化に伴 い、市税滞納などの債権の 取 り 扱 い に つ い て、広 域 化、専門化しているため、 債権の回収について、都道 府県単位や広域市町村で 組合などを組織し、債権の 回収を推進する組織。県 内にこのような組織がな いため、本市では、県へ設 立に向けた要望をしてい る。 ⑪施策の効果を検証し、明確にする仕組みの構築 ⑫※健全化判断比率や※バランスシート方式などの財務諸表による 財政状況把握の推進 ⑬市債の適正な発行と管理 ⑭透明で公平な競争性の高い入札制度の運用推進 ⑮効率的な行財政運営のための財務規則などの見直し推進 ⑯関係各種団体の運営に対する適正な指導と事務移管の推進 ⑰公共施設の長寿命化対策など、計画的な修繕の実施 ⑱公営企業等の経営健全化の推進 ◎健全化判断比率 (%) 区 分 平成19年度 平成20年度 平成21年度 実質赤字比率 赤字なし 赤字なし 赤字なし 連結実質赤字比率 赤字なし 赤字なし 赤字なし 15.9 15.7 15.0 133.6 122.0 126.3 ※ 実質公債費比率 ※ 将来負担比率 財政課 (6)柔軟で効率的な市政運営の推進 ①※第五次東根市行財政改革大綱の推進 ②地域主権(地方分権)への対応と税源移譲など適正な財源確保の要請 ③事務事業の見直しの実施 (7)事務事業の効率化 ①組織機構見直しの推進 ②民間委託可能な業務の抽出と検討 ③事務事業の改善と統廃合の検討 ④業務改善提案制度の充実 ⑤職員アイデア提案制度の充実 ⑥業務委託や指定管理者制度の活用 ⑦民間の資金とノウハウを活用した施設整備と運営検討 168 ひがしねの未来 ※健全化判断比率: 自治体財政の健全度を示 す指標。「実質赤字比率」 「連結実質赤字比率」「実 質 公 債 費 比 率 」「 将 来 負 担比率」の4つの指標があ る。いずれも、数値が低い ほど健全とされている。 ※バランスシート: 貸借対照表。一定の時点 で、自治体の資産、負債等 を表形式で表し財務状況 を明らかにしたもの。 ※実質公債費比率: 市の借金の返済にあたる 元利償還費の水準を計る 指標。この指標が25%以 上となると早期健全化団 体となり、早期健全化策が 求められる。 ※将来負担比率: 公営企業、土地開発公社な ど を 含 め た、将 来 市 が 負 担すべき負債を示す指標。 この指標が350%以上と なると早期健全化団体と なり、早期健全化策が求め られる。 ※第五次東根市 行財政改革大綱: より効率的な行財政運営 を推進するために定める 指針。職員定員管理や事 務事業の方向性など、市の 様々な分野にわたり、専門 家や市民の意見を踏まえ て定められる。本市では、 昭 和61年 に 最 初 に 策 定 し、近年では、5年ごとに 策定している。第五次は、 平成23年度からスタート (8)人事管理の適正化 ①事務事業の適正把握と適正な職員の定員管理 ②研修などを通した職員の意識改革と資質の向上 ③市民から信頼され、親近感をもたれる職員の育成 ④政策形成能力や創造力を有する職員の育成 ⑤職員の士気の高揚と公務能率の向上に向けた能力重視に基づく 人事管理の確立 ⑥人事評価システムの確立と活用推進 ⑦職員提案制度の充実と自主研修グループの育成 (9)効率的な事務処理 ①東根市情報化基本計画に基づく計画的な事務の電算化推進 基本計画 ②住民、税、介護保険、財務会計などのオンラインシステムの充実 ③各種システムのトータルシステム化の推進 ④庁内や庁外出先機関における LAN の構築による行政事務の トータルネットワークシステムの整備 第 6 章 : 計 画 推 進の た め に ⑤住民基本台帳ネットワークシステムへの対応と住民基本台帳カードを 活用した証明書発行の検討 ⑥戸籍システム構築の継続と戸籍事務オンライン化の検討 ⑦GIS(地理情報システム)の活用 ⑧電子申告、電子申請の普及促進 ⑨滞納管理システムの充実と活用 ⑩クラウドコンピューティングなど、新たなシステムの調査研究 (10)行政サービス体制の充実 ①公的個人認証サービスを活用した住民サービス充実の検討 ②休日、時間外における諸証明書発行などのサービス充実の検討 ③行政窓口のワンストップサービス化の検討 ④公民館などの公共施設における行政サービスの拡充と機能の充実検討 ⑤インターネットなどを活用した公共施設案内、予約システム導入の検討 ⑥電子申請、電子申告の普及促進と対象業務の拡大検討 ⑦民間施設などを活用した行政サービス提供の検討 ⑧コンビニ収納や※マルチペイメントネットワークを活用した収納の検討 ※マルチペイメント ネットワーク: 各種料金や税などの収納 を行う機関と金融機関と を つ な ぐ ネ ッ ト ワ ー ク。 こ れ に よ り、利 用 者 は ATM やパソコン、携帯電 話などから、公共料金や税 の支払いなどを行うこと ができ、また、そのデータ は収納機関や金融機関へ 即座に反映される。 ひがしねの未来 169 施策の効果を表す指標 (ア) 市ホームページへの年間アクセス件数 平成21年度「218,048件」 市報や市ホームページには、 申請手続きや生活に関する 便利な情報が充実しているよ。 ⇒ 内容の充実とアクセス件数の増加を目指す。 (イ) 「声の宅配便」の取り扱い件数 平成21年度「61件」 ⇒ 幅広く多くの市民の声を市政に反映するため、 広聴の充実を目指す。 (ウ) ※経常収支比率 平成21年度「83.8%」 ⇒ 歳入の確保と経常的な歳出の抑制を図り、 財政構造の弾力性の維持に努める。 (エ) 将来負担比率 平成21年度「126.3%」 ⇒ 健全財政の維持に努める。 (オ) 実質公債費比率 平成21年度「15.0%」 ⇒ 健全財政の維持に努める。 (カ) 職員採用平準化計画 基準年度 平成14年度 目標年度 平成25年度 ⇒ 平成25年度 計画目標達成を目指す。 ※経常収支比率: 人件費や公債費などの経 常的な経費に、市税や地方 交付税などの、経常一般財 源がどの程度充当された かをみる指標。この比率 が低いほど財政に弾力性 がある。 170 ひがしねの未来 第2 節 広域連携、国県との連携 課題と基本的な考え 隣接市町や村山地域(7市7町)で、各分野において、協議会や検討会等を組 織し、目的の実現に向けて、連携を強めています。 引き続き、隣接市町や村山地域市町との連携、協力体制を検討し、広域的な 取り組みによる効率的かつ効果的な行政運営を目指します。また、近隣の自 治体との共同処理が適している業務については、積極的に広域行政を推進し ます。 基本計画 市民の生活、社会、経済活動は、市域の境界にとらわれない広域性を有して います。そのため、市民の活動エリアを考慮した広域連携を調査検討します。 平成22年(2010年)3月策定の第3次山形県総合発展計画では、本市を含 む村山地域の発展の方向性が示されています。 第 6 章 : 計 画 推 進の た め に その中で、村山地域へ期待する内容として、地域資源を活かし新しい価値を 生み出す産業群の育成と交流と連携で活性化する中核都市圏の形成、安心し て暮らせる新たな田園都市圏の創成が掲げられています。 本市は、産業面で、県内屈指の工業団地が所在し、求心力のある商業、さく らんぼをはじめとした果樹生産、稲作、啓翁桜などの複合経営農業がみられま す。また、山形空港、山形新幹線、東北中央自動車道をはじめ、高速交通網の 結節点にあり、仙台圏域とも隣接するなど観光、文化も含めた交流基盤が整っ ています。さらに、豊かな自然、農村集落に代表される地域コミュニティなど、 本市は、新たな価値を生み出す産業群の形成、交流と連携で活性化する中核都 市圏の中心市、安心して暮らせる新たな田園都市など、村山地域に期待される 要素を兼ね備えるポテンシャルの高い都市であります。 このようなことから、これからのまちづくりの手法として、山形県の内陸 部、村山地域の中でも、本市の果たす役割がますます重要となってくるものと 考えられ、そのためにも、近隣市町との広域連携をさらに強め、※定住自立圏 構想などの検討や本市の担うべき役割を常に意識したまちづくりを推進する 必要があります。 地域主権(地方分権)の推進により、国と地方は、上下主従の関係から、対等 協力の関係へと役割が変化し、従来にも増して、まちづくりにおける地域の独 自性と住民主体の自治体運営が求められています。 国の地方への財政措置や規制などに関しても、地域再生や構造改革特区制 度にみられるように、地方自治体の意見を尊重するシステムの充実や国と地 ※定住自立圏構想: 人口など一定の条件を満た す自治体を「中心市」とし、 その周辺市町村と協定を結 び、都市機能の集約や機能 を担い合うなど、圏域とし て定住、自立、発展を目指 していく総務省の施策 ひがしねの未来 171 方の役割分担の明確化を図り、自主的で自立的な行政運営が進められるよう 税源と権限の移譲を働きかけていきます。また、 各施策や事業の推進にあたっ ては、円滑で、十分な効果のある施策となるよう、国県や関係機関の動向を見 極めながら、連携強化に努めます。 また、本市には、陸上自衛隊神町駐屯地や林木育種センター、山形空港など、 国県の関連施設が数多く所在しています。これらの施設を有効に活用したま ちづくりを推進するため、さらなる連携強化を図る必要があります。 東根市が構成員となっている 一部事務組合等の状況 ※ ・東根市外二市一町共立衛生処理組合(一部事務組合) 構成:東根市、天童市、村山市、河北町 ・北村山公立病院組合(一部事務組合) 構成:東根市、村山市、尾花沢市、大石田町 ・北村山広域行政事務組合(一部事務組合) 構成:東根市、村山市、尾花沢市、大石田町 ・河北町ほか2市広域斎場事務組合(一部事務組合) 東根市外二市一町共立衛生処理組合 構成:東根市、村山市、河北町 ・山形県後期高齢者医療広域連合( 広域連合) ※ 構成:県内全市町村 ・山形県消防補償等組合(一部事務組合) 構成:県内全市町村 ・山形県自治会館管理組合(一部事務組合) 構成:県内全市町村 北村山公立病院 ・山形県市町村職員退職手当組合(一部事務組合) 構成:県内31市町村+一部事務組合 平成21年度末現在 施策の体系 広域連携、国県との連携 (1)広域組織の連携強化 (2)近隣市町や広域での連携の強化 (3)国県との連携強化 172 ひがしねの未来 ※一部事務組合: 地方自治法の規定に基づ き、地方公共団体で構成す る組合。特定の事務の一 部を共同で処理する目的 で設立している。 ※広域連合: 地方自治法の規定に基づ き、地方公共団体で構成す る組合。事務を共同で処 理する目的という点では、 一部事務組合と同じだが、 構成において、県と市町村 との組み合わせなど多様 な組み合わせも可能で、一 部事務組合よりも複合的 な事務処理も可能となる メリットがある。 施策 (1)広域組織の連携強化 ①既存組織の連携強化 ②各分野での情報交換、意見交換の充実 ③市民の活動エリアを考慮した広域連携のあり方の検討 (2)近隣市町や広域での連携の強化 ① (仮称)滞納整理機構設立に向けた検討と要望の実施 ②観光分野など広域的なネットワークの構築検討 ③消防業務などの各分野において、近隣市町との課題共有と 連携協力体制の推進 ④都市機能のネットワーク化と都市機能の役割分担の検討 基本計画 ⑤本市を中心市とした定住自立圏構想の検討 ⑥県域、村山地域における本市の果たす役割を意識した広域的取り組み の推進 ・新たな産業群の形成 第 6 章 : 計 画 推 進の た め に ・交流、連携の拠点 ・新たな田園都市像の創成 (3)国県との連携強化 ①国県との情報の共有、意見交換の充実 ②国県への要請活動 ③国県関係機関、団体との連携充実 施策の効果を表す指標 (ア) 広域行政による取組件数 平成22年4月現在「10件」※地方自治法の規定に基づく一部事務組合、広域連合、事務委託によるもの ⇒ 観光、債権回収など多様な分野での広域連携の検討を進める。 ひがしねの未来 173 第 4 次東根市総合計画 市民アンケート集計結果の概要 1. 主旨 第4次東根市総合計画策定に関し、まちづくりに対する市民の方々の意向、動向を把 握するために実施しました。 2. 調査時期と調査方法 平成21年8月30日を基準日として、住民基本台帳に登録されている16歳以上の男女 39,279人のうち、3,000人を無作為に抽出し、郵送調査法に基づき実施しました。 調査票の最終回収/平成21年12月25日 3. 回収状況 調査対象件数3,000件中、回収数1,511件、回収率50.4%でした。 区分 地区 東根 調査対象件数 1,151 回収数 618 神町 東郷 高崎 大富 小田島 長瀞 (件) 合計 808 223 121 286 232 179 3,000 382 95 56 144 113 92 1,511 ※回収数の合計欄は、地区名の回答がない11件を含むものです。 4. 集計方法 ・回収内容を100分率 (%) で集計出力しています。 ・複数回答の問は、回答者が複数の項目を選択しているため、各回答項目の合計比率は 100%を超えています。 5. アンケートの設問内容 ・ 「生活環境」、 「まちづくり」、 「社会的施設の整備」 、 「少子高齢化、福祉」 、 「産業振興」 、 「教育・文化振興」、 「ボランティア活動・まちづくり活動」 、 「市政」の8分野について 尋ねました。 ・設問は問1から問24までの24項目で構成されています。 174 ひがしねの未来 生活環境について 問1 今あなたの住んでいるところをどう思いますか。 (1つ選択) 住みにくい 2.8% どちらとも いえない 12.8% 住みにくい 2.8% 無回答 0.7% わからない 0.8% 無回答 0.7% どちらかといえば 住みにくい 7.1% 住みよい 30.8% 資 料 どちらかといえば 住みにくい 7.1% わからない 0.8% 住みよい 24.3% どちらとも いえない 20.3% 【参考】前回調査(平成11年) 住みにくい 5.1% どちらかといえば 住みにくい 10.2% わからない 0.5% 無回答 1.3% 市 民アン ケ ート 集 計 結 果の 概 要 どちらかといえば 住みよい 45.0% どちらかといえば 住みよい 45.0% ● 「住みよい」 (「どちらかといえば住みよい」 を 含 む )と 答 え た 人 の 割 合 は、75.8 % と なり、10年前の前回調査(平成11年)の 住みにくい 5.1% わからない 62.6%を大きく上回り、 「住みにくい」 (「ど0.5% ちらかといえば住みにくい」を含む) につい 無回答 1.3% どちらかといえば ても、15.3%から9.9%に大きく減少して 住みにくい いる。 10.2% 住みよい 30.8% どちらとも いえない 12.8% 住みよい 24.3% どちらとも いえない 20.3% どちらかといえば 住みよい 38.3% どちらかといえば 住みよい 38.3% ひがしねの未来 175 問2 あなたは、東根市の生活環境について どの程度満足していますか。 「満足」+「どちらかといえば満足」 ごみの収集・処理状況 72.4 緑の豊かさ 70.9 自然景観 65.4 日常の買い物の便 59.8 し尿の収集・処理状況 58.2 防犯・風紀のよさ 57.2 防火、火災・救急体制 54.4 近所どうしの助け合い 48.9 道路交通の安全さ 48.3 下水や雨水などの排水処理 47.8 子どもを育てる環境 46.6 医療施設の便 45.6 台風など風水害に対する安全さ 45.4 日常の交通の便 44.2 街並みのよさ 43.6 地区の集会施設 43.5 祭りや地域の行事 42.1 河川のきれいさ・水質 41.3 道路の広さや舗装 37.6 公共施設利用の便 37.4 地震に対する安全さ 32.5 除雪対策 29.4 公園の整備状況 29.3 まちのにぎわい 27.1 文化施設 27.0 子どもの遊び場 25.7 高齢者や障がい者が暮らしやすい環境 24.0 スポーツ施設 22.9 余暇を楽しめる催しや機会 20.8 0 176 ひがしねの未来 ● ごみやし尿の処理、豊かな自然環境、日 常の買い物の便、防災、防犯、近所の助 け合いといった日常生活に最も関わり の深い項目を評価する市民が多い。 10 20 30 40 50 60 70 80(%) 「不満」+「どちらかといえば不満」 除雪対策 41.4 子どもの遊び場 35.5 道路の広さや舗装 30.3 余暇を楽しめる催しや機会 29.4 スポーツ施設 28.8 26.8 日常の交通の便 25.9 文化施設 25.5 高齢者や障がい者が暮らしやすい環境 資 料 公園の整備状況 24.2 まちのにぎわい 22.3 市 民アン ケ ート 集 計 結 果の 概 要 医療施設の便 20.7 河川のきれいさ・水質 18.8 道路交通の安全さ 18.6 日常の買い物の便 17.2 下水や雨水などの排水処理 16.9 公共施設利用の便 16.9 地区の集会施設 12.5 街並みのよさ 12.4 祭りや地域の行事 11.9 地震に対する安全さ 10.7 子どもを育てる環境 10.4 近所どうしの助け合い 10.3 台風など風水害に対する安全さ 7.6 ごみの収集・処理状況 6.9 防火、火災・救急体制 6.3 緑の豊かさ 6.1 防犯・風紀のよさ 6.0 し尿の収集・処理状況 6.0 自然景観 ● 除雪対策、道路の広さや舗装、子どもの 遊び場、スポーツ施設、公園など、整備 されればより快適性と利便性が高まる 社会資本の整備を望む声が多い。 5.5 0 10 20 30 40 50 60 70 80(%) ひがしねの未来 177 今後のまちづくりについて 問3 あなたは、今後、東根市がどのようなまちになればよいと お考えですか。(2 つ選択) 44.5 健康で福祉の充実したまち 31.7 農業・工業・商業などの産業が盛んなまち 治安がよく、災害のないまち 27.6 生活施設が整ったまち 22.0 自然と調和のとれたまち 16.9 教育環境の充実したまち 11.8 公害がなく、美しいまち 11.6 ふれあいと、にぎわいのあるまち 11.1 たくさんの観光客が訪れるまち 7.4 芸術・文化活動が盛んなまち 6.0 スポーツが盛んなまち 4.9 その他 2.1 わからない 1.1 無回答 2.1 0 10 20 30 40 ●「健康、 福祉」、 「産業振興」を望む意見が多い。健康への関心、少子高齢化社会への意識が 高まっていることや調査時の経済情勢の影響によるものと思われる。 ● 10歳代と20歳代では、回答が各設問へ分散する傾向にあるが、30歳代以降の年代では、 「健康、福祉」の回答が多い。 178 ひがしねの未来 50(%) 問4 あなたは、東根市の土地利用について どのようにお考えですか。 (1つ選択) 働く場を増やすためにも、工業用地を拡大する 農業を振興するためにも、農地を保全する うるおいのあるまちにするためにも、公園を増やし、緑を守る にぎわいのあるまちにするためにも、商業用地を拡大する 現在のままでいい 9.0 人口を増やすためにも、住宅地を拡大する 8.7 その他 23.2 19.7 19.3 14.6 わからない 資 料 3.2 1.7 無回答 0.6 0 10 20 30(%) ● 土地利用に関しては、地区毎の特徴がみられる。最も割合の多い回答を地区毎に見てみると下 記のようになっている。 ● 東根地区…… 働く場を増やすためにも、工業用地を拡大する(23.0%) ● 神町地区……うるおいのあるまちにするためにも、公園を増やし、緑を守る(24.7%) ● 東郷地区…… 働く場を増やすためにも、工業用地を拡大する(27.3%) ● 高崎地区…… 人口を増やすためにも、住宅地を拡大する(23.7%) 働く場を増やすためにも、工業用地を拡大する(23.7%) ● 大富地区……うるおいのあるまちにするためにも、公園を増やし、緑を守る(23.4%) ● 小田島地区… 農業を振興するためにも、農地を保全する(25.2%) ● 長瀞地区…… 人口を増やすためにも、住宅地を拡大する(21.3%) 市 民アン ケ ート 集 計 結 果の 概 要 ● 経済不況以前に東北への大企業立地がみられ、市民の関心が高まったことや調査時の経済情勢 の影響により、就労の場の確保のため、「工業用地を拡大」を望む回答が多くなったものと思わ れる。 ひがしねの未来 179 社会的施設の整備について 問5 東根市で、施設の整備や充実が必要と思うものを 選んでください。(3 つ選択) 老人福祉施設(老人ホーム、デイサービスセンターなど) 40.8 教育文化施設(図書館、文化会館、美術館、博物館、公民館など) 39.4 26.9 医療施設(病院など) 24.5 道路 レクリエーション施設(キャンプ場、子どもの遊び場など) 21.8 公共交通機関(バスなど) 21.6 20.8 児童福祉施設(保育所など) 17.4 公園・緑地 16.5 教育施設(小中学校、高等学校、大学など) 12.6 防災施設(防火設備、避難地、避難経路など) 12.2 物産会館、産直施設 体育施設 9.7 公営住宅 5.6 公営墓地 5.4 排水・汚水処理施設 4.9 廃棄物処理施設 2.8 その他 4.2 特にない 2.8 無回答 10.6 0 10 20 30 ● 全年齢層において、「老人福祉施設」と「図書館、文化会館などの教育文化施設」 を望む回答が多い。 ● 若い世代はレクリエーション施設、40歳代以降は老人福祉施設を望むという 特徴がみられる。 180 ひがしねの未来 40 50(%) 問6 東根市で、道路・交通機関について、特に整備や充実が 必要と思うものを選んでください。(2 つ選択) 42.8 家の前などの生活に密着した道路の拡幅・改良 周辺市町と東根市を結ぶ幹線道路の整備 23.5 市内の地域と地域を結ぶ幹線的道路の整備 23.4 交通安全施設(ガードレールなど)の整備 23.0 資 料 20.3 路線バスの整備 15.0 JR(鉄道)の運行本数の増便 9.9 沿道の緑化 9.5 7.7 高速道路の整備 整備や充実の必要を感じていない 5.4 その他 6.0 4.8 わからない 10.3 無回答 0 10 20 30 40 50(%) 市 民アン ケ ート 集 計 結 果の 概 要 山形空港(航空機)の運行本数の増便 ● 地区、年齢層に関わらず「家の前などの生活に 密着した道路の拡幅・改良」を望む声が多い。 ●「JR(鉄道)の運行本数の増便」は、学生に多い。 ひがしねの未来 181 少子高齢化への対応、福祉などについて 問7 65歳以上の高齢者人口は、今後も増加が続いていく見込みで すが、こうした高齢化の進展に対応するために必要なのは、 どのような施策だとお考えですか。(2 つ選択) 45.4 老人福祉施設、医療機関などの整備 ホームヘルパーの派遣や食事の配達など、 高齢者が自宅で生活しやすいサービスの充実 39.6 高齢者が充実した時間を過ごせるための、 生涯学習機会の充実や教養・娯楽の場の整備 30.4 高齢者にとって使いやすい住宅、 道路、交通機関などの整備 29.0 地域や隣近所などによる助け合いや 支えあう意識を高めること 24.4 高齢者の就業機会の創出 24.1 2.1 その他 1.4 わからない 無回答 4.2 0 ● 福 祉に関する施設やサービス、医療機関 の整備が必要と考える割合が高い。 182 ひがしねの未来 10 20 30 40 50(%) 問8 近年、出生率が低くなっていますが、その理由は 何だとお考えですか。(2 つ選択) 経済的に余裕がないから 仕事をしながら子育てをするのが困難だから 子どもの教育にお金がかかるから 結婚する人が少ないから 49.0 45.6 38.1 22.2 結婚年齢があがっているから 18.0 育児に心理的、肉体的負担がかかるから 12.6 自分の趣味やレジャーと両立しないから 3.2 ●「経済的負担」 、 「仕事と子育ての両立困 難」の割合が圧倒的に高い。 2.6 家が狭いから 0.5 その他 2.3 わからない 2.2 4.2 0 10 20 30 40 50(%) 問9 子育て (未就学児)のために、東根市がどのようなことに力を いれたらよいとお考えですか。(2 つ選択) 保育所などの保育時間延長や一時保育などの制度の充実 58.7 乳幼児医療の補助など、経済的な負担を軽くする 57.2 保育所、幼稚園などの施設整備 31.2 屋外で遊べる施設の充実 市 民アン ケ ート 集 計 結 果の 概 要 無回答 ● 20歳代と30歳代では、 「経済的余裕 がないから」と回答する割合が他の年 齢層よりも高い。 資 料 子どもがほしくないから 17.2 子育てに関する悩みの相談などの充実 11.4 健康診査など、乳幼児の健康づくりを進める 7.3 屋内で遊べる施設の充実 ● 問 8「出生率が低い理由」 の回答結果 と連動して、保育所などの児童福祉 施設の充実と多様な保育制度等の充 実、経済的負担の軽減が必要と考え る回答が多い。 6.4 その他 2.1 わからない 3.6 無回答 5.0 0 10 20 30 40 50 60(%) ひがしねの未来 183 問 10 子育て(小学生)のために、東根市がどのようなことに力を いれたらよいとお考えですか。(2 つ選択) 医療費の補助など、経済的な負担の軽減 59.0 学童保育所など、児童福祉施設などの充実 51.3 自然とふれあう機会の充実 22.8 屋外で遊べる施設の充実 22.2 地域の歴史や文化などを学び体験する機会の充実 17.4 子育てや教育に関する悩みの相談の充実 13.2 屋内で遊べる施設の充実 4.7 その他 ● 問 9と同様、児童福祉施設などの充 実、経済的負担の軽減を挙げる割合が 圧倒的に高い。 1.5 わからない 3.0 無回答 5.0 10 0 20 30 40 50 60(%) 問 11 東根市の保健・医療水準を高めるためには、何が重要だと お考えですか。(2 つ選択) 身近な医院と県立病院などの高度医療機関との連携強化 52.9 夜間・休日医療や救急医療の充実 48.2 病院の設備や診療科目などの充実 35.1 健康診断や検診体制の充実 20.4 機能回復のためのリハビリステーション体制の充実 13.6 保健・医療についての情報提供サービスの充実 12.3 保健センター等の保健施設の整備 7.1 その他 2.3 無回答 5.0 0 184 ひがしねの未来 ●「夜間・休日医療や救急医療の充実」 を望む 声は若年層に多く、 「身近な医療と県立病院 などの高度医療機関との連携強化」を望む声 は高齢者層に多い傾向にある。 3.0 わからない 10 ● 医 療環境の充実に関わる回答が上位となっ ている。 20 30 40 50 60(%) 問 12 障がいを持つ人のために、東根市がどのようなことに力を いれたらよいとお考えですか。(2 つ選択) 医療費の助成などにより、経済的負担を軽くする 53.7 医療施設や訓練施設などの福祉施設を整備する 37.3 就業機会の拡大など社会参加の整備を図る 34.3 歩道の段差解消など、生活環境の整備を図る 25.6 小中学校などで福祉教育を進め、理解の輪を広げる 23.4 ボランティア活動を促進し、助け合いの意識を広める 18.1 その他 ● 経 済的負担の軽減を挙げる回答 が50%超と最も多い。 1.0 わからない ● 福 祉施設の整備を望む回答は高 齢者層に多い。 2.4 4.2 10 0 20 30 40 50 60(%) 市 民アン ケ ート 集 計 結 果の 概 要 産業振興について 問 13 今後の東根市の農業を振興するにあたり、 何が重要だとお考えですか。(2 つ選択) 農業後継者の育成に力を入れる 63.3 市場競争力のある特産品づくりや特産品のPRを進める 43.5 農家の法人化など、共同組織の設立を促進する 25.6 観光農業を積極的に進める 16.9 バイオテクノロジー利用など、農業技術の革新を図る 12.9 専業農家の規模拡大を図る ● 農 業後継者の育成が最も多く、次代を担 う農業従事者の育成が求められている。 10.5 土地改良など農業基盤の整備を図る 8.8 その他 ● 市場競争力のある特産品づくりや特産品 の PR は、20歳代~ 50歳代に多い。 2.6 わからない 7.9 無回答 8.0 0 10 資 料 無回答 20 30 40 50 60 70(%) ひがしねの未来 185 問 14 東根市の工業を振興するためには、 何が重要だとお考えですか。(2 つ選択) 技術者の養成を進める 35.1 企業の活性化、近代化を促進する 32.6 勤労者の厚生施設を充実させる 23.2 農商工連携事業を進める 22.1 研究開発機能の強化を進める 19.9 工業団地をつくり、企業誘致を進める 19.3 振興を図るための助成制度を整備する 14.2 ニューメディアを活用した情報基盤を整備する ●技 術者の養成、企業の活性化、近代化 といった企業のさらなるレベルアッ プを望む声が多い。 9.9 その他 1.5 わからない 10.1 無回答 12.1 10 0 20 30 40(%) 問 15 東根市の商業を振興するためには、 何が重要だとお考えですか。(2 つ選択) 家族で買い物が楽しめる雰囲気づくりを進める 34.1 ひがしね特産品の開発を進める 29.8 商店街を整備し、徒歩での買い物を便利にする 24.9 イベント開催など、催しを積極的に行う 21.6 流行品など、品揃えの豊富な専門店を増やす 21.0 身近なスーパー、コンビニを充実する 19.1 商店街に駐車場を整備し、車での買い物を便利にする 16.5 市の中心部に大型店をつくる 8.7 振興を図るための助成制度を整備する 7.5 ブランド品がそろう高級品店を増やす 3.0 その他 3.4 わからない 4.4 無回答 ● 「流行品など、品揃えの豊富な専門店」 を望む声は、年齢別では若年層に多 く、これに関連して、職業別では学生 に多い。 5.9 0 186 ひがしねの未来 ● 「 家族での買い物」の割合が全年齢層 に共通して高い。世帯構成別では、 2世代世帯、3世代世帯で高い。 10 20 30 40(%) 問 16 東根市の観光を振興するためには、 何が重要だとお考えですか。(2 つ選択) さくらんぼ東根温泉の魅力を高めるための整備を行う 全国から注目されるイベントを行う 既存の観光資源、観光スポットの整備を行う 22.8 首都圏などで、市の観光PRを積極的に行う 42.4 29.6 20.1 市内に点在している史跡や名勝のネットワーク化を図る 17.8 観光農園など、農業資源の活用を図る 17.7 観光客へのサービスを向上させる 17.5 新しい観光資源を開発・発掘し、整備を行う 13.2 8.5 その他 ● 全国から注目されるイベントを望むの は、10歳代~ 40歳代に多い。 2.4 わからない 3.7 無回答 資 料 黒伏高原スキー場(ジャングル・ジャングル)の活用を図る ● さくらんぼ東根温泉の魅力を高めるこ とを重視する声が最も多い。 5.0 20 30 40 50(%) 教育・文化振興について 問 17 青少年のために、東根市がどのようなことに 力を入れたらよいとお考えですか。(2 つ選択) 青少年が互いに交流できる機会を増やす 55.1 文化・スポーツ活動などを積極的に支援する 53.9 非行防止の対策や啓発活動を活発に行う 30.2 健やかな青少年を育てるための組織を充実させる 27.7 悩みごと相談など、明るい環境づくりを進める 22.0 その他 市 民アン ケ ート 集 計 結 果の 概 要 10 0 2.3 わからない 3.4 無回答 5.4 0 10 20 30 40 50 60(%) ● 文化・スポーツ活動などを通じて人と触れ合うことにより社会性 を育み、青少年自身が楽しみや充実感を持って生活することを望 む声が多い。同時に、悩みごと相談、非行防止対策など、周囲に よるバックアップや環境づくりも求められている。 ひがしねの未来 187 問 18 東根市がスポーツの盛んなまちになるためには、 何が重要だとお考えですか。(2 つ選択) 市民が親しみやすいスポーツ教室を開催する 誰でも参加できる市民スポーツ大会を開催する スポーツ施設の管理を利用しやすいものにする 大森山総合公園内のスポーツ施設を積極的に活用する 国際・全国規模のスポーツ大会を誘致、開催する 15.3 市内体育施設の整備を充実させる 学校や企業の体育施設を開放する 13.4 スポーツ指導者を養成する 13.3 スポーツについての情報提供サービスを充実する スポーツ団体を育成強化する ● 「市民が親しみやすいスポーツ教室 の開催」が最も高い割合であり、女 性の割合が高い。 11.8 ● 10年前の前回調査と同様、新たな 施設整備を求めるよりも、スポーツ 教室や大会の開催、施設利用の利便 性の向上など、ソフト施策の充実を 求める声が多い。 4.6 無回答 25.5 14.7 3.0 わからない 28.7 19.5 11.6 その他 31.8 6.9 0 10 20 30 40(%) 問 19 芸術・文化活動を盛んにするためには、 何が重要だとお考えですか。(2 つ選択) 優れた文化・芸術に触れる機会を増やす 52.5 誰でもが発表したり参加できる機会を増やす 25.4 郷土芸能の保存や文化財の保護に努める 25.0 芸術・文化活動の施設の整備を図る 24.6 文化・芸術活動についての情報提供サービスを充実する 21.0 文化・芸術関係の団体やグループへの助成や育成に努める 16.7 文化・芸術に関する市民講座を充実する 16.1 その他 わからない 7.7 無回答 9.5 0 188 ひがしねの未来 ●「優れた文化・芸術に触れる機会」 の 充実を求める声は全年齢層に共通し て多く、最も割合が高い。 1.5 10 20 30 40 50 60(%) 問 20 生涯学習活動を盛んにするためには、 何が重要だとお考えですか。(2 つ選択) 講座など、学習の機会を増やす 51.2 自主的に学習ができる場の整備を図る 35.5 講座の内容を充実させる 32.7 公民館の施設の整備充実を図る 22.8 サークルなどの団体やグループへの助成や育成に努める 22.0 発表したり参加できる機会を増やす 18.2 その他 ● 「学習機会の充実」と「自主学習の場」 を求める回答が多い。 1.5 わからない 7.5 8.8 0 10 20 30 40 50 60(%) 児童・生徒の教育のために東根市がどのようなことに 力を入れたらよいとお考えですか。(2 つ選択) 道徳、福祉、環境などの教育を充実する 58.6 いじめや不登校対策の充実を図る 44.7 学力の向上をめざした教育を進める 29.8 自然を生かした公園などの遊び場を整備する 市 民アン ケ ート 集 計 結 果の 概 要 問 21 資 料 無回答 24.0 校舎の整備や周辺の緑化など、学校の環境を良くする 16.4 校舎の耐震化を進める ● 「道徳、福祉、環境などの教育充実」 を求める回答が最も多い。 10.3 青少年を対象とした公民館の講座などを充実させる 7.3 その他 2.1 わからない 2.0 無回答 ● 10年前の前回調査と比較して、最 も特徴的な項目は「学力の向上」で あり、前回の7.0%から29.8%と大 きく上昇している。 5.0 0 10 20 30 40 50 60(%) ひがしねの未来 189 ボランティア活動・まちづくり活動への参画について 問 22 社会貢献活動(ボランティア)の中で 最も関心のあるものは何ですか。(1つ選択) 高齢者・障がい者などの福祉に関する活動 防犯、防災、まちづくりなど、地域生活、地域社会を 暮らしやすくするための活動 23.0 自然や環境を守る活動 教育、文化、スポーツの振興などに関する活動 健康増進や医療に関する活動 被害者・被災地への救援、支援にかかわる活動 国際交流・国際協力にかかわる活動 3.3 平和・人権問題、女性の地位向上等にかかわる活動 2.6 その他 2.5 わからない 2.7 無回答 15.9 14.5 8.9 6.2 ● 福祉に関する活動が最も多い。 0.4 関心がない 18.4 ● 「防犯、防災、まちづくりなど」と 答えた人は、50歳代以降に多い。 1.6 10 0 20 30(%) 問 23 まちづくりに参加するために、東根市に どのようなことを希望しますか。(2 つ選択) まちづくりに関する情報提供や PRを積極的に行ってほしい 43.9 アンケートやヒアリングにより、住民の意見を聞いてほしい 38.9 住民参加を支援・保証する市政のしくみをつくり、 参加しやすい環境にしてほしい 住民と行政の話し合いや、相談の場をもうけてほしい 25.4 まちづくりに住民を参加させてほしい 17.5 住民のなかから、まちづくりのリーダーを育成してほしい 9.8 その他 ● 「まちづくりに関する情報提供や PR」 を望む声が最も多い。 0.7 特にない 5.4 わからない 5.8 無回答 ●「住民の意見の聞き取り」 を望む声は、 10歳代から40歳代に多い。 16.1 0 190 ひがしねの未来 36.5 10 20 30 40 50(%) 市政について 問 24-1 市政について、どのような印象をお持ちですか。(1つ選択) 信頼できる どちらかといえば どちらとも どちらかといえば 信頼 わからない 無回答 信頼できる いえない 信頼できない できない 13.4 38.5 5.1 32.6 3.4 20 0 40 60 80 5.8 1.2 100(%) ● 「信頼できる」+「どちらかといえば信頼できる」との回答割合が、 10年前の前回調査と比較して、32.9% → 51.9%と上昇した。 資 料 問 24-2 市政の進展度(1つ選択) どちらかといえば 進んでいる 10.6 どちらとも どちらかといえば 遅れている わからない 無回答 いえない 遅れている 39.2 20 0 31.2 40 60 8.5 6.0 3.5 1.0 80 100(%) ● 「進んでいる」+「どちらかといえば進んでいる」との回答割合が、 10年前の前回調査と比較して、20.8% → 49.8%と上昇した。 問 24-3 市 民アン ケ ート 集 計 結 果の 概 要 進んでいる 窓口対応の親切さ(1つ選択) どちらかといえば どちらとも どちらかといえば 不親切 わからない 無回答 親切である いえない 不親切である である 親切である 23.7 39.8 22.7 5.7 2.6 0 20 40 60 80 1.1 4.4 100(%) ● 「親切である」+「どちらかといえば親切である」との回答割合が、 10年前の前回調査と比較して、45.6% → 63.5%と上昇した。 ひがしねの未来 191 第 4 次東根市総合計画 策定の歩み 平成 20 年 8月22 日 策定基本方針 庁議決定 26 日 策定委員会 設置 9月 2 日 策定基本方針 市議会説明 29 日 職員プロジェクトチーム 全体会議(第1回) 9月〜10 月 施策の進行状況 各課照会・回答 10 月14 日 策定基本方針 振興審議会説明 振興審議会 市民会議 9月 1日 市民会議厚生部会・職員 PT 厚生部 会合同会議(第1回) 8日 市民会議総務文教部会・職員 PT 総 務文教部会合同会議(第1回) 9日 中学生との意見交換 公開研修授業 (総合計画について) 11 月15 日 将来像( イメージ )に関する意見公 募(市報、ホームページ) 26 日 職員プロジェクトチーム 総務文教部会(第4回) 〃 職員プロジェクトチーム 経済建設部会(第4回) 30 日 職員プロジェクトチーム 厚生部会(第4回) 12 月10 日 振興審議会へ諮問 平成 21 年 1月 市民会議委員 公募 職員プロジェクトチーム 2月25 日 総務文教部会(第1回) 12 月 4 日 市民会議正副部会長会議 8日 3月 3日 職員プロジェクトチーム 厚生部会(第1回) 5日 職員プロジェクトチーム 経済建設部会(第1回) 21 日 12 日 職員プロジェクトチーム 厚生部会(第2回) 25 日 17 日 職員プロジェクトチーム 総務文教部会(第2回) 〃 職員プロジェクトチーム 経済建設部会(第2回) 6月 5日 専門家会議 設置 職員プロジェクトチーム 15 日 総務文教部会(第3回) 振興審議会常任幹事会 (策定委員会第3回) 15 日 振興審議会(検証と課題について) 市議会全員協議会 (検証と課題について 報告) 市民アンケート最終回収 回収率 50.4% 平成 22 年 1 月20 日 市民会議 経済建設部会(第2回) 25 日 市民会議 総務文教部会(第2回) 2月 2日 市民会議 厚生部会(第2回) 5日 職員プロジェクトチーム 総務文教部会(第5回) 16 日 職員プロジェクトチーム 経済建設部会(第3回) 12 日 18 日 職員プロジェクトチーム 厚生部会(第3回) 職員プロジェクトチーム 厚生部会(第5回) 18 日 職員プロジェクトチーム 経済建設部会(第5回) 〃 市民会議設置 7月 1日 策定委員会(第2回) 13 日 市民会議 全体会議(第1回) 30 日 専門家会議(第1回) ・ まちづくり研修会 8月20 日 市民会議 経済建設部会(第1回) 24 日 市民アンケート発送 192 ひがしねの未来 19 日 市民会議 経済建設部会(第3回) 3月 2日 振興審議会常任幹事会 (策定委員会第4回) 15 日 振興審議会 (基本構想 中間報告について) 23 日 市議会全員協議会 (基本構想 中間報告について) 専門家会議委員、市民会議委員、 職員 PT による合同会議 4月21 日 専門家会議委員評価 22 日 専門家会議委員評価 5月 1日 基本構想中間報告に関する意見公募 (市報、ホームページ) 職員プロジェクトチーム 7日 総務文教部会(第6回) 振興審議会答申 策定記念事業 まちづくり研修会 市議会全員協議会 9月28 日 (基本構想・基本計画 中間報告に ついて) 10 月27 日 専門家会議委員評価 29 日 専門家会議委員評価 11 月 1日 専門家会議委員評価 13 日 職員プロジェクトチーム 経済建設部会(第6回) 10 日 政策調整会議 14 日 職員プロジェクトチーム 厚生部会(第6回) 16 日 庁議 25 日 厚生部会合同会議(専門家会議委員・ 市民会議委員・職員 PT) 12 月10 日 市議会「第4次東根市総合計画( 基 本構想)議決」 平成 23 年 3 月 4 日 策定記念事業 まちづくり研修会 5月~6月 基本計画施策等 各課照会・回答 6月14 日 策定委員会(第5回) 7月 1日 振興審議会常任幹事会 (策定委員会第6回) 7日 振興審議会 (基本計画 中間報告について) 21 日 市議会全員協議会 (基本計画 中間報告について) 8月 1日 基本計画中間報告に関する意見公募 (市報、ホームページ ) 会議開催状況 策 定の歩み 総務文教部会合同会議(専門家会議 28 日 委員・市民会議委員・職員 PT) 30 日 議案上程 資 料 経済建設部会合同会議(専門家会議 19 日 委員・市民会議委員・職員 PT) 15 日 振興審議会答申 市議会への説明……………………… のべ 5 回 振興審議会(16 人) …………………… のべ6回 市民会議関係(30 人) ………………… のべ 17 回 専門家(3人)からの指導… ………… のべ 10 回 策定委員会(副市長+教育長+部課長) ………………………………………… のべ7回 職員プロジェクトチーム(31人) …… のべ 28 回 4日 市民会議正副部会長会議 24 日 市民会議 総務文教部会(第3回) 25 日 市民会議 経済建設部会(第4回) 9月 1日 市民会議 厚生部会(第3回) 〃 職員プロジェクトチーム 経済建設部会(第7回) 職員プロジェクトチーム 2日 厚生部会(第7回) 3日 職員プロジェクトチーム 総務文教部会(第7回) 〃 職員プロジェクトチーム全体会議 13 日 策定委員会(第7回) 振興審議会(基本構想・基本計画 27 日 中間報告について) 意見公募関係 3回実施:提出者 1 名 …………(環境に配慮したまちづくりを望む内容) ほか市民会議公募時 3 名から意見提出 中学生との意見交換 1 回実施:第一中学校の公開研究授業にて、 総合計画をテーマにまちづくりに ついて意見をもらった。 市民アンケート関係 1 回実施:3,000人中 1,511 人回答 50.4% 概要を平成 22 年3月の中間報告に添付 ひがしねの未来 193 第 4 次東根市総合計画 策定体制図 提言、議決(基本構想) 諮問 市議会 市 長 振興審議会 (委員 16 名) 提案、説明 答申 (事務局) 事務局長:副市長 常任幹事:教育長、全部長 事務局長代理:総務部長 専門家会議 (委員 3 名) 事務局 総合政策課 提言 幹事:全課長 指示 事務局次長:総合政策課長 書記:総合政策課職員 提言 提言 報告 提言 市民 策定委員会 市民会議 (委員 30 名) 3 部会制 事務局 総合政策課 ・まちづくりアンケート回答 ・基本構想及び基本計画の素案 に対する意見 意見 委員長:副市長 副委員長:教育長 委員:全部課長 提案 指示 プロジェクトチーム (職員 31 名) 3 部会制 ・まちづくり研修会における 意見など 事務局 総合政策課 194 ひがしねの未来 第 4 次東根市総合計画 策定にご協力いただいた方々 東根市振興審議会 委員 策定市民会議 委員 平成 22 年12 月1日現在 敬称略、50音順 全体会会長 村 上 克 男 ( 神 町 ) 会長職務代理者 齋 藤 節 子 全体会副会長 森 谷 佐栄子 ( 大 富 ) 委員 佐 藤 勝 藏 部会長 松 浦 秀 文 ( 大 富 ) 副部会長 武 田 浩 子 ( 神 町 ) 青 野 博 ( 長 瀞) 安 達 みさと ( 東 郷) 五十嵐 理 恵 ( 東 根 ) 村 上 克 男 ( 神 町 ) 村 田 幹 子 ( 神 町 ) 矢 口 匡 彦 ( 東 根 ) 結 城 精 助 ( 東 根 ) 横 尾 禎 司 ( 東 根 ) 部会長 清 野 忠 ( 東 郷 ) 副部会長 星 川 知佳子 ( 東 根 ) 青 山 まり子 ( 東 根 ) 梅 津 正 夫 ( 東 根 ) 大 江 弘 哉 ( 小田島 ) 髙 橋 利 廣 ( 神 町 ) 早 坂 和 紀 ( 神 町 ) 元 木 博 史 ( 東 根 ) 森 里 史 ( 東 根 ) 横 尾 芳 也 ( 東 根 ) 部会長 髙 橋 啓 ( 東 根 ) 副部会長 名 和 真理子 ( 東 郷 ) 網 干 康 ( 東 根 ) 伊 勢 博 ( 東 根 ) 大 江 智 子 ( 高 崎 ) 大 江 雅 人 ( 大 富 ) 松 浦 圭 子 ( 東 郷 ) 森 谷 佐栄子 ( 大 富 ) 山 口 和 子 ( 東 根 ) 結 城 豊 昭 ( 長 瀞) 佐 藤 万記子 総務文教部会 矢 口 信 哉 齊 藤 良 子 北 村 陽 子 村 岡 忠 髙 橋 京 子 東海林 ひさ子 元 木 十四男 大 内 優 東海林 光 輝 大河原 裕 之 経済建設部会 鈴 木 康 子 武 田 喜三郎 委員 阿 部 勉 (任期:平成22年 6月30日まで) 齋 藤 慶 実 (任期:平成22年 6月30日まで) 柴 田 秀 喜 (任期:平成22年 6月30日まで) 後 藤 マサエ (任期:平成21年 3月1日まで) 小 野 智 子 (任期:平成22年 6月30日まで) 策定専門家会議 委員 役職は平成 22 年12 月1日現在 委員 細 野 武 司 株式会社 フィデア総合研究所 取締役理事長 委員 國 方 敬 司 委員 河 野 銀 子 山形大学 人文学部 教授 山形大学 地域教育文化学部 准教授 厚生部会 策 定 体 制 図・策 定 関 係 者 元 木 和 幸 資 料 会長 ひがしねの未来 195 第4 次 東根市総合計画 しあわせつくる 学びと交流のまち 平成23年7月発行 発行/山形県東根市 〒999 -3795 山形県東根市中央一丁目1番1号 TEL 0237-42-1111 http://www.city.higashine.yamagata.jp 企画・編集/東根市総務部総合政策課 制作/株式会社フロット 印刷/田宮印刷株式会社 東 根 市 東根 市ホームページ h t t p: // w w w .ci t y . h i g a s h i n e. y a ma g a t a . jp ECOIJ0142
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