一般契約について

一般契約について
1. 契約とは?
契約とは 2 者以上の者が、お互いに価値のある物の交換をする場合において行う法的
拘束力のある合意のことを言います。契約を取り交わした一方が約束を破った場合、もう
一方は法的な救済を求めることが出来ます。
法的拘束力を持つ契約には正確な要素が必要です。
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一方による申し出と他の一方による申し出の受諾
契約の条件に対する相互の合意
「価値があると考えられる交換」であることへの相互の合意
2. 誰が契約書を作成することが出来ますか?
カリフォルニア州では契約を作る能力のある人ならば、誰でも作成することが出来ます。
アメリカ合衆国民である必要もなければ、英語を使う必要もないのです。
カリフォルニア州では、殆どの場合、ビジネスにおいて個人の理由(人種、肌の色、性別、
宗教、または国籍等)で契約を拒否することは出来ません。
3. 一般にどのような種類の契約を結ぶ可能性がありますか?
契約は日常生活の中の一部です。なぜなら買う、売る、借りる、貸し付ける、賃貸する、
修繕する、または取引をする等の通常行為の殆どに契約が伴うからです。
以下は、あなたが結びうる最も重要な契約の例です。
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賃貸合意
不動産購入
ローン(車や家等、物を購入しローンを組む場合、返済方法や金利等が明記され
た契約書に署名しなければなりません。)
4. 契約は全て書面にしなくてはいけませんか?
一般的に言えば、答えは「いいえ」です。多くの場合、口頭での契約も法的には可能です
が、それは危険を伴うことにもなりかねません。以下は、必ず書面にしなければならない
契約の例です。
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土地や地所に建てられた建築物を扱う契約
一年以上続く契約
$500.00 以上の価値のある物の売買契約
株などの売買を伴う契約
殆どの共同署名された契約
多くの消費者販売契約(例えばヘルスクラブとの合意要項など)
多くの弁護士と依頼人の間の料金合意要項
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5. 契約に署名する前にすべきことは?
契約書を注意深く読み、契約内容を十分に把握した上で署名しましょう。契約内容が複
雑なものや高額な物を購入、売却する場合、弁護士に相談して契約内容を読んでもらっ
てから署名すべきです。
署名前であれば契約内容の変更に相手側が合意しさえすれば契約内容を変更すること
が出来ます。口約束を信頼しないでください。口頭で約束をした事柄についてはその約
束内容が契約書に明記されているかどうかを確認してから署名するようにしましょう。
6. 契約には共同署名すべき?
共同で契約に署名をするという事は、署名をしたうちの誰かが契約を履行しない場合、そ
の責任は共同で署名した他の者が負うことに合意したことになります。
7. 契約を結ぶ者としてどのような権利がありますか?
それは契約内容により異なります。権利を保障する為の最善策は、自分にとって重要な
契約内容が全て契約書に明記されているかを確認することです。以下は、法律により与
えられる保護の例です。
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保証(多くの製品には書面にされた保証、またはそれ以外の保証がついていま
す。)
自動車購入(仮に、購入した新車が欠陥商品で適切に走行しない場合、ディーラ
ーもしくは製造業者がその車の修理を試みた後、他の新車に交換、または返金し
てもらう事が出来るでしょう。)
ヘルスクラブの契約(先に示しましたように、書面で契約しなくてはいけません。ク
ラブは契約者が契約書に署名後そのコピーを契約者に渡さなければいけません。
また生涯契約を強要することは出来ません。)
自動車修理の見積り(このような見積りも通常、書面でなければいけません。修理
依頼者の承諾なしに修理も実行されるべきではありません。)
クレジット、または分割払いでの販売(分割払い計画の信用貸し(クレジット)により
商品を購入する事が出来ますが、その支払いが滞った場合はどうなるでしょう
か?契約内容により異なりますが、商品の返品または残金の一括返済を要求さ
れる可能性もあるでしょう。)
8. 合法的に契約から手を引くことは可能ですか?
ケースによりますが、答えは、「はい」です。しかし、殆どの契約には拘束力があります。
以下は合法的に契約から手を引く事が可能な契約です。
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契約の取り消しに双方が合意した場合
未成年者により結ばれた多くの契約
いくつかの消費者販売とサービスの契約
法律により書面でなければならないが書面にされていない契約
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「詐欺」または「不当表示」を伴う契約
「不当威圧」を伴う契約
意思に反して結ばれた契約
違法な行為を伴う契約
9. 合法的に取り消すことができない契約を破ってしまった場合どうなりますか?
相手側との和解を試みることができますが、和解を成立させることが出来ず、品物やサ
ービスへの支払いを滞らせてしまった場合、相手側の負債回収代理人から支払いを要
求されることになるでしょう。また、負債についての情報を「クレジット報告代理社」に報告
される可能性があります。そして契約違反により告訴される恐れもあります。
10. 裁判所へ行く場合何がおこる?
訴訟が$5,000.00 以下の損害による場合、小額請求裁判所で取り扱われことになり、通
常、弁護士は代理人として裁判所に出廷することはありません。しかし事前に弁護士の
助言を仰ぐことは出来ます。$5,000.00 以上の損害のある民事訴訟の場合、上級裁判
所へ書類を提出する必要がありますので、弁護士に代理をしてもらうのが最良の案でし
ょう。
11. 弁護士に連絡を取るべきですか?
契約において、不明な点や疑問点、また理解出来ない等の質問がある場合、弁護士に
相談することが出来ます。相談料等、多少の費用がかかりますが、それは将来、十分価
値のあることなのです。ここで是非日本語の諺「一文惜しみの百損」を思い出してみてく
ださい。
(尚、この記事は参考として一般的な概要を皆様にお伝えすることを目的としたものであ
り、個々のケースに対する法律のアドバイスではありません。)
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